JP2000239330A - ポリスクシンイミド誘導体の架橋体、その加水分解物及びそれらの製造方法 - Google Patents

ポリスクシンイミド誘導体の架橋体、その加水分解物及びそれらの製造方法

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JP2000239330A
JP2000239330A JP4637899A JP4637899A JP2000239330A JP 2000239330 A JP2000239330 A JP 2000239330A JP 4637899 A JP4637899 A JP 4637899A JP 4637899 A JP4637899 A JP 4637899A JP 2000239330 A JP2000239330 A JP 2000239330A
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Toyoji Kakuchi
豊次 覚知
Takeshi Nakato
毅 中藤
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた吸水能及び加水分解性能を有する新規
吸水性樹脂及びその製造方法の提供。 【解決手段】 1.アスパラギン酸及び環状酸無水物を
重縮合させて得られるポリスクシンイミド誘導体(I)
とエチレン性不飽和結合を有するイソシアネート(II)
との反応生成物(A)を重合開始剤(C)の存在下、エ
チレン性不飽和結合を二個以上有する化合物(B)と架
橋反応させて得られるポリスクシンイミド誘導体の架橋
体。 2.1項に記載のポリスクシンイミド誘導体の架橋体を
加水分解して得られるポリアスパラギン酸誘導体の架橋
体。 3.アスパラギン酸及び環状酸無水物を重縮合させて得
られるポリスクシンイミド誘導体(I)とエチレン性不
飽和結合を有するイソシアネート(II)との反応生成物
(A)を重合開始剤(C)の存在下、エチレン性不飽和
結合を二個以上有する化合物(B)と架橋反応させるこ
とを特徴とするポリスクシンイミド誘導体の架橋体の製
造方法。 4.1項に記載のポリスクシンイミド誘導体の架橋体を
加水分解することを特徴とするポリアスパラギン酸誘導
体の架橋体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリスクシンイミ
ド誘導体の架橋体、その加水分解物及びそれらの製造方
法に関する。詳しくは、ポリスクシンイミド誘導体の変
性物をエチレン性不飽和モノマーにより架橋させて得ら
れるポリスクシンイミド誘導体の架橋体及びその加水分
解により得られるポリアスパラギン酸誘導体の架橋体並
びにそれらの製造方法に関する。本発明の酸性アミノ酸
系樹脂は、各種高分子エマルジョン、ラテックス等の増
粘剤や、使い捨ての衛材や家庭用品、止水材、土壌改良
剤や結露防止材等として有用な吸水性樹脂として使用で
きる。
【0002】
【従来の技術】親水性樹脂としては、従来、ポリビニル
アルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸ソ
ーダ等、各種のものが知られている。例えば、吸水性樹
脂として用いられる架橋性樹脂として、カルボキシメチ
ルセルロース架橋物、ポリエチレンオキシド部分架橋
物、デンプン−アクリロニトリル共重合体の加水分解物
やアクリル酸塩部分架橋物、ビニルアルコール−アクリ
ル酸塩共重合体等が知られている。これらの樹脂は、い
ずれも十分な性能を有するものではなく、吸水性や加圧
保水力が低かったり、また、生分解性が低いために使用
後廃棄されると自然環境中に残留し、環境に負荷を与え
るという問題があった。
【0003】このため、近年、生分解性或いは加水分解
性を有するポリアミノ酸から高吸水性架橋体を得るため
の研究が行われており、例えば、ポリアスパラギン酸や
ポリグルタミン酸等の酸性アミノ酸系樹脂の側鎖をエス
テル化した樹脂をジアミンで架橋した後、エステル残基
をカルボキシル化或いはその塩に変換することにより吸
水性樹脂を生成する技術(特公昭52−41309号公
報)、ポリスクシンイミドをジアミンで架橋した後、加
水分解することによりポリアスパラギン酸系の吸水性樹
脂を生成する技術(特開平7−224163号公報)等
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
酸性アミノ酸系樹脂については、吸水性や加圧保水力が
低く、また、その製造方法についても工業的に煩雑な操
