JP2000241985A - 集積回路に対する傾斜部の形成方法 - Google Patents

集積回路に対する傾斜部の形成方法

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JP2000241985A
JP2000241985A JP4705199A JP4705199A JP2000241985A JP 2000241985 A JP2000241985 A JP 2000241985A JP 4705199 A JP4705199 A JP 4705199A JP 4705199 A JP4705199 A JP 4705199A JP 2000241985 A JP2000241985 A JP 2000241985A
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light
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JP4705199A
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Masataka Izawa
正隆 伊澤
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Pioneer Electronic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路デバイスの導波層の伝搬光を低損失
で受光部に導くための緩やかな傾斜角を有する傾斜部を
形成し、光伝搬特性に優れコスト低減が可能な光集積回
路等の集積回路に対する傾斜部の形成方法を提供する。 【解決手段】 半導体基板11上部のエピタキシャル層
12にフォーカスエラー検出用の第2受光部32を形成
し、その上部に第2受光部32以外への光を遮断するア
ルミニウム遮光膜13を成膜した後、第1SOG層14
により段差を埋め込む。その上部からリフトオフ用のレ
ジストを塗布して、第2受光部32上部の以外の領域を
除去後、加熱すると逆テーパーマスク部52が形成され
る。この状態でスパッタ法によりSiO2層15を成膜
し、リフトオフして逆テーパーマスク部52を剥離する
と、第2受光部32上部には、平坦部41の両側に傾斜
の緩やかな傾斜部40が形成される。この傾斜部40の
上部に光導波路を積層した場合、傾斜が緩やかであるた
め、伝搬損失を最小限に抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上に多
数の層を積層して集積回路を形成する製造技術に関し、
特に、光集積回路等を製造する際、所定の層の段差部に
傾斜部を形成するなどの光集積回路製造技術の技術分野
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、成膜工程を繰り返して多数の
層からなる集積回路を製造する場合、特定の層に段差を
設けて、その上に異なる層を成膜し、上方向又は下方向
に向かって傾斜する傾斜部を形成する手法が知られてい
る。例えば、半導体集積回路に立体的に配線を行う場合
に、このような手法が利用される。
【0003】一方、集積回路技術は、近年では光技術を
用いた光集積回路にも応用されるようになってきてい
る。この光集積回路は、多数の層に各種機能素子を集積
化することで光部品の小型化、高性能化を実現する。そ
して、このような光集積回路においても、やはり上述の
ような傾斜部を設ける必要を生じることがある。すなわ
ち、光導波路や受光素子をそれぞれ異なる層に形成して
集積の度合を高めた光集積回路では、導波層と受光素子
が形成される層は通常離れて配置されることが多い。そ
のため、効率的に光を光導波路から受光素子に放射させ
るには、光導波路から受光素子に達する間に傾斜部を形
成し、伝搬光が受光素子に部分的に近接する構成にする
