JP2000244061A - 窒化物半導体の成長方法及び窒化物半導体素子 - Google Patents
窒化物半導体の成長方法及び窒化物半導体素子Info
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Abstract
導体を得ることができる窒化物半導体の成長方法を提供
することであり、更に、得られた結晶性が良好で且つ転
位の少ない窒化物半導体を基板とする窒化物半導体素子
を提供することである。 【解決手段】 窒化物半導体と異なる材料よりなる異種
基板1上に、第1の窒化物半導体2を成長させ、この第
1の窒化物半導体2に部分的に凹凸を形成して凹部側面
に窒化物半導体の横方向の成長が可能な面を露出させた
後、凹凸を有する第1の窒化物半導体2上に第2の窒化
物半導体3を成長させる。また、得られた第2の窒化物
半導体3を基板としこの上に素子構造として少なくとも
n型窒化物半導体、活性層、p型窒化物半導体を積層成
長させてなる素子。
Description
XAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)の成長
方法に係り、特に窒化物半導体よりなる基板の成長方法
に関する。また、本発明は、前記窒化物半導体よりなる
基板を用い発光ダイオード、レーザダイオード等の発光
素子、あるいは太陽電池、光センサー等の受光素子に使
用される窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦
X、0≦Y、X+Y≦1)よりなる窒化物半導体素子に関す
る。
素のような窒化物半導体と異なる異種基板の上、又は異
種基板上に成長された窒化物半導体上に、窒化物半導体
が成長しないかあるいは成長しにくい材料からSiO2
等の保護膜を成長させ、この上に窒化物半導体を選択成
長させることにより、転位を低減できる窒化物半導体の
成長方法が種々検討されている。
には、異種基板上に成長させた窒化物半導体上にSiO
2等のマスクを部分的に形成し(例えばストライプ形
状)、この上に窒化物半導体を成長させることにより、
窒化物半導体がマスク上に横方向に成長する過程で、マ
スク上に向かって転位が横方向に進行することで転位の
少ない窒化物半導体を得ることができる方法が記載され
ている。また、特開平8−64791号公報には、異種
基板上にアモルファス状のGaN膜を成長させた後、こ
のアモルファス状のGaN膜をストライプ状にエッチン
グしてこの上にさらに窒化物半導体を成長させることに
より、ストライプ状のアモルファス部分以外から成長す
る窒化物半導体の転位をアモルファス分部に集中させる
ことにより、アモルファス状のGaN膜以外の部分に成
長する窒化物半導体の転位を低減できる方法が記載され
ている。
10−312971号公報に記載の方法では、SiO2
等の保護膜が、窒化物半導体の成長時に分解する場合が
あり、SiO2が分解すると、SiO2上から異常成長し
たり、分解したSiやO等が窒化物半導体に入りGaN
を汚染したりして、結晶性の低下を招くことがある。一
方、SiO2の分解を考慮して比較的低温で窒化物半導
体を成長させると、窒化物半導体が良好な単結晶となり
にくく、窒化物半導体の結晶性の低下を招くこととな
る。また、SiO2等の保護膜を用いていると、選択成
長させた後に異種基板を除去してGaN基板の除去面に
n電極を形成してなる素子を形成する場合に、絶縁性の
SiO2が存在すると抵抗が高くなる傾向があり、Si
O2をも除去する必要があり、除去の際に窒化物半導体
にクラックが入らないようにするなど操作がやや煩雑と
なる場合がある。また、特開平8−64791号公報に
記載の方法では、転位がアモルファスGaN膜に向かっ
て集中するものの、十分に転位をアモルファス膜に集中
させることができず、表面まで達する転位が生じてしま
う。
を作製するには、転位の少ない窒化物半導体の基板を得
ることが望ましいが、上記従来の方法では十分な寿命特
性を有する程度に転位を低減させることが難しい。寿命
特性をより一層向上させることが、窒化物半導体素子の
種々の製品への実用化を達成することとなる。
た、結晶性が良好な窒化物半導体を得ることができる窒
化物半導体の成長方法を提供することである。更に、本
発明は、結晶性が良好で且つ転位の少ない窒化物半導体
を基板とする窒化物半導体素子を提供することである。
以下(1)〜(8)の構成によって達成することができ
る。 (1) 窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板の
上に、第1の窒化物半導体を成長させる第1の工程と、
第1の工程後、前記第1の窒化物半導体に部分的に凹凸
を形成して凹部側面に窒化物半導体の横方向の成長が可
能な面を露出させる第2の工程と、第2の工程後、前記
凹凸を有する第1の窒化物半導体上に、第2の窒化物半
導体を成長させる第3の工程とを有することを特徴とす
る窒化物半導体の成長方法。 (2) 前記第2の窒化物半導体を成長後に、前記第2
及び第3の工程を繰り返して行う、但し、第2の窒化物
半導体に形成される凹凸が、第1の窒化物半導体に形成
された凹部上部に凸部が形成され、第1の窒化物半導体
に形成された凸部上部に凹部が形成されることを特徴と
する前記(1)に記載の窒化物半導体の成長方法。 (3) 前記異種基板が、サファイアのC面がステップ
状にオフアングルされていることを特徴とする前記
(1)又は(2)に記載の窒化物半導体の成長方法。 (4) 前記ステップ状にオフアングルされているサフ
ァイア基板のオフアングル角が、0.1°〜0.5°で
あることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに
記載の窒化物半導体の成長方法。 (5) 前記ステップ状にオフアングルされているサフ
ァイア基板のステップに沿う方向(段差方向)が、サフ
ァイアのA面に対して垂直に形成されていることを特徴
とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の窒化物半
導体の成長方法。 (6) 前記第3の工程で、第2の窒化物半導体を成長
させる際に、不純物をドープして行うことを特徴とする
前記(1)〜(5)のいずれかに記載の窒化物半導体の
成長方法。 (7) 前記窒化物半導体の成長方法で得られる窒化物
半導体を基板とし、この上に素子構造となる少なくとも
n型窒化物半導体、活性層、及びp型窒化物半導体が形
成されていることを特徴とする窒化物半導体素子。 (8) 前記窒化物半導体の成長方法で得られた窒化物
半導体基板上に、素子構造となる少なくともn型窒化物
半導体、活性層、及びp型窒化物半導体が形成され、窒
化物半導体基板の第1の窒化物半導体に形成された凹部
上部に、窒化物半導体レーザ素子の光を導波するストラ
イプ形状又はリッジ形状を形成してなること特徴とする
窒化物半導体レーザ素子。
長させた第1の窒化物半導体に凹凸を形成し、この上か
ら第2の窒化物半導体を成長させると、凹部側面に露出