作を必要とする問題がある。本発明の目的は、上記技術
の問題点を解決し、各種の工業的応用が期待される、生
分解性を有するアミノ酸系ポリマーの主鎖を有する新規
な親水性樹脂、及び、その製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かゝる事
情に鑑み鋭意検討した結果、ポリスクシンイミド誘導体
の特定の変性物をエチレン性不飽和モノマーにより架橋
させることにより、そして更にこれを加水分解させるこ
とにより、吸水性に優れた、新規な酸性アミノ酸系樹脂
が簡便に得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、 1.アスパラギン酸及び環状酸無水物を重縮合させて得
られるポリスクシンイミド誘導体(I)とエチレン性不
飽和結合を有するイソシアネート(II)との反応生成物
(A)を重合開始剤(C)の存在下、エチレン性不飽和
結合を二個以上有する化合物(B)と架橋反応させて得
られるポリスクシンイミド誘導体の架橋体 2.1項に記載のポリスクシンイミド誘導体の架橋体を
加水分解して得られるポリアスパラギン酸誘導体の架橋
体 3.アスパラギン酸及び環状酸無水物を重縮合させて得
られるポリスクシンイミド誘導体(I)とエチレン性不
飽和結合を有するイソシアネート(II)との反応生成物
(A)を重合開始剤(C)の存在下、エチレン性不飽和
結合を二個以上有する化合物(B)と架橋反応させるこ
とを特徴とするポリスクシンイミド誘導体の架橋体の製
造方法 4.1項に記載のポリスクシンイミド誘導体の架橋体を
加水分解することを特徴とするポリアスパラギン酸誘導
体の架橋体の製造方法、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)ポリスクシンイミド誘導体の架橋体 (ポリマー原料)本発明に用いられるアスパラギン酸と
しては、L体、D体及びこれらの混合物のいずれをも用
いることができる。また、環状酸無水物としては、特に
限定はされないが、その具体例としては、例えば、無水
フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等のジカルボ
ン酸無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水
物等が挙げられる。これらの中、ジカルボン酸無水物、
特に無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が好
ましい。
【0008】酸無水物の使用量は、アスパラギン酸に対
して0.1〜50モル%、好ましくは1〜40モル%の
割合で使用することができる。本発明において環状酸無
水物は、分子量制御剤として添加しているため0.1モ
ル%未満では、添加効果が低くなり、また、50モル%
を超える場合には、重合反応を阻害し、極端に収率が低
下する。また、アスパラギン酸及び環状酸無水物以外
に、アスパラギン酸と環状酸無水物の合計量に対し、5
0モル%を超えない範囲で共重合可能な他のモノマーを
用いることもできる。共重合可能なモノマーとして特に
制限はないが、例えば、アスパラギン酸塩、グルタミン
酸及びその塩、アラニン、ロイシン、リジン等のアミノ
酸のほか、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸等
のヒドロキシカルボン酸、2−ヒドロキシエタノール等
のアミノ基又はカルボキシル基と反応しうる官能基を二
個以上有する化合物等が挙げられる。
【0009】(触媒)本発明で使用しうる重縮合反応用
触媒としては、酸触媒が挙げられ、具体的には、塩酸、
硫酸、無水硫酸等の鉱酸類、リン酸、ポリリン酸、メタ
リン酸、縮合リン酸及び無水リン酸等のリン酸類、亜リ
ン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフ
ェニル等の亜リン酸トリエステル類、亜リン酸ジフェニ
ル等の亜リン酸ジエステル類、亜リン酸モノエステル、
亜リン酸及び亜リン酸塩等の亜リン酸化合物、p−トル
エンスルホン酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、
メタンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸等
の有機酸が挙げられる。これらの中で、高収率でポリマ
ーが得られるという点で、リン酸類及び亜リン酸化合物
が好ましい。触媒の使用量は、ポリマー原料100重量
部に対し、通常、0.1〜30重量部、好ましくは0.
