JP2000244026A - 熱電変換素子とその製造方法 - Google Patents
熱電変換素子とその製造方法Info
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Abstract
可能な熱電変換素子、特に小型の熱電変換素子とその製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 対向する一面に電極1008、1009
が設けられた一対の基板1002、1003によって樹
脂1006により埋め込まれたP型熱電エレメント10
04及びN型熱電エレメント1005からなる熱電エレ
メント集合体1004とを挟持接合してなる熱電変換素
子1001において、基板1002、1003と熱電エ
レメント集合体1004との間に間隙1014を有す
る。
Description
電材料からなるエレメントを備え、ゼーベック効果によ
る温度差発電(熱発電)やペルチェ効果による電子冷却
・発熱を可能とする熱電変換素子とその製造方法に関す
る。
電材料とを、金属を介して接合し、PN接合を形成する
ことにより作製される。この熱電変換素子は、接合対間
に温度差を与えることによりゼーベック効果に基づく電
力を発生することから発電装置として、また、素子に電
流を流すことにより、一方の接合対で冷却、他方の接合
対で発熱が起こるいわゆるペルチェ効果を利用した冷却
装置や精密温度制御装置などとしての用途がある。
トと呼ばれる柱状のP型およびN型熱電材料片(以下、
エレメントと呼ぶ)とこれらを接合する金属電極を備え
た2枚の基板により構成されている。P型及びN型エレ
メントは2枚の基板に挟み込まれた状態で、一端面が一
方の基板の金属電極に、他端面がもう一方の基板の金属
電極にそれぞれ固着され、該金属電極を介してPN接合
対が形成されるとともに、PN接合対が直列につながれ
るようになっている。
ントは、Bi−Te系材料のような化合物半導体から構
成されており、非常に脆いものである。特に室温付近で
最も性能が高いBi−Te系材料では、脆さに加え、構
造上、僻開しやすい材料であるため、この材料から作製
された熱電変換素子は非常に壊れやすいものであり、ま
た、製造される過程においても破壊され易かった。した
がって、特に小型の素子を作製することが非常に困難で
あり、そのためにその用途も限定されていた。
8−97472号公報、特開平8−28531号公報、
特開平8−18109号公報や特開平9−191133
号公報等に開示されている。特開平8−97472号公
報では、電極が形成されている基板に複数個の接続用バ
ンプ形成されている板状熱電材料を接合し、バンプと基
板の間に出来た間隙を利用し、熱電材料の不要名部分を
切断し、基板に接合されたエレメントをP、Nおのおの
形成し、これらを向かいあわせて接合することにより熱
電変換素子として作り上げる方法を採っている。しか
し、この方法では、エレメントの小型化やエレメントの
断面積と高さの比を大きくすることが困難であった。
−28531号公報、特開平8−18109号公報、特
開平9−191133号公報に開示されているように、
切断の途中でエポキシ樹脂等の樹脂で熱電材料を埋め込
みがなら熱電エレメントを集積した樹脂モールドタイプ
の熱電変換素子も知られている。この場合、板状または
棒状に加工したPおよびN熱電材料を断熱材(樹脂等)
を介して、積層等することにより補強を行い、切断等の
加工により、断熱材(樹脂等)に埋め込まれたエレメン
トを形成したのち、このエレメントの端面上に直接PN
接合用の電極を形成するか、または別に設けられる基板
に形成されたPN接合用の電極とエレメントを何らかの
導電性を有する接合材をもちいて接続することにより熱
電変換素子を作製していた。前者の方法においても外部
との電気的な接続や吸放熱系との接続を行うため、平坦
な基板と接合する必要がある。いずれの方法において
も、はんだ等の導電性を有する接合材を樹脂等の断熱材
に埋め込まれた熱電材料の端面と基板を接続することに
なる。この場合、これらの間において接合材が必要とす
る接合部以外に流れ出し、PN接合用の電極間やエレメ
ント間の電気的なショートを起こすという問題があっ
た。
ためになされたもので、機械的強度が高く、歩留を向上
させることが可能な熱電変換素子、特に小型の熱電変換
素子とその製造方法を提供することを目的とする。
に、互いに対向する基板間に複数のP型エレメントとN
型エレメントがPN接合対を形成する熱電変換素子にお
