JP2000242981A - 相変化型光ディスクの初期化装置 - Google Patents

相変化型光ディスクの初期化装置

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JP2000242981A
JP2000242981A JP11037284A JP3728499A JP2000242981A JP 2000242981 A JP2000242981 A JP 2000242981A JP 11037284 A JP11037284 A JP 11037284A JP 3728499 A JP3728499 A JP 3728499A JP 2000242981 A JP2000242981 A JP 2000242981A
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light
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Masao Endo
政男 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相変化型光ディスクの記録トラックの幅方向
に見て記録層が均一に結晶化され、より均一な初期化を
行うことが可能な相変化型光ディスクの初期化装置を提
供すること。 【解決手段】 第1の光ビームaを対物レンズ13に入
射させる光学系(第1の半導体レーザ2〜コリメートレ
ンズ3〜1/2波長板7〜ミラープリズム4,9〜第1
の偏光ビームスプリッタ10〜ミラープリズム11)に
より、長軸方向が記録トラックTに対して略直交する方
向に延びる長円形の第1の光スポットa1を形成する。
第2の光ビームbを対物レンズ13に入射させる光学系
(第2の半導体レーザ5〜コリメートレンズ6〜ミラー
プリズム8〜第1の偏光ビームスプリッタ10〜ミラー
プリズム11)により、相変化型光ディスクDの回転方
向に見て第1の光スポットa1の位置よりも前側に、長
軸方向が記録トラックTに対して略直交する方向に延び
る長円形の第2の光スポットb1を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ビームの照射条
件に対応して光学的特性が可逆的に変化する相変化型光
ディスクにおいて、例えば非晶質状態の記録層に光ビー
ムを照射して結晶化させることにより記録層を初期化す
る相変化型光ディスクの初期化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
特公平6−85234号公報に記載されたものが知られ
ている。この公報に記載されたものは、記録トラック上
の記録層に対して複数の光ビームを照射しており、長軸
方向が記録トラックに対して直交するように配置した長
円形の第1の光ビームを照射し、次いで長軸方向が記録
トラックに同一方向に配置した長円形の第2の光ビーム
を照射することにより記録層を結晶化して初期化してい
る。このように、記録層に対して第1及び第2の光ビー
ムを照射することで、第1の光ビームにより記録トラッ
ク幅を確実に溶融し、第2の光ビームにより徐冷して結
晶化させて、照射された部分を均一な結晶相とし、初期
化不良を抑制している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな相変化型光ディスクの初期化装置において、相変化
型光ディスクの記録トラックの幅方向に見て記録層がよ
り均一に結晶化され、より均一な初期化を行うことが可
能な相変化型光ディスクの初期化装置を提供することを
課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らの調査研究の
結果、以下のような事実を新たに見出した。上述したよ
うな相変化型光ディスクの初期化装置において用いられ
る長円形の光ビームにより形成される光スポットの光強
度分布は、長円形の短軸方向と長軸方向とで異なる。図
5に示すように、短軸方向での光強度分布はほぼガウス
分布を示すのに対して、長軸方向での光強度分布は光強
度の大きさにバラツキがあり、ランダムな光強度分布を
示す。このため、上述した従来のものでは、第1の光ビ
ームにより第1の光スポットが形成されると、上述した
光強度のバラツキにより、記録トラックの幅方向に見
て、光スポット内で記録層温度の相対的に高い部分と相
対的に低い部分とが生じるようになる。この状態で第2
の光ビームが照射されることになるが、第2の光スポッ
トの光強度分布はほぼガウス分布となっているため、上
述した光強度のバラツキは吸収されることなく、記録層
温度の相対的に高い部分は温度が相対的に高い状態のま
まで結晶化が行われ、相対的に低い部分は相対的に温度
が低い状態のままで結晶化が行われるため、記録トラッ
クの幅方向に見て、結晶化の状態にバラツキが生じ、均
一な初期化が行えないことが判明した。
【0005】このため、請求項1においては、光ビーム
を照射する光ビーム照射手段を備え、相変化型光ディス
クの記録トラック上の記録層に光ビームを照射させて初
期化を行う相変化型光ディスクの初期化装置であって、
光ビーム照射手段は、第1の光ビームを記録層に照射
し、長軸方向が記録トラックに対して略直交する方向に
延びる長円形の第1の光スポットを形成する第1の光ビ
ーム照射手段と、第2の光ビームを記録層に照射し、相
変化型光ディスクの回転方向でみて第1の光ビームの照
射位置より前側となる位置に、長軸方向が記録トラック
に対して略直交する方向に延びる長円形の第2の光スポ
ットを形成する第2の光ビーム照射手段とを有している
ことを特徴としている。
【0006】請求項1に記載の相変化型光ディスクの初
期化装置によれば、第1の光ビーム照射手段により長軸
方向が記録トラックに対して略直交する方向に延びる長
円形の第1の光スポットを形成され、上述した光強度の
バラツキにより、記録トラックの幅方向に見て、光スポ
ット内で記録層温度の相対的に高い部分と相対的に低い
部分とが生じる。この状態で、第2の光ビーム照射手段
により第2の光ビームが記録層に照射されることになる
が、第2の光ビーム照射手段により形成される第2の光
スポットの光強度分布も、上述した光強度のバラツキを
有したランダムな分布を有していることから、光強度の
