JP2000239271A - 1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の製造方法 - Google Patents

1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の製造方法

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JP2000239271A
JP2000239271A JP11094324A JP9432499A JP2000239271A JP 2000239271 A JP2000239271 A JP 2000239271A JP 11094324 A JP11094324 A JP 11094324A JP 9432499 A JP9432499 A JP 9432499A JP 2000239271 A JP2000239271 A JP 2000239271A
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Mineko Horibe
峰子 堀部
Kaoru Suzuki
薫 鈴木
Hidefumi Ogura
英史 小倉
Nobuyuki Yamamoto
信之 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下記式(1) 【化1】 (式中、RはC1 〜C22の範囲内で飽和または不飽和の
直鎖、分岐鎖または環状炭化水素基、または式 −R1
(OR1n−OR2 においてR1 がC2 〜C4 のアルキ
レン基で同じでも異なっていてもよく、R2 がC1 〜C
22の範囲内のアルキル基であり、nが0以上の整数であ
るアルキルオキシアルキレン基)の1,3−ジオキソラ
ン−2−オン誘導体を高収率かつ安価に製造する。 【解決手段】 下記式(2) 【化2】 (式中、Rは前記と同じ)で表されるグリセリン−1−
エーテル誘導体を、塩基性触媒の存在下に炭酸ジメチル
と反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4−オキシメチル
−1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】1,3−ジオキソラン−2−オンの誘導
体、特に1,3−ジオキソラン−2−オンの4−オキシ
メチル誘導体は一般に下記式(3)の構造を有し、油剤
または溶剤として、また各種の医薬品、界面活性剤、機
能性材料などの中間体として有用である。
【0003】
【化3】
【0004】(式中、Rx は一般に置換基を表す) この化合物の製造方法として、例えば特開昭62−11
4985号公報は、下記式(4)のグリセリン−1−エ
ーテル誘導体を、炭酸ジエチル、クロロギ酸アルキル、
またはホスゲンと反応させ、前記式(3)の置換基Rx
がC1 〜C4 のアルキル基である1,3−ジオキソラン
−2−オン誘導体を得ている。
【0005】
【化4】
【0006】(式中、Rm はC1 〜C4 のアルキル基で
ある。)
【0007】また特開昭62−286987号公報は、
下記式(5)の反応に従って、オキシラン化合物とラク
トン化合物とを反応させ、前記式(3)の置換基Rx
水素またはC1 〜C10のアルキル基である1,3−ジオ
キソラン−2−オン誘導体を得ている。
【0008】
【化5】
【0009】(式中、Rn およびRp は水素またはC1
〜C10のアルキル基である。)
【0010】更に特公平7−94450号公報は、下記
式(6)の反応に従って、グリセリンをホスゲンまたは
炭酸ジエチルと反応させ、得られた4−ヒドロキシメチ
ル−1,3−ジオキソラン−2−オンをアルキル化し
て、前記式(3)の置換基RxがC1 〜C4 のアルキル
基である1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体を得て
いる。
【0011】
【化6】
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記の4−オキシメチ
ル−1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の製造方法
にはそれぞれ固有の問題があった。前記特開昭62−1
14985号公報の方法において、クロロギ酸アルキル
やホスゲンは環境上その他の問題があり実際上使用が困
難である。また炭酸ジエチルを使用する場合は、炭酸ジ
エチルの沸点が125.8℃と比較的高いので、過剰の
炭酸ジエチルを反応中の加熱により系外に留去すること
が困難であり、反応効率が下がり収率も低くなる。また
無理に反応温度を高くすると、着色などの問題が起こ
る。特開昭62−286987号公報の方法は、反応終
了後の副生物や触媒の除去に多くの手間を要する上に収
率も低い。また特公平7−94450号公報の方法で
は、アルキル化反応時に極性溶媒を用いることになるの
で後処理が煩雑になる。また前記特開昭62−1149
85号公報の方法と同様に炭酸ジエチルの除去が困難で
収率が低くなる。更にアルキル化反応時に炭酸エステル
部の環開裂などの副反応が起き目的物の収率が低下する
という問題もある。また、前記のいずれの方法も、前記
式(3)の置換基Rx がC11以上のアルキル基であるか
