JP2002223129A - プリディストーション方式増幅器及び包絡線検出装置 - Google Patents

プリディストーション方式増幅器及び包絡線検出装置

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JP2002223129A JP2001016867A JP2001016867A JP2002223129A JP 2002223129 A JP2002223129 A JP 2002223129A JP 2001016867 A JP2001016867 A JP 2001016867A JP 2001016867 A JP2001016867 A JP 2001016867A JP 2002223129 A JP2002223129 A JP 2002223129A
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壽雄 ▲高▼田
Toshio Takada
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/32Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion
    • H03F1/3241Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits
    • H03F1/3276Modifications of amplifiers to reduce non-linear distortion using predistortion circuits using the nonlinearity inherent to components, e.g. a diode

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変調波信号を増幅器で増幅するに際して当該
増幅器で発生する歪みを当該変調波信号の包絡線情報に
基づいてプリディストーション方式で補償するプリディ
ストーション方式増幅器で、包絡線情報の検出効率及び
検出精度を向上させ、プリディストーション方式による
歪み補償の精度等を向上させる。 【解決手段】 増幅対象となる変調波信号の包絡線に関
する情報を検出する包絡線情報検出器を、入力端A1と
出力端A2との間に、整合回路11、14と、変調波信
号を整流するダイオード回路12、15、16と、当該
ダイオード回路から出力される信号の搬送波成分を除去
するスタブ回路13と、当該スタブ回路から出力される
包絡線信号を電流信号から電圧信号へ変換する信号変換
回路17とを備えて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変調波信号を増幅
器で増幅するに際して当該増幅器で発生する歪みを当該
変調波信号の包絡線情報に基づいてプリディストーショ
ン方式で補償するプリディストーション方式増幅器など
に関し、特に、包絡線情報の検出効率及び検出精度を向
上させるプリディストーション方式増幅器などに関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば増幅器の線形化技術としてプリデ
ィストーション方式が知られており、この方式では包絡
線検波器により包絡線を検波して当該検波結果に基づい
て増幅器で発生する歪みを補償することが行われる。こ
こで、プリディストーション方式について説明する。送
信機で用いられる電力増幅器ではその入出力特性に非線
形性が存在し、当該非線形性に起因して歪みが発生して
しまう結果として、送信周波数帯域外への不要な電力輻
射が生じてしまい、これにより、他の周波数帯域への妨
害電力が発生してしまう。このため、このような電力増
幅器では、発生する歪みを小さく抑えることが必要とな
る。
【0003】また、電力増幅器は消費電力の大きい構成
部分であり、例えば携帯電話システムの基地局装置など
では電力増幅器の消費電力が基地局装置の消費電力の大
半を占めるため、電力増幅器の低消費電力化も重要な課
題となる。ところが、電力増幅器により線形に増幅を行
うためには、直流−交流変換効率(本明細書では、以下
で、効率と言う)が低い領域で電力増幅器を動作させる
ことが必要となる。つまり、電力増幅器の非線形性の改
善と低消費電力化とは互いに反する関係にあり、これら
両方の問題点を同時に解決することは困難な問題であっ
た。
【0004】そこで、このような両方の問題点を同時に
解決する方法として、プリディストーション方式があ
る。プリディストーション方式とは、例えば電力増幅器
で発生する歪みと逆の歪み(電力増幅器で発生する歪み
を打ち消す歪み)を当該電力増幅器の入力部より前段側
で与え、これにより歪みを改善する方式である。また、
このような逆歪みをベースバンド帯で与える方式はベー
スバンド・プリディストーション方式と言われ、このよ
うな逆歪みを中間周波数(IF:Intermediate Frequen
cy)帯で与える方式はIFプリディストーション方式と
言われ、このような逆歪みを送信周波数(RF:Radio
Frequency)帯で与える方式はRFプリディストーショ
ン方式と言われる。
【0005】また、送信電力増幅器の非線形性は一般に
振幅成分と位相成分とに分割される。そして、通常、振
幅成分の非線形性は電力増幅器の入力電力に対して利得
がどれだけ変化するかで表され、AM(Amplitude Modu
lation:振幅変調)−AM特性と言われ、また、位相成
分の非線形性は電力増幅器の入力電力に対して位相がど
れだけ回転するかで表され、AM−PM(Phase Modula
tion:位相変調)特性と言われる。
【0006】そこで、上記のようなプリディストーショ
ン方式では、例えば電圧制御の可変減衰器を用いて電力
増幅器のAM−AM特性の逆特性を有する歪みを当該電
力増幅器の前段で発生させ、また、例えば電圧制御の可
変位相器を用いて電力増幅器のAM−PM特性の逆特性
を有する歪みを当該電力増幅器の前段で発生させること
により、電力増幅器で発生する振幅の歪みや位相の歪み
を低減させる。