強い部分と弱い部分とが相殺されて、第2の光スポット
により上述した第1の光スポットの光強度のバラツキは
吸収されることになる。これにより、記録トラックの幅
方向に見て、記録層温度がほぼ均一の状態で結晶化が行
われ、結晶化の状態にバラツキを抑制し、均一な初期化
を行うことが可能となる。また、第1及び第2の光スポ
ットが、長軸方向が記録トラックに対して略直交する方
向に延びる長円形とされるので、初期化時間を短縮する
ことが可能となる。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、光ビーム照射手段は、第3の光ビーム
を記録層に照射し、相変化型光ディスクの回転方向でみ
て第1の光ビームの照射位置より後側となる位置に、長
軸方向が記録トラックに対して略直交する方向に延びる
長円形の第3の光スポットを形成する第3の光ビーム照
射手段を更に有していることを特徴としている。この場
合は、第3の光スポットにより上述した第1及び第2の
光スポットの光強度のバラツキがより吸収されることに
なる。これにより、記録トラックの幅方向に見て、記録
層温度がより均一化された状態で結晶化が行われ、結晶
化の状態にバラツキを抑制し、より均一な初期化を行う
ことが可能となる。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、第2の光ビーム照射手段により照射さ
れた第2の光ビームが相変化型光ディスクで反射した反
射光を検出し、反射光に基づいて、第1の光ビーム及び
第2の光ビームの記録層上での合焦状態を調節する光ビ
ーム合焦状態調節手段を更に有していることを特徴とし
ている。この場合には、記録層を初期化するための光ビ
ーム(第2の光ビーム)の相変化型光ディスクでの反射
光に基づいて、第1の光ビーム及び第2の光ビームの記
録層上での合焦状態を調節しているので、フォーカスサ
ーボ制御のための参照用光ビームを別途照射するための
レーザ装置及び光学系は不要となり、装置全体での構造
の複雑化及び高コスト化を抑制した上で、記録層に対し
て複数の光ビームを照射して記録層を初期化する際のフ
ォーカスサーボ制御を行うことが可能となる。また、相
変化型光ディスクの回転方向でみて、第1の光ビームの
照射位置より前側となる位置に照射される第2の光ビー
ムの反射光に基づいて、各光ビームの記録層上での合焦
状態を調節しているので、フォーカスサーボ制御を安定
して行うことが可能となる。単一の光ビームにて記録層
を初期化しつつフォーカスサーボ制御を行う場合、記録
層の温度が急変して非晶質状態から結晶状態に急激に変
化するため、記録層の反射率も急激に変化し、フォーカ
スサーボ制御が不安定になる。第1の光ビームの反射光
に基づいてフォーカスサーボ制御を行った場合も、同様
に記録層が非晶質状態から結晶状態に急激に変化するお
それがあり、フォーカスサーボ制御が不安定になる可能
性が高い。しかしながら、第2の光ビームの反射光に基
づいてフォーカスサーボ制御を行った場合には、第2の
光ビームが照射されている段階では、第1の光ビームに
よって記録層の大部分は既に溶融しており、第2のビー
ムが照射される段階では記録層の反射率の変化は殆ど発
生しない。また、記録層の反射率そのものも非晶質状態
より上昇する。従って、相変化型光ディスクからの反射
光も安定的に増大し、フォーカスサーボ制御を安定して
行うことが可能となる。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、第1の光ビーム照射手段は、第1の光
ビームを出射する第1の光ビーム出射手段を有し、第2
の光ビーム照射手段は、第2の光ビームを出射する第2
の光ビーム出射手段を有し、光ビーム合焦状態調節手段
は、その光軸が相変化型光ディスクに対して略直交する
ように設けられ、第1の光ビーム出射手段から出射され
る第1の光ビーム及び第2の光ビーム出射手段から出射
される第2の光ビームが入射される対物レンズと、対物
レンズをその光軸方向に移動させるフォーカスサーボ用
アクチュエータとを有し、第1の光ビーム出射手段から
出射される第1の光ビームは、第1の光ビームの照射位
置が相変化型光ディスクの回転方向に見て対物レンズの
光軸が交わる位置より後側となるように、対物レンズの
光軸に対して所定の入射角度を有して入射され、第2の
光ビーム出射手段から出射される第2の光ビームは、第
2の光ビームの照射位置が相変化型光ディスクの回転方
向に見て対物レンズの光軸が交わる位置より前側となる
ように、対物レンズの光軸に対して所定の入射角度を有
して入射されることを特徴としている。この場合には、
第1の光ビームの照射により加熱され、記録層(記録ト
ラック)の大部分を溶融し、次いで、第2の光ビームの
照射により、確実に溶融させ、この後第2の光ビームか
ら遠ざかるに連れて徐冷されることにより確実に初期化
を行うことができる光学系を、第1の光ビームと第2の
光ビームとを対物レンズの光軸に対して傾斜させるとい
う簡単な構成にて実現することが可能となる。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、第1の光ビーム出射手段から出射され
る第1の光ビームの対物レンズへの入射角度を変更する
ことにより、第1の光スポットと第2の光スポットとの
記録トラック方向での間隔を変更する光スポット間隔変
更手段が更に設けられていることを特徴としている。こ
の場合には、第2の光ビームの反射光に基づいて行われ
るフォーカスサーボ制御に対して悪影響を及ぼすことな
く、第1の光スポットと第2の光スポットとの記録トラ
ック方向での間隔を変更することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。なお、図面の説明において同一の要素に
は同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
【0012】(第1実施形態)図1は、本発明による相
変化型光ディスクの初期化装置の第1実施形態を示す、
光学系の概略構成図である。図1に示すように、初期化
装置1には、第1の光ビームaを出射する第1の半導体
レーザ2と、第1の半導体レーザ2から出射された第1
の光ビームaを平行光線に変換するコリメートレンズ3