必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法により形成される傾斜部は、その傾斜角が比較
的大きくなるのが一般的である。一方、この傾斜部に沿
って光導波路を形成した場合、傾斜角が大きな傾斜部の
前後では光導波路の曲率が大きくならざるを得ない。と
ころが、このように曲率が大きな部分を光が通過する際
には、かなりの光量損失につながるので、受光素子の受
光レベルを減少させることになる。その結果、光集積回
路の性能劣化の要因となるという点が問題となる。
【0005】そこで、本発明はこのような問題に鑑みな
されたものであり、例えば光集積回路の伝搬光の損失を
抑える場合など、多数の層が積層された集積基板におい
て、緩やかな傾斜を形成することが可能な集積基板に対
する成膜方法、及びこの成膜方法を用いる光集積回路を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の集積回路に対する傾斜部の形成方
法は、基板上に多数の層が積層されてなる集積回路の所
定の層上にレジストを塗布し、所定の領域をマスクして
レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程
と、前記レジストパターンの加熱処理を行い、レジスト
の熱膨張によって上部の幅が広くなる逆テーパー形の断
面を有する逆テーパーマスク部を形成する加熱工程と、
前記所定の層及び前記逆テーパーマスク部の上部から所
定の材料を堆積させ、前記所定の層上に成膜を行うと共
に、該所定の層上における前記逆テーパーマスク部の下
方部分では、堆積の際の前記材料の回り込みにより緩や
かな傾斜角を有する傾斜部が形成される成膜工程と、リ
フトオフ法を用いて前記逆テーパーマスク部を剥離する
剥離工程とを備えることを特徴とする。
【0007】この発明によれば、集積回路に対し、レジ
ストパターン形成工程において、所定の層上にレジスト
が塗布され、露光や現像などを施して適切にパターニン
グを行ってレジストパターンが形成される。そして、加
熱工程における加熱処理によりレジストパターンに熱が
伝達する。すると、最終的には逆テーパー形の断面を有
する逆テーパーマスク部が形成される。そして、成膜工
程において、所定の材料を上部から堆積させると、所定
の層上では、逆テーパーマスク部に覆われない部分は通
常に成膜されるが、逆テーパーマスク部に覆われた下方
部分では、材料がある程度回り込んで逆テーパーマスク
部の側部に至るまで成膜がなされる。このとき、回り込
みの距離が大きくなると堆積量が減少するため、緩やか
な傾斜角を有する傾斜部が形成される。最後に、剥離工
程ではリフトオフ法が用いられ、逆テーパーマスク部が
剥離されて、集積回路の表面上には傾斜部が形成され
る。
【0008】従って、集積回路の層上に比較的簡単な処
理により傾斜部を形成することができると共に、レジス
トパターンの大きさや加熱条件の制御により、傾斜角を
微妙に調整し、しかも傾斜角を緩やかに設定することが
できる。そのため、この傾斜部の上部に形成される層も
緩やかに傾斜させることができ、例えば光導波路の伝搬
損失を低減させる場合など、集積回路における多様な用
途に利用可能となる。
【0009】請求項2に記載の集積回路に対する傾斜部
の形成方法は、請求項1に記載の集積回路に対する傾斜
部の形成方法において、前記成膜工程では、スパッタ法
を用いて成膜を行うことを特徴とする。
【0010】この発明によれば、成膜工程ではスパッタ
法が採用され、例えばArガス等を用いて集積回路を基
板としてスパッタが行われ、成膜がされると共に傾斜部
が形成される。従って、スパッタ法によれば、上部から
堆積される材料の直進性はそれほどよくないため、逆テ
ーパーマスク部に覆われた下方部分での回り込みが比較
的大きくなり、より広い範囲にわたる緩やかな傾斜部を
形成することができる。
【0011】請求項3に記載の集積回路に対する傾斜部
の形成方法は、請求項1又は請求項2に記載の集積回路
