JP2000242040A - 現像装置及び画像形成方法 - Google Patents

現像装置及び画像形成方法

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JP2000242040A
JP2000242040A JP8952599A JP8952599A JP2000242040A JP 2000242040 A JP2000242040 A JP 2000242040A JP 8952599 A JP8952599 A JP 8952599A JP 8952599 A JP8952599 A JP 8952599A JP 2000242040 A JP2000242040 A JP 2000242040A
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一紀 齊木
Yasuhide Goseki
康秀 後関
Naoki Okamoto
直樹 岡本
Yuichi Mizoo
祐一 溝尾
Tadashi Michigami
正 道上
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寧子 柴山
Satoshi Matsunaga
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 異なる環境下においても安定且つ適性な電荷
を有し、画像濃度も安定し、ゴーストの発生しない高品
位の画像を得ることができる現像装置を提供する。 【解決手段】 現像剤13は結着樹脂、着色剤及びワ
ックスを少なくとも含有し、該結着樹脂が、ビニル系樹
脂、ポリエステル樹脂、及び、ビニル系重合体ユニット
とポリエステルユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分を含み、且つ、特定の複数の溶媒に選択的に溶解す
る組成と分子量を有する成分を一定量含有し、現像剤
担持体4は、基体及び該基体上に設けられた被覆層を有
し、該被覆層は、少なくとも結着樹脂と、導電性物質
と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩
化合物とを含有する樹脂組成物により形成されたもので
あり、該結着樹脂は構造中にアミノ基、=NH又は−N
H−の少なくとも1つを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法を利用した記録方法に用いられる現
像装置及び画像形成方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報に記載されている如く
多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利
用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、
次いで該静電荷像をトナーを有する現像剤を用いて現像
して現像画像(トナー画像)を形成し、必要に応じて紙
の如き転写材(記録材)にトナー画像を転写した後、加
熱,圧力,加熱加圧或いは溶剤蒸気により転写材に定着
し、トナー画像を得るものである。 【0003】上述の最終工程であるトナー画像を転写材
としてのシートに定着する工程に関して種々の方法や装
置が開発されている。現在最も一般的な方法は熱ローラ
ー又は耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着
加熱方式である。 【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー画像面を加圧下て接触しながら被定着シート
を通過せしめることによりトナー画像の定着を行なうも
のである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート
上のトナー画像とが加圧下で接触するため、トナー画像
を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好で
あり、迅速に定着を行うことができる。 【0005】加熱ローラー表面とトナー画像とが溶融状
態、加圧下で接触する為に、トナー画像の一部が定着ロ
ーラー表面に付着し転移し、次の被定着シートにこれが
再転移し、被定着シートを汚すという所謂オフセット現
象が定着速度及び定着温度の影響を大きく受ける。一般
に定着速度が遅い場合は、加熱ローラーの表面温度は比
較的低く設定され、定着速度が速い場合は、加熱ローラ
ーの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナー
を定着させる為に加熱ローラーからトナーに与える熱量
を、定着速度によらずほぼ一定にするためである。 【0006】被定着シート上のトナー画像は、何層かの
トナー層を形成している為、特に定着速度が速く、加熱
ローラーの表面温度が高い系においては、加熱ローラー
に接触するトナー層と、被定着シートに接触している最
下層のトナー層との温度差が大となる。したがって、加
熱ローラーの表面温度が高い場合には、最上層のトナー
が加熱ローラーに転移してしまう高温オフセットという
現象を起こしやすく、加熱ローラーの表面温度が低い場
合は、最下層のトナーは十分に溶けない為に、被定着シ
ートにトナーが定着せず低温オフセットという現象が起
きやすい。 【0007】この問題を解決するために、定着速度が速
い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートへトナ
ーをアンカーリングさせることが、通常行われている。
この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げること
ができ、最上トナー層の高温オフセット現象を防ぐこと
は可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が非常
に大となる為に、被定着シートが定着ローラーに巻き付
いてしまう、所謂巻き付きオフセット現象が発生した
り、定着ローラーから被定着シートを分離するために使
用する分離爪の分離あとが定着画像に出現しやすい。さ
らには、圧力が高いがゆえに、定着時にライン画像が押
しつぶされたり、トナーが飛び散ったりして定着画像の
画像劣化を生じ易い。 【0008】従来、トナー用結着樹脂としてはポリエス
テル樹脂及びスチレン系樹脂の如きビニル系共重合体が
主に使用されている。 【0009】ポリエステル樹脂は低温定着性に優れた性
能を有しているが、その反面高温でのオフセット現象を
発生しやすいという問題点を有している。この問題点を
補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて粘弾性特
性を改良する試みが行なわれてきたが、この場合には低
温定着性を損なうという問題点があり、また、トナー製
造時の粉砕性についても悪化させてしまいトナーの微粒
子化にも適さない結着樹脂となってしまう。 【0010】スチレン系樹脂の如きビニル系共重合体
は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易な
ため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着性
を向上させるために低分子量化したり、ガラス転移温度
を下げたりと耐ブロッキング性や現像性が悪化してしま
うという問題点があった。 【0011】これら2種類の樹脂の長所を有効に生か
し、欠点を補うためにこれらの樹脂を混合して使用する
方法もいくつか検討されている。 【0012】例えば、特開昭54−114245号公報
では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体を混合した
樹脂を含有するトナーが開示されている。しかしなが
ら、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体とは化学的な
構造が大きく異なるために相溶性が悪く、低温定着性、
耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性をすべて満足
するものとするのは難しい。 【0013】さらに、トナー製造時に添加される種々の
添加剤、特にワックスの均一分散が困難でありトナーの
定着性能ばかりでなく、現像性にも問題が生じやすく、
特に近年、微粒子化が進んでいるトナーにおいてはこの
問題が顕著となる。 【0014】特開昭56−116043号公報及び特開
昭58−159546号公報では、ポリエステルル樹脂
の存在下で単量体を重合して得られる重合体を含有する
ことを特徴とするトナーが開示されている。 【0015】特開昭58−102246号公報及び特開
平1−156759号公報では、不飽和ポリエステル存
在下でビニル系共重合体を重合して得られる重合体を含
有することを特徴とするトナーが開示されている。 【0016】特公平8−16796号公報では、特定の
酸価を有するポリエステル樹脂と特定の酸価と分子量を
有するスチレン系樹脂をエステル化したブロック共重合
体を含有することを特徴とするトナーが開示されてい
る。 【0017】特開平8−54753号公報では、結着樹
脂が縮重合系樹脂及びビニル系樹脂からなり、特定のク
ロロホルム不溶分及び特定の分子量範囲にピークを有す
ることを特徴とするトナーが開示されている。 【0018】上述の結着樹脂では、縮重合系樹脂と付加
重合系樹脂とは安定した相分離状態を維持することがで
きる。しかし、これらの結着樹脂を用いたトナーでは耐
高温オフセット性はある程度改善されるが、トナーの低
温定着性は未だ不十分であり、トナーにワックスが含有
される場合にはワックスの分散状態を制御することが困
難である。トナーとした場合には低温定着性ばかりでな
く、現像性においても未だ改良すべき課題を残してい
る。 【0019】特開昭62−195681号公報及び特開
昭62−195682号公報は、ビニル系樹脂をポリエ
ステル樹脂に対して、特定量含有するビニル系樹脂含有
ポリエステル樹脂よりなる電子写真用現像剤組成物に関
して記載している。 【0020】しかしながら、これらの電子写真用現像剤
組成物において用いられている結着樹脂は、ポリエステ
ル樹脂にビニル系樹脂が分散・混合されている混合物で
あり、低温定着性と耐高温オフセット性を満足すること
は困難である。 【0021】一方、複写機、プリンターともに画像の解
像度及び鮮鋭度の向上が求められている。これにはトナ
ーの小粒径化が有効である。小粒径化したトナーでは相
対的にトナーに含有される着色剤(磁性体)が多くな
り、トナーの低温定着性を維持するのは困難となり、ま
た現像性も従来以上に厳しい制約を受けることになる。 【0022】トナーの低温定着性の低下は、ハーフトー
ン部において顕著である。本発明者の検討によれば、ハ
ーフトーン部の画像を形成するトナーの載り量がベタ黒
部に比較して相対的に少ないことによるものであり、熱
ロール定着器を使用する中〜高速機及び耐熱フィルムを
介した固定発熱ヒーターによる圧着加熱定着方式を使用
する中〜低速機において顕著である。 【0023】更に、電子写真技術を利用したプリンタ
ー、複写機及びFAXの如き記録装置は、小型化、高速
化及び高耐久の要求が強まっている。その中で、一旦オ
フセットしたトナーが熱ロール定着方式での熱ロールと
対向する加圧ローラーに、或いは、圧着加熱方式での耐
熱フィルムと対向する加圧ローラーに、付着・蓄積して
いく「加圧ローラー汚れ」という現象がある。この現象
が進み、蓄積量が多くなると、紙が加圧ローラーに巻き
付き、ジャムの原因になる。他方、小型化のために、オ
フセットしたトナーを取り除くクリーニング部材をはず
して、定着器の簡素化、及び、高耐久性を実現させたい
という要求がある。したがって、上述したジャムの発生
を抑制し、且つ上述した要求の実現のために、この加圧
ローラー汚れの改良が求められる。 【0024】その一方で、グラフィック画像のさらなる
高品位化の要求も強まってきている。グラフィック画像
の品質の一つの観点とした、ベタ画像における画像濃度
の一様性がある。 【0025】このベタ画像における濃度の一様性に関し
て、一成分現像方式においては、図51に示すようにハ
ーフトーンのベタ画像をプリントした際にベタ画像上に
その直前にプリントした画像がトナー担持体の周期で現
れる「スリーブゴースト」と呼ばれる現象があり、グラ
フィック画像の品質を低下させるケースがある。そこ
で、グラフィック画像の高品位化の点で、「スリーブゴ
ースト」の改良が求められている。 【0026】一方、上述の現像装置としては、トナー粒
子相互の摩擦、トナー担持体としての現像スリーブとト
ナー粒子との摩擦、及び現像スリーブ上のトナー塗布量
を規制する部材とトナー粒子との摩擦により、トナー粒
子に正或いは負の電荷を与え、このトナーを現像スリー
ブ上に極めて薄く塗布して感光ドラムと現像スリーブと
が対向した現像領域に搬送し、現像領域においてトナー
を感光ドラム表面の静電潜像に飛翔・付着して現像し、
静電潜像をトナー像として顕像化するものが知られてい
る。 【0027】上述の方式の現像に用いられる現像剤担持
体としては、例えば金属、その合金又はその化合物を円
筒状に成型し、その表面を電解・ブラスト・ヤスリ等で
所定の表面粗度になるように処理したものが用いられ
る。しかしこの場合、規制部材によって現像剤担持体表
面に形成される現像剤層中の現像剤担持体表面近傍に存
在する現像剤は非常に高い電荷を有することとなり、担
持体表面に鏡映力により強烈に引きつけられてしまい、
これによりトナーと担持体との摩擦機会が持てなくなる
ため、現像剤は好適な電荷を持てなくなる。このような
状況下では、十分な現像及び転写は行われず、画像濃度
ムラや文字飛び散り等の多い画像となってしまう。 【0028】このような過剰な電荷を有する現像剤の発
生や現像剤の強固な付着を防止するため、樹脂中にカー
ボン、グラファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤を分
散させた被膜を上記現像剤担持体上に形成する方法が特
開平1−277256号公報、特開平3−36570号
公報等に提案されている。 【0029】しかし、近年では省エネのための現像剤の
低温定着化及び高精細画像形成のための小粒径化が望ま
れているため、このような機種においては上記方法だけ
では不十分である。例えば現像剤の低温定着化のため、
現像剤のTgをより低目に設定したり、ワックスなどの
低融点物質を多目に添加したりする傾向にあるため、本
体の昇温等に影響され、現像剤が現像剤担持体上に融着
しやすくなり、その結果画像濃度低下・白筋・ブロッチ
等が発生する。また、特開平1−112253号公報、
特開平2−284158号公報等には、高画質化、高精
細化のために粒径の小さいトナーを用いることが提案さ
れている。このような粒径の小さいトナーでは単位重量
当りの表面積が大きくなるため、表面電荷が大きくなり
やすく、所謂チャージアップ現象によりトナーが現像剤
担持体に固着し、その結果新たに現像剤担持体上に供給
された現像剤が帯電されにくくなり、現像剤の帯電量が
不均一となりやすく、画像上にスリーブゴーストが発生
しやすくベタやハーフトーンなどの画像がスジ状画像、
モヤ状画像など不均一になりやすい。 【0030】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決した現像装置及びそれを利用した画像形成
方法を提供することにある。 【0031】本発明の目的は、ワックスが結着樹脂中に
均一に分散されたトナーを用いた現像装置及びそれを利
用した画像形成方法を提供することにある。 【0032】本発明の目的は、着色剤(特に磁性体)の
含有量が増大した小粒径化したトナーの結着樹脂に使用
した場合でも、良好なハーフトーン部の定着性を示す現
像装置及びそれを利用した画像形成方法を提供すること
にある。 【0033】本発明の目的は、熱ロール定着器を使用す
る高速機及び耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによ
る圧着加熱方式を使用する中〜低速機であっても良好な
低温定着性を示し、かつ高温までオフセットが生じるこ
とのない広い定着温度領域を示す現像装置及びそれを利
用した画像形成方法を提供することにある。 【0034】本発明の目的は、スリーブゴーストのない
高品位なグラフィック画像が得られるトナーを用いた現
像装置及びそれを利用した画像形成方法を提供すること
にある。 【0035】本発明の目的は、ワックスの種類、添加量
によらずトナーの定着性及び現像性に悪影響することの
ない分散状態に制御したトナーを用いた現像装置及びそ
れを利用した画像形成方法を提供することにある。 【0036】本発明の目的は、該トナーを使用する際、
現像装置中のトナーの過剰帯電を防止し、かつトナーの
帯電を高めに保持させ、また現像剤担持体上への融着が
発生しにくく、それらの結果から生じる画像濃度低下・
白筋・ブロッチ等が起こりにくい現像装置及びそれを利
用した画像形成方法を提供することである。 【0037】本発明の目的は、高温高湿下・低温低湿下
においても良好な画像が得られる現像装置及びそれを利
用した画像形成方法を提供することにある。 【0038】本発明の目的は、長期耐久においても安定
な画像が得られる現像装置及びそれを利用した画像形成
方法を提供することにある。 【0039】本発明の他の目的は、スリーブゴーストを
なくすことのできる現像装置及びそれを利用した画像形
成方法を提供することにある。 【0040】 【課題を解決するための手段】本発明は、現像容器内に
収容されたトナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担
持し、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現
像剤の薄層を形成しながら、潜像担持体と対向する現像
領域へと搬送し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により
現像し、可視像化する現像装置において、 前記トナーとして少なくとも着色剤、結着樹脂及びワ
ックスを含有するものを用い、該トナーの該結着樹脂
は、(a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ビ
ニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有して
いるハイブリッド樹脂成分を含み、(b)テトラヒドロ
フラン(THF)を溶媒とした10時間のソックスレー
抽出で、THF可溶成分を50乃至85重量%(W1)
含有し、THF不溶成分を15乃至50重量%(W2)
含有し、(c)酢酸エチルを溶媒とした10時間のソッ
クスレー抽出で、酢酸エチル可溶成分を40乃至98重
量%(W3)含有し、酢酸エチル不溶成分を2乃至60
重量%(W4)含有し、(d)クロロホルムを溶媒とし
た10時間のソックスレー抽出で、クロロホルム可溶成
分を55乃至90重量%(W5)含有し、クロロホルム
不溶成分を10乃至45重量%(W6)含有し、(e)
W4/W6の値が1.1乃至4.0であり、(f)TH
F可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)測定による分子量分布において、分子量40
00乃至9000の領域にメインピークを有し、分子量
500乃至1万未満の領域の成分が35.0乃至65.
0%(A1)であり、分子量1万乃至10万未満の領域
の成分か25.0乃至45.0%(A2)であり、分子
量10万以上の成分が10.0乃至30.0%(A3)
であり、A1/A2の値が1.05乃至2.00である
ものであり、 前記現像剤担持体は、基体及び該基体上に設けられた
被覆層を有し、該被覆層は、少なくとも結着樹脂と、導
電性物質と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモ
ニウム塩化合物とを含有する樹脂組成物により形成され
たものであり、該結着樹脂は構造中にアミノ基、=NH
又は−NH−の少なくとも1つを含むことを特徴とする
現像装置に関する。 【0041】さらに本発明は、現像容器内に収容された
トナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現
像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤層を形
成しながら、潜像担持体と対向する現像領域へと搬送
し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像し、現像
画像を形成する現像工程;該静電潜像保持体上に形成さ
れた現像画像を中間転写体を用いて、または用いずに記
録材に転写する転写工程;及び、該記録材に転写された
現像画像を加熱定着手段により該記録材に加熱定着する
定着工程;を有する画像形成方法において、 前記トナーとして少なくとも着色剤、結着樹脂及びワ
ックスを含有するものを用い、該トナーの該結着樹脂
は、(a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ビ
ニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有して
いるハイブリッド樹脂成分を含み、(b)テトラヒドロ
フラン(THF)を溶媒とした10時間のソックスレー
抽出で、THF可溶成分を50乃至85重量%(W1)
含有し、THF不溶成分を15乃至50重量%(W2)
含有し、(c)酢酸エチルを溶媒とした10時間のソッ
クスレー抽出で、酢酸エチル可溶成分を40乃至98重
量%(W3)含有し、酢酸エチル不溶成分を2乃至60
重量%(W4)含有し、(d)クロロホルムを溶媒とし
た10時間のソックスレー抽出で、クロロホルム可溶成
分を55乃至90重量%(W5)含有し、クロロホルム
不溶成分を10乃至45重量%(W6)含有し、(e)
W4/W6の値が1.1乃至4.0であり、(f)TH
F可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)測定による分子量分布において、分子量40
00乃至9000の領域にメインピークを有し、分子量
500乃至1万未満の領域の成分が35.0乃至65.
0%(A1)であり、分子量1万乃至10万未満の領域
の成分が25.0乃至45.0%(A2)であり、分子
量10万以上の成分が10.0乃至30.0%(A3)
であり、A1/A2の値が1.05乃至2.00である
ものであり、 前記現像剤担持体は、基体及び該基体上に設けられた
被覆層を有し、該被覆層は、少なくとも結着樹脂と、導
電性物質と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモ
ニウム塩化合物とを含有する樹脂組成物により形成され
たものであり、該結着樹脂は構造中にアミノ基、=NH
又は−NH−の少なくとも1つを含むことを特徴とする
画像形成方法に関する。 【0042】 【発明の実施の形態】{トナー}本発明者の検討によれ
ば、着色剤(特に磁性体)の含有量が増加した小粒径化
したトナーであっても、定着器の加熱方式によらずハー
フトーン画像でも良好な低温定着性を示し、高温オフセ
ットの発生温度が高く、オフセットし難いトナーを得る
ためには、トナーの結着樹脂が特定の複数の溶媒に選択
的に溶解する組成と分子量を有する成分を一定量含有す
ることが重要である。 【0043】従来は、トナーの結着樹脂に含有されるテ
トラヒドロフラン、クロロホルムあるいは酢酸エチルの
いずれか一種類の溶媒に不溶な樹脂成分を定量するもの
であり、トナーの高温オフセット発生温度とはある程度
対応をとることができるが、トナーの定着性ばかりでな
く、トナーの現像性にも多大な影響を及ぼす可能性のあ
るトナーに含有されるワックスの分散状態を評価する観
点からの評価ではない。 【0044】本発明者の検討によれば、テトラヒドロフ
ラン(THF)は本発明のトナーに含有される結着樹脂
のビニル系重合体ユニットに対して良好な溶媒である
が、ポリエステルユニットに対しては必ずしも良好な溶
媒ではない。THFに不溶な成分を定量することは、ポ
リエステル樹脂中の極めて大きな分子量を有する成分ま
たは高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂成分中の
ポリエステルユニットの割合が相対的に多い成分とを定
量することである。このTHFに不溶な成分は、トナー
の低温定着性を評価することができる。更に、より良好
な低温定着性を達成するためにはTHFに可溶な成分が
特定の分子量及び分子量成分を有することが重要であ
る。 【0045】酢酸エチルは、本発明のトナーに含有され
る結着樹脂のポリエステルユニットに対して良好な溶媒
であるが、ビニル系重合体ユニットに対しては必ずしも
良好な溶媒ではない。酢酸エチルに不溶な成分を定量す
ることは、ビニル系樹脂中の極めて大きな分子量を有す
る成分または高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂
成分中のビニル系重合体ユニットの割合が相対的に多い
成分とを定量することである。酢酸エチル不溶成分中に
は、クロロホルムに溶解する成分とクロロホルムに不溶
な成分とが含まれている。この酢酸エチルに不溶な成分
は、トナーの定着性ばかりでなくトナーに安定した現像
性(例えば、画像濃度、カブリ等の環境依存性)を付与
するのに重大な影響を与えるワックスの分散状態を評価
することができる。 【0046】クロロホルムは、本発明のトナーに含有さ
れる結着樹脂のビニル系重合体ユニット及びポリエステ
ルユニットのいずれに対しても良好な溶媒である。クロ
ロホルムに不溶な成分を定量することは、ビニル系樹脂
中の極めて大きな分子量を有する成分または高度に架橋
された成分と、ポリエステル樹脂中の極めて大きな分子
量を有する成分または高度に架橋された成分とハイブリ
ッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有する成分また
は高度に架橋された成分とを定量することである。この
様なハイブリッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有
する成分または架橋された成分は、トナーの高温オフセ
ット発生温度と密接に関係するが、更には、トナーが感
光体上に固着する融着あるいはブレード等のクリーニン
グ部材によりトナーがクリーニングされない等の現象
(クリーニング不良)とこれに伴う画像欠陥の発生とも
関係する。 【0047】従って、トナーの結着樹脂に含有される酢
酸エチル不溶成分とクロロホルム不溶成分の比は、単純
にワックスの分散及び耐高温オフセットのバランスを示
すだけではなく、トナーが画像欠陥を発生することなく
安定な現像性を示すための指標となる。 【0048】本発明において、結着樹脂は、THF不溶
分(W2)を15乃至50重量%含有していることが良
く、好ましくは20乃至45重量%、更に好ましくは2
5乃至40重量%含有することが良い。THF不溶分の
含有量が15重量%未満となる場合には、トナーの高温
オフセット発生温度が低くなり耐ホットオフセット性に
問題が生じるばかりでなく、トナーの保存性も悪化する
場合があり好ましくない。THF不溶分の含有量が50
重量%超となる場合には、トナーの低温定着性が悪化す
る場合があり好ましくない。 【0049】本発明において、結着樹脂は、酢酸エチル
不溶分(W4)を2乃至60重量%含有していることが
良く、好ましくは5乃至50重量%、更に好ましくは1
0乃至40重量%含有することが良い。酢酸エチル不溶
分の含有量が2重量%未満となる場合には、トナーの耐
ホットオフセット性に問題が生じ、トナーに含有される
ワックスの分散状態を制御するのが困難となり、耐久に
より画像濃度が低下する場合があり好ましくない。酢酸
エチル不溶分の含有量が60重量%超となる場合には、
トナーの低温定着性に問題が生じ、耐久によりカブリ濃
度が高くなる場合があり好ましくない。 【0050】本発明において、結着樹脂は、クロロホル
ム不溶分(W6)を10乃至45重量%含有することが
良く、好ましくは15乃至40重量%、更に好ましくは
17乃至37重量%含有することが良い。クロロホルム
不溶分の含有量が10重量%未満となる場合には、耐ホ
ットオフセット性に問題が生じるばかりでなく、耐久に
よりトナーが感光体上に融着する現象が発生する場合が
あり好ましくない。クロロホルム不溶分の含有量が45
重量%超となる場合には、トナーの低温定着性に問題が
生じるばかりでなく、耐久により感光体上のトナーがク
リーニングされにくくなる場合があり好ましくない。 【0051】酢酸エチル不溶分(W4)とクロロホルム
不溶分(W6)との比(W4/W6)の値は、1.1乃
至4.0であるこどが良く、好ましくは1.2乃至3.
5、更に好ましくは1.5乃至3.0であることが良
い。比(W4/W6)が1.1未満あるいは4.0超と
なるいずれの場合においても耐久により画像濃度が低下
する。 【0052】さらに、本発明においては、結着樹脂は、
(i)THF不溶分(W2)を含有しており、THF不
溶分(W2)は、さらにクロロホルム不溶分(W6A)
をA重量%(結着樹脂の重量基準で)含有しており、
(ii)酢酸エチル不溶分(W4)を含有しており、酢
酸エチル不溶分(W4)は、さらにクロロホルム不溶分
(W6B)をB重量%(結着樹脂の重量基準で)含有し
ている。 【0053】このTHF不溶成分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と酢酸エチ
ル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不溶成
分(W6B)の含有量とが、下記条件を満足することが
好ましく、 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 さらに好ましくは、下記条件を満足することが良い。 【0054】5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 【0055】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を3重量%未満含有している場合には、ト
ナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、
トナーの耐久による画像濃度が低下する場合があり好ま
しくない。 【0056】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を25重量%より多く含有している場合に
は、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好まし
くない。 【0057】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を7重量%未満含有している場合に
は、トナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりで
なく、トナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があ
り好ましくない。 【0058】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を30重量%より多く含有している場
合には、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好
ましくない。 【0059】THF不溶分(W2)が含有しているクロ
ロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル不溶分
(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W6B)
の含有量との合計量(W6A+W6B)は、結着樹脂の
クロロホルム不溶分(W6)の含有量に相当するもので
あり、よって、合計量(W6A+W6B)の上下限から
外れる場合には、上述した酢酸エチル不溶分(W6)の
含有量の上下限から外れる場合と同様の結果となる。 【0060】さらにTHF不溶分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル
不溶分(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W
6B)の含有量との比率が1:1未満の場合には、トナ
ーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、ト
ナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があり好まし
くない。 【0061】1:3超の場合には、トナーの低温定着性
が損なわれるばかりでなく、耐久により画像濃度が低下
する場合があり好ましくない。 【0062】THF可溶分は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分
布において、メインピークを分子量4000乃至900
0の領域に有しており、好ましくは、分子量5000乃
至8500の領域に有しており、更に好ましくは、分子
量5000乃至8000の領域に有していることが良
い。メインピークを分子量4000未満の領域に有する
場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する場
合があり、メインピークを分子最9000超の領域に有
する場合にはトナーの低温定着性が損なわれる場合があ
り好ましくない。 【0063】分子量500乃至1万未満の領域の成分
(A1)は、35.0乃至65.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは37.0乃至60.0%、更に好
ましくは40.0乃至55.0%含有されていることが
良い。分子量500乃至1万未満の領域の成分の含有量
が、35.0%未満となる場合にはトナーの低温定着性
が悪化する場合があり、65.0%超となる場合にはト
ナーの保存性が悪化する場合があり好ましくない。 【0064】分子量1万乃至10万未満の領域の成分
(A2)は、25.0乃至45.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは27.0乃至42.0%、更に好
ましくは30.0乃至40.0%含有されていることが
良い。分子量1万乃至10万未満の領域の成分の含有量
が、25.0%未満となる場合にはトナーの耐ホットオ
フセット性が悪化する場合があり、45.0%超となる
場合にはトナーの低温定着性が悪化する場合があり好ま
しくない。 【0065】分子量10万以上の領域の成分(A3)
は、10.0乃至30.0%含有されていることが良
く、好ましくは12.0乃至25.0%、更に好ましく
は15.0乃至22.0%含有されていることが良い。
分子量10万以上の領域の成分の含有量が10.0%未
満となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪化
する場合があり、30.0%超となる場合にはトナーの
低温定着性が悪化する場合があり好ましくない。 【0066】比(A1/A2)の値は1.05乃至2.