している第1の窒化物半導体から第2の窒化物半導体が
横方向に成長をはじめ、このとき転位も第2の窒化物半
導体の成長に伴って横方向に進行するが一旦横方向に進
行した転位は再び縦方向に進行しにくくなり、凹部の開
口部分から厚膜に成長する第2の窒化物半導体は転位の
低減された結晶性の良好な窒化物半導体となる。更に、
本発明は、保護膜としてSiO2等の保護膜を用いてい
ないので、窒化物半導体が良好な単結晶として得られる
温度、例えば1000℃以上の温度で第1及び第2の窒
化物半導体を成長させても、SiO2の分解による汚染
や異常成長等が生じない。更に、本発明は、SiO2等
の保護膜を用いていないので、異種基板のみを除去した
だけで、窒化物半導体基板の除去面にn電極が形成され
た場合、n電極と良好なオーミックが得られ易くなる。
826号明細書に、異種基板上に成長させた窒化物半導
体の縦方向の成長を抑え、横方向のみに成長させ、続い
て縦方向と横方向に成長させる窒化物半導体の成長方法
を提案し、転位を著しく低減させることを可能にしてい
る。この方法は、転位が横方向に進行すると再び縦方向
に進行しにくくなることを見出し、窒化物半導体の縦方
向の成長を抑制し、横方向の成長を意図的に行うことに
より、転位を低減させることを可能としてるものであ
る。この方法において、具体的に縦方向の成長を抑える
方法として、異種基板上に成長させた窒化物半導体に凹
凸を形成し、この凸部上部及び凹部底部にSiO2等の
保護膜を形成することで、一旦縦方向の成長をする窒化
物半導体の成長面を覆い、凹部側面の横方向の成長可能
な窒化物半導体面のみを露出させ意図的に窒化物半導体
を横方向に成長させている。この方法は、窒化物半導体
の縦方向の成長を実質的に全て抑えているので、転位が
縦方向に進行するのを良好に防止することができたと考
えられる。しかし、凹凸を形成した凹部底部と凸部上部
に保護膜を形成する工程は、時間がかかり、量産する場
合にやや問題となる。また、保護膜としてSiO2を用
いると、前記したようにSiO2の分解による汚染や異
常成長などが起こる可能性もある。
5826号明細書に記載の方法を更に検討した結果、第
1の窒化物半導体に凹凸を形成するだけで、凹部の開口
部分に厚膜に成長する第2の窒化物半導体の表面や表面
領域には転位がほとんどなくなることを見出したもので
ある。つまり、窒化物半導体の縦方向の成長を抑えこと
が、窒化物半導体に凹凸を形成するのみで可能となるも
のである。この理由は定かではないが、恐らく、凸部上
部の面に対し、凹部側面での窒化物窒化物半導体の成長
速度は促進されているからではないかと考えられる。凹
部内部では、両側面と底部の3箇所の部分から窒化物半
導体が成長可能であるが、凹部開口部分から厚膜に成長
する第2の窒化物半導体には転位がほとんど見られない
ことから、凹部側面から横方向に成長を始めた窒化物半
導体が凹部底部から成長を始めた窒化物半導体の成長を
阻害していると思われる。また、一方、凸部上部では縦
方向の成長が可能であるが、凸部上部で縦方向の成長か
ら成長を始めた窒化物半導体は、縦方向に成長すると共
に、凹部開口部に向かって横方向に成長する傾向があ
り、凸部上部に成長する窒化物半導体の転位も低減する
傾向がある。更に凸部上部の窒化物半導体の成長は、縦
方向に成長するより横方向へ成長し易い傾向があり、凸
部上部からの成長と、凹部開口部からの成長が自然に接
合して、鏡面上の第2の窒化物半導体を得ることができ
ると思われる。また本発明は、以前本発明者らが提案し
た技術に比べ、保護膜を形成しないので製造工程が簡素
化でき好ましい。
凸部上部での横方向の成長をより促進させるには、凹凸
の形状、具体的には、凸部上部の幅、凹部底部の幅、凹
部側面の長さ、凹部側面を階段状にする等の形状を設け
るなどを組み合わせて調整することが好ましい。更に、
本発明において、横方向の成長を促進させるため、上記
のように凹凸を形成することに加え、反応条件、例えば
減圧条件、窒化物半導体の原料となる元素(III族元
素とV族元素のモル比)のモル比の調整等、の反応条件
を調整することで横方向の成長が縦方向の成長より促進
され、転位を低減するのに好ましい。
体を厚膜に成長させた後、第2の工程と第3の工程を繰
り返すことで転位を更に低減させることができる。但
し、この場合は、第1の窒化物半導体に形成された凹部
上部に第2の窒化物半導体に形成される凸部が位置し、
第1の窒化物半導体に形成された凸部上部に第2の窒化
物半導体に形成される凹部が位置するように、繰り返さ
れる第2の工程において第2の窒化物半導体に部分的に
凹凸が形成される。第2及び第3の工程は、2回以上繰
り返してもよい。このように第1の窒化物半導体に形成
される凹凸の位置と、第2の窒化物半導体に形成させる
凹凸の位置とが、上記のように交互になっていると、前
記したように凹部開口部から成長する窒化物半導体には
転位がほとんど見られなくなることから、凹部上部にか
かわらず凸部上部の窒化物半導体にも転位がほとんどな
くなる。このように全体的に転位の低減された窒化物半
導体を基板として素子構造を成長させると、寿命特性の
良好な素子を量産する場合に好ましい。
が、サファイアのC面がステップ状にオフアングルされ
ているものであると、得られた窒化物半導体を基板とし
て素子構造を形成する際に、1チップの大きさに値する
程度の幅の良好な平面を有する窒化物半導体基板が得ら
れ、寿命特性の良好な素子が選られやすくなり好まし
い。更に、ステップ状にオフアングルされていると、レ
ーザ素子ではしきい値が低下し、LEDでは発光出力が
20〜30%向上する傾向がある。更に本発明におい
て、ステップ状にオフアングルされているサファイア基
板のオフアングル角が、0.1°〜0.5°であると、
上記良好な平面となる部分の表面性が良好となり、この
上に素子を形成すると寿命特性をより良好にすることが
でき好ましい。更にオフ角が上記範囲であると、しきい
値がより低下し、発光出力がより向上し好ましい。更に
本発明において、ステップ状にオフアングルされている
サファイア基板のステップに沿う方向(段差方向)が、
サファイアのA面に対して垂直に形成されていると、サ
ファイアのA面に対して窒化物半導体のM面が平行とな
るように第2の窒化物半導体が成長し、段差方向に平行
に、例えばリッジ形状のストライプを形成すると、M面
で劈開し易くなり良好な共振面が得られるので好まし
い。
の窒化物半導体を成長させる際に、不純物をドープして
行うと、窒化物半導体の縦方向の成長に対し、窒化物半
導体の横方向の成長をより促進できる傾向があり、転位
をより低減でき、更に隣接して成長している窒化物半導
体同士の接合部分での空隙の発生の防止を良好にするこ
とができ好ましい。
の成長方法により得られる窒化物半導体を基板として、
この上に素子構造となる少なくともn型窒化物半導体、
活性層、及びp型窒化物半導体を形成することにより、
寿命特性の良好な窒化物半導体素子を得ることができ
る。更に、本発明において、リッジ形状のストライプを
有する窒化物半導体レーザ素子を製造する場合、前記窒