いて、P型およびN型エレメントが樹脂等の絶縁性物質
に埋め込まれた集合体をなし、かつ、集合体と基板の間
に間隙が設けられている構成とした。このような構成に
よれば、P型およびN型エレメントが集合体として絶縁
性物質に埋め込まれているため、機械的強度が低い熱電
材料からなるエレメントが補強される。そのため、集合
体と基板の間に間隙を設けてもエレメントが破損するこ
とがない。このように、集合体と基板の間に間隙を設け
ることにより、基板とエレメント間の接合(すなわち、
PN接合)に用いるハンダ等の接合材が、その接合時の
流動性や過剰な量に伴って生じる隣接する接合部とのシ
ョートを防ぐことが出来る。ここで、間隙の大きさや広
さは、特に規定されるものではなく、出来上がる熱電変
換素子の信頼性等から決められるものである。すなわ
ち、間隙が大きすぎると強度的な問題を起こす原因とな
り、小さすぎると接合材による電気的な短絡を起こすこ
とがあるので素子の大きさ、形状によって適宜決められ
るべきものである。
ントと基板上の電極の接続が突起状電極を介してなされ
ていることとした。このような構成によれば、基板上の
電極とP型およびN型エレメントを接続すると同時に、
集合体と基板の間の間隙を、PN接合を形成するための
接続部材である突起状電極を設けたことにより、形成す
ることができる。そのため、間隙を作るための構成物を
他に設けずに済むことが出来る。
エレメントとN型エレメントがPN接合対を形成する熱
電変換素子の製造方法において、これらのエレメントを
一対ずつ接合してPN接合対を形成するための電極を有
する第1及び第2の基板を形成する工程と、P型熱電材
料からなるP型エレメントとN型熱電材料からなるN型
エレメントを絶縁物内のそれぞれ所定の位置に配置して
なる集合体を形成する工程と、P型及びN型エレメント
の端面に選択的に金属層を形成する工程と、電極上に導
電性部材を形成する工程と、金属層と前記導電性部材を
接合材によりそれぞれ所定の位置で接続する工程と、を
有することとした。
の端面に選択的に設けられた金属層と基板の電極上に設
けられた導電性部材とをハンダ等の接合材により接合す
るので、接合時にハンダ等の接合材が流れたとしても、
導電性部材により基板と集合体との間に間隙が形成され
ているため、電極間でのショートを生じることなく接続
ができる。
らなるP型エレメントと、N型熱電材料からなるN型エ
レメントと、これらP型及びN型の異種エレメントを一
対ずつ接合してPN接合対を形成可能な金属等からなる
電極を有する第1の基板と、該第1の基板とともに、前
記P型およびN型エレメントを挟む状態に配置され、前
記電極を有する第2の基板とを備え、さらに該エレメン
トが樹脂等絶縁物に埋め込まれた集合体構造を有する熱
電変換素子の製造方法において、P型エレメントおよび
N型エレメントを集合体内にそれぞれ所定の位置に配置
し、該エレメントの端面に選択的に突起状の金属部を形
成し、前記第1および第2の基板に前記電極を形成し、
該突起状の金属部と該電極をハンダ等の接続剤により、
それぞれ所定の位置で接続する工程を含むこととした。
この方法によれば、P型エレメントおよびN型エレメン
トを集合体内にそれぞれ所定の位置に配置し、このエレ
メントの端面に選択的に突起状の金属部を設け、さらに
基板上にPN接合用の金属電極を形成し、さらに、ハン
ダ等の接合材により、これらの突起状の金属部と金属電
極を接合するので、接合時にハンダ等が流れても、突起
状の金属部により、基板と集合体との間に間隙が出来て
いるため、電極間でのショートを生じることなく接続が
できる。
ントと、N型熱電材料からなるN型エレメントと、これ
らP型及びN型の異種エレメントを一対ずつ接合してP
N接合対を形成可能な金属等からなる電極を有する第1
の基板と、該第1の基板とともに、前記P型およびN型
エレメントを挟む状態に配置され、前記電極を有する第
2の基板とを備え、さらに該エレメントが樹脂等絶縁物
に埋め込まれた集合体構造を有する熱電変換素子の製造
方法において、板状のP型熱電材料とN型熱電材料を交
互に樹脂等で埋め込むことにより積層し、積層方向に垂
直な方向で切断し、これらの積層体を、再度、樹脂等に
埋め込むことにより、前記P型エレメントおよびN型エ
レメントの集合体を作製し、該エレメントの端面に選択
的に金属層を形成し、前記第1および第2の基板に突起
状電極を形成し、該金属層と該突起状電極とをハンダ等
の接続剤によりそれぞれ所定の位置で接続する工程を含
むこととした。このような製造方法によれば、板状のP