5〜25重量部の範囲で使用される。触媒の使用量が
0.1重量部未満の場合、重縮合反応の速度向上として
の効果が少ない。また、30重量部を超えると、重合時
に反応物が固化した状態となり、攪拌に大きな負担がか
かるので好ましくない。
【0010】(溶媒)本発明に使用し得る溶媒は、芳香
族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテ
ル系溶媒、エステル系溶媒及び非プロトン性極性溶媒か
らなる群より選ばれる、100℃以上の沸点を有する溶
媒であり、130℃以上の沸点を有することが好まし
い。これらの溶媒は単独で又は混合して用いることがで
きる。具体的には、キシレン、ジエチルベンゼン、クロ
ロトルエン、ジクロロベンゼン(上記四種はそれぞれ、
そのオルト、メタ又はパラ異性体単独でも、二種類以上
の異性体の混合物でもよい。)、トルエン、アミルベン
ゼン、キュメン、メシチレン、テトラリン、1,4−ジ
クロロブタン、クロロベンゼン、ジクロロエチルエーテ
ル、ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、アニソー
ル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸メチルイ
ソアミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピ
オン酸−n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸イ
ソアミル、酪酸−n−ブチル、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−
2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン、テトラメチル尿素酸、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン及びヘキサメチルホスホロアミドを挙げること
ができる。これらの中でもジエチルベンゼン、メシチレ
ン、キュメン、クロロトルエン、1,4−ジクロロブタ
ン、ジイソアミルエーテル、酪酸−n−ブチル、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホランが、適
度な沸点を有する点で好ましく、更には、メシチレン、
キュメン、クロロトルエン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、スルホランが特に好ましい。溶媒は、
ポリマー原料100重量部に対し、100〜5000重
量部、好ましくは200〜2000重量部の割合で使用
することができる。
【0011】(重縮合反応)本発明における重縮合反応
の反応温度は、通常は100〜280℃、好ましくは、
130〜250℃の範囲である。重縮合温度が100℃
未満では、反応が容易に進行せず、また、280℃を超
えると分解生成物が生成するので好ましくない。反応時
の圧力には特に制限はなく、常圧、減圧又は加圧のいず
れでもよいが、通常は、10Pa〜1MPaの範囲であ
る。反応時間は1分〜100時間、好ましくは10分〜
50時間、最も好ましくは15分〜20時間である。ま
た、反応の実質上の終点は、反応中に副生してくる水の
生成が無くなった点である。後処理工程は、重合物の用
途に合わせて適宜選択することができる。例えば、遠心
分離により溶媒を除く方法、又は遠心分離後更に水或い
は低沸点溶媒により洗浄する方法等の常法により行うこ
とができる。本反応で得られる生成物の平均重合度は条
件により変わるが、5〜1000であり、好ましくは8
〜500の範囲である。
【0012】(エチレン性不飽和結合を有するイソシア
ネート(II))本発明に使用し得るイソシアネートは、
同一分子内にエチレン性不飽和結合及びイソシアネート
基を有していれば特に限定されない。具体的には、2−
(メタクリロイルオキシ)エチルイソシアネート、3−
イソプロピル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネー
ト等が挙げられる。使用量は、前記重縮合反応で得られ
るポリスクシンイミド(I)100重量部に対して、1
〜500重量部、好ましくは10〜300重量部であ
る。
【0013】(エチレン性不飽和結合を有するイソシア
ネート(II)の導入)ポリスクシンイミド誘導体(I)
とエチレン性不飽和結合を有するイソシアネート(II)
との反応は、特に限定されず、溶媒の存在下或いは、不
存在下で行うことができる。反応温度は、好ましくは0
℃以上、350℃未満であり、更に好ましくは、5℃以
上、300℃未満の範囲である。0℃より低いと、反応
が容易に進行せず、350℃以上では、副反応が進行し
やすくなり収率が大幅に低下してしまう。反応時間は、
好ましくは1秒〜30日、更に好ましくは、10秒〜2
0日である。溶媒を使用する場合は、ポリスクシンイミ
ド誘導体(I)を溶解する溶媒が好ましく、具体的に
は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒が挙げら
れる。使用する溶媒量は、好ましくは、ポリマー100
重量部に対して、10〜10000重量部、更に好まし
くは、20〜5000重量部である。なお、反応は回分
方式又は連続方式いずれも用いることができる。生成物