またはオキシアルキレン基を含む場合には適用できない
か、または適用しても収率が著しく低くなることがわか
った。本発明は、前記の課題を解決するためになされた
ものであって、従ってその目的は、前記式(3)の1,
3−ジオキソラン−2−オン誘導体であってその置換基
x が低級アルキル基のみならず、C11以上のアルキル
基であるかまたはオキシアルキレン基を含む場合であっ
ても、高収率かつ安価に製造することができる製造方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに本発明は、下記式(1)
【0014】
【化7】
【0015】(式中、RはC1 〜C22の範囲内で飽和ま
たは不飽和の直鎖、分岐鎖または環状炭化水素基、また
は式 −R1−(OR1n−OR2 においてR1 がC2
4 のアルキレン基で同じでも異なっていてもよく、R
2 がC1 〜C22の範囲内のアルキル基であり、nが0以
上の整数であるアルキルオキシアルキレン基)で表され
る1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体を製造するに
際して、下記式(2)
【0016】
【化8】
【0017】(式中、Rは前記と同じ)で表されるグリ
セリン−1−エーテル誘導体を、塩基性触媒の存在下に
炭酸ジメチルと反応させることを特徴とする1,3−ジ
オキソラン−2−オン誘導体の製造方法を提供する。
【0018】前記本発明の製造方法によれば、グリセリ
ン−1−エーテル誘導体の縮環剤として沸点が90.2
℃の炭酸ジメチルを用いるので、反応系内に炭酸ジメチ
ルが存在する間反応温度の上限が比較的低く保たれ、生
成物の分解反応が抑制されて収率が著しく向上する。ま
た前記Rが低級アルキル基のみならず、C11以上のアル
キル基であるかまたはオキシアルキレン基を含む場合で
あっても、高収率で目的とする1,3−ジオキソラン−
2−オン誘導体が製造できることがわかった。
【0019】前記において、式(2)で表されるグリセ
リン−1−エーテル誘導体に対して炭酸ジメチルは1モル
当量〜10モル当量の範囲内で用いることが好ましい。こ
れによって、炭酸ジメチル自体を反応溶媒として使用す
ることができ、他の溶媒を使用することによる煩雑な後
処理を省略することができる。炭酸ジメチルを反応溶媒
として使用する場合、その使用量はグリセリン−1−エ
ーテル誘導体に対して1モル当量未満では溶媒として反応
系に存在することができず、10モル当量を越えると、反
応後に過剰の炭酸ジメチルの除去に余分な熱エネルギー
と時間とを要することになる。この観点から、炭酸ジメ
チルの使用量はグリセリン−1−エーテル誘導体に対し
て1モル当量〜4モル当量の範囲内とすることがより好まし
い。
【0020】また前記において、反応温度は50℃〜1
80℃の範囲内とすることが好ましい。反応温度は50
℃未満では反応が進行し難く、180℃を越えると生成
物の着色が起こる。この観点から、反応温度は70℃〜
150℃の範囲内とすることがより好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。本発明の1,3−ジオキソラン−2−オン
誘導体の製造方法は下記反応式(7)で表すことができ
る。
【0022】
【化9】
【0023】すなわち、前記式(2)のグリセリン−1
−エーテル誘導体と炭酸ジメチルとが塩基性触媒の存在
下に縮環(縮合環化)することによって、目的とする前
記式(1)の1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体と
メタノールとを生成する。前記式(7)の反応は溶媒の
存在下に行うこともできるが、前記のように過剰の炭酸
ジメチルを溶媒として用いることがより好ましい。また
この場合の反応温度は、前記の温度範囲内で、最初は約
70℃〜約90℃の温度で反応を行い次いで副生するメ
タノールと溶媒として用いた過剰の炭酸ジメチルとを留
去しながら温度を約90℃から約120℃まで昇温して
反応を終了することが好ましい。
【0024】本発明の出発原料の一つであるグリセリン
−1−エーテル誘導体は前記式(2)の構造を有する化
合物であり、式中、置換基RはC1 〜C22の範囲内で飽
和または不飽和の直鎖、分岐鎖または環状炭化水素基、
または式 −R1−(OR1n−OR2 においてR1 がC
2 〜C4 のアルキレン基で同じでも異なっていてもよ
く、R2 がC1 〜C22の範囲内のアルキル基であり、n
が0以上の整数であるアルキルオキシアルキレン基であ
る。
【0025】置換基Rのうち好ましい炭化水素基の具体
例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ス
テアリル基、ベヘニル基、イソプロピル基、イソブチル
基、t−ブチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチル
ヘキシル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクチニル
基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセ
ニル基、ミリステニル基、ペンタデセニル基、パルミテ
ニル基、オレイル基、リノール基、リノレニル基、アラ
