JP5344474B2 - Er添加Si複合粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、発光素子などに用いる半導体材料で、SiO系材料を用いた粒径nmの複合粒子の製造方法に関する。
従来、半導体材料としてSi(シリコン)系材料が特に広く用いられている。Siが普及している理由には、その電気的な特性のほか、化合物ではないので組成が安定していること、良質の酸化膜を容易に形成でき構造を安定化できること、融点が高いため各種の高熱処理に十分に耐え得ることなどが挙げられる。
Siは集積回路の基板等には広く用いられてきたものの、光の発生が弱い間接遷移型半導体であるため、発光素子には向かないとされてきた。しかしながら、SiO系材料のナノ粒子(粒径数nm単位の結晶粒子)は従来のシリコン結晶で見られない発光現象を示すため、発光素子に応用する研究が行われている。Siをベースとする発光素子として、酸化シリコン膜(SiO)中にナノシリコンが含まれることによるナノシリコン発光素子の研究が広く行われている(例えば、特許文献1)。
これらの発光素子には、スパッタリングによって、膜内に含まれる元素の組成を調整しつつ簡易、安価に作製可能であること、Siの基板上に容易に作製可能でありSi系材料の基板と組合せた応用が容易に可能であること、という利点が挙げられる。また、電子デバイスと発光デバイスを融合した光・電子集積回路(Opto-Electronic Integrated Circuit:OEIC)への応用も期待されている。
本発明者の一人は特許文献2で、SiO基板上にSiチップやGe(ゲルマニウム)チップを配置したSiOターゲットとSi基板の間に電圧を印加しスパッタリングして、SiやGeを含む薄膜を形成し発光素子とする技術を開示している。
一方で、半導体材料に対して添加元素を添加することは、半導体材料の電気的、物理的な性質を変化させることができ応用範囲が広いが、特に、Siに対して希土類元素を添加した化合物半導体は、発光素子への応用や発光メカニズムの解明のために広く研究されている。なかでも、希土類元素としてEr(エルビウム)を用いたものは、Er3+の4f殻の4I13/24I15/2による発光波長が石英系ファイバの最低損失波長1540nmに一致するため、レーザ励起による通信波長帯1.5μm前後の光を増幅する増幅器に応用するなど、光通信をはじめとする発光素子の材料として大いに期待されている。例えば、特許文献3には、SiOとErとを含む発光層とを備えたことを特徴とする発光素子に関する技術が開示されている。
特開2004−296781号公報 特開2008−75070号公報 特開2007−329468号公報
上述した背景より、ErとSiとを含有する粒径がnmサイズの複合粒子は、発光メカニズムの解明に大きく寄与でき、発光素子への応用ができることが強く期待される。しかしながら、物理的な特性を制御しつつ光学的な特性のすぐれたEr添加Si複合粒子を確実、容易に製造する方法については未解明である。
上述した点に鑑み、本発明者らは、スパッタリングによってErとSiを添加したSiO薄膜を製造し、このErとSiを添加したSiO薄膜からEr添加Si複合粒子を取り出すことによって、Er添加Si複合粒子の製造に供する方法に着目した。さらに、Er添加Si複合粒子に光学的な特性を付与し、あるいは高めることができ、かつ確実、容易に製造可能な製造方法について、さらに鋭意研究を進め、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するため、本発明のEr添加Si複合粒子の製造方法は、SiO基板上の中央にErチップを配置し、その周囲のエロージョン領域にSiチップを複数個配置してSiOターゲットを構成するとともに、該SiOターゲットに対してSi基板を対置し、真空雰囲気下で前記SiOターゲットと前記Si基板との間に高周波電力を印加して前記SiOターゲットから前記Si基板に対して3〜12時間スパッタリングさせErとSiを添加したSiO薄膜を備えたSi基板を形成し、ArまたはN雰囲気下で前記SiO薄膜を備えたSi基板を900〜1200℃の温度条件で30〜120分間熱処理して前記SiO薄膜中のErとSiを結晶化させEr添加Si複合粒子を含有するSiO薄膜とし、前記Er添加Si複合粒子を含有するSiO薄膜をエッチングしてSiOを除去しEr添加Si複合粒子を得ることを特徴とする。
