JP3456061B2 - ポリスクシンイミドの製造方法 - Google Patents
ポリスクシンイミドの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリスクシンイミド及
びそれらの共重合体を製造する方法に関する。ポリスク
シンイミド類は、加水分解されて対応するポリアミノ酸
を生成し、肥料、スケール抑制剤、洗浄剤、保湿剤、顔
料及び鉱物分散剤、ならびにボイラー及び冷却塔用の水
添加剤等として有用である。 【0002】 【従来の技術】ポリスクシンイミドの工業的な合成法と
しては、米国特許第5,116,513号明細書、同第
5,219,986号明細書、同第5,315,010
号明細書または特開平6−206937号公報等に開示
されている。これらの製造法は、アスパラギン酸または
マレアミド酸を180℃以上の高温下に、流動床型乾燥
装置、回転棚式乾燥装置、あるいはプレートドライヤー
等を用いて固相で反応させる方法である。また、特開平
6−248075号公報では、無水マレイン酸誘導体か
ら、押し出し機中で、特に120〜200℃の温度でポ
リスクシンイミドを製造する方法を開示している。 【0003】しかしながら、これらの方法によるポリス
クシンイミドは、転化率が低いか、もしくは高温での長
い加工時間を必要としており、さらには比較的低分子量
であるため、ポリマーとしての性能を発揮するには不充
分である。また、触媒を用いて重合する場合、反応物の
凝集固化が起こり、装置を定常的に運転できない等の問
題点がる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な従来技術の問題点を解決した、ポリスクシンイミドの
工業的製造方法の提供を目的としてなされたものであ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、アスパラギン酸を重縮
合反応させる際に、適当な混練機を用いれば、ポリスク
シンイミドを工業的に効率良く製造し得ることを見い出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、アス
パラギン酸を重縮合反応させてポリスクシンミドを製造
する方法において、連続押出混練機を使用することを特
徴とするポリスクシンイミドの製造方法を提供するもの
である。 【0006】以下に本発明の方法を詳述する。 (アスパラギン酸)本発明の方法において、アスパラギ
ン酸としては、L−、D−及びDL−アスパラギン酸を
使用することができる。また、アスパラギン酸以外に、
50mol%を超えない範囲で共重合可能な他のモノマ
ーを用いることもできる。共重合可能なモノマーとして
特に制限はないが、例えば、a)アスパラギン酸塩;
b)グルタミン酸及びその塩;c)アラニン、ロイシ
ン、リジン等のa)、b)以外のアミノ酸;d)グリコ
ール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酢酸等のヒドロキシカル
ボン酸;e)2−ヒドロキシエタノール、マレイン酸、
アニリン等のアミノ基およびカルボン酸と反応し得る官
能基を一個以上有する化合物等が挙げられる。 【0007】(触媒)本発明の方法は、触媒の存在下又
は無触媒で行うことができ、触媒の存在下で行うことが
好ましい。使用し得る触媒としては、酸触媒が好まし
く、具体的には、塩酸、硫酸、無水硫酸等の鉱酸類;リ
ン酸、ポリリン酸、メタリン酸、縮合リン酸および無水
リン酸等のリン酸類;p−トルエンスルホン酸、トリク
ロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸および
トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸類が好まし
い。これらの中で、高収率でポリマーが得られやすいと
いう点でリン酸類触媒が特に好ましい。 【0008】酸触媒を用いる場合、その使用量は、アス
パラギン酸1molに対し、通常は0.001〜0.3
mol、好ましくは0.01〜0.025mol、特に
好ましくは0.01〜0.2molの範囲で使用され
る。酸触媒の使用量が0.001mol未満であると重
縮合反応の速度向上としての効果が減少する。また、
0.3molを超えると、重合時に反応物が固化した状
態となり、攪拌に大きな負担がかかる。 【0009】(触媒の分散法)本発明における重縮合反
応を酸触媒の存在下で行う場合、アスパラギン酸と酸触
媒とが均質な状態になっていることが好ましい。ここで
均質な状態とは、アスパラギン酸と酸触媒の混合物が見
かけ状粒度の揃った状態にあり、酸触媒がアスパラギン
酸に部分的に混合された凝集体を含まない状態を意味す