キジル基、および2−エチルヘキセニル基を挙げること
ができる。また置換基Rが式 −R1−(OR1n−OR
2 である場合、R1 はエチレン基またはプロピレン基で
あり、R2 は前掲の炭化水素基のいずれかであり、nは
0〜10の範囲内、更に好ましくは0〜5の範囲内の整
数であることが好ましい。前式 −R1−(OR1n−O
2 中で、R1 は同じでも異なっていてもよい。
【0026】前記の出発原料であるグリセリン−1−エ
ーテル誘導体(2)は、例えば下記の方法により製造す
ることができる。例えば下記式(8)
【0027】
【化10】
【0028】(式中、Rは前記と同じ)で表されるグリ
シジルエーテルを、酸触媒または塩基性触媒の存在下に
水と反応させる。この反応は通常、20℃〜150℃の
温度範囲内、好ましくは40℃〜100℃の温度範囲内
で行われる。またこの反応は溶媒の存在下に行うことも
できる。この場合の溶媒としては、t−ブタノール、
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)などの極性溶媒が好ましい。
【0029】前記のグリセリン−1−エーテル誘導体
(2)を製造する別の方法としては、グリセリンを、塩
基性触媒の存在下に、下記式(9)の化合物 X−R (9) (式中、Xはハロゲン原子または−OSO3Y(Yは塩
形成性陽イオン)であり、Rは前記と同じ)と反応させ
てもよい。この反応は通常、100℃〜250℃の温度
範囲内、好ましくは120℃〜200℃の温度範囲内で
行われる。またこの反応は溶媒の存在下に行うこともで
きる。この場合の溶媒としては、ジメチルイミダゾリジ
ノン(DMI)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、
ジメチルスルホキシド(DMSO)などの極性溶媒が好
ましい。グリセリンの使用量は、前記式(9)の化合物
に対して1モル当量〜100モル当量の範囲内、更に好まし
くは1モル当量〜20モル当量の範囲内とする。反応終了後
に過剰のグリセリンは液液抽出、結晶化、蒸留などによ
り除去することができ、これにより高純度のグリセリン
−1−エーテル誘導体(2)が得られる。
【0030】前記のグリセリン−1−エーテル誘導体
(2)を製造する更に別の方法としては、グリセリンと
低級アルキルケトンとを酸触媒の存在下に反応させて得
られる下記式(10)のグリセリンケタール
【0031】
【化11】
【0032】(式中、R3 およびR4 はメチル、エチ
ル、プロピルなどの低級アルキル基)を、前記式(9)
の化合物と反応させ、得られたジオキソラン化合物を加
溶媒分解する。この場合、式(10)のグリセリンケタ
ールと式(9)の化合物との反応は、グリセリンケター
ル(10)を化合物(9)に対して0.1モル当量〜10
モル当量の範囲内、更に好ましくは0.2モル当量〜1モル当
量の範囲内で用い、通常、100℃〜250℃の温度範
囲内、好ましくは120℃〜200℃の温度範囲内で行
う。反応時間は1時間〜20時間の範囲内が好適であ
る。また前記加溶媒分解は、溶媒として水、グリセリ
ン、メタノールなどのプロトン性溶媒を用い、酸触媒の
存在下に、20℃〜150℃の温度範囲内、760Torr
〜0.1Torrの圧力範囲内で1時間〜10時間行うこと
が好ましい。
【0033】本発明の製造方法において前記式(7)の
反応に用いる塩基性触媒は、前記縮環反応を促進するこ
とができるものであれば特に限定されないが、好ましい
例を挙げれば、例えば水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、金属ナトリウムなどのア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属から得られる塩基性
化合物などである。使用する塩基性触媒の量は、用いる
グリセリン−1−エーテル誘導体に対して0.0001
モル当量〜0.5モル当量の範囲内、特に0.001モル当量
〜0.1モル当量の範囲内とすることが好ましい。
【0034】式(7)の反応では、前記のように炭酸ジ
メチル自体を溶媒として用いることができるので、一般
には特に他の溶媒を必要としないが、例えば反応後の触
媒の濾過分離などに際して、生成物の粘度を下げるため
に他の溶媒を用いてもよい。この場合の溶媒の例として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素、ジクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素、ジブチルエーテル、アニソールなどのエーテル化合
物、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチルなどを
挙げることができる。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
する。以下の実施例は、いかなる観点からも本発明を限
定するものではない。 (実施例1)4−デシルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−
オンの製造 出発原料グリセリン−1−デシルエーテルの製造:30
0mlの四口フラスコにアセトン58.1g (1.0モル)
およびn−デシルグリシジルエーテル21.4g (0.
