JP2000239920A - 樹脂ホース用ポリエステル繊維および樹脂ホース用撚糸コード - Google Patents
樹脂ホース用ポリエステル繊維および樹脂ホース用撚糸コードInfo
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- JP2000239920A JP2000239920A JP11045956A JP4595699A JP2000239920A JP 2000239920 A JP2000239920 A JP 2000239920A JP 11045956 A JP11045956 A JP 11045956A JP 4595699 A JP4595699 A JP 4595699A JP 2000239920 A JP2000239920 A JP 2000239920A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】樹脂ホース補強用として好適なポリエステル繊
維およびそれを用いた撚糸コードを提供する。 【解決手段】分子鎖の全繰り返し単位の90モル%以上
がエチレンテレフタレートであって、次の(イ)〜
(ニ)の特性を有することを特徴とする樹脂ホース用ポ
リエステル繊維。 (イ)固有粘度(IV):0.70〜1.05 (ロ)強度:8.0g/d以上 (ハ)180℃における乾熱収縮率:8.0〜14% (ニ)180℃における熱収縮応力:0.15〜0.3
5g/d 上記樹脂ホース用ポリエステル繊維に撚りが施されてな
ることを特徴とする樹脂ホース用撚糸コード。
維およびそれを用いた撚糸コードを提供する。 【解決手段】分子鎖の全繰り返し単位の90モル%以上
がエチレンテレフタレートであって、次の(イ)〜
(ニ)の特性を有することを特徴とする樹脂ホース用ポ
リエステル繊維。 (イ)固有粘度(IV):0.70〜1.05 (ロ)強度:8.0g/d以上 (ハ)180℃における乾熱収縮率:8.0〜14% (ニ)180℃における熱収縮応力:0.15〜0.3
5g/d 上記樹脂ホース用ポリエステル繊維に撚りが施されてな
ることを特徴とする樹脂ホース用撚糸コード。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂ホースを補強
するための樹脂ホース用ポリエステル繊維および樹脂ホ
ース用撚糸コードに関するものである。さらに詳細には
寸法安定性および耐圧性に優れた樹脂ホースの補強用に
供するポリエステル繊維、およびそれを用いた樹脂ホー
ス用撚糸コードに関するものである。
するための樹脂ホース用ポリエステル繊維および樹脂ホ
ース用撚糸コードに関するものである。さらに詳細には
寸法安定性および耐圧性に優れた樹脂ホースの補強用に
供するポリエステル繊維、およびそれを用いた樹脂ホー
ス用撚糸コードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートで代表され
るポリエステルからなる繊維糸条は機械的性質、寸法安
定性、耐久性に優れ、衣料用途のみでなく産業用途にも
幅広く利用されている。このポリエステル繊維の高いヤ
ング率を生かす用途の1つとして、樹脂ホースの補強用
糸がある。
るポリエステルからなる繊維糸条は機械的性質、寸法安
定性、耐久性に優れ、衣料用途のみでなく産業用途にも
幅広く利用されている。このポリエステル繊維の高いヤ
ング率を生かす用途の1つとして、樹脂ホースの補強用
糸がある。
【0003】補強用糸は原糸を無撚りのまま使用される
場合と、原糸に撚りを加え撚糸コードとして使用される
場合とがある。繊維を樹脂の補強目的に使用する樹脂ホ
ースは、通常、補強繊維を中心に内外2層構造をなして
いる。まず内層部樹脂として、溶融した樹脂を中空形態
で吐出し、形状維持のため冷却固化する。引き続き、そ
のインナー樹脂の表面に樹脂ホース補強用繊維を巻き付