【0007】また、例えばRFプリディストーション方
式やIFプリディストーション方式などでは、増幅対象
となる高周波信号の包絡線に応じて可変減衰器や可変位
相器を動作させることが必要であり、一例として、送信
帯域幅が20MHzである場合には、包絡線は最大で2
0MHzの周波数成分を有することになる。このため、
このようなプリディストーション方式では、送信帯域幅
と同じ大きさの入力帯域幅を有する包絡線情報検出回路
が必要となる。なお、上記のようなプリディストーショ
ン方式を用いた回路の構成例が、例えば特開2000−
69098号公報や特願2000−260214号に開
示されている。
【0008】次に、上記したRFプリディストーション
方式やIFプリディストーション方式などで用いられる
包絡線情報検出器を説明する。図9には、従来例に係る
プリディストーション方式増幅器に備えられる包絡線情
報検出器の回路構成例を示してあり、この包絡線情報検
出器は、整合用コンデンサ41と、ダイオード42と、
整合用コイル43と、RFチョークコイル44と、バイ
アス用電圧電源45と、コンデンサ46と、抵抗47と
から構成されている。なお、ダイオード42としては、
例えば高速に動作して高周波を検波することが可能なシ
ョットキーバリアダイオードが用いられている。
【0009】具体的には、同図に示した包絡線情報検出
器では、変調波信号が入力される入力端D1と整合用コ
ンデンサ41の一端とが接続されており、当該整合用コ
ンデンサ41の他端とダイオード42のアノードとが接
続されており、当該ダイオード42のカソードと出力端
D2とが接続されている。また、入力端D1と整合用コ
ンデンサ41との間が整合用コイル43を介して接地さ
れており、整合用コンデンサ41とダイオード42との
間にRFチョークコイル44を介してバイアス用電圧電
源45が接続されている。また、ダイオード42と出力
端D2との間にコンデンサ46の一端及び抵抗47の一
端が並列に接続されており、当該コンデンサ46の他端
及び当該抵抗47の他端が接地されている。
【0010】また、同図に示した包絡線情報検出器で
は、上記した整合用コンデンサ41と上記した整合用コ
イル43とから整合回路が構成されており、また、上記
したコンデンサ46と上記した抵抗47とからローパス
フィルタ(LPF:Low Pass Filter)が構成されてい
る。
【0011】また、同図に示した包絡線情報検出器の動
作の一例を示す。すなわち、この包絡線情報検出器で
は、入力端D1に入力された変調波信号が整合回路を介
してダイオード42のアノードに印加され、当該ダイオ
ード42のアノードにおいては入力された変調波信号が
電圧信号として得られる。また、例えばコンデンサ46
が変調波信号の搬送波周波数に対して十分に大きい容量
であって搬送波周波数で交流的にショート(短絡)とみ
なせる場合には、ダイオード42のアノードで得られた
変調波信号電圧が当該ダイオード42により電流信号へ
変換される。
【0012】また、同時に、ダイオード42のオン−オ
フ(ON−OFF)特性により上記した変調波信号電圧
が整流され、これにより、搬送波成分と包絡線成分に分
離される。そして、搬送波成分と包絡線成分に分離され
て電流信号へ変換された信号に含まれる搬送波成分がL
PFにより除去され、これにより、抵抗47では包絡線
成分(のみ)が電圧信号として検出されて出力端D2か
ら出力される。以上のような動作により、包絡線情報検
出器では、入力される変調波信号の包絡線成分を検出す
る。
【0013】なお、従来の技術例として、特開平5−2
51971号公報に記載された無線装置の変調出力検出
回路では、送信出力を所定の状態に制御するALC(Au
tomatic Level Control)回路において、高出力増幅器
からの変調出力を検波するダイオードやフィルタとして
機能する1/4波長伝送路や検波出力取り出し用の抵抗
などを用いて所定の検波出力を制御信号検波出力変換回
路に入力し、これにより、高出力増幅器への入力の減衰
量を調整して当該高出力増幅器からの出力を所定のレベ
ルに保持することが行われている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
上記図9に示したような従来のプリディストーション方
式増幅器の包絡線情報検出器では、ダイオード42の出
力端に接続されたコンデンサ46の容量値と抵抗47の
抵抗値を大きくすることで包絡線の検出効率を向上させ
ることができるものの、この場合には、コンデンサ46
の容量値と抵抗47の抵抗値を大きくすると時定数が大
きくなることから、包絡線成分の検出に際して包絡線成
分の中の高い周波数の成分が失われてしまって検出され
る包絡線がなまってしまい、つまり、包絡線の検出精度
が劣化してしまうことが生じる。このように、従来の包
絡線情報検出器では、包絡線の検出効率と検出精度とが
相反してしまい、これらの両方を同時に向上させること
が困難であるといった不具合があり、このため、プリデ
ィストーション方式増幅器における歪み補償の精度等が
悪くなってしまうといった不具合があった。
【0015】本発明は、このような従来の課題を解決す
るためになされたもので、変調波信号を増幅器で増幅す
るときに当該増幅器で発生する歪みを当該変調波信号の
包絡線情報に基づいてプリディストーション方式で補償
するに際して、包絡線情報の検出効率及び検出精度を向
上させることができるプリディストーション方式増幅器
などを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るプリディストーション方式増幅器で
は、変調波信号の搬送波成分を除去するスタブ回路を用
いて包絡線情報検出器を構成した。そして、分配手段が
増幅対象となる変調波信号を分配し、歪発生手段が一方
の分配信号に対して振幅と位相との少なくともいずれか
一方の歪みを発生させ、増幅器が歪発生手段により歪み
が発生させられた一方の分配信号を増幅するに際して、
包絡線情報検出器が他方の分配信号の包絡線に関する情
報を検出し、歪制御手段が包絡線情報検出器の検出結果
に基づいて増幅器で発生する歪みが補償されるように歪