上記構成によれば、SiOターゲットにErチップとSiチップを配置し上記条件のスパッタリングを行うことによって、SiとErの混合割合を所定に調整、添加したSiO薄膜が形成され、上記温度条件で熱処理を行うことによって薄膜に含まれるErとSiの結晶状態が改善され、さらにエッチングを行うことによって薄膜中のSiOが選択的に除去され、粒径サイズが調整されたErとSiを含む粒子が得られる。こうして得られた粒子は、nmサイズでErとSiを複合して含む結晶からなる、Er添加Si複合粒子となっている。
また、本発明のEr添加Si複合粒子の製造方法における上記エッチング条件は、濃度20〜40重量%のフッ化水素酸水溶液によって40〜60℃で処理することを特徴とする。
上記構成によれば、SiO薄膜が安定的に除去され、粒径がnmのサイズを持つEr添加Si複合粒子が選択的に得られる。
本発明によれば、Er,Siチップの個数、配置とスパッタリングの条件によって、SiO薄膜中のSiとErの混合組成と薄膜の厚さが制御され、熱処理によって複合粒子として結晶状態を的確に調整することができ、さらにエッチングによって薄膜中のSiOが除去され、SiとErからなる粒径がnmサイズのEr添加Si粒子を得ることができる。
この製造方法によって、粒径サイズやErとSiの含有率といった物理的特性が調整され高い光学的性能を有するEr添加Si複合粒子を製造することができる。さらに、Erの熱膨張しやすいという特性を利用して加熱により結晶構造を調整し、PL強度を高め、光学的特性が付与されたEr添加Si複合粒子を製造することができる。
また、サイズやErとSi含有率といった物理的特性を一定に保ったEr添加Si複合粒子を確実、容易に製造しつつ、安価で小ロットから製造可能となる。
実施例2のEr添加Si複合粒子の分散溶液SのPL測定スペクトルである。 ErとSiを添加したSiO薄膜LのPL測定のスペクトルである。
以下、本発明の実施形態に係るEr添加Si複合粒子の製造方法について説明する。
まず、SiO基板上の中央にErチップを配置し、その周囲のエロージョン領域にSiチップを複数個配置して、SiOターゲットを構成する。
SiO基板は、スパッタリングで形成されるErとSiを添加したSiO薄膜の母体材料のSiOを供するものである。ErチップとSiチップは前記薄膜の添加元素を供するための元素片である。いずれも、形状や大きさ等はスパッタリングの条件に応じて適宜選択できる。
ErチップはSiO基板上の中央に配置する。中央とはSiO基板上で各縁に対する距離が最も一様に近くなる点で、SiO基板が略円形や楕円なら中心、略矩形なら対角線交差部などである。このとき、中央に配置するErチップは、複数個であっても中央近くにできるだけ固めて並べるなどして中央に集中するようにする。
SiチップはErチップの周囲のエロージョン領域に配置する。エロージョン領域とはスパッタリングにおいてターゲットが消耗しやすい、すなわちその領域の元素がスパッタに供されやすい領域であり、その範囲はターゲットの大きさやターゲット中の磁界の大きさによっても変わってくるが、目安として直径3〜6インチ程度の略円形SiO基板の場合は円の中心から、半径20〜30mmの範囲である。このとき、中央のErチップを囲むように均等な環状に配置することで、Er、SiとSiOが均一な濃度でスパッタされる。
SiO基板の面積と、配置するSiチップ、Erチップの表面積の関係は、製造されるSiO薄膜の母体材料と添加元素の割合に影響する。この表面積の関係は、配置するSiチップとErチップの個数によって調整することができる。
例えばSiO基板を、直径3〜6インチ程度の略円形SiO基板とし、ErまたはSiの各チップを表面積が75〜125mm2の範囲内のものを使用する場合、Siチップは5〜9個で、Erチップは1〜3個の範囲内にあることが好ましい。
Siチップの個数がこの範囲内であると、Siの量がSiO薄膜に対して適量であり、この後の操作におけるEr添加Si複合粒子の薄膜内での結晶化、特定の粒径・分散量での形成、膜からの分離が効果的に行われるという利点がある。
Erチップの個数がこの範囲内であると、Erの量がSiO薄膜とSiに対して適量であり、Er添加Si複合粒子を形成した際にErが効果的に含有され、Erの配置による光学的な活性化が効果的に行われる。
特に、Siチップの個数が6個、Erチップの個数が2個であることが好ましい。Erチップの個数が2個であると、SiO薄膜に対してErが適量であるという利点があり、Siチップの個数が6個であると、SiO薄膜に対してSiが適量であるという利点がある。