化物半導体の成長方法で凹部上部にリッジ形状のストラ
イプが位置するように素子を製造すると、より良好な寿
命特性のレーザ素子が得られ好ましい。また上記本発明
の方法で第2及び第3の工程を繰り返す場合は、特にリ
ッジ形状のストライプの形成される位置を考慮しなくと
もよい。転位の少ない部分に窒化物半導体素子を形成す
ると、良好な素子特性を有するので好ましい。
細に説明する。図1〜図4は、本発明の窒化物半導体の
成長方法の一実施形態を段階的に示した模式図である。
形態として、まず、図1の第1の工程において、異種基
板1上に第1の窒化物半導体2を成長させ、図2の第2
の工程において、第1の窒化物半導体2に凹凸を形成
し、続いて図3の第3の工程において、凹凸の形成され
た第1の窒化物半導体2上に第2の窒化物半導体3を成
長させる。
細に説明する。図1は異種基板1上に、第1の窒化物半
導体2を成長させる第1の工程を行った模式的段面図で
ある。この第1の工程において、用いることのできる異
種基板としては、例えば、C面、R面、及びA面のいず
れかを主面とするサファイア、スピネル(MgA1
2O4)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3C
を含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化
物半導体と格子整合する酸化物基板等、従来知られてい
る窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができ
る。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネル
が挙げられる。異種基板としてサファイアを用いる場
合、サファイアの主面をどの面にするかによって、凹凸
を形成した時の凸部上部と凹部側面の窒化物半導体の面
方位が特定される傾向があり、その面方位によって、窒
化物半導体の成長速度がやや異なることから、凹部側面
に成長し易い面方位がくるように主面を選択してもよ
い。
に第1の窒化物半導体2を成長させる前に、異種基板1
上にバッファ層(図示されていない)を形成してもよ
い。バッファ層としては、AlN、GaN、AlGa
N、InGaN等が用いられる。バッファ層は、900
℃以下300℃以上の温度で、膜厚0.5μm〜10オ
ングストロームで成長される。このように異種基板1上
にバッファ層を900℃以下の温度で形成すると、異種
基板1と第1の窒化物半導体2との格子定数不正を緩和
し、第1の窒化物半導体2の結晶欠陥が少なくなる傾向
にある。
される第1の窒化物半導体2としては、アンドープ(不
純物をドープしない状態、undope)のGaN、Si、G
e、及びS等のn型不純物をドープしたGaNを用いる
ことができる。第1の窒化物半導体2は、高温、具体的
には約900℃より高温〜1100℃、好ましくは10
50℃で異種基板1上に成長される。このような温度で
成長させると、第1の窒化物半導体2は単結晶となる。
第1の窒化物半導体2の膜厚は特に限定しないが、凹部
内部での縦方向の成長を抑えて、横方向の成長が促進で
きるように、凹凸の形状を調整することが可能な膜厚で
あることが好ましく、少なくとも500オングストロー
ム以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μ
m以上の膜厚で形成する。
半導体2を成長させた後、第1の窒化物半導体2に部分
的に第1の窒化物半導体2がわずかに残る程度の深さで
凹凸を形成して、凹部側面に第1の窒化物半導体2を露
出させてなる模式的断面図である。
するとは、少なくとも凹部側面に第1の窒化物半導体2
が露出されるように、第1の窒化物半導体2の表面から
異種基板1方向に窪みを形成してあればよく、第1の窒
化物半導体2にいずれの形状で凹凸を設けてもよく、例
えば、ランダムな窪み、ストライプ状、碁盤目状、ドッ
ト状に形成できる。第1の窒化物半導体2に部分的に設
けられた凹凸は、第1の窒化物半導体の途中まで、又は
異種基板に達する深さで形成される。凹部底部の露出面
が第1の窒化物半導体であると、仮に凹部底部からの縦
方向の成長が、凹部側面からの成長により遮られずにそ
のまま表面まで成長し続けた場合でも、異種基板面上に
成長したものに比べて、第1の窒化物半導体上に成長し
たものは転位が少なくなり好ましい。また一方、凹部底
部の露出面が異種基板、例えばサファイアであると、異
種基板面からの縦方向の成長に比べ、凹部側面の窒化物
半導体からの横方向の成長がより優先され、凹部底部か
らの成長を凹部側面からの成長により遮り易くなり、転
位を低減するのに好ましい。
部の幅と凹部底部の幅などは、特に限定されないが、少
なくとも凹部内での縦方向の成長が抑制され、凹部開口
部から厚膜に成長する第2の窒化物半導体が凹部側面か
ら横方向に成長したものとなるように調整されているこ
とが好ましい。凹凸の形状をストライプ状とする場合、
ストライプの形状として、例えばストライプ幅(凸部上
部の幅)を3〜20μm、ストライプ間隔(凹部底部の
幅)を3〜20μmのものを形成することができる。凹
部開口部から成長する第2の窒化物半導体3の部分を多
くするには、凹部底部の幅を広くし、凸部上部の幅を狭
くすることで可能となり、このようにすると転位の低減
された部分を多くすることができる。凹部底部の幅を広
くした場合には、凹部の深さを深めにすることが、凹部
底部から成長する可能性のある縦方向の成長を防止する
のに好ましい。
第1の窒化物半導体を一部分取り除くことができる方法
であればいずれの方法でもよく、例えばエッチング、ダ
イシング等が挙げられる。エッチングにより、第1の窒
化物半導体2に部分的(選択的)に凹凸を形成する場合
は、フォトリソグラフィー技術における種々の形状のマ
スクパターンを用いて、ストライプ状、碁盤目状等のフ
ォトマスクを作製し、レジストパターンを第1の窒化物
半導体2に形成してエッチングすることにより形成でき
る。フォトマスクは、エッチングして凹凸を形成後に除
去される。また、ダイシングで行う場合は、例えば、ス
トライプ状や碁盤目状に形成できる。
ングする方法には、ウエットエッチング、ドライエッチ
ング等の方法があり、平滑な面を形成するには、好まし
くはドライエッチングを用いる。ドライエッチングに
は、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、反応性
イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロト
ロンエッチング(ECR)、イオンビームエッチング等
の装置があり、いずれもエッチングガスを適宜選択する
ことにより、窒化物半導体をエッチングしてできる。例
えば、本出願人が先に出願した特開平8−17803号
公報記載の窒化物半導体の具体的なエッチング手段を用
いることができる。また、エッチングによって段差を形
成する場合、エッチング面(凹部側面)が、図2に示す