00であることが良く、好ましくは1.10乃至1.9
0、更に好ましくは1.15乃至1.80であることが
良い。比(A1/A2)が1.05未満となる場合には
トナーの低温定着性が悪化する場合があり、2.00超
となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪化す
る場合があり好ましくない。 【0067】本発明において、結着樹脂を合成する際に
用いるポリエステル樹脂を合成するためのモノマーとビ
ニル系モノマーとの仕込比は、ポリエステル樹脂を合成
するためのモノマー100重量部に対して、ビニル系モ
ノマー10乃至100重量部、好ましくは15乃至80
重量部、さらに好ましくは20乃至70重量部であるこ
とが良い。 【0068】本発明のトナーに含有される結着樹脂にお
いて、「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体
ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された
樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと
(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル
基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニット
とがエステル交換反応によって形成されるものであり、
好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユ
ニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブ
ロック共重合体)を形成するものである。 【0069】従って、本発明において、ハイブリッド樹
脂成分のビニル系重合体ユニットとポリエステルユニッ
トとは、 【0070】 【化5】 を介して結合するものである。 【0071】本発明のトナーに含有される結着樹脂は、
ビニル系重合体ユニット中の全カルボン酸エステルのポ
リエステルユニットとの反応率、すなわちグラフト化率
がビニル系重合体に含有される(メタ)アクリル酸エス
テルを基準にして、好ましくは10乃至60モル%、よ
り好ましくは15乃至55モル%、更に好ましくは20
乃至50モル%含有することが良い。グラフト化率が1
0モル%未満となる場合にはビニル系重合体ユニットと
ポリエステルユニットの相溶性が悪化し、ワックスの分
散性も悪化することがあり好ましくなく、60モル%超
となる場合には相対的に分子量の大きな成分が増大する
結果、トナーの低温定着性が悪化する場合があり好まし
くない。 【0072】酢酸エチルに不溶な成分(W4)は、ポリ
エステル樹脂成分(Gp)を40乃至98重量%含有し
ていることが良く、好ましくは50乃至95重量%、更
に好ましくは60乃至90重量%含有していることが良
い。ポリエステル樹脂成分(Gp)含有量が40重量%
未満となる場合には、トナーの定着性が悪化する可能性
があり好ましくなく、98重量%超となる場合には、炭
化水素系ワックスとの相溶性が悪くなりやすく好ましく
ない。 【0073】酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、ポ
リエステル樹脂成分(Sp)を20乃至90重量%含有
していることが良く、好ましくは25乃至85重量%、
更に好ましくは30乃至80重量%含有していることが
良い。ポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量が20重
量%未満となる場合には、炭化水素系ワックスがトナー
に含有される結着樹脂全体で均一に分散されるために定
着性が改良されず、90重量%超となる場合には、炭化
水素系ワックスとの相溶性が悪くなりやすく局在化が生
じ、ホットオフセットが発生しやすい。 【0074】比(Sp/Gp)は、0.5乃至1.0て
あることが良く、好ましくは0.6乃至0.95、更に
好ましくほ0.65乃至0.9であることが良い。比
(Sp/Gp)が0.5未満となる場合及び比(Sp/
Gp)が1.0超となる場合には、いずれも酢酸エチル
に不溶な成分と溶解する成分とが均一に混合されず、ト
ナーの現像性が悪化する場合があり好ましくない。 【0075】酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、重
量平均分子量(Mw)が20万以上、Mw/Mnが30
以上であることが良く、好ましくはMwが30万乃至2
00万、Mw/Mnが50乃至300であり、更に好ま
しくはMwが40万乃至150万、Mw/Mnが80乃
至250である。Mwが20万未満又はMw/Mnが3
0未満になる場合には、トナーの現像性が悪くなる場合
があり好ましくない。 【0076】本発明においては、トナーの結着樹脂全体
の酸価(AV1)は、7〜40mgKOH/gであれば
よいが、好ましくは10〜37mgKOH/g、より好
ましくは15〜35mgKOH/g、さらに好ましくは
17〜30mgKOH/gであることが良い。 【0077】さらに、トナーの酢酸エチル可溶分(W
3)の酸価(AV2)は、10〜45mgKOH/gで
あればよいが、好ましくは15〜45mgKOH/g、
より好ましくは17〜40mgKOH/g、さらに好ま
しくは20〜35mgKOH/gであることが良い。 【0078】このトナーの結着樹脂全体の酸価(AV
1)とトナーの酢酸エチル可溶分(W3)の酸価(AV
2)との比(AV1/AV2)は、好ましくは0.7〜
2.0、より好ましくは0.9〜1.7、さらに好まし
くは1.0〜1.5であることが良い。 【0079】トナーの結着樹脂全体の酸価(AV1)が
7mgKOH/g未満の場合及び40mgKOH/gを
超える場合、ともに耐久によって画像濃度が低下する場
合があり好ましくない。 【0080】トナーの酢酸エチル可溶分(W3)の酸価
(AV2)が、10mgKOH/g未満の場合にはトナ
ーの耐高温オフセット性が損なわれる場合があり好まし
くなく、45mgKOH/gを超える場合にはトナーの
低温定着性が損なわれる場合があり好ましくない。 【0081】AV1/AV2の値が0.7未満の場合に
は耐久による画像濃度が低下する場合があり好ましくな
く、2.0を超える場合にはトナーの耐高温オフセット
性が損なわれる場合があり好ましくない。 【0082】本発明のトナーにおいて、ポリエステルユ
ニットは、好ましくは、式(1)乃至(4)で表わせる
2価のカルボン酸、式(5)で表せる1価のカルボン酸
または式(6)で表わせる1価のアルコールの少なくと
も1種以上を含有するものである。 【0083】 【化6】 [式中、Rは炭素数14以上の直鎖、分岐または環状
のアルキル基、アルケニル基を表わし、R,R,R
及びRは水素原子、炭素数3以上の直鎖、分岐また
は環状のアルキル基、アルケニル基を表わし、同一の置
換基であってもよいが、同時に水素原子になることはな
く、R及びRは炭素数12以上の直鎖、分岐または
環状のアルキル基、アルケニル基を表し、nは12乃至
40の整数を表わす。] 式(1)で表せる化合物としては、例えば、下記化合物
(1−1)〜(1−6)が挙げられる。 【0084】 【化7】 【0085】式(2)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(2−1)〜(2−4)が挙げられる。 【0086】 【化8】 (2−1) HOOC−(CH14−COOH (2−2) HOOC−(CH18−COOH (2−3) HOOC−(CH24−COOH (2−4) HOOC−(CH34−COOH 【0087】式(3)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(3−1)〜(3−3)が挙げられる。 【0088】 【化9】 【0089】式(4)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(4−1)〜(4−2)が挙げられる。 【0090】 【化10】【0091】式(5)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(5−1)〜(5−5)が挙げられる。 【0092】 【化11】 (5−1) (n)C1327−COOH (5−2) (n)C1531−COOH (5−3) (i)C1531−COOH (5−4) (n)C1937−COOH (5−5) (n)C2347−COOH 【0093】式(6)で表わせる化合物としては、例え
は、下記化合物(6−1)〜(6−5)が挙げられる。 【0094】 【化12】 (6−1) (n)C1225−OH (6−2) (i)C1225−OH (6−3) (n)C1429−OH (6−4) (n)C2041−OH (6−5) (n)C3061−OH 【0095】本発明に用いられるポリエステル樹脂のモ
ノマーとしては以下のものが挙げられる。 【0096】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(7−
1)式で表わされるビスフェノール誘導体及び下記(7
−2)式で示されるジオール類が挙げられる。 【0097】 【化13】 【0098】 【化14】 【0099】酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸
及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその
無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;
炭素数6〜18のアルキル基で置換されたこはく酸もし
くはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン
酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げ
られる。 【0100】ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モ
ノマーとしては、次のようなものが挙げられる。 【0101】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロ
スチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽
和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不
飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビ
ニルエステル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フエニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケト
ンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が
挙げられる。 【0102】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。 【0103】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。 【0104】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のポリ
エステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸または
その無水物、または、三価以上の多価アルコールで架橋
された架橋構造を有しているものである。三価以上の多
価カルボン酸またはその無水物としては、例えば、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロ
ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリ
カルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物また
は低級アルキルエステル等が挙げられ、三価以上の多価
アルコールとしては、例えば、1,2,3−プロパント
リオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオー
ル、ベンタエリスリトール等が挙げられるが、好ましく
は1,2,4ベンゼントリカルボン酸及びその酸無水物
である。 【0105】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニ
ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場
合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として
例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げ
られ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類と
して例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが
挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げら
れ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレー
トに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレ
ート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が
挙げられる。 【0106】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテート;が挙げられる。 【0107】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量部に対して、0.01〜10重量部(更に好まし
くは0.03〜5重量部)用いることができる。 【0108】これらの架橋性モノマーのうち、トナー用
樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられ
るものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベ
ンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類類が挙げられる。 【0109】本発明ではビニル系共重合体成分及び/又
はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得る
モノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂
成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応
し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又
はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分
を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応
し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基
を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エス
テル類が挙げられる。 【0110】ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生
成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及び
ポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分
を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方
もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る
方法が好ましい。 【0111】本発明のビニル系共重合体を製造する場合
に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリ
ル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、
1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メ
トキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチ
ル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、
アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類;2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイ
ルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−
メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボ
ネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチル
パーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフ
タレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、
t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−
t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、
ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。 【0112】本発明のトナーに用いられる結着樹脂を調
製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜
(6)に示す製造方法を挙げることがてきる。 【0113】(1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及
びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドす
る方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレ
ン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去するものであ
り、好ましくは、このブレンド工程でワックスを添加し
て製造される。なお、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル
系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有
機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコー
ルを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行
なって合成されるエステル化合物を用いることができ
る。 【0114】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノ
マーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコー
ル、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応に
より製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用する
ことがでさる。好ましくは、この工程でワックスを添加
する。 【0115】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモ
ノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/または
ビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。好
ましくは、この工程でワックスを添加する。 【0116】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマ
ー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハ
イブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、有
機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。 【0117】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(ア
ルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は
縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及
びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイ
ブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法に
より製造されるものを使用することもでき、必要に応じ
て公知の製造方法により製造されたものを使用すること
もできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することがで
きる。好ましくは、この工程でワックスを添加する。 【0118】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加
重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系
重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使
用することができる。好ましくは、この工程でワックス
を添加する。 【0119】上記(1)乃至(5)の製造方法におい
て、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステル
ユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体
ユニットを使用することができる。 【0120】上記の(1)〜(6)の製造方法の中で
も、特に(3)の製造方法が、ビニル系重合体ユニット
の分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生
成を制御することができ、かつワックスを添加する場合
にはその分散伏態を制御できる点で好ましい。 【0121】本発明のワックスを含有するトナーの示差
走査熱量計で測定されるDSC曲線において、好ましく
は温度70乃至160℃、より好ましくは温度70乃至
140℃、さらに好ましくは75乃至140℃、最も好
ましくは80乃至135℃の領域に吸熱メインピークを
有することがトナーの低温定着性及び耐オフセット性の
点で良い。 【0122】さらに好ましくは、ワックスを含有するト
ナーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線におい
て、温度80〜155℃、好ましくは90〜130℃の
領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱シ
ョルダーを有していることが低温定着性,耐オフセット
性及び耐ブロッキング性の点で好ましい。 【0123】トナーのDSC曲線において、温度70乃
至160℃の領域に明瞭な吸熱ピークを形成するために
は、使用するワックスが限定される。後述の示差走査熱
量計による温度30〜200℃の範囲におけるワックス
のDSC曲線において、最大吸熱ピークに対応する温度
をワックスの融点と定義すると、ワックスとしては、融
点か好ましくは70〜160℃、より好ましくは75〜
160℃、さらに好ましくは75〜140℃、最も好ま
しくは80〜135℃であるものが使用される。 【0124】このようなワックスとしては、例えば、低
分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、マイクロク
リスタリンワックス及びパラフィンワックスの如き脂肪
族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如
き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それら脂肪族炭
化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワック
ス、サゾールワックス及びモンタン酸エステルワックス
などの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸
カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または
全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖の
アルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽
和直鎖脂肪酸類;プラシジン酸、エレオステアリン酸、
バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコ
ール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カ
ルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルア
ルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖
アルキルアルコール類の如き飽和アルコール類;ソルビ
トールの如き多価アルコール類;ステアリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石
けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックス
にスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用い
てグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセ
リドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化
物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ
ル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。 【0125】本発明において好ましく用いられる低融点
ワックス成分としては、分岐の少ない長鎖アルキル基を
有する炭化水素からなり、具体的には例えばアルキレン
を高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触
媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量
のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレン
ポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアー
ゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは
これらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワッ
クスがよい。更に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の
利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行
なったものがより好ましく用いられる。母体としての炭
化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元
系)を使用した、一酸化炭素と水素の反応によって合成
されたもの、例えばジントール法、ヒドロコール法(流
動触媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素が多く
得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得られ
る。 【0126】本発明において好ましく用いられる高融点
ワックス成分としては、分岐の少ない長鎖アルキル基を
有する炭化水素からなり、具体的には例えばアルキレン
を高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触
媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量
のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレン
ポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアー
ゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは
これらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワッ
クスがよい。それ以外の好ましく用いられるワックスと
しては、水酸基、カルボキシル基等の置換機を有する置
換アルキルワックスがある。 【0127】さらに、本発明者らは、上記のハイブリッ
ド樹脂成分を有する結着樹脂と組合わせて用いるワック
スとして、下記式(A),(B)または(C) 【0128】 【化15】 〔式中、xは平均値を示し、35〜150である。〕 〔式中、xは平均値を示し35〜150であり、yは平
均値を示し1〜5であり、Rは水素または炭素数1〜1
0個のアルキル基を示す。〕 〔式中、xは平均値を示し、35〜150である。〕で
示される長鎖アルキル化合物を用いることにより、トナ
ー中で長鎖アルキル化合物が良好に分散し得ることを見
い出した。 【0129】本発明で用いられる式(A),(B)及び
(C)で表せる長鎖アルキル化合物は、疎水性のアルキ
ル基と親水性の水酸基及びカルボキシル基を有するため
に、ポリエステルユニット及び無極性ワックスである炭
化水素系ワックス、ポリオレフィンワックスの両者との
相溶性が良好である。 【0130】従って、式(1)乃至(5)で表せるカル
ボン酸あるいはアルコールと同様に、本発明で用いられ
るハイブリッド樹脂成分と組み合わせた場合にワックス
の分散状態を制御することが可能となり、特に混練工程
でワックスを添加してトナーを製造する場合には効果的
である。 【0131】本発明者の検討によれば、ハイブリッド樹
脂成分と式(A),(B)または(C)で表せる長鎖ア
ルキル化合物を組み合わせて使用する場合、ソックスレ
ー抽出でテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル及
びクロロホルムに不溶な成分を定量することにより、前
述した様にトナーの低温定着性、現像性及び耐高温オフ
セット性を評価することができる。更にテトラヒドロフ
ラン(THF)、酢酸エチル及びクロロホルムの各溶媒
に不溶な成分に含有されるワックス量を知ることによ
り、ワックスの分散状態に関する知見を得ることができ
る。 【0132】ワックスの分散状態は、ビニル系重合体及
びポリエステルユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分に含有されるワックス量と、トナー粒子に含有され
るワックス量(H)を比較することにより評価すること
ができる。 【0133】本発明者の検討によれば、テトラヒドロフ
ラン(THF)に不溶な成分(W2)に含有されるワッ
クスは主にポリエステルユニットの含有量が相対的に多
いハイブリッド樹脂成分に分散されているワックス量
(H1)に相当し、酢酸エチルに不溶な成分(W4)に
含有されるワックスは主にビニル系重合体ユニットの含
有量が相対的に多いハイブリッド樹脂成分に分散されて
いるワックス量(H2)に相当し、クロロホルムに不溶
な成分(W6)に含有されるワックスは主に極めて大き
な分子量を有する成分または架橋されたハイブリッド樹
脂成分に含有されているワックス量(H3)に相当する
ものと考えられる。 【0134】従って、トナー粒子に含有されるワックス
の分散状態は、トナー粒子及びテトラヒドロフラン(T
HF)、酢酸エチル、クロロホルムの各溶媒に不溶な成
分に含有されるワックス量比(H:H1:H2:H3)
で評価できる。 【0135】本発明のトナーにおいて、比(H:H1:
H2:H3)は1:0.6:0.6:0.6乃至1:
2:2:2となれば良いが、好ましくは1:0.7:
0.7:0.7乃至1:1.7:1.7:1.7となる
場合であり、さらに好ましくは1:0.8:0.8:
0.8乃至1:1.5:1.5:1.5となる場合であ
る。 【0136】もし、比(H:H1:H2:H3)のH
1,H2及びH3が0.6未満となる場合には、ワック
スがビニル系重合体ユニットあるいはポリエステルユニ
ットのどちらかとの相溶性が強く、偏在する傾向がある
か、またはワックスの分散粒径が小さいことを示す。比
(H:H1:H2:H3)のH1,H2及びH3が2超
となる場合には、ワックスがビニル系重合体ユニットあ
るいはポリエステルユニットのいずれとの相溶性が悪
く、ワックスの分散粒径が大きいことを示し、いずれの
場合にも低温定着性、耐高温オフセット性及び耐高温ブ
ロッキング性のいずれかに問題が生じる場合があり好ま
しくない。 【0137】一般的に、トナーの低温での定着性は、溶
媒に溶解する分子量の低い樹脂組成物と関係付けられ、
高温でのオフセット発生は溶媒に不溶である樹脂組成物
と関係付けられ、相互に補完することで定着性と耐ホッ
トオフセット性を両立している。 【0138】換言すれば、低温でのトナー定着性は、溶
媒に不溶である樹脂組成物の存在で阻害される可能性が
ある。本発明のトナーの結着樹脂に含有される酢酸エチ
ルに不溶であるポリエステル樹脂成分は、式(A),
(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物と良好な相溶性
を示すことにより選択的に相互作用し分散状態を安定化
する。それと同時にトナーが加熱定着される際には溶融
した式(A),(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物
により効率的に軟化し、定着性を阻害することが少な
く、良好な定着性と耐ホットオフセット性を達成でき
る。 【0139】上記の長鎖アルキル化合物(A)を得るに
は、例えばエチレンをチーグラー触媒を用いて重合し、
重合終了後、酸化して触媒金属とポリエチレンとのアル
コキシドを生成する。この後、加水分解することによ
り、式(A)に示す長鎖アルキルアルコールを得る。さ
らにこの長鎖アルキルアルコールをエポキシ基を有する
物質とを反応させることにより、上記の式(B)で示さ
れる長鎖アルコキシアルコールを得る。この様にして得
られた長鎖アルキルアルコールは、共に分岐が少なく、
さらに、分子量分布がシャープなものが、本発明の目的
に沿ったのもである。 【0140】上記の式(C)の長鎖炭化水素化合物は、
式(A)で示される長鎖炭化水素化合物を酸化すること
により得られる。 【0141】式(A)、(B)及び式(C)に示される
化合物において、平均値xは35〜150が好ましい。
xが35未満の場合は潜像保持体に融着が発生したり、
トナーの保存安定性が低下する。xが150より大きい
場合は、式(A)、(B)又は(C)の長鎖アルキル化
合物の極性基と結着樹脂中の酢酸エチルに不溶な成分
(G)との相互作用が小さくなり、スリーブゴーストの
改良の効果が低下する。平均値yは5以下が好ましい。
yが5より大きいと、融点が低くなり、潜像保持体に融
着が発生しやすいからである。同様の理由でRはH或い
はC〜C10の炭化水素基が好ましい。 【0142】さらに、本発明に用いられる長鎖アルキル
化合物は、数平均分子量Mnが150〜2500、重量
平均分子量Mwが250〜5000、Mw/Mnが3以
下であることが好ましい。 【0143】Mnが150未満又はMwが250未満の
場合には、潜像保持体融着が発生したり、トナーの保存
安定性が低下する。Mnが2500を超える又はMwが
5000を超える場合には、式(A)、(B)又は
(C)の長鎖アルキル化合物中の極性基と結着樹脂中の
酢酸エチルに不溶な部分(G)との相互作用が小さくな
りスリーブゴーストの改良効果が小さくなる。 【0144】本発明に用いられる長鎖アルキル化合物
(A)及び(B)は、OH価が、好ましくは2〜150
mgKOH/g、より好ましくは10〜120mgKO
H/gであることが良い。長鎖アルキル化合物(A)及
び(B)の0H価が2mgKOH/g未満である場合
は、式(A)、(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物
中の極性基が少なく結着樹脂中の酢酸エチルに不溶な成
分(G)との相互作用が小さくなりスリーブゴーストの
改良効果が小さくなる。長鎖アルキル化合物(A)及び
(B)のOH価が、150mgKOH/gより大きい場
合は、OH基の電荷密度の偏りが大きくなり、結着樹脂
中のOH基の電荷密度の偏りよりも大きくなるため、コ
ピー画像において、初期から濃度の低い低画質のものあ
るいは、初期の濃度は高くても、コピーを続けてゆくう
ちに次第に濃度が低下してゆく現象が出現しやすい。さ
らに、OH価が150mgKOH/gより大きい場合
は、長鎖アルキルアルコールの分子量の低いものが多く
含まれるため、トナーが潜像保持体に融着しやすくな
り、さらに、保存安定性も低下する。 【0145】本発明に用いられる長鎖アルキル化合物
(C)は、酸価が、好ましくは2〜150mgKOH/
g、より好ましくは5〜120mgKOH/gであるこ
とが良い。酸価が2mgKOH/g未満の場合は、式
(C)の長鎖アルキル化合物中の極性基が少なく、結着
樹脂中の酢酸エチルに不溶な成分(G)との相互作用が
小さくなりスリーブゴーストの改良効果が小さい。酸価
が150mgKOH/gより大きい場合には、低分子量
のものが多く含まれるため、トナーが潜像保持体に融着
しやすく、保存安定性も低下する。 【0146】本発明のトナーに含有される式(A)、
(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物を含有するトナ
ーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線におい
て、温度70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有
することがトナーの低温定着性及び耐オフセット性の点
で好ましい。 【0147】長鎖アルキル化合物は、より好ましくは、
示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、温度
80〜135℃の領域に吸熱メインピークを有すること
が好ましい。さらに好ましくは、示差走査熱量計で測定
されるDSC曲線において、温度90〜130℃の領域
に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱ショル
ダーを有していることが低温定着性、耐オフセット性及
び耐ブロッキング性の点で好ましい。 【0148】これら長鎖アルキル化合物を単独で用いる
場合は、結着樹脂100重量部当たり、0.1〜30重
量部、好ましくは0.5〜20重量部使用するのが好ま
しい。 【0149】長鎖アルキル化合物を他のワックスと併用
する場合は、この使用総量を、結着樹脂100重量部当
たり0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量
部使用するのが好ましい。 【0150】本発明のトナーでは、ある特定な結着樹脂
とある特定な長鎖アルキル化合物とともに少なくとも、
炭化水素ワックス、若しくは石油系ワックスを含有する
ことが好ましい。これらワックスの存在により定着器で
発生する加圧ローラー汚れが改良される。本発明者は、
加圧ローラー汚れ現象について鋭意検討したところ、こ
の現象は、単にオフセットするトナーの量に依存するも
のではなく、加圧ローラーとの付着性・離型性が、重要
な因子であることがわかった。 【0151】本発明者らは、この付着性・離型性という
点に着目し、さらに検討を進めた結果、本発明の特定の
結着樹脂、及び、特定の長鎖アルキル化合物及び炭化水
素ワックス若しくは、石油系ワックスを組み合わせるこ
とにより、加圧ローラー汚れが改良できることを見い出
した。 【0152】極性をほとんど有しない炭化水素ワックス
もしくは石油系ワックスは、本発明の結着樹脂中の酢酸
エチルに不溶な成分(G)に主に分散する。 【0153】これらワックスは本発明のトナーに若干の
極性を有する上記式(A)、(B)又は(C)で示され
る長鎖アルキル化合物との相互作用により、酢酸エチル
に不溶な成分(G)における、その存在の様態が従来に
なかった様な状態になり、加圧ローラーに対する離型性
が向上する。これにより、加圧ローラー汚れが改良され
るものと考えている。 【0154】本発明に含有できる炭化水素ワックスとし
ては、具体的には例えばエチレンやプロピレンの如きア
ルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチー
グラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、
高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるア
ルキレンポリマー、一酸化炭素及び水素からなる合成ガ
スからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分か
ら、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水
素などのワックスが用いられる。更に、プレス発汗法、
溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別を行
なったものがより好ましく用いられる。 【0155】石油系ワックスとしては、パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム
の如き石油より分離されたワックスが使用される。 【0156】本発明における炭化水素ワックス、石油系
ワックスは実質的に官能基を有しない。実質的とは、官
能基の数が1分子あたり0.1個以下であるものを指
す。 【0157】本発明において使用される炭化水素ワック
スもしくは石油系ワックスは、ワックスを含有するトナ
ーの示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、
温度70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有する
ことが、トナーの低温定着性及び耐オフセット性の点で
好ましい。 【0158】より好ましくは、炭化水素ワックスもしく
は石油系ワックスを含有するトナーは、示差走査熱量計
で測定されるDSC曲線において温度80〜135℃の
領域に吸熱メインピークを有することが好ましい。さら
に好ましくは、ワックスを含有するトナーは、示差走査
熱量計で測定されるDSC曲線において、温度90〜1
30℃の領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又
は吸熱ショルダーを有していることが低温定着性、耐オ
フセット性、加圧ローラー汚れ防止及び耐ブロッキング
性の点で好ましい。 【0159】炭化水素ワックス及び石油系ワックスは、
GPCで測定したその分子量分布から求めた重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが
1.0〜3.0であるものが好ましい。炭化水素ワック
ス及び石油系ワックスがこの範囲を満たす場合、加圧ロ
ーラー汚れの改良の効果がより大きい。 【0160】本発明において用いられる炭化水素ワック
ス若しくは石油系ワックスの含有量(Y)としては、結
着樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部、好
ましくは0.5〜20重量部使用するのが好ましい。ま
た、上記式(1)、(2)又は(3)で示される長鎖ア
ルキル化合物の含有量(X)と炭化水素ワックス若しく
は石油系ワックスの含有量(Y)は、下記条件 X/Y=0.02〜50 を満たしていることが好ましい。 【0161】X/Yが0.02未満及び50を超える場
合は、加圧ローラー汚れの改良の効果が小さくなってし
まう。 【0162】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いても良
い。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当たり好まし
くは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重
量部使用するのが好ましい。 【0163】荷電制御剤としては、以下のものが挙げら
れる。 【0164】現像剤を負荷電性に制御するものとして、
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モ
ノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハ
イドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属
錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、
芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水
物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体
類等がある。 【0165】一方、正荷電性に制御するものとして、例
えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリ
ブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナ
フトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラ
フルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれら
の類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれ
らのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらの
レーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、
燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニ
ン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェ
ロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズ
オキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキ
シルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジ
ブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシク
ロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート
類;含窒素複素環化合物としては、イミダゾール、イミ
ダリン、イミダゾロン、ピラゾリン、ピラゾール、ピラ
ゾロン、オキサゾリン、オキサゾール、オキサゾロン、
チアゾリン、チアゾール、チアゾロン、セレナゾリン、
セレナゾール、セレナゾロン、オキサジアゾール、チア
ジアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ベン
ゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾー
ル、ベンゾセレナゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリ
ダジン、トリアジン、オキサジン、チアジン、テトラジ
ン、ポリアザイン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジ
ン、インドール、イソインドール、インダゾール、カル
バゾール、キノリン、ピリジン、イソキノリン、シンノ
リン、キナゾリン、キナキサリン、フタラジン、プリ
ン、ピロール、トリアゾール、フェナジン等の含窒素複
素環基を有する化合物が挙げられる。 【0166】これらは単独あるいは2種類以上組み合わ
せて用いることができる。上述した荷電制御剤は微粒子
状として用いることが好ましく、この場合これらの荷電
制御剤の個数平均粒径は4μm以下さらには3μm以下
が特に好ましい。 【0167】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び
他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのよう
な金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,
Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。 【0168】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸
化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄イットリウム(Y
Fe12)、酸化鉄カドミウム(CdFe
)、酸化鉄ガドリニウム(GdFe
12)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄鉛
(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe
)、酸化鉄ネオジム(NdFe )、酸化鉄バ
リウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム
(MgFe )、酸化鉄マンガン(MnFe
)、酸化鉄ランタン(LaFeO)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)が挙げ
られる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組
合せで使用する。好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ
−三二酸化鉄の微粉末である。 【0169】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm、より好ましくは0.1〜0.5μmであり、79
5kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性が
抗磁力1.5〜12kA/m(20〜150エルステッ
ド)、飽和磁化50〜200Am/kg(50〜20
0emu/g)、好ましくは50〜100Am/kg
(50〜100emu/g)、残留磁化2〜20Am
/kg(2〜20emu/g)のものが好ましい。 【0170】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。 【0171】本発明に用いられる磁性体としては、球形
度(ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄を使用することが好
ましい。球形度(ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄がトナ
ー中に存在することで、磁性酸化鉄がトナー粒子表面に
適度に露出し易くなり、トナーの帯電性が安定し、スリ
ーブゴーストの改良に効果があると考えられる。 【0172】本発明で使用する磁性酸化鉄はケイ素元素
を含有することが好ましく、さらには磁性酸化鉄のケイ
素元素の含有率が鉄元素を基準として0.2〜4重量%
であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%まで
に存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ
素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が44〜
84%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の
含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10
〜55%であることが、より好ましい。磁性酸化鉄がケ
イ素元素を含有し、さらに好ましくは上記の条件を満た
すように存在することで、よりスリーブゴーストの改良
に効果がある。 【0173】本発明に係わるケイ素元素を有する磁性酸
化鉄粒子は、例えば下記方法で製造される。 【0174】第一鉄塩水溶液に所定量のケイ酸化合物を
添加した後に、鉄成分に対して当量または当量以上の水
酸化ナトリウムのごときアルカリを加え、水酸化第一鉄
を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7以
上(好ましくは8〜10)に維持しながら空気を吹き込
み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の
酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず
生成する。 【0175】次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に
加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第
一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜10に維持
しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進
め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化
反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していく
が、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応
の終期に液のpHを調整することにより、磁性酸化鉄粒
子の表層及び表面にケイ酸化合物を所定量偏在させるこ
とが好ましい。 【0176】添加に用いるケイ酸化合物は、市販のケイ
酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解等で生じるゾル状ケ
イ酸等のケイ酸が例示される。なお本発明に悪影響を与
えない限り、硫酸アルミ、アルミナのその他の添加剤を
加えても良い。 【0177】水溶液法による磁性酸化鉄の製造におい
て、第一鉄塩水溶液の濃度は反応時の粘度の上昇を防ぐ
ため、また硫酸鉄の溶解度の関係により、鉄濃度0.5
〜2mol/リットルが用いられる。硫酸鉄の濃度は一
般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。ま
た反応に際しては空気量が多いほど、そして反応温度が
低いほど微粒化しやすい。 【0178】上述の製造方法によりケイ酸成分を有する
磁性酸化鉄粒子を生成し、その磁性酸化鉄粒子をトナー
に使用することが好ましい。 【0179】本発明において、磁性酸化鉄粒子表面のケ
イ素元素の含有量Cは、次のような方法によって求める
ことが出来る。例えば、5リットルのビーカーに約3リ
ットルの脱イオン水を入れ50〜60℃になるようにウ
ォーターバスで加温する。約400mlの脱イオン水で
スラリーとした磁性酸化鉄粒子約25gを約300ml
の脱イオン水で水洗しながら、該脱イオン水と共に5リ
ットルビーカー中に加える。 【0180】次いで温度を約60℃、撹拌スピードを約
200rpmに保ちながら、特級水酸化ナトリウムを加
え約1規定の水酸化ナトリウム溶液として、磁性酸化鉄
粒子表面のケイ酸の如きケイ素化合物の溶解を開始す
る。溶解開始から30分後に20mlサンプリングし、
0.1μmメンブランフィルターで濾過し、濾液を採取
する。濾液をプラズマ発光分光(ICP)によってケイ
素元素の定量を行う。 【0181】次式によって各サンプルごとの鉄元素溶解
率が計算される。 【0182】 【数1】 【0183】各サンプルごとのケイ素元素の含有率及び
含有量は、次式によって計算される。 【0184】 【数2】 【0185】磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の全含有量A
は、全て溶解した後の磁性酸化鉄粒子の単位重量当たり
のケイ素元素濃度(mg/リットル)に相当する。 【0186】磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の含有量B
は、磁性酸化鉄粒子の溶解率が20%の場合に、検出さ
れる磁性酸化鉄粒子の単位重量当たりのケイ素元素濃度
(mg/リットル)に相当する。磁性酸化鉄粒子の溶解
率が20%という状態は、磁性酸化鉄の表面付近のみが
塩酸により溶解した状態であり、この時のケイ素元素の
含有量Bは磁性酸化鉄の表面近くに存在しているケイ素
元素の量を示している。 【0187】ケイ素元素の含有量A、B及びCを測定す
る方法としては、(1)磁性酸化鉄の試料を2つに分け
て、ケイ素元素の含有率及び含有量A及びBを測定する
一方で、含有量Cを別途測定する方法と、(2)磁性酸
化鉄の試料の含有量Cを測定し、測定後の試料を使用し
て次いで含有量B’(含有量Bから含有量Cを引いた
量)および含有量A’(含有量Aから含有量Cを引いた
量)を測定し、最終的に含有量A及びBを算出する方法
が挙げられる。 【0188】磁性酸化鉄の球形度の測定は以下のように
して行う。磁性酸化鉄の電子顕微鏡写真を用いてランダ
ムに100個以上の磁性酸化鉄粒子を選び、各粒子の最
小長と最大長の比を求め、次いで各計算値を平均化した
ものとする。 【0189】 球形度(ψ)=最小長(μm)/最大長(μm) 【0190】本発明のトナーは、磁性体の他に、着色剤
としては、カーボンブラック、チタンホワイトやその他
の顔料及び/又は染科を用いることができる。例えば本
発明のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合に
は、染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.
