JP2000240728A - 伝動ベルトの厚さむら測定方法及び測定装置並びに伝動ベルト - Google Patents

伝動ベルトの厚さむら測定方法及び測定装置並びに伝動ベルト

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JP2000240728A
JP2000240728A JP11041944A JP4194499A JP2000240728A JP 2000240728 A JP2000240728 A JP 2000240728A JP 11041944 A JP11041944 A JP 11041944A JP 4194499 A JP4194499 A JP 4194499A JP 2000240728 A JP2000240728 A JP 2000240728A
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belt
outer peripheral
peripheral surface
measuring
transmission belt
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Takehiro Hayashi
丈浩 林
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車エンジンのベルト式補機駆動に用いら
れるVリブドベルトTにおいて、ベルト厚さむらに起因
するベルト走行音を低減しようとする際に、その厚さむ
らを短時間のうちに精度よく測定できるようにする。 【解決手段】 上下2軸のプーリ31,32間にベルト
Tをベルト底面が外周面となる状態に巻き掛けて走行さ
せる一方、上側プーリ32上におけるベルトTの外周面
にアイドラプーリ42を一定の荷重で接触させ、ベルト
走行に伴うアイドラプーリ42のベルト厚さ方向におけ
る変動幅を計測し、その変動幅をもってベルト厚さむら
とする。また、ベルト厚さむらを0.1mm以下に抑え
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車エン
ジンのベルト式補機駆動装置に用いられるVリブドベル
ト等の伝動ベルトの厚さむらを測定する方法及び装置並
びに伝動ベルトに関し、特にベルト長さ方向における厚
さむらの測定を短時間のうちに精度よく行う対策に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車エンジンのベルト式補機
駆動装置の分野では、エンジンの静粛性が改善されるの
に伴い、ベルト自体の走行音や振動を低減する対策が必
要になってきている。そして、そのような走行音や振動
には、ベルトの長さ方向における厚さむらが大きく影響
していることが判ってきた。また、例えば、ベルト底面
にリブを有するVリブドベルトの場合には、研磨加工や
カット加工等によるリブ形成時に上記のベルト厚さむら
が発生し易いことも判ってきた。したがって、そのよう
なベルト厚さむらをできるだけ小さくすることが必要と
されている。
【0003】ところで、従来では、上記のようなベルト
の厚さむらを測定するのに、ノギスやシクネスゲージ等
の測定具を用い、それをベルト長さ方向に順に押し当て
てベルト厚さを計測し、それら計測結果に基づいて厚さ
むらを得るようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の測定方法では、ベルト長さ方向の複数箇所の厚さを
計測する必要があるために、時間がかかるという問題が
ある。したがって、ベルト長さ方向全体における厚さ分
布に基づいて厚さむらを得るようにすることは非常に困
難である。
【0005】また、ベルト自体がゴム材料からなるもの
であることから、測定具を押し当てる際の押し圧により
計測結果にばらつきが生じ易く、したがって、たとえベ
ルト長さ方向全体の厚さ分布に基づく厚さむらを得るこ
とができたとしても、そのような厚さ寸法に基づいて得
られる厚さむらの測定精度はよくないという問題もあ
る。