る。 【0010】均質な状態に混合せずに重縮合反応を行う
と、一部溶融固化、分子量の低下及び反応終了後の残存
アスパラギン酸の増大を生じる。混合方法としては、溶
媒を使用する湿式混合方法及び機器を使用する乾式混合
方法が挙げられる。混合温度としては0〜95℃、好ま
しくは室温〜80℃、混合時間としては0.5〜600
分、好ましくは1〜300分の範囲内で混合される。 【0011】湿式混合方法を用いる場合、使用し得る溶
媒としては、重縮合反応に影響を及ぼさないものであれ
ば特に制限はなく、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソプロピル等のエステル類;アセトン、エチ
ルメチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。溶媒
の使用量としては、アスパラギン酸100重量部に対し
て、通常10〜500重量部、好ましくは20〜100
重量部の範囲内である。これらの溶媒は混合終了後留去
する必要があるので、沸点が150℃以下、また反応系
に触媒を均一に分散できるよう、触媒が溶解する溶媒を
用いるのが好ましい。 【0012】乾式混合方法を用いる場合、アスパラギン
酸に酸触媒を添加した後機器を用いて混合する。アスパ
ラギン酸への酸触媒の添加方法は特に制限はなく、一度
に添加しても、少量ずつ逐次添加しても、噴霧してもよ
い。使用できる機器としては、撹拌機、混練機および捏
和機が好ましく、一般的なミル、ミキサー、ブレンダー
及びニーダー等が用いられ、大型機器の具体例として、
例えば、神鋼パンテック(株)社製「SV−ミキサ
ー」、「コニカルドライヤー」、大川原製作所(株)社
製「MZ−プロッセッサー」、(株)奈良機械製作所社
製「パドルドライヤー」、(株)栗本鐵工所社製「SC
プロッセッサー」、「加圧ニーダー」及び(株)カワタ
社製「スーパーミキサー」等のヘンシェルミキサー等が
用いられる。 【0013】(連続押出混練機)本発明で使用する連続
押出混練機は、主に、バレル、パドル、スクリュウ及び
シャフトから構成される連続タイプであれば通常の装置
をそのまま用いることができる。スクリュウ及びパドル
の断面形状については特に制限はないが、凸レンズ型ま
たは擬三角形型のものが好ましい。また、パドルはフラ
ットパドル、ヘリカルパドル及び逆ヘリカルパドルから
選ばれたものが好ましい。更に、非常に短時間に、処理
物に均一分散、流動、撹拌、圧縮、引延ばし、せん断及
び粉砕作用を実施できる二軸の連続押出混練機が好まし
い。二軸の連続押出混練機においては、二軸の回転方向
は、同方向及び異方向とも可能であり、セルフクリーニ
ング機能、即ち、一方のパドルの先端が他方のパドルの
側面をクリーニングする機能を有することが好ましく、
その際のデッドスペース(セルフクリーニングできない
空間)は少なければ少ないほどよい。 【0014】連続押出混練機のL/D(Lはシャフトの
長さ、Dはパドルの回転直径)は、1〜100の範囲
内、好ましくは、1〜50の範囲内、特に好ましくは1
〜20の範囲内である。具体的には、例えば、日本製鋼
所(株)社製「TEX」、「CMP」;東芝機械(株)
社製「TEM」;神戸製鋼所(株)社製「FCM」、
「NCM」、「LCM」及び(株)栗本鐵工所社製「K
RCニーダー」等が挙げられる。これらの中で、より滞
留時間を取れるという点で(株)栗本鐵工所社製「KR
Cニーダー」が好ましい。 【0015】(重縮合反応)本発明における重縮合反応
は、前記混合物を連続押出混練機を用いて、加熱下、通
常100〜350℃、好ましくは150〜300℃の範
囲内で、平均滞留時間が0.5〜600分、好ましくは
1〜360分、さらに好ましくは1〜180分の範囲内
で攪拌または混練しながら固相で反応させる。反応は常
圧で行っても良いが、反応時間を短縮させるといった観
点から、減圧下で行うのが好ましい。 【0016】反応温度が100℃未満および平均滞留時
間が0.5分未満であると、反応の進行が困難になる。
また、350℃を超える反応温度、600分を超える平
均滞留時間で反応を行うと、分解生成物を生じたり、反
応時間が長くなる。なお、この重合反応は常圧の場合不
活性気流下で行うのが好ましく、使用される不活性ガス
としては、窒素、アルゴン等特に制限はない。 【0017】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。 【0018】 【実施例】本発明により得られたポリスクシンイミドの
分析は下記の測定方法で行った。 1)重量平均分子量 東ソー(株)社製TSKgelGMHHR−M+TSK
gelG2000HHRカラム、および溶離液として1
0mMLiBrを添加したジメチルホルムアミドを用い