I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、
C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッ
ド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレ
クトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.ア
シッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.
I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー
7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシッ
クグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6がある。
顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイ
エロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パ
ーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリ
ブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾ
ロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッ
ド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカル
シウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3
B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイ
オレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレー
キ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、
ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フ
ァイナルイエローグリーンGがある。 【0191】本発明のトナーを二成分フルカラー用トナ
ーとして使用する場合には、着色剤として、次の様なも
のが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0、51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90、112,114,122,123,163,
202,206,207,209、C.I.ピグメント
バイオレット19,C.I.バットレッド、1,2,1
0,13,15,23,29,35が挙げられる。 【0192】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料を併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料;C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28の如き塩基性染料が挙げられる。 【0193】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙
げられる。 【0194】 【化16】 【0195】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。 【0196】非磁性の着色剤の使用量は結着樹脂100
重量部に対して、0.1〜60重量部、好ましくは0.
5〜50重量部である。 【0197】本発明のトナーに流動性向上剤を添加して
も良い。流動性向上剤は、トナーに添加することによ
り、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであ
る。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフル
オロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法
シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸
化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより
表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理ア
ルミナがある。 【0198】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔
中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎とな
る反応式は次の様なものである。 【0199】 SiCl+2H+O→SiO+4HCl 【0200】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金
属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカ
としてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒
径として、0.002〜2μmの範囲内であることが好
ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範
囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。 【0201】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。 【0202】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社) 【0203】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。 【0204】疎水化方法としては、カップリング剤の如
きシリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素
化合物及び/又はシリコーンオイルで化学的に処理する
ことによって付与される。好ましい方法としては、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ
微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。 【0205】シランカップリング剤としては、ヘキサメ
チルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロル
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロル
シラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロ
ルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジ
メチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシン
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニ
ルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテト
ラメチルジシロキサン、および1分子当り2から12個
のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ
1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリ
シロキサン等がある。 【0206】窒素原子を有するアミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチ
ルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノ
フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−
プロピルベンジルアミンの如きシランカップリング剤も
単独あるいは併用して使用される。好ましいシランカッ
プリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)が挙げられる。 【0207】本発明で用いる好ましいシリコーンオイル
としては、25℃における粘度が0.5〜10000セ
ンチストークス、好ましくは1〜1000センチストー
クス、さらに好ましくは10〜200センチストークス
のものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン
変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。シリ
コーンオイル処理の方法としては、例えば、シランカッ
プリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイ
ルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混
合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオ
イルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤にシリコーン
オイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を
加え混合し溶剤を除去する方法;を用いることが可能で
ある。 【0208】シリコーンオイル処理シリカは、シリコー
ンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以
上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコー
トを安定化させることがより好ましい。 【0209】本発明においては、シリカを予めカップリ
ング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方
法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイ
ルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ま
しい。 【0210】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m/g以上、好ましくは5
0m/g以上のものが良好な結果を与える。トナー1
00重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重量部、
好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。 【0211】本発明のトナーを作製するには結着樹脂、
着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤またはその他の添
加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機
により充分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き
熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互い
に相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕
し、粉砕物を分級して本発明のトナーを得ることができ
る。 【0212】本発明のトナーは、重量平均粒径が、好ま
しくは3乃至10μm、より好ましくは3乃至9μmを
有することが解像性、画像濃度の点で好ましく、小粒径
トナーであっても良好に加熱加圧定着できる。 【0213】さらに、本発明において、トナーの体積平
均粒径(D)が2.5μm以上の場合には、画像濃度
の低下が生じ難く、充分な画像濃度が得られ、また7.
0μm以下の場合には、特にハーフトーン画像の階調性
が向上することから、トナーの体積平均粒径(D)は
2.5乃至7.0μmであることが好ましい。 【0214】さらに、流動性向上剤とトナーをヘンシェ
ルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子
表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができ
る。 【0215】本発明のトナーの溶媒溶解成分の定量及び
その他の物性の測定方法を以下に示す。 【0216】(1)トナーのテトラヒドロフラン(TH
F)、酢酸エチル及びクロロホルム不溶成分の定量 トナー2gを精秤(TW1)して円筒濾紙(例えば、東
洋濾紙社製No.86R)に入れてソックスレー抽出器
にかけ、THFは200ml用いる。約120℃に温度
調整されたオイルバスを用いて10時間還流する。TH
Fに可溶な成分(W1)はTHFを濃縮、乾固した後に
60℃で24時間真空乾燥することにより定量できる。
トナーのTHF不溶成分(W2)を定量する場合は、着
色剤(磁性体)等の結着樹脂以外のTHF不溶成分(T
W2)から下記式により算出される。 【0217】 【数3】 【0218】同様にして、溶媒を酢酸エチル及びクロロ
ホルムに変更することにより、それぞれの溶媒に対する
結着樹脂の可溶成分及び不溶成分を定量することができ
る。 【0219】ソックスレー抽出装置の一例を図18に示
す。 【0220】容器51に入っているTHF52は、ヒー
タ53で加熱され気化し、気化したTHFは管54を通
って冷却器55に導かれる。冷却器55は、冷却水56
で常時、冷却されている。冷却器55で冷却されて液化
したTHFは円筒ろ紙57を有する貯留部58にたま
り、THFの液面が中管59よりも高くなると、貯留部
からTHFが容器51に排出される。円筒ろ紙57に入
っているトナーまたは樹脂は、循環するTHFによって
抽出処理される。 【0221】(2)H−NMR及び13C−NMR測
定による酢酸エチルに不溶な成分及び可溶な成分中のポ
リエステル樹脂の定量 H−NMR及び13C−NMRを用いて各モノマー組
成存在比率をモル比率で求め、このモル比率での各モノ
マー組成存在比率から各モノマーの分子量を用い、エス
テル化に伴う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の
含有量を重量%で算出する。 【0222】(H−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX40
0(日本電子社製) 測定周波数 :400MHz パルス条件 :5.0μs データポイント:32768 周波数範囲 :10500Hz 積算回数 :10000回 測定温度 :60℃ 試料 :測定試料50mgをφ5mmのサンプ
ルチューブ入れ、溶媒としてCDClを添加し、これ
を60℃の恒温槽内で溶解させて調製する。 【0223】(13C−NMR(核磁気共鳴)スペクト
ルの測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX4
00(日本電子社製) 測定周波数 :400MHz パルス条件 :5.0μs データポイント :32768 遅延時間 :25sec 周波数範囲 :10500Hz 積算回数 :16回 測定温度 :40℃ 試料 :測定試料200mgをφ5mmのサ
ンプルチューブに入れ、溶媒としてCDCl(TMS
0.05%)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解
させて調製する。 【0224】H−NMR及び13C−NMR測定によ
る酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成分中のポリエ
ステル樹脂の含有量の定量の一具体例を図3及び4乃至
6を用いて下記に記載する。 【0225】 H−NMR測定によるアルコール成分
の存在比率の決定(図4及び5参照) プロポキシ化ビスフェノールA(PO−BPA)及びエ
トキシ化ビスフェノールA(EO−BPA)の存在比率
は、H−NMRスペクトルにおける5.2ppm、
5.3ppm及び5.4ppm付近のプロポキシ基の水
素(各H相当:図6参照)のシグナルと4.3ppm
及び4.65ppm付近のエトキシ基の水素(各4H相
当)のシグナルとの強度比から求める。 【0226】 H−NMR測定による芳香族カルボン
酸成分の存在比率の決定(図4及び5参照) テレフタル酸及びトリメリット酸の存在比率は、H−
NMRスペクトルにおける8ppm付近のテレフタル酸
の水素(4H相当)のシグナルと7.6ppm、7.8
ppm及び8.4ppm付近のトリメリット酸の水素
(各1H相当)のシグナルとの強度比から求める。 【0227】 HNMR測定によるスチレンの存在比
率の決定(図4及び5参照) スチレンの存在比率は、H−NMRスペクトルにおけ
る6.6ppm付近の水素(1H相当)のシグナルの強
度比から求める。 【0228】 13C−NMR測定による脂肪族カルボ
ン酸、(メタ)アクリル酸エステル及びPO−BPA、
EO−BPAの(メタ)アクリル酸エステル化合物(ビ
ニル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物)の存
在比率の決定(図3参照) 脂肪族カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル及びビ
ニル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物の存在
比率は、13C−NMRスペクトルにおける173.5
ppm及び174ppm付近の脂肪族カルボン酸のカル
ボキシル基の炭素(各1C相当)のシグナルと176p
pm付近の(メタ)アクリル酸エステルのカルボキシル
基の炭素(1C相当)のシグナルと169ppm付近の
新たに検出されたピークの(メタ)アクリル酸エステル
のカルボキシル基の炭素(1C相当)のシグナルと強度
比から求める。 【0229】 13C−NMR測定による脂肪族カルボ
ン酸と芳香族カルボン酸の存在比率の決定(図3参照) 脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の存在比率は、
13C−NMRスペクトルにおける165ppm付近の
テレフタル酸及びトリメリット酸のカルボキシル基の炭
素(1C相当)のシグナルと上記の脂肪族カルボン酸
のカルボキシル基の炭素(各1C相当)のシグナルの強
度比の比較から求める。 【0230】 13C−NMR測定によるスチレンの存
在比率の決定(図3参照) スチレンの存在比率は、13C−NMRスペクトルにお
ける125ppm付近のパラ位の炭素(1C相当)のシ
グナルの強度比から求める。 【0231】酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成
分中のポリエステル樹脂成分の含有量の決定 上記乃至のH−NMRスペクトルから、PO−B
PA、EO−BPA、テレフタル酸、トリメリット酸及
びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出
し、さらに上記乃至の13C−NMRスペクトルか
ら、PO−BPA、EO−BPAの(メタ)アクリル酸
エステル化合物(ビニル系重合体とポリエステル樹脂と
の反応生成物)、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸
及びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算
出することにより、全構成モノマーの組成存在比率をモ
ル比率で算出する。このモル比率での各モノマー組成存
在比率から各モノマーの分子量を用い、エステル化に伴
う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含有量を重
量%で算出する。 【0232】(3)ワックスの融点測定 示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。 【0233】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リフ
ァレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲3
0〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常
湿下で測定を行う。 【0234】この昇温過程で、温度30〜200℃の範
囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得
られる。 【0235】この吸熱メインピークの温度をもってワッ
クスの融点とする。 【0236】(4)トナーのDSC曲線の測定 上記ワックスの融点の測定と同様にして、トナーの昇温
過程におけるDSC曲線を測定する。 【0237】(5)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。 【0238】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リ
ファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲
30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温
常湿下で測定を行う。 【0239】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。 【0240】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中問点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。 【0241】(6)ワックスの分子量分布の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定
装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度 :135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール
添加) 流速 :1.0ml/min 試料 :0.15%の試料を0.4ml注入 【0242】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。 【0243】(7)結着樹脂原科又はトナーの結着樹脂
の分子量分布の測定 GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定
される。 【0244】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。
試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミ
ルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試
料がトナーの場合は、トナーをTHFに溶解後0.2μ
mフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
,2.1×10,4×10,1.75×1
,5.1×10,1.1×10,3.9×10
,8.6×10,2×10,4.48×10
ものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折
率)検出器を用いる。 【0245】カラムとしては、10〜2×10の分
子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレン
ゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wate
rs社製のμ−styragel 500,10,1
,10の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA801,802,803,804,805,80
6,807の組合せが好ましい。 【0246】(8)トナーに含有される結着樹脂の13
C−NMR測定 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX4
00(日本電子社製) 測定周波数 :100.40MHz パルス条件 :5.0μs(45°)DEPT法に
よる データポイント :32768 遅延時間 :25sec 積算回数 :50000回 測定温度 :26℃ 試料 :室温でトナー10gを100mlの
濃塩酸(約12M)に添加して約70時間撹拌して、ト
ナーに含有される磁性体を溶解する。次に、濾液が弱酸
性(約pH5)になるまで濾過・洗浄する。得られた樹
脂組成物を60℃て約20時間真空乾操して測定試料と
する。この測定試料約1gをφ10mmのサンプルチュ
ーブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl
3mlを添加し、これを55℃の恒温槽内で溶解させて
調製する。 【0247】(9)酸価の測定 JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠
して行う。 測定装置 :電位差自動滴定装置AT−400
(京都電子社製) 装置の校正 :トルエン120mlとエタノール3
0mlの混合溶媒を使用する。 測定温度 :25℃ 試料調整 :トナー0.5g(酢酸エチル可溶成
分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温
(約25℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタ
ノール30mlを添加して試料溶液とする。 【0248】(10)OH価(水酸基価)の測定 試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、こ
れにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後10
0℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラ
スコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして
無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフ
ラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤で
フラスコの壁を良く洗う。この液をガラス電極を用いて
N/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴
定を行いOH価を求める(JISK0070−1966
に準ずる)。 【0249】(11)粒度分布の測定 粒度分布については、種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターのマルチサ
イザーを用いる。電解液は特級または1級塩化ナトリウ
ムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえばI
SOTON R−II(コールターサイエンティフィッ
クジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記
電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活
性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を
0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え
る。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3
分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチ
ャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以
上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布
とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から
求めた重量基準の重量平均径(D4)及び体積平均粒径
(Dv)(それぞれ各チャンネルの中央値をチャンネル
毎の代表値とする)を求めた。 【0250】{現像剤担持体}次に、本発明を特徴づけ
る現像剤担持体について説明する。本発明に用いられる
現像剤担持体は、基体及び被覆層を有するが、本発明に
おいては、該基体表面に、導電性物質と、鉄粉に対して
正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物と、構造中
にアミノ基、=NH又は−NH−の少なくとも1つを含
む樹脂とを少なくとも含有する樹脂組成物により形成さ
れた樹脂被覆層が設けられていることを特徴とする。基
体としては、ステンレス円筒管、アルミニウム円筒管等
が用いられる。 【0251】以下、本発明で使用する現像剤担持体表面
の樹脂被覆層(以下、単に被覆層とも呼ぶ)の一例を図
52に示しながら、その作用について説明する。図52
に示したように、金属製等の円筒状基体205上に形成
される被覆層201は、結着樹脂203である、構造中
にアミノ基或いは=NH、−NH−の少なくとも1つを
含む樹脂によって円筒状基体205の外周に形成される
が、この被覆層201中には導電性物質が含有され、場
合によっては、図52に例示したもののように導電性物
質と共に固体潤滑剤204が含有されてもよい。 【0252】本発明者らは、この被覆層201の構成に
ついて鋭意検討を重ねた結果、被膜形成材料である結着
樹脂として、それ自身が鉄粉に対し正帯電性を有する第
4級アンモニウム塩化合物を含有し、構造中にアミノ
基、=NH又は−NH−の少なくとも1つを含む結着樹
脂を使用することにより、被覆層の結着樹脂自身の負帯
電性が増加し、正帯電性トナーに対する正帯電付与性が
向上することがわかった。また負帯電性トナーの帯電量
をコントロールできることがわかった。 【0253】ここで現像装置における前記現像剤と該被
覆層との関係について述べる。前記結着樹脂を構成成分
としたトナーをネガトナーとして用いる場合、従来のポ
リエステル樹脂を結着樹脂として用いたトナーと比較す
ると、強い負帯電性があるため、過剰帯電による現像剤
担持体上へのトナー融着、ブロッチ、ゴースト及び、耐
久や低湿下における画像濃度低下を起こしやすい。そこ
で現像剤担持体上に上記被覆層を設けたものを用いれ
ば、トナーと被覆層との摩擦帯電において、負帯電性ト
ナーの過剰帯電を防ぐ方向に働くことで負帯電性トナー
への摩擦帯電付与をコントロールすることができ、過剰
な負電荷を有する現像剤の発生や、現像剤担持体への現
像剤の強固な付着を有効に防止することができる。更
に、従来行われている帯電付与粒子を添加した場合に比
べて被覆層自体の機械的強度や耐摩耗性が向上するの
で、長期耐久に耐え、長期間安定して良好な画像を提供
することが可能となることを知見して本発明に至った。 【0254】一方、前記結着樹脂を構成成分としたトナ
ーをポジトナーとして用いる場合には、ビニル系成分中
の酸価を減らしたとしてもポリエステル成分が含まれて
いるため、正帯電性が弱く、十分な画像濃度が得られな
いことがある。更には高湿下での帯電性が不十分であ
る。そこで現像剤担持体上に上記被覆層を設けること
で、トナーと被覆層の摩擦帯電において、ポジトナーの
帯電量を高めに保持できるため、濃度低下、カブリ等の
画像不良を防ぐことができる。また導電性物質及び固体
潤滑剤を用いることで、過剰な電荷を有する現像剤の発
生や、現像剤担持体への現像剤の強固な付着を有効に防
止することができる。更に、従来行われている帯電付与
粒子を添加した場合に比べて被覆層自体の機械的強度や
耐摩耗性が向上するので、長期耐久に耐え、長期間安定
して良好な画像を提供することが可能となることを知見
して本発明に至った。 【0255】本発明において、現像剤担持体上の被覆層
を形成するための結着樹脂を上記したような構成とする
と、被覆層が、正極性トナーを有する現像剤に対して良
好な帯電付与物質となることについての明確な理由は定
かではないが、次のように推測される。本発明で用い
る、それ自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級アン
モニウム塩化合物は、添加されると、構造中にアミノ
基、=NH又は−NH−の少なくとも1つを含む樹脂中
に均一に分散され、更に、被覆を形成する際に樹脂の構
造中に取り込まれ、上記化合物を有する結着樹脂組成物
自身が負帯電性を持つようになるものと考えられる。そ
のため正帯電性トナーに対して良好な帯電付与性を持つ
ことになる。従って、このような材料を用いて形成され
た被覆層を有する現像剤担持体を用いれば、正帯電性現
像剤を好適に帯電させることが可能となる。また一方、
負帯電性トナーに対しては、トナーに負帯電量が過剰と
なることを妨げる方向に働き、結果として負帯電量を適
宜にコントロールすることが可能となる。図53及び5
4に、モデルトナーと本発明の被覆層に用いる樹脂への
第4級アンモニウム塩化合物添加量に対する帯電量のグ
ラフを示す。図に示すように、構造中にアミノ基、=N
H又は−NH−を含まないPMMA樹脂は、添加による
帯電量変化は見られなかった。 【0256】本発明において好適に使用される、上記し
た機能を有する第4級アンモニウム塩化合物としては、
鉄粉に対して正帯電性を有するものであればいずれのも
のでもよいが、例えば、下記一般式で表される化合物が
挙げられる。 【0257】 【化17】 (式中のR,R,R及びRは、夫々置換基を有
してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、アルアルキル基を表し、R〜Rは夫々同一でも
或いは異なっていても良い。Xは酸の陰イオンを表
す。) 【0258】前述の一般式において、Xの酸イオンの
具体例としては、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオ
ン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングス
テン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステン原子
を含むヘテロポリ酸等が好ましく用いられる。 【0259】これに対し、例えば、下記式で表わされる
ような、それ自身が鉄粉に対して負帯電性を有する含フ
ッ素第4級アンモニウム塩化合物についても検討を行っ
たが、該化合物の添加によっては本発明の所期の目的が
達成されないことがわかった。即ち、下記式で表される
化合物は、電子吸引性の強いフッ素原子が構造中にある
ので、それ自身が鉄粉に対して負帯電性を有するが、本
発明の場合と同様に、該化合物を、構造中にアミノ基、
=NH又は−NH−の少なくとも1つを含む樹脂中に分
散させた樹脂組成物を結着樹脂とし、これを加熱硬化さ
せて現像剤担持体上の被覆層を形成しても、それ自身が
鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合
物を含有させた樹脂を結着樹脂に用いる本発明の場合ほ
どには、本発明の負帯電性現像剤に対する過剰帯電抑
制、及び正帯電性現像剤に対する高い正摩擦帯電付与性
は得られなかった。 【0260】 【化18】 【0261】また、被覆層の形成に用いられる被膜形成
材料である、構造中にアミノ基、=NH又は−NH−の
少なくとも1つを含む樹脂の正帯電性現像剤に対する正
帯電付与性を向上させる添加剤としては、本発明で使用
する自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニ
ウム塩化合物以外のものとしては、例えば、ネガ性シリ
カ或はネガ性テフロン等の粒子も考えられるが、この場
合には、所望の正帯電付与性を得るにはこれらを大量に
添加する必要があり、被覆層としての強度低下を招き易
い。また、負帯電制御剤であるクロルフェノールを含む
アゾナフトールのクロム錯体、クロルフェノールとアニ
リドを含むアゾナフトールの鉄錯体、ジターシャリーブ
チルサルチル酸クロム錯体等を添加した場合も、フェノ
ール樹脂製被膜の帯電付与性を多少は向上させ得るが、
本発明で用いる第4級アンモニウム塩化合物ほどの顕著
な効果はない。更に、上記に挙げた負帯電制御剤は、材
料によっては、構造中にアミノ基、=NH又は−NH−
の少なくとも1つを含む樹脂中に分散されにくく、その
結果、上記と同様に被覆層の強度低下を招き易いものが
ある。 【0262】これに対し、構造中にアミノ基、=NH又
は−NH−の少なくとも1つを含む樹脂に、本発明で用
いる特定の第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂
組成物を使用して被覆層を形成すると、先に述べたよう