型熱電材料とN型熱電材料を交互に樹脂等で埋め込むこ
とにより積層し、積層方向に垂直な方向で切断し、これ
らの積層体を、再度、樹脂等に埋め込むことにより、前
記P型エレメントとN型エレメントが埋め込まれた集合
体を作製するため、エレメントの樹脂の中における位置
が正確になる。また、該エレメントの端面に、選択的に
金属層を形成し、前記第1および第2の基板に突起状電
極を形成し、該金属層と該突起状電極とをハンダ等の接
続剤によりそれぞれ所定の位置で接続するため、接合時
にハンダ等が流れても、突起状の金属電極により、基板
と集合体との間に間隙が出来ているため、電極間でのシ
ョートを生じることなく接続ができる。
ントと、N型熱電材料からなるN型エレメントと、これ
らP型及びN型の異種エレメントを一対ずつ接合してP
N接合対を形成可能な金属等からなる電極を有する第1
の基板と、該第1の基板とともに、前記P型およびN型
エレメントを挟む状態に配置され、前記電極を有する第
2の基板とを備え、さらに該エレメントが樹脂等絶縁物
に埋め込まれた集合体構造を有する熱電変換素子の製造
方法において、板状のP型熱電材料とN型熱電材料を交
互に樹脂等で埋め込むことにより積層し、積層方向に垂
直な方向で切断し、これらの積層体を、再度、樹脂等に
埋め込むことにより、前記P型エレメントおよびN型エ
レメントの集合体を作製し、該エレメントの端面に選択
的に突起状の金属部を形成し、前記第1および第2の基
板に電極を形成し、該突起状の金属部と該電極とをハン
ダ等の接続剤によりそれぞれ所定の位置で接続する工程
を含むこととした。このような製造方法によれば、板状
のP型熱電材料とN型熱電材料を交互に樹脂等で埋め込
むことにより積層し、積層方向に垂直な方向で切断し、
これらの積層体を、再度、樹脂等に埋め込むことによ
り、前記P型エレメントおよびN型エレメントの集合体
を作製するので、エレメントの集合体の中における位置
が正確になる。また、該エレメントの端面に選択的に突
起状の金属部を形成し、前記第1および第2の基板に電
極を形成し、該突起状の金属部と該電極とをハンダ等の
接続剤により、それぞれ所定の位置で接続するため、接
合時にハンダ等が流れても、突起状の金属部により、基
板と集合体との間に間隙が出来ているため、電極間での
ショートを生じることなく接続ができる。
を参照して詳細に説明する。 (実施例1)本発明の第1実施例の熱電変換素子の概要
を示す縦断面図を図1に示す。図1に示すように、熱電
変換素子1001は、複数のP型熱電エレメント100
4とN型熱電エレメント1005、及び、樹脂1006
からなるエレメント集合体1007を、第1基板100
2と第2基板1003との間で挟み込み、接合したもの
である。ここで、第1基板1002の上面には複数の電
極1008が付設される一方、第2基板1003の上面
にも複数の電極1009が付設されている。この各基板
1002、1003の対向する電極1008、1009
間にP型熱電エレメント1004とN型熱電エレメント
1005が挟まれ、且つその接合面がハンダ層1010
により接合されることで、このP型熱電エレメント10
04及びN型熱電エレメント1005が交互に直列に配
線されている。そして、この直列配線の両端の電極10
09には、電流を取り出す又は電流を流すための配線1
011が取り付けられている。
びN型熱電エレメント1005と電極1008及び10
09の電気的接続は、各熱電エレメントの表面に設けら
れた金属層1012と各電極上に設けられた突起状金属
層1013をハンダ層1010を介して接続することに
より行われている。さらに、各熱電エレメント100
4、1005は樹脂1006により覆われていおり、樹
脂1006と第1基板1002および第2基板1003
との間には間隙1014が設けられている。この樹脂1
006の材料としてはエポキシ樹脂等が挙げられるが、
特に限定されるものではなく、絶縁性、耐水性等が良好
である材料が好ましい。
01の作製方法について説明する。ここでは、P型熱電
材料として、ビスマス、アンチモン、テルルの3元素を
主成分とする化合物材料を、N型熱電材料として、ビス
マス、テルルを主成分とする化合物を、また、第1およ
び第2基板として、単結晶シリコンウエハの表面を酸化
することにより絶縁化したものを使用した例について説
明するが、熱電材料や基板については、これに限定され
るものではない。
002にワックスを用いて固定したものを図2に示し
た。P型熱電材料2001として、厚みが2mm、幅及