たゲルパーミエーションクロマトグラフ(示差屈折計)
により得られたポリスチレン換算値である。 【0019】2)ポリマーへの転化率 反応生成物のアスパラギン酸含有率を液体クロマトグラ
フによって測定し、下記式により転化率を計算した。 【数1】転化率(%)=100−反応生成物のアスパラ
ギン酸含有率 【0020】実施例1 窒素ガス雰囲気下、L−アスパラギン酸(5.0kg)
と85%リン酸(500g)とを「スーパーミキサー」
((株)カワタ社製)で5分間混合し、触媒を分散させ
た。重縮合反応は、(株)栗本鐵工所社製「KRCニー
ダー」(50φx661.5L、L/D 13.2)を
用い以下の通り行った。 【0021】熱媒を260℃、スクリュウの回転数を3
0rpmに設定し、吐出量が1kg/h(平均滞留時間
16分)になるように上記で得られたアスパラギン酸と
リン酸の混合物を供給し重縮合を行い、褐色の粉末を得
た。このポリスクシンイミドの重量平均分子量は17,
000、ポリマーへの転化率は99.9%以上であっ
た。 【0022】実施例2 熱媒の温度を230℃設定に変更した以外は実施例1と
同様の操作を行い、褐色の粉末を得た。得られたポリス
クシンイミドの重量平均分子量は16,500、ポリマ
ーへの転化率は85.2%であった。 【0023】実施例3 85%リン酸を250gに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行い、褐色の粉末を得た。得られたポリスク
シンイミドの重量平均分子量は15,000、ポリマー
への転化率は99.2%であった。 【0024】実施例4 重縮合時のスクリューの回転数を120rpm(平均滞
留時間16分)に変更した以外は実施例1と同様の操作
を行い、褐色の粉末を得た。得られたポリスクシンイミ
ドの重量平均分子量は17,500、ポリマーへの転化
率は99.9%以上であった。 【0025】実施例5 85%リン酸を100gに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行い、褐色の粉末を得た。得られたポリスク
シンイミドの重量平均分子量は15,000、ポリマー
への転化率は98.9%であった。 【0026】比較例1 マレイン酸モノアミド(mp.166℃)5kgをモノ
マーとして実施例1と同様に操作を行い褐色の粉末を得
た。得られたポリスクシンイミドの重量平均分子量は
3,500、ポリマーへの転化率は60%であった。 【0027】比較例2 冷却器、温度計、窒素導入管、及びいかり型攪拌機を備
えた四つ口セパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、L−
アスパラギン酸100gとアセトン50mlに溶解した
リン酸10gとを仕込み、室温で1時間攪拌した。その
後、80℃に昇温し、アセトンが実質的になくなるまで
留去した。マントルヒーターを240℃に設定し、重縮
合反応を開始した。内温が160℃付近で水の生成が確
認されたが、これから15分後、反応物は、硬い固形分
を生成して攪拌できなくなった。この時点で生成された
ポリマーの分子量は6,700、転化率は31.9%で
あった。
びそれらの共重合体を製造する方法に関する。ポリスク
シンイミド類は、加水分解されて対応するポリアミノ酸
を生成し、肥料、スケール抑制剤、洗浄剤、保湿剤、顔
料及び鉱物分散剤、ならびにボイラー及び冷却塔用の水
添加剤等として有用である。 【0002】 【従来の技術】ポリスクシンイミドの工業的な合成法と
しては、米国特許第5,116,513号明細書、同第
5,219,986号明細書、同第5,315,010
号明細書または特開平6−206937号公報等に開示
されている。これらの製造法は、アスパラギン酸または
マレアミド酸を180℃以上の高温下に、流動床型乾燥
装置、回転棚式乾燥装置、あるいはプレートドライヤー
等を用いて固相で反応させる方法である。また、特開平
6−248075号公報では、無水マレイン酸誘導体か
ら、押し出し機中で、特に120〜200℃の温度でポ
リスクシンイミドを製造する方法を開示している。 【0003】しかしながら、これらの方法によるポリス
クシンイミドは、転化率が低いか、もしくは高温での長
い加工時間を必要としており、さらには比較的低分子量
であるため、ポリマーとしての性能を発揮するには不充
分である。また、触媒を用いて重合する場合、反応物の
凝集固化が起こり、装置を定常的に運転できない等の問
題点がる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な従来技術の問題点を解決した、ポリスクシンイミドの
工業的製造方法の提供を目的としてなされたものであ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、アスパラギン酸を重縮