1モル)を加え、攪拌下に、濃硫酸0.52g (5.0モ
ル)を水18.0g (1.0モル)で希釈した溶液を20
分間かけて滴下した。還流下に2時間加熱した後、30
mmHg、40℃で過剰のアセトンを減圧留去した。次に3
0mmHg、60℃〜70℃で水を留去しながら、系内に生
成したジオキソランを加水分解した。この反応液を水酸
化ナトリウム水溶液で中和し、ジエチルエーテルで抽出
し、エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エー
テルを留去後、得られた白色固体をヘキサンを用いて再
結晶し、グリセリン−1−デシルエーテル24.3g を
得た。収率は95%であった。 4−デシルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−
オンの製造:前記のグリセリン−1−デシルエーテル2
2.0g (0.095モル)に、炭酸ジメチル25.6g
(0.28モル)と水酸化ナトリウム0.3g (0.00
75モル)とを加え、70℃に0.5時間保った後、副生
するメタノールと過剰の炭酸ジメチルとを留去しながら
温度を90℃から120℃まで徐々に昇温し、5時間反
応させた。この段階で反応系にメタノールと炭酸ジメチ
ルの存在は認められなかった。反応終了後、濾過して水
酸化ナトリウムを除去し、高純度の4−デシルオキシメ
チル−1,3−ジオキソラン−2−オン24.3g を得
た。収率は99%であった。
【0036】(実施例2)4−ドデシルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2
−オンの製造 グリセリン−1−ドデシルエーテル256.6g (0.
99モル)に、炭酸ジメチル266.5g (3.0モル)と
水酸化ナトリウム2.7g (0.067モル)とを加え、
70℃に0.5時間保った後、副生するメタノールと過
剰の炭酸ジメチルとを留去しながら温度を90℃から1
20℃まで徐々に昇温し、5時間反応させた。この段階
で反応系にメタノールと炭酸ジメチルの存在は認められ
なかった。反応終了後、濾過して水酸化ナトリウムを除
去し、高純度の4−ドデシルオキシメチル−1,3−ジ
オキソラン−2−オン279.5g を得た。収率は99
%であった。
【0037】(実施例3)4−メチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−
オンの製造 グリセリン−1−メチルエーテル95.5g (0.90
モル)に、炭酸ジメチル234.9g (2.6モル)と水酸
化ナトリウム2.5g (0.063モル)とを加え、70
℃に0.5時間保った後、副生するメタノールと過剰の
炭酸ジメチルとを留去しながら温度を90℃から120
℃まで徐々に昇温し、5時間反応させた。この段階で反
応系にメタノールと炭酸ジメチルの存在は認められなか
った。反応終了後、濾過して水酸化ナトリウムを除去
し、高純度の4−メチルオキシメチル−1,3−ジオキ
ソラン−2−オン117.6g を得た。収率は99%で
あった。
【0038】(実施例4)4−オレイルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2
−オンの製造 グリセリン−1−オレイルエーテル104.3g (0.