けた後、その表面に外層部樹脂に相当する溶融したアウ
ター樹脂を被せる。
場合と、原糸に撚りを加え撚糸コードとして使用される
場合とがある。繊維を樹脂の補強目的に使用する樹脂ホ
ースは、通常、補強繊維を中心に内外2層構造をなして
いる。まず内層部樹脂として、溶融した樹脂を中空形態
で吐出し、形状維持のため冷却固化する。引き続き、そ
のインナー樹脂の表面に樹脂ホース補強用繊維を巻き付
けた後、その表面に外層部樹脂に相当する溶融したアウ
ター樹脂を被せる。
【0004】この工程においてインナー樹脂の表面に巻
き付けた補強用繊維はアウター樹脂の高温にさらされる
ため、糸の熱収縮と共に収縮応力が働き、インナー樹脂
の表面を締め付けることになる。このため使用するポリ
エステル繊維の熱収縮率、収縮応力特性により、締め付
け力のバラツキから樹脂ホースに凹凸が生じ易くなる。
しかし、これまでこの用途に使用されてきたポリエス
テル繊維としては、大量生産されているタイヤ用糸と
か、汎用糸である一般産業用糸などであり、使用繊維に
起因する樹脂ホース凹凸の品位不良発生を防止するた
め、樹脂ホース生産条件の変動や、バラツキを押さえる
ために厳しい生産管理をする必要があった。そこで近年
は生産工程の高速化、省人化、製品の品質、品位向上か
ら樹脂ホースに適した原糸が求められている。
き付けた補強用繊維はアウター樹脂の高温にさらされる
ため、糸の熱収縮と共に収縮応力が働き、インナー樹脂
の表面を締め付けることになる。このため使用するポリ
エステル繊維の熱収縮率、収縮応力特性により、締め付
け力のバラツキから樹脂ホースに凹凸が生じ易くなる。
しかし、これまでこの用途に使用されてきたポリエス
テル繊維としては、大量生産されているタイヤ用糸と
か、汎用糸である一般産業用糸などであり、使用繊維に
起因する樹脂ホース凹凸の品位不良発生を防止するた
め、樹脂ホース生産条件の変動や、バラツキを押さえる
ために厳しい生産管理をする必要があった。そこで近年
は生産工程の高速化、省人化、製品の品質、品位向上か
ら樹脂ホースに適した原糸が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の欠点を解消するため、樹脂ホースとして十
分な強力を持ち、生産工程の熱付与に対して寸法安定性
の良好な、樹脂ホース用ポリエステル繊維およびそれを
用いた樹脂ホース用撚糸コードを提供することを課題と
する。
な従来技術の欠点を解消するため、樹脂ホースとして十
分な強力を持ち、生産工程の熱付与に対して寸法安定性
の良好な、樹脂ホース用ポリエステル繊維およびそれを
用いた樹脂ホース用撚糸コードを提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の樹脂ホース用ポリエステル繊維は次の構成
を有する。すなわち、分子鎖の全繰り返し単位の90モ
ル%以上がエチレンテレフタレートであって、次の
(イ)〜(ニ)の特性を有することを特徴とする樹脂ホ
ース用ポリエステル繊維である。 (イ)固有粘度(IV):0.70〜1.05 (ロ)強度:8.0g/d以上 (ハ)180℃における乾熱収縮率:8.0〜14% (ニ)180℃における熱収縮応力:0.15〜0.3
5g/d また、本発明の樹脂ホース用撚糸コードは次の構成を有
する。すなわち、上記樹脂ホース用ポリエステル繊維に
撚りが施されてなることを特徴とする樹脂ホース用撚糸
コードである。
に、本発明の樹脂ホース用ポリエステル繊維は次の構成
を有する。すなわち、分子鎖の全繰り返し単位の90モ
ル%以上がエチレンテレフタレートであって、次の
(イ)〜(ニ)の特性を有することを特徴とする樹脂ホ
ース用ポリエステル繊維である。 (イ)固有粘度(IV):0.70〜1.05 (ロ)強度:8.0g/d以上 (ハ)180℃における乾熱収縮率:8.0〜14% (ニ)180℃における熱収縮応力:0.15〜0.3
5g/d また、本発明の樹脂ホース用撚糸コードは次の構成を有
