JP2000243136A - 電力ケーブルの半導電層用樹脂組成物 - Google Patents

電力ケーブルの半導電層用樹脂組成物

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JP2000243136A
JP2000243136A JP11045100A JP4510099A JP2000243136A JP 2000243136 A JP2000243136 A JP 2000243136A JP 11045100 A JP11045100 A JP 11045100A JP 4510099 A JP4510099 A JP 4510099A JP 2000243136 A JP2000243136 A JP 2000243136A
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carbon black
resin composition
graphitized carbon
polyethylene
heat resistance
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JP11045100A
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Makoto Masuda
誠 増田
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、かつスコーチが抑制され、加
工性に優れた電力ケーブルの半導電層用樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】 シングルサイト触媒を用いて重合された
ポリエチレンに黒鉛化カーボンブラック及び架橋剤を配
合してなる樹脂組成物であって、前記黒鉛化カーボンブ
ラックが前記ポリエチレン100重量部に対して30〜
100重量部配合されていることを特徴とする電力ケー
ブルの半導電層用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力ケーブルの半
導電層用樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、耐熱性に
優れ、かつスコーチの発生が抑えられ、加工性にも優れ
た電力ケーブルの半導電層用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電力ケーブル、特に高圧電力
ケーブルは、一般に、絶縁体界面における電界集中の緩
和や部分放電の防止を目的として、体積抵抗率として概
ね10 5 Ω−cm以下の導電性を持つように調製された
半導電層を絶縁体の内部および外部に設けられている。
この半導電層は、一般に、ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体やエチレンーエチルアクリレート共重
合体などのエチレン系共重合体等のオレフィン系樹脂を
ベース樹脂とし、これにファーネスブラック、アセチレ
ンブラック、ケッチェンブラックなどの導電性のカーボ
ンブラック、ジクミルパ−オキサイドなどの架橋剤、酸
化防止剤等を配合した樹脂組成物で形成されている。
【0003】また、高圧電力ケーブルには一般に耐熱性
が要求されるため、半導電層用樹脂組成物においては、
ベース樹脂として溶融時の粘度の高い樹脂を選択する、
あるいは架橋剤を多量に添加してベース樹脂の架橋度を
高くするなどの対策が採られている。しかし、何れの場
合も、半導電層用樹脂組成物の押出成形時にスコーチ
(早期架橋)が起こり易くなり、加工性を悪化させると
いう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の状況に鑑み、耐熱性に優れ、かつスコーチが抑制
され、加工性に優れた電力ケーブルの半導電層用樹脂組
成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、ベース樹脂としてシング
ルサイト触媒を用いて重合されたポリエチレンを用い、
かつ導電性のカーボンブラックとして黒鉛化カーボンブ
ラックを一定量用いることが効果的であることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、上記の目的を達成す
るために、シングルサイト触媒を用いて重合されたポリ
エチレンに黒鉛化カーボンブラック及び架橋剤を配合し
てなる樹脂組成物であって、前記黒鉛化カーボンブラッ
クが前記ポリエチレン100重量部に対して30〜10
0重量部配合されていることを特徴とする電力ケーブル
の半導電層用樹脂組成物を提供する。
【0007】本発明に係る半導電層用樹脂組成物が、耐
熱性に優れ、スコーチの発生を抑制できる理由は定かで
はないが、次のように推測される。すなわち、シングル