に、結着樹脂である、構造中にアミノ基、=NH又は−
NH−の少なくとも1つを含む樹脂を硬化させて被覆層
を形成した場合に、該第4級アンモニウム塩化合物が樹
脂の構造中に取り込まれる。このため、前記したネガ性
シリカ粒子或いはネガ性テフロン粒子等のような粒子添
加系の場合と異なり、部分的にではなく、被覆層全体と
して負帯電性現像剤に対しては過剰な負帯電付与性を抑
制し、正帯電性現像剤に対しては正帯電付与性が向上す
る。更に、粒子添加系の被膜と異なり、加工性が損なわ
れたり、被覆層の強度低下を生じることもない。 【0263】従って、上記した結着樹脂を用いて形成さ
れた被覆層が設けられている現像剤担持体を有する現像
装置を用いることによって、常温常湿下においては勿論
のこと、高温高湿下、或いは低湿下においても良好な画
像を提供することが可能となる。更に、長期耐久におい
ても安定した画像の提供ができる。 【0264】本発明に好適に用いられる、それ自身が鉄
粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物
としては、具体的には、以下のようなものが挙げられる
が、勿論、本発明は、これらに限定されるものではな
い。 【0265】 【化19】【0266】 【化20】【0267】上記に例示したような本発明で使用する第
4級アンモニウム塩化合物の添加量は、構造中にアミノ
基、=NH又は−NH−の少なくとも1つを含む樹脂1
00重量部に対して1〜100重量部とすることが好ま
しい。1重量部未満では添加による帯電付与性の向上が
見られず、100重量部を超えると結着樹脂中への分散
不良となり被膜強度の低下を招き易い。 【0268】また、本発明者らが鋭意検討を重ねた結
果、本発明において使用する、構造中にアミノ基、=N
H又は−NH−の少なくとも1つを含む樹脂として、そ
の製造工程において触媒として含窒素化合物を用いて製
造されたフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド
を硬化剤として用いたエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、或
いはこれらの樹脂を一部に含んだ共重合体等が挙げられ
る。これら結着樹脂との混合物の成膜時に第4級アンモ
ニウム塩化合物が結着樹脂の構造中に容易に取り込まれ
る。 【0269】また図53及び54に示される如く、構造
中にアミノ基、=NH又は−NH−を含まないPMMA
のようなアクリル系樹脂やスチレン系樹脂のようなもの
では、本発明の効果は得られなかった。 【0270】本発明で好適に使用し得るフェノール樹脂
として、製造工程において触媒として用いられる含窒素
化合物としては、例えば、酸性触媒としては、硫酸アン
モニウム、リン酸アンモニウム、スルファミド酸アンモ
ニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、マレイ
ン酸アンモニウムといったアンモニウム塩又はアミン塩
類が挙げられる。塩基性触媒としては、アンモニア、或
は、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピル
アミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミン、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミ
ン、トリアミルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエ
チルベンジルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニ
リン、N,N−ジn−ブチルアニリン、N,N−ジアミ
ルアニリン、N,N−ジt−アミルアニリン、N−メチ
ルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエ
タノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジ
エタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、ジ
n−ブチルエタノールアミン、トリイソプロパノールア
ミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等
のアミノ化合物;ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリ
ン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジ
ン等のピリジン及びその誘導体;キノリン化合物、イミ
ダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル
イミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミ
ダゾール及びその誘導体等の含窒素複素環式化合物等が
挙げられる。 【0271】また、本発明において使用する結着樹脂を
構成するポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン
6、66、610、11、12、9、13、Q2ナイロ
ン等、或いはこれらを主成分とするナイロンの共重合体
等、或はN−アルキル変性ナイロン、N−アルコキシル
アルキル変性ナイロン等、いずれも好適に用いることが
できる。更にはポリアミド変性フェノール樹脂のように
ポリアミドにて変性された各種樹脂、或いは、硬化剤と
してポリアミド樹脂を用いたエポキシ樹脂、といったよ
うに、ポリアミド樹脂分を含有している樹脂であれば、
いずれも好適に用いることができる。 【0272】また、本発明において使用する結着樹脂を
構成するウレタン樹脂としてはウレタン結合を含んだ樹
脂であれば、いずれも好適に用いることができる。この
ウレタン結合はポリイソシアネートとポリオールとの重
合付加反応によって得られる。このポリウレタン樹脂の
主原料となるポリイソシアネートとしては、TDI(ト
リレンジイソシアネート)、ピュアMDI(ジフェニル
メタンジイソシアネート)、ポリメリックMDI(ポリ
メチレンポリフェニルポリイソシアネート)、TODI
(トリジンジイソシアネート)、NDI(ナフタリンジ
イソシアネート)等の芳香族系ポリイソシアネート;H
MDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI
(イソホロンジイソシアネート)、XDI(キシリレン
ジイソシアネート)、水添XDI(水添キシリレンジイ
ソシアネート)、水添MDI(ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート)等の脂肪族系ポリイソシアネート等
が挙げられる。 【0273】またこのポリウレタン樹脂の主原料となる
ポリオールとしては、PPG(ポリオキシプロピレング
リコール)、ポリマーポリオール、ポリテトラメチレン
グリコール(PTMG)等のポリエーテル系ポリオー
ル;アジペート、ポリカプロラクトン、ポリカーボネー
トポリオール等のポリエステル系ポリオール;PHDポ
リオール、ポリエーテルエステルポリオール等のポリエ
ーテル系の変性ポリオール;その他、エポキシ変性ポリ
オール;エチレン−酢酸ビニル共重合物の部分ケン化ポ
リオール(ケン化EVA);難燃ポリオール等が挙げら
れる。 【0274】本発明において、上記した形成材料によっ
て現像剤担持体上に形成される被覆層は、チャージアッ
プによる現像剤の現像剤担持体上への固着や、現像剤の
チャージアップに伴って生じる現像剤担持体の表面から
現像剤への帯電付与不良を防ぐためには、導電性である
ことが望ましい。また、被覆層の体積抵抗値としては、
好ましくは10Ω・cm以下、より好ましくは10
Ω・cm以下である。即ち、被覆層の体積抵抗値が、1
Ω・cmを超えると現像剤への帯電付与不良が発生
し易く、その結果、ブロッチが発生し易い。 【0275】本発明において、被膜層の抵抗値を、上記
の値に調整するためには、下記に挙げる導電性物質を被
覆層中に含有させることが好ましい。この際に使用され
る導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニ
ッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化インジ
ウム、酸化スズ等の金属酸化物、カーボンファイバー、
カーボンブラック、グラファイト等の炭素物等が挙げら
れる。本発明においては、これらのうち、カーボンブラ
ック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に
電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与
したり、その添加量をコントロールするだけで、ある程
度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられ
る。また、本発明において好適なこれらの導電性物質の
添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重
量部の範囲とすることが好ましい。 【0276】更に、本発明においては、現像剤担持体表
面への現像剤の付着をより軽減化するため、被覆層中に
固体潤滑材を混合させることもできる。この際に使用し
得る固体潤滑材としては、例えば、二硫化モリブデン、
窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セ
レンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石が挙
げられる。また、本発明で使用することのできるこれら
の固体潤滑材の添加量は、結着樹脂100重量部に対し
て1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。 【0277】更に本発明において、現像剤担持体の被覆
層表面に均一な表面粗度を保持させると同時に、被覆層
表面にある程度の凸部を与えることにより、被覆層表面
への規制ブレード圧による間接的な押圧力や、トナーと
の接触による負荷を抑え、トナー融着やトナー汚染を発
生しにくくするために、球状粒子を添加することもでき
る。 【0278】球状粒子の粒径としては、体積平均粒径が
3〜30μm、好ましくは5〜25μm、より好ましく
は10〜25μmである。球状粒子の体積平均粒径が3
μm未満では表面に均一且つ十分な粗さを付与する効果
に乏しく、被覆層の磨耗によるトナーのチャージアッ
プ、トナー汚染及びトナー融着を発生し、ゴーストの悪
化や画像濃度低下を引き起こす。体積平均粒径が30μ
mを超えると導電性被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎ
てしまい、トナーの帯電が十分に行なわれにくくなって
しまうと共に被覆層の機械的強度が低下してしまう。本
発明における球状とは、粒子の長径/短径の比が1.0
〜1.5(好ましくは1.0〜1.2)が好ましい。特
に、真球状の粒子が好ましい。 【0279】更に本発明に使用する球状粒子は真密度が
3g/cm以下、好ましくは2.7g/cm以下で
ある。球状粒子の真密度が3g/cmを超えると、導
電性被覆層中での球状粒子の分散性が不十分となるため
被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなり、トナーの
均一な帯電化及び被覆層の強度が不十分となってしま
う。 【0280】本発明に用いられる球状粒子は公知の球状
粒子が使用可能である。例えば、球状の樹脂粒子、球状
の金属酸化物粒子、球状の炭素化物粒子などがあり、ト
ナーの現像性や現像システムに合わせて適宜用いられ
る。 【0281】球状の樹脂粒子としては、例えば、懸濁重
合法、分散重合法等による球状の樹脂粒子などが用いら
れる。球状の樹脂粒子はより少ない添加量で好適な表面
粗さが得られ、さらに均一な表面形状が得られやすい。
このような球状の樹脂粒子としては、ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、ナイ
ロン等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系
樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂
粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子、等
々が挙げられる。粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的
にあるいは物理的な球形化処理を行ってから用いても良
い。 【0282】例えば球状の樹脂粒子の表面に無機微粉末
を付着させる、あるいは固着させて用いてもよい。この
ような無機微粉末としては、SiO、SrTiO
CeO、CrO、Al、ZnO、MgOの如き
酸化物、Siの如き窒化物、SiCの如き炭化
物、CaSO、BaSO、CaCOの如き硫酸塩
・炭酸塩、等々が挙げられる。 【0283】このような無機微粉末は、カップリング剤
により処理して用いても良い。特に結着樹脂との密着性
を向上させる目的、あるいは粒子に疎水性を与える、等
々の目的では好ましく用いることが可能である。このよ
うなカップリング剤としては、例えば、シランカップリ
ング剤、チタンカップリング剤、ジルコアルミネートカ
ップリング剤等がある。より具体的には、例えばシラン
カップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、ト
リメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチル
エトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリ
クロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフ
ェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラ
ン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエ
チルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシ
ラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガ
ノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタ
ン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチル
アセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘ
キサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチ
ルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシ
ロキサン、及び1分子当たり2から12個のシロキサン
単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素
原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサ
ン等が挙げられる。 【0284】このように球状樹脂粒子表面に対して無機
微粉末で処理することにより、塗料中への分散性、塗工
表面の均一性、被膜の耐汚染性、トナーへの帯電付与
性、被覆層の耐磨耗性等を向上させることができる。 【0285】また、球状粒子に導電性を持たせることに
よって、その導電性のゆえに粒子表面にチャージが蓄積
しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を向
上させることができる。このような導電性球状粒子を得
る方法としては、以下に示す様な方法が好ましいが、必
ずしもこれらの方法に限定されるものではない。 【0286】本発明に使用される特に好ましい導電性球
状粒子を得る方法としては、フェノール樹脂、ナフタレ
ン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン
重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリア
クリロニトリル等の樹脂系球状粒子やメソカーボンマイ
クロビーズを焼成して炭素化及び/又は黒鉛化して得た
低密度且つ良導電性の球状炭素粒子であり、より好まし
くは、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、
キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル等の球
状粒子表面にメカノケミカル法によってバルクメソフェ
ーズピッチを被覆し、それを酸化性雰囲気化で熱処理し
た後に焼成して炭素化及び/または黒鉛化して得た導電
性球状炭素粒子である。これらの方法で得られた球状炭
素粒子は、いずれの方法も焼成条件等を変化させること
で導電性をある程度制御することが可能である。また、
これらの方法で得られた球状炭素粒子は、場合によって
更に導電性を高めるために真密度が3g/cmを超え
ない程度に導電性の金属及び/または金属酸化物等のメ
ッキを施していても良い。 【0287】また、本発明に好ましく使用される導電性
球状粒子を得る他の方法としては、球状樹脂粒子からな
る芯粒子表面に芯粒子の粒径より小さい導電性微粒子を
適当な配合比で機械的に混合し、ファンデルワールス力
及び静電気力の作用により、樹脂粒子の周囲に均一に導
電性微粒子を付着した後、例えば機械的衝撃力などによ
り生ずる局部的温度上昇により樹脂粒子表面を軟化さ
せ、導電性微粒子を成膜した導電性処理球状樹脂粒子等
が挙げられる。前記の母粒子の構成材料としては、芯密
度の小さい球形の有機化合物である樹脂を使用すること
が好ましく、例えばPMMA、アクリル樹脂、ポリブタ
ジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベ
ンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹
脂、ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキ
シ系樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子を用いること
ができる。また、小粒子である導電性微粒子としては、
導電性微粒子の被膜を均一に行なうため、小粒子の粒径
が母粒子の粒径より1/8以下であることが好ましい。 【0288】本発明に好ましく使用される導電性球状粒
子を得る更に他の方法としては、球状樹脂粒子中に導電
性微粒子が均一に分散されたもので、例えば、結着樹脂
中に導電性微粒子を分散、混練した後、所定の粒径に粉
砕し、機械的処理及び熱的処理により球形化した導電性
球状粒子や、重合性単量体中に重合開始剤・導電性微粒
子及びその他の添加剤を加え、分散機等によって均一に
分散せしめた単量体組成物を分散安定剤を含有する水相
中に攪拌機等により所定の粒子径になるように懸濁し、
重合を行なって得た導電性微粒子分散の球状粒子等が挙
げられる。 【0289】これらの方法で得た導電性微粒子分散球状
粒子は、前記した芯粒子より小さい粒径の導電性微粒子
と適当な配合比で機械的に混合し、ファンデルワールス
力及び静電気力の作用により、導電性微粒子分散球状粒
子の周囲に均一に導電性微粒子を付着した後、例えば機
械的衝撃力などにより生ずる局部的温度上昇により導電
性微粒子分散樹脂粒子表面を軟化させ、導電性微粒子を
成膜し、更に導電性を高めて使用してもよい。 【0290】本発明で好適に使用される上記のような構
成を有する現像剤担持体表面の被覆層の表面粗さは、J
IS中心線平均粗さ(Ra)で0.1〜3.5μmの範
囲にあることが好ましい。更に好ましくは、0.3〜
2.5μmである。即ち、Raが0.1μm未満では、
現像剤担持体上におけるトナーの帯電量が高くなり過ぎ
現像性が不充分となるし、また、現像領域への現像剤の
搬送性に劣り、充分な画像濃度が得られにくくなる。一
方、Raが3.5μmを超えると、現像剤担持体上に形
成されるトナーコート層にムラが生じ、画像上での濃度
ムラの原因となる。 【0291】{現像装置・画像形成方法}次に、図7及
び図8を参照しながら、本発明トナーを用いる画像形成
方法が実施可能な画像形成装置の一例について説明す
る。 【0292】一次帯電器2で静電潜像保持体(感光体)
1表面を負極性又は正極性に帯電し、アナログ露光又は
レーザー光による露光5により静電潜像を形成し、磁性
ブレード11と、磁極N,N,S及びSを有す
る磁石23を内包している現像スリーブ4とを具備する
現像器9の磁性トナー13で静電荷像を反転現像又は正
規現像により現像する。現像部において感光体1の導電
性基体16と現像スリーブ4との間で、バイアス印加手
段12により交互バイアス、パルスバイアス及び/又は
直流バイアスが印加されている。磁性トナー像は、中間
転写体を介して、又は、介さずに転写材へ転写される。
転写紙Pが搬送されて、転写部にくると転写帯電器3に
より転写紙Pの背面(感光体側と反対面)から正極性ま
たは負極性の帯電をすることにより、感光体表面上の負
荷電性磁性トナー像または正荷電性磁性トナー像が転写
紙P上へ静電転写される。除電手段22で除電後、感光
体1から分離された転写紙Pは、ヒータ21を内包して
いる加熱加圧ローラ定着器7により転写紙P上のトナー
画像は、加熱加圧定着される。 【0293】転写工程後の感光体1に残留する磁性トナ
ーは、クリーニングブレード8を有するクリーニング手
段で除去される。クリーニング後の感光体1は、イレー
ス露光8により除電され、再度、一次帯電器2により帯
電工程から始まる工程が繰り返される。 【0294】静電潜像保持体(例えば感光ドラム)1は
感光層15及び導電性基体16を有し、矢印方向に動
く。現像スリーブ4である非磁性円筒の現像スリーブ4
は、現像部において静電潜像保持体1表面と同方向に進
むように回転する。非磁性の円筒状の現像スリーブ4の
内部には、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネッ
トロール)23が回転しないように配されている。現像
器9内の磁性トナー13は現像スリーブ4に塗布され、
かつ現像スリーブ4の表面と磁性トナー粒子との摩擦に
よって、磁性トナー粒子はトリボ電荷が与えられる。さ
らに鉄製の磁性ドクターブレード11を円筒状の現像ス
リーブ4の表面に近接して(間隔50μm〜500μ
m)、多極永久磁石の一つの磁極位置に対向して配置す
ることにより、磁性トナー層の厚さを薄く(30μm〜
300μm)且つ均一に規制して、現像部における感光
体1と現像スリーブ4の間隙と同等又は間隙よりも薄い
磁性トナー層を形成する。現像スリーブ4の回転速度を
調節することにより、現像スリーブ表面速度が感光体1
の表面の速度と実質的に等速、もしくはそれ以上の速度
となるようにする。磁性ドクターブレード11として鉄
のかわりに永久磁石を用いて対向磁極を形成してもよ
い。現像部において現像スリーブ4に交流バイアスまた
はパルスバイアスをバイアス手段12により印加しても
よい。この交流バイアスはfが200〜4,000H
z、Vppが500〜3,000Vであれば良い。 【0295】現像部における磁性トナー粒子の転移に際
し、感光体面の静電的力及び交流バイアスまたはパルス
バイアスの作用によって磁性トナー粒子は静電荷像側に
移行する。 【0296】磁性ブレード11の代わりに、シリコーン
ゴムの如き弾性材料で形成された弾性ブレードを用いて
押圧によって磁性トナー層の層厚を規制し、現像スリー
ブ上に磁性トナーを塗布しても良い。 【0297】図9は、本発明の画像形成方法を実施し得
る画像形成装置の他の例を示す。 【0298】一次帯電器としての接触(ローラー)帯電
手段119により静電潜像保持体としての感光ドラム1
01の表面を負極性に帯電し、レーザー光の露光115
によるイメージスキャニングによりディジタル潜像が感
光ドラム101上に形成される。トナー層厚規制部材と
しての弾性規制ブレード111を有し、多極永久磁石1
05が内包されているトナー担持体としての現像スリー
ブ108が具備されている現像装置によって、上記のデ
ィジタル潜像が、ホッパー103内の磁性トナー104
によって反転現像される。図9に示すように、現像領域
Dにおいて感光ドラム101の導電性基体は接地されて
おり、現像スリーブ108にはバイアス印加手段109
により交互バイアス、パルスバイアス及び/又は直流バ
イアスが印加されている。記録材Pが搬送されて転写部
に来ると、転写手段としての接触(ローラー)転写手段
113により記録材Pの背面(感光ドラム側と反対面)
から電圧印加手段114で帯電されることにより、感光
ドラム101の表面上に形成されているトナー画像が接
触転写手段113で記録材P上へ転写される。感光ドラ
ム101から分離された記録材Pは、定着手段としての
加熱加圧ローラー定着器117に搬送され、該定着器1
17によって記録材P上のトナー画像の定着処理がなさ
れる。 【0299】転写工程後の感光ドラム101に残留する
磁性トナー104は、クリーニングブレード108aを
有するクリーニング手段118で除去される。残留する
磁性トナー104が少ない場合にはクリーニング工程を
省くことも可能である。クリーニング後の感光ドラム1
01は、必要によりイレース露光116により除電さ
れ、再度、一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電
手段119による帯電工程から始まる上記工程が繰り返
される。 【0300】上記の一連の工程において、感光ドラム
(即ち、静電潜像保持体)101は観光層及び導電性基
体を有するものであり、矢印方向に動く。トナー担持体
である非磁性の円筒の現像スリーブ108は、現像領域
Dにおいて感光ドラム101の表面と同方向に進むよう
に回転する。現像スリーブ108の内部には、磁界発生
手段である多極永久磁石(マグネットロール)105が
回転しないように配されている。現像剤容器103内の
磁性トナー104は、現像スリーブ108上に塗布され
て担持され、且つ現像スリーブ108の表面との摩擦及
び/又は磁性トナー同士の摩擦によって、例えば、マイ
ナスのトリボ電荷が与えられる。更に、弾性規制ブレー
ド111を現像スリーブ108を弾性的に押圧する様に
設け、トナー層の厚さを薄く(30〜300μm)且つ
均一に規制して、現像領域Dにおける感光ドラム101
と現像スリーブ108との間隙よりも薄いトナー層を形
成させる。現像スリーブ108の回転速度を調節するこ
とによって、現像スリーブ108の表面速度が感光体ド
ラム101の表面の速度と実質的に等速、もしくはそれ
以上の速度となるようにする。現像領域Dにおいて、現
像スリーブ108に現像バイアス電圧として、交流バイ
アス又はパルスバイアスをバイアス印加手段109によ
り印加してもよい。この交流バイアスはfが200〜
4,000Hz、Vppが500〜3,000Vであれ
ば良い。現像領域Dにおける磁性トナーの転移に際し、
感光ドラム101の表面の静電気力、及び交流バイアス
又はパルスバイアスの如き現像バイアス電圧の作用によ
って、磁性トナーは静電潜像側に移転する。 【0301】本発明の画像形成方法においては、定着工
程で用いた熱ロール定着装置に代えて、他の加熱定着手
段として、フィルム加熱定着装置を用いることができ
る。図10は、このフィルム加熱定着装置の概略図を示
す。 【0302】図10に示す定着装置において加熱体は、
従来の熱ロールに比べてその熱容量が小さく、線状の加
熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜30
0℃であることが好ましい。 【0303】加熱体と加圧部材の間に位置するフィルム
は、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが
好ましく、これら耐熱性シートとしては、耐熱性の高
い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミドの如
きポリマーシート、アルミニウムの如き金属シート及
び、金属シートとポリマーシートから構成されたラミネ
ートシートが用いられる。 【0304】より好ましいフィルムの構成としては、こ
れら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有して
いることである。 【0305】図10を参照しながら、定着装置の一具体
例を説明する。 【0306】61は、装置に固定支持された低熱容量線
状加熱体であって、一例として厚み1.0mm,幅10
mmm長手長240mmのアルミナ基板70に抵抗材料
69を幅1.0mmに塗工したもので、長手方向両端よ
り通電される。通電はDC100Vの周期20msec
のパルス状波形で検温素子71によりコントロールされ
た所望の温度、エネルギー出量に応じたパルスをそのパ
ルス幅を変化させて与える。略パルス幅は0.5〜5m
secとなる。この様にエネルギー及び温度を制御され
た加熱体61に当接して、図中矢印方向に定着フィルム
62は移動する。 【0307】この定着フィルムの一例として厚み20μ
mの耐熱フィルム(例えばポリイミド、ポリエーテルイ
ミド、PESまたはPFAに少なくとも画像当接面側に
PTFE、PFAの如きフッ素樹脂)に導電材を添加し
た離型層を10μmコートしたエンドレスフィルムであ
る。一般的には層厚は100μm未満、より好ましくは
40μm未満が良い。フィルム駆動は駆動ローラー63
と従動ローラー64による駆動とテンションにより矢印
方向にシワなく移動する。 【0308】65は、シリコーンゴムの如き離型性の良
いゴム弾性層を有する加圧ローラーで、総圧4〜20k
gでフィルムを介して加熱体を加圧し、フィルムと圧接
回転する。転写材66上の未定着トナー67は、入口ガ
イド68により定着部に導かれ上述の加熱により定着像
をえるものである。 【0309】以上は、エンドレスベルトで説明したが、
シート送り出し軸、及び巻き取り軸を使用し、定着フィ
ルムは有端のフィルムであっても良い。 【0310】本発明のトナーを用いる画像形成方法の現
像工程について、図11乃至14に示す他の実施形態の
画像形成装置を用いて詳しく説明をする。 【0311】本発明のトナーを用いる現像方法には、磁
性トナーを用いる方法と非磁性トナーを用いる方法があ
る。 【0312】磁性トナーを用いる方法から説明する。 【0313】図11において、現像剤担持体42の略右
半周面は現像剤容器46内の現像剤溜まりに常時接触し
ていて、その現像剤担持体表面近傍のトナーを有する一
成分系現像剤が現像剤担持体表面に現像剤担持体内の磁
気発生手段43の磁力で及び/又は静電気力により付着
保持される。現像剤担持体42が回転駆動されるとその
現像剤担持体表面の磁性現像剤層が現像剤規制部材44
の位置を通過する過程で各部均一の厚さの薄層T1とし
て整層化される。一成分系現像剤の帯電は主として現像
剤担持体42の回転に伴う現像剤担持体表面とその近傍
のトナー溜まりの磁性トナーとの摩擦接触によりなさ
れ、現像剤担持体42上の上記現像剤薄層面は現像剤担
持体の回転に伴い静電潜像保持体41側へ回転し、静電
潜像保持体41と現像剤担持体42の再接近部である現
像領域部Aを通過する。この通過過程で現像剤担持体4
2表面側の現像剤薄層の磁性トナーを有する一成分系現
像剤が静電潜像保持体41と現像剤担持体42間に印加
した直流と交流電圧による直流と交流電界により飛翔
し、現像領域部Aの静電潜像保持体41表面と、現像剤
担持体42面との間(間隙α)を往復運動する。最終的
には現像剤担持体42側の磁性トナーを有する一成分系
現像剤が静電潜像保持体41表面に潜像の電位パターン
に応じて選択的に移行付着して現像剤像T2が順次に形
成される。 【0314】現像領域部Aを通過して、一成分系現像剤
が選択的に消費された現像剤担持体表面は、現像剤容器
46の現像剤溜まりへ再回転することにより一成分系現
像剤の再供給を受け、現像領域部Aへ現像剤担持体42
の現像剤薄層T1面が移送され、繰り返し現像工程が行
われる。 【0315】本発明の画像形成方法に用いられる現像剤
規制部材は、現像剤担持体表面に現像剤規制部材が当接
する形態である場合に、画像濃度、スリーブゴーストが
良好である。 【0316】現像剤規制部材が現像剤担持体表面に当接
する形態の現像剤規制の場合、本発明のトナーにおいて
は、トナーの帯電性をさらに向上し、画像濃度、スリー
ブゴーストがさらに良好になると考えられている。 【0317】現像剤規制部材としては、シリコーンゴ
ム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチ
レンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレ
ス、鋼の如き金属弾性体が使用できる。それらの複合体
であっても使用できる。好ましくは、ゴム弾性体が良
い。 【0318】現像剤規制部材の材質は、現像剤担持体上
のトナーの帯電に大きく関与する。トナーの帯電性をコ
ントロールするため、弾性体中に、有機物、無機物を添
加しても良く、溶融混合させても良いし、分散させても
良い。このような有機物及び無機物としては、例えば、
金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィ
スカー、無機繊維、染料、顔料及び界面活性剤があげら
れる。更に、ゴム、合成樹脂、金属弾性体に、トナーの
帯電性をコントロールする目的で、樹脂、ゴム、金属酸
化物又は金属を現像剤担持体当接部分に当たるようにつ
けたものを用いても良い。弾性体、現像剤担持体に耐久
性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂、ゴムを現
像剤担持体当接部に当たるように貼り合わせるものが好
ましい。 【0319】一成分系現像剤が負帯電性である場合に
は、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ウレタン樹脂、ポ
リアミド樹脂、ナイロン樹脂が好ましい。トナーが正帯
電性である場合には、ウレタンゴム、ウレタン樹脂の
他、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。 【0320】現像剤担持体当接部分が樹脂やゴムの成型
体の場合は、トナーの帯電性を調整するためにその中
に、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジルコ
ニア、酸化亜鉛の如き金属酸化物、カーボンブラック、
一般にトナーに用いられる荷電制御剤を含有させること
も好ましい。 【0321】現像剤規制部材上辺部側である基部は現像
剤容器側に固定保持され、下辺部側をトナー規制部材の
弾性に抗して現像剤担持体の順方向或いは逆方向にたわ
め状態にしてトナー担持体表面に適度の弾性押圧をもっ
て当接させる。画像形成装置の例を図12及び13に示
す。 【0322】現像剤規制部材と現像剤担持体との当接圧
力は、現像剤担持体母線方向の線圧として、0.98N
/m(1g/cm)以上、好ましくは1.27〜245
N/m(3〜250g/cm)、更に好ましくは4.9
〜118N/m(5〜120g/cm)が有効である。
当接圧力が0.98N/m(1g/cm)より小さい場
合、トナーの均一塗布が困難となり、カブリや飛散の原
因となる。また当接圧力が245N/m(250g/c
m)を超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナー
の劣化が起こりやすくなり好ましくない。 【0323】静電潜像保持体と現像剤担持体との間隙α
は、例えば50〜500μmに設定されることが好まし
い。 【0324】トナー担持体上の磁性現像剤層の層厚は、
静電潜像保持体と現像剤担持体との間隙αよりも小さく
することが好ましいが、現像剤層の一部が静電潜像保持
体表面に接触するような形態でも使用可能である。 【0325】本発明においては現像剤担持体と静電潜像
保持体と間には、交流成分を含む電界が印加される形態
が好ましい。現像剤担持体と静電潜像保持体の間の交流
成分の両者の最近接部での電界のピーク トゥ ピーク
の大きさ(Vpp)は2〜8MV/m以上であることが
好ましい。交流バイアスの周波数は1.0kHz〜5.
0kHz、好ましくは1.5kHz〜3.0kHzで用
いられる。交流バイアスの波形は、矩形波、サイン波、
鋸波又は三角波が適用できる。さらに、正/逆の電圧の
かかる時間の異なる非対称の交流バイアスも利用でき
る。 【0326】次に非磁性のトナーを用いる現像を行う場
合の一例を示す。 【0327】図14に、静電潜像保持体としての感光体
上に形成された静電潜像を現像する装置を示す。41は
静電潜像保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真
プロセス手段又は静電記録手段により成される。42は
トナー担持体である。 【0328】トナーは現像剤容器46に貯蔵されてお
り、供給ローラー47によって現像剤担持体上へ供給さ
れる。供給ローラーはポリウレタンフォームの如き発泡
剤より成っており、現像剤担持体に対して、順または逆
方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤供給と
ともに、現像剤担持体上の現像後のトナーを有する一成
分系現像剤(未現像トナー)のはぎ取りも行っている。