する。すなわち、上記樹脂ホース用ポリエステル繊維に
撚りが施されてなることを特徴とする樹脂ホース用撚糸
コードである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル繊維の固有
粘度は0.7〜1.05、好ましくは0.8〜1.0と
するものである。固有粘度が0.7未満であると樹脂ホ
ース用資材として使用する場合、タフネスが低く耐久性
が不十分となり、一方、1.05を越える繊維を得よう
とすると著しい溶融粘度の上昇によって製糸性が悪化
し、高品位、高タフネス繊維が得られなくなる。
粘度は0.7〜1.05、好ましくは0.8〜1.0と
するものである。固有粘度が0.7未満であると樹脂ホ
ース用資材として使用する場合、タフネスが低く耐久性
が不十分となり、一方、1.05を越える繊維を得よう
とすると著しい溶融粘度の上昇によって製糸性が悪化
し、高品位、高タフネス繊維が得られなくなる。
【0008】本発明のポリエステル繊維の強度は8.0
g/d以上、好ましくは8.5g/d以上とするもので
ある。強度8.0g/dを下回ると樹脂ホースの破裂強
力値が低くなり、繊維の使用量増加を招くこととなる。
なお、一般にポリエステル繊維の強度を10.5g/d
以上とするのは困難である。
g/d以上、好ましくは8.5g/d以上とするもので
ある。強度8.0g/dを下回ると樹脂ホースの破裂強
力値が低くなり、繊維の使用量増加を招くこととなる。
なお、一般にポリエステル繊維の強度を10.5g/d
以上とするのは困難である。
【0009】また、本発明のポリエステル繊維の180
℃における乾熱収縮率は8.0〜14%、好ましくは
9.0〜13.0%とするものである。180℃におけ
る乾熱収縮率が8.0%より低いと、インナー樹脂上に
巻かれた繊維にアウター樹脂を被せた際、繊維の低収縮
率、低収縮応力のため、インナー樹脂表面に繊維が固定
されず、僅かな外力で繊維が移動し、繊維のピッチズレ
を引き起こす。このため樹脂ホース上の糸目にバラツキ
を生じ、目の広い部分は破裂強力が低下することにな
る。一方、180℃における乾熱収縮率が14%より高
いと、インナー樹脂上に巻かれた繊維にアウター樹脂を
被せた際、繊維の高収縮率、高収縮応力のため、インナ
ー樹脂に繊維が食い込み、ホース表面に凹凸が発生、品
位不良を引き起こす。このため使用する繊維に微妙な張
力調整を施したり、樹脂ホースのインナー部の樹脂使用
量を増やさなくてはならなくなる。
℃における乾熱収縮率は8.0〜14%、好ましくは
9.0〜13.0%とするものである。180℃におけ
る乾熱収縮率が8.0%より低いと、インナー樹脂上に
巻かれた繊維にアウター樹脂を被せた際、繊維の低収縮
率、低収縮応力のため、インナー樹脂表面に繊維が固定
されず、僅かな外力で繊維が移動し、繊維のピッチズレ
を引き起こす。このため樹脂ホース上の糸目にバラツキ
を生じ、目の広い部分は破裂強力が低下することにな
る。一方、180℃における乾熱収縮率が14%より高
いと、インナー樹脂上に巻かれた繊維にアウター樹脂を
被せた際、繊維の高収縮率、高収縮応力のため、インナ
ー樹脂に繊維が食い込み、ホース表面に凹凸が発生、品
位不良を引き起こす。このため使用する繊維に微妙な張
力調整を施したり、樹脂ホースのインナー部の樹脂使用
量を増やさなくてはならなくなる。
【0010】本発明のポリエステル繊維の180℃にお
ける熱収縮応力は0.15g/d〜0.35g/d、好
ましくは0.20〜0.30g/dとするものである。
180℃における乾熱収縮応力が0.15gより低い
と、インナー樹脂上に巻かれた繊維にアウター樹脂を被
せた際、繊維の低収縮率、低収縮応力のため、インナー
樹脂表面に繊維が固定されず、僅かな外力で繊維が移動
し、繊維のピッチズレを引き起こす。このため樹脂ホー
ス上の糸目にバラツキを生じ、目の広い部分は破裂強力