ように異種基板に対して端面がほぼ垂直となる形状、又
は順メサ形状や逆メサ形状でもよく、あるいは階段状に
なるように形成された形状等がある。
する第1の窒化物半導体2上に第2の窒化物半導体3を
成長させる第3の工程を行った模式的断面図である。第
2の窒化物半導体3としては、前記第1の窒化物半導体
2と同様のものを用いることができる。第2の窒化物半
導体3の成長温度は、第1の窒化物半導体2を成長させ
る場合と同様であり、このような温度で成長させる第2
の窒化物半導体は単結晶となる。また第2の窒化物半導
体を成長させ際に、窒化物半導体の原料となるIII族
とV族の成分のモル比(III/Vのモル比)を調整し
て成長させる、または反応条件を減圧にして成長させる
等により、横方向の成長を縦方向の成長に比べて促進さ
せる点で好ましい。
に、不純物をドープして成長させてもよい。第2の窒化
物半導体3を成長させる際にドープする不純物として
は、特に限定されず、p型不純物でもn型不純物でもよ
い。後述の図10に示されるp電極とn電極が反対の面
に形成されてなる素子の場合は、第2の窒化物半導体3
にn型不純物をドープすることが好ましく、n型不純物
をドープすることでn電極と良好なオーミックが得られ
好ましい。また、第2の窒化物半導体を成長させる際
に、横方向の成長を促進させて、転位の低減や空隙発生
の防止の点では、好ましくはp型不純物、又はp型不純
物及びn型不純物をドープし、より好ましくはp型不純
物及びn型不純物をドープする。
ては、特に限定されないが、好ましくは、Be、Zn、
Mn、Cr、及びMgのいずれか1種以上であり、ま
た、n型不純物としては、特に限定されないが、Si、
Ge及びSnのいずれか1種以上である。上記のような
不純物をドープすると、結晶欠陥及び空隙の点で好まし
い。また、n電極とのオーミック接触を有する点でも好
ましい。また、本発明において、p型及びn型不純物を
ドープする場合、p型不純物とn型不純物の組み合わせ
は特に限定されず、上記の不純物を適宜1種以上づつド
ープすることができる。特に好ましい組み合わせとして
は、p型不純物がMgであり、n型不純物がSiである
と、結晶欠陥の伝播を抑制し、空隙の発生を防止するの
に好ましい。
ましくは1×1017/cm3〜1×1020/cm3、より
好ましくは1×1017/cm3〜1×1019/cm3、更
に好ましくは5×1017/cm3〜5×1019/cm3で
ある。不純物の濃度が上記範囲であると窒化物半導体の
横方向の成長を縦方向の成長に比べ良好に促進でき、結
晶欠陥の伝播の抑制及び空隙の発生の防止の点で好まし
い。不純物のドープ量が多すぎると異常成長等が発生し
結晶性が低下する傾向がある。また不純物のドープ量が
少なすぎると本発明の効果が得られ難くなる。更に、n
型不純物のみをドープしてn電極とのオーミック接触を
有する場合にも好ましい。更に、n型不純物のみをドー
プする場合でも、n電極とのオーミック接触を有する以
外に、窒化物半導体の横方向の成長を促進できる傾向も
ある。また、p型不純物とn型不純物とをドープする場
合は、両者の濃度の和が上記範囲のドープ量となるよう
に適宜調整してドープされる。この場合p型不純物とn
型不純物の濃度の比は、用いる不純物の種類により、空
隙や結晶欠陥の防止が良好となるように適宜調整され
る。
時期としては、特に限定されず、第2の窒化物半導体3
の成長と同時にドープされる、又は成長の途中に1回以
上ドープされる。成長の途中で1回以上ドープすると
は、不純物をドープすることで窒化物半導体の横方向の
成長が促進されること等を考慮して、転位が低減され、
空隙の発生を防止できるように、第2の窒化物半導体の
成長の最中に、一定の間隔毎または進行程度毎に、不純
物を1回以上、成長の進行状況に応じた時間でドープす
ることである。この場合、成長の進行状況(程度)に応
じてとは、少なくとも転位の進行方向を横方向に伝播さ
せる際には不純物をドープし、転位を横方向に伝播でき
た後には、アンドープでも不純物濃度を減少させる等の
調整をするなど、窒化物半導体の成長の進行状態と不純
物を添加することによる横方向の成長の促進などを適宜
組み合わせて行うことを示す。本発明において、不純物
をドープする場合、第1の窒化物半導体の成長の進行状
況を確認する方法としては、ウエハの大きさ、凹部の開
口部の幅や凹部側面の幅、凸部上部の幅、及び原料ガス
の流量などから成長の速度を計算により導き出すことが
できる。そして、計算により導き出された値に従って、
成長の途中等から不純物をドープする場合の目安にす
る。
は凹部の側面から横方向に成長するものと、凹部底部か
ら縦方向に成長するものとがあると思われるが、成長し
続ける過程で、凹部側面から成長した第2の窒化物半導
体同士が接合し、凹部底部からの成長を抑制する。その
結果、凹部開口部から成長した第2の窒化物半導体には
転位がほとんど見られない。凹部底部からの縦方向の成
長は、凹部側面からの横方向の成長に比べ、成長速度が
遅いと思われる。一方、凸部上部から成長した第2の窒
化物半導体部分には、凹部開口部から成長するものに比
べてやや多めの転位が見られるが、凸部上部に縦方向に
成長を始める窒化物半導体も、縦方向に成長する速度よ
りも、凹部開口部に向かって横方向に成長する傾向があ
り、凹凸を形成しないで縦方向に成長させた場合に比べ
れば転位が低減する。また、本発明の第2及び第3の工
程を繰り返すことで、凸部上部の転位をなくすことがで
きる。また、凸部上部と凹部内部から成長した第2の窒
化物半導体は、成長の過程で接合し、図4のようにな
る。
り返す場合、図5に示すように、第1の窒化物半導体に
形成した凹部上部に凸部が、第1の窒化物半導体に形成
した凸部上部に凹部が、それぞれ位置するように第2の
窒化物半導体に部分的に凹凸を形成する。そして凹凸を
形成された第2の窒化物半導体上に第3の窒化物半導体
4を成長させる。第3の窒化物半導体4は、全体的に転
位の少ない窒化物半導体となる。第3の窒化物半導体と
しては第2の窒化物半導体と同様のものを成長させる。
子構造となる窒化物半導体を成長させるための基板とな
るが、素子構造を形成するには異種基板を予め除去して
から行う場合と、異種基板等を残して行う場合がある。
また、素子構造を形成した後で異種基板を除去する場合
もある。異種基板等を除去する場合の第2の窒化物半導
体5の膜厚は、50μm以上、好ましくは100μm以
上、好ましくは500μm以下である。この範囲である
と異種基板及び保護膜等を研磨除去しても、第2の窒化
物半導体3が割れにくくハンドリングが容易となり好ま
しい。
窒化物半導体3の膜厚は、特に限定されないが、100
μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは2
0μm以下である。この範囲であると異種基板と窒化物
半導体の熱膨張係数差によるウエハの反りが防止でき、
更に素子基板となる第2の窒化物半導体5の上に素子構
造となる窒化物半導体を良好に成長させることができ
る。
て、第1の窒化物半導体2、及び第2の窒化物半導体3
