JP4485487B2 - 電力増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は携帯電話や無線LANを始めとする無線通信機器に用いられるマイクロ波帯等の高周波電力の増幅に使用される電力増幅器に関し、特に広帯域にわたる送信周波数帯の信号を増幅する用途に使用される電力増幅器に関する。
携帯電話や無線LAN等の無線通信機器に用いられる送信用の電力増幅器では、信号の送信に用いられる周波数(以下、送信周波数と称する)の2倍の周波数に対して、インピーダンスが短絡となるトラップ回路を出力整合回路内に設ける方式が広く用いられている。
この出力整合回路内にトラップ回路を設けることにより、電力増幅器を構成する電力増幅素子が非線形動作することにより発生する2次高調波の電力増幅器からの放射を抑制することが可能となる。また、出力整合回路の送信周波数の2倍の周波数に対するインピーダンスが電力増幅素子から見て短絡となるようにトラップ回路を配置することにより、電力増幅器を高効率で動作させることが可能となる。
図7は、従来の電力増幅器の一例(以下、従来例1と称す)を説明する図である。なお、ここでは、オープンスタブによるトラップ回路によって送信周波数の2倍の周波数に対するインピーダンスを短絡とした電力増幅器の主要部分の構成を示した特許文献1の略図が示されている。
図7を参照して、従来の電力増幅器は、電力増幅器の入力端子101と、入力整合回路102と、電力増幅素子103と、電力増幅素子の入力側バイアス回路104と、電力増幅素子の出力側電源回路105と、入力側バイアス回路104のバイアス供給端子106と、出力側電源回路105の電源供給端子107と、出力整合回路108と、電力増幅器の出力端子109とを備える。
入力整合回路102は、入力端子101からの信号を受けて、GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタである電力増幅素子103のベースに対して出力する。また、入力側バイアス回路104は、バイアス供給端子106と電力増幅素子103のベースとの間に設けられる。電力増幅素子103のエミッタは、接地電圧GNDと電気的に結合される。また、ベースは入力整合回路102および入力側バイアス回路104の出力ノードと結合される。出力側電源回路105は、電力増幅素子103のコレクタと電源供給端子107との間に設けられる。
出力整合回路108は、マイクロストリップ線路110および整合回路111により構成され、電力増幅素子103のコレクタとマイクロストリップ線路110との接続点にはトラップ回路であるオープンスタブ112が設けられる。
オープンスタブ112は、長さがλg2/4(λg2は2次高調波の伝搬波長である)であり、電力増幅素子103の出力端からみた出力整合回路108の送信周波数の2倍の周波数に対するインピーダンスを短絡とするトラップ回路として作用する。整合回路111は、マイクロストリップ線路110と出力端子109との間に設けられる。
電力増幅素子103から発生した2次高調波は、トラップ回路であるこのオープンスタブ112の影響によって反射され、その結果、電力増幅器は高効率で動作するとともに、電力増幅器の出力端子109から出力される2次高調波が抑制される。
図8は、従来の電力増幅器の他の一例(以下、従来例2と称す)を説明する図である。なお、ここでは、インダクタLとキャパシタCの直列共振回路と接地電圧GNDとを接続したトラップ回路によって送信周波数の2倍の周波数に対するインピーダンスを短絡とした電力増幅器の主要部分の構成を示した特許文献2の略図が示されている。
図8を参照して、従来の別の電力増幅器は、図7の電力増幅器と比較して、出力整合回路108を出力整合回路108Pに置換した点が異なる。
出力整合回路108Pは、キャパシタ113〜117と、インダクタ118,119と、マイクロストリップ線路120とを含む。
キャパシタ115とインダクタ118とにより形成される直列共振回路は、接地電圧GNDとマイクロストリップ線路120との間に設けられることによりトラップ回路121となる。キャパシタ116とインダクタ119とにより形成される直列共振回路は、接地電圧GNDとマイクロストリップ線路120との間に設けられることによりトラップ回路122となる。これらの共振周波数は、送信周波数の2倍の周波数であり、トラップ回路121および122は2倍の周波数に対するトラップ回路として作用する。