と、平行光線に変換された第1の光ビームaの偏波面を
90°回転させる1/2波長板7と、第1の光ビームa
を反射させるミラープリズム4,9とが設けられてい
る。また、第2の光ビームbを出射する第2の半導体レ
ーザ5と、第2の半導体レーザ5から出射された第2の
光ビームbを平行光線に変換するコリメートレンズ6
と、第2の光ビームbを反射させるミラープリズム8と
が設けられている。
【0013】また、初期化装置1には、ミラープリズム
8にて反射された第2の光ビームbを反射させ、ミラー
プリズム9にて反射された第1の光ビームaを透過させ
る第1の偏光ビームスプリッタ10と、第1の偏光ビー
ムスプリッタ10を通過した第1の光ビームa及び第2
の光ビームbを反射させるミラープリズム11と、第1
の光ビームa及び第2の光ビームbの偏波面を、互いに
直交する直線偏光から偏波面の回転方向が互いに逆とな
る円偏光に変換させる1/4波長板12と、第1の光ビ
ームa及び第2の光ビームbを初期化すべき相変化型光
ディスクDの記録トラックT上の記録層に集光させる対
物レンズ13とが設けられている。相変化型光ディスク
Dは、光ディスクDを所定の回転速度で回転自在に固定
支持するディスク支持機構14に固定支持される。
【0014】対物レンズ13は、その光軸13aが相変
化型光ディスクDに対して略直交するように設けられて
いる。対物レンズ13に対しては、第1の光ビームa及
び第2の光ビームbを記録層上で所定の大きさに焦合さ
せるために、対物レンズ13をその光軸13a方向に移
動させるフォーカスサーボ用アクチュエータ15が設け
られている。
【0015】第1の偏光ビームスプリッタ10とミラー
プリズム11との間の光路上には、非偏光ビームスプリ
ッタ16が設けられている。非偏光ビームスプリッタ1
6は、第1の偏光ビームスプリッタ10を通過した第1
の半導体レーザ2から出射された第1の光ビームa及び
第2の半導体レーザ5から出射された第2の光ビームb
の大部分を透過させ、相変化型光ディスクDにて反射し
た第1の光ビーム(反射光ビーム)aの一部及び第2の
光ビーム(反射光ビーム)bの一部を反射させる。ま
た、非偏光ビームスプリッタ16にて反射された第1の
光ビーム(反射光ビーム)aを反射させ、第2の光ビー
ム(反射光ビーム)bを透過させる第2の偏光ビームス
プリッタ17と、第2の偏光ビームスプリッタ17を透
過した第2の光ビーム(反射光ビーム)bを集光させる
集光レンズ18と、シリンドリカルレンズ19と、シリ
ンドリカルレンズ19を通過した第2の光ビーム(反射
光ビーム)bを受光する光検出器20とが設けられてい
る。
【0016】初期化装置1には、フォーカスサーボ用ア
クチュエータ15を制御することにより、対物レンズ1
3のフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ回路
21が設けられている。フォーカスサーボ回路21に
は、光検出器20からの出力信号が入力される。フォー
カスサーボ回路21では、入力された光検出器20から
の出力信号に基づきフォーカス誤差を算出し、このフォ
ーカス誤差が0に収斂するように、フォーカスサーボ用
アクチュエータ15に対して出力信号を出力する。光検
出器20は、「田」の字状に配列された4つの受光領域
を有しており、フォーカスサーボ回路21によるフォー
カス誤差を算出は、これらの受光領域の対角同士の出力
の和が取られ、そらに得られた2つの出力の和について
の差が取られることによって、いわゆる非点収差検出方
式により行われる。更に、初期化装置1には、初期化さ
れる相変化型光ディスクDの反射率を測定するための反
射率測定手段23が設けられており、光検出器20の各
受光領域からの出力信号を合計する合算回路22からの
出力信号に基づいて、相変化型光ディスクDの反射率を
測定する。
【0017】本実施形態においては、第1の光ビームa
を対物レンズ13に入射させる光学系(第1の半導体レ
ーザ2〜コリメートレンズ3〜1/2波長板7〜ミラー
プリズム4,9〜第1の偏光ビームスプリッタ10〜ミ
ラープリズム11)は、第1の光ビームaにより形成さ
れる第1の光スポットa1の形状が、長軸方向が記録ト
ラックTに対して略直交する方向に延びる長円形とさ
れ、且つ、第1の光スポットa1の位置が、相変化型光
ディスクDの回転方向に見て、対物レンズ13の光軸1
3aが相変化型光ディスクDと交わる位置13bよりも
後側となるように、第1の光ビームaが対物レンズ13
の光軸13aに対して所定の入射角度(α)を有して入
射するように構成されている。また、第2の光ビームb
を対物レンズ13に入射させる光学系(第2の半導体レ
ーザ5〜コリメートレンズ6〜ミラープリズム8〜第1
の偏光ビームスプリッタ10〜ミラープリズム11)
は、第2の光ビームbにより形成される第2の光スポッ
トb1の形状が、長軸方向が記録トラックTに対して略
直交する方向に延びる長円形とされ、且つ、第2の光ス
ポットb1の位置が、相変化型光ディスクDの回転方向
に見て、対物レンズ13の光軸13aが相変化型光ディ
スクDと交わる位置13bよりも前側となるように、第
2の光ビームbが対物レンズ13の光軸13aに対して
所定の入射角度(β)を有して入射するように構成され
ている。第1の光ビームaが対物レンズ13の光軸13
aに対する入射角度(α)は、0°<α≦1°の範囲内
に設定される。第2の光ビームbが対物レンズ13の光
軸13aに対する入射角度も、同様に、0°<α≦1°
の範囲内に設定される。第1の光ビームa及び第2の光
ビームbの長円形への整形方法としては、レンズの特性
や配置などで調整する等、公知の任意の方法を使用する
ことができる。なお、初期化装置1には、図示はしない
が、第1の光スポットa1と第2の光スポットb1を相
変化型光ディスクDの半径方向に移動させる機構が設け
られている。
【0018】ミラープリズム4には、ミラープリズム4
の反射面の角度を変更させる反射角変更用アクチュエー
タ24が設けられ、この反射角変更用アクチュエータ2
4に対して、第1の光スポットa1と第2の光スポット
b1との間隔を変更するためにミラープリズム4の反射
面の角度を制御する光スポット間隔変更回路25が設け
られている。光スポット間隔変更回路25は、初期化さ