サイト触媒を用いて重合されたポリエチレンは、それ以
外の触媒を用いて重合された、密度やメルトフローレー
ト(MFR)などが同程度のポリエチレンに比べて架橋
点が多く、架橋度が高くなるという性質を有し、一方、
黒鉛化カーボンブラックは、従来用いられているファー
ネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラッ
クなどに比べて架橋剤などを吸収する量が少なく、添加
した架橋剤などを効率良く有効に活用することができ、
これらの特性の相乗効果により、耐熱性の向上ととも
に、スコーチの発生をより抑えることが可能になると推
測される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明のベース樹脂として用いられるポリエチレ
ンは、シングルサイト触媒を用いて得られる。シングル
サイト触媒は、シクロペンタジエニル・チタニウム錯塩
などのメタロセン触媒に代表され、必要に応じて助触媒
としてカチオン性活性化剤が併用される。このシングル
サイト触媒は活性点が均一で、これを用いて重合された
ポリエチレンは、シングルサイト触媒以外の触媒を用い
て重合されたポリエチレン、例えば高圧ラジカル重合法
によるポリエチレンに比べて、分子量分布が狭く、構造
が均質であり、また架橋点が多く、架橋度が高くなると
いう特徴を有する。
【0009】このシングルサイト触媒を用いて重合され
たポリエチレン(以下、シングルサイト触媒重合ポリエ
チレンと呼ぶ)は、加工性(ベトツキや硬さ)を考慮す
ると、密度が0.88〜0.92の範囲のものが好まし
い。また、シングルサイト触媒重合ポリエチレンは市場
からも入手可能であり、例えばダウ・ケミカル日本
(株)製「エンゲージ」、三井化学(株)製「エボリュ
ー」、宇部興産(株)製「ユメリット」等が市販されて
いる。これらのシングルサイト触媒重合ポリエチレンは
単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
【0010】本発明の半導電層用樹脂組成物に用いる黒
鉛化カーボンブラックは、従来用いられていたファーネ
スブラックなどのカーボンブラックをさらに不活性雰囲
気中で2000〜3000℃の高温で処理したものであ
って、元の粒子径を保持したまま粒子内の結晶成長をさ
せたものである。この黒鉛化カーボンブラックは、従来
用いられていたファーネスブラックなどのカーボンブラ
ックに比べて不純物が低減され、耐熱性が向上され、水
分を始めとする液体などの吸着性が低減されている。黒
鉛化カーボンブラックの粒子径や比表面積などの物性
は、必要に応じて適宜選択することができる。かかる黒
鉛化カーボンブラックの例として、東海カーボン株式会
社製のトーカブラック#3845、#3855あるいは
#3885(商品名)などが挙げられる。黒鉛化カーボ
ンブラックの配合量は、シングルサイト触媒重合ポリエ
チレン100重量部に対して30〜100重量部であ
り、好ましくは50〜70重量部である。黒鉛化カーボ
ンブラックの配合量が、30重量部未満の少量の場合は
半導電層としての導電性が不十分となり、一方100重
量部を越える多量の場合は樹脂組成物の溶融時の粘度が
高くなって押出成形が困難になり、いずれの場合も所期
の目的を達成できない。
【0011】本発明の半導電層用樹脂組成物には、耐熱
性や機械的特性を向上させるために架橋剤が添加され
る。架橋剤としては、従来からポリエチレン等の架橋剤
として知られたものを適宜選択して用いることができ、
その例として、ジクミルパ−オキサイド、過酸化ベンゾ
イル、2,5−ジメチルー2,5−ジ(第三ブチルペル
オキシ)ヘキシンー3、1,3−ビス(第三ブチルペル
オキシイソプロピル)ベンゼン等の有機過酸化物等が挙
げられる。これらの中でも、ジクミルパーオキサイドが
好ましく用いられる。架橋剤の配合量は、必要に応じて
適宜設定することができるが、シングルサイト触媒重合
ポリエチレン100重量部に対して0.5〜20重量部
が適当である。
【0012】本発明の半導電層用樹脂組成物において
は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤
など、一般にオレフィン系樹脂組成物に添加される添加
剤を適量添加することができる。中でも、酸化防止剤の
添加は好ましい。また、本発明の半導電層用樹脂組成物
の調製は、上記各組成物成分を、ヘンシェルミキサー、
オープンロールミキサー、バンバリー混合機、ニーダー
などの既知の混合手段を用いて均一に混合することによ
り容易に行うことができる。また、本発明の半導電層用
樹脂組成物による電力ケーブルの半導電層の形成は、押
出成形と、それに続く電力ケーブル用架橋設備により容
易に行うことができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