発生手段により発生させる歪みを制御する。
【0017】従って、変調波信号の搬送波成分を除去す
ることがスタブ回路により行われるため、包絡線情報検
出器では包絡線情報の検出効率と検出精度とを共に向上
させることが可能となり、これにより、プリディストー
ション方式による歪み補償の精度等を向上させることが
できる。
【0018】ここで、増幅器での増幅対象となる変調波
信号としては、種々な信号が用いられてもよい。また、
歪発生手段では、例えば振幅の歪みと位相の歪みとの両
方を発生させてもよく、例えば振幅のみの歪みを発生さ
せてもよく、例えば位相のみの歪みを発生させてもよ
い。なお、振幅の歪みを発生させる手段としては例えば
信号の振幅を変化させる可変減衰器等の振幅変化手段を
用いることができ、位相の歪みを発生させる手段として
は例えば信号の位相を変化させる可変位相器等の位相変
化手段を用いることができる。
【0019】また、包絡線情報検出器により検出する包
絡線に関する情報(包絡線情報)としては、種々な情報
が用いられてもよく、例えば包絡線のレベルの情報を連
続的或いは離散的に検出する態様などを用いることがで
きる。具体的に、プリディストーション方式増幅器で
は、プリディストーション方式による歪み補償を実用上
で有効に実行することが可能な情報が包絡線情報検出器
により検出されればよい。
【0020】また、増幅器で発生する歪みが補償される
ように(つまり、当該歪みが小さくなるように)制御を
行う態様としては、例えば増幅器で発生する歪みが最小
(理想的には、ゼロ)に抑制されるように制御を行うの
が好ましいが、実用上で有効な程度であれば、他の態様
が用いられてもよい。また、歪発生手段により発生させ
る歪みを制御する仕方としては、例えば歪発生手段によ
り発生させる振幅歪みの量や位相歪みの量を制御する仕
方を用いることができる。
【0021】また、スタブ回路としては、種々なものが
用いられてもよく、具体的には、例えばスタブのみから
成る回路が用いられてもよく、或いは、スタブと他の回
路とから成る回路が用いられてもよい。また、スタブの
形状としては、種々な形状が用いられてもよい。また、
スタブ回路により変調波信号の搬送波成分を除去する程
度としては、例えば実用上で有効に包絡線情報を検出す
ることができる程度であればよく、必ずしも当該搬送波
成分をゼロに抑制する態様が用いられなくともよい。
【0022】また、本発明に係るプリディストーション
方式増幅器では、更に具体的な構成例として、他方の分
配信号を整流するダイオード回路と、当該ダイオード回
路から出力される信号の搬送波成分(変調波信号の搬送
波成分)を除去するスタブ回路とを用いて包絡線情報検
出器を構成した。この構成では、スタブ回路の特性に応
じて包絡線情報の検出効率を向上させることができると
ともに、ダイオード回路の特性に応じて包絡線情報の検
出精度を向上させることができ、これにより、包絡線情
報の検出効率と検出精度とを共に向上させることができ
る。
【0023】ここで、ダイオード回路としては、種々な
ものが用いられてもよく、具体的には、例えばダイオー
ドのみから成る回路が用いられてもよく、或いは、ダイ
オードと他の回路とから成る回路が用いられてもよい。
【0024】また、本発明に係るプリディストーション
方式増幅器では、更に具体的な構成例として、ダイオー
ド回路の前段に設けられる整合回路と、スタブ回路から
出力される包絡線信号を電流信号から電圧信号へ変換す
る信号変換回路とを用いて包絡線情報検出器を構成し
た。また、本発明に係るプリディストーション方式増幅
器では、好ましい構成例として、包絡線情報検出器のス
タブ回路をL字型のマイクロストリップ線路によりノッ
チフィルタとして構成し、当該L字型の一辺をスタブ部
分として用いた。
【0025】また、本発明に係るプリディストーション
方式増幅器では、包絡線情報検出器のスタブ回路は複数
のスタブ部分を有しており、このような構成では、後述
する実施例で示すように、例えば幅をもった周波数領域
においてインピーダンスを最小にすることが可能とな
る。
【0026】従って、増幅対象となる変調波信号の周波
数帯域が幅を有しているような場合においても、このよ
うな幅をもった周波数領域において、包絡線情報の検出
効率及び検出精度を高めることができ、これにより、プ
リディストーション方式による歪み補償の精度等を高め
ることができる。ここで、スタブ回路に設けられるスタ
ブ部分の数としては、例えばシステムの使用状況等に応
じて、種々な数であってもよい。
【0027】また、本発明に係るプリディストーション
方式増幅器では、好ましい構成例として、包絡線情報検
出器のスタブ回路をコ字型のマイクロストリップ線路に
より帯域阻止フィルタ(BEF:Band Elimination Fil
ter)として構成し、当該コ字型の互いに対向する二辺
をそれぞれスタブ部分として用いた。また、本発明に係
るプリディストーション方式増幅器では、好ましい構成
例として、包絡線情報検出器のスタブ回路のスタブ部分
の長さを、変調波信号の搬送波成分の波長の1/4の長
さ(或いは、当該1/4の長さ程度)とした。
【0028】また、本発明に係るプリディストーション
方式増幅器は、例えば送信機に適用するのに好適なもの
である。具体的には、本発明に係る送信機では、以上に
示したような種々な構成を有したプリディストーション
方式増幅器を備え、送信対象となる変調波信号を当該プ
リディストーション方式増幅器により増幅して送信す
る。ここで、信号の送信としては、例えば有線による通
信が用いられてもよく、例えば無線による通信が用いら
れてもよい。
【0029】また、複数のスタブ部分を有したスタブ回
路を備えたプリディストーション方式増幅器は、例えば
広帯域の信号を通信するW−CDMA(Wideband-Code
Division Multiple Access)方式等のCDMA(符号分
割多重)方式を用いた移動無線通信システムの送信機に
適用するのに好適なものである。具体的には、本発明に
係るCDMA送信機では、複数のスタブ部分を有したス
タブ回路を備えたプリディストーション方式増幅器を備
え、送信対象となる変調波信号を当該プリディストーシ
