JP2000022461A - 高周波用電力増幅器 - Google Patents

高周波用電力増幅器

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JP2000022461A
JP2000022461A JP10183108A JP18310898A JP2000022461A JP 2000022461 A JP2000022461 A JP 2000022461A JP 10183108 A JP10183108 A JP 10183108A JP 18310898 A JP18310898 A JP 18310898A JP 2000022461 A JP2000022461 A JP 2000022461A
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stage
impedance
transistor
circuit
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JP10183108A
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Takatoshi Saito
崇利 斉藤
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2段構成の後段の高周波トランジスタの2次
高調波に対するインピーダンスを他の回路を付加せずに
制御し、高効率化を図りつつ小型化を図る。 【解決手段】 2段構成の高周波トランジスタQ1・Q
2と、入力整合回路と、Q1・Q2間のインピーダンス
整合をとるための分布定数線路L3・L4・L5から成
る段間整合回路と、出力整合回路と、L3・L4の途中
に並列に接続された分布定数線路L2から成る前段バイ
アス回路と、後段バイアス回路とを具備し、L2の線路
長とL3の線路長との和を基本周波数の4分の1波長と
し、Q1の出力電極から後段側を見た基本周波数および
2次高調波に対するインピーダンスの整合をとるととも
に、L2の線路長によりQ2の2次高調波に対するイン
ピーダンスの位相角を140 °〜180 °に設定した高周波
用電力増幅器である。前段バイアス回路を利用して2次
高調波を制御し、高効率化と小型化を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話を始めとす
る移動体通信機器において、マイクロ波帯等の高周波電
力の増幅に使用される高周波用電力増幅器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話や無線機器を始めとする
移動体通信機器端末に使用される半導体デバイスや電子
部品に対する小型化・軽量化・高効率化つまり低消費電
流化の要望が強くなっており、これらの送信部に用いら
れる高周波用電力増幅器についても同様に小型化・軽量
化が要求されている。中でも、高効率化に関しては、高
周波用電力増幅器が端末機器全体の約半分の電流を消費
するため、低電流化が大きな課題である。
【0003】このような高周波用電力増幅器の回路構成
は、電力増幅用の高周波トランジスタを2段用いた多段
構成が一般的となっており、その入出力回路および2段
のトランジスタ間の段間回路には所望の特性が得られる
ような段間整合回路と、前段の高周波トランジスタの出
力電極に直流電流を供給する前段バイアス回路とが構成
される。
【0004】図2にこのような従来の高周波用電力増幅
器の代表的な回路構成の例の回路図を示す。
【0005】図2において、Q3・Q4は電力増幅を行
なう2段構成の高周波トランジスタであり、ここでは電
界効果トランジスタ(FET)を示す。
【0006】C7・C12は、それぞれこの高周波用電力
増幅器と他の回路との直流成分を遮断するためのデカッ
プリングコンデンサであり、通常は高周波信号の基本周
波数に対してインピーダンスが十分低くなるような容量
値とされる。
【0007】C8・L8およびC11・L13、ならびにC
10・L10・L11はそれぞれ高周波トランジスタQ3・Q
4の性能を引き出すために入出力回路および高周波トラ
ンジスタQ3・Q4間の高周波信号の基本周波数に対す
るインピーダンスを最適なものとするためのコンデンサ
および分布定数線路、例えばマイクロストリップ線路で
ある。それぞれC8・L8により入力整合回路が、C11
・L13により出力整合回路が、C10・L10・L11により
段間整合回路が構成されることとなる。