が低下することになる。一方、180℃における乾熱収
縮応力が0.35gより高いと、インナー樹脂上に巻か
れた繊維にアウター樹脂を被せた際、繊維の高収縮率、
高収縮応力のため、インナー樹脂に繊維が食い込み、ホ
ース表面に凹凸が発生、品位不良を引き起こす。このた
め使用する繊維に微妙な張力調整を施したり、樹脂ホー
スのインナー部の樹脂使用量を増やさなくてはならなく
なる。
ける熱収縮応力は0.15g/d〜0.35g/d、好
ましくは0.20〜0.30g/dとするものである。
180℃における乾熱収縮応力が0.15gより低い
と、インナー樹脂上に巻かれた繊維にアウター樹脂を被
せた際、繊維の低収縮率、低収縮応力のため、インナー
樹脂表面に繊維が固定されず、僅かな外力で繊維が移動
し、繊維のピッチズレを引き起こす。このため樹脂ホー
ス上の糸目にバラツキを生じ、目の広い部分は破裂強力
が低下することになる。一方、180℃における乾熱収
縮応力が0.35gより高いと、インナー樹脂上に巻か
れた繊維にアウター樹脂を被せた際、繊維の高収縮率、
高収縮応力のため、インナー樹脂に繊維が食い込み、ホ
ース表面に凹凸が発生、品位不良を引き起こす。このた
め使用する繊維に微妙な張力調整を施したり、樹脂ホー
スのインナー部の樹脂使用量を増やさなくてはならなく
なる。
【0011】上記したポリエステル繊維は、例えば次の
方法によって得ることができる。すなわち、ポリエステ
ルチップをエクストルーダ型押し出し機に供給し溶融
し、続いて紡糸口金から紡糸する。紡糸された糸条は徐
冷域を通過した後、チムニー冷風により冷却固化され
る。さらに引き続いて紡糸油剤を付与した後、引き取り
ローラーで引き取られる。引き取られた未延伸糸は通常
一旦巻きとられることなく延伸伸域に移送され、1段延
伸では80〜100℃の温度で全体の60〜80%を延
伸し、次いで残りの20〜40%は200〜250℃の
温度で延伸される。延伸倍率は原糸品位を考慮した上、
目標とする原糸強度を得るための条件に設定される。ま
た延伸温度は200℃よりも低いと毛羽の発生が多くな
り、撚糸工程や樹脂ホース成型工程の通過性が著しく低
下するため好ましくない。次に非加熱の弛緩ローラに移
送されて、一定の弛緩処理を施した後、3000〜45
00m/分の速度で巻取機によって巻取られる。
方法によって得ることができる。すなわち、ポリエステ
ルチップをエクストルーダ型押し出し機に供給し溶融
し、続いて紡糸口金から紡糸する。紡糸された糸条は徐
冷域を通過した後、チムニー冷風により冷却固化され
る。さらに引き続いて紡糸油剤を付与した後、引き取り
ローラーで引き取られる。引き取られた未延伸糸は通常
一旦巻きとられることなく延伸伸域に移送され、1段延
伸では80〜100℃の温度で全体の60〜80%を延
伸し、次いで残りの20〜40%は200〜250℃の
温度で延伸される。延伸倍率は原糸品位を考慮した上、
目標とする原糸強度を得るための条件に設定される。ま
た延伸温度は200℃よりも低いと毛羽の発生が多くな
り、撚糸工程や樹脂ホース成型工程の通過性が著しく低
下するため好ましくない。次に非加熱の弛緩ローラに移
送されて、一定の弛緩処理を施した後、3000〜45
00m/分の速度で巻取機によって巻取られる。
【0012】本発明のポリエステル繊維は、そのまま無
撚りの状態で樹脂ホース用ポリエステル繊維として樹脂
ホースの補強に使用することができる。また、必要に応
じてポリエステル繊維に下撚り、または下撚り/上撚り
を施して、通常撚り戻りを防ぐために60〜100℃で
熱セットを行い、チーズ形状に巻き返し、樹脂ホース用
撚糸コードの形態として樹脂ホースの補強に使用しても
よい。かかる撚糸コードの形態で用いる場合には、樹脂
ホース上で糸形態が安定するため透明ホースの見栄えが
向上、また破裂強力の安定、などの利点がある。
撚りの状態で樹脂ホース用ポリエステル繊維として樹脂
ホースの補強に使用することができる。また、必要に応