を成長させる方法としては、特に限定されないが、MO
VPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライド気
相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、MOC
VD(有機金属化学気相成長法)等、窒化物半導体を成
長させるのに知られている全ての方法を適用できる。好
ましい成長方法としては、膜厚が100μm以下ではM
OCVD法を用いると成長速度をコントロールし易い。
また膜厚が100μm以下ではHVPEでは成長速度が
速くてコントロールが難しい。
3上には、素子構造となる窒化物半導体を形成すること
ができるので、明細書内において第2の窒化物半導体を
素子基板又は窒化物半導体基板と言う場合がある。
る材料の主面をオフアングルさせた基板、さらにステッ
プ状にオフアングルさせた基板を用いたほうが好まし
い。オフアングルさせた基板を用いると、表面に3次元
成長が見られず、ステップ成長があらわれ表面が平坦に
なり易い。更にステップ状にオフアングルされているサ
ファイア基板のステップに沿う方向(段差方向)が、サ
ファイアのA面に対して垂直に形成されていると、窒化
物半導体のステップ面がレーザの共振器方向と一致し、
レーザ光が表面粗さにより乱反射されることが少なくな
り好ましい。
1)面[C面]を主面とするサファイア、(112−0)
面[A面]を主面とするサファイア、又は(111)面を
主面とするスピネルである。ここで異種基板が、(00
01)面[C面]を主面とするサファイアであるとき、前
記第1の窒化物半導体等に形成される凹凸のストライプ
形状が、そのサファイアの(112−0)面[A面]に対
して垂直なストライプ形状を有していること[窒化物半
導体の(101−0)[M面]に平行方向にストライプを
形成すること]が好ましく、また、オフアングルのオフ
角θ(図11に示すθ)は0.1°〜0.5°、好まし
くは0.1°〜0.2°が好ましい。また(112−
0)面[A面]を主面とするサファイアであるとき、前記
凹凸のストライプ形状はそのサファイアの(11−0
2)面[R面]に対して垂直なストライプ形状を有してい
ることが好ましく、また(111)面を主面とするスピ
ネルであるとき、前記凹凸のストライプ形状はそのスピ
ネルの(110)面に対して垂直なストライプ形状を有
していることが好ましい。ここでは、凹凸がストライプ
形状の場合について記載したが、本発明においてサファ
イアのA面及びR面、スピネルの(110)面に窒化物
半導体が横方向に成長し易いので、これらの面に第1の
窒化物半導体の端面が形成されるように第1の窒化物半
導体2に段差を形成するために保護膜の形成を考慮する
ことが好ましい。
用いて更に詳細に説明する。図6はサファイアの結晶構
造を示すユニットセル図である。まず本発明の方法にお
いて、C面を主面とするサファイアを用い、凹凸はサフ
ァイアA面に対して垂直なストライプ形状とする場合に
ついて説明する。例えば、図7は主面側のサファイア基
板の平面図である。この図はサファイアC面を主面と
し、オリエンテーションフラット(オリフラ)面をA面
としている。この図に示すように凹凸のストライプをA
面に対して垂直方向で、互いに平行なストライプを形成
する。図7に示すように、サファイアC面上に窒化物半
導体を選択成長させた場合、窒化物半導体は面内ではA
面に対して平行な方向で成長しやすく、垂直な方向では
成長しにくい傾向にある。従ってA面に対して垂直な方
向でストライプを設けると、ストライプとストライプの
間の窒化物半導体がつながって成長しやすくなり、図1
〜図4に示したような結晶成長が容易に可能となると考
えられるが詳細は定かではない。
用いた場合、上記C面を主面とする場合と同様に、例え
ばオリフラ面をR面とすると、R面に対して垂直方向
に、互いに平行なストライプを形成することにより、ス
トライプ幅方向に対して窒化物半導体が成長しやすい傾
向にあるため、結晶欠陥の少ない窒化物半導体層を成長
させることができる。
しても、窒化物半導体の成長は異方性があり、窒化物半
導体の成長面を(111)面とし、オリフラ面を(11
0)面とすると、窒化物半導体は(110)面に対して
平行方向に成長しやすい傾向がある。従って、(11
0)面に対して垂直方向にストライプを形成すると窒化
物半導体層と隣接する窒化物半導体同士が保護膜の上部
でつながって、結晶欠陥の少ない結晶を成長できる。な
おスピネルは四方晶であるため特に図示していない。
イア基板のステップに沿う方向が、サファイア基板のA
面に対して垂直に形成されてなる場合について図11を
用いて説明する。ステップ状にオフアングルしたサファ
イアなどの異種基板は、図11に示すようにほぼ水平な
テラス部分Aと、段差部分Bとを有している。テラス部
分Aの表面凹凸は少なく、ほぼ規則正しく形成されてい
る。このようなオフ角θを有するステップ状部分は、基
板全体にわたって連続して形成されていることが望まし
いが、特に部分的に形成されていてもよい。なおオフ角
θとは、図11に示すように、複数の段差の底部を結ん
だ直線と、最上層のステップの水平面との角度を示すも
のとする。また異種基板は、オフ角が0.1°〜0.5
°、好ましくは0.1°〜0.2°である。オフ角を上
記範囲とすると、第1の窒化物半導体2表面は細かな筋
状のモフォロジーとなり、エピタキシャル成長表面(第
2の窒化物半導体3表面)は波状のモフォロジーとな
り、この基板を用いて得られる窒化物半導体素子は平滑
で、特性も長寿命、高効率、高出力、歩留まりの向上し
たものが得られる。
素子と言う場合がある。)について以下に説明する。本
発明の窒化物半導体素子は、前記した本発明の窒化物半
導体の成長法により得られる第2の窒化物半導体3(窒
化物半導体基板)上に、素子構造となる少なくともn型
及びp型の窒化物半導体等が形成されてなるものであ
る。本発明において、前記本発明の成長方法により得ら
れる窒化物半導体上に素子構造を形成する場合、凹部上
部に発光領域など(例えばレーザ素子においてはリッジ
形状のストライプなど)が位置するように素子構造を形
成することが、寿命特性等の素子特性が良好な素子を得
るのに好ましい。本発明の窒化物半導体素子を構成する
窒化物半導体としては、特に限定されず、少なくともn
型窒化物半導体、活性層、及びp型の窒化物半導体が積
層されていればよい。例えば、n型窒化物半導体層とし
て、超格子構造を有するn型窒化物半導体層を有し、こ
の超格子構造のn型層にn電極を形成することのできる
n型窒化物半導体が形成されているもの等が挙げられ
る。活性層としては、例えばInGaNを含んでなる多
重量子井戸構造の活性層が挙げられる。また、窒化物半
導体素子構造を形成するその他の構成は、例えば電極、
素子の形状等、いずれのものを適用させてもよい。本発
明の窒化物半導体素子の一実施の形態を実施例に示した
が、本発明はこれに限定されない。
物半導体を成長させる方法は、特に限定されないがMO
VPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライド気
相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、MOC
VD(有機金属化学気相成長法)等、窒化物半導体を成
長させるのに知られている全ての方法を適用できる。好
ましい成長方法は、MOCVD法であり、結晶をきれい
に成長させることができる。しかし、MOCVD法は時
間がかかるため、膜厚が厚い場合には時間の短い方法で
行うことが好ましい。また使用目的によって種々の窒化
物半導体の成長方法を適宜選択し、窒化物半導体の成長
を行うことが好ましい。
に限定されない。 [実施例1]実施例1における各工程を図1〜図4を用
いて示す。また実施例1はMOCVD法を用いて行っ
た。
面とし、オリフラ面をA面とするサファイア基板1を反
応容器内にセットし、温度を510℃にして、キャリア
ガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチ
ルガリウム)とを用い、サファイア基板1上にGaNよ
りなるバッファ層(図示されていない)を約200オン
グストロームの膜厚で成長させる。
温度を1050℃まで上昇させる。1050℃になった
ら、原料ガスにTMG、アンモニア、シランガスを用
い、Siを1×1018/cm3ドープしたGaNよりなる
第1の窒化物半導体層2を2μmの膜厚で成長させる。
(図1)
イプ状のフォトマスクを形成し、スパッタ装置によりス
トライプ幅(凸部の上部になる部)5μm、ストライプ
間隔(凹部底部となる部分)10μmにパターニングさ
れたSiO2膜を形成し、続いて、RIE装置によりS
iO2膜の形成されていない部分の第1の窒化物半導体
層2を第1の窒化物半導体2が残る程度に途中までエッ
チングして凹凸を形成することにより、凹部側面に第1
の窒化物半導体2を露出させる(図2)。図2のように
凹凸を形成した後、凸部上部のSiO2を除去する。な
お、ストライプ方向は、図6に示すように、オリフラ面
に対して垂直な方向で形成する。
50℃で、原料ガスにTMG、アンモニア、シランガス
を用い、アンドープのGaNよりなる第2の窒化物半導
体層3を15μmの膜厚で成長させる(図3及び図
4)。
ハを反応容器から取り出し、アンドープのGaNよりな
る窒化物半導体基板を得る。
の窒化物半導体基板)をCL(カソードルミネセンス)
方法により観測すると、凸部上部は転位密度がやや多め
であったが、凹部開口部の上部にはほとんど転位がが見
られず良好な結晶性を有している。
プ幅(凸部の上部になる部)を3μm、ストライプ間隔
(凹部底部となる部分)6μmとする他は同様にして第
2の窒化物半導体3を成長させた。得られた第2の窒化
物半導体3をCL方法により観察すると、実施例1と同
様に凹部開口部の上部には転位がほとんど見られない。
化物半導体3に、図5に示すように、第1の窒化物半導
体に形成された凹部上部に凸部が、第1の窒化物半導体
に形成された凸部上部に凹部がそれぞれ形成されるよう
に、ストライプ状のフォトマスクを形成し、スパッタ装
置によりストライプ幅(凸部の上部になる部)5μm、
ストライプ間隔(凹部底部となる部分)10μmにパタ
ーニングされたSiO2膜を形成し、続いて、RIE装
置によりSiO2膜の形成されていない部分の第2の窒
化物半導体3を第2の窒化物半導体3が残る程度に途中
までエッチングして凹凸を形成する。その後、凹凸を形
成された第2の窒化物半導体3上に、第3の窒化物半導
体4を成長させる。得られた第3の窒化物半導体4をC
L方法により観察すると、全体的に転位の低減された窒
化物半導体を得ることができる。
化物半導体3を成長させる際に、SiとMgの不純物を
5×1017/cm3ドープする他は同様にして第2の窒
化物半導体3を成長させる。得られた第2の窒化物半導
体を実施例1と同様に観測すると、実施例1とほぼ同様
に良好であったが、実施例1よりさらに転位が低減さ
れ、また空隙などの発生の防止も良好である。
して、以下の表1のNo.1〜No.10に示すように
不純物を変更する他は同様にして第2の窒化物半導体3
を成長させる。
ぞれドープして得られる各第2の窒化物半導体3を実施
例4と同様に観測すると、不純物の種類及び組み合わせ
によって転位の数等にやや差が見られるものの、実施例
4とほぼ同様に良好である。
6を説明する。図8は本発明の実施例1で得られた第2
の窒化物半導体を基板として素子構造を形成してなる本
発明の一実施の形態であるレーザ素子の構造を示す模式
的断面図である。実施例1で得られた第2の窒化物半導
体3を窒化物半導体基板として以下の素子構造を積層成
長させる。
は図示されていない] 窒化物半導体基板1上に、1050℃で原料ガスにTM
A(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアガ
スを用いアンドープのAl0.05Ga0.95Nよりなるn型
コンタクト層を1μmの膜厚で成長させる。
度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアガスを
用い、不純物ガスにシランガス(SiH4)を用い、S
iを3×1018/cm3ドープしたAl0.05Ga0.95N
よりなるn型コンタクト層2を3μmの膜厚で成長させ
る。
0℃にして、原料ガスにTMG、TMI(トリメチルイ
ンジウム)及びアンモニアを用い、不純物ガスにシラン
ガスを用い、Siを5×10 18/cm3ドープしたIn
0.08Ga0.92Nよりなるクラック防止層33を0.15
μmの膜厚で成長させる。
50℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニ
アを用い、アンドープのAl0.14Ga0.86NよりなるA
層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いて、
TMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、S
iを5×1018/cm3ドープしたGaNよりなるB層
を25オングストロームの膜厚で成長させる。そして、
この操作をそれぞれ160回繰り返してA層とB層の積
層し、総膜厚8000オングストロームの多層膜(超格
子構造)よりなるn型クラッド層34を成長させる。
で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドー
プのGaNよりなるn型ガイド層35を0.075μm
の膜厚で成長させる。
て、原料ガスにTMI、TMG及びアンモニアを用い、
不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018
/cm3ドープしたIn0.01Ga0.99Nよりなる障壁層
を100オングストロームの膜厚で成長させる。続い
て、シランガスを止め、アンドープのIn0.11Ga0.89
Nよりなる井戸層を50オングストロームの膜厚で成長