ここでは、トラップ回路を2系統とすることにより、その効果を強めている。マイクロストリップ線路120は長さがλg/4(λgは送信周波数の伝搬波長)であり、電力増幅素子103の出力端からみた出力整合回路の送信周波数の2倍の周波数に対するインピーダンスを短絡としている。電力増幅素子から発生した2次高調波は、トラップ回路であるこれらの直列共振回路の影響によって反射され、その結果、電力増幅器は高効率で動作するとともに、電力増幅器の出力端子109から出力される2次高調波が抑制される。
特開平7−22872号公報 特開平9−46148号公報
一方で、近年、無線通信システムでは、同じ通信方式でも国や地域によってシステムに割り当てられる周波数が若干異なる状況が存在する。たとえば、5GHz帯の無線LANシステムの場合、日本などでは5.2GHz近傍の周波数が用いられているのに対して、北米などでは5.8GHz近傍の周波数が用いられる状況となっている。このようなシステムの状況に対応するため、近年の無線通信システムに用いられる送信用の電力増幅器では、1つの電力増幅器において広い周波数帯で動作させることが要求される。
しかしながら、上記従来技術では、広い周波数帯で2次高調波を抑制し、かつ、電力増幅素子からみた出力整合回路の送信周波数の2倍の周波数に対するインピーダンスを短絡させることに対しては説明されていない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、広い周波数帯において2次高調波の放射を抑制するとともに高効率動作することのできる電力増幅器を提供することを目的とする。
また、本発明は、広い周波数帯において2次高調波および3次高調波の放射を抑制するとともに高効率動作することのできる電力増幅器を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、本発明に係る電力増幅器は、電力増幅素子と、電力増幅素子の出力端に接続された出力整合回路とを備える。出力整合回路は、所望の送信周波数帯よりも高くかつ異なる周波数で短絡となる複数のトラップ回路を含む。複数のトラップ回路のうち少なくとも2つのトラップ回路は、短絡となる周波数が高いトラップ回路の方が、短絡となる周波数が低いトラップ回路よりも電力増幅素子の出力端に近い側に配置される。電力増幅素子の出力端に近い側に配置されたトラップ回路は、短絡となる周波数が所望の送信周波数帯の中心周波数の2倍より大きく、電力増幅素子の出力端からみた出力整合回路のインピーダンス、所望の送信周波数帯の2倍の周波数帯にある少なくとも1つの周波数においてほぼ短絡となるように設定される。トラップ回路のうち短絡となる周波数が最も低いトラップ回路は、短絡となる周波数が所望の送信周波数帯の最も高い周波数の1.4倍以上であり、かつ所望の送信周波数帯の中心周波数の2倍未満に設定される。
好ましくは、電力増幅素子の出力端に近い側に配置されたトラップ回路は、電力増幅素子の出力端に最も近い側に配置されている。
好ましくは、電力増幅素子の出力端からみた出力整合回路の所望の送信周波数帯の2倍の周波数帯の周波数に対するインピーダンスの位相が、スミスチャート上で173度から193度の範囲内に設定される。
好ましくは、トラップ回路のうち短絡となる周波数が最も低いトラップ回路の短絡となる周波数が所望の送信周波数帯の最も高い周波数の1.4倍以上に設定される。
好ましくは、電力増幅素子の出力端に近い側に配置されたトラップ回路の短絡となる周波数が所望の送信周波数帯の3倍の周波数帯の範囲内に設定される。
好ましくは、トラップ回路は、少なくともインダクタとキャパシタとを含む直列共振回路により構成される。
本発明に係る電力増幅器によれば、電力増幅素子から見た出力整合回路の送信周波数の2倍の周波数に対するインピーダンスを短絡に近い状態としつつ、広い周波数において2次高調波をトラップする回路を設けることにより、広帯域で2次高調波の放射を抑制するとともに高効率動作することのできる電力増幅器を提供することができる。
また、トラップ回路として3次高調波をトラップする回路を用いることにより、広帯域で2次高調波および3次高調波の放射を抑制するとともに高効率動作することのできる電力増幅器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に従う電力増幅器を説明する図である。ここでは、電力増幅素子を2段用いた、送信周波数帯が4.8−6.0GHzである広帯域の電力増幅器の構成について説明する。