じてポリエステル繊維に下撚り、または下撚り/上撚り
を施して、通常撚り戻りを防ぐために60〜100℃で
熱セットを行い、チーズ形状に巻き返し、樹脂ホース用
撚糸コードの形態として樹脂ホースの補強に使用しても
よい。かかる撚糸コードの形態で用いる場合には、樹脂
ホース上で糸形態が安定するため透明ホースの見栄えが
向上、また破裂強力の安定、などの利点がある。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。実施例における各測定値は次の方法にしたがって測
定したものである。 [固有粘度(IV)]オストワルト粘度計を用いて、オル
ソクロロフェノール100mlに対し、試料3gを溶解
した溶液の相対粘度ηを25℃で測定し、次の近似式に
よりIVを算出した。 IV=0.0242η+0.2634 ただし、η=(t×d)/(t0 ×d0 ) t:溶液の落下時間(秒) t0:オルソクロロフェノールの落下時間(秒) d:溶液の密度(g/cc) d0:オルソクロロフェノールの密度(g/cc) [強度、伸度、中間伸度]オリエンテック社製テンシロン
引張試験機を用い、糸長25cm、引張り速度30cm
/分でS−S曲線より求めた。 [180℃における乾熱収縮率]ループ状にした試料に1
/10デニールの荷重を架けて試長(L1)を測定し、
その試料をフリーの状態で180℃オーブン中に30分
入れ、取り出し後2時間放却し/10デニールの荷重を
架けて、試長(L2)を測定、次の計算式で180℃熱
収縮率(%)を求めた。 {(L1−L2)/L1}×100 [180℃における熱収縮応力]オリエンテック社製テン
シロン引張試験機を用い、糸長25cmの試料に初荷重
1/20デニールを架けて上下チャックで固定し、上下
チャック共に180℃に加熱したチャンバー内に投入
し、3分後の180℃熱収縮応力を求めた。
る。実施例における各測定値は次の方法にしたがって測
定したものである。 [固有粘度(IV)]オストワルト粘度計を用いて、オル
ソクロロフェノール100mlに対し、試料3gを溶解
した溶液の相対粘度ηを25℃で測定し、次の近似式に
よりIVを算出した。 IV=0.0242η+0.2634 ただし、η=(t×d)/(t0 ×d0 ) t:溶液の落下時間(秒) t0:オルソクロロフェノールの落下時間(秒) d:溶液の密度(g/cc) d0:オルソクロロフェノールの密度(g/cc) [強度、伸度、中間伸度]オリエンテック社製テンシロン
引張試験機を用い、糸長25cm、引張り速度30cm
/分でS−S曲線より求めた。 [180℃における乾熱収縮率]ループ状にした試料に1
/10デニールの荷重を架けて試長(L1)を測定し、
その試料をフリーの状態で180℃オーブン中に30分
入れ、取り出し後2時間放却し/10デニールの荷重を
架けて、試長(L2)を測定、次の計算式で180℃熱
収縮率(%)を求めた。 {(L1−L2)/L1}×100 [180℃における熱収縮応力]オリエンテック社製テン
シロン引張試験機を用い、糸長25cmの試料に初荷重
1/20デニールを架けて上下チャックで固定し、上下
チャック共に180℃に加熱したチャンバー内に投入
し、3分後の180℃熱収縮応力を求めた。
【0014】(実施例1〜2)固有粘度が1.20のポ
リエチレンテレフタレートチップをエクストルーダ型溶
融紡糸装置に供給し、吐出口径が0.6φの紡糸口金を
用いて紡糸し、紡出繊維糸条を雰囲気温度300℃の加
熱筒を通した後、冷却筒により冷却風を30m/分の速
さで吹き付けて冷却し、オイリングローラで紡糸油剤を
付与した後、70℃に加熱制御された引取ローラで60
0m/分の速度で引き取った。得られた未延伸糸条を一
旦巻取ることなく連続して2段で延伸し、巻取り、延伸
繊維糸条を得た。なお1段目と2段目の延伸比率、トー
タル延伸倍率、最終延伸熱処理温度および弛緩率の条件
を表1に示した。