れる相変化型光ディスクDの記録層成分等に応じた初期
化条件(温度等)達成するための第1の光スポットa1
と第2の光スポットb1との間隔が得られるように、第
2の光スポットb1に対する第1の光スポットa1の相
対的な位置を変更するためのミラープリズム4の反射面
の角度を算出し、反射角変更用アクチュエータ24に対
して駆動信号を出力する。第1の光スポットa1と第2
の光スポットb1との間隔は、対物レンズ13の焦点距
離にも影響されるため、対物レンズ13の焦点距離も考
慮した上で、ミラープリズム4の反射面の角度が算出さ
れる。
【0019】次に、初期化装置1の動作について説明す
る。
【0020】第1の半導体レーザ2は、図示しないレー
ザドライブ回路の制御下で駆動され、光軸を含み図面に
垂直な偏波面を有する第1の光ビームaがコリメートレ
ンズ3に向けて出射される。第1の半導体レーザ2から
出射された第1の光ビームaは、コリメートレンズ3で
平行光線に変換され、1/2波長板7に入射される。こ
の1/2波長板7により、第1の光ビームaは、光軸を
含み図面に垂直な偏波面を有する光ビームから光軸を含
み図面に平行な偏波面を有する光ビームに変換される。
ミラープリズム4,9で反射されて、第1の偏光ビーム
スプリッタ10に入射される。同じく、第2の半導体レ
ーザ5は、図示しないレーザドライブ回路の制御下で駆
動され、光軸を含み図面に垂直な偏波面を有する第2の
光ビームbがコリメートレンズ6に向けて出射される。
第2の半導体レーザ5から出射された第2の光ビームb
は、コリメートレンズ6で平行光線に変換され、ミラー
プリズム8で反射されて、第1の偏光ビームスプリッタ
10に入射される。
【0021】第1の偏光ビームスプリッタ10は、s偏
光の光ビームを反射させると共に、p偏光の光ビームを
透過させる性質を有している。従って、s偏光の第2の
光ビームbは、第1の偏光ビームスプリッタ10により
反射されて、非偏光ビームスプリッタ16に入射され
る。p偏光の光ビームに変換された第1の光ビームa
は、第1の偏光ビームスプリッタ10を透過し、非偏光
ビームスプリッタ16に入射される。非偏光ビームスプ
リッタ16に入射された第1の光ビームa及び第2の光
ビームbは、非偏光ビームスプリッタ16を通過し、ミ
ラープリズム11で反射されて、1/4波長板12に入
射される。この1/4波長板12により、第1の光ビー
ムa及び第2の光ビームbは、互いに偏波面が直交する
直線偏光から、偏波面が互いに逆方向に回転する円偏光
に変換される。
【0022】1/4波長板12を通過した第1の光ビー
ムa及び第2の光ビームbは、対物レンズ13に入射さ
れる。対物レンズ13に入射した第1の光ビームa及び
第2の光ビームbは、相変化型光ディスクDの記録トラ
ックTの記録層上に集光され、図2に示されるように、
第1の光スポットa1及び第2の光スポットb1が形成
され、記録層の初期化が行われる。ここで、上述した第
1の光ビームaを対物レンズ13に入射させる光学系
は、第1の光スポットa1の形状が、長軸方向が記録ト
ラックTに対して略直交する方向に延びる長円形とさ
れ、且つ、第1の光スポットa1の位置が、相変化型光
ディスクDの回転方向に見て、対物レンズ13の光軸1
3aが相変化型光ディスクDと交わる位置13bよりも
後側となるように、第1の光ビームaが対物レンズ13
の光軸13aに対して所定の入射角度(α)を有して入
射するように構成されており、上述した第2の光ビーム
bを対物レンズ13に入射させる光学系は、第2の光ス
ポットb1の形状が、長軸方向が記録トラックTに対し
て略直交する方向に延びる長円形とされ、且つ、第2の
光スポットb1の位置が、相変化型光ディスクDの回転
方向に見て、対物レンズ13の光軸13aが相変化型光
ディスクDと交わる位置13bよりも前側となるよう
に、第1の光ビームaが対物レンズ13の光軸13aに
対して所定の入射角度(β)を有して入射するように構
成されているため、図2に示すように、長円形の第1の
光スポットa1と同じく長円形の光スポットが記録トラ
ックTの方向(相変化型光ディスクDの回転方向)に所
定間隔を有して形成される。
【0023】従って、記録層の初期化は、長軸方向が記
録トラックTに対して直交するように配置した長円形の
第1の光ビームaが照射され、次いで長軸方向が記録ト
ラックTに対して直交するように配置した長円形の第2
の光ビームbが照射されることにより行われる。詳細に
は、記録層に対して第1及び第2の光ビームa,bを順
次照射することで、記録トラックT(記録層)は第1の
光ビームの照射により加熱され、記録トラックT(記録
層)の大部分が溶融し、次いで、第2の光ビームの照射
により、記録トラックT(記録層)が確実に溶融され
る。この後、第2の光ビームから遠ざかるに連れて、記
録トラックT(記録層)が徐冷され、初期化されること
になる。
【0024】相変化型光ディスクDで反射した第1の光
ビーム(反射光ビーム)a及び第2の光ビーム(反射光
ビーム)bは、対物レンズ13で平行光線に変換され、
1/4波長板12に入射される。この1/4波長板12
により、第1の光ビーム(反射光ビーム)a及び第2の
光ビーム(反射光ビーム)bは、偏波面が互いに逆方向
に回転する円偏光から、入射時と直交し且つ互いに直交
した偏波面を有する直線偏光に変換される。1/4波長
板12を通過した第1の光ビーム(反射光ビーム)aは
光軸を含み図面に垂直な偏波面を有する直線偏光に変換
され、第2の光ビーム(反射光ビーム)bは光軸を含み
図面に平行な偏波面を有する直線偏光に変換される。1
/4波長板12を通過した第1の光ビーム(反射光ビー
ム)a及び第2の光ビーム(反射光ビーム)bは、ミラ
ープリズム11で反射して、非偏光ビームスプリッタ1
6に入射される。非偏光ビームスプリッタ16に入射さ
れた第1の光ビーム(反射光ビーム)a及び第2の光ビ
ーム(反射光ビーム)bは、非偏光ビームスプリッタ1
6で一部が反射されて、第2の偏光ビームスプリッタ1
7に入射される。
【0025】第2の偏光ビームスプリッタ17は、p偏
光の光ビームを透過させると共に、s偏光の光ビームを
反射させる性質を有している。従って、p偏光の光ビー
ムに変換された第2の光ビーム(反射光ビーム)bは、
第2の偏光ビームスプリッタ17を透過し、集光レンズ