に対する傾斜部の形成方法において、前記集積回路は、
光を伝搬させる光導波路を備える光集積回路であると共
に、該光導波路は、前記形成された傾斜部の上層として
積層されることを特徴とする。
【0012】この発明によれば、光導波路を備える光集
積回路に対し、上述のように、レジストパターン形成工
程と、加熱工程と、成膜工程と、剥離工程が施され、形
成された傾斜部の上層に光導波路が積層される。従っ
て、光集積回路において、光導波路を異なる層にわたっ
て設ける場合でも、緩やかな傾斜によって接続されるた
め、伝搬光の損失を最小限に抑えることができる。
【0013】請求項4に記載の集積回路に対する傾斜部
の形成方法は、請求項3に記載の集積回路に対する傾斜
部の形成方法において、前記光集積回路は、前記光導波
路の伝搬光を受光する受光部が形成された層を具備し、
前記光導波路の下面と前記受光部の受光面とを結ぶ段差
部分に前記傾斜部が形成されることを特徴とする。
【0014】この発明によれば、傾斜部の上層に積層さ
れた光導波路は、その下層の受光部に結ばれ、受光部に
て伝搬光が受光される。そして、光導波路と受光部の間
の本来段差部分となるべき位置に傾斜部が形成される配
置になっている。従って、異なる層にある光導波路と受
光部の間を緩やかな傾斜部で結び、伝搬光の損失を最小
限に抑え、受光部における受光量を十分に確保すること
ができる。
【0015】請求項5に記載の集積回路に対する傾斜部
の形成方法は、請求項4に記載の集積回路に対する傾斜
部の形成方法において、前記光集積回路は、光ピックア
ップ用デバイスであることを特徴とする。
【0016】この発明によれば、上述のように光導波路
と受光部を備え、傾斜部が形成される光集積回路を光ピ
ックアップ用デバイスとして機能させる。従って、複雑
な作製方法によらずに、伝搬光の損失が少なく受光部に
て十分な受光量が確保される光ピックアップが実現でき
る。
【0017】請求項6に記載の集積回路に対する傾斜部
の形成方法は、請求項3から請求項5の何れかに記載の
集積回路に対する傾斜部の形成方法において、前記傾斜
部の傾斜角は、10度から15度の範囲内であることを
特徴とする。
【0018】この発明によれば、傾斜部の傾斜角が10
度から15度の範囲内となるように設定される。従っ
て、光集積回路において、光導波路の伝搬損失を十分に
小さく抑えることができ、高性能の光集積回路を実現す
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本
発明を光ピックアップ用の光集積回路に対して適用する
場合について説明する。
【0020】図1は、本実施形態に係る光集積回路とし
ての光導波路デバイス1の断面構造を示す図である。図
1に示す光導波路デバイス1は、下から順に半導体基板
11、半導体板基板11上部のエピタキシャル層12、
アルミ遮光膜13、第1SOG(Spin on glass)層1
4、SiO2層15、導波層16、第2SOG層17、往
路復路分離膜18が積層される構造を有する。また、導
波層16上部にはグレーティング20が形成されてい
る。更に、エビタキシャル層12には、第1受光部3
1、第2受光部32が形成されている。
【0021】図1において、半導体基板11に対し、後
述する製造方法に従って、各層を順次積層していくこと
で光導波路デバイス1が作製される。この光導波路1に
おける各層は、導波層16が光ビームを導波モードで伝
搬させる光導波路として機能し、SiO2層15がクラッ
ド層として機能し、第1SOG層14、第2SOG層1
7が、多層構造間のバッファとして機能する。また、往
路復路分離膜18は光源と情報記録媒体の間に配置され
るビームスプリッタとして機能し、グレーティング20
は光ビームを導波層16に入力結合させるカップラとし
て機能する。
【0022】そして、このような光導波路デバイス1の
各層がその機能を発揮するには、適切な屈折率の設定を
行う必要がある。具体的には、導波層16が屈折率1.