30モル)に、炭酸ジメチル78.3g (0.87モル)と
水酸化ナトリウム0.8g (0.02モル)とを加え、7
0℃に0.5時間保った後、副生するメタノールと過剰
の炭酸ジメチルとを留去しながら温度を90℃から12
0℃まで徐々に昇温し、5時間反応させた。この段階で
反応系にメタノールと炭酸ジメチルの存在は認められな
かった。反応終了後、濾過して水酸化ナトリウムを除去
し、高純度の4−オレイルオキシメチル−1,3−ジオ
キソラン−2−オン104.9g を得た。収率は95%
であった。
【0039】(実施例5)4−ペンチルオキシ(エトキシ)7メチル−1,3−ジ
オキソラン−2−オンの製造 グリセリン−1−ペンチル(オキシエチレン)7エーテ
ル 94.0g (0.19モル)に、炭酸ジメチル52.
2g (0.58モル)と水酸化ナトリウム0.6g(0.
015モル)とを加え、70℃に0.5時間保った後、副
生するメタノールと過剰の炭酸ジメチルとを留去しなが
ら温度を90℃から120℃まで徐々に昇温し、5時間
反応させた。この段階で反応系にメタノールと炭酸ジメ
チルの存在は認められなかった。反応終了後、濾過して
水酸化ナトリウムを除去し、高純度の4−ペンチルオキ
シ(エトキシ)7メチル−1,3−ジオキソラン−2−
オン94.2g を得た。収率は95%であった。
【0040】(比較例1)比較のため、実施例3の炭酸
ジメチルの代わりに炭酸ジエチルを用いた例を示す。4−メチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−
オンの製造 グリセリン−1−メチルエーテル95.5g (0.90
モル)に、炭酸ジエチル307.1g (2.6モル)と水酸
化ナトリウム2.5g (0.063モル)とを加え、70
℃に0.5時間保った後、副生するエタノールと過剰の
炭酸ジエチルとを留去しながら温度を120℃から15
0℃まで徐々に昇温し、5時間反応させた。反応終了
後、濾過して水酸化ナトリウムを除去し、4−メチルオ
キシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン77.2
g を得た。収率は65%であった。
【0041】前記実施例1〜5と比較例1の結果から明
らかなように、従来用いられていた炭酸ジエチルを炭酸
ジメチルに代えることによって、式(1)の置換基Rが
低級アルキル基である化合物の収率を大幅に向上できる
ばかりでなく、置換基RがC 11以上のアルキル基である
かまたはオキシアルキレン基を含む場合であっても、高
収率かつ容易に、式(1)の1,3−ジオキソラン−2
−オン誘導体を製造することができた。
【0042】
【発明の効果】本発明の1,3−ジオキソラン−2−オ
ン誘導体の製造方法は、式(2)に示すグリセリン−1
−エーテル誘導体を炭酸ジメチルと反応させるものであ
るので、前記式(1)の1,3−ジオキソラン−2−オ
ン誘導体を高収率かつ安価に製造することができる。特
に炭酸ジメチルを式(2)の化合物に対して1モル当量〜
10モル当量の範囲内で用いれば、他の溶媒を必要とせ
ず、精製の手間を要さずに式(1)の1,3−ジオキソ
ラン−2−オン誘導体が製造できるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 英史 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 山本 信之 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、RはC1 〜C22の範囲内で飽和または不飽和の
    直鎖、分岐鎖または環状炭化水素基、または式 −R1
    (OR1n−OR2 においてR1 がC2 〜C4 のアルキ
    レン基で同じでも異なっていてもよく、R2 がC1 〜C
    22の範囲内のアルキル基であり、nが0以上の整数であ
    るアルキルオキシアルキレン基)で表される1,3−ジ
    オキソラン−2−オン誘導体を製造するに際して、下記
    式(2) 【化2】 (式中、Rは前記と同じ)で表されるグリセリン−1−
    エーテル誘導体を、塩基性触媒の存在下に炭酸ジメチル
    と反応させることを特徴とする1,3−ジオキソラン−
    2−オン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記の式(2)で表されるグリセリン−
    1−エーテル誘導体に対して炭酸ジメチルを1モル当量〜
    10モル当量の範囲内で用いることを特徴とする請求項1
    に記載の1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記において、反応温度を50℃〜18
    0℃の範囲内とすることを特徴とする請求項1に記載の
    1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の製造方法。
JP11094324A 1998-12-21 1999-03-31 1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の製造方法 Withdrawn JP2000239271A (ja)

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