JP2000244010A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法

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JP2000244010A
JP2000244010A JP4121599A JP4121599A JP2000244010A JP 2000244010 A JP2000244010 A JP 2000244010A JP 4121599 A JP4121599 A JP 4121599A JP 4121599 A JP4121599 A JP 4121599A JP 2000244010 A JP2000244010 A JP 2000244010A
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Shuichi Shinagawa
修一 品川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な光透過性が得られしかも不連続な部分
もないように透光性の金属膜をたとえばp型層の表面に
形成でき光取り出し効率を更に向上し得るGaN系化合
物半導体発光素子の製造方法の提供を目的とする。 【解決手段】 透光性電極としての金属膜3を半導体発
光素子の積層構造半導体1のたとえばp型層の表面に蒸
着形成する半導体発光素子の製造方法であって、金属膜
3を、積層構造半導体1の温度を20℃以下の温度に保
った状態で金属材料により蒸着形成し、金属膜3の膜厚
を1nm以上で5nm以下の範囲とする。また、金属材
料の蒸着レートを0.1nm/秒以上で0.5nm/秒
以下の範囲として金属膜3を蒸着形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオードや
レーザダイオード等の光デバイスに利用される青色及び
緑色発光の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造
方法に係り、特に光取り出し効率を向上させるために発
光観測面側に形成されるp型の透光性金属膜の形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム系化合物半導体は、可視光
発光デバイスや高温動作電子デバイス用の半導体材料と
して多用されるようになり、特に発光輝度の高い青色や
緑色の発光ダイオードの分野での実用化や青紫色のレー
ザダイオードの分野での展開が進んでいる。図3に窒化
ガリウム系化合物半導体発光素子の概略斜視図を示す。
【0003】窒化ガリウム系化合物半導体の発光素子
は、その基板として絶縁性であって光透過性のサファイ
アが現在のところ最適なものとして一般に利用され、こ
の基板の上に窒化ガリウムの半導体薄膜層を成長させた
ものである。すなわち、図示のようにサファイアの基板
50の表面にバッファ層(図示せず)を介して窒化ガリ
ウムのn型層51及びその上に窒化ガリウムのp型層5
2をそれぞれ積層形成し、p型層52の表面の一部をエ
ッチングにより除去してn型層51を露出させている。
そして、この露出したn型層51の表面にn側電極パッ
ド53を形成するとともに、p型層52の表面にはp側
の電極が形成される。p側の電極はp型層52の表面に
直に金属蒸着法によって形成できるが、図示の例では、
p型層52の表面のほぼ全体に透光性の金属膜54を形
成し、その一部にp側電極パッド55を形成している。
【0004】なお、このように透光性の金属膜54を形
成するのは、次の理由による。窒化ガリウム系化合物半
導体のp型層52は一般に高抵抗であるため、p側の電
極から注入された電流がp型層52で十分に面内で広が
らず、p側の電極の直下でしか発光しない。そこで全面
発光を得るために、p型層52の全面に電流が注入され
るよう、p側の電極をp型層52表面のほぼ全面に形成
する。そして表面側を主光取り出し面とするときに、光
の取り出し効率を上げるため、このp側の電極を透光性
の金属膜54とする。
【0005】このように、n側及びp側の電極パッド5
3、55を化合物半導体の表面側に形成した発光素子
は、基板50をリードフレーム等のマウント部に搭載す
るとともに、n側及びp側の電極パッド53、55のそ
れぞれにワイヤ(図示せず)をボンディングして実装す