SiO基板上にこれらのチップを配置したSiOターゲットは、スパッタリング法におけるターゲットで、後述するSi基板に対して、ターゲット上に備えた元素をスパッタするものである。
ついで、このSiOターゲットに対してSi(シリコン)基板を対置する。Si基板はスパッタリングによって、表面にErとSiを添加したSiO薄膜が形成される基板である。基板の大きさ、処理する箇所などは使用するスパッタリング装置の仕様に応じて選択でき、ErとSiを添加したSiO薄膜からEr添加Si複合粒子を剥離するためには、スパッタリングにおけるスパッタの付着をしやすく、膜厚の均一性を高くすることが望ましいので、Si基板は純度が高く表面が滑らかであることができれば望ましい。例えば、半導体用基板などを好適に用いることができる。
対置は、スパッタリングされるようSiOターゲットとSi基板を向かい合うように配置することで、位置関係は機器やスパッタの条件に応じて適宜選択される。
ついで、真空雰囲気下で前記SiOターゲットと前記Si基板との間に高周波電力を印加して、前記SiOターゲットから前記Si基板に対して3〜12時間スパッタリングさせ、ErとSiを添加したSiO薄膜を備えたSi基板を形成する。スパッタリングの操作は、例えば高周波マグネトロンスパッタリング装置を採用して行うことができる。
真空雰囲気下は、スパッタリングを阻害する気体を排除するためにとられる条件、すなわち真空かそれに近い減圧下を指すものである。本実施形態の場合は特に、動作圧力を0.53〜1.07Paの範囲内として行う。特に、動作圧力が0.8〜1.0Paの範囲内にあることが好ましい。この範囲内であると、チャンバー内の残留ガスを減らすことができるという利点がある。その他、この範囲内で行った場合にPL強度を高めることができる。
前記動作圧力の調整は、主に減圧してチャンバー内の空気を排気し、スパッタリングを阻害しにくい雰囲気ガスを導入し減圧することによって調整する。スパッタリングの雰囲気ガスとしては、アルゴンガス、窒素ガスなどを採用することができる。
高周波電力は、スパッタリングにおいてターゲットと基板の間に加えてスパッタを行わせるためのものであり、本実施形態の場合には特に、SiOターゲットと前記Si基板との間に印加する高周波電力は150〜250Wの範囲内で行う。電力は高周波マグネトロンスパッタリング装置のRF出力で調整される。RF出力が150〜250Wの範囲内にあると、SiO薄膜ターゲットと各チップを均一にスパッタリングすることができ、成膜する基板全体に均一にスパッタリングできるという利点がある。特に170〜210Wであると、PL強度の大きさの理由から望ましい。
スパッタリング時間は、3〜12時間の範囲内である必要がある。スパッタリング時間がこの範囲内にあると、基板全体に均一な膜を成膜することができるという利点がある。スパッタリング時間が短すぎると基板全体に成膜されず、基板上にむらができやすい。長すぎてもむらができ、またSiO薄膜が不当に厚くなりすぎて、後述する熱処理によるErとSiの結晶化や、エッチングによる余剰のSiOの分離などがうまく行えず、効果的に製造することができない。スパッタリング時間は、特に5〜7時間であると、適度の薄膜が得られるという理由から望ましい。
スパッタリング時間によって、ErとSiを添加したSiO薄膜の厚みを調整することができ、後述するEr添加Si複合粒子の製造のしやすさや、Er添加Si複合粒子の物理的特性も調整することができる。
ついで、この薄膜に対して熱処理を行う。熱処理は、不活性に近いガスの雰囲気下で加熱することで、SiやErの結晶化を促進するために行う操作である。熱処理による結晶性の改善としてはRTA(Rapid Thermal Annealing)法などが知られている。本実施形態では、SiO中に含まれているSiの結晶化が行われ、Siがナノクリスタルとして形成される。また、そのSiの結晶中におけるErの配置も行われ、Erの光学的活性化が行われる。
熱処理はほぼ常圧で行い、ガスとしてはAr(アルゴン)ガス、N(窒素)ガスなどを採用することができる。PL強度の理由から、Arガスが特に望ましい。