は、常法により単離でき、例えば、溶媒を留去する方
法、ポリマーに対しての貧溶媒で晶析する方法等が挙げ
られる。
【0014】(エチレン性不飽和結合を二個以上有する
化合物(B))本発明に使用し得るエチレン性不飽和結
合を有する化合物は、同一分子内にエチレン性不飽和結
合を二個以上有していれば特に限定されない。具体的に
は、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、エチレン
グリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ
メタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキ
シ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス
〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキ
シ)フェニル〕プロパン、ポリプロピレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス〔4
−(アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2−
ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプ
ロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラアクリレート等が挙げられる。これ
らの中、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジメタクリレートが好ましい。なお、(B)の使
用量は、(A)100重量部に対して、通常、0.01
〜50重量部、好ましくは0.05〜30重量部であ
る。
【0015】(重合開始剤(C))本発明に使用し得る
重合開始剤は、通常のラジカル重合開始剤であれば特に
限定されない。具体的には、熱重合開始剤としてメチル
エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオ
キサイド等のケトンパーオキサイド類、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキ
シケタール類、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド等のパーオキサイド類、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド等のジアルキルパーオキサイド類、アセチルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシル
パーオキサイド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−n−プロピルパーオキシカーボネート等の
パーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等のパー
オキシエステル類、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2′−アゾビス(2,4ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ化合物が挙げられ、光重合開始剤として
1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−
1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、4−ジフェノキシジクロロアセトフェノン、ジエト
キシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン
等のアセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾ
イル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒ
ドロキシベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メ
トキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物が挙
げられる。使用については、単独でも二種類以上の混合
物でも差し支えない。また、使用量は、ポリスクシンイ
ミド誘導体(I)とイソシアネート(II)を反応させた
生成物(A)100重量部に対して重合開始剤は、0.
1〜10重量部が望ましい。0.1重量部未満では、添
加量が少なすぎるため未架橋部分が残り、10重量部を
越えると架橋反応が効率よく進行せず好ましくない。
【0016】(架橋反応)架橋反応は、特に限定され
ず、溶媒の存在下或いは、不存在下で行うことができ
る。反応温度は、好ましくは0℃以上300℃未満であ
り、更に好ましくは、5℃以上200℃未満の範囲であ
る。0℃未満では、反応が容易に進行せず、300℃以
上では、副反応が進行しやすくなり収率が大幅に低下す
る。反応時間は、好ましくは1秒〜30日、更に好まし
くは、10秒〜20日である。溶媒を使用する場合は、
ポリスクシンイミド誘導体(I)とエチレン性不飽和結