図1を参照して、本発明の実施の形態1に従う電力増幅器は、電力増幅器の入力端子1と、入力整合回路2と、電力増幅素子3,4と、電力増幅素子3,4のそれぞれに対応して設けられる入力側バイアス回路5,6と、電力増幅素子3,4のそれぞれに対応して設けられる出力側電源回路7,8と、段間整合回路9と、入力側バイアス回路5,6のバイアス供給端子10と、出力側電源回路7,8の電源供給端子11と、出力整合回路12と、電力増幅器の出力端子13とを備える。
なお、電力増幅器はGaAs半導体基板上に形成されており、電力増幅素子3,4はGaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタにより構成されている。
また、出力整合回路12は、キャパシタ(C)14〜16と、インダクタ(L)17〜20とを含む。出力整合回路12内のキャパシタ14〜16はGaAs半導体基板上に形成されたMIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタによって構成され、また、出力整合回路12内のインダクタ17〜20は、GaAs半導体基板上に形成されたマイクロストリップ線路およびスパイラルインダクタによって構成されている。
入力整合回路2は、入力端子1と電力増幅素子3のベースとの間に設けられる。また、バイアス回路5は、バイアス供給端子10と電力増幅素子3のベースとの間に設けられる。電力増幅素子3のエミッタは接地電圧GNDと電気的に結合される。電源回路7は、電源供給端子11と電力増幅素子3のコレクタと電気的に結合される。段間整合回路9は、電力増幅素子3のコレクタと電力増幅素子4のベースとの間に設けられる。バイアス回路6は、バイアス供給端子10と電力増幅素子4のベースとの間に設けられる。電力増幅素子4のエミッタは、接地電圧GNDと電気的に結合される。電源回路8は、電源供給端子11と電力増幅素子4のコレクタとの間に設けられる。
電力増幅素子4のコレクタは、出力整合回路12と結合される。出力整合回路12において、キャパシタ15の一方電極は、電力増幅素子4のコレクタと結合され、他方電極はインダクタ19と結合される。インダクタ19の一方端子はキャパシタ15の他方電極と結合され、他方端子は出力端子13と結合される。キャパシタ14とインダクタ17とにより構成される直列共振回路は、接地電圧GNDとキャパシタ15の一方端子との間に設けられることによりトラップ回路21となる。また、キャパシタ16とインダクタ20とにより構成される直列共振回路は、接地電圧GNDとインダクタ19の他方端子との間に設けられることによりトラップ回路22となる。インダクタ18は、キャパシタ15の他方電極と接地電圧GNDとの間に設けられる。
上述したようにトラップ回路21および22は、キャパシタ14とインダクタ17およびキャパシタ17とインダクタ20より成る直列共振回路を接地と接続されることによって構成されており、トラップ回路の小型化を実現している。
電力増幅素子4に近い側に配置されたトラップ回路21は、送信周波数帯の中心周波数の2倍の周波数より高い周波数帯に対するトラップ回路として作用させるとともに、電力増幅素子4の出力端からみたときの送信周波数帯の2倍の周波数帯の周波数における出力整合回路12のインピーダンスをほぼ短絡とするために、その共振周波数を11.4GHzに設定する。ここで、ほぼ短絡とは、インピーダンスが、スミスチャート上で、その絶対値が0.96以上1.00以下、位相が178度〜182度の間にある状態をいうものとする。なお、電力増幅素子4に近い側に配置されるトラップ回路22の共振周波数および配置に関しては、電力増幅素子4の出力端からみた出力整合回路12の送信周波数帯の周波数の2倍の周波数帯の周波数に対するインピーダンスの位相が、スミスチャート上で173度〜193度の範囲内となる共振周波数および配置であれば2倍の周波数帯のインピーダンスを短絡に近い状態とすることができ同様の効果が得られることを回路シミュレータの計算により確認している。
一方、電力増幅素子4から遠い側に配置されたトラップ回路22は、送信周波数帯の中心周波数の2倍の周波数より低い周波数帯に対するトラップ回路として作用させるために、その共振周波数を8.4GHzに設定する。なお、周波数の最も低いトラップ回路として電力増幅素子に遠い側に配置されるトラップ回路の共振周波数回路に関しては、送信周波数帯の最も高い周波数の1.4倍以上の共振周波数であれば送信周波数帯にほとんど影響を及ぼさず、望ましいことを回路シミュレータの計算により確認している。