現像剤担持体上に供給されたトナーはトナー規制部材4
4によって均一かつ薄層に塗布される。 【0329】現像剤規制部材の材質、当接手段、現像剤
担持体の材質、静電潜像保持体と現像剤担持体との距
離、現像剤担持体に印加するバイアスは、いずれも上述
した図11乃至13で示す磁性トナーの現像方法のそれ
に準じる。 【0330】本発明の画像形成方法の好ましいさらに他
の具体例を図15を参照しながら説明する。 【0331】一次帯電器としての帯電ローラーからなる
接触帯電部材91で静電潜像保持体としてのOPC感光
ドラム83表面を負極性に帯電し、レーザー光による露
光85によりイメージスキャニングによりディジタルの
静電潜像を形成し、カウンター方向に設置されたウレタ
ンゴム製の弾性ブレード88および磁石95を内包して
いる現像スリーブ86を具備する現像手段としての現像
装置81の負摩擦帯電性磁性トナーを有する一成分系現
像剤93で該潜像を反転現像する。または、正極性に帯
電し得る感光体を使用し、感光体を正極性に帯電し、静
電潜像を形成し、負摩擦帯電性磁性トナーを有する一成
分系現像剤を用いて正規現像を行う。現像スリーブ86
に、バイアス印加手段92により交互バイアス、パルス
バイアス及び/又は直流バイアスが印加されている。転
写紙Pが搬送されて、転写部にくると転写手段としての
転写ローラーからなる接触転写部材84により転写紙P
の背面(感光ドラム側と反対面)から帯電をすることに
より、感光ドラム表面上の現像画像が転写紙P上へ静電
転写される。感光ドラム83から分離された転写紙P
は、内部に加熱手段96を有する加熱ローラー97と加
圧ローラー98を有する加熱加圧定着器により転写紙P
上の現像画像を定着するために定着処理される。 【0332】転写工程後の感光ドラム83に残留する磁
性トナーは、クリーニングブレード87を有するクリー
ニング器94で除去される。クリーニング後の感光ドラ
ム83は、イレース露光90により除電され、再度、一
次帯電器91による帯電工程から始まる工程が繰り返さ
れる。 【0333】静電潜像保持体(感光ドラム)は感光層及
び導電性基体を有し、矢印方向に動く。現像剤担持体で
ある非磁性円筒の現像スリーブ86は、現像部において
静電潜像保持体表面と同方向に進むように回転する。非
磁性円筒の現像スリーブ86の内部には、磁界発生手段
である多極永久磁石95(マグネットロール)が回転し
ないように配されている。現像装置81内の磁性トナー
93は非磁性円筒面上に塗布され、かつ現像スリーブ8
6の表面と磁性トナー粒子との摩擦によって、磁性トナ
ー粒子はマイナスのトリボ電荷が与えられる。さらに弾
性ドクターブレード88を配置することにより、現像剤
層の厚さを薄く(30μm〜300μm)且つ均一に規
制して、現像部における感光ドラム83と現像スリーブ
86の間隙よりも薄いトナー層を非接触となるように形
成する。このスリーブ86の回転速度を調整することに
より、スリーブ表面速度が静電潜像保持体表面の速度と
実質的に等速、若しくはそれに近い速度となるようにす
る。 【0334】現像スリーブ86に交流バイアスまたはパ
ルスバイアスをバイアス手段92により印加しても良
い。この交流バイアスはfが200〜4,000Hz、
ppが500〜3,000Vであることが好ましい。 【0335】現像部分における磁性トナー粒子の転移に
際し、静電潜像を保持する感光ドラム83の表面の静電
的力及び交流バイアスまたはパルスバイアスの作用によ
って磁性トナー粒子は静電潜像側に転移する。 【0336】上述の感光ドラムの如き静電潜像保持体や
現像装置、クリーニング手段などの構成要素のうち、複
数のものを装置ユニットとして一体に結合してプロセス
カートリッジを構成し、このプロセスカートリッジを装
置本体に対して着脱可能に構成しても良い。例えば、帯
電手段及び現像装置を感光ドラムとともに一体に支持し
てプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在
の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段
を用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記
のプロセスカートリッジのほうにクリーニング手段を伴
って構成しても良い。 【0337】図16は本発明のプロセスカートリッジの
一実施例を示している。本実施例では、現像装置81、
ドラム状の静電潜像保持体(感光ドラム)83、クリー
ナー94、一次帯電器91を一体としたプロセスカート
リッジ99が例示される。 【0338】プロセスカートリッジにおいては、現像装
置81の磁性トナー93がなくなった時に新たなカート
リッジと交換される。 【0339】本実施例では、現像装置81は磁性トナー
を有する一成分系現像剤93を保有しており、現像時に
は、感光ドラム83と現像スリーブ86との間に所定の
電界が形成され、現像工程が好適に実施されるために
は、感光ドラム83と現像スリーブ86との間の距離は
非常に大切である。本実施例では例えば300μm中心
とし、誤差が±20μmとなるように調整される。 【0340】図16に示すプロセスカートリッジにおい
て、現像装置81は磁性トナーを有する一成分系現像剤
93を収容するための現像剤容器82と、現像剤容器8
2内の磁性トナー93を現像剤容器82から静電潜像保
持体83に対面した現像域へと担持し搬送する現像スリ
ーブ86と、現像スリーブ86にて担持され、現像域へ
と搬送される現像剤を所定厚さに規制し該現像スリーブ
上に現像剤薄層を形成するための弾性ブレード88とを
有する。 【0341】前記現像スリーブ86は、任意の構造とし
得る。通常は、磁石95を内蔵した非磁性の現像スリー
ブ86から構成される。現像スリーブ86は図示される
ように円筒状の回転体とすることもできる。循環移動す
るベルト状とすることも可能である。その材質としては
通常、アルミニウムやSUSが用いられることが好まし
い。 【0342】前記弾性ブレード88は、ウレタンゴム、
シリコーンゴム、NBRの如きゴム弾性体;リン青銅、
ステンレス板の如き金属弾性体;ポリエチレンテレフタ
レート、高密度ポリエチレン等の如き樹脂弾性体で形成
された弾性板で構成される。弾性ブレード88は、その
部材自体のもつ弾性により現像スリーブ86に当接さ
れ、鉄の如き剛体から成るブレード支持部材89にてト
ナー容器82に固定される。弾性ブレード88は、線圧
5〜80g/cmで現像スリーブ86の回転方向に対し
てカウンター方向に当接することが好ましい。 【0343】弾性ブレード88の代わりに、鉄の如き磁
性ドクターブレードを用いることも可能である。 【0344】一次帯電手段としては、以上の如く接触帯
電手段として帯電ローラー91を用いて説明したが、帯
電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でもよく、
更に、非接触のコロナ帯電手段でもよい。しかしなが
ら、帯電によるオゾンの発生が少ない点で接触帯電手段
の方が好ましい。転写手段としては、以上の如く転写ロ
ーラー84を用いて説明したが転写ブレードの如き接触
帯電手段でもよく、更に非接触のコロナ帯電手段でもよ
い。しかしながら、こちらも転写によるオゾンの発生が
少ない点で接触帯電手段の方が好ましい。 【0345】上述の本発明の画像形成装置をファクシミ
リのプリンターに適用する場合には、光像露光Lは受信
データをプリントするための露光になる。図17はこの
場合の一例をブロック図で示したものである。 【0346】コントローラー131は画像読取部130
とプリンター139を制御する。コントローラー131
の全体はCPU137により制御されている。画像読取
部からの読取データは、送信回路133を通して相手局
に送信される。相手局から受けたデータは受信回路13
2を通してプリンター139に送られる。画像メモリに
は所定の画像データが記憶される。プリンタコントロー
ラー138はプリンター139を制御している。134
は電話である。 【0347】回線135から受信された画像(回線を介
して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信
回路132で復調された後、CPU137は画像情報の
複号信号を行い順次画像メモリ136に格納される。そ
して、少なくとも1ページの画像がメモリ136に格納
されると、そのページの画像記録を行う。CPU137
は、メモリ136より1ページの画像情報を読み出しプ
リンタコントローラー138に複合化された1ページの
画像情報を送出する。プリンタコントローラー138
は、CPU137からの1ページの画像情報を受け取る
とそのページの画像情報記録を行うべく、プリンター1
39を制御する。 【0348】尚、CPU137は、プリンター139に
よる記録中に、次のページの受信を行っている。 【0349】以上の様に、画像の受信と記録が行われ
る。 【0350】 【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0351】 ネガトナー用結着樹脂の製造例I: (樹脂製造例I−1−N) 低架橋度樹脂組成物(I−N−L−1)の製造 (クロロホルム不溶分を実質的に0乃至10重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol 【0352】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って、2
10℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、
クロロホルム不溶分を約4重量%含有する低架橋度ポリ
エステル樹脂を得た。 【0353】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン16重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート4重量部及びエス
テル化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重量部
を添加して、110℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒
素雰囲気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶
解したものを約30分かけて滴下した。その温度で更に
10時間保持してラジカル重合反応を終了した。更に加
熱しながら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度
ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユ
ニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリ
ッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶分を約7重量
%含有する低架橋度樹脂組成物(I−N−L−1)を得
た。 【0354】 高架橋度樹脂組成物(I−N−H−1)の製造 (クロロホルム不溶分を15乃至70重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :2.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :10.0mol ・EO−BPA :4.1mol 【0355】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って21
0℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、ク
ロロホルム不溶分を約25重量%含有する高架橋度ポリ
エステル樹脂を得た。 【0356】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン10重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部、ジビ
ニルベンゼン0.01重量部及びエステル化触媒として
ジブチルスズオキサイド0.3重量部を添加して、11
0℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒素雰囲気下、ラジ
カル重合開始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイ
ド1重量部をキシレン10重量部に溶解したものを約3
0分かけて滴下した。その温度で更に10時間保持して
ラジカル重合反応を終了した。更に加熱しながら減圧し
て、脱溶剤することにより、高架橋度ポリエステル樹
脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル
系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなり、クロロホルム不溶分を約33重量%含有する高
架橋度樹脂組成物(I−N−H−1)を得た。 【0357】結着樹脂(I−1−N)の製造 キシレン100重量部に低架橋度樹脂組成物(I−N−
L−1)60重量部、高架橋度樹脂組成物(I−N−H
−1)30重量部、スチレン5重量部、2−エチルヘキ
シルアクリレート5重量部及びジビニルベンゼン0.0
1重量部を添加して110℃まで加熱して膨潤・溶解し
た。窒素雰囲気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチ
ルハイドロパーオキサイド1重量部をキシレン10重量
部に溶解したものを約30分かけて滴下した。その温度
で更に10時間保持してラジカル重合反応を終了した。
更に加熱しながら減圧して、脱溶剤することにより、低
架橋度ポリエステル樹脂、高架橋度ポリエステル樹脂、
ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル系重
合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分からな
り、クロロホルム不溶分を約28重量%含有する結着樹
脂(I−1−N)を得た。 【0358】(樹脂製造例I−2−N)樹脂製造例I−
1−Nにおいて、高架橋度樹脂組成物(I−N−H−
1)を製造する際に、ポリエステル樹脂80重量部に対
して16.6重量部の表5に示すワックス(1)をスチ
レン及び2−エチルヘキシルアクリレートと共に添加し
て、ワックスを含有し、かつクロロホルム不溶分を37
重量%含有する高架橋度樹脂組成物(I−N−H−2)
を得た。高架橋度樹脂組成物(I−N−H−2)35重
量部(ワックス5重量部を含む)を使用した以外は製造
例I−1−Nと同様にして、低架橋度ポリエステル樹
脂、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポ
リエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有して
いるハイブリッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶
分を約30重量%含有する結着樹脂(I−2−N)を得
た。 【0359】(樹脂製造例I−3−N〜I−7−N)低
架橋度樹脂組成物の製造で用いたモノマーを以下に示す
モノマーに変更した以外は樹脂製造例I−1−Nの低架
橋度樹脂組成物(I−N−L−1)と同様にして、クロ
ロホルム不溶分を約6重量%含有する低架橋度樹脂組成
物(I−N−L−3)を得た。 ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol 【0360】次に、以下に示すモノマーを用いた以外は
高架橋度樹脂組成物(I−N−H−2)と同様にして縮
重合反応を行い、樹脂組成物30重量部に対してワック
ス(2)を5重量部含有し、クロロホルム不溶分を約1
9重量%含有した高架橋度樹脂組成物(I−N−H−
3)を得た。 ・テレフタル酸 :2.2mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mo1 ・PO−BPA :8.0mol ・EO−BPA :3.0mol 【0361】低架橋度樹脂組成物(I−N−L−3)6
0重量部、高架橋度樹脂組成物(I−N−H−3)35
重量部を用いた以外は、樹脂製造例I−1−Nと同様に
して、高架橋度ポリエステル樹脂、低架橋度ポリエステ
ル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビ
ニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成
分からなる表1乃至3に示す結着樹脂(I−3−N)を
得た。 【0362】以下、モノマーの種類、組成比及びワック
スを変更することにより、表1乃至3に示す結着樹脂
(I−4−N)〜(I−7−N)を得た。 【0363】(樹脂比較製造例I−1−N)樹脂製造例
I−1−Nにおいて、コハク酸誘導体(1−3)のかわ
りにテレフタル酸を使用した以外は同様にして、表1乃
至3に示す比較用結着樹脂(I−1−N)を得た。 【0364】(樹脂比較製造例I−2−N)樹脂製造例
I−2−Nにおいて、コハク酸誘導体(1−3)及びワ
ックス(2)のかわりにテレフタル酸及びワックス
(4)を使用した以外は同様にして、表1乃至3に示す
比較用結着樹脂(I−2−N)を得た。 【0365】(樹脂比較製造例I−3−N)樹脂製造例
I−1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりに
テレフタル酸、さらに、低架橋度樹脂組成物においては
無水トリメリット酸のかわりにもテレフタル酸を使用し
た以外は同様にして、表1乃至3に示す比較用結着樹脂
(I−3−N)を得た。 【0366】(樹脂比較製造例I−4−N)樹脂製造例
I−1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわり
に、低架橋度樹脂組成物においては無水トリメリット酸
を、高架橋度樹脂組成物においてはテレフタル酸を使用
した以外は同様にして、表1乃至3に示す比較用結着樹
脂(I−4−N)を得た。 【0367】(樹脂比較製造例I−5−N)減圧装置、
水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌
装置を装着したオートクレーブに、スチレン−2−ヘキ
シルアクリレート共重合体(スチレン84重量部、2−
エチルヘキシルアクリレート16重量部、Mw=1.9
万、Mw/Mn=2.3)200重量部及び下記組成か
らなるポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、
減圧しながら常法に従って210℃まで加熱しながら縮
重合反応を行うことにより、比較用結着樹脂(I−5−
N)を得た。 ・フマル酸 :191重量部 ・無水トリメリット酸 :168重量部 ・EO−BPA :463重量部 ・PO−BPA :551重量部 【0368】 【表1】【0369】 【表2】【0370】 【表3】【0371】 [実施例I−1−N] (トナーの製造) ・結着樹脂(I−1−N) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc=9.5kA/m(120エルステッド)、σs =75Am/kg(75emu/g)、σr= 6Am/kg(6em u/g)) ・ワックス(1) 5重量部 【0372】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均径6.8μmの磁性トナー(I−1−N)を得た。 【0373】このトナー(I−1−N)を用いて、結着
樹脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸
エチル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソック
スレー抽出により定量したところ、混在するワックスを
除外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が31重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が34重量%で
あり、クロロホルム不溶分(W6)が15重量%であ
り、比(W4/W6)が2.7であり、THF不溶分
(W2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が6.7重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホル
ム不溶分(W6B)が8.3重量%であった。 【0374】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が4400、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が48.9%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が26.7%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.4%であり、比
(A1/A2)は1.83であった。 【0375】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は25.9m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチル可溶成分の酸
価(AV2)は21.6mgKOH/gであり、比(A
VI/AV2)の値は1.2であった。 【0376】H−NMR及び13C−NMRにより、
トナー中にビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びポ
リエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有して
いるハイブリッド樹脂成分が存在していることを確認し
た。 【0377】トナーにおいて、ポリエステルユニットと
ビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分は、13C−NMRにより新たに生成するエステル
結合のシグナルを検出することにより検証することがで
きる。 【0378】一般的にスチレンと共重合したアクリル酸
エステルのエステル基の13C−NMRにより測定され
るシグナルは、アクリル酸エステルの単独重合体のそれ
よりスチレンのベンゼン環の影響により数ppm高磁場
側にシフトする現象が知られている。これは、アクリル
酸エステルのアルコール成分がポリエステルのアルコー
ル成分とエステル交換反応して得られるハイブリッド樹
脂成分の場合も同様であり、エステル交換によって導入
されるポリエステルユニットに含有されるベンゼン環の
影響も受け、シグナルは上記ビニル系重合体ユニットの
アクリル酸エステルより更に高磁場側のシグナルとして
検出される。 【0379】低架橋度ポリエステルの13C−NMR測
定結果を図1に、スチレン−2−エチルヘキシルアクリ
レート共重合体の測定結果を図2に、トナーに含有され
る結着樹脂(I−1−N)の測定結果を図3に示す。こ
の結果より、アクリル酸エステルの約22モル%がポリ
エステルユニットとエステル化したハイブリッド樹脂成
分として存在することがわかった。 【0380】各々の13C−NMR測定結果を表4に示
す。 【0381】 【表4】 【0382】さらにNMRにより酢酸エチルに不溶な結
着樹脂成分(W4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)
に含有されるポリエステル樹脂成分(Gp)と(Sp)
を定量したところ、Gp=約83重量%、Sp=約77
重量%であり、比(Sp/Gp)=0.93であり、式
(1−3)で表わせるコハク酸誘導体の存在量を定量し
たところ、酢酸エチルに不溶な成分に全仕込み量の約7
4重量%含有されていた。 【0383】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量は、DSCにより測定され溶解エンタル
ピーから定量でき、その結果、トナーに添加した全ワッ
クスの約61重量%が存在していることがわかった。 【0384】この磁性トナー(I−1−N)100重量
部に、疎水性乾式シリカ(BET=200m/g)
1.0重量部をヘンシェルミキサーにて外部添加して外
添トナー(一成分系現像剤)とした。 【0385】(現像剤担持体の製造)まず4級アンモニ
ウム塩化合物(1)の鉄粉との摩擦帯電量は、市販の摩
擦帯電量測定器(東芝ケミカル製TB−200型)を用
いてブローオフ法により求めたところ、正極性であっ
た。 ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂 480重量部 (固形分50%) ・4級アンモニウム塩化合物(1) 60重量部 ・メタノール 160重量部 【0386】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離し、メタノールで固形分を30%に調整し、塗料
1−1−N(C(カーボン)/GF(グラファイト)/
B(フェノール樹脂)/P(4級アンモニウム塩化合
物)=0.2/0.8/2.4/0.6)を得た。この
塗料を絶縁シート上にバーコーターにてコート・乾燥さ
せ、これを定形にカットし、低抵抗率計ロレスター(三
菱油化社製)にて測定したところ、体積抵抗率は6.2
Ω・cmであった。 【0387】この塗料をスプレー法にてφ24.5mm
のAl円筒体上に10μmの被膜を形成させ、次いで熱
風乾燥器により150℃/30分間加熱・硬化させ現像
剤担持体を作製した。この現像剤担持体上の導電性被覆
層表面のRaをサーフコーダーSE−3300(小坂研
究所製)で測定したところ、Ra=0.75μmであっ
た。 【0388】・評価方法 上記外添のトナー及び現像剤担持体(現像スリーブ)を
用いて、以下の通りの評価を行った。 【0389】(定着性の評価)トナー定着性評価として
の濃度低下率及びホットオフセットは、以下の評価方法
に基づいて評価した。 【0390】キヤノン製複写機NP6350の定着器を
取り外し、外部駆動及び定着器の温度制御装置を取り付
けた定着試験装置にて定着器の温度を130℃及び22
0℃に変えて、ハーフトーン画像を通紙して、定着させ
た。定着温度を130℃にした試験では、その画像を4
900N/m(50g/cm)の荷重をかけ、柔和
な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後の画像濃度の
低下率(%)で評価した。定着温度を220℃にした試
験では、転写紙を目視で観察し、ホットオフセットの発
生を調べた。評価結果を表8に示した。 【0391】(耐ブロッキング性の評価)ブロッキング
テストは、以下の評価方法に基づいて評価した。 【0392】一成分系現像剤50gを容量が100ml
の容器に入れ、50℃の環境で7日間放置し、その後
に、目視で一成分系現像剤の流動性を確認し、評価し
た。評価結果を表8に示す。 【0393】(画像濃度の評価)このスリーブをNP6
350(キヤノン製複写機)に組み込み、上記現像剤を
用いて、24℃/10%RHの常温低湿(N/L)の環
境にて画出しを行った。10枚、千枚、10万枚画出し
後における、画像比率5.5%のテストチャート上のφ
5黒丸の画像濃度を、反射濃度RD918(マクベス社
製)で測定して、画像濃度の耐久について調べた。結果
を図19(1)に示す。良好な結果であった。 【0394】(トリボ測定)現像剤担持体上の吸引法ト
リボ値の測定については、円筒濾紙を有する測定容器を
用い、現像剤担持体表面の形状に沿った金属製の吸引口
を取付け、画像形成直後(5分以内が好ましい)の現像
剤担持体表面上の現像剤層を過不足無く一様に吸引出来
るように吸引圧を調整し現像剤を吸引する。この時吸引
された現像剤の電荷Qを、616ディジタルエレクトロ
メーター(KEITHLEY製)で測定し、重量をMと
して、Q/M(mC/kg)により計算した。その結
果、表10に示した様に、良好な結果が得られた。 【0395】(ゴースト評価)また、ゴーストについて
は、上記24℃/10%RHの常温低湿(N/L)の環
境にて画出し試験によって得られたゴーストチャートの
ハーフトーン画像を目視にて、以下の基準で評価した。
その結果、表10に示した様に、良好な結果が得られ
た。 ◎:優秀 ○:良好 △:実用可 ×:実用不可 【0396】(カブリ評価)また、カブリについては、
上記24℃/10%RHの常温低湿(N/L)の環境に
て画出し試験によって得られたベタ白画像を目視にて、
以下の基準で評価した。その結果、表10に示した様
に、良好な結果が得られた。 ランク5:中倍率(5〜10倍程度)のルーペではカブ
リトナーは観察されない。 ランク4:中倍率のルーペで若干のカブリトナーが観察
される。 ランク3:低倍率(2〜4倍程度)のルーペで若干のカ
ブリトナーが観察される。 ランク2:肉眼で観察して画像上のカブリがわかる。 ランク1:肉眼で観察して画像上の顕著なカブリがわか
る。 【0397】(ドラム融着)また、ドラム融着について
は、30℃/80%RHの高温高湿(H/H)の環境に
て画出し試験によって、以下の基準で評価した。その結
果、表10に示した様に、良好な結果が得られた。 ランク5:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在しない。 ランク4:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが若干存在するが、容易に除去することができる。実
用上は問題ないレベル。 ランク3:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在するのを確認でき、容易に除去することはでき
ない。 ランク2:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在するのを確認でき、画像上にも明確な痕跡を認
めることができる。 ランク1:肉眼で観察してドラム上に筋状の融着物が観
察される。 【0398】(クリーニング不良)また、クリーニング
不良については、30℃/80%RHの高温高湿(H/
H)の環境にて画出し試験によって、以下の基準で評価
した。その結果、表10に示した様に、良好な結果が得
られた。 ランク5:肉眼で観察してクリーニング部材がトナーで
汚染していない。 ランク4:肉眼で観察してクリーニング部材の一部がト
ナーで汚染している場合があるが、実用上は問題ないレ
ベル。 ランク3:肉眼で観察してクリーニング部材がトナーで
汚染している。実用上問題となる場合がある。 ランク2:肉眼で観察してドラム上にクリーニングされ
ないトナーが確認できる。一部は画像に出る。 ランク1:ドラム全面にクリーニングされないトナーが
観察される。 【0399】 [実施例I−2−N] ・結着樹脂(I−2−N) 105重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc=9.5kA/m(120エルステッド)、σs =75Am/kg(75emu/g)、σr=6Am/kg(6emu/ g)) 【0400】実施例I−1−Nにおいて用いた構成材料
を上記の通り変更した以外は実施例I−1−Nと同様に
してトナー(I−2−N)を得た。また、現像剤担持体
は実施例I−1−Nと同様処方を用いた。これを実施例
I−1−Nと同様にトナー分析(表6及び7)、トナー
評価(表8)、画出し評価(表10及び図19(2))
を行った。いずれも良好な結果が得られた。 【0401】[実施例I−3−N〜I−4−N、I−6
−N〜I−7−N]実施例I−1−Nにおいて、結着樹
脂(I−1−N)を結着樹脂(I−3−N)〜(I−4
−N)、(I−6−N)〜(I−7−N)に変えた以外
は実施例I−1−Nと同様にしてトナー(I−3−N)
〜(I−4−N)、(I−6−N)〜(I−7−N)を
得た。これを実施例I−1−Nと同様にトナー分析(表
6及び7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表10
及ひ図19(3),(4)、図23(6),(7))を
行った。いずれも良好な結果が得られた。 【0402】[実施例I−5−N−1]実施例I−1−
Nにおいて、結着樹脂(I−1−N)を結着樹脂(I−
5−N)に変えた以外は実施例I−1−Nと同様にして
トナー(I−5−N)を得た。現像剤担持体は実施例I
−1−Nと同じものを用いた。これを実施例I−1−N
と同様にトナー分析(表6及び7)、トナー評価(表
8)、画出し評価(表10及び図20(5−1))を行
った。いずれも良好な結果が得られた。 【0403】[実施例I−5−N−2〜4]実施例I−
5−N−1において、トナー担持体を、アンモニアを触
媒として製造されたフェノール樹脂を、表9に示したフ
ェノール樹脂に変えた以外は実施例I−5−N−1と同
様にして現像剤担持体を得た。これを実施例I−1−N
と同様にトナー分析(表6及び7)、トナー評価(表
8)、画出し評価(表10及び図20(5−2)〜(5
−4))を行った。いずれも良好な結果が得られた。 【0404】[実施例I−5−N−5]実施例I−5−
N−1において、トナー担持体を、グラファイト80重
量部を、二硫化モリブデン160重量部に変えた以外
は、実施例I−5−N−1と同様にして現像剤担持体を
得た。これを実施例I−1−Nと同様にトナー分析(表
6及び7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表10
及び図20(5−5))を行った。いずれも良好な結果
が得られた。 【0405】[実施例I−5−N−6〜8]まず4級ア
ンモニウム塩化合物(2)〜(4)の鉄粉との摩擦帯電
量を実施例I−1−Nと同様に測定したところ、いずれ
も正極性であった。 【0406】実施例I−1−Nにおいて、4級アンモニ
ウム塩化合物(1)を(2)〜(4)に変えた以外は、
実施例I−5−N−1と同様にして現像剤担持体を得
た。これを実施例I−1−Nと同様にトナー分析(表6
及び7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表10及
び図20(5−6)〜図21(5−8))を行った。い
ずれも良好な結果が得られた。 【0407】[実施例I−5−N−9]実施例I−5−
N−1において、現像剤担持体を、フェノール樹脂(固
形分50%)480重量部を、ポリアミド樹脂(固形分
25%)640重量部、4級アンモニウム塩化合物
(1)60重量部を40重量部に変えた以外は、実施例
I−5−N−1と同様にして現像剤担持体を得た。これ
を実施例I−1−Nと同様にトナー分析(表6及び
7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表10及び図
21(5−9))を行った。いずれも良好な結果が得ら
れた。 【0408】[実施例I−5−N−10]実施例I−5
−N−9において、4級アンモニウム塩化合物(1)を
(2)に変えた以外は、実施例I−5−N−9と同様に
して現像剤担持体を得た。これを実施例I−1−Nと同
様にトナー分析(表6及び7)、トナー評価(表8)、
画出し評価(表10及び図21(5−10))を行っ
た。いずれも良好な結果が得られた。 【0409】[実施例I−5−N−11]実施例I−5
−N−1において、フェノール樹脂(固形分50%)4
80重量部を、ウレタン樹脂(固形分40%)600重
量部に変えた以外は、実施例I−5−N−1と同様にし
て現像剤担持体を得た。これを実施例I−1−Nと同様
にトナー分析(表6及び7)、トナー評価(表8)、画
出し評価(表10及び図21(5−11))を行った。
いずれも良好な結果が得られた。 【0410】 [実施例I−5−N−R1] ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂 640重量部 (固形分50%) ・4級アンモニウム塩化合物(1) 80重量部 ・メタノール 180重量部 【0411】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離した。この塗料をINRとする。 ・INR(固形分50%) 100重量部 ・球状炭素粒子(体積平均粒径5μm) 6重量部 ・メタノール 36重量部 【0412】上記材料をφ2mmのガラスビーズにて3
0分間サンドミルを行い、その後ガラスビーズを篩いで
分離し、塗料I−5−N−R1(C(カーボン)/GF
(グラファイト)/B(フェノール樹脂)/P(4級ア
ンモニウム塩化合物)/R(球状炭素粒子)=0.2/
0.8/3.2/0.8/0.6)を得た以外は、実施
例I−5−N−1と同様にして現像剤担持体を得た。こ
れを実施例I−1−Nと同様にトナー分析(表6及び
7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表10及び図
22(5−12))を行った。いずれも良好な結果が得
られた。 【0413】[実施例I−5−N−R2]実施例I−5
−N−R1において、グラファイト80重量部を二硫化
モリブデン160重量部に代えたこと以外は実施例I−
5−N−R1と同様にして現像剤担持体を得た。これを
実施例I−1−Nと同様にトナー分析(表6及び7)、
トナー評価(表8)、画出し評価(表10及び図22
(5−13))を行った。いずれも良好な結果が得られ
た。 【0414】[実施例I−5−N−R3]実施例I−5
−N−R1において、4級アンモニウム塩化合物(1)
を4級アンモニウム塩化合物(2)に代えたこと以外は
実施例I−5−N−R1と同様にして現像剤担持体を得