合を有するイソシアネート(II)との反応生成物を溶解
する溶媒が好ましく、具体的には、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン等の
非プロトン性極性溶媒が挙げられる。使用する溶媒量
は、好ましくは、ポリマー100重量部に対して、10
〜10000重量部、更に好ましくは、20〜5000
重量部である。なお、反応は回分方式又は連続方式いず
れも用いることができる。生成物は、常法により単離で
き、例えば、溶媒を留去する方法、ポリマーに対しての
貧溶媒で晶析する方法等が挙げられる。
【0017】(2)ポリアスパラギン酸誘導体の架橋体 (加水分解)ポリスクシンイミド架橋体を加水分解する
ことにより、ポリアスパラギン酸誘導体の架橋体が製造
できるが、該加水分解は、常法に従って行うことができ
る。代表的な例としては、J.Am.Chem.So
c.,80,3361(1958)、J.Org.Ch
em.,26,1084(1961)、米国特許第5,
221,733号明細書、米国特許第5,288,78
3号明細書、特開昭60−203636号公報等に準じ
て行えばよい。好ましい一態様では、上記反応生成物1
00重量部に対して50〜1000重量部の水を加え、
更に上記イミド環に対し等モル〜3倍モルとなる量のア
ルカリ金属水酸化物を加えて、0〜50℃で10分〜8
時間反応させる。これによりイミド環の殆どが開環す
る。このようにして得られるポリアスパラギン酸架橋体
は、ポリアスパラギン酸架橋体のアルカリ金属塩である
が、本発明にいうポリアスパラギン酸架橋体とはこれを
も含むものである。このアルカリ金属塩型のポリアスパ
ラギン酸架橋体に酸を作用させると遊離型のポリアスパ
ラギン酸を得ることができる。酸の使用量を加減するこ
とにより、ポリアスパラギン酸架橋体のカルボン酸基の
遊離型と塩型との比率を任意に調節できる。
【0018】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。 1)平均重合度及びイソシアネート導入率: 1H−NM
R(ジメチルスルホキシド−d6溶媒)の測定より求め
た。具体的には、末端に導入された環状無水物のプロト
ンシグナルの積分値と主鎖のプロトンシグナルの積分値
の比率より平均重合度を算出し、また、イソシアネート
の導入率は、環状無水物のプロトンシグナルの積分値と
エチレン性不飽和結合を有するイソシアネート化合物由
来のプロトンシグナルの積分値の比率より求めた。
【0019】2)吸水能:JIS K−7223に準拠
して測定した。具体的には、ポリアスパラギン酸架橋体
0.2gをナイロンネット(250メッシュ)で作製し
たティーバッグ状の袋(200mm×100mm)に入
れ、過剰の蒸留水又は生理食塩水に浸漬して該架橋体を
30分間膨潤させた後、ティーバッグを引き上げて15
分間水切りを行い、重量を測定した。同様の操作をティ
ーバッグのみで行った場合の重量をブランクとして、経
時的に測定を行い、吸収後の重量からブランクの重量及
び乾燥架橋体重量を減じた値が一定になったときの値
を、該架橋体の重量で除した値を吸水量(g/樹脂1
g)とした。
【0020】実施例1 冷却器、温度計、攪拌器及び水分離器を備えた500m
Lの四口フラスコ内に、アスパラギン酸50g、無水フ
タル酸8.65g、85%リン酸3.4mL、メシチレ
ン144mL及びスルホラン16mLを仕込んだ。続い
て常圧下、メシチレンの還流下(162℃)に4時間保
ち重縮合反応を遂行した。この間に生成した水はメシチ
レンと共に系外へ留去せしめた。反応終了後、メシチレ
ンを減圧留去し、反応混合物を純水1Lに滴下すること
により晶析を行った。更に得られた固体をN,N−ジメ
チルホルムアミドに溶解させ過剰のメタノールに滴下す
ることにより再沈殿を行った。生成物を80℃で24時
間で乾燥し黄白色の粉末31.2g(収率78%)を得
た。生成物の平均重合度は、25であった。続いて攪拌
子を備えた25mLのナスフラスコ内に得られた生成物
10g及び乾燥したN,N−ジメチルホルムアミド50
mLを仕込み、その後窒素下で2−(メタクリルオキ
シ)エチルイソシアネート3.8gを加え、室温で12
時間攪拌を行った。反応終了後、反応混合物をメタノー
ル300mLに滴下することにより晶析を行った。更に
得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解さ
せ過剰のメタノールに滴下することにより再沈殿を行っ
た。生成物を50℃で24時間で乾燥し黄白色の粉末
9.0g(収率80%)を得た。イソシアネート導入率
は、87%であった。続いて攪拌子を備えた25mLの
ナスフラスコ内に得られた生成物5.0g及び乾燥した
N,N−ジメチルホルムアミド7.5mLを仕込み、そ
の後窒素下でエチレングリコールジメタクリレート10
μL、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル50mg
を加え60℃で12時間架橋反応を行った。反応の進行
と共に粘度上昇が起こり12時間後には攪拌困難な膨潤
ゲルが得られた。架橋反応終了後、反応混合物をメタノ
ール50mLに滴下することにより晶析し、固体を50
℃で24時間で乾燥することにより黄白色の粉末1.0
g(収率99%)を得た。続いて攪拌子を備えた25m
Lのナスフラスコ内に3%の水酸化ナトリウム水溶液2
0mLを仕込み、その後得られた生成物1.0gを氷冷