【0008】なお、インピーダンスの段間整合において
はL10のみでインピーダンス整合が可能であって、L11
・C10は必ずしも必要とするものではなく、L11・C10
は高周波用電力増幅器の仕様に応じ、また必要に応じて
付加される。
【0009】R3・R4はそれぞれ高周波トランジスタ
Q3・Q4のゲート(制御電極)に制御バイアス電圧を
供給するための制御バイアス回路を構成する抵抗であ
る。
【0010】L9ならびにL12はそれぞれ高周波トラン
ジスタQ3・Q4のドレインおよび出力のための電流を
供給する前段バイアス回路ならびに後段バイアス回路を
構成する分布定数線路であり、通常は高周波信号の基本
周波数の4分の1波長の長さになるようにして、高周波
トランジスタQ3・Q4のドレイン(出力電極)側から
見てインピーダンスが無限大に見えるようにするか、あ
るいは回路のインピーダンスから見て無視できるほどの
大きなインピーダンスとなる線路長に設定されている。
【0011】C9は前段バイアス回路から高周波トラン
ジスタQ3へ供給する直流電流が高周波トランジスタQ
4へ流れ込むことを防ぐデカップリングコンデンサであ
り、通常はC7・C12と同様に、高周波信号の基本周波
数から見てインピーダンスが十分低くなるような容量値
とされる。
【0012】このような回路構成の高周波用電力増幅器
においては、前段の高周波トランジスタQ3である程度
のゲインを得ており、後段の高周波トランジスタQ4が
その他の特性、例えば消費電流・歪み等の特性に対して
支配的なものとなっている。
【0013】例えば、入力電力+5dBmに対して出力
電力+30dBm・消費電流500 mAの高周波用電力増幅
器の場合、高周波トランジスタQ3・Q4のゲインはそ
れぞれ15dB・10dB程度、電流はそれぞれ100 mA・
400 mA程度となっている。
【0014】従って、高周波用電力増幅器の高効率化を
図るためには後段の高周波トランジスタQ4の低電流化
は必須の条件であり、その低電流化を達成するため、出
力整合回路において、高周波信号の基本周波数に対する
インピーダンスのみならず基本周波数の2次高調波に対
するインピーダンスに関しても、ロードプル測定によ
り、または実験的に最適(低電流)となるインピーダン
スを求め、最適化する制御が一般に行なわれている。ま
た、そればかりではなく、後段の高周波トランジスタQ
4に対する入力整合回路、つまり段間整合回路において
も2次高調波に関して同様の制御が行なわれている。
【0015】従来の高周波用電力増幅器においては、段
間整合回路における2次高調波の制御は、段間整合回路
に、図2にDで示すような例えば分布定数線路とコンデ
ンサとから成る制御回路を付加することにより行なって
いた。このとき、この回路D中の分布定数線路を基本周
波数の4分の1波長に相当する線路長とすることによ
り、高周波入力信号の基本周波数に対しては影響を与え
ず、2次高調波のみを制御するようにしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の高周波用電力増幅器においては、段間整合
回路において高周波信号の基本周波数の2次高調波に対
してインピーダンスに関する制御を行なうための回路D
を別に設けて付加していたことから、高周波用電力増幅
器の小型化の妨げとなっており、小型化の要求に十分に
対応できないという問題点があった。
【0017】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みて案出されたものであり、その目的は、2段構成の高
周波トランジスタを用いた高周波用電力増幅器における
段間整合回路における高周波信号の基本周波数の2次高
調波に対するインピーダンスの制御について、後段の高
周波トランジスタから見た2次高調波に対するインピー
ダンスに関して制御を行なうための回路を付加する必要
がなく、小型化の要求に十分に応えることができる高周
波用電力増幅器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波用電力増
幅器は、制御電極に供給された高周波入力信号を増幅し
出力電極より高周波出力信号として出力する、2段構成
の高周波トランジスタと、前段の高周波トランジスタの
前記制御電極に接続され、前記高周波入力信号の基本周
波数に対して入力インピーダンス整合をとるための入力
整合回路と、前段の高周波トランジスタの前記出力電極
と後段の高周波トランジスタの前記制御電極との間に挿
入され、前記2段構成の高周波トランジスタ間のインピ