た。これを実施例I−1−Nと同様にトナー分析(表6
及び7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表10及
び図22(5−14))を行った。いずれも良好な結果
が得られた。 【0415】 [実施例I−5−N−R4] ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・ポリアミド樹脂(固形分25%) 960重量部 ・4級アンモニウム塩化合物(1) 60重量部 ・メタノール 130重量部 【0416】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離した。この塗料をINRとする。 ・INR(固形分32%) 125重量部 ・球状炭素粒子(体積平均粒径5μm) 5重量部 ・メタノール 105重量部 【0417】上記材料をφ2mmのガラスビーズにて3
0分間サンドミルを行い、その後ガラスビーズを篩いで
分離し、塗料I−5−N−R4(C(カーボン)/GF
(グラファイト)/B(ポリアミド樹脂)/P(4級ア
ンモニウム塩化合物)/R(球状炭素粒子)=0.2/
0.8/2.4/0.6/0.5)を得た以外は、実施
例I−5−N−1と同様にして現像剤担持体を得た。こ
れを実施例I−1−Nと同様にトナー分析(表6及び
7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表10及び図
22(5−15))を行った。いずれも良好な結果が得
られた。 【0418】[実施例I−5−N−R5]実施例I−5
−N−R1において、アンモニアを触媒として製造され
たフェノール樹脂(固形分50%)640重量部をウレ
タン樹脂(固形分40%)800重量部に代えたこと以
外は実施例I−5−N−R1と同様にして現像剤担持体
を得た。これを実施例I−1−Nと同様にトナー分析
(表6及び7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表
10及び図22(5−16))を行った。いずれも良好
な結果が得られた。 【0419】[比較例I−1−N〜I−5−N]比較用
結着樹脂(I−1−N)〜(I−5−N)を用いた以外
は実施例I−1−Nと同様にして比較用トナー(I−1
−N)〜(I−5−N)を製造した。 ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂 600重量部 (固形分50%) ・IPA 100重量部 【0420】上記材料を実施例I−1−Nと同様に分散
し、IPAで固形分を30%に調整し、比較塗料I−1
−N(C(カーボン)/GF(グラファイト)/B(フ
ェノール樹脂)=0.2/0.8/3.0)を得た。こ
の塗料を実施例I−1−Nと同様の操作で現像剤担持体
を作製した。これらを実施例I−1−Nと同様にトナー
分析・評価、画出し評価を行った。結果を表6、7、
8、10、及び図24(1)〜(5)に示す。 【0421】定着性評価においては、濃度低下率が悪く
(比較例I−1,2,4,5−N)、ホットオフセット
が発生し(比較例I−1,2,3,5−N)、ブロッキ
ングテストでは凝集物が発生した(比較例I−1,2,
3,5−N)。また画出し評価ではトリボが高過ぎて、
ゴースト及びカブリ抑制が悪かった。またドラム融着抑
制が悪く、クリーニング不良も目立った。 【0422】[比較例I−6−N]実施例I−5−Nの
外添トナーと、比較例I−1〜5−N現像剤担持体を用
い、同様に画出し評価を行った。結果を表6、7、8、
10及び図24(6)に示す。定着性試験は良好であっ
たが、画出し評価ではトリボが高過ぎて、ゴースト及び
カブリ抑制が悪かった。ドラム融着及びクリーニング不
良については良好だった。 【0423】 【表5】 【0424】 【表6】 【0425】 【表7】【0426】 【表8】【0427】 【表9】【0428】 【表10】【0429】上記の実施例I−1−N〜I−7−Nと比
較例I−1−N〜I−6−Nとの評価結果から、ビニル
系共重合ユニットとポリエステルユニットを有するハイ
ブリッド樹脂組成物を含む特定の結着樹脂を含有する本
発明のトナー、及び鉄粉に対して正帯電性である第4級
アンモニウム塩化合物と、構造中にアミノ基或いは=N
H、−NH−の少なくとも1つを含む樹脂、とを少なく
とも含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層が
表面に形成された本発明の現像剤担持体を用いた画像形
成装置は、トナーのワックスが結着樹脂中に均一に分散
されており、定着性が良好で、耐オフセット性や耐ブロ
ッキング性に優れており、またトナーに対し適正な帯電
付与を行うので、多数枚耐久における画像濃度安定性に
優れ、ゴースト、カブリ抑制に優れていることがわか
る。 【0430】ポジトナー用結着樹脂の製造例I: (樹脂製造例I−1−P) 低架橋度樹脂組成物(I−P−L−1)の製造 キシレン50重量部に、低架橋度樹脂組成物(I−N−
L−1)で製造した低架橋度ポリエステル樹脂70重量
部、スチレン24重量部、2−エチルヘキシルアクリレ
ート6重量部及びエステル化触媒としてジブチルスズオ
キサイド0.3重量部を添加して、低架橋度樹脂組成物
(I−N−L−1)と同じ製造方法により、低架橋度ポ
リエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニ
ットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッ
ド樹脂成分からなる低架橋度樹脂組成物(I−P−L−
1)を得た。 【0431】高架橋度樹脂組成物(I−P−H−1)の
製造 キシレン50重量部に、高架橋度樹脂組成物(I−N−
H−1)で製造した高架橋度ポリエステル樹脂70重量
部、スチレン15重量部、2−エチルヘキシルアクリレ
ート15重量部、ジビニルベンゼン0.015重量部及
びエステル化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3
重量部を添加して、高架橋度樹脂組成物(I−N−H−
1)と同じ製造方法により、高架橋度ポリエステル樹
脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル
系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなる高架橋度樹脂組成物(I−P−H−1)を得た。 【0432】結着樹脂(I−1−P)の製造 キシレン100重量部に低架橋度樹脂組成物(I−P−
L−1)60重量部、高架橋度樹脂組成物(I−P−H
−1)30重量部、スチレン5重量部、2−エチルヘキ
シルアクリレート5重量部及びジビニルベンゼン0.0
1重量部を添加して、結着樹脂(I−1−N)と同じ製
造方法により、低架橋度ポリエステル樹脂、高架橋度ポ
リエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニ
ットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッ
ド樹脂成分からなる結着樹脂(I−1−P)を得た。 【0433】(樹脂製造例I−2−P)樹脂製造例I−
1−Pにおいて、高架橋度樹脂組成物(I−P−H−
1)を製造する際に、ポリエステル樹脂70重量部に対
して16.6重量部の表5に示すワックス(1)をスチ
レン及び2−エチルヘキシルアクリレートと共に添加し
て、ワックスを含有する高架橋度樹脂組成物(I−P−
H−2)を得た。高架橋度樹脂組成物(I−P−H−
2)35重量部(ワックス5重量部を含む)を使用した
以外は製造例I−1−Pと同様にして、低架橋度ポリエ
ステル樹脂、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系重合
体及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニット
を有しているハイブリッド樹脂成分からなる結着樹脂
(I−2−P)を得た。 【0434】(樹脂製造例I−3−P〜I−7−P)低
架橋度樹脂組成物の製造で用いたモノマーを以下に示す
モノマーに変更した以外は樹脂製造例I−1−Pの低架
橋度樹脂組成物(I−P−L−1)と同様にして、低架
橋度樹脂組成物(I−P−L−3)を得た。 【0435】 ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol 【0436】次に、以下に示すモノマーを用いた以外は
高架橋度樹脂組成物(I−P−H−2)と同様にして縮
重合反応を行い、樹脂組成物30重量部に対してワック
ス(2)を5重量部含有した高架橋度樹脂組成物(I−
P−H−3)を得た。 【0437】 ・テレフタル酸 :2.2mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :8.0mol ・E0−BPA :3.0mol 【0438】低架橋度樹脂組成物(I−P−L−3)6
0重量部、高架橋度樹脂組成物(I−P−H−3)35
重量部(ワックス5重量部を含む)を用いた以外は、樹
脂製造例I−1−Pと同様にして、高架橋度ポリエステ
ル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及
びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有
しているハイブリッド樹脂成分からなる表11〜13に
示す結着樹脂(I−3−P)を得た。 【0439】以下、モノマーの種類、組成比及びワック
スを変更することにより、表11〜13に示す結着樹脂
(I−4−P)〜(I−7−P)を得た。 【0440】(樹脂比較製造例I−1−P)樹脂製造例
I−1−Pにおいて、コハク酸誘導体(1−3)のかわ
りにテレフタル酸を使用した以外は同様にして、表11
〜13に示す比較用結着樹脂(I−1−P)を得た。 【0441】(樹脂比較製造例I−2−P)樹脂製造例
I−2−Pにおいて、コハク酸誘導体(1−3)及びワ
ックス(2)のかわりにテレフタル酸及びワックス
(4)を使用した以外は同様にして、表11〜13に示
す比較用結着樹脂(I−2−P)を得た。 【0442】(樹脂比較製造例I−3−P)樹脂製造例
I−1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりに
テレフタル酸、さらに、低架橋度樹脂組成物においては
無水トリメリット酸のかわりにもテレフタル酸を使用し
た以外は同様にして、表11〜13に示す比較用結着樹
脂(I−3−P)を得た。 【0443】(樹脂比較製造例I−4−P)樹脂製造例
I−1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりに
低架橋度樹脂組成物においては無水トリメリット酸を、
高架橋度樹脂組成物においてはテレフタル酸を使用した
以外は同様にして、表11〜13に示す比較用結着樹脂
(I−4−P)を得た。 【0444】(樹脂比較製造例I−5−P)樹脂比較製
造例(I−5−N)を比較用結着樹脂(I−5−P)と
して用いた。 【0445】 【表11】【0446】 【表12】【0447】 【表13】【0448】 [実施例I−1−P] (トナーの製造) ・結着樹脂(I−1−P) 100重量部 ・正電荷制御剤 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc=9.5kA/m(120エルステッド)、σ s=75Am/kg(75emu/g)、σr=6Am/kg (6emu/g)) ・ワックス(1) 5重量部 【0449】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均径7.5μmの磁性トナー(I−1−P)を得た。 【0450】このトナー(I−1−P)を用いて、結着
樹脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸
エチル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソック
スレー抽出により定量したところ、混在するワックスを
除外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が21重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が45重量%で
あり、クロロホルム不溶分(W6)が15重量%であ
り、比(W4/W6)が3.0であり、THF不溶分
(W2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が6.8重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホル
ム不溶分(W6B)が8.2重量%であった。 【0451】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が4600、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が48.8%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が27.1%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.1%であり、比
(A1/A2)は1.80であった。 【0452】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は29.2m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチル可溶成分の酸
価(AV2)は19.4mgKOH/gであり、比(A
V1/AV2)の値は1.5であった。 【0453】実施例I−1−Nと同様に、13C−NM
Rにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分(W4)及び
溶解する結着樹脂成分(W3)に含有されるポリエステ
ル樹脂成分(Gp)と(Sp)を定量したところ、Gp
=約73重量%、Sp=約67重量%であり、比(Sp
/Gp)=0.93であった。 【0454】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量は、DSCにより測定され溶解エンタル
ピーから定量でき、その結果、トナーに添加して全ワッ
クスの約66重量%が存在していることがわかった。 【0455】この磁性トナー(I−1−P)100重量
部に、疎水性乾式シリカ(BET=200m/g)
1.0重量部をヘンシェルミキサーにて外部添加して外
添トナー(一成分系現像剤)とした。 【0456】 (現像剤担持体の製造) ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂 460重量部 (固形分50%) ・4級アンモニウム塩化合物(1) 70重量部 ・メタノール 170重量部 【0457】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離し、メタノールで固形分を30%に調整し、塗料
I−1−P(C(カーボン)/GF(グラファイト)/
B(フェノール樹脂)/P(4級アンモニウム塩化合
物)=0.2/0.8/2.3/0.7)を得た。この
塗料を絶縁シート上にバーコーターにてコート・乾燥さ
せ、これを定形にカットし、低抵抗率計ロレスター(三
菱油化社製)にて測定したところ、体積抵抗率は7.2
Ω・cmであった。 【0458】この塗料をスプレー法にてφ20mmのA
l円筒体上に10μmの被膜を形成させ、次いで熱風乾
燥器により150℃/30分間加熱・硬化させ現像剤担
持体を作製した。この現像剤担持体上の導電性被覆層表
面のRaをサーフコーダーSE−3300(小坂研究所
製)で測定したところ、Ra=0.80μmであった。 【0459】(定着性の評価)トナー定着性評価として
の濃度低下率及びホットオフセットは、以下の評価方法
に基づいて評価した。 【0460】キヤノン製複写機NP6035の定着器を
取り外し、外部駆動及び定着器の温度制御装置を取り付
けた定着試験装置を用いたこと以外は、実施例I−1−
Nと同様にして評価した。評価結果を表16に示した。 【0461】(耐ブロッキング性の評価)実施例I−1
−Nと同様にして評価した。評価結果を表16に示し
た。 【0462】(画像濃度の評価)このスリーブをNP6
035(キヤノン製複写機)に組み込み、上記現像剤を
用いて、30℃/80%RHの高温高湿(H/H)の環
境にて画出しを行ったこと以外は実施例I−1−Nと同
様にして評価した。結果を図25(1)に示す。良好な
結果であった。 【0463】(トリボ測定)実施例I−1−Nと同様に
して評価した。その結果、表18に示した様に、良好な
結果が得られた。 【0464】(白スジ評価)また、白スジについては、
上記30℃/80%RHの高温高湿(H/H)の環境に
て画出し試験によって得られたハーフトーン画像を目視
にて、以下の基準で評価した。その結果、表18に示し
た様に、良好な結果が得られた。 ◎:優秀 ○:良好 △:実用可 ×:実用不可 【0465】(反転カブリ評価)また、反転カブリにつ
いては、24℃/10%RHの常温低湿(N/L)の環
境にて、複写機本体の濃度補正キーを最も濃度薄になる
ように設定して画像形成した128g/mの厚紙のベ
タ白部の反射率(D1)を測定し、更に、画像形成に用
いた厚紙と同一カットの未使用の厚紙の反射率(D2)
を測定し、D2−D1の値を5点求め、その平均値をカ
ブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)
で測定した。その結果、表18に示した様に、良好な結
果が得られた。 【0466】(ドラム融着)実施例I−1−Nと同様に
して評価した。その結果、表18に示した様に、良好な
結果が得られた。 【0467】(クリーニング不良)また、クリーニング
不良については、上記24℃/10%RHの常温低湿
(N/L)の環境にて画出し試験によって、実施例I−
1−Nと同様の基準で評価した。その結果、表18に示
した様に、良好な結果が得られた。 【0468】 [実施例I−2−P] ・結着樹脂(I−2−P) 105重量部 ・正電荷制御剤 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc=9.5kA/m(120エルステッド)、σ s=75Am/kg(75emu/g)、σr=6Am/kg (6emu/g)) 【0469】実施例I−1−Pにおいて用いた構成材料
を上記の通り変更した以外は実施例I−1−Pと同様に
してトナー(I−2−P)を得た。また、現像剤担持体
は実施例I−1−Pと同様処方を用いた。これを実施例
I−1−Pと同様にトナー分析(表14及び15)、ト
ナー評価(表16)、画出し評価(表18及び図25
(2))を行った。いずれも良好な結果が得られた。 【0470】[実施例I−3−P〜I−4−P、I−6
−P〜I−7−P]実施例I−1−Pにおいて、結着樹
脂(I−1−P)を結着樹脂(I−3−P)〜(I−4
−P)、(I−6−P)〜(I−7−P)に変えた以外
は実施例I−1−Pと同様にしてトナー(I−3−P)
〜(I−4−P)、(I−6−P)〜(I−7−P)を
得た。これを実施例I−1−Pと同様にトナー分析(表
14及び15)、トナー評価(表16)、画出し評価
(表18及び図25(3)〜(4)、図29(6)〜
(7))を行った。いずれも良好な結果が得られた。 【0471】[実施例I−5−P−1]実施例I−1−
Pにおいて、結着樹脂(I−1−P)を結着樹脂(I−
5−P)に変えた以外は実施例I−1−Pと同様にして
トナー(I−5−P)を得た。現像剤担持体は実施例I
−1−Pと同じものを用いた。これを実施例I−1−P
と同様にトナー分析(表14及び15)、トナー評価
(表16)、画出し評価(表18及び図26(5−
1))を行った。いずれも良好な結果が得られた。 【0472】[実施例I−5−P−2〜4]実施例I−
5−P−1において、トナー担持体を、アンモニアを触
媒として製造されたフェノール樹脂を表17に示したフ
ェノール樹脂に変えた以外は実施例I−5−P−1と同
様にして現像剤担持体を得た。これを実施例I−1−P
と同様にトナー分析(表14及び15)、トナー評価
(表16)、画出し評価(表18及び図26(5−2)
〜(5−4))を行った。いずれも良好な結果が得られ
た。 【0473】[実施例I−5−P−5]実施例I−5−
P−1において、トナー担持体を、グラファイト80重
量部を二硫化モリブデン160重量部に変えた以外は、
実施例I−5−P−1と同様にして現像剤担持体を得
た。これを実施例I−1−Pと同様にトナー分析(表1
4及び15)、トナー評価(表16)、画出し評価(表
18及び図26(5−5))を行った。いずれも良好な
結果が得られた。 【0474】[実施例I−5−P−6〜8]実施例I−
1−Pにおいて、4級アンモニウム塩化合物(1)を
(2)〜(4)に変えた以外は、実施例I−5−P−1
と同様にして現像剤担持体を得た。これを実施例I−1
−Pと同様にトナー分析(表14及び15)、トナー評
価(表16)、画出し評価(表18及び図26(5−
6),図27(5−7)〜(5−8))を行った。いず
れも良好な結果が得られた。 【0475】[実施例I−5−P−9]実施例I−5−
P−1において、トナー担持体を、フェノール樹脂(固
形分50%)460重量部をポリアミド樹脂(固形分2
5%)600重量部、4級アンモニウム塩化合物(1)
70重量部を50重量部に変えた以外は、実施例I−5
−P−1と同様にして現像剤担持体を得た。これを実施
例I−1−Pと同様にトナー分析(表14及び15)、
トナー評価(表16)、画出し評価(表18及び図27
(5−9))を行った。いずれも良好な結果が得られ
た。 【0476】[実施例I−5−P−10]実施例I−5
−P−9において、4級アンモニウム塩化合物(1)を
(2)に変えた以外は、実施例I−5−P−9と同様に
して現像剤担持体を得た。これを実施例I−1−Pと同
様にトナー分析(表14及び15)、トナー評価(表1
6)、画出し評価(表18及び図27(5−10))を
行った。いずれも良好な結果が得られた。 【0477】[実施例I−5−P−11]実施例I−5
−P−1において、フェノール樹脂(固形分50%)4
60重量部をウレタン樹脂(固形分40%)575重量
部に変えた以外は、実施例I−5−P−1と同様にして
現像剤担持体を得た。これを実施例I−1−Pと同様に
トナー分析(表14及び15)、トナー評価(表1
6)、画出し評価(表18及び図27(5−11))を
行った。いずれも良好な結果が得られた。 【0478】 [実施例I−5−P−R1] ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂 600重量部 (固形分50%) ・4級アンモニウム塩化合物(1) 100重量部 ・メタノール 200重量部 【0479】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離した。この塗料をIPRとする。 ・IPR(固形分50%) 100重量部 ・球状炭素粒子(体積平均粒径5μm) 6重量部 ・メタノール 34重量部 【0480】上記材料をφ2mmのガラスビーズにて3
0分間サンドミルを行い、その後ガラスビーズを篩いで
分離し、塗料I−5−P−R1(C(カーボン)/GF
(グラファイト)/B(フェノール樹脂)/P(4級ア
ンモニウム塩化合物)/R(球状炭素粒子)=0.2/
0.8/3.0/1.0/0.6)を得た以外は、実施
例I−5−P−1と同様にして現像剤担持体を得た。こ
れを実施例I−1−Pと同様にトナー分析(表14及び
15)、トナー評価(表16)、画出し評価(表18及
び図28(5−R1))を行った。いずれも良好な結果
が得られた。 【0481】[実施例I−5−P−R2]実施例I−5
−P−R1において、グラファイト80重量部を二硫化
モリブデン160重量部に代えたこと以外は実施例I−
5−P−R1と同様にして現像剤担持体を得た。これを
実施例I−1−Pと同様にトナー分析(表14及び1
5)、トナー評価(表16)、画出し評価(表18及び
図28(5−R2))を行った。いずれも良好な結果が
得られた。 【0482】[実施例I−5−P−R3]実施例I−5
−P−R1において、4級アンモニウム塩化合物(1)
を4級アンモニウム塩化合物(2)に代えたこと以外は
実施例I−5−P−R1と同様にして現像剤担持体を得
た。これを実施例I−1−Pと同様にトナー分析(表1
4及び15)、トナー評価(表16)、画出し評価(表
18及び図28(5−R3))を行った。いずれも良好
な結果が得られた。 【0483】 [実施例I−5−P−R4] ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・ポリアミド樹脂(固形分25%) 920重量部 ・4級アンモニウム塩化合物(1) 70重量部 ・メタノール 160重量部 【0484】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離した。この塗料をIPRとする。 ・IPR(固形分32%) 125重量部 ・球状炭素粒子(体積平均粒径5μm) 5重量部 ・メタノール 105重量部 【0485】上記材料をφ2mmのガラスビーズにて3
0分間サンドミルを行い、その後ガラスビーズを篩いで
分離し、塗料I−5−P−R4(C(カーボン)/GF
(グラファイト)/B(ポリアミド樹脂)/P(4級ア
ンモニウム塩化合物)/R(球状炭素粒子)=0.2/
0.8/2.3/0.7/0.5)を得た以外は、実施
例I−5−P−1と同様にして現像剤担持体を得た。こ
れを実施例I−1−Pと同様にトナー分析(表14及び
15)、トナー評価(表16)、画出し評価(表18及
び図28(5−R4))を行った。いずれも良好な結果
が得られた。 【0486】[実施例I−5−P−R5]実施例I−5
−P−R1において、アンモニアを触媒として製造され
たフェノール樹脂(固形分50%)600重量部をウレ
タン樹脂(固形分40%)750重量部に代えたこと以
外は実施例I−5−P−R1と同様にして現像剤担持体
を得た。これを実施例I−1−Pと同様にトナー分析
(表14及び15)、トナー評価(表16)、画出し評
価(表18及び図28(5−R5))を行った。いずれ
も良好な結果が得られた。 【0487】[比較例I−1−P〜I−5−P]比較用
結着樹脂(I−1−P)〜(I−5−P)を用いた以外
は実施例I−1−Pと同様にして比較用トナー(I−1
−P)〜(I−5−P)を製造した。 【0488】トナー担持体は比較例I−1−N〜I−5
−Nと同じものを用いた。これらを実施例(I−1−
P)と同様にトナー分析(表14及び15)、トナー評
価(表16)、画出し評価(表18及び図30(1)−
(5))を行った。 【0489】定着性評価においては、濃度低下率が悪く
(比較例I−1,2,4,5−P)、ホットオフセット
が発生し(比較例I−1,2,3,5−P)、ブロッキ
ングテストでは凝集物が発生した(比較例I−1,2,
3,5−P)。また画出し評価ではトリボが低く、白ス
ジが発生し、また反転トリボによる反転カブリが悪かっ
た。またドラム融着及びクリーニング不良も悪かった。 【0490】[比較例I−6−P]実施例I−5−Pの
トナーと、比較例I−1〜5−Pトナー担持体を用い、
同様に画出し評価を行った。これを実施例I−1−Pと
同様にトナー分析(表14及び15)、トナー評価(表
16)、画出し評価(表18及び図30(6))を行っ
た。定着性試験は良好であったが、画出し評価ではトリ
ボが低く、白スジが発生し、また反転カブリも悪かっ
た。ドラム融着及びクリーニング不良については良好だ
った。 【0491】[比較例I−7−P]まず4級アンモニウ
ム塩化合物(5)の鉄粉との摩擦帯電量を実施例I−1
−Nと同様にして求めたところ、負極性であった。 【0492】実施例I−5−P−1において、4級アン
モニウム塩化合物(1)を(5)に代えたこと以外は同
様にして現像剤担持体を得た。これを実施例I−1−P
と同様にトナー分析(表14及び15)、トナー評価
(表16)、画出し評価(表18及び図31(7))を
行った。定着性試験は良好であったが、画出し評価では
トリボが低く、白スジが発生し、また反転カブリも悪か
った。ドラム融着及びクリーニング不良については良好
だった。 【0493】[比較例I−8−P]実施例I−5−P−
1において、トナー担持体を、アンモニアを触媒として
製造されたフェノール樹脂(固形分50%)460重量
部をポリカーボネート樹脂(固形分20%)1150重
量部、メタノールをモノクロロベンゼンに代えた以外は
実施例I−5−P−1と同様にして現像剤担持体を得
た。これを実施例I−1−Pと同様にトナー分析(表1
4及び15)、トナー評価(表16)、画出し評価(表
18及び図31(8))を行った。定着性試験は良好で
あったが、画出し評価ではトリボが低く、白スジが発生
し、また反転カブリも悪かった。ドラム融着及びクリー
ニング不良については良好だった。 【0494】 【表14】 【0495】 【表15】【0496】 【表16】【0497】 【表17】【0498】 【表18】【0499】上記の実施例I−1−P〜I−7−Pと比
較例I−1−P〜I−8−Pとの評価結果から、ビニル
系共重合ユニットとポリエステルユニットを有するハイ
ブリッド樹脂組成物を含む特定の結着樹脂を含有する本
発明のトナー、及び鉄粉に対して正帯電性である第4級
アンモニウム塩化合物と構造中にアミノ基或いは=N
H、−NH−の少なくとも1つを含む樹脂とを少なくと
も含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層が表
面に形成された本発明の現像剤担持体を用いた画像形成
装置は、トナーのワックスが結着樹脂中に均一に分散さ
れており、定着性が良好で、耐オフセット性、耐ブロッ
キング性に優れており、またトナーに対し適正な帯電付
与を行うので、多数枚耐久における画像濃度安定性に優
れ、白スジ、反転カブリ抑制に優れていることがわか
る。 【0500】 ネガトナー用結着樹脂の製造例II: (樹脂製造例II−1−N) 低架橋度樹脂組成物(II−N−L−1)の製造 ・テレフタル酸 :6.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mo1 ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol 【0501】上記原料をエステル化触媒とともにオート
クレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、温度計及び
撹拌装置を付し、常法に従って、210℃で縮重合反応
を行わないクロロホルム不溶分を約4重量%含有する低
架橋度ポリエステル樹脂を得た。 【0502】ここで得られたポリエステル樹脂70重量
部をキシレン100重量部に完全に溶解後、スチレン2
3重量部、2−エチルヘキシルアクリレート7重量部、
グラフト化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重
量部及び重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキ
サイド1重量部をキシレン30重量部に溶解したもの
を、窒素雰囲気中下約110℃の温度で、約1時間かけ
て滴下したその温度で6時間保持してラジカル重合反応
を終了した。更に加熱しながら減圧して、脱溶剤するこ
とにより、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系共重合
体及びポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニッ
トを有しているハイブリッド樹脂成分からなる低架橋度
樹脂組成物(II−N−L−1)を得た。 【0503】高架橋度樹脂組成物(II−N−H−1)
の製造 次に表20の高架橋度樹脂組成物II−N−H−1の欄
に示した様なモノマーの種類及び組成比とした以外は、
低架橋度樹脂組成物(II−N−L−1)を製造するの
と同様にしてクロロホルム不溶分を約18重量%含有す
る高架橋度樹脂組成物II−N−H−1を得た。得られ
た高架橋度樹脂組成物は、高架橋度ポリエステル樹脂、
ビニル系共重合体及びポリエステルユニットとビニル系
共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなっていた。 【0504】結着樹脂(II−N−1)の製造 得られた高架橋度樹脂組成物(II−N−H−1)27
重量部及び低架橋度樹脂組成物(II−N−L−1)7
0重量部をキシレン200重量部に膨潤・溶解後、スチ
レン2重量部、2−エチルヘキシルアクリレート0.8
重量部、アクリル酸0.2重量部、ジビニルベンゼン
0.01重量部及び重合開始剤としてt−ブチルハイド
ロパーオキサイドを0.05重量部溶解したものを窒素
雰囲気下、約125℃の温度で、約1時間かけて滴下し
た。その温度を5時間保持し、脱溶剤することにより高
架橋度ポリエステル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、
ビニル系共重合体及びポリエステルユニットとビニル系
共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなる結着樹脂(II−1−N)を得た。 【0505】(樹脂製造例II−2−N〜II−6−
N)モノマーの種類及び組成を表19〜21の様に代え
て結着樹脂(II−1−N)〜(II−6−N)を得
た。 【0506】(樹脂比較製造例II−1−N〜II−6
−N)モノマーの種類及び組成を表19〜21の様に代
えて比較用結着樹脂(II−1−N)〜(II−6−
N)を得た。 【0507】 【表19】【0508】 【表20】【0509】 【表21】【0510】(磁性酸化鉄の製造例1)硫酸第一鉄水溶
液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が2.0重量
%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、鉄イオンに
対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、
水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。 【0511】水溶液のpHを7〜10(例えばpH9)
に維持しながら空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反
応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。つ
いでこのスラリー液に当初のアルカリ量(ケイ酸ソーダ
のナトリウム成分及び苛性ソーダのナトリウム成分)に
対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を
加えた後、スラリー液のpH6〜10(例えばpH8)
に維持して、空気を吹き込みながら酸化反応を進め、酸
化反応の終期にpHを調整し、磁性酸化鉄粒子表面にケ
イ酸成分を偏在させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法
により洗浄、濾過、乾燥し、次いで凝集しているものを
解砕処理し、磁性酸化鉄粒子(1)を得た。この磁性酸
化鉄粒子を解析した結果を表22に示す。 【0512】(磁性酸化鉄の製造例2)ケイ酸ソーダを
添加しない以外は、磁性酸化鉄の製造例1と同様にして
磁性酸化鉄粒子(2)を得た。これを解析した結果を表
22に示す。 【0513】(磁性酸化鉄の製造例3)磁性酸化鉄粒子
(1)に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が3.5重
量%となるようにさらにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(3)を得
た。これを解析した結果を表22に示す。 【0514】(磁性酸化鉄の製造例4)磁性酸化鉄粒子
(2)に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が0.6重
量%となるようにさらにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(4)を得
た。これを解析した結果を表22に示す。 【0515】(磁性酸化鉄の製造例5)鉄元素に対しケ
イ素元素の含有率が0.8重量%となるようにケイ酸ソ
ーダを添加した点と、酸化反応の終期でのpH調整を、
表面にケイ素元素が存在しないような条件にしたヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(5)を得
た。これを解析した結果を表22に示す。 【0516】(磁性酸化鉄の製造例6)ケイ酸ソーダを
添加せず、苛性ソーダの添加量を変えて、終始水溶液の
pHを12〜13に維持しながら反応させ、八面体(球
形度=0.67)の磁性酸化鉄粒子(6)を得た。これ
を解析した結果を表22に示す。 【0517】 【表22】【0518】 [実施例II−1−N] ・結着樹脂(II−1−N) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部 ・磁性酸化鉄粒子(1) 100重量部 ・表24に示されている式(A)の長鎖アルキルアルコールA 5重量部 ・表25に示されているポリエチレンワックス 2重量部 【0519】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均粒径(D)6.5μm、体積平均粒径(D)5.