ョン方式増幅器により増幅して送信する。ここで、移動
無線通信システムとしては、例えば携帯電話システム等
の種々なシステムが用いられてもよい。
【0030】以上のように、本発明に係るプリディスト
ーション方式増幅器に備えられた包絡線情報検出器で
は、変調波信号の搬送波成分を除去するスタブ回路を用
いて変調波信号の包絡線に関する情報を検出するという
方法により、包絡線情報を検出し、これにより、高い検
出効率及び高い検出精度で包絡線情報を検出することを
実現した。
【0031】一例として、本発明に係る包絡線検出装置
では、変調波信号を整流するダイオード回路と、当該ダ
イオード回路から出力される信号の搬送波成分を除去す
るスタブ回路とを用いて、変調波信号の包絡線に関する
情報を検出する構成としており、これにより、上記のよ
うな効果を得ることを実現した。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施例を図面を参照
して説明する。まず、本発明に係るプリディストーショ
ン方式増幅器の全体的な構成例を示す。図1には、本発
明に係るプリディストーション方式増幅器の一構成例を
示してあり、このプリディストーション方式増幅器に
は、方向性結合器1と、電圧制御の可変位相器2と、電
圧制御の可変減衰器3と、電力増幅器4と、包絡線検波
器5と、2つのローパスフィルタ(LPF)6、7と、
記憶部8とが備えられている。
【0033】方向性結合器には、電力増幅器4での増幅
対象となる変調波信号が入力される。そして、方向性結
合器1は、入力される変調波信号を2つの信号に分配
し、一方の分配信号を可変位相器2へ出力するととも
に、他方の分配信号を包絡線検波器5へ出力する。
【0034】可変位相器2は、LPF6から入力される
電圧信号により制御される位相の変化量で、方向性結合
器1から入力される一方の分配信号の位相を変化させ、
これにより、当該一方の分配信号に位相の歪みを発生さ
せる機能を有しており、このようにして位相歪み(歪み
量がゼロの場合も含む)が与えられた一方の分配信号を
可変減衰器3へ出力する。
【0035】可変減衰器3は、LPF7から入力される
電圧信号により制御される振幅の変化量(減衰量)で、
可変位相器2から入力される一方の分配信号の振幅を変
化(減衰)させ、これにより、当該一方の分配信号に振
幅の歪みを発生させる機能を有しており、このようにし
て振幅歪み(歪み量がゼロの場合も含む)が与えられた
一方の分配信号を電力増幅器4へ出力する。
【0036】電力増幅器4は、可変減衰器3から入力さ
れる一方の分配信号を増幅して出力する。包絡線検波器
5は、方向性結合器1から入力される他方の分配信号の
包絡線に関する情報(包絡線情報)を検出し、当該検出
結果を記憶部8へ出力する。LPF6は、記憶部8から
入力される電圧信号をフィルタリングして可変位相器2
の制御端子へ出力する。LPF7は、記憶部8から入力
される電圧信号をフィルタリングして可変減衰器3の制
御端子へ出力する。
【0037】記憶部8は、包絡線検波器5から入力され
る包絡線情報の検出結果に基づいて、電力増幅器4で発
生する歪みが補償されるように、可変位相器2を制御す
るための電圧信号をLPF6へ出力するとともに、可変
減衰器3を制御するための電圧信号をLPF7へ出力す
る。
【0038】具体的には、記憶部8には、例えば包絡線
情報(により示される包絡線のレベル)に対応して可変
位相器2の制御値や可変減衰器3の制御値がメモリに格
納されており、記憶部8は、包絡線検波器5から入力さ
れる包絡線情報の検出結果に対応した可変位相器2の制
御値や可変減衰器3の制御値を電圧信号として出力する
ことにより、可変位相器2や可変減衰器3を制御する。
【0039】そして、上記した可変位相器2の制御値と
しては、電力増幅器4で発生する位相歪みを打ち消す歪
み(逆歪み)が可変位相器2で発生するように設定され
るとともに、上記した可変減衰器3の制御値としては、
電力増幅器4で発生する振幅歪みを打ち消す歪み(逆歪
み)が可変減衰器3で発生するように設定され、これに
より、電力増幅器4で発生する位相歪みや振幅歪みをプ
リディストーション方式により補償することができる。
つまり、電力増幅器4から出力される増幅信号に含まれ
る歪みを小さく(理想的には、ゼロに)抑制することが
できる。
【0040】なお、上記図1に示した構成例では、方向
性結合器1から本発明に言う分配手段が構成され、可変
位相器2や可変減衰器3から本発明に言う歪発生手段が
構成され、電力増幅器4から本発明に言う増幅器が構成
され、包絡線検波器5から本発明に言う包絡線情報検出
器が構成され、記憶部8や2つのLPF6、7から本発
明に言う歪制御手段が構成されている。
【0041】次に、第1実施例として、本発明に係るプ
リディストーション方式増幅器に備えられる包絡線情報
検出器(上記図1では、包絡線検波器5に相当するも
の)の一構成例を説明する。図2には、本例に係る包絡
線情報検出器の回路構成例を示してあり、この包絡線情
報検出器は、整合用のコンデンサ11と、信号を整流す
るダイオード12と、スタブ部分Sを有したL字型のマ
イクロストリップ線路13と、整合用のコイル14と、
ダイオード12のバイアス用のRFチョークコイル15
と、ダイオード12のバイアス用の電圧電源16と、抵
抗17とから構成されている。なお、ダイオード12と
しては、例えば高速に動作して高周波を検波することが
可能なショットキーバリアダイオードが用いられてい
る。また、同図では、マイクロストリップ線路13に斜
線を示して見易くしてある。
【0042】具体的には、同図に示した包絡線情報検出
器では、変調波信号(上記図1の構成では、方向性結合
器1から出力される他方の分配信号)が入力される入力
端A1と整合用コンデンサ11の一端とが接続されてお
り、当該整合用コンデンサ11の他端とダイオード12
のアノードとが接続されており、当該ダイオード12の
カソードとマイクロストリップ線路13のL字の一辺の
一端(角部分)とが接続されており、当該マイクロスト
リップ線路13の当該一辺の他端と出力端A2とが接続
されている。このように、マイクロストリップ線路13