リエチレンテレフタレートチップをエクストルーダ型溶
融紡糸装置に供給し、吐出口径が0.6φの紡糸口金を
用いて紡糸し、紡出繊維糸条を雰囲気温度300℃の加
熱筒を通した後、冷却筒により冷却風を30m/分の速
さで吹き付けて冷却し、オイリングローラで紡糸油剤を
付与した後、70℃に加熱制御された引取ローラで60
0m/分の速度で引き取った。得られた未延伸糸条を一
旦巻取ることなく連続して2段で延伸し、巻取り、延伸
繊維糸条を得た。なお1段目と2段目の延伸比率、トー
タル延伸倍率、最終延伸熱処理温度および弛緩率の条件
を表1に示した。
【0015】また本発明によって得られた繊度1000
D、単糸数190本のポリエステル糸条に150t/m
の撚りを加え、70℃の飽和蒸気中で1時間撚り止めセ
ットしたものをチーズに巻き返し、樹脂ホース用撚糸コ
ードとした。内径15φ塩ビ樹脂ホース成型機のスパイ
ラルm/cに、樹脂ホース上のコードピッチが3mm幅
となるよう、前記樹脂ホース用撚糸コードを左回転方
向、右回転方向に、撚糸コードのインナー樹脂巻き付け
張力を調整して、各々12チーズセットした。塩ビ樹脂
ホースの生産速度を15m/分に、冷却された中空イン
ナー樹脂の肉厚が1.5mm、アウター樹脂の肉厚が
1.5mm、インナー樹脂上のコード角度が45°とな
るよう、スパイラルm/cの回転数を調整し、樹脂ホー
スを作製した。樹脂ホース作製時のホース凹凸発生、糸
〜糸ピッチズレ問題の発生有無を表1に示す。また作製
した樹脂ホースの破裂強力測定のため、1mの試料を採
取し、空気が抜けないようホースの一端を閉じて、他端
から圧縮空気を吹き込み、ホースの破裂圧力を測定し
た。なお、耐圧合格値は30kg/cm2以上とした。その結
果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明で得
られた実施例1,2の繊維は、樹脂ホースの成形不良率
が低く、樹脂ホース性能の目安である破裂強力も遜色な
い値を示しており、樹脂ホース用繊維として適している
ことがわかる。
D、単糸数190本のポリエステル糸条に150t/m
の撚りを加え、70℃の飽和蒸気中で1時間撚り止めセ
ットしたものをチーズに巻き返し、樹脂ホース用撚糸コ
ードとした。内径15φ塩ビ樹脂ホース成型機のスパイ
ラルm/cに、樹脂ホース上のコードピッチが3mm幅
となるよう、前記樹脂ホース用撚糸コードを左回転方
向、右回転方向に、撚糸コードのインナー樹脂巻き付け
張力を調整して、各々12チーズセットした。塩ビ樹脂
ホースの生産速度を15m/分に、冷却された中空イン
ナー樹脂の肉厚が1.5mm、アウター樹脂の肉厚が
1.5mm、インナー樹脂上のコード角度が45°とな
るよう、スパイラルm/cの回転数を調整し、樹脂ホー
スを作製した。樹脂ホース作製時のホース凹凸発生、糸
〜糸ピッチズレ問題の発生有無を表1に示す。また作製
した樹脂ホースの破裂強力測定のため、1mの試料を採
取し、空気が抜けないようホースの一端を閉じて、他端
から圧縮空気を吹き込み、ホースの破裂圧力を測定し
た。なお、耐圧合格値は30kg/cm2以上とした。その結
果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明で得
られた実施例1,2の繊維は、樹脂ホースの成形不良率
が低く、樹脂ホース性能の目安である破裂強力も遜色な
い値を示しており、樹脂ホース用繊維として適している
ことがわかる。
【0016】
【表1】 表1中、乾熱収縮率:180℃における乾熱収縮率、熱
収縮応力:180℃における熱収縮応力を表す。
収縮応力:180℃における熱収縮応力を表す。
【0017】(比較例1〜3)比較例1として、一般的
な低IV糸を用いて評価した。延伸糸の強度レベルが低
く、また乾熱収縮率、熱収縮応力が低いため、樹脂ホー
スの凹凸は発生しないが、糸〜糸ピッチズレを起こし、