【0006】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、自動車エンジンのベルト式補
機駆動装置に用いられるVリブドベルト等の伝動ベルト
において、ベルト厚さむらに起因するベルト走行音を低
減しようとする際に、伝動ベルトがエンドレスであるこ
とを利用して、短時間のうちにベルト厚さむらを測定で
きるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、2軸以上のプーリ間でベルトを走行
させながら、1つのプーリ上において、ベルト外周面の
ベルト厚さ方向の変位幅を計測し、その変位幅をもって
ベルト厚さむらとするようにした。
【0008】具体的には、請求項1の発明では、ベルト
底面がプーリに摩擦接触して該プーリとの間の動力伝達
を行う伝動ベルトに対し、該伝動ベルトの長さ方向にお
ける厚さむらを測定するようにした伝動ベルトの厚さむ
ら測定方法が前提である。
【0009】そして、2軸以上のプーリ間に上記伝動ベ
ルトを巻き掛けて走行させる一方、それら2軸以上のプ
ーリのうちの1つのプーリ上におけるベルト外周面のベ
ルト厚さ方向の変位幅(ベルト長さ方向におけるベルト
厚さの最大値及び最小値間の差値に相当)を計測し、そ
のベルト外周面のベルト厚さ方向の変位幅をもってベル
ト厚さむらとするようにする。
【0010】上記の構成において、伝動ベルトは、2軸
以上のプーリ間に巻き掛けられて走行する際、上記プー
リのうちの1つのプーリ上では、ベルト厚さむらは、ベ
ルト外周面のベルト厚さ方向の変位として現れる。した
がって、そのベルト外周面の変位幅が計測されること
で、ベルト厚さ自体を直接の計測対象とすることなく、
ベルト厚さむらが得られるようになる。
【0011】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、伝動ベルトを定速走行させつつ、ベルト外周
面のベルト厚さ方向の変位幅を計測するようにする。
【0012】上記の構成において、伝動ベルトの厚さの
変化量は、該伝動ベルトをプーリ間で定速走行させつつ
計測される。よって、ベルト走行速度の変化に起因する
計測結果のばらつきが抑えられるようになり、ベルト厚
さむらに対する測定精度は高くなる。
【0013】請求項3の発明では、上記請求項1及び2
の発明において、伝動ベルトのベルト底面が、ベルト本
体の加硫成形後に形成されてなるものである場合に、上
記伝動ベルトをプーリ間にベルト底面が外周面となる状
態に巻き掛けて走行させつつ、ベルト外周面のベルト厚
さ方向の変位幅を計測するようにする。
【0014】上記の構成において、ベルト底面がベルト
本体の加硫成形後に形成される伝動ベルトの場合には、
ベルト厚さむらはベルト底面の凹凸状態として現れる。
よって、そのようなベルト底面の変位幅が計測されるこ
とで、ベルト背面のベルト厚さ方向の変位幅が計測され
るようにする場合よりもベルト厚さむらに対する測定感
度は高くなる。
【0015】請求項4の発明では、上記請求項1〜3の
発明において、ベルト外周面にアイドラプーリを一定の
荷重で接触させつつ、そのアイドラプーリのベルト厚さ
方向の変動幅を計測する。そして、上記アイドラプーリ
のベルト厚さ方向の変動幅によりベルト外周面の変位幅
を得るようにする。
【0016】上記の構成において、2軸以上のプーリ間
に巻き掛けられた伝動ベルトは、それらプーリのうちの
1つのプーリとアイドラプーリとの間にベルト厚さ方向
に挟まれる。そして、押圧機構によりアイドラプーリが
伝動ベルトの外周面に接触するように押圧された状態で
伝動ベルトが走行すると、この伝動ベルトは、外周面の
ベルト厚さ方向の変位に応じてアイドラプーリをベルト
厚さ方向において変動させるようになる。したがって、
アイドラプーリのベルト厚さ方向の変動幅を計測するこ
とで、ベルト外周面のベルト厚さ方向の変位幅が得られ
ることになる。このとき、アイドラプーリが一定の荷重
でベルト外周面に接触しているので、従来の場合よりも
ベルト厚さむらに対する測定精度は高くなる。
【0017】請求項5の発明では、上記請求項1〜3の
発明において、ベルト外周面にレーザを投光する一方、
そのベルト外周面で反射したレーザを受光して該ベルト