の当該一辺は、ダイオード12と出力端A2との間を接
続する信号経路として用いられている。
【0043】また、入力端A1と整合用コンデンサ11
との間が整合用コイル14を介して接地されており、整
合用コンデンサ11とダイオード12との間にRFチョ
ークコイル15を介してバイアス用電圧電源16が接続
されている。また、マイクロストリップ線路13と出力
端A2との間が抵抗17を介して接地されている。
【0044】ここで、上記図2に示した包絡線情報検出
器では、上記した整合用コンデンサ11と上記した整合
用コイル14とから整合回路が構成されている。また、
マイクロストリップ線路13が有する二辺の中でダイオ
ード12と出力端A2との間に接続されていない方の一
辺からスタブ部分Sが構成されており、本例では、これ
によりオープンスタブの配線パターンが構成されてい
る。また、同図に示されるように、本例では、スタブ部
分Sの長さを変調波信号の搬送波成分の波長の1/4の
長さとしてある。本例のようなスタブ部分Sを有するマ
イクロストリップ線路13は、ダイオード12から出力
端A2へ出力される信号の搬送波成分(変調波信号の搬
送波成分)を除去する機能を有している。
【0045】また、同図に示した本例の包絡線情報検出
器の動作の一例を示す。すなわち、この包絡線情報検出
器では、入力端A1に入力された変調波信号が整合回路
を介してダイオード12のアノードに印加され、当該変
調波信号の電圧成分が当該ダイオード12のアノードに
発生する。そして、ダイオード12のカソード側にはマ
イクロストリップ線路13が配置されており、このマイ
クロストリップ線路13の配線パターンは変調波信号の
搬送波周波数で交流的にショートとみなせるように構成
されているため、ダイオード12のアノードとカソード
との間の電圧差が当該ダイオード12により電流へ変換
され、これと同時に、当該ダイオード12の整流作用に
より変調波信号が搬送波成分と包絡線成分に分離され
る。
【0046】また、上述のようにマイクロストリップ線
路13の配線パターンが搬送波周波数で交流的にショー
トとみなせるように構成されているため、ダイオード1
2により電流に変換された信号がマイクロストリップ線
路13を通過するに際して、当該信号の搬送波成分(の
み)が除去され、これにより、当該信号の包絡線情報
(のみ)が残って当該マイクロストリップ線路13から
出力される。そして、マイクロストリップ線路13から
出力される包絡線情報が抵抗17により電流信号から電
圧信号へ変換され、出力端A2から以降の処理回路(上
記図1の構成例では、記憶部8)へ供給される。
【0047】ここで、本例のようにスタブを用いた包絡
線情報検出器では、ダイオード12のカソード側にコン
デンサ(例えば上記従来例の図9に示したコンデンサ4
6に相当するもの)を接続する必要がない点が利点とな
る。つまり、例えば上記従来例の図9に示した包絡線情
報検出器ではコンデンサ46の容量値と抵抗47の抵抗
値とから定まる時定数に応じて包絡線の検出効率や検出
精度が決定されていたが、本例の包絡線情報検出器で
は、包絡線の検出効率はマイクロストリップ線路13の
精度(例えばスタブ部分Sの長さの精度など)に応じて
決まり、包絡線の検出精度は、従来とは異なって、ダイ
オード12の特性に応じて決まる。
【0048】なお、このような理由は、本例のマイクロ
ストリップ線路13が搬送波成分の周波数の近傍の周波
数でのみショートとして働く一方、包絡線成分の周波数
では信号を(単に)通過させる線路として働くことから
抵抗値や時定数を持たずに包絡線の周波数成分を除去す
ることがないためである。
【0049】従って、本例のプリディストーション方式
増幅器に備えられた包絡線情報検出器では、例えば従来
と比べて、包絡線情報の検出効率と検出精度とを共に向
上させることができ、これにより、プリディストーショ
ン方式による歪み補償の精度等を向上させることができ
る。また、マイクロストリップ線路13は通常低コスト
で備えることが可能であるため、本例の包絡線情報検出
器は、低コストで実現されるものである。
【0050】なお、上記図2に示した包絡線情報検出器
では、バイアス用電圧電源16やバイアス用RFチョー
クコイル15やダイオード12から本発明に言うダイオ
ード回路が構成されており、スタブ部分Sを有したマイ
クロストリップ線路13から本発明に言うスタブ回路が
構成されている。
【0051】図3には、本例に係る包絡線情報検出器の
更に具体的な回路構成例を示してあり、この包絡線情報
検出器には、上記図2に示したものと同様な構成部分と
して、入力端B1と出力端B2との間に、整合用コンデ
ンサ21や、ダイオード22や、L字型のマイクロスト
リップ線路23や、整合用コイル24や、ダイオード2
2のバイアス用電圧電源26や、出力端B2を接地する
電流電圧変換用の抵抗28が備えられている。なお、図
3では、マイクロストリップ線路23に斜線を示して見
易くしてある。
【0052】また、図3に示した回路構成では、整合用
コンデンサ21とダイオード22との間とバイアス用電
源電圧26とがバイアス用の抵抗25を介して接続され
ており、当該整合用コンデンサ21と当該ダイオード2
2との間と当該バイアス用抵抗25との間が電源26か
らの雑音を除去する電源雑音除去用コンデンサ27を介
して接地されている。そして、バイアス用電圧電源26
とバイアス用抵抗25及び電流電圧変換用抵抗28によ
りダイオード22が適切にバイアスされている。
【0053】ここで、同図では、包絡線情報検出器の回
路を形成するのに用いられる基板の材質がBTレジンで
あり、当該基板の誘電率が2.6であり、変調波信号の
搬送波周波数が2.12GHzである場合の回路構成例
を示してある。また、この場合の一例として、マイクロ
ストリップライン23のオープンスタブ部分の長さa1
を搬送波成分の波長λの1/4としてa1=22mmと
してあり、これにより、ダイオード22のカソード部が
搬送波周波数で交流的に短絡される状態を実現してい
る。また、バイアス用電圧電源26として5Vの電源を
用いており、バイアス用抵抗25として1KΩの抵抗を
用いており、電源雑音除去用コンデンサ27として0.