熱処理温度は、本実施形態の場合は、900〜1200℃の範囲内にあることが必要である。Siの結晶構造に対しては、熱処理温度が900℃以上であると結晶構造の変化を起こすことができ、1200℃以下であると、Siの結晶中における添加元素の添加効果が特に大きくなるという利点がある。またこの範囲では、Erの光学的な活性化に関しては、PL強度での利点がある。特にSi、Erの双方に対して、950〜1050℃であると、PL強度の理由から望ましい。
熱処理時間は、本実施形態の場合は、30〜120分の範囲内で行う。熱処理時間がこの範囲内にあると、結晶構造の変化が十分に起きているという利点がある。この熱処理時間は、熱処理温度によって適宜選択することが好ましい。特に45〜75分であると、PL強度の理由から望ましい。
こうして得られたErとSiを添加したSiO薄膜は、基板上に形成される薄膜において、前記薄膜がSiO母体材料中にSiとErを含有するものである。
薄膜の厚さは1000〜10000nmの範囲内にあることが好ましい。薄膜の厚さが1000〜10000nmの範囲内にあると、Er添加Si複合粒子の製造に使用する場合に容易にナノ粒子を製造ことができる。特に、粒子の製造数の理由で、厚さは9500〜9700nmであることが望ましい。また、薄膜の厚みが1000〜10000nmの範囲内であると、薄膜を発光素子として使用した場合に、十分な発光強度が得られるという利点もある。
ついで、上記ErとSiを添加したSiO薄膜に対してエッチングを行う。エッチングは、この実施形態においてはSiOを選択的にエッチング除去し、Er添加Si複合粒子をnmのサイズとするために必要な操作である。
エッチングには、各種のエッチング法を用いることができるが、フッ化水素酸水溶液を用いる手段を代表例として挙げることができる。また、フッ化アルカンをプラズマ化したドライエッチング法も効果的である。
特に、濃度20〜40%フッ化水素酸水溶液を用い、40〜60℃でエッチングを行うことが、薄膜やnmサイズの粒子に残留するSiOを選択的に有効に除去するには好ましい。さらに、SiOの安定的除去の理由から、緩衝作用を有する条件で行うのが望ましい。
フッ化水素酸水溶液を用いてエッチングを行う手法としては、フッ化水素酸水溶液に耐性のテフロン(登録商標)加工の容器などを用い浸漬することもできる。また、湯せんによって上記フッ化水素酸水溶液を上記温度とし、蒸気を発生させて行う方法などが、好適に用いられる。この場合1〜120分間行うことでエッチングされる。
Er添加Si複合粒子のサイズは、熱処理の工程の際の温度に関係するので、熱処理とエッチングの条件を組合せることによってEr添加Si複合粒子のサイズを調整することができる。例えば熱処理の温度が増加するほどErとSiの結晶のサイズは小さくなり、エッチングの条件が強ければ薄膜のSiOが除去されサイズが小さくなる。
こうして得られたEr添加Si複合粒子は、容易に基板や薄膜から分離して用いることができ、特に、超音波洗浄で溶媒中に拡散させるなどで分離することができる。超音波洗浄は水やアルコール等の溶媒のような水性溶液中で行うことができるが、後述する分散溶液として用いる場合の溶媒としての利点から、純水中で行うのが望ましい。超音波洗浄は通常の洗浄条件で充分である。
この製造方法により得られたEr添加Si複合粒子は、SiとErを粒子の中に複合的に有し、その複合の状態としては、SiとErを3:1〜2:1の割合で含有し、SiとErの結晶が近接した状態で有する。粒径が1.9〜4.3nmの範囲であり、nm(数nm)サイズの結晶であるいわゆるナノクリスタル粒子となっている。
また、上記工程で得られた状態では、洗浄した溶液の中にEr添加Si複合粒子が分散している分散溶液となっている。この分散溶液は液中で励起光源を与えることにより発光させることができ、溶液の温度を変化させることで発光強度を変化させることができることを本発明者らは見出している。
この利用においては、分散溶液は、上記Er添加Si複合粒子の含有量が、水、アルコール等の水性溶液中に多ければ多いほど望ましい。特に、純水中に分散することで、温度にしたがって発光強度を強くすることができるスペクトルが得られるため有効である。
上記Er添加Si複合粒子の分散溶液を、温度22〜90℃、325nmの励起光源で発光させることができる。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含まれるものである。
[実施例1]
以下に示す実施例1では、ターゲット上にチップを置くことで組成を容易に変えることができ、成膜速度が速い、高周波(RF)マグネトロンスパッタリング装置(SPF-210H、日電アネルバ社製)を用いて試料を作製した。