ることで、図において上面側を光取り出し面としたアセ
ンブリによる半導体発光装置として製品化される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】p型層52の表面に形
成される透光性の金属膜54は、たとえばAu、Ni、
Pd等を材料としたものであり、その厚さは光透過性を
持たせるために0.001μm〜1μm程度である。こ
の透光性の金属膜54は、光の透過率が高いほどn型層
51とp型層52との間の活性層からの光の取り出し効
率も高くなるので、先のように薄い膜厚の範囲に現在の
ところでは設定されている。そして、光の透過率を更に
上げて発光効率をより一層向上させるには、透光性の金
属膜54の厚さを可能な限り薄くすることが有効である
ことは容易に推測される。
【0007】蒸着による金属膜54の形成は、まず核が
生成され、その核が成長して島となり、さらに島が大き
くなり島同士が合体して次第に連続した膜となる過程を
経ることが知られている。
【0008】透光性の金属膜54も金属蒸着法によって
形成されるので、その膜厚が或る臨界値よりも小さいと
p型層52の表面に形成される金属膜54に、島同士が
合体せず孤立して不連続な部分ができ、電気的導通が得
られない領域となり、この領域からの発光が得られず、
発光強度の低下に陥る。
【0009】また、透光性の金属膜54の不連続さによ
ってp型層52の表面との間の接触面積も小さくなり、
この分だけ接触抵抗が増加してしまう。このように接触
抵抗が増加すると、素子の駆動電圧が高くなったり発熱
による輝度の低下が起こったりするという問題を生じ
る。
【0010】このように従来の窒化ガリウム系化合物半
導体を利用した発光素子では、p型層の表面に形成する
透光性の金属膜をより薄くして光取り出し効率を上げよ
うとしても、金属膜に不連続な部分ができてしまい、却
って発光機能やその他の特性を低下させる結果なる。
【0011】本発明において解決すべき課題は、十分な
光透過性が得られしかも不連続な部分もないように透光
性の金属膜をたとえばp型層の表面に形成でき、光取り
出し効率を更に向上し得る窒化ガリウム化合物半導体発
光素子の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、窒化ガリ
ウム系化合物半導体を用いた半導体発光素子の製造にお
いて、p型層の表面に形成する透光性の金属膜を十分な
光透過度を持ち且つ不連続とならないようにするための
手法を鋭意検討した。その結果、基板の表面に成長させ
たn型及びp型の化合物半導体の積層体の温度を20℃
以下として金属蒸着法により透光性の金属膜を形成すれ
ば、光透過率が高くp型層との導通も全域に亘って良好
な製品が得られることを見いだした。
【0013】すなわち、本発明は、絶縁性の基板の表面
に窒化ガリウム系化合物半導体を積層した積層構造半導
体の表面に、透光性電極としての金属膜を蒸着形成する
半導体発光素子の製造方法であって、前記金属膜を、前
記積層構造半導体の温度を20℃以下に保った状態で金
属材料により蒸着形成することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、絶縁性
の基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体を積層した
積層構造半導体の表面に、透光性電極としての金属膜を
蒸着形成する半導体発光素子の製造方法であって、前記
金属膜を、前記積層構造半導体の温度を20℃以下の温
度に保った状態で金属材料により蒸着形成することを特
徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方
法であり、積層構造半導体のたとえばp型層の表面に吸
着した金属原子の移動速度を小さくして核生成密度を大
きくできるので、金属膜を十分な光透過性を持つ厚さで
連続して形成できるという作用を有する。
【0015】請求項2に記載の発明は、前記金属膜の膜
厚を1nm以上で5nm以下の範囲で前記金属材料によ
り蒸着形成することを特徴とする請求項1記載の窒化ガ
リウム系化合物半導体発光素子の製造方法であり、低抵
抗で、且つ透光性の高い金属膜を連続して一様に形成で
きるという作用を有する。
【0016】請求項3に記載の発明は、前記金属膜を、
前記金属材料の蒸着レートが0.1nm/秒以上で0.