ーダンス整合をとるための分布定数線路から成る段間整
合回路と、後段の高周波トランジスタの前記出力電極に
接続され、所望の出力特性に整合をとるための出力整合
回路と、前記段間整合回路の分布定数線路の途中に段間
整合回路に並列に接続され、前記前段の高周波トランジ
スタに直流電流を供給するための分布定数線路から成る
前段バイアス回路と、前記後段の高周波トランジスタの
前記出力電極に接続され、前記後段の高周波トランジス
タに直流電流を供給するための分布定数線路から成る後
段バイアス回路とを具備し、前記前段バイアス回路の分
布定数線路の線路長と、前記段間整合回路の前記前段の
高周波トランジスタの出力電極と前記前段バイアス回路
間の分布定数線路の線路長との和を前記高周波入力信号
の基本周波数の4分の1波長とし、前記前段の高周波ト
ランジスタの前記出力電極から後段側を見た前記高周波
入力信号の基本周波数および2次高調波に対するインピ
ーダンスの整合をとるとともに、前記前段バイアス回路
の前記分布定数線路の線路長により、前記後段の高周波
トランジスタの前記制御電極から前段側を見たインピー
ダンスのうち前記高周波入力信号の基本周波数の2次高
調波に対するインピーダンスの位相角を140 °〜180 °
に設定したことを特徴とするものである。
【0019】本発明の高周波用電力増幅器によれば、前
段の高周波トランジスタの出力電極と後段の高周波トラ
ンジスタの制御電極との間に挿入された、2段構成の高
周波トランジスタ間のインピーダンス整合をとるための
分布定数線路から成る段間整合回路と、段間整合回路の
分布定数線路の途中に段間整合回路に並列に接続され
た、前段の高周波トランジスタに直流電流を供給するた
めの分布定数線路から成る前段バイアス回路とを具備
し、これら前段バイアス回路の分布定数線路の線路長
と、段間整合回路の前段の高周波トランジスタの出力電
極と前段バイアス回路間の分布定数線路の線路長との和
を高周波入力信号の基本周波数の4分の1波長とし、前
段の高周波トランジスタの出力電極から後段側を見た高
周波入力信号の基本周波数および2次高調波に対するイ
ンピーダンス(出力インピーダンス)の整合をとるとと
もに、前段バイアス回路の分布定数線路の線路長によ
り、後段の高周波トランジスタの制御電極から前段側を
見たインピーダンス(入力インピーダンス)のうち高周
波入力信号の基本周波数の2次高調波に対するインピー
ダンスの位相角を140 °〜180 °に設定したことから、
前段の高周波トランジスタの出力電極に直流電流を供給
するバイアス回路を構成する分布定数線路を段間整合回
路の一部として用いることとなり、これら前段バイアス
回路と段間整合回路の一部とによって、前段の高周波ト
ランジスタに直流電流を供給するという本来の目的を達
成するばかりでなく、後段の高周波トランジスタから見
た入力インピーダンスの基本周波数の2次高調波に対す
るインピーダンスの制御回路としても機能するものとな
り、後段の高周波トランジスタの低電流化を達成するこ
とができるものとなる。この結果、従来のように高調波
制御回路を別の回路として付加する必要はなく、より一
層の小型化の要求にも対応可能な高調波制御機能を有す
る高周波用電力増幅器となる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
説明する。図1は本発明の高周波用電力増幅器の実施の
形態の一例を説明するための回路構成の例を示す回路図
である。
【0021】図1において、Q1とQ2は電力増幅を行
なう高周波トランジスタであり、例えば数百MHzから
数GHzといった分布定数線路が適用できる周波数範囲
において用いられるものであり、ここでは電界効果トラ
ンジスタ(FET)を例に示す。
【0022】C1・C6はそれぞれこの高周波用電力増
幅器と他の回路との直流成分を遮断するためのデカップ
リングコンデンサである。また、C3は前段の高周波ト
ランジスタQ1へ供給した直流成分が、後段の高周波ト
ランジスタQ2へ流れ込むことを遮断するためのデカッ
プリングコンデンサである。これらデカップリングコン
デンサC1・C3・C6は、通常は基本周波数から見て
十分に低いインピーダンスになるように設定され、それ
ぞれ基本周波数に対する入力インピーダンス整合・段間
インピーダンス整合・出力インピーダンス整合には影響
しない。
【0023】C2・L1はそれぞれ前段の高周波トラン
ジスタQ1の性能を引き出すために前段の高周波トラン
ジスタQ1と入出力回路とのインピーダンス整合をとる
ために入力整合回路を構成するコンデンサおよび分布定