53、SiO2層15が屈折率1.47、第1SOG層1
4及び第2SOG層17が屈折率1.43、グレーティ
ング20が屈折率2.0をそれぞれ有している。
【0023】次に、上述の光導波路デバイス1を用いて
光ピックアップを実現する場合の動作について説明す
る。なお、図1では、光ビームが進行する方向を点線矢
印で示している。
【0024】図1において、光源から所定の波長を有す
る光ビームが出射され、往路復路分離膜18に斜め方向
から入射される。この往路復路分離膜18に対して、T
Eモードの光ビームを反射し、TMモードの光ビームを
透過するような特性を付与すると共に、往路復路分離膜
18に入射される光ビームがTEモードになるよう調整
しておく。すると、TEモードの光ビームが、いったん
往路復路分離膜18により反射されて、図1の光学系を
介して情報記録媒体の情報記録面に集光される。そし
て、図示しないλ/4波長板を光学形に含めて配置すれ
ば、反射された光ビームは、λ/4波長板の作用によっ
てTMモードの光ビームに変換されるので、往路復路分
離膜18を透過する。
【0025】次いで、光ビームは直下のグレーティング
20により、導波層16にその一部が所望の結合効率で
入力結合され、残りはグレーティング20を透過して第
1受光部31に到達する。グレーティング20には、チ
ャーピングした曲線グレーティングが施され、反射され
た収束光線の照射状態や集光位置に適合してグレーティ
ングパターンの周期及び曲率が微妙に調整されている。
併せて、グレーティング20から導波層16に所望の結
合効率で光ビームを入力結合させるため、グレーティン
グ構造の高さが適切に調整されている。
【0026】導波層16に入力結合された光ビームは、
矢印方向に導波モードで伝搬されて、傾斜部40におい
て下方に緩やかに傾斜した後、平坦部41で再び水平と
なり、第2受光部32によって受光される。この傾斜部
40は、比較的緩やかなスロープとなるように形成され
るが、詳しい形成方法については後述する。
【0027】ここで、本実施形態において、図1に示す
ような傾斜部40を設けているのは、導波層16と第2
受光部32とを互いに近接して配置するためである。す
なわち、第2受光部32で高い受光効率を得るには、導
波モードを放射モードに変換して受光する必要があり、
導波層16と第2受光部32の間の距離が十分小さくな
る配置としたものである。一方、導波層16の他の部分
では、光ビームを導波モードで伝搬させるために、Si
2層15の厚さをある程度確保しなければならず、そ
のため、傾斜部40により高さの調整を図ったものであ
る。
【0028】なお、本実施形態に係る光導波路デバイス
1を用いた光ピックアップでは、RF信号やトラッキン
グエラー信号を第1受光部31の受光信号に基づき生成
し、フォーカスエラー信号を第2受光部32の受光出力
に基づき生成することを想定している。これは、RF信
号やトラッキングエラー信号の生成は、光量や安定性を
確保するため、入力結合後の光路長をできるだけ短くす
る方が好ましいのに対し、例えばよく知られたビームサ
イズ法等によるフォーカスエラー信号の生成は、各ビー
ムのフォーカス状態に差異を生じさせるだけの光路長を
とる必要があるからである。
【0029】次に、図2〜図4を参照して、本実施形態
に係る光導波路デバイス1の製造方法について説明す
る。ここでは、光導波路デバイス1の製造工程におい
て、主にSiO2層15上部の傾斜部40の形成方法に
着目して説明を行う。よって、以下の説明では、図1の
光導波路デバイス1全体のうち、傾斜部40と第2受光
部32の周辺部分の断面構造のみを図示しつつ説明を行
うまず、図2(a)に示すように、N型シリコンからな
る半導体基板11を用意し、エピタキシャル成長により
エピタキシャル層12を形成する。そして、その上部の
所定の領域に対してP型拡散を施し、PINフォトダイ
オードとしての第2受光部32を形成する。この第2受
光部32に図示しないアルミ配線を設けることにより、
外部に受光出力を取り出すことができる。
【0030】次に、図2(b)に示すように、エピタキ
シャル層12の上に成膜した熱酸化膜を挟んで、第2受
光部32が形成されていない領域の上部にアルミニウム
を成膜する。これにより、上部からの光を遮断する機能
を有するアルミニウム遮光膜13が形成される。
【0031】次に、図2(c)に示すように、アルミニ
ウム遮光膜13上面と第2受光部32の受光面によって
生じた段差を埋め込むため、SOGを塗布してバッファ