また破裂強力も目標値を満足する結果が得られなかっ
た。比較例2として、一般的なポリエステルのハイモジ
ュラス糸を用いて評価した。延伸糸の原糸強度が高く、
乾熱収縮率も満足しているが、熱収縮応力が高く、ホー
ス成型時に樹脂ホースの凹凸発生と、糸〜糸ピッチ乱れ
が発生、満足な製品が得られなかった。比較例3とし
て、180℃における乾熱収縮率および熱収縮応力の高
い原糸を作製して評価した。比較例2と同様に、樹脂ホ
ースの凹凸発生と、糸〜糸ピッチ乱れが発生、満足な製
品が得られなかった。
な低IV糸を用いて評価した。延伸糸の強度レベルが低
く、また乾熱収縮率、熱収縮応力が低いため、樹脂ホー
スの凹凸は発生しないが、糸〜糸ピッチズレを起こし、
また破裂強力も目標値を満足する結果が得られなかっ
た。比較例2として、一般的なポリエステルのハイモジ
ュラス糸を用いて評価した。延伸糸の原糸強度が高く、
乾熱収縮率も満足しているが、熱収縮応力が高く、ホー
ス成型時に樹脂ホースの凹凸発生と、糸〜糸ピッチ乱れ
が発生、満足な製品が得られなかった。比較例3とし
て、180℃における乾熱収縮率および熱収縮応力の高
い原糸を作製して評価した。比較例2と同様に、樹脂ホ
ースの凹凸発生と、糸〜糸ピッチ乱れが発生、満足な製
品が得られなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維を樹脂ホース
用繊維として使用することで、成型時の安定性に優れた
樹脂ホースを提供することができる。
用繊維として使用することで、成型時の安定性に優れた
樹脂ホースを提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】分子鎖の全繰り返し単位の90モル%以上
がエチレンテレフタレートであって、次の(イ)〜
(ニ)の特性を有することを特徴とする樹脂ホース用ポ
リエステル繊維。 (イ)固有粘度(IV):0.70〜1.05 (ロ)強度:8.0g/d以上 (ハ)180℃における乾熱収縮率:8.0〜14% (ニ)180℃における熱収縮応力:0.15〜0.3
5g/d - 【請求項2】請求項1記載の樹脂ホース用ポリエステル
繊維に撚りが施されてなることを特徴とする樹脂ホース
用撚糸コード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11045956A JP2000239920A (ja) | 1999-02-24 | 1999-02-24 | 樹脂ホース用ポリエステル繊維および樹脂ホース用撚糸コード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11045956A JP2000239920A (ja) | 1999-02-24 | 1999-02-24 | 樹脂ホース用ポリエステル繊維および樹脂ホース用撚糸コード |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000239920A true JP2000239920A (ja) | 2000-09-05 |
Family
ID=12733733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11045956A Pending JP2000239920A (ja) | 1999-02-24 | 1999-02-24 | 樹脂ホース用ポリエステル繊維および樹脂ホース用撚糸コード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000239920A (ja) |
-
1999
- 1999-02-24 JP JP11045956A patent/JP2000239920A/ja active Pending
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