数線路、例えば分布定数線路である。C5・L7は所望
の出力特性、例えば歪み特性・出力電力・消費電流等を
単独であるいは同時に満たすような整合をとるための出
力整合回路を構成するコンデンサおよび分布定数線路、
例えばマイクロストリップ線路である。これら入力整合
回路は前段の高周波トランジスタQ1のゲート(制御電
極)に、また出力整合回路は後段の高周波トランジスタ
Q2の出力電極にそれぞれ接続されている。
【0024】R1・R2はそれぞれ前段の高周波トラン
ジスタQ1・後段の高周波トランジスタQ2のゲートに
バイアス電圧を供給するためのバイアス回路を構成する
抵抗である。
【0025】L6は後段の高周波トランジスタQ2のド
レイン(出力電極)および出力のための直流電流を供給
するバイアス回路を構成する分布定数線路、例えばマイ
クロストリップ線路である。通常は基本周波数の4分の
1波長の長さになるようにして、後段の高周波トランジ
スタQ2のドレイン側から見てインピーダンスが無限大
に見えるようにするか、あるいは回路のインピーダンス
から見て無視できるほどの大きなインピーダンスとなる
線路長に設定されている。
【0026】L2は前段の高周波トランジスタQ1のド
レイン(出力電極)および出力のためのバイアス回路を
構成する分布定数線路、例えばマイクロストリップ線路
である。このL2は、基本的には高周波信号の基本周波
数の4分の1波長の長さになるようにして、前段の高周
波トランジスタQ1のドレイン側から見てインピーダン
スが無限大に見えるようにするか、あるいは回路のイン
ピーダンスから見て無視できるほどの大きなインピーダ
ンスとなる線路長に設定されるが、本発明の高周波用電
力増幅器においては、その線路長を後述するように設定
することによりこの前段バイアス回路と段間整合回路の
一部とによって後段の高周波トランジスタから見た入力
インピーダンスの基本周波数の2次高調波に対するイン
ピーダンスの制御回路としても機能するものとしてい
る。
【0027】C4およびL3・L4・L5は2段の高周
波トランジスタQ1・Q2間の高周波信号の基本周波数
に対するインピーダンスを最適なものとするためのコン
デンサおよび分布定数線路、例えばマイクロストリップ
線路であり、これらにより段間整合回路が構成されるこ
ととなる。なお、インピーダンスの段間整合においては
L3・L4のみでインピーダンス整合が可能であって、
L5・C4は必ずしも必要とするものではなく、L5・
C4は高周波用電力増幅器の仕様に応じ、また必要に応
じて付加される。
【0028】C3は前段バイアス回路から高周波トラン
ジスタQ1へ供給する直流電流が高周波トランジスタQ
2へ流れ込むことを防ぐデカップリングコンデンサであ
り、通常はC1・C6と同様に、高周波信号の基本周波
数から見てインピーダンスが十分低くなるような容量値
とされる。
【0029】ここで、前段バイアス回路を構成するL2
は、段間整合回路の分布定数線路の途中、すなわち図1
においてはL3とL4との間に段間整合回路に並列に接
続されている。そして、本発明の高周波用電力増幅器に
おいては、前段バイアス回路の分布定数線路L2の線路
長と、段間整合回路の前段の高周波トランジスタQ1の
出力電極と前段バイアス回路間の分布定数線路L3の線
路長との和を、高周波入力信号の基本周波数の4分の1
波長の長さになるようにして、前段の高周波トランジス
タQ1の出力電極から後段側を見た高周波入力信号の基
本周波数および2次高調波に対するインピーダンス、す
なわち出力インピーダンスに悪影響を与えないものとし
て、インピーダンスの整合をとっている。さらに、この
状態で前段バイアス回路の分布定数線路L2の線路長を
調整することにより、後段の高周波トランジスタQ2の
制御電極から前段側を見たインピーダンス、すなわち入
力インピーダンスのうち高周波入力信号の基本周波数の
2次高調波に対するインピーダンスの位相角を140 °〜
180 °に設定している。
【0030】このように、本発明の高周波用電力増幅器
においてはL2の線路長とL3の線路長との和を高周波
入力信号の基本周波数の4分の1波長の長さになるよう
に設定することにより2次高調波に対するインピーダン
スの位相角を制御することが特徴であり、このことは、
本発明者が種々の実験を行なった結果得た知見に基づく
ものである。
【0031】さらに、段間整合回路を構成するC4と従
来例で示した図2のC10とが一致するような容量値に
し、L5の線路長と図2のL11の線路長とが、またL3
とL4の合計の線路長と図2のL10の線路長とがそれぞ