【0014】(実施例1〜5、比較例1〜6)表1に示
した如く各成分を配合し、加圧型ニーダーにより混練し
て樹脂組成物コンパウンドを得た。この樹脂組成物コン
パウンドを半導電層用として用いて、押出機にて、外径
9.3mmの導体上に厚さ1mmの内部半導電層、厚さ
3mmの絶縁層、厚さ0.7mmの外部半導電層を三層
同時押出成形してケーブルを作成し、このケーブルを窒
素雰囲気中で加熱して化学架橋処理した。その際の温度
は280℃、加熱時間は約3分間にて行った.尚、絶縁
層の形成には日本ユニカー(株)製「HFDJ−420
1」を用いた。
【0015】そして、押出成形時の外部半導電層の外観
目視によりスコーチの発生の有無を観察した。また、得
られたケーブルの導電層の体積抵抗率、ゲル分率、加熱
変形率を測定した。また、半導電層用樹脂組成物の溶融
粘度としては、レオメータトルクを測定した。上記のレ
オメータトルクは、ASTM D2084−81に従
い、東洋精機工業(株)製のオシレーティング・ディス
クレオメータを使用して、130℃、振れ角±3°にて
最大トルク(ML)を測定した。また、体積抵抗率はA
STMD991により測定し、ゲル分率はJIS C3
005により測定し、加熱変形率はJIS C3005
により120℃、34N荷重にて測定した。これらの結
果を表1に示した。
【0016】
【表1】
【0017】*1:シングルサイト触媒重合ポリエチレ
ン1(密度:0.885、MFR:1.0) *2:シングルサイト触媒重合ポリエチレン2(密度:
0.910、MFR:3.5) *3:高圧ラジカル重合法ポリエチレン(密度:0.9
20、MFR:1.0) *4:粒子径:40nm、比表面積:60m2 /g、D
BP吸油量:175ml/100g *5:粒子径:25nm、比表面積:85m2 /g、D
BP吸油量:130ml/100g *6:粒子径:40nm、比表面積:58m2 /g、D
BP吸油量:170ml/100g *7:ジクミルパーオキサイド *8:4,4'−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メ
チルフェノール) *9:○=スコーチ発生無し、×=スコーチ発生有り
【0018】上記の各試験において、半導電層または半
導電層用樹脂組成物に関して導電性を体積抵抗率で評価
し、耐熱性をゲル分率(架橋度)と加熱変形率とで評価
し、加工性をレオメータトルクと外観目視によるスコー
チ発生の有無とで評価した。加熱変形特性に関しては、
半導電層についての規定は特にないが、絶縁体について
はJIS C3005に試験方法が規定されており、1
20℃において34N荷重付加時の加熱変形率が40%
以下であることが実用上好ましいとされている。従っ
て、ここでは、120℃において34N荷重付加時の加
熱変形率が30%以下であることを加熱変形率合否の判
定基準とした。
【0019】表1から明らかなように、実施例1〜5で
は何れも半導電層が十分な導電性、耐熱性を有し、レオ
メータトルクも低く、スコーチの発生も見られず、また
加工性も良好であった。これに対して比較例1はシング
ルサイト触媒重合ポリエチレンのベース樹脂に対してフ
ァーネスブラックを配合した例であるが、ゲル分率が低
く、加熱変形率が高く、十分な耐熱性が得られてない。
比較例2は高圧ラジカル重合法ポリエチレンに黒鉛化カ
ーボンブラックを配合した例であるが、比較例1の場合
と同様、ゲル分率が低く、加熱変形率が高く、十分な耐
熱性が得られてない。比較例3および4は比較例1ある
いは2の半導電層用樹脂組成物において架橋剤の配合量
を増加して架橋度を高くした例であるが、何れもスコー
チが発生した。比較例5は黒鉛化カーボンブラックの配
合量が本発明の範囲より少ない例であるが、導電性が不
足している。比較例6は黒鉛化カーボンブラックの配合
量が本発明の範囲を越えて多量とした例であるが、溶融
時の粘度が高く、押出成形が困難になった。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐熱性に優れ、かつスコーチなどが抑制され、加工性に
優れた電力ケーブルの半導電層用樹脂組成物が提供され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シングルサイト触媒を用いて重合された
    ポリエチレンに黒鉛化カーボンブラック及び架橋剤を配
    合してなる樹脂組成物であって、前記黒鉛化カーボンブ
    ラックが前記ポリエチレン100重量部に対して30〜
    100重量部配合されていることを特徴とする電力ケー
    ブルの半導電層用樹脂組成物。
JP11045100A 1999-02-23 1999-02-23 電力ケーブルの半導電層用樹脂組成物 Pending JP2000243136A (ja)

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