外周面のベルト厚さ方向の変位幅を計測するレーザ式変
位センサを用いるようにする。
【0018】上記の構成において、2軸以上のプーリ間
で走行する伝動ベルトは、その外周面のベルト厚さ方向
の変位幅がレーザ式変位センサにより計測される。この
とき、レーザ式変位センサによるベルト外周面の変位幅
の計測が非接触の状態で行われるので、ベルト厚さむら
に対する測定精度はさらに高くなる。
【0019】請求項6の発明では、上記請求項1の発明
に係るベルト厚さむら測定方法に用いられる厚さむら測
定装置として、伝動ベルトが走行可能に巻き掛けられる
2軸以上のプーリと、これら2軸以上のプーリのうちの
1つのプーリ上におけるベルト外周面のベルト厚さ方向
の変位幅を計測する計測手段とを備えるようにする。
【0020】上記の構成において、伝動ベルトが2軸以
上のプーリ間に巻き掛けられて走行するのに伴い、それ
らプーリのうちの1つのプーリ上では、ベルト厚さむら
に応じて伝動ベルトの外周面がベルト厚さ方向に変位す
るようになり、その外周面の変位幅が計測手段により計
測されることで、ベルト厚さむらが得られる。よって、
上記請求項1の発明の場合と同じ作用が営まれることと
なる。
【0021】請求項7の発明では、上記請求項6の発明
において、ベルト外周面に接触可能に配置されたアイド
ラプーリと、このアイドラプーリを上記ベルト外周面に
一定の荷重で接触するように押圧する押圧機構とを備え
るようにする。その上で、計測手段は、上記アイドラプ
ーリのベルト厚さ方向の変動幅を計測してベルト外周面
のベルト厚さ方向の変位幅を得るように構成されている
ものとする。
【0022】上記の構成において、2軸以上のプーリ間
に巻き掛けられた伝動ベルトの外周面には、それらプー
リのうちの1つのプーリ上において、アイドラプーリが
接触しており、この状態で伝動ベルトが走行すると、ベ
ルト外周面のベルト厚さ方向の変位に応じてアイドラプ
ーリはベルト厚さ方向において変動するようになる。つ
まり、ベルト外周面の変位幅はアイドラプーリの変動幅
となって現れる。したがって、アイドラプーリの変動幅
が計測手段により計測されることで、ベルト外周面の変
位幅が得られることとなる。このとき、アイドラプーリ
が押圧機構により一定の荷重でベルト外周面に接触する
ように押圧されているので、従来の場合よりもベルト厚
さむらに対する測定精度は高くなる。よって、上記請求
項4の発明の場合と同じ作用が営まれることとなる。
【0023】請求項8の発明では、上記請求項7の発明
において、計測手段は、ベルト外周面にレーザを投光す
る一方、そのベルト外周面で反射したレーザを受光して
該ベルト外周面のベルト厚さ方向の変位幅を計測するレ
ーザ式変位センサからなるものとする。
【0024】上記の構成において、電動ベルトが2軸以
上のプーリ間で走行する際に、その外周面のベルト厚さ
方向の変位幅は、レーザ式変位センサにより計測され
る。よって、上記請求項5の発明の場合と同じ作用が営
まれることとなる。
【0025】請求項9の発明では、上記の伝動ベルトと
して、ベルト長さ方向におけるベルト厚さの最大値及び
最小値間の差値である厚さむらが、0.1mm以下とさ
れているものとする。
【0026】上記の構成において、ベルト底面がプーリ
に摩擦接触して該プーリとの間の動力伝達を行うように
なされた伝動ベルトでは、ベルト長さ方向におけるベル
ト厚さの最大値及び最小値間の差値である厚さむらが
0.1mm以下であると、ベルト走行時の音レベルは、
聴診器を用いても聞こえない程に極めて低い。一方、ベ
ルト厚さむらが0.1mmを超えると、静粛性の比較的
高いものであっても、聴診器を用いるとプーリの出側に
おいて騒音が認められる。よって、ベルト厚さむらに起
因する走行音の発生は効率よく抑えられるようになる。
【0027】請求項10の発明では、上記請求項9の発
明において、伝動ベルトのベルト底面が、ベルト本体の
加硫成形後に形成されてなるものである場合に、ベルト
長さ方向におけるベルト底面のベルト厚さ方向の変位幅
が、厚さむらとされているものとする。
【0028】上記の構成において、伝動ベルトのベルト