れ一致するようにして、その他の入力整合回路・高周波
トランジスタ・出力整合回路を同様のものにすれば、図
1のA点から後段側を見た基本周波数および2次高調波
に対するインピーダンスと従来例で示した図2のA’点
から後段側を見たインピーダンス、つまり前段の高周波
トランジスタQ1から見た出力インピーダンスと図2の
前段の高周波トランジスタQ3から見た出力インピーダ
ンスは一致させることができる。
【0032】さらに、図1のB点から前段側を見れば、
分布定数線路L3はオープンスタブとして見え、これに
よりB点から見た基本周波数に対する2次高調波、つま
り後段の高周波トランジスタQ2から見た2次高調波に
対する入力インピーダンスが制御できる。
【0033】このようにして、高周波入力信号の基本周
波数に対するインピーダンスの整合をとりつつ、高周波
入力信号の基本周波数の2次高調波に対するインピーダ
ンスの位相角を140 °〜180 °に設定したことにより、
後段の高周波トランジスタQ2の制御電極から前段側を
見たインピーダンスのうち高周波入力信号の基本周波数
に対しては悪影響を与えず、2次高調波に対するインピ
ーダンスのみを制御することができるものとなる。その
結果、本発明の高周波用電力増幅器によれば、2次高調
波に対するインピーダンスを適切に設定することによっ
て後段の高周波トランジスタQ2の低電流化を達成でき
るので、従来例の回路Dのような新たな回路を付加する
ことなく後段の高周波トランジスタQ2の低電流化を達
成することができ、小型化の要求に十分に応えつつ高周
波用電力増幅器の高効率化を図ることができるものとな
る。
【0034】なお、後段の高周波トランジスタQ2の制
御電極から前段側を見た高周波入力信号の基本周波数の
2次高調波に対するインピーダンスの位相角を140 °〜
180°に設定しているのは、本発明者が行なった種々の
実験の結果より、この位相角が140 °未満となると高周
波用電力増幅器の出力電力が減少する傾向があり、他
方、位相角が180 °を超えると高周波用電力増幅器の出
力電力が減少し、また、後段の高周波トランジスタQ2
の電流が上昇して効率が悪化する傾向があることを見出
したことに基づくものである。
【0035】また、前段バイアス回路のL2の線路長と
段間整合回路のL3の線路長との和を高周波入力信号の
基本周波数の4分の1波長の長さになるようにする場
合、各々の線路長は、前述のように前段バイアス回路の
分布定数線路L2により前段の高周波トランジスタQ1
に直流電流を供給するという本来の目的を達成しつつそ
の分布定数線路L2の線路長により後段の高周波トラン
ジスタQ2の2次高調波に対する入力インピーダンスの
位相角を140 °〜180 °に設定するように調整し、その
線路長と段間整合回路の分布定数線路L3の線路長との
和が基本周波数の4分の1波長の長さとなるようにすれ
ばよい。
【0036】以上のように、本発明によれば、前段の高
周波トランジスタに直流電流を供給するバイアス回路を
構成する分布定数線路を段間整合回路の一部として使用
することで、他の回路を付加することなく後段の高周波
トランジスタの2次高調波に対する入力インピーダンス
を制御することができ、高効率化と小型化を同時に実現
することができる。
【0037】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれに限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良
を加えることは何ら差し支えない。例えば、段間インピ
ーダンスの整合をとるために、コンデンサを複数使用し
たりすることも可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明の高周波用電力増幅器によれば、
前段の高周波トランジスタの出力電極と後段の高周波ト
ランジスタの制御電極との間に挿入された、2段構成の
高周波トランジスタ間のインピーダンス整合をとるため
の分布定数線路から成る段間整合回路と、段間整合回路
の分布定数線路の途中に段間整合回路に並列に接続され
た、前段の高周波トランジスタに直流電流を供給するた
めの分布定数線路から成る前段バイアス回路とを具備
し、これら前段バイアス回路の分布定数線路の線路長
と、段間整合回路の前段の高周波トランジスタの出力電
極と前段バイアス回路間の分布定数線路の線路長との和
を高周波入力信号の基本周波数の4分の1波長とし、前
段の高周波トランジスタの出力電極から後段側を見た高