び長さはそれぞれ25mm、35mmのものを用いた。
このように固定したP型熱電材料2001をシリコン半
導体などの切断に用いるダイシング装置を用いて、図3
に示すように切断する。ダイシング装置で切断された板
状P型熱電材料3001はガラス基板2002で固定さ
れている。ここで、板状P型熱電材料3001は必ずし
も完全に分割されなくともよく、板の間隔が一定に保た
れた櫛歯状に加工されればよい。すなわち、板状P型熱
電材料3001と溝部3002が一定の間隔をもって固
定されているようにする。具体的な切断幅、間隔等は、
ダイシング装置に取り付けたダイシングブレードの刃厚
と送り幅を調整することによって任意に設定できる。こ
こでは、刃厚を160μm、送り幅を210μm、切断
深さ2mmとすることにより、P型熱電材料の形状を板
厚50μm、深さ(幅)2mm、板間の隙間を150μ
mとした。N型熱電材料についても、P型熱電材料と同
じ加工をすることにより、図3に示したものと同形状の
N型熱電材料を作製した。
熱電材料と板状N型熱電材料とを向かい合わせて、一方
の溝部3002に他方の板状熱電材料3001をそれぞ
れ組み合わせる。さらに、それぞれの熱電材料を組み合
わせて出来た間隙にエポキシ接着剤を充填して硬化させ
接着剤層4003を形成し、図4に示したような、板状
P型熱電材料4001と板状N型熱電材料4002がこ
の接着層4003を挟んで交互に積層された積層体40
04を作製する。
004からガラス板2002の一方を取り除く。次に、
図6に示すように、この積層体4004を板状P型熱電
材料4001と板状N型熱電材料4002を板厚方向に
切断する。積層体4004を図6のように切断加工する
ことにより、P型熱電エレメント6001とN型熱電エ
レメント6002が形成される。このP型熱電エレメン
ト6001とN型熱電エレメント6002との間には、
前述の工程で形成された接着剤層4003が第1の樹脂
層6003として存在し、また、この切断加工により間
隙6004が存在することとなる。この切断加工におい
ても、具体的には、上述したダイシング装置とダイシン
グブレードを用い、同じ条件で切断加工を行った。すな
わち、刃厚を160μmとし、送り幅を210μm、切
断深さ2mmとすることにより、板厚50μm、深さ
(幅)2mm、出来上がる板の隙間を150μmとなる
ように行った。
的にはエポキシ樹脂、を充填し、エレメントを完全に樹
脂に埋め込んだものを示した図である。図6の間隙60
04には第2の樹脂層7001が充填され、各熱電エレ
メントは完全に第1の樹脂層6003とこの第2の樹脂
層7001により絶縁および補強がなされている。図8
は、図7のガラス板2002を取り除き、熱電エレメン
トの端面が出ている面を両面研磨し、厚みと平坦度を出
した熱電エレメント集合体8001を示した図である。
具体的には、熱電エレメント(熱電エレメント集合体8
001)の高さは1.6mmとした。これにより、エレ
メントの大きさは50μm×50μm、高さは1.6m
mとなる。
6001とN型熱電エレメント6002の両端面に、図
1に示した金属層1012に相当する金属層9001を
エレメント集合体8001に形成したものの斜視図と縦
断面図である。具体的には、無電解めっきにより選択的
にエレメントの端面上のみにニッケルめっき層を1μm
形成した。
ント集合体8001の各熱電エレメント間でPN接合を
行い、且つ、エレメント集合体8001を保持するため
の基板の作製について記す。図11は、上記基板の作製
工程の概略を示した図である。まず、表面の絶縁を図る
ため厚さ1μmの熱酸化膜を形成した厚さ300μmの
シリコン基板11001(図11(a))上に、クロム
層11002と金層11003を形成する(図11
(b))。具体的には、クロム層11002の厚さを
0.1μm、金層11003の厚さを0.1μmとし
た。基本的に、これらの金属層はPN接合を行うための
層として形成したが、次の役目も果たす。すなわち、ク
ロム層は密着層として、金層は表面酸化を防ぎ、さらに
後工程であるエッチング工程のエッチングレジストの役
目を果たす。
法により、PN接合のための電極の形状に加工する(図
11(c))。ここで、クロム層11002をエッチン
グさせないのは、以後のめっき工程で導電層として用い
るである。逆に言うと、めっき工程で別の手段で導電層
を用いるのであれば、図11(b)のようにクロム層1
1002と金層11003の2層構造にせず、単一金属
層の構成にすることもできる。