トラップ回路21および22におけるインダクタ17とキャパシタ14およびインダクタ20とキャパシタ16の各値は、これらの直列共振回路が送信周波数帯の周波数に対しては容量成分となることを考慮し、出力整合回路12が4.8−6.0GHzの広帯域で整合のとれる回路となるように適切な値に調整されている。
図2は、本発明の実施の形態1に従う電力増幅器と、比較例1として図7に示した従来例1の形態に従う電力増幅器とを比較した場合を説明する図である。
図2を参照して、ここでは、飽和出力からのバックオフが1dBにおける出力で測定したコレクタ効率の送信周波数による変化を比較した結果を示している。なお、ここでは、出力整合回路以外の部分は両者で同様の回路設計としている。また、比較例1におけるオープンスタブの長さは送信周波数帯の中心周波数である5.4GHzの2倍の周波数に対してλ/4の長さとなるように設定している。
ここで示されるように、本発明の実施の形態1に従う電力増幅器のコレクタ効率は4.8−6.0GHzの広い周波数範囲にわたって高い効率を実現しているのに対して、比較例1の電力増幅器では5.4GHzでは本実施の形態よりも高いコレクタ効率を得ているものの、その他の周波数帯では本発明の実施の形態1に従う電力増幅器のコレクタ効率よりも低い値となっている。
図3は、本発明の実施の形態1に従う電力増幅器と、比較例1に示される電力増幅器とを比較した別の場合を説明する図である。
図3を参照して、ここでは、飽和出力からのバックオフが1dBにおける出力において、出力端子より発生した2次高調波の送信周波数による変化を比較した結果を示している。本発明の実施の形態1に従う電力増幅器では4.8−6.0GHz広い周波数範囲にわたって2次高調波が抑制されているのに対して、比較例1に従う電力増幅器では5.4GHzのみ抑制され、その他の周波数帯では抑制量が小さくなっている。
すなわち、本発明の実施の形態1に従う電力増幅器によれば、短絡となる周波数の異なる2つのトラップ回路を設け、そのうち、短絡となる周波数の高いトラップ回路を電力増幅素子に近い側に配置し、送信周波数帯の中心周波数の2倍の周波数より高い周波数帯をトラップしつつ電力増幅素子の出力端から出力整合回路をみたときの送信周波数帯の2倍の周波数帯の周波数における出力整合回路のインピーダンスをほぼ短絡とする。そして、短絡となる周波数の低いトラップ回路を電力増幅素子に遠い側に配置し、送信周波数帯の中心周波数の2倍の周波数より低い周波数帯をトラップする。これにより、広い周波数帯で2次高調波の放射を抑制することができ、広帯域で高効率動作が可能な電力増幅器を提供することが可能となる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に従う電力増幅器を説明する図である。
図4を参照して、本発明の実施の形態2に従う電力増幅器は、実施の形態1に従う電力増幅器と比較して出力整合回路12を出力整合回路12Pに置換した点が異なる。
出力整合回路12Pは、キャパシタ(C)23〜25と、インダクタ(L)26〜30とを含む。本例においては、電力増幅素子を2段用いた、送信周波数帯が3.1−3.9GHzである広帯域の電力増幅器の構成について説明する。
電力増幅器はGaAs半導体基板上に形成されており、電力増幅素子はGaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタにより構成されている。キャパシタ23〜25は、GaAs半導体基板上に形成されたMIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタによって構成され、また、出力整合回路12P内のインダクタ26〜30は、GaAs半導体基板上に形成されたマイクロストリップ線路およびスパイラルインダクタによって構成されている。
出力整合回路12Pの構成について説明すると、電力増幅素子4のコレクタは、出力整合回路12Pと結合される。インダクタ26の一方端子は、電力増幅素子4のコレクタと結合され、他方端子はインダクタ28の一方端子と結合される。また、インダクタ28の他方端子は、キャパシタ25の一方電極と結合される。キャパシタ25の他方電極は出力端子13と結合される。
キャパシタ23とインダクタ27より構成される直列共振回路は、接地電圧GNDとインダクタ26の他方端子と結合されることによりトラップ回路31となる。また、キャパシタ24とインダクタ29より構成される直列共振回路は、接地電圧GNDとインダクタ28の他方端子と結合されることによりトラップ回路32となる。