周波入力信号の基本周波数および2次高調波に対するイ
ンピーダンスの整合をとるとともに、前段バイアス回路
の分布定数線路の線路長により、後段の高周波トランジ
スタの制御電極から前段側を見たインピーダンスのうち
高周波入力信号の基本周波数の2次高調波に対するイン
ピーダンスの位相角を140 °〜180 °に設定したことに
よって、前段の高周波トランジスタに直流電流を供給す
るバイアス回路を構成する分布定数線路を段間整合回路
の一部として使用して後段の高周波トランジスタの2次
高調波に対するインピーダンスを制御可能としたため、
後段の高周波トランジスタの低電流化と高効率化が実現
できることに加え、2次高調波制御用の他の回路を付加
する必要がないために小型化の要求にも対応することが
できる。
【0039】以上により、本発明によれば、2段構成の
高周波トランジスタを用いた高周波用電力増幅器におけ
る段間整合回路における高周波信号の基本周波数の2次
高調波に対するインピーダンスの制御について、後段の
高周波トランジスタから見た2次高調波に対するインピ
ーダンスに関して制御を行なうための回路を付加する必
要がなく、高効率化を達成しつつ小型化の要求に十分に
応えることができる高周波用電力増幅器を提供すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用電力増幅器の実施の形態の一
例を説明するための回路構成の例を示す回路図である。
【図2】従来の高周波用電力増幅器の回路構成の例を示
す回路図である。
【符号の説明】
Q1・・・・・・・・・・・・・・・前段の高周波トラ
ンジスタ Q2・・・・・・・・・・・・・・・後段の高周波トラ
ンジスタ L2、L3、L4、L5、L6・・・分布定数線路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御電極に供給された高周波入力信号を増
    幅し出力電極より高周波出力信号として出力する、2段
    構成の高周波トランジスタと、 前段の高周波トランジスタの前記制御電極に接続され、
    前記高周波入力信号の基本周波数に対して入力インピー
    ダンス整合をとるための入力整合回路と、 前段の高周波トランジスタの前記出力電極と後段の高周
    波トランジスタの前記制御電極との間に挿入され、前記
    2段構成の高周波トランジスタ間のインピーダンス整合
    をとるための分布定数線路から成る段間整合回路と、 後段の高周波トランジスタの前記出力電極に接続され、
    所望の出力特性に整合をとるための出力整合回路と、 前記段間整合回路の分布定数線路の途中に段間整合回路
    に並列に接続され、前記前段の高周波トランジスタに直
    流電流を供給するための分布定数線路から成る前段バイ
    アス回路と、 前記後段の高周波トランジスタの前記出力電極に接続さ
    れ、前記後段の高周波トランジスタに直流電流を供給す
    るための分布定数線路から成る後段バイアス回路とを具
    備し、 前記前段バイアス回路の分布定数線路の線路長と、前記
    段間整合回路の前記前段の高周波トランジスタの出力電
    極と前記前段バイアス回路間の分布定数線路の線路長と
    の和を前記高周波入力信号の基本周波数の4分の1波長
    とし、前記前段の高周波トランジスタの前記出力電極か
    ら後段側を見た前記高周波入力信号の基本周波数および
    2次高調波に対するインピーダンスの整合をとるととも
    に、前記前段バイアス回路の前記分布定数線路の線路長
    により、前記後段の高周波トランジスタの前記制御電極
    から前段側を見たインピーダンスのうち前記高周波入力
    信号の基本周波数の2次高調波に対するインピーダンス
    の位相角を140°〜180°に設定したことを特徴と
    する高周波用電力増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100414252B1 (ko) * 2000-02-08 2004-01-07 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 다단 증폭기
JP2006311300A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Mitsubishi Electric Corp 高周波増幅器

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