底面が、ベルト本体の加硫成形後に形成されてなるもの
である場合には、その形成時にベルト底面がベルト長さ
方向に凹凸状になり易く、そのためにベルト厚さむらが
生じてベルト走行音が発生することとなる。このとき、
ベルト長さ方向における上記ベルト底面のベルト厚さ方
向の変位幅が厚さむらとされていて0.1mm以下であ
るので、ベルト走行音は効率よく低減されることとな
る。
【0029】請求項11の発明では、上記請求項10の
発明において、伝動ベルトはそのベルト底面に、各々、
ベルト長さ方向に延びる複数条のリブがベルト幅方向に
並ぶように形成されてなるVリブドベルトとされている
ものとする。
【0030】上記の構成において、伝動ベルトが、ベル
ト本体の加硫成形後にベルト底面に形成された複数条の
リブを有するVリブドベルトである場合には、そのリブ
形成時にベルト底面が凹凸状になり易い。よって、上記
請求項10の発明での作用は具体的に営まれることとな
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態
に係るベルト厚さむら測定装置の全体構成を示してお
り、このベルト厚さむら測定装置は、自動車エンジンの
ベルト式補機駆動装置に使用されるVリブドベルトTの
長さ方向におけるベルト厚さむらを測定するために用い
られる。
【0032】先ず、上記VリブドベルトTについて説明
しておくと、このものは、図3に示すように、ベルト本
体1が、断面矩形状をなすクッションゴム層4と、この
クッションゴム層4のベルト底面側(同図の下面側)に
配置されたリブゴム層5と、クッションゴム層4のベル
ト背面側(同図の上面側)に配置された上ゴム層6とか
らなっており、クッションゴム層4内には、心線7がベ
ルト長さ方向に延びかつベルト幅方向(同図の左右方
向)に等ピッチに並ぶようにスパイラル状に埋設されて
いる。そして、ベルト本体1のベルト背面には帆布層3
が上ゴム層6上に積層された状態に設けられており、一
方、ベルト本体1のベルト底面には、ベルト長さ方向に
延びるように設けられた複数条(図示する例では3条)
のリブ2,2,…がベルト幅方向に所定ピッチをおいて
並ぶように設けられている。これらリブ2,2,…は、
ベルト本体1の加硫成形後に例えば研削加工により形成
されている。
【0033】次に、上記ベルト厚さむら測定装置につい
て説明すると、本測定装置は、上下に配置された2軸の
プーリ31,32を備えている。下側のプーリ31は駆
動プーリであって、電動モータ33の出力軸34に駆動
連結された固定軸35に一体回転するように取り付けら
れている。この固定軸35は、固定体36上に立設され
た固定壁37を水平方向に貫通していて、該固定壁37
にベアリング38を介して回転可能に支持されている。
一方、固定壁37の上方には、上下方向に調整移動可能
な可動壁39が配置されている。この可動壁39には、
上記固定軸35に対し平行に延びる可動軸40が突設さ
れており、この可動軸40の先端には、従動プーリとし
ての上側プーリ32がベアリング41を介して回転可能
に取り付けられている。これら両プーリ31,32に
は、何れも平プーリが用いられている。
【0034】上記上側プーリ32の上方には、同じく平
プーリからなるアイドラプーリ42が配置されており、
このアイドラプーリ42は、上下両プーリ31,32間
に巻き掛けられたVリブドベルトTを上側プーリ32と
の間で上下方向に挟圧可能に設けられている。具体的に
は、上記可動壁39の上側プーリ32と同じ側(図2の
左側)の面には、上下方向に延びる1対のガイドレール
43,43(同図には1本のレールのみ示す)が配置さ
れている。これらレール43,43上にはスライドベー
ス44が配置されており、このスライドベース44はガ
イドレール43,43により上下方向に移動可能に案内
支持されている。このスライドベース44には、上記固
定軸35に対し平行に延びる支持軸45が突設されてお
り、この支持軸45の先端には、上記アイドラプーリ4
2がベアリング46を介して回転可能に取り付けられて
いる。つまり、アイドラプーリ42は、ガイドレール4
3,43及びスライドベース44により上側プーリ32