18に入射される。s偏光の第1の光ビーム(反射光ビ
ーム)aは、第2の偏光ビームスプリッタ17により反
射され、集光レンズ18に入射されることはない。集光
レンズ18に入射された第2の光ビーム(反射光ビー
ム)bは、集光レンズ18で集光されて、シリンドリカ
ルレンズ19に入射される。シリンドリカルレンズ19
を通過した第2の光ビーム(反射光ビーム)bは、光検
出器20に入射される。光検出器20は、「田」の字状
に配列された4つの受光領域にて受光した第2の光ビー
ム(反射光ビーム)bの光強度に関する信号をフォーカ
スサーボ回路21に出力する。フォーカスサーボ回路2
1は、入力された第2の光ビーム(反射光ビーム)bの
光強度に関する信号に基づいて、上述した非点収差検出
方式によりフォーカス誤差を算出し、フォーカスサーボ
用アクチュエータ15を制御するための制御信号をフォ
ーカスサーボ用アクチュエータ15に出力する。光検出
器20からの第2の光ビーム(反射光ビーム)bの光強
度に関する信号は、合算回路22にも入力される。合算
回路22では、「田」の字状に配列された4つの受光領
域にて受光した第2の光ビーム(反射光ビーム)bの光
強度に関する信号を合算し、合算結果を示す信号を反射
率測定手段23に出力する。反射率測定手段23では、
合算回路22から入力された信号に基づいて、相変化型
光ディスクDの反射率を測定する。
【0026】また、上述したように光スポット間隔変更
回路25は、初期化される相変化型光ディスクDの記録
層成分等に応じた初期化条件(温度等)を達成するため
の第1の光スポットa1と第2の光スポットb1との間
隔が得られるように、第1の光スポットa1の位置を変
更するためのミラープリズム4の反射面の角度を算出
し、反射角変更用アクチュエータ24に対して駆動信号
を出力する。反射角変更用アクチュエータ24の作動に
より、ミラープリズム4の反射面の角度が変更され、対
物レンズ13への第1の光ビームaの入射角度が変更さ
れることにより、第1の光スポットa1の位置が移動す
ることになる。
【0027】上述した本実施形態の初期化装置1による
と、第1の光ビームaを対物レンズ13に入射させる光
学系(第1の半導体レーザ2〜コリメートレンズ3〜1
/2波長板7〜ミラープリズム4,9〜第1の偏光ビー
ムスプリッタ10〜ミラープリズム11)により、長軸
方向が記録トラックTに対して略直交する方向に延びる
長円形の第1の光スポットa1が形成され、第1の光ス
ポットa1の長軸方向での光強度分布のバラツキによ
り、記録トラックTの幅方向に見て、第1の光スポット
a1内で記録層温度の相対的に高い部分と相対的に低い
部分とが生じる。この状態で、第2の光ビームbを対物
レンズ13に入射させる光学系(第2の半導体レーザ5
〜コリメートレンズ6〜ミラープリズム8〜第1の偏光
ビームスプリッタ10〜ミラープリズム11)により、
第2の光ビームbが記録層に照射され、長軸方向が記録
トラックTに対して略直交する方向に延びる長円形の第
2の光スポットb1が形成されることになるが、第2の
光スポットb1の光強度分布も、長軸方向にバラツキを
有したランダムな特性を有していることから、第2の光
ビームb(第2の光スポットb1)が記録層に照射され
ることにより、光強度の強い部分と弱い部分とが相殺、
平均化されて、第2の光スポットb1により第1の光ス
ポットa1の光強度のバラツキは吸収されることにな
る。これにより、記録トラックTの幅方向に見て、記録
層温度がほぼ均一の状態で結晶化が行われ、結晶化の状
態にバラツキを抑制し、均一な初期化を行うことが可能
となる。
【0028】また、第1及び第2の光スポットa1,b
1が、長軸方向が記録トラックTに対して略直交する方
向に延びる長円形とされるので、初期化時間を短縮する
ことが可能となる。
【0029】更に、記録トラックTの記録層を初期化す
るための第2の光ビームbの相変化型光ディスクDでの
反射光に基づいて、第1の光ビームa及び第2の光ビー
ムbの記録層上での合焦状態を調節しているので、フォ
ーカスサーボ制御のための参照用光ビームを別途照射す
るためのレーザ装置及び光学系は不要となり、装置全体
での構造の複雑化及び高コスト化を抑制した上で、記録
層に対して複数の光ビームを照射して記録層を初期化す
る際のフォーカスサーボ制御を行うことが可能となる。
また、相変化型光ディスクDの回転方向でみて、第1の
光ビームa(第1の光スポットa1)の照射位置より前
側となる位置に照射される第2の光ビームbの反射光に
基づいて、第1の光ビームa及び第2の光ビームbの記
録層上での合焦状態を調節しているので、フォーカスサ
ーボ制御を安定して行うことが可能となる。単一の光ビ
ームにて記録層を初期化しつつフォーカスサーボ制御を
行う場合、記録層の温度が急変して非晶質状態から結晶
状態に急激に変化するため、記録層の反射率も急激に変
化し、フォーカスサーボ制御が不安定になる。第1の光
ビームaの反射光に基づいてフォーカスサーボ制御を行
った場合も、同様に記録層が非晶質状態から結晶状態に
急激に変化するおそれがあり、フォーカスサーボ制御が
不安定になる可能性が高い。しかしながら、第2の光ビ
ームbの反射光に基づいてフォーカスサーボ制御を行っ
た場合には、第2の光ビームbが照射されている段階で
は、第1の光ビームaによって記録トラックT(記録
層)の大部分は既に溶融しており、第2のビームbが照
射される段階では記録トラックT(記録層)の反射率の
変化は殆ど発生しない。また、記録トラックT(記録
層)の反射率そのものも非晶質状態より上昇する。従っ
て、相変化型光ディスクDからの反射光も安定的に増大
し、フォーカスサーボ制御を安定して行うことが可能と
なる。
【0030】更に、上述したフォーカスサーボ制御の場
合と同様に、反射率測定を安定して行うことが可能とな
る。第2の光ビームbの反射光に基づいて反射率測定を
行った場合には、第2の光ビームbが照射されている段
階では、第1の光ビームaによって記録トラックT(記
録層)の大部分は既に溶融しており、第2のビームbが
照射される段階では記録トラックT(記録層)の反射率
の変化は殆ど発生しない。また、記録トラックT(記録
層)の反射率そのものも非晶質状態より上昇する。従っ
て、単一の光ビームを照射してその反射光に基づいて、
あるいは、第1の光ビームaの反射光に基づいて反射率