レメント集合体8001におけるエレメント端面に設け
られた金属層9001と位置合わせされるべき部分に開
口部をもつようにフォトレジスト11004を形成する
(図11(d))。ついで、クロム層11002を導電
層として、フォトレジストの開口部にニッケルめっき層
11005を20μm形成する(図11(e))。この
ニッケルめっき層11005が基板とエレメント集合体
8001との間隙を形成する突起状電極となる。
ルめっき層11005上にエレメント集合体8001上
の金属層9001と接合するためのハンダ層11006
をめっきにより10μm形成する。この後、図11
(g)に示すように、フォトレジスト11004を剥離
する。さらに、上述のように、金層11003をエッチ
ングレジストとし、下層のクロム層11002をエッチ
ングする。
PN接合を形成するための電極11007が基板110
08上に形成される。本実施例では、この電極1100
7はクロム層と金層の2層構成となっている。なお、こ
の基板11008は、最終的に作り上げる熱電変換素子
1001のエレメント対数により、電極11007の数
や基板そのものの大きさも決まるものである。また、基
板11008は、エレメント集合体8001の上下に接
合する必要があるため、それぞれ上下の接合に合わせた
電極パターンを有する基板を一対作製する。
下に上基板11008Aと下基板11008Bとを位置
合わせし、挟み込むことにより熱電変換素子1001を
作り込むための概念を示した図である。図13は、図1
2に示した各部を加熱接合することにより、完成した熱
電変換素子13000の縦断面図を示したものである。
図13に示したようにエレメント集合体8001と各基
板11008Aと11008Bとの間には、ニッケルめ
っき層11005により間隙13001が作られる。こ
のため、ハンダ層11006が加熱接合により、流動し
たり、余分なハンダがつぶれても周辺の電極等に接触す
ることがなく、電気的な短絡を生じることが無くなる。
したがって、出来上がった熱電変換素子13000は、
品質および信頼性で優れたものとなる。
ッケルめっき層11005上にハンダめっき層1100
6を形成することにより接合材を形成したが、このハン
ダめっき層11006を形成せずに、ハンダペーストや
銀ペーストをはじめとする導電性ペーストなをエレメン
ト集合体8001のエレメント端面に直接あるいは金属
層9001上に、または、突起状電極であるニッケルめ
っき層11005上に印刷等の方法により塗布し、基板
11008Aと11008Bとエレメント集合体800
1を接合しても同様な効果が得られる。
例による熱電変換素子の概要を示す縦断面図である。熱
電変換素子14001は、複数のP型熱電エレメント1
004とN型熱電エレメント1005及び樹脂1006
からなるエレメント集合体1007を第1基板1002
と第2基板1003で挟持しつつ、第1基板1002の
上面に設けられた複数の電極1008と第2基板100
3の上面に設けられた電極1009によりP型熱電エレ
メント1004及びN型熱電エレメント1005が交互
に直列に配線されるようになっている。ここで、P型熱
電エレメント1004及びN型熱電1005と各電極1
008及び電極1009は、P型熱電エレメント100
4及びN型熱電エレメント1005の端面に設けられた
突起状電極14002を介して、ハンダ層14003で
接合されている。そして、この直列配線の両端の電極1
009には電流を取り出す又は電流を流すための配線1
011が取り付けられている。
びN型熱電エレメント1005と電極1008及び10
09との接続は、各熱電エレメント1004、1005
の表面に設けられた突起状電極14002と各電極10
08、1009上に設けられたハンダ層14003によ
り行われている。さらに、各熱電エレメントは樹脂10
06により覆われており、樹脂1006と第1基板10
02及び第2基板1003との間には間隙14004が
設けられている。この樹脂1006の材料としてはエポ
キシ樹脂等が挙げられるが、特に限定されるものではな
く、絶縁性、耐水性等が良好である材料が好ましい。
1の作製方法について説明する。ここでは、P型熱電材
料として、ビスマス、アンチモン、テルルの3元素を主
成分とする化合物を、N型熱電材料として、ビスマス、
テルルを主成分とする化合物を、また、第1及び第2基
板として、単結晶シリコンウエハの表面を酸化すること
により絶縁化したものを使用した例について説明する
が、熱電材料や基板については、上記に限定されるもの