1μFのコンデンサを用いており、電流電圧変換用抵抗
28として100Ωの抵抗を用いている。
【0054】なお、搬送波成分の波長λは、光速c=3
00000000m/sとし、搬送波成分の周波数f=
2.12GHzとし、基板の誘電率ε=2.6として、
式1により算出される。ここで、式1中のsqrt
(ε)は、εの平方根を示している。
【0055】
【数1】
【0056】また、図4には、上記図3に示した包絡線
情報検出器に入力される信号の電力(入力電圧)と、当
該包絡線情報検出器により検出される包絡線成分の電圧
(検波電圧)との関係の一例を示してあり、グラフの横
軸は入力電圧[dBm、CW1波]を示しており、縦軸
は検波電圧[V]を示してある。
【0057】また、図5には、変調波信号として広帯域
のCDMA方式(例えばW−CDMA方式)の波形信号
を用いた場合における包絡線検出の様子の一例を示して
あり、グラフの横軸は時間[sec(秒)]を示してお
り、左側の縦軸は実際の包絡線成分の電圧値[V]を示
しており、右側の縦軸は本例の包絡線情報検出器により
検出されて出力される包絡線成分の電圧値[V]を示し
ている。なお、この例では、CDMA方式の波形信号と
しては、50ユーザ分の信号を多重化したものであっ
て、搬送波周波数が2.1125GHzであって、チッ
プレートが3.84Mcpsであるものを用いている。
また、同図のグラフでは、実際の包絡線成分の電圧値を
(a)として示す一方、本例の包絡線情報検出器により
検出された包絡線成分の電圧値を(b)として示してあ
る。
【0058】上記のグラフに示されるように、例えば従
来例の図9に示したような包絡線情報検出器では包絡線
成分の電圧値を精度よく検出しようとした場合には包絡
線成分の検出電圧値がせいぜい数10mVであったのに
対して、本例の包絡線情報検出器では包絡線成分の検出
電圧値を1000mV程度まで高めることが可能とな
る。
【0059】なお、図6には、本例のように1つのスタ
ブ部分を有したマイクロストリップ線路を用いた場合に
おける周波数fとインピーダンスZとの関係の一例を概
略的に示してあり、グラフの横軸は周波数を示してお
り、縦軸はインピーダンスを示している。同図に示され
るように、スタブ部分が1つである場合には、所定の周
波数f0においてインピーダンスが最小値(極小値)Z
1となる。
【0060】以上のように、本例のプリディストーショ
ン方式増幅器に備えられた包絡線情報検出器では、ダイ
オードの整流作用を利用する構成において当該ダイオー
ドの出力端にオープンスタブを設けた構成とした。更に
具体的には、本例では、包絡線情報検出器を、整合回路
から成る整合部と、整流作用を行うダイオード部と、搬
送波成分を除去するオープンスタブ部と、包絡線成分を
電圧信号へ変換する電圧信号変換部とから構成し、これ
により、高周波信号の包絡線を検出する。
【0061】そして、本例のプリディストーション方式
増幅器は、例えば、信号を分配する方向性結合器や、上
記した本例の包絡線情報検出器や、包絡線に関する情報
と制御値とを対応付けて記憶する記憶部や、記憶部に記
憶された制御値に基づいて増幅対象となる信号の位相成
分の歪みを補正する可変位相器や、記憶部に記憶された
制御値に基づいて増幅対象となる信号の振幅成分の歪み
を補正する可変減衰器や、可変位相器により位相歪みが
補正されるとともに可変減衰器により振幅歪みが補正さ
れた信号を増幅して出力する電力増幅器を備え、これに
より、高周波信号を電力増幅器で増幅するに際して当該
信号に発生する歪みを補償する。
【0062】なお、本例のようなプリディストーション
方式増幅器を適用するのに好適な増幅器の一例として、
移動無線通信システムの基地局装置で用いられる共通増
幅器(C−AMP)が挙げられる。具体的には、現在の
フィードフォワード方式を採用している基地局装置用の
共通増幅器の効率は10%以下であるが、本例のような
包絡線情報検出器を用いたプリディストーション方式を
このような共通増幅器に適用することにより、高効率化
できると考えられる。また、このような高効率化を実現
すると、ヒートシンクの小型化が可能となり、共通増幅
器全体としての小型化が可能となる。
【0063】次に、第2実施例として、本発明に係るプ
リディストーション方式増幅器に備えられる包絡線情報
検出器(上記図1では、包絡線検波器5に相当するも
の)の他の一構成例を説明する。図7には、本例に係る
包絡線情報検出器の回路構成例を示してあり、この包絡
線情報検出器には、例えば上記第1実施例の図2に示し
た包絡線情報検出器と同様な構成部分として、入力端C
1と出力端C2との間に、整合用コンデンサ31と、ダ
イオード(ショットキーバリアダイオード)32と、整
合用コイル34と、ダイオード32のバイアス用のRF
チョークコイル35と、ダイオード32のバイアス用の
電圧電源36と、抵抗37とが備えられている。
【0064】また、本例の包絡線情報検出器には、本例
の特徴的な構成部分として、ダイオード32のカソード
と出力端C2との間に、2つのスタブ部分S1、S2を
有したコ字型のマイクロストリップ線路33が備えられ
ている。なお、同図では、マイクロストリップ線路33
に斜線を示して見易くしてある。
【0065】具体的には、上記図7に示した回路構成で
は、コ字型のマイクロストリップ線路33が有する三辺
の中で他の二辺に囲まれた一辺の一端(一方の角部分)
がダイオード32のカソードと接続されており、当該マ
イクロストリップ線路33の当該一辺の他端(他方の角
部分)が出力端C2と接続されている。このように、マ
イクロストリップ線路33の当該一辺は、ダイオード3
2と出力端C2との間を接続する信号経路として用いら
れている。
【0066】また、マイクロストリップ線路33が有す
る他の二辺のそれぞれからスタブ部分S1、S2が構成
されており、本例では、これにより2つのオープンスタ
ブの配線パターンが構成されている。また、同図に示さ
れるように、本例では、2つのスタブ部分S1、S2の
長さをそれぞれ変調波信号の搬送波成分の波長の1/4
程度の長さとして、これら2つのスタブ部分S1、S2
の長さを異ならせてある。本例のようなスタブ部分S
1、S2を有するマイクロストリップ線路33は、ダイ
オード32から出力端C2へ出力される信号の搬送波成
分(変調波信号の搬送波成分)を除去する機能を有して
いる。
【0067】また、同図では、例えば上記図3に示した
場合と同様に、包絡線情報検出器の回路を形成するのに
用いられる基板の材質がBTレジンであり、当該基板の
誘電率が2.6であり、変調波信号の搬送波周波数が
2.12GHzである場合におけるマイクロストリップ