測定を行うものに比して、相変化型光ディスクDからの
反射光も安定的に増大するためである。
【0031】更に、第1の光ビームaの照射により加熱
され、記録トラックT(記録層)の大部分を溶融し、次
いで、第2の光ビームbの照射により、記録トラックT
(記録層)を確実に溶融させ、この後第2の光ビームか
ら遠ざかるに連れて徐冷されることにより確実に記録ト
ラックT(記録層)の初期化を行うことができる光学系
を、第1の光ビームaが対物レンズ13の光軸13aに
対して所定の入射角度(α)を有して入射させると共に
第2の光ビームbが対物レンズ13の光軸13aに対し
て所定の入射角度(β)を有して入射させるという簡単
な構成にて実現することが可能となる。
【0032】更に、第1の光スポットa1と第2の光ス
ポットb1との間隔の調整は、反射角変更用アクチュエ
ータ24及び光スポット間隔変更回路25により、第1
の半導体レーザ2から出射された第1の光ビームaを反
射させるミラープリズム4の反射面の角度を変更するこ
とで行われるため、第2の光ビームbの反射光の光強度
に基づいて対物レンズ13のフォーカスサーボ用アクチ
ュエータ15を制御するフォーカスサーボ制御に対して
悪影響を及ぼすことなく、第1の光スポットa1と第2
の光スポットb1との記録トラックT方向での間隔を変
更することが可能となる。
【0033】(第2実施形態)図3は、本発明による相
変化型光ディスクの初期化装置の第2実施形態を示す、
光学系の概略構成図である。第1実施形態における初期
化装置1と第2実施形態における初期化装置101と
は、第3の光スポットを形成する光学系に関して相違す
る。
【0034】初期化装置101には、更に、第3の光ビ
ームcを出射する第3の半導体レーザ31と、第3の半
導体レーザ31から出射された第3の光ビームcを平行
光線に変換するコリメートレンズ32と、平行光線に変
換された代3の光ビームcの偏波面を90°回転させる
1/2波長板36と、第3の光ビームcを反射させるミ
ラープリズム33とが設けられている。第3の光ビーム
cを対物レンズ13に入射させる光学系(第3の半導体
レーザ31〜コリメートレンズ32〜1/2波長板36
〜ミラープリズム33,9〜第1の偏光ビームスプリッ
タ10〜ミラープリズム11)は、第3の光ビームcに
より形成される第3の光スポットc1の形状が、長軸方
向が記録トラックTに対して略直交する方向に延びる長
円形とされ、且つ、第3の光スポットc1の位置が、相
変化型光ディスクDの回転方向に見て、第1の光スポッ
トa1の位置よりも前側となるように、第3の光ビーム
cが対物レンズ13の光軸13aに対して所定の入射角
度(γ)を有して入射するように構成されている。第3
の光ビームcが対物レンズ13の光軸13aに対する入
射角度(γ)は、0°<γ≦1°の範囲内で且つγ>α
に設定される。第3の光ビームcの長円形への整形方法
としては、第1の光ビームa及び第2の光ビームbと同
様に、レンズの特性や配置などで調整する等、公知の任
意の方法を使用することができる。
【0035】また、ミラープリズム4,33には、ミラ
ープリズム4,33の反射面の角度を変更させる反射角
変更用アクチュエータ34が設けられ、この反射角変更
用アクチュエータ34に対して、第1の光スポットa1
と第2の光スポットb1との間隔及び第2の光スポット
b1(第1の光スポットa1)と第3の光スポットc1
との間隔を変更するためにミラープリズム4,33の反
射面の角度を制御する光スポット間隔変更回路35が設
けられている。光スポット間隔変更回路35は、初期化
される相変化型光ディスクDの記録層成分等に応じた初
期化条件(温度等)を達成するための第1の光スポット
a1と第2の光スポットb1との間隔及び第2の光スポ
ットb1(第1の光スポットa1)と第3の光スポット
c1との間隔が得られるように、第1の光スポットa1
の位置あるいは第3の光スポットc1の位置を変更する
ためのミラープリズム4,33の反射面の角度を算出
し、反射角変更用アクチュエータ34に対して駆動信号
を出力する。第1の光スポットa1と第2の光スポット
b1との間隔及び第2の光スポットb1(第1の光スポ
ットa1)と第3の光スポットc1との間隔は、対物レ
ンズ13の焦点距離にも影響されるため、対物レンズ1
3の焦点距離も考慮した上で、ミラープリズム4,33
の反射面の角度が算出される。
【0036】次に、初期化装置101の動作について説
明する。
【0037】第1の光ビームa及び第2の光ビームbに
ついては、上述した第1実施形態と同様な光学系を有し
ており、図4に示すように、記録トラックTの記録層上
に第1の光スポットa1及び第2の光スポットb1を形
成する。
【0038】第3の半導体レーザ31は、図示しないレ
ーザドライブ回路の制御下で駆動され、光軸を含み図面
に垂直な偏波面を有する第3の光ビームcがコリメート
レンズ32に向けて出射される。第3の半導体レーザ3
1から出射された第3の光ビームcは、コリメートレン
ズ32で平行光線に変換され、1/2波長板36に入射
される。この1/2波長板36により、第3の光ビーム
cは光軸を含み図面に垂直な偏波面から光軸を含み図面
に平行な偏波面を有する光ビームに変換される。1/2
波長板36を透過した第3の光ビームcは、ミラープリ
ズム33,9で反射されて、第1の偏光ビームスプリッ
タ10に入射される。第1の偏光ビームスプリッタ10
は、s偏光の光ビームを反射させると共に、p偏光の光
ビームを透過させる性質を有しているので、p偏光の第
3の光ビームcは、第1の偏光ビームスプリッタ10を
透過し、非偏光ビームスプリッタ16に入射される。非
偏光ビームスプリッタ16に入射された第3の光ビーム
cの大部分は、非偏光ビームスプリッタ16を通過し、
ミラープリズム11で反射されて、1/4波長板12に
入射される。この1/4波長板12により、第3の光ビ
ームcは、第1の光ビームaと同じ位相差を有する円偏
光に変換される。1/4波長板12を通過した第3の光
ビームcは、対物レンズ13に入射される。対物レンズ
13に入射した第3の光ビームcは、相変化型光ディス
クDの記録トラックTの記録層上に集光され、図4に示
されるように、第3の光スポットc1が形成される。こ
こで、上述した第3の光ビームcを対物レンズ13に入