ではない。
び各部の寸法等は、第1実施例と同じとすることによ
り、図8に示したエレメントの集合体8001と同様に
作製した。次に、このエレメントの集合体8001のう
ちP型熱電エレメント6001及びN型熱電エレメント
6002の端面に選択的に無電解めっき法により突起状
のニッケルめっき層15001を形成する。この断面図
を図15に示す。突起状のニッケルめっき層15001
の具体的な寸法については、高さ(層厚み)を20μm
とし、断面形状を50μm×50μmとした。
001が形成されたエレメント集合体8001におい
て、各熱電エレメント間のPN接合を行い、且つ、エレ
メント集合体8001を保持する基板の作製工程につい
て記す。図16がこの基板の作製工程の概略を示す工程
図である。まず、表面の絶縁を図るための厚さ1μmの
熱酸化膜が形成された厚さ300μmのシリコン160
01(図16(a))上に、クロム層16002とニッ
ケル層16003を形成する(図16(b))。具体的
には、いずれの層もスパッタリング法により作製し、そ
の厚さをクロム層が0.1μm、ニッケル層が1μmと
した。この2層の金属層は後工程により、PN接合用の
電極となり各エレメントを直列に接続する役割を果た
す。
合用電極パターンを形成する部分の金属層が露出するよ
うにフォトレジスト16004を形成する。この金属層
の露出部にハンダめっきによりハンダ層16005を形
成する(図16(d))。ハンダ層16005の形成
後、フォトレジスト16004を溶剤で剥離する(図1
6(e))。次に、このハンダ層16005をエッチン
グレジストとし、ニッケル層16003およびクロム層
16002をエッチングすることにより、図16(f)
に示す基板16007を作り上げる。この図に示すよう
に、この基板16007は、ニッケル−クロムの上部に
接合材としてのハンダ層16005を有するPN接合用
電極16006が形成されることとなる。なお、この基
板16007は、最終的に作り上げる熱電変換素子14
001のエレメント対数により電極16006の数や基
板そのものの大きさが決まる。また、この基板1600
7を突起状のニッケルめっき層15001が形成された
エレメント集合体8001の上下に接合されるため、そ
れぞれ上下の接合に合わせた電極パターンを有する一対
の基板を作製する必要がある。
001が形成されたエレメント集合体8001の上下に
基板16007Aと基板16007Bとを位置合わせ
し、挟み込むことにより熱電変換素子14001を作り
込むための概念を示した図である。図18は、図17に
示した各部を加熱接合することにより完成した熱電変換
素子18000の縦断面図を示したものである。図18
に示したようにエレメント集合体8001と各基板16
007Aと16007Bとの間には、ニッケルめっき層
15001により間隙18001が作られる。このた
め、ハンダ層18002が加熱接合により、流動した
り、余分なハンダがつぶれても周辺の電極等に接触する
ことがなく、電気的な短絡を生じることが無くなる。し
たがって、出来上がった熱電変換素子18000は、品
質および信頼性で優れたものとなる。
6005を形成することにより接合材を形成したが、こ
のハンダめっき層16005を形成せずに、ハンダペー
ストや銀ペーストをはじめとする導電性ペーストなどを
エレメント集合体8001のエレメント端面上の突起状
のニッケルめっき層15001上、または、基板上のP
N接合用電極16006上に印刷等の方法により塗布
し、基板16007Aと16007Bとエレメント集合
体8001を接合しても同様な効果が得られる。
集合体と基板との間隙の大きさについて特に指定する必
要はないが、エレメント集合体と基板との間に存在す
る、接合時に流動性を有するハンダ等の接合材が充満し
ないような大きさが好ましい。具体的には熱電エレメン
トの断面の代表長さ(エレメントが四角なら対角線、円
なら直径等)に対し、0.1〜10倍程度の範囲が好ま
しいといえる。
埋め込まれた熱電エレメントの集合体と基板との間に、
間隙が設けられているのでPN接合時にショート等の心
配がなくなるので、信頼性の向上を図ることができる。
また、小型の素子や熱電エレメントの断面に対する高さ
の比が大きい素子の製造に当たっても、容易に作製する
ことができると同時に信頼性の向上も図ることができ
る。
概要を示す縦断面図である。
定した図である。
れた熱電材料の概略図である。
組み合わせ間隙にエポキシ接着剤を充填・硬化して作製