線路33の構成例を示してある。
【0068】すなわち、本例のマイクロストリップ線路
33では、ダイオード32側のスタブ部分S1の長さb
1=20mmとし、当該スタブ部分S1の幅b3=4m
mとし、出力端C2側のスタブ部分S2の長さb2=2
1mmとし、当該スタブ部分S2の幅b4=4mmとし
てあり、また、ダイオード32と出力端C2との間の信
号経路部分の長さb5=16mmとし、当該信号経路部
分の幅b6=1mmとしてある。
【0069】なお、一般に、オープンスタブのインピー
ダンスは、基板の材質にも依存するが、当該オープンス
タブの幅によって決まる。また、スタブ部分の形状や大
きさ等は、例えばシミュレーションを適時行って定める
ことができる。
【0070】また、図8には、本例のように2つのスタ
ブ部分S1、S2を有したマイクロストリップ線路33
を用いた場合における周波数fとインピーダンスZとの
関係の一例を概略的に示してあり、グラフの横軸は周波
数を示しており、縦軸はインピーダンスを示している。
ここで、同図のグラフに示した一方の周波数f1は一方
のスタブ部分S1の周波数に相当し、本例では、当該ス
タブ部分S1の長さが当該周波数f1に対応した波長λ
1の1/4の長さとなっている。また、同図のグラフに
示した他方の周波数f2は他方のスタブ部分S2の周波
数に相当し、本例では、当該スタブ部分S2の長さが当
該周波数f2に対応した波長λ2の1/4の長さとなっ
ている。
【0071】本例のように2つのスタブ部分S1、S2
を有したマイクロストリップ線路33を用いた場合に
は、厳密には例えば上記図6に示したような特性を2つ
重ねて総和したような特性となるが、概略的には、上記
図8に示されるような特性となる。つまり、同図に示さ
れるように、スタブ部分が2つである場合には、概略的
には、所定の周波数f1と所定の周波数f2との間の周
波数領域において、インピーダンスが一定の最小値(極
小値)Z2となる。
【0072】このように、本例の包絡線情報検出器で
は、幅をもった周波数領域においてインピーダンスを最
小とすることができ、これにより、例えばW−CDMA
方式のように増幅対象となる変調波信号の周波数帯域が
幅を有していて広帯域であるような場合においても、こ
のような幅をもった周波数領域において、包絡線の検出
効率及び検出精度を高めることができ、これにより、本
例のプリディストーション方式増幅器では、プリディス
トーション方式による歪み補償の精度等を高めることが
できる。
【0073】以上のように、本例のプリディストーショ
ン方式増幅器に備えられた包絡線情報検出器では、ダイ
オードの整流作用を利用する構成において当該ダイオー
ドの出力端に複数のオープンスタブを設けた構成とし
た。このような構成は、上述のように、例えばW−CD
MA方式の信号のように広帯域の信号を処理する場合に
好適なものとなる。
【0074】従って、本例のプリディストーション方式
増幅器に備えられた包絡線情報検出器では、例えばW−
CDMA方式のように広帯域の信号を処理する場合にお
いても、例えば従来と比べて、包絡線情報の検出効率と
検出精度とを共に向上させることができ、これにより、
プリディストーション方式による歪み補償の精度等を向
上させることができる。また、マイクロストリップ線路
33は通常低コストで備えることが可能であるため、本
例の包絡線情報検出器は、低コストで実現されるもので
ある。
【0075】ここで、本発明に係るプリディストーショ
ン方式増幅器や送信機や包絡線検出装置の構成として
は、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成
が用いられてもよい。また、本発明の適用分野として
は、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、
種々な分野に適用することが可能なものである。例え
ば、本発明に係るプリディストーション方式増幅器や送
信機や包絡線検出装置は、必ずしもRFプリディストー
ション方式を用いたものに適用することができるばかり
でなく、例えばIFプリディストーション方式などを用
いたものに適用することもできる。また、例えば、本発
明に係る包絡線検出装置は、包絡線情報を検出する種々
なものに適用することが可能である。
【0076】また、本発明に係るプリディストーション
方式増幅器は、例えばCDMA方式等の通信方式を用い
た移動無線通信システムなどの送信機に適用されるのに
好適なものであり、このような送信機では、例えば以上
の実施例で示したようなプリディストーション方式増幅
器を備え、送信対象となる変調波信号を当該プリディス
トーション方式増幅器により増幅して送信する。
【0077】また、本発明に係るプリディストーション
方式増幅器や送信機や包絡線検出装置により行われる各
種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備え
たハードウエア資源においてプロセッサがROMに格納
された制御プログラムを実行することにより制御される
構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行
するための各機能手段が独立したハードウエア回路とし
て構成されてもよい。また、本発明は上記の制御プログ
ラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD
−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒
体や当該プログラム(自体)として把握することもで
き、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに
入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に
係る処理を遂行させることができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るプリ
ディストーション方式増幅器によると、増幅対象となる
変調波信号を分配し、一方の分配信号に対して振幅と位
相との少なくともいずれか一方の歪みを歪発生器により
発生させ、歪みが発生させられた一方の分配信号を増幅
器により増幅するに際して、他方の分配信号の包絡線に
関する情報を包絡線情報検出器により検出し、包絡線情
報検出器の検出結果に基づいて増幅器で発生する歪みが
補償されるように歪発生器により発生させる歪みを制御
する構成において、変調波信号の搬送波成分を除去する
スタブ回路を用いて包絡線情報検出器を構成したため、