5nm/秒以下の範囲で形成することを特徴とする請求
項1または2記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素
子の製造方法であり、金属膜の核生成密度をより大きく
して光透過性が十分な金属膜を形成できるという作用を
有する。
【0017】以下に、本発明の実施の形態の具体例を、
図面を参照しながら説明する。
【0018】図1の(a)は窒化ガリウム系化合物半導
体のp型層の表面に形成される透光性電極用の金属膜の
蒸着の状況を示す従来の技術の概念図及び同図の(b)
は窒化ガリウム系化合物半導体のp型層の表面に形成さ
れる透光性電極用の金属膜の蒸着の状況を示す本発明の
例の概念図である。また、図2は本発明の製造方法に使
用する真空蒸着装置の概略図である。
【0019】図2において、真空蒸着装置はそのチャン
バを高真空排気用のクライオポンプ8とロータリーポン
プ9に接続し、チャンバ内には化合物半導体を積層した
基板を搭載支持する基板ステージ5と、これに対向配置
した金属材料蒸発源7とを配置している。基板ステージ
5は、たとえば液体窒素やドライアイスとアルコールの
混合物等の冷却剤が入った冷却容器4と接触し、熱伝達
によって冷却される。また、基板ステージ5には、蒸着
時の温度を測定するための熱電対6を取り付けている。
【0020】基板ステージ5は、窒化ガリウム系化合物
半導体を積層した積層構造半導体1を搭載支持する。こ
の積層構造半導体1は、図3で示したものと同様に、サ
ファイア基板の表面に窒化ガリウムのn型層とp型層を
順に積層したもので、基板を基板ステージ5に固定する
とともにp型層の表面を金属材料蒸発源7側に向けた姿
勢に保持される。なお、この金属材料蒸発源7による金
属の蒸着法としては、電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、
スパッタ法の従来周知のものであればよい。
【0021】このような真空蒸着装置による積層構造半
導体1に対する金属膜の蒸着方法及び蒸着条件は次のと
おりである。
【0022】まず、基板ステージ5に積層構造半導体1
を取り付けた後、クライオポンプ8及びロータリーポン
プ9によって真空蒸着装置のチャンバ内を高真空排気
し、冷却容器4内に冷却剤を注入する。そして、この冷
却剤による抜熱により、積層構造半導体1の全体が20
℃以下になるまで冷却される。
【0023】積層構造半導体1が十分に冷却された後、
金属材料蒸発源7からその蒸着レートを0.1nm/秒
〜0.5nm/秒の割合で蒸発させる。この金属材料の
蒸発によって、積層構造半導体1の半導体層の表面に金
属膜が蒸着形成される。この間、金属膜の厚さは、基板
ステージ5の近傍に取り付けられた膜厚モニタにより測
定され、膜厚が1nm以上、5nm以下の範囲の所望の
膜厚となったところで蒸着を終了する。
【0024】このような蒸着条件において、積層構造半
導体1の表面すなわちp型層の表面に吸着された金属材
料蒸発源7からの金属原子は、p型層の表面が20℃以
下の低温であることからこの表面上での移動速度が小さ
くなる。したがって、金属膜の核生成密度が大きくな
り、金属膜が薄い段階で核が成長してできた島が一様に
連なって、1nm〜5nmの厚さの金属膜が一様に形成
される。
【0025】すなわち、積層構造半導体1を冷却しない
で真空蒸着装置のチャンバ内の高温の雰囲気温度に曝さ
れている場合では、金属材料蒸発源7からの金属材料が
p型半導体層の表面に吸着されたとき、この表面での金
属原子の移動速度が大きい。このため、金属の核のサイ
ズは大きくなっていくが、核生成密度は小さくなり、核
が成長して出来た島同士の間隔が詰まらない状態で金属
膜が形成される。したがって、図1の(a)に示すよう
に、積層構造半導体1の表面には、不定形の隙間ができ
たままの不連続な金属膜2が形成されることになる。こ
れに対し、積層構造半導体1を20℃以下の低温に保持
した場合では、先に説明したようにp型層の表面での金
属原子の移動速度が小さくなり核生成密度が大きくなる
ことから、図1の(b)に示すように核が成長して出来
た島同士の間に隙間がない一様な連続した金属膜3が得
られる。
【0026】このようにして得られる金属膜3の厚さ
は、1nm以下であれば積層構造半導体1の温度を20
℃以下に設定していても、膜厚が薄すぎることから一様
な金属膜として形成できない場合がある。また、連続し
た金属膜として形成できても、その薄さのための抵抗が
大くなり過ぎ、駆動電圧が大きくなる。一方、金属膜3
の厚さが5nmを超えると、光の透過率が低下する傾向
にあり、活性層からの光の取り出し効率に影響する。こ
のことから、積層構造半導体1の表面に形成する金属膜