ターゲット材料には直径4インチ(101.6mm)のSiウエーハ表面を酸化処理したSiO(99.9999%)を用い、SiOターゲット上のエロージョン領域にSiチップ(99.999%、1cm角)を6枚、中央にErチップ(99.99%、1cm角)を2枚配置し、Si基板(p-Si(100))上に成膜した。チャンバー内を0.93×10−4Pa(7.0×10−7Torr)まで排気後、スパッタリングの雰囲気ガスとしてAr(アルゴン)ガスを導入した。スパッタリングは、RF出力200W、動作圧力0.8Pa(6.0×10−3Torr)、基板加熱なし、スパッタリング時間6時間で行い、膜厚が9600nmとなるようにした。
成膜後、結晶性の改善のためにRTA(Rapid Thermal Annealing)法を用いて熱処理を行った。熱処理を行う前に、ロータリーポンプを用いて試料室をおよそ1×10-3Pa(7.5×10-6Torr)まで排気した後、アルゴンガス(純度:99.999%)を導入し、大気圧下の1000℃で1時間熱処理を行い、ErとSiを添加したSiO薄膜Lとした。
前記ErとSiを添加したSiO薄膜Lに対して、フッ化水素酸水溶液(濃度30%)を50℃の湯せんで蒸気を発生させ、エッチングを行った。その後、得られた粒子を純水中で超音波洗浄し、Er添加Si複合粒子とした。この複合粒子の粒径は1〜3nmの範囲であった。水中にEr添加Si複合粒子が分散された溶液に対して、He−Cdレーザで溶液の発光が目視で確認できるまで超音波洗浄を繰り返し、Er添加Si複合粒子の分散溶液S(実施例1)とした。
〔試験例1〕
実施例1の分散溶液Sに対して、溶液の温度を変化させてのPL測定を行い、スペクトルの分析を行った。
分散溶液Sは、石英セル中で、測定温度を22〜90℃の10℃刻みで、励起光源He−Cd(325nm)、レーザースポットφ1mm、ディテクタCCDを用いPL測定を行った。
また、前記のErとSiを添加したSiO薄膜Lに対しても、測定温度を22℃とし、他は上記と同じ条件でPL測定を行った。
分散溶液Sの測定では、セル内の分散溶液の発光は目視により青みがかった緑色が確認された。発光スペクトルを図1に示す。ピークはそれぞれ549.3nm、735.0nm、811.3nm付近で観測された。
薄膜Lの発光スペクトルは図2に示す。ピークは726nm付近に観測された。
分散溶液Sは、549.3nmのピークが緑色であり、Erの4f殻の4I13/24I15/2による発光は緑を示すことから、このピークがErの発光であると推測される。
また、各ピークは温度の上昇にしたがって強度が強くなっていることが認められた。特に、735nmのピークは強く、温度上昇にしたがって強くなる度合いも大きい。この735nmのピークは薄膜Lの726nm付近のピークと重なる位置にあるため、このピークがEr添加Siの結晶の存在に大きく影響を受けているものと推測される。
温度上昇にしたがってピークが強くなることは、Erの熱膨張率がSiのおよそ3倍と大きいため、加熱によってSiの結晶構造に大きく影響を与えていることが推測される。
本発明は発光素子の製造方法として、光通信をはじめとする光学機器や素材分野に広く応用できるものである。

Claims (2)

  1. SiO基板上の中央にErチップを配置し、その周囲のエロージョン領域にSiチップを複数個配置してSiOターゲットを構成するとともに、該SiOターゲットに対してSi基板を対置し、
    真空雰囲気下で前記SiOターゲットと前記Si基板との間に高周波電力を印加して前記SiOターゲットから前記Si基板に対して3〜12時間スパッタリングさせErとSiを添加したSiO薄膜を備えたSi基板を形成し、
    ArまたはN雰囲気下で前記SiO薄膜を備えたSi基板を900〜1200℃の温度条件で30〜120分間熱処理して前記SiO薄膜中のErとSiを結晶化させEr添加Si複合粒子を含有するSiO薄膜とし、
    前記Er添加Si複合粒子を含有するSiO薄膜をエッチングしてSiOを除去しEr添加Si複合粒子を得ることを特徴とするEr添加Si複合粒子の製造方法。
  2. 上記エッチングは濃度20〜40重量%のフッ化水素酸水溶液によって40〜60℃で処理することを特徴とする請求項1に記載のEr添加Si複合粒子の製造方法。
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