包絡線情報検出器では包絡線情報の検出効率と検出精度
とを共に向上させることが可能となり、これにより、プ
リディストーション方式による歪み補償の精度等を向上
させることができる。
【0079】また、本発明に係るプリディストーション
方式増幅器では、複数のスタブ部分を有したスタブ回路
を用いて包絡線情報検出器を構成したため、増幅対象と
なる変調波信号の周波数帯域が幅を有しているような場
合においても、このような幅をもった周波数領域におい
て、包絡線情報の検出効率及び検出精度を高めることが
でき、これにより、プリディストーション方式による歪
み補償の精度等を高めることができる。
【0080】また、本発明に係る送信機では、以上に示
したようなプリディストーション方式増幅器を備え、送
信対象となる変調波信号を当該プリディストーション方
式増幅器により増幅して送信するようにしたため、プリ
ディストーション方式による歪み補償の精度等を高める
ことができ、これにより、通信効率の向上等を図ること
ができる。
【0081】また、本発明に係るCDMA方式を用いた
移動無線通信システムの送信機では、上記したような複
数のスタブ部分を有したスタブ回路を備えたプリディス
トーション方式増幅器を備え、送信対象となる変調波信
号を当該プリディストーション方式増幅器により増幅し
て送信するようにしたため、広帯域の信号に対応して、
プリディストーション方式による歪み補償の精度等を高
めることができ、これにより、通信効率の向上等を図る
ことができる。
【0082】また、本発明に係る包絡線検出装置では、
変調波信号を整流するダイオード回路と、当該ダイオー
ド回路から出力される信号の搬送波成分を除去するスタ
ブ回路とを用いて、変調波信号の包絡線に関する情報を
検出するようにしたため、スタブ回路の特性に応じて包
絡線情報の検出効率を向上させることができるととも
に、ダイオード回路の特性に応じて包絡線情報の検出精
度を向上させることができ、これにより、包絡線の検出
効率と検出精度とを共に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプリディストーション方式増幅
器の一例を示す図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係る包絡線情報検出器
の回路構成例を示す図である。
【図3】 本発明の第1実施例に係る包絡線情報検出器
の更に具体的な回路構成例を示す図である。
【図4】 入力電力と包絡線検波電圧との関係の一例を
示す図である。
【図5】 包絡線検出の様子の一例を示す図である。
【図6】 本発明の第1実施例に係る周波数とインピー
ダンスとの関係の一例を示す図である。
【図7】 本発明の第2実施例に係る包絡線情報検出器
の回路構成例を示す図である。
【図8】 本発明の第2実施例に係る周波数とインピー
ダンスとの関係の一例を示す図である。
【図9】 従来例に係る包絡線情報検出器の回路構成例
を示す図である。
【符号の説明】
1・・方向性結合器、 2・・可変位相器、 3・・可
変減衰器、4・・電力増幅器、 5・・包絡線検波器、
6、7・・LPF、8・・記憶部、 A1、B1、C
1・・入力端、A2、B2、C2・・出力端、 11、
21、31・・整合用のコンデンサ、12、22、32
・・ショットキーバリアダイオード、13、23、33
・・マイクロストリップ線路、14、24、34・・整
合用のコイル、15、35・・バイアス用のRFチョー
クコイル、16、26、36・・バイアス用の電圧電
源、 17、28、37・・抵抗、S、S1、S2・・
スタブ部分、 25・・バイアス用の抵抗、27・・電
源雑音除去用のコンデンサ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA04 AA41 CA21 CA27 CA88 FA08 FA20 GN03 GN07 HA19 HA25 HA29 HA33 HN08 HN17 KA16 KA23 KA42 KA55 KA68 MA14 SA14 TA01 TA02 TA03 5K022 EE02 EE21 5K060 FF00 HH06 JJ06 LL01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増幅対象となる変調波信号を分配する分
    配手段と、一方の分配信号に対して振幅と位相との少な
    くともいずれか一方の歪みを発生させる歪発生手段と、
    歪発生手段により歪みが発生させられた一方の分配信号
    を増幅する増幅器と、他方の分配信号の包絡線に関する
    情報を検出する包絡線情報検出器と、包絡線情報検出器
    の検出結果に基づいて増幅器で発生する歪みが補償され
    るように歪発生手段により発生させる歪みを制御する歪
    制御手段とを備えたプリディストーション方式増幅器に
    おいて、 包絡線情報検出器は、変調波信号の搬送波成分を除去す
    るスタブ回路を用いて構成されたことを特徴とするプリ
    ディストーション方式増幅器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプリディストーション
    方式増幅器において、 包絡線情報検出器のスタブ回路は複数のスタブ部分を有
    したことを特徴とするプリディストーション方式増幅
    器。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のプリディ
    ストーション方式増幅器を備え、送信対象となる変調波
    信号を当該プリディストーション方式増幅器により増幅
    して送信することを特徴とする送信機。
  4. 【請求項4】 CDMA方式を用いた移動無線通信シス
    テムの送信機であり、請求項2に記載のプリディストー
    ション方式増幅器を備え、送信対象となる変調波信号を
    当該プリディストーション方式増幅器により増幅して送
    信することを特徴とする送信機。
  5. 【請求項5】 変調波信号の包絡線に関する情報を検出
    する包絡線検出装置において、 変調波信号を整流するダイオード回路と、当該ダイオー
    ド回路から出力される信号の搬送波成分を除去するスタ
    ブ回路とを用いて構成されたことを特徴とする包絡線検
    出装置。
JP2001016867A 2001-01-25 2001-01-25 プリディストーション方式増幅器及び包絡線検出装置 Pending JP2002223129A (ja)

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