3の厚さは1nm〜5nmの範囲とすることが好ましい
といえる。
【0027】更に、金属材料蒸発源7による単位時間当
たりの蒸着レートも、図1の(b)のように一様に連続
した金属膜3を得るのに重要な条件となり得る。すなわ
ち、積層構造半導体1の表面への蒸発金属の堆積速度が
0.1nm/秒よりも小さいと、吸着した金属原子の移
動時間は長くなる。このため、金属原子の核生成密度は
小さくなり、先の積層構造半導体1の温度が20℃以上
の高温の場合と同様に、金属膜が不連続となって形成さ
れてしまう傾向にある。逆に、蒸着レートが0.5nm
/秒以上であると、金属膜の蒸着形成速度が速くなり過
ぎ、特に金属膜をできる限り薄くしようとする場合に
は、膜厚の制御は困難である。以上のことから、金属材
料蒸発源7からの蒸発金属による蒸着レートは0.1n
m/秒〜0.5nm/秒の範囲とすることが好ましい。
【0028】(実施例)以下に、本発明の実施例を具体
的に説明する。
【0029】サファイア基板の表面に窒化ガリウムのn
型層とp型層を順に積層した積層構造半導体をアセトン
及びIPAを用いて超音波洗浄を施し、窒素ガスを吹き
付け乾燥させる。次に、バッファードふっ酸に浸漬して
表面の酸化膜を除去し、純水で十分に洗浄を行った後乾
燥させる。これを図2に示す真空蒸着装置の基板ステー
ジ5にp型層の表面を金属材料蒸発源7側に向けた姿勢
で、裏面が基板ステージ5に密着するように固定する。
【0030】次に、真空蒸着装置のチャンバー内をクラ
イオポンプ8及びロータリーポンプ9によって2×10
-6Torr以下にまで高真空排気する。高真空排気され
た後、冷却容器4内にドライアイスとアルコールの混合
物を注入し、基板ステージ5に取り付けられた熱伝対6
で基板ステージ5の温度を測定し、低温で温度が一定に
なるまで待つ。温度が一定になったときの温度は約−5
5℃であった。更に積層構造半導体1が基板ステージ5
と同じ温度にまで十分冷却されるよう、温度が−55℃
で一定になってから30分待つこととした。なお、この
ように高真空排気した後積層構造半導体1及び基板ステ
ージ5を冷却するのは、高真空排気されていないときに
冷却すると積層構造半導体1表面にチャンバー内に残っ
ている大気中の酸素、窒素や水の分子が吸着し、その後
チャンバー内を高真空排気してもこれら吸着した分子が
解離しにくくなり、不純物の吸着した積層構造半導体1
表面に金属膜を形成することになるからである。
【0031】金属材料蒸発源7は銅製の坩堝に金属膜の
材料が入ったものである。使用した真空蒸着装置には5
つの坩堝が備わっており、回転することによってそれぞ
れの坩堝が電子線の照射位置に移動するようになってい
る。そのうちの2つの坩堝に金属膜の材料として純度9
9.99%のNiと同じく純度99.99%のAuを入
れた。
【0032】積層構造半導体1が十分冷却された後、坩
堝の中に入ったNiに電子線を照射し、Niを蒸発させ
た。基板ステージ5近傍に取り付けられた膜厚モニタで
蒸着速度を測定し、蒸着速度が0.2nm/秒になった
ところで、積層構造半導体1直下の金属製のシャッター
を開けて蒸着を開始し、Niの膜厚が1nmになったと
ころでシャッターを閉じて蒸着を終える。次に、Auの
入った坩堝を電子線の照射位置に移動させ、同様に、電
子線を照射し蒸着速度0.2nm/秒になったところで
蒸着を開始し、Auの膜厚が2nmになったところで蒸
着を終了した。電子線で金属材料を加熱し始めてから、
NiとAuの蒸着が終了するまでの時間は、16分から
20分を要した。この間、基板ステージ5の温度の変化
を測定したところ、蒸発源からの輻射熱により温度が上
昇し始め、Au膜を蒸着し終える頃には、10℃から2
0℃にまで達していた。
【0033】こうして、積層構造半導体1の表面上にN
iを1nm、Auを2nm、合わせて膜厚3nmの金属
膜の蒸着が終了したら、冷却容器4に入った液体窒素を
抜き取り、基板ステージ5の温度が室温に達するまで待
つ。室温に達したら、チャンバーを開け積層構造半導体
1を取り出した。
【0034】こうして得られた積層構造半導体の表面上
の金属膜を、原子間力顕微鏡(AFM)で観察したとこ
ろ、所々突出した島状の結晶粒があるものの、隙間の無
い連続した膜となっていた。
【0035】真空蒸着装置から取り出した積層構造半導
体上の金属膜の上に、フォトリソグラフィーによりレジ
ストをパターニングし、これをマスクとして金属膜をウ
エットエッチングしp側透光性電極を形成、溶剤に浸漬
してレジストを除去した。
【0036】次に、プラズマCVD法を用いてp型層と
p側透光性電極の上に保護膜として二酸化ケイ素膜を1
μmの厚さで形成し、フォトリソグラフィーによりレジ