上述したようにトラップ回路31および32は、キャパシタ23とインダクタ27およびキャパシタ24とインダクタ29より成る直列共振回路を接地と接続することによってトラップ回路の小型化を実現している。
電力増幅素子に近い側に配置されたトラップ回路31は、送信周波数帯の中心周波数の3倍の周波数より高い周波数帯までトラップするトラップ回路として作用させるため、その共振周波数を10.6GHzに設定し、かつ、このトラップ回路31によって電力増幅素子4の出力端からみたときの送信周波数帯の2倍の周波数帯の周波数における出力整合回路のインピーダンスをほぼ短絡とするため、インダクタ26,27およびキャパシタ23よりなる直列共振回路の共振周波数を7.4GHzとするようインダクタ26の値を設定している。
一方、電力増幅素子から遠い側に配置されたトラップ回路32は、送信周波数帯の中心周波数の2倍の周波数より低い周波数帯までトラップするトラップ回路として作用させるために、その共振周波数を6.0GHzとした。トラップ回路31および32におけるインダクタ27とキャパシタ23およびインダクタ29とキャパシタ24の各値は、これらの直列共振回路が送信周波数帯の周波数に対しては容量成分となることを考慮し、キャパシタ25およびインダクタ28,30も含め、出力整合回路12Pが3.1−3.9GHzの広帯域で整合のとれる回路となるように適切な値に調整されている。
図5は、本発明の実施の形態2に従う電力増幅器と、比較例2として図8に示した従来例2の形態に従う電力増幅器とを比較した場合を説明する図である。
図5を参照して、飽和出力からのバックオフが1dBにおける出力で測定したコレクタ効率の送信周波数による変化を比較した場合が示されている。なお、ここでは、出力整合回路以外の部分は両者で同様の回路設計としている。また、比較例2におけるトラップ回路121および122の共振周波数は、送信周波数帯の中心周波数である3.5GHzの2倍および3倍の周波数である7.0GHzおよび10.5GHzに設定するものとする。
本発明の実施の形態2に従う電力増幅器のコレクタ効率は3.1−3.9GHzの広い周波数範囲にわたって高い効率を実現しているのに対して、比較例2では3.5GHzでは本実施の形態よりも高いコレクタ効率を得ているものの、その他の周波数帯ではコレクタ効率が低くなっている。
図6は、本発明の実施の形態2に従う電力増幅器と、比較例2に示される電力増幅器とを比較した別の場合を説明する図である。
図6に示されるように、ここでは、本実施の形態2の電力増幅器と比較例2の電力増幅器について、飽和出力からのバックオフが1dBにおける出力において出力端子より発生した2次高調波および3次高調波の送信周波数による変化を比較した場合が示されている。本実施の形態による電力増幅器では3.1−3.9GHz広い周波数範囲にわたって2次高調波、3次高調波ともに抑制されているのに対して、比較例2に従う電力増幅器では3.5GHzのみ抑制され、その他の周波数帯では抑制量が小さくなっている。
このように、本発明の実施の形態2に従う電力増幅器によれば、短絡となる周波数の異なる2つのトラップ回路を設け、そのうち、短絡となる周波数の高いトラップ回路を電力増幅素子に近い側に配置し、送信周波数帯の中心周波数の3倍の周波数より高い周波数帯をトラップしつつ電力増幅素子の出力端から出力整合回路をみたときの送信周波数帯の2倍の周波数帯の周波数における出力整合回路のインピーダンスをほぼ短絡とするようにインダクタを介して電力増幅素子の近い側に配置する。
また、短絡となる周波数の低いトラップ回路を電力増幅素子の遠い側に配置し、送信周波数帯の中心周波数の2倍の周波数より低い周波数帯をトラップする。
これにより、広い周波数帯で2次高調波および3次高調波の放射を抑制することができ、広帯域で高効率動作が可能な電力増幅器を提供することができる。
以上、本発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、上記実施の形態では電力増幅素子としてGaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)を用いて説明したが、SiバイポーラトランジスタやSiGeヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、InPヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)等他のバイポーラトランジスタを用いることも可能である。また、上記実施の形態では電力増幅素子としてバイポーラトランジスタを用いているが、電力増幅素子は電界効果トランジスタを用いることも当然に可能である。