層としての第1SOG層14を成膜する。第2受光部3
2上部での第1SOG層14の厚さは、第2受光部32
において必要な受光量に応じて適切に設定される。な
お、第1SOG層14の成膜後も、図2(c)に示すよ
うに、第2受光部32上部での第1SOG層14の上面
は、周囲より僅かに低くなっている。
【0032】次に、図3(a)に示すように、第1SO
G層14の上部にレジスト51を塗布する。このレジス
ト51はリフトオフ法に用いられるレジストであり、本
実施形態では、日本ゼオン製のZPN1100を使用し
た。まず、第1SOG層14の上部に、3000rpm
で30秒間のスピンコートを行ってレジスト51を塗布
し、厚さ約1.8μmに成膜した後、プリベークを行っ
た。
【0033】次に、成膜したレジスト51に対し、第2
受光部32上部の領域を残すようなマスクパターンを用
いて露光を行った後、加熱処理を施して現像を行う。露
光及び現像により第2受光部32の上部以外の領域で
は、レジスト51が除去される。そして、光導波路デバ
イス1の上方では、図3(b)に示すように、残ったレ
ジスト51の断面は逆テーパー形状となって逆テーパー
マスク部52が形成される。すなわち、この逆テーパー
マスク部52は、第2受光部32をマスクする役割を担
うと共に、上部ではオーバーハングが生じる一方、下部
に行くほど幅が狭くなり、下端の幅W1と上端の幅W2
の関係がW1<W2となる。なお、逆テーパーマスク部
52における下端の幅W1の部分は、上述の平坦部41
に対応する。
【0034】次に、図4(a)に示すように、図3
(b)の状態の光導波路デバイス1に対し、スパッタ法
によりSiO2を成膜して、厚さ0.7μm程度のSi
2層15を形成する。本実施形態では、Arガスを用
いて、RFパワー300W程度で駆動されるスパッタ装
置により、ターゲットから半導体基板11までの距離7
5mmにセットしてスパッタを行った。これにより、逆
テーパーマスク部52の上部と、それ以外の第1SOG
層14の上部とに、SiO2が成膜される。
【0035】このとき、逆テーパーマスク部52の周囲
において、平坦部41に隣接して傾斜部40が形成され
る。これは、スパッタ法はそれほど直進性がよくないの
で、レジスト51上部の幅W2の近傍からの回り込みが
生じ、下部では幅W1〜W2の範囲内に成膜が行われ、
傾斜部40を生じたものである。この回り込みの度合は
幅W1の両端部に近づくほど、直線的に減少する傾向が
あるため、図4(a)に示すような断面形状を有する傾
斜部40が形成されるのである。なお、既に述べたよう
に、光ピックアップの動作上は、主に一方の側の傾斜部
40の役割が重要であるが、製造の都合上、平坦部40
の両側において傾斜部40が対称的に形成されるものと
して以下の説明を行う。
【0036】次に、図4(b)に示すように、光導波路
デバイス1に対しリフトオフを施す。すなわち、図4
(a)の状態の光導波路デバイス1を有機溶剤などのレ
ジスト剥離液に一定時間浸すことにより、レジスト51
が剥離されて逆テーパーマスク部52が取り除かれると
共に、その上部に堆積されたSiO2も併せて取り除か
れる。従って、第2受光部32の上部を除いた領域に
は、SiO2層15がそのままの状態で保持され、第2
受光部32の上部付近には、平坦部41とその両側の傾
斜部40とが形成されることになる。
【0037】その後は、光導波路デバイス1に対し、図
1に示す上部の構造を順次作製すればよい。すなわち、
図4(b)の状態から、コーニング7059を材料とし
て厚さ0.65μmの導波層16を成膜する。そして、
導波層16の一部にTiO2からなるグレーティング2
0を厚さ0.1μmで形成する。次いで、導波層16の
上部に、バッファ層としての第2SOG層17を成膜す
る。最後に、第2SOG層17を表面研磨した後、誘電
体などの多層膜を蒸着して往路復路分離膜18を成膜す
る。このようにして、本実施形態に係る光導波路デバイ
ス1を作製することができる。
【0038】ここで、図5は、上述の逆テーパーマスク
部52の形状とSiO2層15上部の傾斜部40の形状
の関係を示す図である。上述したように、導波層16か
ら第2受光部32に達するまでは、伝搬光の損失を抑え
るため傾斜を緩やかにする必要があるので、傾斜部40
の傾斜角を小さくすることが望ましい。一方、クラッド
層として機能するSiO2層15の厚さの制約から、傾
斜部40の傾斜角を緩やかにするには、W2−W1を大
きくとる必要がある。W2−W1が大きいと、スパッタ