ストをパターニングした。これをマスクとして二酸化ケ
イ素膜をウエットエッチングし、溶剤に浸漬してレジス
トを除去した。パターニングされたに酸化ケイ素膜をマ
スクとして、上面が露出されたp型層をドライエッチン
グして、n型層の一部を露出させた。
【0037】次に、フォトリソグラフィーによりp側透
光性電極の上一部が開いたレジストパターンを形成し、
ウエットエッチングにより、p側透光性電極の上一部の
二酸化ケイ素膜を除去、レジストを溶剤で除去した。
【0038】露出されたn型層の上にTiを0.1μ
m、更にその上にAuを1μm蒸着し、n側パッド電極
を形成、また、二酸化ケイ素膜の窓より露出したp側透
光性電極の上にAuを1μm蒸着しp側パッド電極を形
成した。
【0039】このようにして得られた半導体発光素子に
20mAの電流を流し、その発光状態を光学顕微鏡で観
察したところ、全面に亘って一様に発光するのが確認さ
れた。
【0040】これとは別に、冷却容器4には何も入れず
積層構造半導体を冷却しないこと以外は、上記と同じ条
件で金属膜を蒸着しp側透光性電極を形成した半導体発
光素子を作製した。このときの基板ステージ5の温度変
化は、蒸着開始前が約25℃で、蒸着を開始するとやは
り上昇し始め、蒸着が終了する頃には、100℃から1
10℃にまで達した。この素子に、同様に20mAの電
流を流したところ、その発光状態は、所々に非発光の領
域が観察され、発光強度は冷却して金属膜を蒸着したも
のに比べて大きく低下した。また、蒸着後の金属膜をA
FMで観察したところ、島状に孤立した部分がある不連
続な形態をしていた。
【0041】また、積層構造半導体を冷却し、Niを2
nm、Auを5nm、合わせて7nmの膜厚の金属膜を
蒸着してp側透光性電極を形成し、他は全く同じ条件で
作製した半導体発光素子に20mAの電流を流して発光
させたところ、合わせて3nmの膜厚の金属膜を蒸着し
たものに比べ、約16%発光強度が小さかった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、窒化ガリウム系化合物
半導体のp型層の表面にp側電極として形成する金属膜
を十分な光透過度を持つように薄くしかも一様な連続膜
として形成することができる。したがって、透光性が高
くしかも接触抵抗が小さい透光性電極が得られ、動作電
圧を高くすることなく、電極を一部に含む発光面からの
光取り出し効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)窒化ガリウム系化合物半導体のp型層の
表面に形成される透光性電極用の金属膜の蒸着の状況を
示す従来の技術の概念図 (b)窒化ガリウム系化合物半導体のp型層の表面に形
成される透光性電極用の金属膜の蒸着の状況を示す本発
明の例の概念図
【図2】本発明の製造方法に使用する真空状蒸着装置の
概略図
【図3】窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の概略斜
視図
【符号の説明】
1 積層構造半導体 2 金属膜 3 金属膜 4 冷却容器 5 基板ステージ 6 熱電対 7 金属材料蒸発源 8 クライオポンプ 9 ロータリーポンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性の基板の表面に窒化ガリウム系化合
    物半導体を積層した積層構造半導体の表面に、透光性電
    極としての金属膜を蒸着形成する半導体発光素子の製造
    方法であって、前記金属膜を、前記積層構造半導体の温
    度を20℃以下に保った状態で金属材料により蒸着形成
    することを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光
    素子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記金属膜の膜厚を1nm以上で5nm以
    下の範囲で前記金属材料により蒸着形成することを特徴
    とする請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光
    素子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記金属膜を、前記金属材料の蒸着レート
    が0.1nm/秒以上で0.5nm/秒以下の範囲で形
    成することを特徴とする請求項1または2記載の窒化ガ
    リウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
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