上のVリブドベルトTの厚さ方向(上下方向)に移動可
能に案内支持されている。また、アイドラプーリ42
は、その自重及びスライドベース44等の重量により上
側プーリ32上におけるVリブドベルトTの外周面に一
定の荷重で接触するようになされている。すなわち、ア
イドラプーリ42及びスライドベース44により、該ア
イドラプーリ42をベルト外周面に一定の荷重で接触す
るように常時押圧する押圧機構47が構成されている。
【0035】また、上記アイドラプーリ42の両側方に
は、該アイドラプーリ42の上下方向における変動幅を
計測するための計測手段としての平行レーザ式変位セン
サ48が配置されている。この変位センサ48は、可動
壁39のアイドラプーリ42と同じ側(図2の左側)の
面に取り付けられていて、図1に示すように、アイドラ
プーリ42の軸心と直交する鉛直面に平行な平行レーザ
を水平方向に投光する投光器48aと、この投光器48
aからの平行レーザを受光するための受光器48bとか
らなっている。この変位センサ48は、平行レーザによ
るアイドラプーリ42の影の大きさないし上下位置が該
アイドラプーリ42の上下方向の変動に応じて変化する
ことを利用して、アイドラプーリ42の変動幅を計測す
るようになされている。
【0036】次に、上記のように構成されたベルト厚さ
むら測定装置を用いて行うVリブドベルトTの厚さむら
測定方法について説明する。
【0037】先ず、図4に拡大して示すように、Vリブ
ドベルトTをベルト底面が外周面となる状態に裏返して
上下プーリ31,32間に巻き掛け、そのベルト外周
面、つまりベルト底面にアイドラプーリ42を接触させ
るようにする。次いで、電動モータ33の作動によりV
リブドベルトTを一定速度で走行駆動しつつ、Vリブド
ベルトTの走行に伴うアイドラプーリ42の上下方向の
変動幅を平行レーザ式変位センサ48により計測する。
【0038】このとき、上記アイドラプーリ42は、上
側プーリ32上におけるベルト外周面のベルト厚さ方向
の変位により該ベルト厚さ方向に変動することになるの
で、アイドラプーリ42の変動幅は、すなわちベルト外
周面のベルト厚さ方向の変位幅である。そして、図5に
誇張して示すように、ベルト外周面の変位幅をもって、
ベルト長さ方向におけるベルト厚さむらとされる。
【0039】ここで、上記の測定方法により複数のVリ
ブドベルトTの各厚さむらを測定するとともに、各ベル
トの静粛性を評価するために行った実験について説明す
る。サンプルとして27種類のVリブドベルトTを用意
した。各サンプルの構造及び基本形状等は全て同じであ
る。
【0040】先ず、各サンプルの厚さむらは、図6に示
すように、最小のもので約0.05mmであり、最大の
もので約0.18mmであった。そして、各サンプルに
ついて、上記測定装置上でのベルト走行音の静粛性を評
価した。評価方法としては、下側プーリ31の出側にお
けるベルト走行音を評価者が直接に又は聴診器を用いて
聞くようにし、聴診器を用いても聞こえないものを合格
とする一方、それ以外のものを不合格とするようにし
た。
【0041】以上の結果は、図6に示したとおりであっ
て、基本的には厚さむらが小さいものほどベルト走行音
も小さくなる傾向を有するものの、厚さむらが0.1m
m以下の場合には略同程度の静粛性が得られていること
から、厚さむらが0.1mm以下となるように設定され
たVリブドベルトTでは、効率よく高い静粛性の得られ
ることが判る。
【0042】したがって、本実施形態によれば、Vリブ
ドベルトTの厚さむらを測定する際に、上下2軸のプー
リ31,32間にVリブドベルトTを巻き掛けて走行さ
せる一方、上側プーリ32上におけるVリブドベルトT
の外周面にアイドラプーリ42を一定の荷重で接触さ
せ、ベルト走行に伴うアイドラプーリ42のベルト厚さ
方向の変動幅を平行レーザ式変位センサ48により計測
することでベルト外周面のベルト厚さ方向の変位幅を得
るようにし、そのベルト外周面の変位幅をもってVリブ
ドベルトTの長さ方向におけるベルト厚さむらとするよ
うにしたので、従来の場合よりも短い時間で効率よく厚
さむらを測定することができる。
【0043】しかも、上記VリブドベルトTを、ベルト