また、上記実施の形態においては、電力増幅器は2段の電力増幅素子を用いた多段構成となっているが、1段構成や、3段以上の電力増幅素子を用いた多段構成であっても同様に実施可能である。
また、上記実施の形態においては、キャパシタおよびインダクタとして半導体基板上に形成されてMIMキャパシタ、マイクロストリップ線路およびスパイラルインダクタを用いたが、チップ部品によるキャパシタやボンディングワイヤ等、半導体基板上に形成されないキャパシタおよびインダクタを用いることも当然に可能である。
また、上記実施の形態においては、トラップ回路としてキャパシタとインダクタとを直列に接続した直列共振回路を用いたが、オープンスタブや他の形態の共振回路等によるトラップ回路を用いても同様に実施可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1に従う電力増幅器を説明する図である。 本発明の実施の形態1に従う電力増幅器と、比較例1として図7に示した従来例1の形態に従う電力増幅器とを比較した場合を説明する図である。 本発明の実施の形態1に従う電力増幅器と、比較例1に示される電力増幅器とを比較した別の場合を説明する図である。 本発明の実施の形態2に従う電力増幅器を説明する図である。 本発明の実施の形態2に従う電力増幅器と、比較例2として図8に示した従来例1の形態に従う電力増幅器とを比較した場合を説明する図である。 本発明の実施の形態2に従う電力増幅器と、比較例2に示される電力増幅器とを比較した別の場合を説明する図である。 従来の電力増幅器の一例を説明する図である。 従来の電力増幅器の他の一例を説明する図である。
符号の説明
1,101 入力端子、2,102 入力整合回路、3,4,103 電力増幅素子、5,6,104 入力側バイアス回路、7,8,105 出力側電源回路、9 段間整合回路、10,106 バイアス供給端子、11,107 電源供給端子、12,12P,108,108P 出力整合回路、13,109 出力端子、14〜16,23〜25,113〜117 キャパシタ、17〜20,26〜30,118,119 インダクタ、21,22,31,32 トラップ回路、112 オープンスタブ、110,120 マイクロストリップ線路。

Claims (5)

  1. 電力増幅素子と、
    前記電力増幅素子の出力端に接続された出力整合回路とを備え、
    前記出力整合回路は、所望の送信周波数帯よりも高くかつ異なる周波数で短絡となる複数のトラップ回路を含み、
    前記複数のトラップ回路のうち少なくとも2つのトラップ回路は、短絡となる周波数が高いトラップ回路の方が、短絡となる周波数が低いトラップ回路よりも前記電力増幅素子の出力端に近い側に配置され、
    前記電力増幅素子の出力端に近い側に配置されたトラップ回路は、短絡となる周波数が前記所望の送信周波数帯の中心周波数の2倍より大きく、前記電力増幅素子の出力端からみた前記出力整合回路のインピーダンス、前記所望の送信周波数帯の2倍の周波数帯にある少なくとも1つの周波数においてほぼ短絡となるように設定され
    前記トラップ回路のうち短絡となる周波数が最も低いトラップ回路は、短絡となる周波数が前記所望の送信周波数帯の最も高い周波数の1.4倍以上であり、かつ前記所望の送信周波数帯の中心周波数の2倍未満に設定される、電力増幅器。
  2. 前記電力増幅素子の出力端に近い側に配置されたトラップ回路は、前記電力増幅素子の出力端に最も近い側に配置されている、請求項1記載の電力増幅器。
  3. 前記電力増幅素子の出力端からみた前記出力整合回路の前記所望の送信周波数帯の2倍の周波数帯の周波数に対するインピーダンスの位相が、スミスチャート上で173度から193度の範囲内に設定される、請求項1または2記載の電力増幅器。
  4. 前記電力増幅素子の出力端に近い側に配置されたトラップ回路の短絡となる周波数が前記所望の送信周波数帯の3倍の周波数帯の範囲内に設定される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力増幅器。
  5. 前記トラップ回路は、少なくともインダクタとキャパシタとを含む直列共振回路により構成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電力増幅器。
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