射させる光学系は、第3の光スポットc1の形状が、長
軸方向が記録トラックTに対して略直交する方向に延び
る長円形とされ、且つ、第3の光スポットc1の位置
が、相変化型光ディスクDの回転方向に見て、第1の光
スポットa1の位置よりも前側となるように、第3の光
ビームcが対物レンズ13の光軸13aに対して所定の
入射角度(γ)を有して入射するように構成されてお
り、図4に示すように、第3の光スポットc1、第1の
光スポットa1、第2の光スポットb1の順に、3つの
光スポットが互いに記録トラックTの方向(相変化型光
ディスクDの回転方向)に所定間隔を有した状態で、直
列に形成される。
【0039】従って、記録層の初期化は、長軸方向が記
録トラックTに対して直交するように配置した長円形の
第3の光ビームcが照射され、次いで長軸方向が記録ト
ラックTに対して直交するように配置した長円形の第1
の光ビームaが照射され、最後に長軸方向が記録トラッ
クTに対して直交するように配置した長円形の第2の光
ビームbが照射されることにより行われる。
【0040】相変化型光ディスクDで反射した第3の光
ビーム(反射光ビーム)cは、対物レンズ13で平行光
線に変換され、1/4波長板12に入射される。この1
/4波長板12により、第3の光ビーム(反射光ビー
ム)cは円偏光から、入射時と直交し且つ光軸を含み図
面に垂直な偏波面を有する直線偏光に変換される。1/
4波長板12を通過した第3の光ビーム(反射光ビー
ム)cは、ミラープリズム11で反射して、非偏光ビー
ムスプリッタ16に入射される。非偏光ビームスプリッ
タ16に入射された第3の光ビーム(反射光ビーム)c
は、非偏光ビームスプリッタ16で一部が反射されて、
第2の偏光ビームスプリッタ17に入射される。第2の
偏光ビームスプリッタ17は、p偏光の光ビームを透過
させると共に、s偏光の光ビームを反射させる性質を有
しているので、s偏光として入射する第3の光ビーム
(反射光ビーム)cは、第2の偏光ビームスプリッタ1
7により反射され、集光レンズ18に入射されることは
ない。従って、フォーカスサーボ制御及び反射率測定
は、第1の実施形態と同様に、第2の光ビーム(反射光
ビーム)bに基づいて行われる。
【0041】また、光スポット間隔変更回路35は、初
期化される相変化型光ディスクDの記録層成分等に応じ
た初期化条件(温度等)を達成するための第1の光スポ
ットa1と第2の光スポットb1との間隔及び第2の光
スポットb1(第1の光スポットa1)と第3の光スポ
ットc1との間隔が得られるように、第1の光スポット
a1の位置あるいは第3の光スポットc1の位置を変更
するためのミラープリズム4,33の反射面の角度を算
出し、反射角変更用アクチュエータ34に対して駆動信
号を出力する。反射角変更用アクチュエータ34の作動
により、ミラープリズム4,33の反射面の角度が変更
され、対物レンズ13への第1の光ビームaあるいは第
3の光ビームcの入射角度が変更されることにより、第
1の光スポットa1あるいは第3の光スポットc1の位
置が移動することになる。
【0042】上述した第2実施形態の初期化装置101
によれば、第1実施形態の初期化装置1と同じ作用効果
を奏することはもちろんのこと、第3の光ビームcを対
物レンズ13に入射させる光学系(第3の半導体レーザ
31〜コリメートレンズ32〜1/2波長板36〜ミラ
ープリズム33,9〜第1の偏光ビームスプリッタ10
〜ミラープリズム11)により、長軸方向が記録トラッ
クTに対して略直交する方向に延びる長円形の第3の光
スポットc1が更に形成されるので、第1、第2及び第
3の光スポットa1,b1,c1の長軸方向での光強度
分布のバラツキがより吸収されることになる。すなわ
ち、第1、第2及び第3の光スポットa1,b1,c1
の3つの光スポット(光ビーム)により、光強度の強い
部分と弱い部分とがより相殺、平均化されて、記録トラ
ックの幅方向に見て、記録層温度がより均一化された状
態で結晶化が行われ、結晶化の状態にバラツキを抑制
し、より均一な初期化を行うことが可能となる。
【0043】また、第3の光ビームcが対物レンズ13
の光軸13aに対する入射角度(γ)は、0°<γ≦1
°の範囲内に設定されているので、第1の光ビームa及
び第2の光ビームbの場合と同様に、第3の光ビームc
記録トラックTの記録層上に確実に照合させて、第3の
光スポットc1を形成させることができ、より確実な初
期化を行うことが可能となる。
【0044】更に、第1の光ビームaを対物レンズ13
に入射させる光学系(第1の半導体レーザ2〜コリメー
トレンズ3〜1/2波長板7〜ミラープリズム4,9〜
第1の偏光ビームスプリッタ10〜ミラープリズム1
1)と、第2の光ビームbを対物レンズ13に入射させ
る光学系(第2の半導体レーザ5〜コリメートレンズ6
〜ミラープリズム8〜第1の偏光ビームスプリッタ10
〜ミラープリズム11)と、第3の光ビームcを対物レ
ンズ13に入射させる光学系(第3の半導体レーザ31
〜コリメートレンズ32〜1/2波長板36〜ミラープ
リズム33,9〜第1の偏光ビームスプリッタ10〜ミ
ラープリズム11)との3つの光学系を設けたにも拘わ
らず、第1の光ビームa、第2の光ビームb及び第3の
光ビームcの相変化型光ディスクDの記録トラックTの
記録層上での合焦状態の調整を、1つの対物レンズ13
をフォーカスサーボ用アクチュエータ15により移動さ
せることで行うため、相変化型光ディスクDの初期化装
置全体での構造の複雑化及び高コスト化を更に抑制する
ことが可能となる。
【0045】第1及び第2実施形態においては、1つの
対物レンズ13に対して複数の半導体レーザ2,5,3
1からの光ビームが入射されるように構成されている
が、各半導体レーザ2,5,31に対応して複数の対物
レンズを設ける等、各光ビームを相変化型光ディスクD
の記録トラックTに照射する光学系を独立させて構成し
ても良い。また、4つ以上の半導体レーザを設けて、4
つ以上の光スポットを形成するように光学系を構成して
も良い。
【0046】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、相変化型光ディスクの記録トラックの幅方向に
見て記録層が均一に結晶化され、より均一な初期化を行