本体1の加硫成形後に形成されたリブ2,2,…を有す
るベルト底面が外周面となる状態に裏返してプーリ3
1,32間に巻き掛け、そのベルト底面にアイドラプー
リ42を接触させて該ベルト底面の変位幅を得るように
したので、ベルト厚さむらに対する測定感度を高めるこ
とができる。
【0044】そして、上記ベルト厚さむらを0.1mm
以下に抑えるようにしたので、自動車エンジンのベルト
式補機駆動装置におけるベルト走行音を効率よく低減す
ることができ、エンジンルームの静粛性の向上に寄与す
ることができる。
【0045】尚、上記実施形態では、2軸のプーリ3
1,32間にベルトTを巻き掛けるようにしているが、
3軸以上のプーリ間に巻き掛けるようにしてもよい。
【0046】また、上記実施形態では、Vリブドベルト
Tを定速走行させつつ厚さむらを測定するようにしてい
るが、測定時のベルト走行速度は、測定結果に支障の生
じない範囲であれば適宜設定することができる。
【0047】また、上記実施形態では、ベルト底面が外
周面となる状態に裏返してVリブドベルトTをプーリ3
1,32間に巻き掛けているが、例えばベルト底面がベ
ルト本体の加硫成形時に形成されるものである場合に
は、ベルト背面が外面となる状態のままで裏返さずに巻
き掛けるようにしてもよい。
【0048】また、上記実施形態では、重力によりアイ
ドラプーリ42をベルト外周面に一定の荷重で接触させ
るようにしているが、アイドラプーリ42に対する押圧
機構としては公知の技術を適宜採用することができる。
【0049】また、上記実施形態では、アイドラプーリ
42のベルト厚さ方向の変動幅を計測してベルト外周面
のベルト厚さ方向の変位幅を得るようにしているが、図
7及び図8にそれぞれ示す変形例1及び変形例2のよう
に、計測手段としてダイヤルゲージ51やレーザ式変位
センサ52を用い、ベルト外周面の変位幅を直接に計測
するようにしてもよい。
【0050】さらに、上記実施形態では、Vリブドベル
トTの場合について説明しているが、本発明は、摩擦伝
動式のものであればそれ以外の伝動ベルトに適用するこ
とができるのは勿論である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ベルト底面がプーリに摩擦接触して該プーリと
の間の動力伝達を行うようにした伝動ベルトの厚さむら
測定方法として、2軸以上のプーリ間に伝動ベルトを巻
き掛けて走行させる一方、1つのプーリ上におけるベル
ト外周面のベルト厚さ方向の変位幅を計測し、そのベル
ト外周面の変位幅をもってベルト厚さむらとするように
したので、従来の場合よりも短時間のうちにかつ効率よ
くベルト厚さむらを測定することができる。
【0052】請求項2の発明によれば、上記伝動ベルト
を定速走行させつつベルト外周面の変位幅を計測するよ
うにしたので、ベルト走行速度の変化に起因する計測結
果のばらつきを抑えることができ、ベルト厚さむらに対
する測定精度を高めることができる。
【0053】請求項3の発明によれば、上記伝動ベルト
のベルト底面がベルト本体の加硫成形後に形成されてな
るものである場合に、上記伝動ベルトをベルト底面が外
周面となる状態に巻き掛けて走行させつつベルト外周面
の変位幅を計測するようにしたので、ベルト厚さむらに
対する測定感度を高めることができる。
【0054】請求項4の発明によれば、上記ベルト外周
面にアイドラプーリを一定の荷重で接触させて該アイド
ラプーリのベルト厚さ方向の変動幅を計測し、その変動
幅をもってベルト外周面の変位幅とするようにしたの
で、ベルト厚さむらに対する測定精度を高めることがで
きる。
【0055】請求項5の発明によれば、レーザ式変位セ
ンサにより非接触の状態でベルト外周面の変位幅を計測
するようにしたので、ベルト厚さむらに対する測定精度
をさらに高めることができる。
【0056】請求項6の発明によれば、上記伝動ベルト
の厚さむら測定装置として、伝動ベルトが走行可能に巻
き掛けられる2軸以上のプーリと、1つのプーリ上にお
けるベルト外周面の変位幅を計測する計測手段とを備え
るようにしたので、上記請求項1の発明の場合と同じ効
果を得ることができる。