7μmの磁性トナーII−1−Nを得た。 【0520】このトナー(II−1−N)を用いて、結
着樹脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢
酸エチル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソッ
クスレー抽出により定量したところ、混在するワックス
を除外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が33
重量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が36重量%
であり、クロロホルム不溶分(W6)が14重量%であ
り、比(W4/W6)が2.6であり、THF不溶分
(W2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が5.9重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホル
ム不溶分(W6B)が8.1重量%であった。 【0521】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が6100、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が47.2%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が28.8%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.0%であり、比
(A1/A2)は1.64であった。 【0522】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は24.8m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチルの可溶成分の
酸価(AV2)は20.7mgKOH/gであり、比
(AV1/AV2)は1.2であった。 【0523】実施例I−Nで述べたように、H−NM
R及び13C−NMRにより、トナー中にビニル系共重
合体、ポリエステル樹脂及びポリエステルユニットとビ
ニル系共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分が存在していることを確認した。 【0524】この結果より、アクリル酸エステルの約2
9モル%がポリエステルユニットとエステル化したハイ
ブリッド樹脂成分として存在することがわかった。各々
C−NMR測定結果を表23に示す。 【0525】 【表23】 【0526】このトナーの結着樹脂100重量部に対す
る酢酸エチルに不溶な成分を定量したところ、混在する
ワックスを除いた樹脂組成物は14重量部であった。さ
らにNMRにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分(W
4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)に含有されるポ
リエステル樹脂成分(Gp)と(Sp)を定量したとこ
ろ、Gp=約91重量%、Sp=約72重量%であり、
比(Sp/Gp)=0.79であり、式(1−3)で表
わせるコハク酸誘導体の存在量を定量したところ、酢酸
エチルに不溶な成分に全仕込み量の約77重量%含有さ
れていた。 【0527】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量は、DSCにより測定され溶解エンタル
ピーから定量でき、その結果、トナーに添加して全ワッ
クスの約68重量%が存在していることがわかった。 【0528】この磁性トナー(II−1−N)100重
量部に、ジメチルシリコーンオイルで表面処理した疎水
性乾式シリカ(BET=100m/g)1.2重量部
をヘンシェルミキサーにて外部添加して外添トナー(一
成分系現像剤)とした。 【0529】 (現像剤担持体の製造) ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂 400重量部 (固形分50%) ・4級アンモニウム塩化合物(1) 50重量部 ・メタノール 150重量部 【0530】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離し、メタノールで固形分を30%に調整し、塗料
II−1−N(C(カーボン)/GF(グラファイト)
/B(フェノール樹脂)/P(4級アンモニウム塩化合
物)=0.2/0.8/2.0/0.5)を得た。この
塗料を絶縁シート上にバーコーターにてコート・乾燥さ
せ、これを定形にカットし、低抵抗率計ロレスター(三
菱油化社製)にて測定したところ、体積抵抗率は5.7
Ω・cmであった。 【0531】この塗料をスプレー法にてφ20mmのA
l円筒体上に10μmの被膜を形成させ、次いで熱風乾
燥器により150℃/30分間加熱・硬化させ現像剤担
持体を作製した。この現像剤担持体上の導電性被覆層表
面のRaをサーフコーダーSE−3300(小坂研究所
製)で測定したところ、Ra=0.86μmであった。 【0532】(定着性の評価)トナー定着性評価として
の濃度低下率及びホットオフセットは、以下の評価方法
に基づいて評価した。 【0533】キヤノン製複写機GP55の定着器を取り
外し、外部駆動及び定着器の温度制御装置を取り付けた
定着試験装置にて定着器の温度を120℃及び200℃
に変えたこと以外は、実施例I−1−Nと同様にして評
価した。評価結果を表28に示した。 【0534】(加圧ローラー汚れ)キヤノン製複写機G
P55の定着器の温度設定を170℃に変更して10万
枚の通紙耐久を行い、定着器の加圧ローラー上の汚れを
目視で観察し、加圧ローラー汚れを以下の評価基準によ
り評価した。その評価結果を表28に示す。 A:汚れ全く無し B:軽微な汚れ発生 C:汚れ発生 【0535】(耐ブロッキング性の評価)実施例I−1
−Nと同様にして評価した。評価結果を表28に示し
た。 【0536】(画像濃度の評価)このスリーブをキヤノ
ン製複写機GP55に組み込み、上記現像剤を用いたこ
と以外は実施例I−1−Nと同様にして評価した。結果
を図32(1)に示す。良好な結果であった。 【0537】(トリボ測定)キヤノン製複写機GP55
を用い、実施例I−1−Nと同様にして評価した。その
結果、表30に示した様に、良好な結果が得られた。 【0538】(ゴースト評価)キヤノン製複写機GP5
5を用い、実施例I−1−Nと同様にして評価した。そ
の結果、表30に示した様に、良好な結果が得られた。 【0539】(カブリ評価)キヤノン製複写機GP55
を用い、実施例I−1−Nと同様にして評価した。その
結果、表30に示した様に、良好な結果が得られた。 【0540】(ドラム融着)キヤノン製複写機GP55
を用い、実施例I−1−Nと同様にして評価した。その
結果、表30に示した様に、良好な結果が得られた。 【0541】(クリーニング不良)キヤノン製複写機G
P55を用い、実施例I−1−Nと同様にして評価し
た。その結果、表30に示した様に、良好な結果が得ら
れた。 【0542】[実施例II−2−N〜II−4−N、I
I−6−N]結着樹脂(II−1−N)の代わりに、結
着樹脂(II−2−N)〜(II−4−N)、(II−
6−N)を用いた以外は、実施例II−1−Nと同様に
して表26及び表27に示すトナー(II−2−N)〜
II−4−N)、(II−6−N)を得た。得られたト
ナーを用いて、実施例II−1−Nと同様に行った結果
を表28、30及び図32(2)〜(4)、図36
(6)に示す。 【0543】[実施例II−5−N−1]結着樹脂(I
I−1−N)の代わりに、結着樹脂(II−5−N)を
用いた以外は、実施例II−1−Nと同様にして表26
及び表27に示すトナー(II−5−N)を得た。得ら
れたトナーを用いて、実施例II−1−Nと同様に行っ
た結果を表28、30及び図33(5−1)に示す。 【0544】[実施例II−5−N−2〜II−5−N
−4]実施例II−5−N−1において、現像剤担持体
に用いた結着樹脂を表29に示す樹脂に代えたこと以外
は実施例II−5−N−1と同様に行った。結果を表2
8、30及び図33(5−2)〜(5−4)に示す。 【0545】[実施例II−5−N−5]実施例II−
5−N−1において、現像剤担持体に用いたグラファイ
ト80重量部を二硫化モリブデン160重量部に代えた
こと以外は実施例II−5−N−1と同様に行った。結
果を表28、30及び図33(5−5)に示す。 【0546】[実施例II−5−N−6〜II−5−N
−8]実施例II−5−N−1において、現像剤担持体
に用いた4級アンモニウム塩化合物(1)を4級アンモ
ニウム塩化合物(2)〜(4)に代えたこと以外は実施
例II−5−N−1と同様に行った。結果を表28、3
0及び図33(5−6)、図34(5−7)〜(5−
8)に示す。 【0547】[実施例II−5−N−9]実施例II−
5−N−1において、現像剤担持体に用いた、アンモニ
アを触媒として製造されたフェノール樹脂(固形分50
%)400重量部をポリアミド樹脂(固形分25%)4
80重量部、4級アンモニウム塩化合物(1)を12重
量部に代えたこと以外は実施例II−5−N−1と同様
に行った。結果を表28、30及び図34(5−9)に
示す。 【0548】[実施例II−5−N−10]実施例II
−5−N−9において、現像剤担持体に用いた4級アン
モニウム塩化合物(1)を(2)に代えたこと以外は実
施例II−5−N−9と同様に行った。結果を表28、
30及び図34(5−10)に示す。 【0549】[実施例II−5−N−11]実施例II
−5−N−1において、現像剤担持体に用いた、アンモ
ニアを触媒として製造されたフェノール樹脂(固形分5
0%)400重量部をウレタン樹脂(固形分40%)5
00重量部に代えたこと以外は実施例II−5−N−1
と同様に行った。結果を表28、30及び図34(5−
11)に示す。 【0550】 [実施例II−5−N−R1] .カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂 560質量部 (固形分50%) ・4級アンモニウム塩化合物(1) 70重量部 ・メタノール 170重量部 【0551】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離した。この塗料をIINRとする。 ・IINR(固形分50%) 90重量部 ・球状炭素粒子(体積平均粒径5μm) 4重量部 ・メタノール 29重量部 【0552】上記材料をφ2mmのガラスビーズにて3
0分間サンドミルを行い、その後ガラスビーズを篩いで
分離し、塗料II−5−N−R1(C(カーボン)/G
F(グラファイト)/B(フェノール樹脂)/P(4級
アンモニウム塩化合物)/R(球状炭素粒子)=0.2
/0.8/2.8/0.7/0.4)を得た以外は、実
施例II−5−N−1と同様にして現像剤担持体を得
た。これを実施例II−1−Nと同様にトナー分析(表
26及び27)、トナー評価(表28)、画出し評価
(表30及び図35(5−R1))を行った。いずれも
良好な結果が得られた。 【0553】[実施例II−5−N−R2]実施例II
−5−N−R1において、グラファイト80重量部を二
硫化モリブデン160重量部に代えたこと以外は実施例
II−5−N−R1と同様にして現像剤担持体を得た。
これを実施例II−1−Nと同様にトナー分析(表26
及び27)、トナー評価(表28)、画出し評価(表3
0及び図35(5−R2))を行った。いずれも良好な
結果が得られた。 【0554】[実施例II−5−N−R3]実施例II
−5−N−R1において、4級アンモニウム塩化合物
(1)を4級アンモニウム塩化合物(2)に代えたこと
以外は実施例II−5−N−R1と同様にしてトナー担
持体を得た。これを実施例II−1−Nと同様にトナー
分析(表26及び27)、トナー評価(表28)、画出
し評価(表30及び図35(5−R3))を行った。い
ずれも良好な結果が得られた。 【0555】 [実施例II−5−N−R4] ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・ポリアミド樹脂(固形分25%) 720重量部 ・4級アンモニウム塩化合物(1) 18重量部 ・メタノール 93重量部 【0556】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離した。この塗料をIINRとする。 IINR(固形分32%) 93重量部 球状炭素粒子(体積平均粒径5μm) 3重量部 メタノール 68重量部 【0557】上記材料をφ2mmのガラスビーズにて3
0分間サンドミルを行い、その後ガラスビーズを篩いで
分離し、塗料II−5−N−R4(C(カーボン)/G
F(グラファイト)/B(ポリアミド樹脂)/P(4級
アンモニウム塩化合物)/R(球状炭素粒子)=0.2
/0.8/1.8/0.18/0.3)を得た以外は、
実施例II−5−N−1と同様にして現像剤担持体を得
た。これを実施例II−1−Nと同様にトナー分析(表
26及び27)、トナー評価(表28)、画出し評価
(表30及び図35(5−R4))を行った。いずれも
良好な結果が得られた。 【0558】[実施例II−5−N−R5]実施例II
−5−N−R1において、アンモニアを触媒として製造
されたフェノール樹脂(固形分50%)560重量部を
ウレタン樹脂(固形分40%)700重量部に代えたこ
と以外は実施例II−5−N−R1と同様にして現像剤
担持体を得た。これを実施例II−1−Nと同様にトナ
ー分析(表26及び27)、トナー評価(表28)、画
出し評価(表30及び図35(5−R5))を行った。
いずれも良好な結果が得られた。 【0559】[実施例II−7−N〜II−11−N]
式(A)で示される長鎖アルキル化合物Aの代わりに、
表24に示す長鎖アルキル化合物B〜Fを用いた以外
は、実施例II−1−Nと同様にして表26及び表27
に示すトナー(II−7−N)〜(II−11−N)を
得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1−Nと
同様に評価した結果を表28、30及び図36(7)〜
(11)に示す。 【0560】[実施例II−12−N]ポリエチレンワ
ックスの代わりに、表25に示すポリエチレンワック
スを用いた以外は、実施例II−1−Nと同様にして
表26及び表27に示すトナー(II−12−N)を得
た。得られたトナーを用いて、実施例II−1−Nと同
様に評価した結果を表28、30及び図37(12)に
示す。 【0561】[実施例II−13−N]ポリエチレンワ
ックスの代わりに、表25に示すポリエチレンワック
スを用いた以外は、実施例II−1−Nと同様にして
表26及び表27に示すトナー(II−13−N)を得
た。得られたトナーを用いて、実施例II−1−Nと同
様に評価した結果を表28、30及び図37(13)に
示す。 【0562】[実施例II−14−N]ポリエチレンワ
ックスの代わりに、表25に示すアーゲ法で合成した
炭化水素ワックスを用いた以外は、実施例II−1−
Nと同様にして表26及び表27に示すトナー(II−
14−N)を得た。得られたトナーを用いて、実施例I
I−1−Nと同様に評価した結果を表28、30及び図
37(14)に示す。 【0563】[実施例II−15−N]ポリエチレンワ
ックスの代わりに、表25に示すポリプロピレンワッ
クスを用いた以外は、実施例II−1−Nと同様にし
て表26及び表27に示すトナー(II−15−N)を
得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1−Nと
同様に評価した結果を表28、30及び図37(15)
に示す。 【0564】[実施例II−16−N〜II−20−
N]磁性酸化鉄粒子(1)の代わりに、表22に示す磁
性酸化鉄粒子(2)〜(6)を用いた以外は、実施例I
I−1−Nと同様にして表26及び表27に示すトナー
(II−16−N)〜(II−20−N)を得た。得ら
れたトナーを用いて、実施例II−1−Nと同様に評価
を行った結果を表28、30及び図37(16)〜図3
8(20)に示す。 【0565】[実施例II−21−N]ジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性乾式シリカの代わりに、ヘ
キサメチルジシラザンで表面処理した疎水性乾式シリカ
(BET:180m/g)を用いた以外は、実施例I
I−1−Nと同様にして表26及び表27に示すトナー
(II−21−N)を得た。得られたトナーを用いて、
実施例II−1−Nと同様に評価を行った結果を表2
8、30及び図38(21)に示す。 【0566】[実施例II−22−N]ポリエチレンワ
ックスを用いなかった以外は、実施例II−1−Nと
同様にして表26及び表27に示すトナー(II−22
−N)を得た。得られたトナーを用いて、実施例II−
1−Nと同様に評価を行った結果を表28、30及び図
38(22)に示す。 【0567】[実施例II−23−N]長鎖アルキル化
合物A及びポリエチレンワックスの代わりに表25の
ポリプロピレンワックスを7重量部のみ用いた以外は
実施例II−1−Nと同様にして表26及び表27に示
すトナー(II−23−N)を得た。得られたトナーを
用いて、実施例II−1−Nと同様に評価を行った結果
を表28、30及び図38(23)に示す。 【0568】[比較例II−1−N〜II−6−N]結
着樹脂(II−1−N)の代わりに比較用結着樹脂(I
I−1−N〜II−6−N)を用いた以外は実施例II
−1−Nと同様にして表26及び表27に示す比較用ト
ナー(II−1−N)〜(II−6−N)を得た。得ら
れたトナーを用いて、実施例II−1−Nと同様に評価
を行った結果を表28、30及び図39(1)〜
(4)、図40(5)〜(6)に示す。 【0569】[比較例II−7−N]トナー(II−5
−N)を用いたこと以外は比較例II−1−N〜II−
6−Nと同じトナー担持体を用いて評価した。結果を表
28、30及び図40(7)に示す。 【0570】 【表24】 【0571】 【表25】 【0572】 【表26】【0573】 【表27】【0574】 【表28】【0575】 【表29】【0576】 【表30】【0577】上記実施例II−1−N〜II−23−N
と比較例II−1−N〜II−7−Nとの評価結果か
ら、ビニル系共重合ユニットとポリエステルユニットを
有するハイブリッド樹脂組成物を含む特定の結着樹脂を
含有する本発明のトナーにワックスとして長鎖アルキル
化合物を用い、及び鉄粉に対して正帯電性である第4級
アンモニウム塩化合物と、構造中にアミノ基、=NH又
は−NH−の少なくとも1つを含む樹脂とを少なくとも
含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層が表面
に形成された本発明の現像剤担持体を用いた画像形成装
置は、トナー中の長鎖アルキル化合物が結着樹脂中に均
一に分散されており、定着性が良好で、耐オフセット
性、耐ブロッキング性に優れており、またトナーに対し
適正な帯電付与を行うので、多数枚耐久における画像濃
度安定性に優れ、ゴースト、カブリ抑制に優れているこ
とがわかる。 【0578】ポジトナー用結着樹脂の製造例II: (樹脂製造例II−1−P) 低架橋度樹脂組成物(II−P−L−1)の製造 低架橋度樹脂組成物(II−N−L−1)で製造した低
架橋度ポリエステル樹脂60重量部をキシレン100重
量部に完全に溶解後、スチレン30.8重量部、2−エ
チルヘキシルアクリレート9.2重量部、グラフト化触
媒としてジブチルスズオキサイド0.3重量部及び重合
開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド1重量
部をキシレン30重量部に溶解したものを、低架橋度樹
脂組成物(II−N−L−1)と同じ製造方法により、
低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系共重合体及びポリ
エステルユニットとビニル系共重合体ユニットを有して
いるハイブリッド樹脂成分からなる低架橋度樹脂組成物
(II−P−L−1)を得た。 【0579】高架橋度樹脂組成物(II−P−H−1)
の製造 次に表32の高架橋度樹脂組成物II−P−H−1の欄
に示した様なモノマーの種類及び組成比とした以外は、
低架橋度樹脂組成物(II−P−L−1)を製造するの
と同様にして高架橋度樹脂組成物II−P−H−1を得
た。得られた高架橋度樹脂組成物は、高架橋度ポリエス
テル樹脂、ビニル系共重合体及びポリエステルユニット
とビニル系共重合体ユニットを有しているハイブリッド
樹脂成分からなっていた。 【0580】結着樹脂(II−P−1)の製造 得られた高架橋度樹脂組成物(II−P−H−1)27
重量部及び低架橋度樹脂組成物(II−P−L−1)7
0重量部を樹脂製造例II−1−Nと同じ操作で、高架
橋度ポリエステル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビ
ニル系共重合体及びポリエステルユニットとビニル系共
重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分から
なる結着樹脂(II−1−P)を得た。 【0581】(樹脂製造例II−2−P〜II−6−
P)モノマーの種類及び組成を表31〜33の様に代え
て結着樹脂(II−1−P)〜(II−6−P)を得
た。 【0582】(樹脂比較製造例II−1−P〜II−6
−P)モノマーの種類及び組成を表31〜33の様に代
えて比較用結着樹脂(II−1−P)〜(II−6−
P)を得た。 【0583】 【表31】【0584】 【表32】【0585】 【表33】【0586】 [実施例II−1−P] ・結着樹脂(II−1−N) 100重量部 ・正電荷制御剤 2重量部 ・磁性酸化鉄粒子(1) 100重量部 ・表24に示されている式(A)の長鎖アルキルアルコールA 5重量部 ・表25に示されているポリエチレンワックス 2重量部 【0587】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均粒径(D4)7.5μmの磁性トナーII−1−Pを
得た。 【0588】このトナー(II−1−P)を用いて、結
着樹脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢
酸エチル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソッ
クスレー抽出により定量したところ、混在するワックス
を除外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が23
重量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が41重量%
であり、クロロホルム不溶分(W6)が14重量%であ
り、比(W4/W6)が2.9であり、THF不溶分
(W2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が5.9重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホル
ム不溶分(W6B)が8.1重量%であった。 【0589】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が5900、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が46.2%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が27.3%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が26.5%であり、比
(A1/A2)は1.69であった。 【0590】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は15.2m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチルの可溶成分の
酸価(AV2)は19.0mgKOH/gであり、比
(AV1/AV2)は0.8であった。 【0591】実施例II−1−Nと同様に13C−NM
Rにより、アクリル酸エステルの約27モル%がポリエ
ステルユニットとエステル化したハイブリッド樹脂成分
として存在することがわかった。 【0592】このトナーの結着樹脂100重量部に対す
る酢酸エチルに不溶な成分を定量したところ、混在する
ワックスを除いた樹脂組成物は14重量部であった。さ
らにNMRにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分(W
4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)に含有されるポ
リエステル樹脂成分(Gp)と(Sp)を定量したとこ
ろ、Gp=約84重量%、Sp=約66重量%であり、
比(Sp/Gp)=0.79であり、式(1−3)で表
わせるコハク酸誘導体の存在量を定量したところ、酢酸
エチルに不溶な成分に全仕込み量の約77重量%含有さ
れていた。 【0593】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量は、DSCにより測定され溶解エンタル
ピーから定量でき、その結果、トナーに添加して全ワッ
クスの約68重量%が存在していることがわかった。 【0594】この磁性トナー(II−1−P)100重
量部に、ジメチルシリコーンオイルで表面処理した疎水
性乾式シリカ(BET=100m/g)1.2重量部
をヘンシェルミキサーにて外部添加して外添トナー(一
成分系現像剤)とした。 【0595】 (現像剤担持体の製造) ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂 500重量部 (固形分50%) ・4級アンモニウム塩化合物(1) 80重量部 ・メタノール 180重量部 【0596】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離し、メタノールで固形分を30%に調整し、塗料
II−1−P(c(カーボン)/GF(グラファイト)
/B(フェノール樹脂)/P(4級アンモニウム塩化合
物)=0.2/0.8/2.5/0.8)を得た。この
塗料を絶縁シート上にバーコーターにてコート・乾燥さ
せ、これを定形にカットし、低抵抗率計ロレスター(三
菱油化社製)にて測定したところ、体積抵抗率は13Ω
・cmであった。 【0597】この塗料をスプレー法にてφ20mmのA
l円筒体上に10μmの被膜を形成させ、次いで熱風乾
燥器により150℃/30分間加熱・硬化させ現像剤担
持体を作製した。この現像剤担持体上の導電性被覆層表
面のRaをサーフコーダーSE−3300(小坂研究所
製)で測定したところ、Ra=0.72μmであった。 【0598】(定着性の評価)トナー定着性評価として
の濃度低下率及びホットオフセットは、以下の評価方法
に基づいて評価した。 【0599】キヤノン製複写機NP6035の定着器を
取り外し、外部駆動及び定着器の温度制御装置を取り付
けた定着試験装置を用いたこと以外は、実施例II−1
−Nと同様にして評価した。評価結果を表36に示し
た。 【0600】(耐ブロッキング性の評価)実施例I−1
−Nと同様にして評価した。評価結果を表36に示し
た。 【0601】(加圧ローラー汚れ)キヤノン製複写機N
P6035の定着器を用いたこと以外は、実施例II−
1−Nと同様にして評価した。評価結果を表36に示し
た。 【0602】(耐ブロッキング性の評価)実施例I−1
−Nと同様にして評価した。評価結果を表36に示し
た。 【0603】(画像濃度の評価)このスリーブをNP6
035(キヤノン製複写機)に組み込み、上記現像剤を
用いたこと以外は実施例I−1−Pと同様にH/H環境
下で画出しして評価した。結果を図41(1)に示す。
良好な結果であった。 【0604】(トリボ測定)実施例I−1−Pと同様に
H/H環境下で評価した。その結果、表38に示した様
に、良好な結果が得られた。 【0605】(白スジ評価)実施例I−1−Pと同様の
方法でH/H環境下で評価した。その結果、表38に示
した様に、良好な結果が得られた。 【0606】(反転カブリ評価)実施例I−1−Pと同
様にN/L環境下にて評価した。その結果、表38に示
した様に、良好な結果が得られた。 【0607】(ドラム融着)実施例I−1−Nと同様に
して評価した。その結果、表38に示した様に、良好な
結果が得られた。 【0608】(クリーニング不良)実施例I−1−Pと
同様にN/L環境下で評価した。その結果、表38に示
した様に、良好な結果が得られた。 【0609】[実施例II−2−P〜II−5−P]結
着樹脂(II−1−P)の代わりに、結着樹脂(I−2
−P)〜(II−5−P)、を用いた以外は、実施例I
I−1−Pと同様にして表34及び表35に示すトナー
(II−2−P)〜(II−5−P)を得た。得られた
トナーを用いて、実施例II−1−Pと同様に行った結
果を表36、38及び図41(2)〜(5)に示す。 【0610】[実施例II−6−P−1]結着樹脂(I
I−1−P)の代わりに、結着樹脂(II−6−P)を
用いた以外は、実施例II−1−Pと同様にして表34
及び表35に示すトナー(II−6−P)を得た。得ら
れたトナーを用いて、実施例II−1−Pと同様に行っ
た結果を表36、38及び図42(6−1)に示す。 【06II】[実施例II−6−P−2〜II−6−P
−4]実施例II−6−P−1において、現像剤担持体
に用いた結着樹脂を表37に示す樹脂に代えたこと以外
は実施例II−6−P−1と同様に行った。結果を表3
6、38及び図42(6−2)〜(6−3)、図43
(6−4)に示す。 【0612】[実施例II−6−P−5]実施例II−
5−P−1において、現像剤担持体に用いたグラファイ
ト80重量部を二硫化モリブデン160重量部に代えた
こと以外は実施例II−6−P−1と同様に行った。結
果を表36、38及び図43(6−5)に示す。 【0613】[実施例II−6−P−6〜II−6−P
−8]実施例II−5−P−1において、現像剤担持体
に用いた4級アンモニウム塩化合物(1)を4級アンモ
ニウム塩化合物(2)〜(4)に代えたこと以外は実施
例II−6−P−1と同様に行った。結果を表36、3
8及び図43(6−6)〜(6−7)、図44(6−
8)に示す。 【0614】[実施例II−6−P−9]実施例II−
6−P−1において、現像剤担持体に用いた、アンモニ
アを触媒として製造されたフェノール樹脂(固形分50
%)500重量部をポリアミド樹脂(固形分25%)6
00重量部、4級アンモニウム塩化合物(1)を15重
量部に代えたこと以外は実施例II−6−P−1と同様
に行った。結果を表36、38及び図44(6−9)に
示す。 【0615】[実施例II−5−N−10]実施例II
−6−P−9において、現像剤担持体に用いた4級アン
モニウム塩化合物(1)を(2)に代えたこと以外は実
施例II−6−P−9と同様に行った。結果を表36、
38及び図44(6−10)に示す。 【0616】[実施例II−6−P−11]実施例II
−6−P−1において、現像剤担持体に用いた、アンモ
ニアを触媒として製造されたフェノール樹脂(固形分5
0%)500重量部をウレタン樹脂(固形分40%)6
25重量部に代えたこと以外は実施例II−6−P−1
と同様に行った。結果を表36、38及び図44(6−
11)に示す。 【0617】 [実施例II−6−P−R1] ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・アンモニアを触媒として製造されたフェノール樹脂 660重量部 (固形分50%) ・4級アンモニウム塩化合物(1) 100重量部 ・メタノール 200重量部 【0618】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離した。この塗料をIIPRとする。 ・IIPR(固形分50%) 106重量部 ・球状炭素粒子(体積平均粒径5μm) 6重量部 ・メタノール 36重量部 【0619】上記材料をφ2mmのガラスビーズにて3
0分間サンドミルを行い、その後ガラスビーズを篩いで
分離し、塗料II−6−P−R1(C(カーボン)/G
F(グラファイト)/B(フェノール樹脂)/P(4級
アンモニウム塩化合物)/R(球状炭素粒子)=0.2
/0.8/3.3/1.0/0.6)を得た以外は、実
施例II−6−P−1と同様にして現像剤担持体を得
た。これを実施例II−1−Pと同様にトナー分析(表
34及び35)、トナー評価(表36)、画出し評価
(表38及び図45(6−R1))を行った。いずれも
良好な結果が得られた。 【0620】[実施例II−6−P−R2]実施例II
−6−P−R1において、グラファイト80重量部を二
硫化モリブデン160重量部に代えたこと以外は実施例
II−1−Pと同様にトナー分析(表34及び35)、
トナー評価(表36)、画出し評価(表38及び図45
(6−R2))を行った。いずれも良好な結果が得られ
た。 【0621】[実施例II−6−P−R3]実施例II
−6−P−R1において、4級アンモニウム塩化合物
(1)を4級アンモニウム塩化合物(2)に代えたこと
以外は実施例II−6−P−R1と同様にして現像剤担
持体を得た。これを実施例II−1−Pと同様にトナー
分析(表34及び35)、トナー評価(表36)、画出
し評価(表38及び図45(6−R3))を行った。い
ずれも良好な結果が得られた。 【0622】 [実施例II−6−P−R4] ・カーボン 20重量部 ・グラファイト 80重量部 ・ポリアミド樹脂(固形分25%) 920重量部 ・4級アンモニウム塩化合物(1) 23重量部 ・メタノール 60重量部 【0623】上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて
3時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩い
で分離した。この塗料をIIPRとする。 ・IIPR(固形分32%) 110重量部 ・球状炭素粒子(体積平均粒径5μm) 3重量部 ・メタノール 78重量部 【0624】上記材料をφ2mmのガラスビーズにて3
0分間サンドミルを行い、その後ガラスビーズを篩いで
分離し、塗料II−6−P−R4(C(カーボン)/G
F(グラファイト)/B(ポリアミド樹脂)/P(4級
アンモニウム塩化合物)/R(球状炭素粒子)=0.2
/0.8/2.3/0.23/0.3)を得た以外は、
実施例II−6−P−1と同様にして現像剤担持体を得
た。これを実施例II−1−Pと同様にトナー分析(表
34及び35)、トナー評価(表36)、画出し評価
(表38及び図45(6−R4))を行った。いずれも
良好な結果が得られた。 【0625】[実施例II−6−P−R5]実施例II
−6−P−R1において、アンモニアを触媒として製造
されたフェノール樹脂(固形分50%)660重量部を
ウレタン樹脂(固形分40%)825重量部に代えたこ
と以外は実施例II−6−P−R1と同様にして現像剤
担持体を得た。これを実施例II−1−Pと同様にトナ
ー分析(表34及び35)、トナー評価(表36)、画
出し評価(表38及び図45(6−R5))を行った。
いずれも良好な結果が得られた。 【0626】[実施例II−7−P〜II−11−P]
式(A)で示される長鎖アルキル化合物Aの代わりに、
表24に示す長鎖アルキル化合物B〜Fを用いた以外
は、実施例II−1−Pと同様にして表34及び表35
に示すトナー(II−7−P)〜(II−11−P)を
得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1−Pと
同様に評価した結果を表36、38及び図46(7)〜
(11)に示す。 【0627】[実施例II−12−P]ポリエチレンワ
ックスの代わりに、表25に示すポリエチレンワック
スを用いた以外は、実施例II−1−Pと同様にして
表34及び表35に示すトナー(II−12−P)を得
た。得られたトナーを用いて、実施例II−1−Pと同
様に評価した結果を表36、38及び図46(12)に
示す。 【0628】[実施例II−13−P]ポリエチレンワ
ックスの代わりに、表25に示すポリエチレンワック
スを用いた以外は、実施例II−1−Pと同様にして
表34及び表35に示すトナー(II−13−P)を得
た。得られたトナーを用いて、実施例II−1−Pと同
様に評価した結果を表36、38及び図47(13)に
示す。 【0629】[実施例II−14−P]ポリエチレンワ
ックスの代わりに、表25に示すアーゲ法で合成した
炭化水素ワックスを用いた以外は、実施例II−1−
Pと同様にして表34及び表35に示すトナー(II−
14−P)を得た。得られたトナーを用いて、実施例I
I−1−Pと同様に評価した結果を表36、38及び図
47(14)に示す。 【0630】[実施例II−15−P]ポリエチレンワ
ックスの代わりに、表25に示すポリプロピレンワッ
クスを用いた以外は、実施例II−1−Pと同様にし
て表34及び表35に示すトナー(II−15−P)を
得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1−Pと
同様に評価した結果を表36、38及び図47(15)
に示す。 【0631】[実施例II−16−P〜II−20−
P]磁性酸化鉄粒子(1)の代わりに、表22に示す磁
性酸化鉄粒子(2)〜(6)を用いた以外は、実施例I
I−1−Pと同様にして表34及び表35に示すトナー
(II−16−P)〜(II−20−P)を得た。得ら
れたトナーを用いて、実施例II−1−Pと同様に評価
を行った結果を表36、38及び図47(16)〜(1
8)、図48(19)〜(20)に示す。 【0632】[実施例II−21−P]ジメチルシリコ
ーンオイルで処理した疎水性乾式シリカの代わりに、ヘ
キサメチルジシラザンで表面処理した疎水性乾式シリカ
(BET:180m/g)を用いた以外は、実施例I
I−1−Pと同様にして表34及び表35に示すトナー
(II−21−P)を得た。得られたトナーを用いて、
実施例II−1−Pと同様に評価を行った結果を表3
6、38及び図48(21)に示す。 【0633】[実施例II−22−P]ポリエチレンワ
ックスを用いなかった以外は、実施例II−1−Pと
同様にして表34及び表35に示すトナー(II−22
−P)を得た。得られたトナーを用いて、実施例II−
1−Pと同様に評価を行った結果を表36、38及び図
48(22)に示す。 【0634】[実施例II−23−P]長鎖アルキル化
合物A及びポリエチレンワックスの代わりに表25の
ポリプロピレンワックスを7重量部のみ用いた以外は
実施例II−1−Pと同様にして表34及び表35に示
すトナー(II−23−P)を得た。得られたトナーを
用いて、実施例II−1−Pと同様に評価を行った結果
を表36、38及び図48(23)に示す。 【0635】[比較例II−1−P〜II−6−P]結
着樹脂(II−1−P)の代わりに比較用結着樹脂(I
I−1−P〜II−6−P)を用いた以外は実施例II
−1−Pと同様にして表34及び表35に示す比較用ト
ナー(II−1−P)〜(II−6−P)を得た。得ら
れたトナーを用いて、実施例II−1−Pと同様に評価
を行った結果を表36、38及び図49(1)〜(6)
に示す。 【0636】[比較例II−7−P]トナー(II−5
−P)を用いたこと以外は比較例II−1−P〜II−
6−Pと同じトナー担持体を用いて評価した。結果を表
36、38及び図50(7)に示す。 【0637】[比較例II−8−P]実施例II−6−
P−1において、4級アンモニウム塩化合物(1)を
(5)に変えたこと以外は同様に画出し評価を行った。
結果を表36、38及び図50(8)に示す。定着性試
験は良好であったが、画出し評価ではトリボが低く、白
スジが発生し、また反転カブリも悪かった。ドラム融着
及びクリーニング不良については良好だった。 【0638】[比較例II−9−P]実施例II−6−
P−1において、トナー担持体をアンモニアを触媒とし
て製造されたフェノール樹脂(固形分50%)500重
量部をポリカーボネート樹脂(固形分20%)1250
重量部、メタノールをモノクロロベンゼンに代えた以外
は同様に画出し評価を行った。結果を表36、38及び
図50(9)に示す。定着性試験は良好であったが、画
出し評価ではトリボが低く、白スジが発生し、また反転
カブリも悪かった。ドラム融着及びクリーニング不良に
ついては良好だった。 【0639】 【表34】 【0640】 【表35】【0641】 【表36】【0642】 【表37】【0643】 【表38】【0644】上記実施例II−1−P〜II−23−P
と比較例II−1−P〜II−9−Pとの評価結果か
ら、ビニル系共重合ユニットとポリエステルユニットを
有するハイブリッド樹脂組成物を含む特定の結着樹脂を
含有する本発明のトナーにワックスとして長鎖アルキル
化合物を用い、及び鉄粉に対して正帯電性である第4級
アンモニウム塩化合物と、構造中にアミノ基、=NH又
は−NH−の少なくとも1つを含む樹脂、とを少なくと
も含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層が表
面に形成された本発明の現像剤担持体を用いた画像形成
装置は、トナー中の長鎖アルキル化合物が結着樹脂中に
均一に分散されており、定着性が良好で、耐オフセット
性、耐ブロッキング性に優れており、またトナーに対し
適正な帯電付与を行うので、多数枚耐久における画像濃
度安定性に優れ、白スジ、反転カブリ抑制に優れている
ことがわかる。 【0645】 【発明の効果】本発明のトナーは、ワックスが結着樹脂
中に均一に分散されており、定着性が良好で、耐オフセ
ット性、耐ブロッキング性及び、常温低湿下或いは高温
高湿下での多数枚耐久性等に優れているものである。 【0646】ただし、本発明の結着樹脂を用いてネガト
ナーを作製したとき、帯電が過剰になりやすく、一方、
ポジトナーとして用いた場合、帯電不足になりやすい。 【0647】そこで、本発明者らの鋭意検討を重ねた結
果、本発明で用いられる、鉄粉に対し自身が正帯電する
4級アンモニウム塩化合物を、構造中にアミノ基、=N
H又は−NH−の少なくとも1つを含む樹脂中に混合す
ると、成膜時に、該4級アンモニウム塩化合物が結着樹
脂の構造中に取り込まれるため、結着樹脂の耐磨耗性が
向上することがわかった。更に、該4級アンモニウム塩
化合物が結着樹脂の構造中に取り込まれることにより、
結着樹脂自身の、正極性現像剤に対する正摩擦帯電付与
性が向上することがわかった。 【0648】そこでこれを結着樹脂として、負極性現像
剤用現像剤担持体表面の導電性被覆層に用いることで、
本発明の現像剤用結着樹脂をネガトナーとして用いたと
き、過剰のネガ付与を防止できるので、良好な画像を得
ることができる。一方、本発明の現像剤用結着樹脂をポ
ジトナーとして用いたとき、良好なポジ付与が得られる
ので、良好な画像を得ることができる。 【0649】このように、本発明における結着樹脂を用
いたトナーに対し、現像剤担持体表面の導電性被覆層に
4級アンモニウム塩化合物と、構造中にアミノ基、=N
H又は−NH−の少なくとも1つを含む樹脂を用いるこ
とで、これら現像剤への帯電付与性が安定となり、かつ
該被覆層の耐磨耗性が向上するので、常温常湿は勿論、
常温低湿・高温高湿でも画像濃度低下・ゴースト・ブロ
ッチ・ベタ白かぶりといった画質不良の発生しない高品
位の画像を、長期に亘って得ることができる。即ち安定
した高品位の画像を提供することができる。 【0650】さらに結着樹脂にフェノール樹脂、構造中
にアミノ基或いは=NH、−NH−の少なくとも1つを
含む樹脂を用いているので、テフロン等のように、各種
溶媒に溶け難い樹脂に比べ、現像剤担持体への塗工が容
易である。
【図面の簡単な説明】 【図1】低架橋度ポリエステル樹脂組成物の13C−N
MRスペクトルを示す。 【図2】スチレン・2−エチルヘキシルアクリレート共
重合体の13C−NMRスペクトルを示す。 【図3】本発明に係る結着樹脂(I−1−N)の13
−NMRスペクトルを示す。 【図4】本発明に係る結着樹脂(I−1−N)の酢酸エ
チル可溶成分のH−NMRスペクトルを示す。 【図5】本発明に係る結着樹脂(I−1−N)の酢酸エ
チル不溶成分のH−NMRスペクトルを示す。 【図6】PO−BPAのPO基のH−NMRシグナル
の帰属を示す説明図である。 【図7】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の概略構成図を示す。 【図8】図7に示す画像形成装置の現像部の部分拡大図
を示す。 【図9】本発明の画像形成方法を実施し得る他の形態の
画像形成装置の概略構成図を示す。 【図10】本発明の画像形成方法において、定着工程で
用いる他の加熱定着手段としてのフィルム加熱定着装置
の概略図を示す。 【図11】本発明の画像形成方法を実施し得るさらに他
の画像形成装置の概略構成図を示す。 【図12】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成
装置の一部拡大図を示す。 【図13】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成
装置の一部拡大図を示す。 【図14】本発明の画像形成方法に用いられる非磁性ト
ナーを用いる画像形成装置の概略構成図を示す。 【図15】本発明の画像形成方法を実施し得るさらに他
の画像形成装置の概略構成図を示す。 【図16】図15に示す画像形成装置本体に装着される
プロセスカートリッジの概略構成図を示す。 【図17】本発明の画像形成方法をファクシミリ装置の
プリンターとして適用した場合のブロック図を示す。 【図18】ソックスレー抽出に使用するソックスレー抽
出装置の一具体例を示す概略図である。 【図19】実施例I−1〜4−NのN/Lでの耐久画像
濃度推移を示す。 【図20】実施例I−5−1〜6−NのN/Lでの耐久
画像濃度推移を示す。 【図21】実施例I−5−7〜11−NのN/Lでの耐
久画像濃度推移を示す。 【図22】実施例I−5−R1〜R4−NのN/Lでの
耐久画像濃度推移を示す。 【図23】実施例I−6〜7−NのN/Lでの耐久画像
濃度推移を示す。 【図24】比較例I−1〜6−NのN/Lでの耐久画像
濃度推移を示す。 【図25】実施例I−1〜4−PのH/Hでの耐久画像
濃度推移を示す。 【図26】実施例I−5−1〜6−PのH/Hでの耐久
画像濃度推移を示す。 【図27】実施例I−5−7〜11−PのH/Hでの耐
久画像濃度推移を示す。 【図28】実施例I−5−R1〜R5−PのH/Hでの
耐久画像濃度推移を示す。 【図29】実施例I−6〜7−PのH/Hでの耐久画像
濃度推移を示す。 【図30】比較例I−1〜6−PのH/Hでの耐久画像
濃度推移を示す。 【図31】比較例I−7〜8−PのH/Hでの耐久画像
濃度推移を示す。 【図32】実施例II−1〜4−NのN/Lでの耐久画
像濃度推移を示す。 【図33】実施例II−5−1〜6−NのN/Lでの耐
久画像濃度推移を示す。 【図34】実施例II−5−7〜11−NのN/Lでの
耐久画像濃度推移を示す。 【図35】実施例II−5−R1〜R5−NのN/Lで
の耐久画像濃度推移を示す。 【図36】実施例II−6〜11−NのN/Lでの耐久
画像濃度推移を示す。 【図37】実施例II−12〜17−NのN/Lでの耐
久画像濃度推移を示す。 【図38】実施例II−18〜23−NのN/Lでの耐
久画像濃度推移を示す。 【図39】比較例II−1〜4−NのN/Lでの耐久画
像濃度推移を示す。 【図40】比較例II−5〜7−NのN/Lでの耐久画
像濃度推移を示す。 【図41】実施例II−1〜5−PのH/Hでの耐久画
像濃度推移を示す。 【図42】実施例II−6−1〜3−PのH/Hでの耐
久画像濃度推移を示す。 【図43】実施例II−6−4〜7−PのH/Hでの耐
久画像濃度推移を示す。 【図44】実施例II−6−8〜11−PのH/Hでの
耐久画像濃度推移を示す。 【図45】実施例II−6−R1〜R5−PのH/Hで
の耐久画像濃度推移を示す。 【図46】実施例II−7〜12−PのH/Hでの耐久
画像濃度推移を示す。 【図47】実施例II−13〜18−PのH/Hでの耐
久画像濃度推移を示す。 【図48】実施例II−19〜23−PのH/Hでの耐
久画像濃度推移を示す。 【図49】比較例II−1〜6−PのH/Hでの耐久画
像濃度推移を示す。 【図50】比較例II−7〜9−PのH/Hでの耐久画
像濃度推移を示す。 【図51】スリーブゴーストの試験例を示す説明図であ
る。 【図52】本発明の現像剤担持体の一部分の断面の概略
図を示す。 【図53】4級アンモニウム塩化合物の帯電付与部材に
用いる結着樹脂中への添加量に対する、モデルネガトナ
ーの帯電量を示すグラフである。 【図54】4級アンモニウム塩化合物の帯電付与部材に
用いる結着樹脂中への添加量に対する、モデルポジトナ
ーの帯電量を示すグラフである。 【符号の説明】 1 静電潜像保持体(感光体) 4 現像剤担持体(現像スリーブ) 7 定着器 9 現像器 11 ブレード 13 一成分系現像剤 P 記録材 201 被膜層 202 導電性物質 203 結着樹脂(4級アンモニウム塩化合物含有結着
樹脂) 204 固体潤滑剤 205 円筒状基体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 365 375 15/08 507L (72)発明者 岡本 直樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 溝尾 祐一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柴山 寧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松永 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA06 AA08 CA04 CA08 CA12 CA14 CA17 CA18 CB03 CB13 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 2H073 AA03 AA05 AA10 BA04 BA13 BA25 BA43 CA02 2H077 AA11 AD02 AD06 AD13 AD36 EA13 EA14 GA17

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 現像容器内に収容されたトナーを有する
    現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に
    現像剤層厚規制部材により現像剤層を形成しながら、潜
    像担持体と対向する現像領域へと搬送し、該潜像担持体
    上の潜像を現像剤により現像し、可視像化する現像装置
    において、 前記トナーとして少なくとも着色剤、結着樹脂及びワ
    ックスを含有するものを用い、該トナーの該結着樹脂
    は、 (a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ビニル
    系重合体ユニットとポリエステルユニットを有している
    ハイブリッド樹脂成分を含み、 (b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10
    時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至
    85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至
    50重量%(W2)含有し、 (c)酢酸エチルを溶媒とした10時間のソックスレー
    抽出で、酢酸エチル可溶成分を40乃至98重量%(W
    3)含有し、酢酸エチル不溶成分を2乃至60重量%
    (W4)含有し、 (d)クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレ
    ー抽出で、クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%
    (W5)含有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45
    重量%(W6)含有し、 (e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であり、 (f)THF可溶成分のゲルパーミエーションクロマト
    グラフィー(GPC)測定による分子量分布において、
    分子量4000乃至9000の領域にメインピークを有
    し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が35.0
    乃至65.0%(A1)であり、分子量1万乃至10万
    未満の領域の成分が25.0乃至45.0%(A2)で
    あり、分子量10万以上の成分が10.0乃至30.0
    %(A3)であり、A1/A2の値が1.05乃至2.