した積層体の概略図である。
組み合わせ間隙にエポキシ接着剤を充填・硬化して作製
した積層体上の一方のガラス板を取り除いたものの概略
図である。
て垂直方向に切断した図である。
て垂直方向に切断し、出来た間隙に樹脂を充填・硬化し
て作製したものの概略図である。
概略図である。
エレメント端面に金属層を形成したものの概略図であ
る。
のエレメント端面に金属層を形成したものの断面図であ
る。
を示した図である。
むための概念を示した図である。
の断面図である。
である。
のエレメントの端面上に選択的に突起状のニッケルめっ
き層を形成したものの断面図である。
を示した図である。
むための概念を示した図である。
の断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 P型熱電材料からなる複数のP型エレメ
ントとN型熱電材料からなる複数のN型エレメントが絶
縁性物質に埋め込まれてなる集合体と、 前記集合体を挟み込む一対の基板と、 前記P型エレメントと前記N型エレメントを一対ずつ接
合してPN接合対を形成するために前記基板上に設けら
れた電極と、前記P型エレメント及び前記N型エレメン
トと前記電極を接合する接合材と、 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板と前記集合
体との間に間隙を設けるために、前記P型エレメント及
び前記N型エレメントと前記電極との間に設けられた導
電性部材と、を備えることを特徴とする熱電変換素子。 - 【請求項2】 前記導電性部材が突起状電極であること
を特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。 - 【請求項3】 前記突起状電極が前記P型エレメント及
び前記N型エレメント上に形成されたことを特徴とする
請求項2に記載の熱電変換素子。 - 【請求項4】 前記突起状電極が前記電極上に形成され
たことを特徴とする請求項2に記載の熱電変換素子。 - 【請求項5】 互いに対向する一対の基板間に複数のP
型エレメントとN型エレメントがPN接合対を形成して
なる熱電変換素子の製造方法であって、 前記P型エレメントと前記N型エレメントを絶縁物にそ
れぞれ所定の位置に埋め込むことにより集合体を形成す
る工程と、 前記P型エレメントと前記N型エレメントの端面に、選
択的に金属層を形成する工程と、 前記一対の基板上に導電性部材を形成する工程と、 前記金属層と前記導電性部材を、それぞれ所定の位置で
接合材により接合する工程と、を有することを特徴する
熱電変換素子の製造方法。 - 【請求項6】 互いに対向する一対の基板間に複数のP
型エレメントとN型エレメントがPN接合対を形成して
なる熱電変換素子の製造方法であって、 前記P型エレメントと前記N型エレメントを絶縁物にそ
れぞれ所定の位置に埋め込むことにより、前記P型エレ
メントとN型エレメントが絶縁物中に配列された集合体
を形成する工程と、 前記P型エレメントと前記N型エレメントの端面に、選
択的に突起状の金属部を形成する工程と、 前記一対の基板上にPN接合対を形成するための電極を
形成する工程と、 前記突起状の金属部と前記電極を、それぞれ所定の位置
で接合材により接合する工程と、を有することを特徴す
る熱電変換素子の製造方法。 - 【請求項7】 前記集合体を形成する工程が、 板状のP型熱電材料とN型熱電材料を絶縁物を介して交
互に積層して積層体を形成する工程と、 前記積層体を積層方向に垂直な方向で切断する工程と、 前記切断により形成された溝部に絶縁物を埋め込む工程
と、を含むことを特徴する請求項5または6に記載の熱
電変換素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11038299A JP2000244026A (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | 熱電変換素子とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP11038299A JP2000244026A (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | 熱電変換素子とその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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