させる。この操作を3回繰り返し、最後に障壁層を積層
した総膜厚550オングストロームの多重量子井戸構造
(MQW)の活性層36を成長させる。
温度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用
い、不純物ガスとしてCp2Mg(シクロペンタジエニ
ルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cm3ド
ープしたAl0.4Ga0.6Nよりなるp型電子閉じ込め層
37を100オングストロームの膜厚で成長させる。
0℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、
アンドープのGaNよりなるp型ガイド層8を0.07
5μmの膜厚で成長させる。このp型ガイド層8は、ア
ンドープとして成長させるが、p型電子閉じ込め層37
からのMgの拡散により、Mg濃度が5×1016/cm
3となりp型を示す。
で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、
アンドープのAl0.1Ga0.9NよりなるA層を25オン
グストロームの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止
め、不純物ガスとしてCp2Mgを用い、Mgを5×1
018/cm3ドープしたGaNよりなるB層を25オン
グストロームの膜厚で成長させる。そして、この操作を
それぞれ100回繰り返してA層とB層の積層し、総膜
厚5000オングストロームの多層膜(超格子構造)よ
りなるp型クラッド層39を成長させる。
度で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、不純物
ガスとしてCp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm3
ドープしたGaNよりなるp型コンタクト層40を15
0オングストロームの膜厚で成長させる。
を窒素雰囲気中、700℃でアニーリングを行い、p型
層を更に低抵抗化する。アニーリング後、ウエハを反応
容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層の表面に
SiO2よりなる保護膜を形成して、RIE(反応性イ
オンエッチング)を用いSiCl4ガスによりエッチン
グし、図9に示すように、n電極を形成すべきn側コン
タクト層32の表面を露出させる。次に図9(a)に示
すように、最上層のp側コンタクト層40のほぼ全面
に、PVD装置により、Si酸化物(主として、SiO
2)よりなる第1の保護膜61を0.5μmの膜厚で形
成した後、第1の保護膜61の上に所定の形状のマスク
をかけ、フォトレジストよりなる第3の保護膜63を、
ストライプ幅1.8μm、厚さ1μmで形成する。次
に、図9(b)に示すように第3の保護膜63形成後、
RIE(反応性イオンエッチング)装置により、CF4
ガスを用い、第3の保護膜63をマスクとして、前記第
1の保護膜をエッチングして、ストライプ状とする。そ
の後エッチング液で処理してフォトレジストのみを除去
することにより、図9(c)に示すようにp側コンタク
ト層40の上にストライプ幅1.8μmの第1の保護膜
61が形成できる。
イプ状の第1の保護膜61形成後、再度RIEによりS
iCl4ガスを用いて、p側コンタクト層40、および
p側クラッド層39をエッチングして、ストライプ幅
1.8μmのリッジ形状のストライプを形成する。但
し、リッジ形状のストライプは、図8に示すように、第
1の窒化物半導体に形成した凹部上部にくるように形成
される。リッジストライプ形成後、ウェーハをPVD装
置に移送し、図9(e)に示すように、Zr酸化物(主
としてZrO2)よりなる第2の保護膜62を、第1の
保護膜61の上と、エッチングにより露出されたp側ク
ラッド層39の上に0.5μmの膜厚で連続して形成す
る。このようにZr酸化物を形成すると、p−n面の絶
縁をとるためと、横モードの安定を図ることができ好ま
しい。次に、ウェーハをフッ酸に浸漬し、図9(f)に
示すように、第1の保護膜61をリフトオフ法により除
去する。
クト層40の上の第1の保護膜61が除去されて露出し
たそのp側コンタクト層の表面にNi/Auよりなるp
電極20を形成する。但しp電極20は100μmのス
トライプ幅として、この図に示すように、第2の保護膜
62の上に渡って形成する。第2の保護膜62形成後、
図8に示されるように露出させたn側コンタクト層2の
表面にはTi/Alよりなるn電極21をストライプと
平行な方向で形成する。
成したウェーハのサファイア基板を研磨して70μmと
した後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、基板側か
らバー状に劈開し、劈開面(11−00面、六角柱状の
結晶の側面に相当する面=M面)に共振器を作製する。
共振器面にSiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜を形
成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断して図
8に示すようなレーザ素子とする。なお共振器長は30
0〜500μmとすることが望ましい。得られたレーザ
素子をヒートシンクに設置し、それぞれの電極をワイヤ
ーボンディングして、室温でレーザ発振を試みた。その
結果、室温においてしきい値2.5kA/cm2、しき
い値電圧5Vで、発振波長400nmの連続発振が確認
され、室温で1万時間以上の寿命を示す。
について説明する。図10は本発明の成長方法により得
られた窒化物半導体層を基板とする一実施の形態のレー
ザ素子の構造を示す模式断面図である。
を成長させる際に、Siを1×10 18/cm3ドープし
て、膜厚を150μmとする他は同様にして、Siドー
プの第2の窒化物半導体3を得る。得られたウエハのサ
ファイア基板等を研磨、除去し、第2の窒化物半導体3
のみとする。
対の面の第2の窒化物半導体層3(SiドープGaN)
を主面とするウェーハをMOVPE装置の反応容器内に
セットし、この第2の窒化物半導体層3の上に下記各層
を形成する。
1019/cm3ドープしたn型Al0.2Ga0.8Nよりなる
第1の層、20オングストロームと、アンドープ(undo
pe)のGaNよりなる第2の層、20オングストローム
とを交互に100層積層してなる総膜厚0.4μmの超
格子構造とする。
×1017/cm3ドープしたn型GaNよりなるn型光ガ
イド層44を0.1μmの膜厚で成長させる。
cm3ドープのIn0.2Ga0.8Nよりなる井戸層、25オ
ングストロームと、Siを1×1017/cm3ドープのI
n0.01Ga0.95Nよりなる障壁層、50オングストロー
ムを交互に積層してなる総膜厚175オングストローム
の多重量子井戸構造(MQW)の活性層45を成長させ
る。
ップエネルギーがp側光ガイド層47よりも大きく、か