合反応させる際に、適当な混練機を用いれば、ポリスク
シンイミドを工業的に効率良く製造し得ることを見い出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、アス
パラギン酸を重縮合反応させてポリスクシンミドを製造
する方法において、連続押出混練機を使用することを特
徴とするポリスクシンイミドの製造方法を提供するもの
である。 【0006】以下に本発明の方法を詳述する。 (アスパラギン酸)本発明の方法において、アスパラギ
ン酸としては、L−、D−及びDL−アスパラギン酸を
使用することができる。また、アスパラギン酸以外に、
50mol%を超えない範囲で共重合可能な他のモノマ
ーを用いることもできる。共重合可能なモノマーとして
特に制限はないが、例えば、a)アスパラギン酸塩;
b)グルタミン酸及びその塩;c)アラニン、ロイシ
ン、リジン等のa)、b)以外のアミノ酸;d)グリコ
ール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酢酸等のヒドロキシカル
ボン酸;e)2−ヒドロキシエタノール、マレイン酸、
アニリン等のアミノ基およびカルボン酸と反応し得る官
能基を一個以上有する化合物等が挙げられる。 【0007】(触媒)本発明の方法は、触媒の存在下又
は無触媒で行うことができ、触媒の存在下で行うことが
好ましい。使用し得る触媒としては、酸触媒が好まし
く、具体的には、塩酸、硫酸、無水硫酸等の鉱酸類;リ
ン酸、ポリリン酸、メタリン酸、縮合リン酸および無水
リン酸等のリン酸類;p−トルエンスルホン酸、トリク
ロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸および
トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸類が好まし
い。これらの中で、高収率でポリマーが得られやすいと
いう点でリン酸類触媒が特に好ましい。 【0008】酸触媒を用いる場合、その使用量は、アス
パラギン酸1molに対し、通常は0.001〜0.3
mol、好ましくは0.01〜0.025mol、特に
好ましくは0.01〜0.2molの範囲で使用され
る。酸触媒の使用量が0.001mol未満であると重
縮合反応の速度向上としての効果が減少する。また、
0.3molを超えると、重合時に反応物が固化した状
態となり、攪拌に大きな負担がかかる。 【0009】(触媒の分散法)本発明における重縮合反
応を酸触媒の存在下で行う場合、アスパラギン酸と酸触
媒とが均質な状態になっていることが好ましい。ここで
均質な状態とは、アスパラギン酸と酸触媒の混合物が見
かけ状粒度の揃った状態にあり、酸触媒がアスパラギン
酸に部分的に混合された凝集体を含まない状態を意味す
る。 【0010】均質な状態に混合せずに重縮合反応を行う
と、一部溶融固化、分子量の低下及び反応終了後の残存
アスパラギン酸の増大を生じる。混合方法としては、溶
媒を使用する湿式混合方法及び機器を使用する乾式混合
方法が挙げられる。混合温度としては0〜95℃、好ま
しくは室温〜80℃、混合時間としては0.5〜600
分、好ましくは1〜300分の範囲内で混合される。 【0011】湿式混合方法を用いる場合、使用し得る溶
媒としては、重縮合反応に影響を及ぼさないものであれ
ば特に制限はなく、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソプロピル等のエステル類;アセトン、エチ
ルメチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。溶媒
の使用量としては、アスパラギン酸100重量部に対し
て、通常10〜500重量部、好ましくは20〜100
重量部の範囲内である。これらの溶媒は混合終了後留去
する必要があるので、沸点が150℃以下、また反応系
に触媒を均一に分散できるよう、触媒が溶解する溶媒を
用いるのが好ましい。 【0012】乾式混合方法を用いる場合、アスパラギン
酸に酸触媒を添加した後機器を用いて混合する。アスパ
ラギン酸への酸触媒の添加方法は特に制限はなく、一度
に添加しても、少量ずつ逐次添加しても、噴霧してもよ
い。使用できる機器としては、撹拌機、混練機および捏
和機が好ましく、一般的なミル、ミキサー、ブレンダー
及びニーダー等が用いられ、大型機器の具体例として、
例えば、神鋼パンテック(株)社製「SV−ミキサ
ー」、「コニカルドライヤー」、大川原製作所(株)社
製「MZ−プロッセッサー」、(株)奈良機械製作所社
製「パドルドライヤー」、(株)栗本鐵工所社製「SC
プロッセッサー」、「加圧ニーダー」及び(株)カワタ