うことが可能な相変化型光ディスクの初期化装置を提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による相変化型光ディスクの初期化装置
の第1実施形態を示す、光学系の概略構成図である。
【図2】本発明による相変化型光ディスクの初期化装置
の第1実施形態における、光スポット形状と記録トラッ
クとの関係を示す図である。
【図3】本発明による相変化型光ディスクの初期化装置
の第2実施形態を示す、光学系の概略構成図である。
【図4】本発明による相変化型光ディスクの初期化装置
の第2実施形態における、光スポット形状と記録トラッ
クとの関係を示す図である。
【図5】長円形の光スポットにおける光強度分布を示す
特性図である。
【符号の説明】
1,101…初期化装置、2…第1の半導体レーザ、
3,6,32…コリメートレンズ、4,8,9,11,
33…ミラープリズム、5…第2の半導体レーザ、7,
36…1/2波長板、10…第1の偏光ビームスプリッ
タ、12…1/4波長板、13…対物レンズ、13a…
対物レンズの光軸、14…ディスク支持機構、15…フ
ォーカスサーボ用アクチュエータ、16…非偏光ビーム
スプリッタ、17…第2の偏光ビームスプリッタ、18
…集光レンズ、19…シリンドリカルレンズ、20…光
検出器、21…フォーカスサーボ回路、22…合算回
路、23…反射率測定手段、24,34…反射角変更用
アクチュエータ、25、35…光スポット間隔変更回
路、31…第3の半導体レーザ、D…相変化型光ディス
ク、T…記録トラック、a…第1の光ビーム、a1…第
1の光スポット、b…第2の光ビーム、b1…第2の光
スポット、c…第3の光ビーム、c1…第3の光スポッ
ト。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを照射する光ビーム照射手段を
    備え、 相変化型光ディスクの記録トラック上の記録層に前記光
    ビームを照射させて初期化を行う相変化型光ディスクの
    初期化装置であって、 前記光ビーム照射手段は、 第1の光ビームを前記記録層に照射し、長軸方向が前記
    記録トラックに対して略直交する方向に延びる長円形の
    第1の光スポットを形成する第1の光ビーム照射手段
    と、 第2の光ビームを記録層に照射し、前記相変化型光ディ
    スクの回転方向でみて前記第1の光ビームの照射位置よ
    り前側となる位置に、長軸方向が前記記録トラックに対
    して略直交する方向に延びる長円形の第2の光スポット
    を形成する第2の光ビーム照射手段とを有していること
    を特徴とする相変化型光ディスクの初期化装置。
  2. 【請求項2】 前記光ビーム照射手段は、 第3の光ビームを記録層に照射し、前記相変化型光ディ
    スクの回転方向でみて前記第1の光ビームの照射位置よ
    り後側となる位置に、長軸方向が前記記録トラックに対
    して略直交する方向に延びる長円形の第3の光スポット
    を形成する第3の光ビーム照射手段を更に有しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の相変化型光ディスクの
    初期化装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の光ビーム照射手段により照射
    された前記第2の光ビームが前記相変化型光ディスクで
    反射した反射光を検出し、前記反射光に基づいて、前記
    第1の光ビーム及び前記第2の光ビームの前記記録層上
    での合焦状態を調節する光ビーム合焦状態調節手段を更
    に有していることを特徴とする請求項1に記載の相変化
    型光ディスクの初期化装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の光ビーム照射手段は、前記第
    1の光ビームを出射する第1の光ビーム出射手段を有
    し、 前記第2の光ビーム照射手段は、前記第2の光ビームを
    出射する第2の光ビーム出射手段を有し、 前記光ビーム合焦状態調節手段は、 その光軸が前記相変化型光ディスクに対して略直交する
    ように設けられ、前記第1の光ビーム出射手段から出射
    された前記第1の光ビーム及び前記第2の光ビーム出射
    手段から出射された前記第2の光ビームが入射される対
    物レンズと、 前記対物レンズをその光軸方向に移動させるフォーカス
    サーボ用アクチュエータとを有し、 前記第1の光ビーム出射手段から出射された前記第1の
    光ビームは、前記第1の光ビームの照射位置が前記相変
    化型光ディスクの回転方向に見て前記対物レンズの光軸
    が交わる位置より後側となるように、前記対物レンズの
    光軸に対して所定の入射角度を有して入射され、 前記第2の光ビーム出射手段から出射された前記第2の
    光ビームは、前記第2の光ビームの照射位置が前記相変
    化型光ディスクの回転方向に見て前記対物レンズの光軸
    が交わる位置より前側となるように、前記対物レンズの
    光軸に対して所定の入射角度を有して入射されることを
    特徴とする請求項3に記載の相変化型光ディスクの初期
    化装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の光ビーム出射手段から出射さ
    れた前記第1の光ビームの前記対物レンズへの前記入射
    角度を変更することにより、前記第1の光スポットと前
    記第2の光スポットとの前記記録トラック方向での間隔
    を変更する光スポット間隔変更手段が更に設けられてい
    ることを特徴とする請求項4に相変化型光ディスクの初
    期化装置。
JP11037284A 1999-02-16 1999-02-16 相変化型光ディスクの初期化装置 Pending JP2000242981A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106483672A (zh) * 2015-08-25 2017-03-08 三星显示有限公司 激光结晶装置

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