【0057】請求項7の発明によれば、上記の測定装置
において、ベルト外周面に接触可能に配置されたアイド
ラプーリと、このアイドラプーリをベルト外周面に一定
の荷重で接触するように押圧する押圧機構とを備えるよ
うにした上で、計測手段を、アイドラプーリのベルト厚
さ方向の変動幅を計測してベルト外周面の変位幅を得る
ように構成されているものとするようにしたので、上記
請求項4の発明の場合と同じ効果を得ることができる。
【0058】請求項8の発明によれば、上記計測手段
を、ベルト外周面にレーザを投光する一方、その外周面
で反射したレーザを受光して該ベルト外周面の変位幅を
計測するレーザ式変位センサにより構成されているもの
とするようにしたので、上記請求項5の発明の場合と同
じ効果を奏することができる。
【0059】請求項9の発明によれば、上記の伝動ベル
トとして、ベルト厚さむらを0.1mm以下とするよう
にしたので、ベルト走行音を効率よく低減することがで
きる。
【0060】請求項10の発明によれば、上記ベルト底
面がベルト本体の加硫成形後に形成されてなるものであ
る場合に、ベルト長さ方向におけるベルト底面のベルト
厚さ方向の変位幅を厚さむらとするようにしたので、ベ
ルト走行音をさらに効率よく低減することができる。
【0061】請求項11の発明によれば、上記伝動ベル
トをVリブドベルトとするようにしたので、例えば自動
車エンジンのベルト式補機駆動装置において、ベルト走
行音を具体的にかつ適正に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るベルト厚さむら測定装
置の構成を概略的に示す正面図である。
【図2】ベルト厚さむら測定装置の全体構成を示す右側
面図である。
【図3】Vリブドベルトの一部を拡大して示す斜視図で
ある。
【図4】上側プーリ上においてベルト外周面にアイドラ
プーリが接触する状態を示す図1のIV−IV線拡大断面図
である。
【図5】上側プーリ上におけるベルト外周面の変位を示
す波形図である。
【図6】実験例におけるベルト厚さむらとベルト走行音
の音レベルとの関係を示す特性図である。
【図7】本発明の実施形態における変形例1の要部を示
す斜視図である。
【図8】変形例2の要部を示す図7相当図である。
【符号の説明】
2 リブ 31 下側プーリ(プーリ) 32 上側プーリ(プーリ) 42 アイドラプーリ 47 押圧機構 48 平行レーザ式変位センサ(計測手段) 51 ダイヤルゲージ(計測手段) 52 レーザ式変位センサ(計測手段) T Vリブドベルト(伝動ベルト)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト底面がプーリに摩擦接触して該プ
    ーリとの間の動力伝達を行う伝動ベルトに対し、該伝動
    ベルトの長さ方向における厚さむらを測定するようにし
    た伝動ベルトの厚さむら測定方法であって、 2軸以上のプーリ間に上記伝動ベルトを巻き掛けて走行
    させる一方、 上記2軸以上のプーリのうちの1つのプーリ上における
    ベルト外周面のベルト厚さ方向の変位幅を計測し、 上記ベルト外周面のベルト厚さ方向の変位幅をもってベ
    ルト厚さむらとすることを特徴とする伝動ベルトの厚さ
    むら測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の伝動ベルトの厚さむら測
    定方法おいて、 伝動ベルトを定速走行させつつ、ベルト外周面のベルト
    厚さ方向の変位幅を計測することを特徴とする伝動ベル
    トの厚さむら測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の伝動ベルトの厚さ
    むら測定方法において、 伝動ベルトのベルト底面は、ベルト本体の加硫成形後に
    形成されてなるものであり、 上記伝動ベルトをプーリ間にベルト底面が外周面となる
    状態に巻き掛けて走行させつつ、ベルト外周面のベルト
    厚さ方向の変位幅を計測することを特徴とする伝動ベル
    トの厚さむら測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の伝動ベルトの