時に回り込み可能な距離が確保され、相対的に傾斜部4
0の傾斜角を緩やかにすることができる。そのため、逆
テーパーマスク部52の傾斜角をかなり大きくする必要
があり、レジスト51には、加熱時の膨張の度合が大き
い特性が要求されることになる。
【0039】実際には、図5に示すように、逆テーパー
マスク部52は、その側面部の傾斜角は約50°となっ
ている。これは、レジスト51の材質や第1SOG層1
4に対する付着力の面からの制限である。また、このと
きの傾斜部40の傾斜角は、概ね10°から15°の範
囲になっている。この範囲内で、スパッタ条件などに依
存して傾斜角が変動するが、伝搬光の損失を抑えるため
には十分な値である。
【0040】また、塗布されるレジスト51の厚さは約
1.8μmであるのに対し、SiO 2層15の厚さは、
平坦部41において約0.7μmとなっている。よっ
て、図1の断面構造を実現する場合に、第1受光部31
上部では導波層16からの距離を十分にとる一方、第2
受光部32上部では導波層16に十分に近接させること
ができるため受光量が確保される。よって、本実施形態
に係る光導波路デバイス1を光ピックアップとして有効
に機能させるために、第2受光部32にて十分な受光出
力を確保することできる。なお、レジスト51は更に厚
く塗布してもよく、例えば5μm以上としてもよい。
【0041】以上説明したように、本実施形態係る光導
波路デバイス1の製造方法によれば、レジスト51を用
いて逆テーパーマスク部52を形成し、リフトオフ法を
利用してSiO2層15を挟んで第2受光部32の上部
に傾斜部40を形成するようにしたので、この傾斜部4
0の傾斜を緩やかにすることができる。従って、上述の
ように、光ピックアップとしての良好な性能を保持しつ
つ、量産性に優れ調整不要で、しかも小型化に好適な光
ピックアップを実現できる。
【0042】なお、上述の実施形態では、本発明を光ピ
ックアップ用の光導波路デバイス1に適用する場合を説
明したが、これに限られることなく、一般的に基板に多
数の層が積層された集積回路に傾斜部を形成する場合に
は、広く本発明を適用することができる。より緩やかな
傾斜を有する傾斜部を形成する必要があるときは、本発
明を適用する有用性が高い。
【0043】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、集積回
路の所定の層上に逆テーパーマスク部を形成して、所定
の材料を用いて成膜を行い、緩やかな傾斜角を有する傾
斜部を形成するようにしたので、この傾斜部の上層を緩
やかに傾斜させることにより、光導波路の伝搬損失の低
減などに有用で、各種の用途に利用可能となる。
【0044】請求項2に記載の発明によれば、成膜工程
ではスパッタ法を用いるようにしたので、逆テーパーマ
スク部下方での回り込みが比較的大きくなり、集積回路
におて、より広い範囲にわたって緩やかな傾斜部を形成
することができる。
【0045】請求項3に記載の発明によれば、光導波路
を備える光集積回路に対し、傾斜部の上層に光導波路を
積層するようにしたので、光導波路を異なる層にわたっ
て設ける場合でも、これらの層間を緩やかな傾斜によっ
て接続し、伝搬光の損失を最小限に抑えることができる
請求項4に記載の発明によれば、光集積回路において互
いに異なる層にある光導波路と受光部とを結ぶ段差部分
に、上述の傾斜部を形成したので、伝搬光の損失を最小
限に抑え、受光部における受光量を十分に確保すること
ができる。
【0046】請求項5に記載の発明によれば、傾斜部が
形成される光集積回路を光ピックアップ用デバイスとし
て機能させるようにしたので、複雑な製造方法を用いる
ことなく、伝搬光の損失が少なく受光部にて十分な受光
量が確保される光ピックアップを実現することが可能と
なる。
【0047】請求項6に記載の発明によれば、傾斜部の
傾斜角を10度から15度の範囲内に設定したので、光
集積回路における光導波路の伝搬損失を十分に小さく抑
え、高性能の光集積回路を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光導波路デバイスの断面構造
を示す図である。
【図2】本実施形態に係る光導波路デバイスの製造方法
を示す図であり、半導体基板に対するエピタキシャル層
の形成から第1SOG層の成膜までの工程を説明する図
である。
【図3】本実施形態に係る光導波路デバイスの製造方法
を示す図であり、リフトオフ用のレジストの塗布から逆