社製「スーパーミキサー」等のヘンシェルミキサー等が
用いられる。 【0013】(連続押出混練機)本発明で使用する連続
押出混練機は、主に、バレル、パドル、スクリュウ及び
シャフトから構成される連続タイプであれば通常の装置
をそのまま用いることができる。スクリュウ及びパドル
の断面形状については特に制限はないが、凸レンズ型ま
たは擬三角形型のものが好ましい。また、パドルはフラ
ットパドル、ヘリカルパドル及び逆ヘリカルパドルから
選ばれたものが好ましい。更に、非常に短時間に、処理
物に均一分散、流動、撹拌、圧縮、引延ばし、せん断及
び粉砕作用を実施できる二軸の連続押出混練機が好まし
い。二軸の連続押出混練機においては、二軸の回転方向
は、同方向及び異方向とも可能であり、セルフクリーニ
ング機能、即ち、一方のパドルの先端が他方のパドルの
側面をクリーニングする機能を有することが好ましく、
その際のデッドスペース(セルフクリーニングできない
空間)は少なければ少ないほどよい。 【0014】連続押出混練機のL/D(Lはシャフトの
長さ、Dはパドルの回転直径)は、1〜100の範囲
内、好ましくは、1〜50の範囲内、特に好ましくは1
〜20の範囲内である。具体的には、例えば、日本製鋼
所(株)社製「TEX」、「CMP」;東芝機械(株)
社製「TEM」;神戸製鋼所(株)社製「FCM」、
「NCM」、「LCM」及び(株)栗本鐵工所社製「K
RCニーダー」等が挙げられる。これらの中で、より滞
留時間を取れるという点で(株)栗本鐵工所社製「KR
Cニーダー」が好ましい。 【0015】(重縮合反応)本発明における重縮合反応
は、前記混合物を連続押出混練機を用いて、加熱下、通
常100〜350℃、好ましくは150〜300℃の範
囲内で、平均滞留時間が0.5〜600分、好ましくは
1〜360分、さらに好ましくは1〜180分の範囲内
で攪拌または混練しながら固相で反応させる。反応は常
圧で行っても良いが、反応時間を短縮させるといった観
点から、減圧下で行うのが好ましい。 【0016】反応温度が100℃未満および平均滞留時
間が0.5分未満であると、反応の進行が困難になる。
また、350℃を超える反応温度、600分を超える平
均滞留時間で反応を行うと、分解生成物を生じたり、反
応時間が長くなる。なお、この重合反応は常圧の場合不
活性気流下で行うのが好ましく、使用される不活性ガス
としては、窒素、アルゴン等特に制限はない。 【0017】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。 【0018】 【実施例】本発明により得られたポリスクシンイミドの
分析は下記の測定方法で行った。 1)重量平均分子量 東ソー(株)社製TSKgelGMHHR−M+TSK
gelG2000HHRカラム、および溶離液として1
0mMLiBrを添加したジメチルホルムアミドを用い
たゲルパーミエーションクロマトグラフ(示差屈折計)
により得られたポリスチレン換算値である。 【0019】2)ポリマーへの転化率 反応生成物のアスパラギン酸含有率を液体クロマトグラ
フによって測定し、下記式により転化率を計算した。 【数1】転化率(%)=100−反応生成物のアスパラ
ギン酸含有率 【0020】実施例1 窒素ガス雰囲気下、L−アスパラギン酸(5.0kg)
と85%リン酸(500g)とを「スーパーミキサー」
((株)カワタ社製)で5分間混合し、触媒を分散させ
た。重縮合反応は、(株)栗本鐵工所社製「KRCニー
ダー」(50φx661.5L、L/D 13.2)を
用い以下の通り行った。 【0021】熱媒を260℃、スクリュウの回転数を3
0rpmに設定し、吐出量が1kg/h(平均滞留時間
16分)になるように上記で得られたアスパラギン酸と
リン酸の混合物を供給し重縮合を行い、褐色の粉末を得
た。このポリスクシンイミドの重量平均分子量は17,
000、ポリマーへの転化率は99.9%以上であっ
た。 【0022】実施例2 熱媒の温度を230℃設定に変更した以外は実施例1と
同様の操作を行い、褐色の粉末を得た。得られたポリス
クシンイミドの重量平均分子量は16,500、ポリマ
ーへの転化率は85.2%であった。 【0023】実施例3 85%リン酸を250gに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行い、褐色の粉末を得た。得られたポリスク
シンイミドの重量平均分子量は15,000、ポリマー
への転化率は99.2%であった。 【0024】実施例4 重縮合時のスクリューの回転数を120rpm(平均滞
留時間16分)に変更した以外は実施例1と同様の操作
を行い、褐色の粉末を得た。得られたポリスクシンイミ
ドの重量平均分子量は17,500、ポリマーへの転化