つ活性層45よりも大きい、Mgを1×1020/cm3ド
ープしたp型Al0.3Ga0.9Nよりなるp側キャップ層
46を300オングストロームの膜厚で成長させる。
ップエネルギーがp側キャップ層46より小さい、Mg
を1×1018/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側
光ガイド層47を0.1μmの膜厚で成長させる。
1020/cm3ドープしたp型Al0.2Ga0.8Nよりなる
第1の層、20オングストロームと、Mgを1×1020
/cm3ドープしたp型GaNよりなる第2の層、20オ
ングストロームとを交互に積層してなる総膜厚0.4μ
mの超格子層よりなるp側クラッド層48を形成する。
2×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コ
ンタクト層49を150オングストロームの膜厚で成長
させる。
ハを窒素雰囲気中、700℃でアニーリングを行い、p
型層をさらに低抵抗化する。アニーリング後、ウェーハ
を反応容器から取り出し、図10に示すように、RIE
装置により最上層のp型コンタクト層49と、p型クラ
ッド層48とをエッチングして、4μmのストライプ幅
を有するリッジ形状とし、リッジ表面の全面にNi/A
uよりなるp電極51を形成する。
くp側クラッド層48、コンタクト層49の表面にSi
O2よりなる絶縁膜50を形成し、この絶縁膜50を介
してp電極51と電気的に接続したpパッド電極52を
形成する。
の素子構造が形成されていない表面全面に、Ti/Al
よりなるn電極53を0.5μmの膜厚で形成し、その
上にヒートシンクとのメタライゼーション用にAu/S
nよりなる薄膜を形成する。
第2の窒化物半導体層3のM面(11−00、図6の六
角柱の側面に相当する面)で第2の窒化物半導体層5を
劈開し、共振面を作製する。共振面の両方あるいはどち
らか一方にSiO2とTiO2よりなる誘電体多層膜を形
成し、最後にp電極に平行な方向で、バーを切断してレ
ーザチップとした。次にチップをフェースアップ(基板
とヒートシンクとが対向した状態)でヒートシンクに設
置し、pパッド電極52をワイヤーボンディングして、
室温でレーザ発振を試みたところ、室温において、閾値
電流密度2.5kA/cm2、閾値電圧4.5Vで、発振
波長405nmの連続発振が確認され、1万時間以上の
寿命を示した。
化物半導体4を基板として、実施例6と同様の素子構造
を形成してレーザ素子を作製した。得られたレーザ素子
は実施例6と同様に良好な寿命特性を有している。ま
た、リッジ形状のストライプを形成する位置を凹部上部
に関係なく凸部上部に形成しても良好な特性を示す。
ア基板1として、2インチφ、オフアングル角θ=0.
2°、ステップ段差(高さ)約1原子層、テラス幅Wが
約40オングストロームのステップを有し、C面を主面
とし、オリフラ面をA面として、ステップに沿う方向、
すなわち段差の方向がこのA面に対して垂直な方向に設
けてあるサファイア基板を用いる他は同様にして第2の
窒化物半導体3を成長させる。得られた第2の窒化物半
導体3を基板として、実施例6と同様の素子構造を形成
してレーザ素子を製造する。得られたレーザ素子は、実
施例6よりしきい値が低下し、より良好な寿命特性を有
する。
窒化物半導体として実施例4で得られた第2の窒化物半
導体3を用いる他は同様にして、レーザ素子を製造す
る。得られた素子は、実施例6と同様に良好な結果が得
られた。
良好な窒化物半導体を得ることができる窒化物半導体の
成長方法を提供することができる。更に、本発明は、結
晶性が良好で且つ転位の少ない窒化物半導体を基板とす
る窒化物半導体素子を提供することができる。
半導体ウェーハの構造を示す模式的断面図である。
半導体ウェーハの構造を示す模式的断面図である。
半導体ウェーハの構造を示す模式的断面図である。
半導体ウェーハの構造を示す模式的断面図である。
半導体ウェーハの構造を示す模式的断面図である。
る。
主面側の平面図である。
LD素子の一構造を示す模式断面図である。
実施の形態である方法の各工程におけるウエハの部分的
な構造を示す模式的断面図である。
体LD素子の一構造を示す模式断面図である。
した模式的断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 窒化物半導体と異なる材料よりなる異種
基板の上に、第1の窒化物半導体を成長させる第1の工
程と、 第1の工程後、前記第1の窒化物半導体に部分的に凹凸
を形成して凹部側面に窒化物半導体の横方向の成長が可
能な面を露出させる第2の工程と、 第2の工程後、前記凹凸を有する第1の窒化物半導体上
に、第2の窒化物半導体を成長させる第3の工程とを有
することを特徴とする窒化物半導体の成長方法。 - 【請求項2】 前記第2の窒化物半導体を成長後に、前
記第2及び第3の工程を繰り返して行う、但し、第2の
窒化物半導体に形成される凹凸が、第1の窒化物半導体
に形成された凹部上部に凸部が形成され、第1の窒化物
半導体に形成された凸部上部に凹部が形成されることを
特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体の成長方法。 - 【請求項3】 前記異種基板が、サファイアのC面がス
テップ状にオフアングルされていることを特徴とする請
求項1又は2に記載の窒化物半導体の成長方法。 - 【請求項4】 前記ステップ状にオフアングルされてい
るサファイア基板のオフアングル角が、0.1°〜0.
5°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の窒化物半導体の成長方法。 - 【請求項5】 前記ステップ状にオフアングルされてい
るサファイア基板のステップに沿う方向(段差方向)
が、サファイアのA面に対して垂直に形成されているこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物
半導体の成長方法。 - 【請求項6】 前記第3の工程で、第2の窒化物半導体
を成長させる際に、不純物をドープして行うことを特徴
とする請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体の
成長方法。 - 【請求項7】 前記窒化物半導体の成長方法で得られる
窒化物半導体を基板とし、この上に素子構造となる少な
くともn型窒化物半導体、活性層、及びp型窒化物半導
体が形成されていることを特徴とする窒化物半導体素
子。 - 【請求項8】 前記窒化物半導体の成長方法で得られた
窒化物半導体基板上に、素子構造となる少なくともn型
窒化物半導体、活性層、及びp型窒化物半導体が形成さ
れ、窒化物半導体基板の第1の窒化物半導体に形成され
た凹部上部に、窒化物半導体レーザ素子の光を導波する
ストライプ形状又はリッジ形状を形成してなること特徴
とする窒化物半導体レーザ素子。
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