テーパーマスク部の形成までの工程を説明する図であ
る。
【図4】本実施形態に係る光導波路デバイスの製造方法
を示す図であり、SiO2の成膜から逆テーパーマスク
部の除去までの工程を説明する図である。
【図5】逆テーパーマスク部の形状と傾斜部の形状の関
係を示す図である。
【符号の説明】
1…光導波路デバイス 11…半導体基板 12…エピタキシャル層 13…アルミ遮光膜 14…第1SOG層 15…SiO2層 16…導波層 17…第2SOG層 18…往路復路分離膜 20…グレーティング 31…第1受光部 32…第2受光部 40…傾斜部 41…平坦部 51…レジスト 52…逆テーパーマスク部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に多数の層が積層されてなる集積
    回路の所定の層上にレジストを塗布し、所定の領域をマ
    スクしてレジストパターンを形成するレジストパターン
    形成工程と、 前記レジストパターンの加熱処理を行い、レジストの熱
    膨張によって上部の幅が広くなる逆テーパー形の断面を
    有する逆テーパーマスク部を形成する加熱工程と、 前記所定の層及び前記逆テーパーマスク部の上部から所
    定の材料を堆積させ、前記所定の層上に成膜を行うと共
    に、該所定の層上における前記逆テーパーマスク部の下
    方部分では、堆積の際の前記材料の回り込みにより緩や
    かな傾斜角を有する傾斜部が形成される成膜工程と、 リフトオフ法を用いて前記逆テーパーマスク部を剥離す
    る剥離工程と、 を備えることを特徴とする集積回路に対する傾斜部の形
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記成膜工程では、スパッタ法を用いて
    成膜を行うことを特徴とする請求項1に記載の集積回路
    に対する傾斜部の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記集積回路は、光を伝搬させる光導波
    路を備える光集積回路であると共に、該光導波路は、前
    記形成された傾斜部の上層として積層されることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の集積回路に対する
    傾斜部の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記光集積回路は、前記光導波路の伝搬
    光を受光する受光部が形成された層を具備し、前記光導
    波路の下面と前記受光部の受光面とを結ぶ段差部分に前
    記傾斜部が形成されることを特徴とする請求項3に記載
    の集積回路に対する傾斜部の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記光集積回路は、光ピックアップ用デ
    バイスであることを特徴とする請求項4に記載の集積回
    路に対する傾斜部の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記傾斜部の傾斜角は、10度から15
    度の範囲内であることを特徴とする請求項3から請求項
    5の何れかに記載の集積回路に対する傾斜部の形成方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003088340A2 (de) * 2002-04-15 2003-10-23 Schott Ag Verfahren zur herstellung strukturierter schichten auf substraten

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WO2003088340A2 (de) * 2002-04-15 2003-10-23 Schott Ag Verfahren zur herstellung strukturierter schichten auf substraten
WO2003088340A3 (de) * 2002-04-15 2004-05-27 Schott Glas Verfahren zur herstellung strukturierter schichten auf substraten
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