率は99.9%以上であった。 【0025】実施例5 85%リン酸を100gに変更した以外は実施例1と同
様の操作を行い、褐色の粉末を得た。得られたポリスク
シンイミドの重量平均分子量は15,000、ポリマー
への転化率は98.9%であった。 【0026】比較例1 マレイン酸モノアミド(mp.166℃)5kgをモノ
マーとして実施例1と同様に操作を行い褐色の粉末を得
た。得られたポリスクシンイミドの重量平均分子量は
3,500、ポリマーへの転化率は60%であった。 【0027】比較例2 冷却器、温度計、窒素導入管、及びいかり型攪拌機を備
えた四つ口セパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、L−
アスパラギン酸100gとアセトン50mlに溶解した
リン酸10gとを仕込み、室温で1時間攪拌した。その
後、80℃に昇温し、アセトンが実質的になくなるまで
留去した。マントルヒーターを240℃に設定し、重縮
合反応を開始した。内温が160℃付近で水の生成が確
認されたが、これから15分後、反応物は、硬い固形分
を生成して攪拌できなくなった。この時点で生成された
ポリマーの分子量は6,700、転化率は31.9%で
あった。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平8−143679(JP,A)
特表 平10−504335(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08G 73/00 - 73/26
C08G 69/00 - 69/50
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 アスパラギン酸を重縮合反応させてポリ
スクシンイミドを製造する方法において、連続押出混練
機を使用し、酸触媒の存在下で重縮合反応を行うことを
特徴とするポリスクシンイミドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18713195A JP3456061B2 (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | ポリスクシンイミドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18713195A JP3456061B2 (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | ポリスクシンイミドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931197A JPH0931197A (ja) | 1997-02-04 |
JP3456061B2 true JP3456061B2 (ja) | 2003-10-14 |
Family
ID=16200673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18713195A Expired - Fee Related JP3456061B2 (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | ポリスクシンイミドの製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3456061B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69907378T2 (de) * | 1998-11-24 | 2004-04-01 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Verfahren zum Herstellen und zum Giessen eines Polysuccinimid-Polymers oder -Copolymers |
FI112796B (fi) * | 2000-04-14 | 2004-01-15 | Valtion Teknillinen | Menetelmä oligo-/polymeripihkahappoaimididendrimeerien valmistamiseksi ja niiden käyttö |
-
1995
- 1995-07-24 JP JP18713195A patent/JP3456061B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0931197A (ja) | 1997-02-04 |
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