下に加え60分間加水分解反応を行った。固体の溶解と
共に粘度上昇が起こり、60分後には攪拌困難な膨潤ゲ
ルが得られた。加水分解反応終了後、反応混合物をメタ
ノール100mLに滴下することにより晶析し、得られ
た固体を50℃で24時間で乾燥することにより白色の
粉末1.4g(収率99%)を得た。なお、この粉体の
吸水能は、62g/gであった。
【0021】実施例2 実施例1で無水フタル酸を3.33gに変えた以外、同
様に反応を行った。重縮合反応の収率は、91%、平均
重合度は、43.5であり、イソシアネートとの反応収
率は80%、イソシアネート導入率92%、架橋反応収
率92%、加水分解収率97%であった。また、吸水能
は、30g/gであった。 実施例3 実施例1でエチレングリコールジメタクリレートを無水
メタクリル酸10μLに変えた以外、同様に反応を行っ
た。架橋反応の収率は90%、加水分解の収率は98%
であった。また、吸水能は、20g/gであった。
【0022】実施例4 実施例1で無水フタル酸を無水マレイン酸3.73gに
変えた以外、同様に反応を行った。重縮合反応の収率
は、71%、平均重合度は、25であり、イソシアネー
トとの反応収率は75%、イソシアネート導入率94
%、架橋反応収率89%、加水分解収率92%であっ
た。また、吸水能は、55g/gであった。 実施例5 実施例1で無水フタル酸を無水コハク酸3.80gに変
えた以外、同様に反応を行った。重縮合反応の収率は、
87%、平均重合度は、28であり、イソシアネートと
の反応収率は81%、イソシアネート導入率93%、架
橋反応収率99%、加水分解収率99%であった。ま
た、吸水能は、60g/gであった。
【0023】
【発明の効果】本発明による新規吸水性樹脂は、優れた
吸水能及び加水分解性能を有する。また、本発明の製造
方法によれば、このような優れた特性を有する吸水性樹
脂を容易に製造することができる。本発明による吸水性
樹脂は、高い実用的吸水能を有するので、使い捨ての衛
材や家庭用品、止水材、土壌改良剤、結露防止材として
広く使用することができ、また、各種高分子エマルジョ
ン、ラテックス等の増粘剤としても使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA55 AB03 AB10 AC40 AC44 AC62 AE08 GA05 4J027 AC03 AC04 AC06 AD05 BA17 BA19 BA20 BA26 BA28 CB04 CB09 CB10 4J043 PA15 QB06 QB15 QB21 RA34 SA05 SA62 TA12 TA21 TA53 TB03 UA122 VA092 XB07 YB02 ZA04 ZB60

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスパラギン酸及び環状酸無水物を重縮
    合させて得られるポリスクシンイミド誘導体(I)とエ
    チレン性不飽和結合を有するイソシアネート(II)との
    反応生成物(A)を重合開始剤(C)の存在下、エチレ
    ン性不飽和結合を二個以上有する化合物(B)と架橋反
    応させて得られるポリスクシンイミド誘導体の架橋体。
  2. 【請求項2】 前記化合物(B)が前記反応生成物
    (A)100重量部に対して0.01〜50重量部であ
    る請求項1に記載のポリスクシンイミド誘導体の架橋
    体。
  3. 【請求項3】 前記ポリスクシンイミド誘導体(I)の
    平均重合度が5〜1000である請求項1又は2に記載
    のポリスクシンイミド誘導体の架橋体。
  4. 【請求項4】 アスパラギン酸及び環状酸無水物を重縮
    合させて得られるポリスクシンイミド誘導体(I)とエ
    チレン性不飽和結合を有するイソシアネート(II)との
    反応生成物(A)を重合開始剤(C)の存在下、エチレ
    ン性不飽和結合を二個以上有する化合物(B)と架橋反
    応させることを特徴とするポリスクシンイミド誘導体の
    架橋体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記重縮合反応を酸触媒の存在下、芳香
    族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エ
    ステル類及び非プロトン性極性溶媒類から選ばれる、沸
    点が100℃以上の溶媒中で行う請求項4に記載のポリ
    スクシンイミド誘導体の架橋体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リスクシンイミド誘導体の架橋体を加水分解して得られ
    るポリアスパラギン酸誘導体の架橋体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リスクシンイミド誘導体の架橋体を加水分解することを
    特徴とするポリアスパラギン酸誘導体の架橋体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記加水分解反応をアルカリ金属化合物
    の存在下で行う請求項7に記載のポリアスパラギン酸誘
    導体の架橋体の製造方法。
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