    厚さむら測定方法において、 ベルト外周面にアイドラプーリを一定の荷重で接触させ
    つつ、該アイドラプーリのベルト厚さ方向の変動幅を計
    測し、 上記アイドラプーリのベルト厚さ方向の変動幅によりベ
    ルト外周面の変位幅を得ることを特徴とする伝動ベルト
    の厚さむら測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3記載の伝動ベルトの
    厚さむら測定方法において、 ベルト外周面にレーザを投光する一方、上記ベルト外周
    面で反射したレーザを受光して該ベルト外周面のベルト
    厚さ方向の変位幅を計測するレーザ式変位センサを用い
    ることを特徴とする伝動ベルトの厚さむら測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の伝動ベルトの厚さむら測
    定方法に用いられる伝動ベルトの厚さむら測定装置であ
    って、 伝動ベルトが走行可能に巻き掛けられる2軸以上のプー
    リと、 上記2軸以上のプーリのうちの1つのプーリ上における
    ベルト外周面のベルト厚さ方向の変位幅を計測する計測
    手段とを備えていることを特徴とする伝動ベルトの厚さ
    むら測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の伝動ベルトの厚さむら測
    定装置において、 ベルト外周面に接触可能に配置されたアイドラプーリ
    と、 上記アイドラプーリを上記ベルト外周面に一定の荷重で
    接触するように押圧する押圧機構とを備え、 計測手段は、 上記アイドラプーリのベルト厚さ方向の変動幅を計測し
    てベルト外周面のベルト厚さ方向の変位幅を得るように
    構成されていることを特徴とする伝動ベルトの厚さむら
    測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の伝動ベルトの厚さむら測
    定装置において、 計測手段は、 ベルト外周面にレーザを投光する一方、上記ベルト外周
    面で反射したレーザを受光して該ベルト外周面のベルト
    厚さ方向の変位幅を計測するレーザ式変位センサからな
    ることを特徴とする伝動ベルトの厚さむら測定装置。
  9. 【請求項9】 ベルト底面がプーリに摩擦接触して該プ
    ーリとの間の動力伝達を行うようにした伝動ベルトにお
    いて、 ベルト長さ方向におけるベルト厚さの最大値及び最小値
    間の差値である厚さむらが、0.1mm以下とされてい
    ることを特徴とする伝動ベルト。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の伝動ベルトにおいて、 ベルト底面は、ベルト本体の加硫成形後に形成されてな
    り、 ベルト長さ方向における上記ベルト底面のベルト厚さ方
    向の変位幅が、厚さむらとされていることを特徴とする
    伝動ベルト。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の伝動ベルトは、ベル
    ト底面に、各々、ベルト長さ方向に延びる複数条のリブ
    がベルト幅方向に並ぶように形成されてなるVリブドベ
    ルトとされていることを特徴とする伝動ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286405A (ja) * 2001-03-28 2002-10-03 Nitto Denko Corp エンドレスベルトの膜厚測定方法及び膜厚測定装置
CN109211547A (zh) * 2018-08-28 2019-01-15 塞纳自动梯(佛山)有限公司 一种自动扶梯的扶手带测量装置
CN114659454A (zh) * 2022-05-24 2022-06-24 深圳市三江名创电子科技有限公司 一种手机保护膜厚度检测装置

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