    00であるものであり、 前記現像剤担持体は、基体及び該基体上に設けられた
    被覆層を有し、該被覆層は、少なくとも結着樹脂と、導
    電性物質と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモ
    ニウム塩化合物とを含有する樹脂組成物により形成され
    たものであり、該結着樹脂は構造中にアミノ基、=NH
    又は−NH−の少なくとも1つを含むことを特徴とする
    現像装置。 【請求項2】 結着樹脂の該ポリエステル樹脂及び該ポ
    リエステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸また
    はその無水物、または、三価以上の多価アルコールで架
    橋された架橋構造を有していることを特微とする請求項
    1に記載の現像装置。 【請求項3】 結着樹脂の該ビニル系樹脂及び該ビニル
    系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤
    で架橋された架橋構造を有していることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の現像装置。 【請求項4】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W2)
    を20乃至45重量%含有することを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載の現像装置。 【請求項5】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W2)
    を25乃至40重量%含有することを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載の現像装置。 【請求項6】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分(W
    4)を5乃至50重量%含有することを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の現像装置。 【請求項7】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分(W
    4)を10乃至40重量%含有することを特徴とする請
    求項1乃至5のいずれかに記載の現像装置。 【請求項8】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を15乃至40重量%含有することを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置。 【請求項9】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を17乃至37重量%含有することを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置。 【請求項10】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.2乃至3.5であることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれかに記載の現像装置。 【請求項11】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.5乃至3.0であることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれかに記載の現像装置。 【請求項12】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    かに記載の現像装置。 【請求項13】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が合首しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    かに記載の現像装置。 【請求項14】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    500の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    1乃至13のいずれかに記載の現像装置。 【請求項15】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    000の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    1乃至13のいずれかに記載の現像装置。 【請求項16】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)を37.0乃至60.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記
    載の現像装置。 【請求項17】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)を40.0乃至50.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記
    載の現像装置。 【請求項18】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万乃至10万
    未満の成分(A2)を27.0乃至42.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記
    載の現像装置。 【詩求項19】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万乃至10万
    未満の成分(A2)を30.0乃至40.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記
    載の現像装置。 【請求項20】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を12.0乃至25.0%含有していること
    を特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の現像
    装置。 【請求項21】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を15.0乃至20.0%含有していること
    を特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の現像
    装置。 【請求項22】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.10乃至1.9
    0であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか
    に記載の現像装置。 【請求項23】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.15乃至1.8
    0であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか
    に記載の現像装置。 【請求項24】 該ハイブリッド樹脂成分のビニル系重
    合体ユニットとポリエステルユニットとは、 【化1】 を介して結合していることを特徴とする請求項1乃至2
    3のいずれかに記載のトナー。 【請求項25】 該ハイブリッド樹脂成分は、ポリエス
    テルユニットとカルボン酸エステル基を有するモノマー
    の重合によるビニル系重合体ユニットとがエステル交換
    反応されて形成された共重合体であることを特徴とする
    請求項1乃至24のいずれかに記載の現像装置。 【請求項26】 該ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
    重合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニット
    を枝重合体としたグラフト重合体であることを特徴とす
    る詩求項1乃至25のいずれかに記載の現像装置。 【請求項27】 該結着樹脂は、10乃至60モル%の
    グラフト化率を有することを特徴とする請求項1乃至2
    6のいずれかに記載の現像装置。 【請求項28】 該結着樹脂は、15乃至55モル%の
    グラフト化率を有することを特徴とする請求項1乃至2
    6のいずれかに記載の現像装置。 【請求項29】 該結着樹脂は、 (A)酢酸エチルに不溶な成分(W4)を結着樹脂10
    0重量部に対して2乃至60重量%含有し、 (B)酢酸エチルに不溶な成分(W4)がポリエステル
    樹脂成分(Gp)を40乃至98重量%含有し、 (C)酢酸エチルに溶解する成分(W3)がポリエステ
    ル樹脂成分(Sp)を20乃至90重量%含有し、 (D)酢酸エチルに不溶な成分(W4)が含有するポリ
    エステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸エチルに溶解
    する成分(W3)が含有するポリエステル樹脂成分(S
    P)の含有量との比(Sp/Gp)が、0.5乃至1.
    0であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 【請求項30】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    ポリエステル樹脂成分(Gp)を55乃至95重量%含
    有することを特徴とする請求項29に記載の現像装置。 【請求項31】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    ポリエステル樹脂成分(Gp)を60乃至90重量%含
    有することを特徴とする請求項29に記載の現像装置。 【請求項32】 該酢酸エチルに溶解する成分(W3)
    はポリエステル樹脂成分(Sp)を25乃至85重量%
    含有することを特徴とする請求項29乃至31のいずれ
    かに記載の現像装置。 【請求項33】 該酢酸エチルに溶解する成分(W3)
    はポリエステル樹脂成分(Sp)を30乃至80重量%
    含有することを特徴とする請求項29乃至31のいずれ
    かに記載の現像装置。 【請求項34】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸
    エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステル
    樹脂成分(SP)との比(Sp/Gp)が、0.60乃
    至0.95であることを特徴とする請求項29乃至33
    のいずれかに記載の現像装置。 【請求項35】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸
    エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステル
    樹脂成分(Sp)との比(Sp/Gp)が、0.65乃
    至0.90であることを特徴とする請求項29乃至33
    のいずれかに記載の現像装置。 【請求項36】 該トナーの全結着樹脂は、7乃至40
    mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを特
    徴とする請求項1乃至35のいずれかに記載の現像装
    置。 【請求項37】 該トナーの全結着樹脂は、10乃至3
    7mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを
    特徴とする請求項1乃至35のいずれかに記載の現像装
    置。 【請求項38】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、10乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項1乃至37のいず
    れかに記載の現像装置。 【請求項39】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、15乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項1乃至37のいず
    れかに記載の現像装置。 【請求項40】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該トナーの酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、0.7乃至
    2.0であることを特徴とする請求項1乃至39のいず
    れかに記載の現像装置。 【請求項41】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該トナーの酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、1.0乃至
    1.5であることを特徴とする請求項1乃至39のいず
    れかに記載の現像装置。 【請求項42】 該ワックスは、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定され
    る融点が70乃至140℃であることを特徴とする請求
    項1乃至41のいずれかに記載の現像装置。 【請求項43】 該ワックスは、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定され
    る融点が80乃至135℃であることを特徴とする請求
    項1乃至41のいずれかに記載の現像装置。 【請求項44】 該ワックスは、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定され
    る融点が90乃至130℃であることを特徴とする請求
    項1乃至41のいずれかに記載の現像装置。 【請求項45】 該トナーは、結着樹脂の製造時にワッ
    クスの存在下で製造された、ワックスを含有する結着樹
    脂を含有していることを特徴とする請求項1乃至44の
    いずれかに記載の現像装置。 【請求項46】 該トナーは、該ワックスとして下記式
    (A)、(B)または(C)で示される長鎖アルキル化
    合物を一種以上含有することを特徴とする請求項1乃至
    45のいずれかに記載の現像装置。 【化2】 〔式中、xは平均値を示し、35〜150である。〕 〔式中、xは平均値を示し35〜150であり、yは平
    均値を示し1〜5であり、Rは水素または炭素数1〜1
    0個のアルキル基を示す。〕 〔式中、xは平均値を示し、35〜150である。〕 【請求項47】 該トナーは、炭化水素ワックスもしく
    は石油系ワックスをさらに含有することを特徴とする請
    求項46に記載の現像装置。 【請求項48】 該長鎖アルキル化合物は、GPC測定
    による分子量分布において、数平均分子量(Mn)が2
    00乃至2500、重量平均分子量(Mw)が400乃
    至5000及び重量平均分子量と数平均分子量との比
    (Mw/Mn)が3以下であることを特徴とする請求項
    46に記載の現像装置。 【請求項49】 式(A)又は式(B)で示される長鎖
    アルキル化合物は、OH価が2〜150mgKOH/g
    であることを特徴とする請求項46に記載の現像装置。 【請求項50】 式(A)又は式(B)で示される長鎖
    アルキル化合物は、OH価が10〜120mgKOH/
    gであることを特徴とする請求項46に記載の現像装
    置。 【請求項51】 式(C)で示される長鎖アルキル化合
    物は、酸価が2〜150mgKOH/gであることを特
    徴とする請求項46に記載の現像装置。 【請求項52】 式(C)で示される長鎖アルキル化合
    物は、酸価が5〜150mgKOH/gであることを特
    徴とする請求項46に記載の現像装置。 【請求項53】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査型
    熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピー
    ク温度で規定される融点が70〜140℃であることを
    特徴とする請求項46に記載の現像装置。 【請求項54】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査型
    熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピー
    ク温度で規定される融点が80〜135℃であることを
    特徴とする請求項46に記載の現像装置。 【請求項55】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査型
    熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピー
    ク温度で規定される融点が90〜130℃であることを
    特徴とする請求項46に記載の現像装置。 【請求項56】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時
    の吸熱メインピーク温度で規定される融点が70〜14
    0℃であることを特徴とする請求項47に記載の現像装
    置。 【請求項57】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時
    の吸熱メインピーク温度で規定される融点が80〜13
    5℃であることを特徴とする請求項47に記載の現像装
    置。 【請求項58】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時
    の吸熱メインピーク温度で規定される融点が90〜13
    0℃であることを特徴とする請求項47に記載の現像装
    置。 【請求項59】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、GPC測定による分子量分布において、重量平均
    分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1乃至3
    であることを特徴とする請求項47に記載の現像装置。 【請求項60】 該トナーは、該着色剤として磁性酸化
    鉄を少なくとも含有することを特徴とする請求項1乃至
    59のいずれかに記載の現像装置。 【請求項61】 該トナーは、該磁性酸化鉄を該結着樹
    脂100重量部に対して、10乃至200重量部含有し
    ていることを特徴とする請求項60に記載の現像装置。 【請求項62】 該磁性酸化鉄は、球形度(ψ)が0.
    8以上であることを特徴とする請求項60に記載の現像
    装置。 【請求項63】 該磁性酸化鉄は、ケイ素化合物を含有
    することを特徴とする請求項60に記載の現像装置。 【請求項64】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を鉄元素
    を基準として0.2〜4重量%含有しており、該磁性酸
    化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ素
    元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量
    Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、該
    磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含有
    量Aとの比(C/A)×100が10〜55%であるこ
    とを特徴とする請求項63に記載の現像装置。 【請求項65】 該トナーは、疎水化処理されたシリカ
    微粉体が外添されていることを特徴とする請求項1乃至
    64のいずれかに記載の現像装置。 【請求項66】 該シリカ微粉体は、シリコーンオイル
    で処理されていることを特徴とする請求項65に記載の
    現像装置。 【請求項67】 該トナーは、重量平均粒径が3〜10
    μmであることを特徴とする請求項1乃至66のいずれ
    かに記載の現像装置。 【請求項68】 現像容器内に収容されたトナーを有す
    る現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上
    に現像剤層厚規制部材により現像剤層を形成しながら、
    潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、該潜像担持
    体上の潜像を現像剤により現像し、現像画像を形成する
    現像工程;該静電潜像保持体上に形成された現像画像を
    中間転写体を用いて、または用いずに記録材に転写する
    転写工程;及び、 該記録材に転写された現像画像を加熱定着手段により該
    記録材に加熱定着する定着工程;を有する画像形成方法
    において、 前記トナーとして少なくとも着色剤、結着樹脂及びワ
    ックスを含有するものを用い、 該トナーの該結着樹脂は、 (a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ビニル
    系重合体ユニットとポリエステルユニットを有している
    ハイブリッド樹脂成分を含み、 (b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10
    時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至
    85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至
    50重量%(W2)含有し、 (c)酢酸エチルを溶媒とした10時間のソックスレー
    抽出で、酢酸エチル可溶成分を40乃至98重量%(W
    3)含有し、酢酸エチル不溶成分を2乃至60重量%
    (W4)含有し、 (d)クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレ
    ー抽出で、クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%
    (W5)含有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45
    重量%(W6)含有し、 (e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であり、 (f)THF可溶成分のゲルパーミエーションクロマト
    グラフィー(GPC)測定による分子量分布において、
    分子量4000乃至9000の領域にメインピークを有
    し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が35.0
    乃至65.0%(A1)であり、分子量1万乃至10万
    未満の領域の成分が25.0乃至45.0%(A2)で
    あり、分子量10万以上の成分が10.0乃至30.0
    %(A3)であり、A1/A2の値が1.05乃至2.
    00であるものであり、 前記現像剤担持体は、基体及び該基体上に設けられた
    被覆層を有し、該被覆層は、少なくとも結着樹脂と、導
    電性物質と、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモ
    ニウム塩化合物とを含有する樹脂組成物により形成され
    たものであり、該結着樹脂は構造中にアミノ基、=NH
    又は−NH−の少なくとも1つを含むことを特徴とする
    画像形成方法。 【請求項69】 結着樹脂の該ポリエステル樹脂及び該
    ポリエステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸ま
    たはその無水物、または、三価以上の多価アルコールで
    架橋された架橋構造を有していることを特微とする請求
    項68に記載の画像形成方法。 【請求項70】 結着樹脂の該ビニル系樹脂及び該ビニ
    ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
    剤で架橋された架橋構造を有していることを特徴とする
    請求項68又は69に記載の画像形成方法。 【請求項71】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W
    2)を20乃至45重量%含有することを特徴とする請
    求項68乃至70のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項72】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W
    2)を25乃至40重量%含有することを特徴とする請
    求項68乃至70のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項73】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)を5乃至50重量%含有することを特徴とする
    請求項68乃至72のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項74】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)を10乃至40重量%含有することを特徴とす
    る請求項68乃至72のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【請求項75】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を15乃至40重量%含有することを特徴とす
    る請求項68乃至74のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【請求項76】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を17乃至37重量%含有することを特徴とす
    る請求項68乃至74のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【請求項77】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.2乃至3.5であることを特徴とす
    る請求項68乃至76のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【請求項78】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.5乃至3.0であることを特徴とす
    る請求項68乃至76のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【請求項79】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 を満足することを特徴とする請求項68乃至78のいず
    れかに記載の画像形成方法。 【請求項80】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 を満足することを特徴とする請求項68乃至78のいず
    れかに記載の画像形成方法。 【請求項81】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    500の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    68乃至80のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項82】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    000の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    68乃至80のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項83】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)を37.0乃至60.0%含有して
    いることを特徴とする請求項68乃至82のいずれかに
    記載の画像形成方法。 【請求項84】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)を40.0乃至50.0%含有して
    いることを特徴とする請求項68乃至82のいずれかに
    記載の画像形成方法。 【請求項85】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万乃至10万
    未満の成分(A2)を27.0乃至42.0%含有して
    いることを特徴とする請求項68乃至84のいずれかに
    記載の画像形成方法。 【請求項86】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万乃至10万
    未満の成分(A2)を30.0乃至40.0%含有して
    いることを特徴とする請求項68乃至84のいずれかに
    記載の画像形成方法。 【請求項87】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を12.0乃至25.0%含有していること
    を特徴とする請求項68乃至86のいずれかに記載の画
    像形成方法。 【請求項88】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を15.0乃至20.0%含有していること
    を特徴とする請求項68乃至86のいずれかに記載の画
    像形成方法。 【請求項89】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.10乃至1.9
    0であることを特徴とする請求項68乃至88のいずれ
    かに記載の画像形成方法。 【請求項90】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.15乃至1.8
    0であることを特徴とする請求項68乃至88のいずれ
    かに記載の画像形成方法。 【請求項91】 該ハイブリッド樹脂成分のビニル系重
    合体ユニットとポリエステルユニットとは、 【化3】 を介して結合していることを特徴とする請求項68乃至
    90のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項92】 該ハイブリッド樹脂成分は、ポリエス
    テルユニットとカルボン酸エステル基を有するモノマー
    の重合によるビニル系重合体ユニットとがエステル交換
    反応されて形成された共重合体であることを特徴とする
    請求項68乃至91のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項93】 該ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
    重合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニット
    を枝重合体としたグラフト重合体であることを特徴とす
    る詩求項68乃至92のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【請求項94】 該結着樹脂は、10乃至60モル%の
    グラフト化率を有することを特徴とする請求項68乃至
    93のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項95】 該結着樹脂は、15乃至55モル%の
    グラフト化率を有することを特徴とする請求項68乃至
    93のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項96】 該結着樹脂は、 (A)酢酸エチルに不溶な成分(W4)を結着樹脂10
    0重量部に対して2乃至60重量%含有し、 (B)酢酸エチルに不溶な成分(W4)がポリエステル
    樹脂成分(Gp)を40乃至98重量%含有し、 (C)酢酸エチルに溶解する成分(W3)がポリエステ
    ル樹脂成分(Sp)を20乃至90重量%含有し、 (D)酢酸エチルに不溶な成分(W4)が含有するポリ
    エステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸エチルに溶解
    する成分(W3)が含有するポリエステル樹脂成分(S
    P)の含有量との比(Sp/Gp)が、0.5乃至1.
    0であることを特徴とする請求項68に記載の画像形成
    方法。 【請求項97】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    ポリエステル樹脂成分(Gp)を55乃至95重量%含
    有することを特徴とする請求項96に記載の画像形成方
    法。 【請求項98】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    ポリエステル樹脂成分(Gp)を60乃至90重量%含
    有することを特徴とする請求項96に記載の画像形成方
    法。 【請求項99】 該酢酸エチルに溶解する成分(W3)
    はポリエステル樹脂成分(Sp)を25乃至85重量%
    含有することを特徴とする請求項96乃至98のいずれ
    かに記載の画像形成方法。 【請求項100】 該酢酸エチルに溶解する成分(W
    3)はポリエステル樹脂成分(Sp)を30乃至80重
    量%含有することを特徴とする請求項96乃至98のい
    ずれかに記載の画像形成方法。 【請求項101】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢
    酸エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(SP)との比(Sp/Gp)が、0.60
    乃至0.95であることを特徴とする請求項96乃至1
    00のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項102】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢
    酸エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(Sp)との比(Sp/Gp)が、0.65
    乃至0.90であることを特徴とする請求項96乃至1
    00のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項103】 該トナーの全結着樹脂は、7乃至4
    0mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを
    特徴とする請求項68乃至102のいずれかに記載の画
    像形成方法。 【請求項104】 該トナーの全結着樹脂は、10乃至
    37mgKOH/gの酸価(AV1)を有していること
    を特徴とする請求項68乃至102のいずれかに記載の
    画像形成方法。 【請求項105】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、10乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項68乃至104の
    いずれかに記載の画像形成方法。 【請求項106】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、15乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項68乃至104の
    いずれかに記載の画像形成方法。 【請求項107】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該トナーの酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、0.7乃至
    2.0であることを特徴とする請求項68乃至106の
    いずれかに記載の画像形成方法。 【請求項108】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該トナーの酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、1.0至1.
    5であることを特徴とする請求項68乃至106のいず
    れかに記載の画像形成方法。 【請求項109】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が70乃至140℃であることを特徴とする
    請求項68乃至108のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【請求項110】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が80乃至135℃であることを特徴とする
    請求項68乃至108のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【請求項111】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が90乃至130℃であることを特徴とする
    請求項68乃至108のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【請求項112】 該トナーは、結着樹脂の製造時にワ
    ックスの存在下で製造された、ワックスを含有する結着
    樹脂を含有していることを特徴とする請求項68乃至1
    11のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項113】 該トナーは、該ワックスとして下記
    式(A)、(B)または(C)で示される長鎖アルキル
    化合物を一種以上含有することを特徴とする請求項68
    乃至112のいずれかに記載の画像形成方法。 【化4】 〔式中、xは平均値を示し、35〜150である。〕 〔式中、xは平均値を示し35〜150であり、yは平
    均値を示し1〜5であり、Rは水素または炭素数1〜1
    0個のアルキル基を示す。〕 〔式中、xは平均値を示し、35〜150である。〕 【請求項114】 該トナーは、炭化水素ワックスもし
    くは石油系ワックスをさらに含有することを特徴とする
    請求項113に記載の画像形成方法。 【請求項115】 該長鎖アルキル化合物は、GPC測
    定による分子量分布において、数平均分子量(Mn)が
    200乃至2500、重量平均分子量(Mw)が400
    乃至5000及び重量平均分子量と数平均分子量との比
    (Mw/Mn)が3以下であることを特徴とする請求項
    113に記載の画像形成方法。 【請求項116】 式(A)又は式(B)で示される長
    鎖アルキル化合物は、OH価が2〜150mgKOH/
    gであることを特徴とする請求項113に記載の画像形
    成方法。 【請求項117】 式(A)又は式(B)で示される長
    鎖アルキル化合物は、OH価が10〜120mgKOH
    /gであることを特徴とする請求項113に記載の画像
    形成方法。 【請求項118】 式(C)で示される長鎖アルキル化
    合物は、酸価が2〜150mgKOH/gであることを
    特徴とする請求項113に記載の画像形成方法。 【請求項119】 式(C)で示される長鎖アルキル化
    合物は、酸価が5〜150mgKOH/gであることを
    特徴とする請求項113に記載の画像形成方法。 【請求項120】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が70〜140℃であること
    を特徴とする請求項113に記載の画像形成方法。 【請求項121】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が80〜135℃であること
    を特徴とする請求項113に記載の画像形成方法。 【請求項122】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が90〜130℃であること
    を特徴とする請求項113に記載の画像形成方法。 【請求項123】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が70〜1
    40℃であることを特徴とする請求項114に記載の画
    像形成方法。 【請求項124】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が80〜1
    35℃であることを特徴とする請求項114に記載の画
    像形成方法。 【請求項125】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が90〜1
    30℃であることを特徴とする請求項114に記載の画
    像形成方法。 【請求項126】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、GPC測定による分子量分布において、重量平
    均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1乃至
    3であることを特徴とする請求項114に記載の画像形
    成方法。 【請求項127】 該トナーは、該着色剤として磁性酸
    化鉄を少なくとも含有することを特徴とする請求項68
    乃至126のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項128】 該トナーは、該磁性酸化鉄を該結着
    樹脂100重量部に対して、10乃至200重量部含有
    していることを特徴とする請求項127に記載の画像形
    成方法。 【請求項129】 該磁性酸化鉄は、球形度(ψ)が
    0.8以上であることを特徴とする請求項127に記載
    の画像形成方法。 【請求項130】 該磁性酸化鉄は、ケイ素化合物を含
    有することを特徴とする請求項127に記載の画像形成
    方法。 【請求項131】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を鉄元
    素を基準として0.2〜4重量%含有しており、該磁性
    酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ
    素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有
    量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、
    該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含
    有量Aとの比(C/A)×100が10〜55%である
    ことを特徴とする請求項130に記載の画像形成方法。 【請求項132】 該トナーは、疎水化処理されたシリ
    カ微粉体が外添されていることを特徴とする請求項68
    乃至131のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項133】 該シリカ微粉体は、シリコーンオイ
    ルで処理されていることを特徴とする請求項132に記
    載の画像形成方法。 【請求項134】 該トナーは、重量平均粒径が3〜1
    0μmであることを特徴とする請求項68乃至133の
    いずれかに記載の画像形成方法。 【請求項135】 該現像工程において、該静電潜像保
    持体と該現像剤を担持するための現像剤担持体との間隔
    よりも、該現像剤担持体上に担持されている現像剤層の
    層厚が薄いことを特徴とする請求項68乃至134のい
    ずれかに記載の画像形成方法。 【請求項136】 該現像工程において、該現像剤担持
    体にバイアス電圧を印加して、該静電潜像保持体に形成
    されている静電潜像を現像することを特徴とする請求項
    135に記載の画像形成方法。 【請求項137】 該バイアス電圧は、直流電圧及び交
    流電圧を有することを特徴とする請求項135に記載の
    画像形成方法。 【請求項138】 該静電潜像保持体は、電子写真用感
    光体であることを特徴とする請求項68乃至137のい
    ずれかに記載の画像形成方法。 【請求項139】 該転写工程において、該静電潜像保
    持体上の該現像画像は、中間転写体を介さずに該記録材
    に直接転写されることを特徴とする請求項68乃至13
    8のいずれかにに記載の画像形成方法。 【請求項140】 該該転写工程において、該静電潜像
    保持体上の該現像画像は、中間転写体に転写された後、
    該中間転写体から該記録材に転写されることを特徴とす
    る請求項68乃至138のいずれかに記載の画像形成方
    法。
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