JP2000239202A - ヒドロキシフェニルプロパノール類の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシフェニルプロパノール類の製造方法

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JP2000239202A
JP2000239202A JP11055561A JP5556199A JP2000239202A JP 2000239202 A JP2000239202 A JP 2000239202A JP 11055561 A JP11055561 A JP 11055561A JP 5556199 A JP5556199 A JP 5556199A JP 2000239202 A JP2000239202 A JP 2000239202A
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carbon atoms
hydroxy
solvent
methylphenyl
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Taketoshi Kikuchi
武利 菊池
Naoki Inui
直樹 乾
Chikara Ota
智加良 太田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元剤として水素化ホウ素ナ
トリウムを用い、ヒドロキシフェニルプロピオン酸エス
テル類(I)から対応するヒドロキシフェニルプロパノー
ル類(II)を収率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 溶媒下、式(I) (式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数
1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル
基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数
7〜12のアラルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基が
置換していることもあるフェニル基を表し、R3は炭素
原子数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるヒドロ
キシフェニルプロピオン酸エステル類に、水素化ホウ素
ナトリウムとハロゲン化カルシウムを作用させることを
特徴とする式(II) (式中、R1及びR2はそれぞれ上記と同じ意味を表す)
で示されるヒドロキシフェニルプロパノール類の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒドロキシフェニル
プロパノール類の製造方法に関し、詳しくは対応するヒ
ドロキシフェニルプロピオン酸エステル類を、溶媒下、
水素化ホウ素ナトリウムとハロゲン化カルシウムを用い
て還元することによるヒドロキシフェニルプロパノール
類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】ヒドロキ
シフェニルプロパノール類は、有機材料用安定剤の中間
体等として有用な化合物であり、対応するヒドロキシフ
ェニルプロピオン酸エステル類を水素化リチウムアルミ
ニウムを用いて還元することにより製造することも知ら
れている(米国特許第4,910,286号明細書、特開平7-6214
7号公報など)。しかしながら、水素化ホウ素ナトリウム
を用いて還元することにより製造する方法は知られてい
ない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、溶媒下、
水素化ホウ素ナトリウムを用いてヒドロキシフェニルプ
ロピオン酸エステル類を還元する方法を開発すべく、鋭
意検討を重ねた結果、水素化ホウ素ナトリウムの他にハ
ロゲン化カルシウムという特定の化合物を用いることに
より、対応するヒドロキシフェニルプロパノール類が効
率良く得られることを見出すとともに、ヒドロキシフェ
ニルプロピオン酸エステル類と水素化ホウ素ナトリウム
を作用させた後、これにハロゲン化カルシウムを作用さ
せるという特定の処方を採用することにより、目的物ヒ
ドロキシフェニルプロパノール類の収率が一層向上する
ことを見出し本発明を完成した。
【0004】すなわち本発明は、溶媒下、式(I) (式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数
1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル
基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数
7〜12のアラルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基が
置換していることもあるフェニル基を表し、R3は炭素
原子数1〜4のアルキル基を表す。)
【0005】で示されるヒドロキシフェニルプロピオン
酸エステル類に、水素化ホウ素ナトリウムとハロゲン化
カルシウムとを作用させることを特徴とする式(II) (式中、R1及びR2はそれぞれ上記と同じ意味を表す)
で示されるヒドロキシフェニルプロパノール類の工業的
に優れた製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるR1、R2は、それぞれ独立に水素
原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシク
ロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル
基、炭素数7〜12のアラルキル基又は炭素数1〜8のア
ルキル基が置換していることもあるフェニル基を表し、
3は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。
【0007】ここで、炭素数1〜8のアルキル基として
は、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、
n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、t-ペンチ
ル、i-オクチル、t-オクチル、2-エチルヘキシル等が挙
げられる。また炭素数5〜8のシクロアルキル基として
は、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘ
プチル、シクロオクチル等が挙げられる。
【0008】炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基
としては、例えば1-メチルシクロペンチル、1-メチルシ
クロヘキシル、1-メチル-4-i-プロピルシクロヘキシル
等が挙げられる。また炭素数7〜12のアラルキル基とし
ては、例えばベンジル、フェニルエチル、α-メチルベ
ンジル、α,α−ジメチルベンジル等が挙げられる。炭
素数1〜8のアルキル基が置換していることもあるフェ
ニル基としては、フェニルの他に、前記と同様な炭素数
1〜8のアルキル基が置換したフェニルが挙げられる。
その具体例としては、例えばメチルフェニル、エチルフ
ェニル、n-プロピルフェニル、i-プロピルフェニル、n-
ブチルフェニル、i-ブチルフェニル、sec-ブチルフェニ
ル、t-ブチルフェニル、t-ペンチルフェニル、i-オクチ
ルフェニル、t-オクチルフェニル、2-エチルヘキシルフ
ェニル等が挙げられる。また炭素原子数1〜4のアルキ
ル基としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-
プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル
が挙げられる
【0009】R1、R2の少なくとも一方は、炭素数1〜
8のアルキル基、又は炭素数5〜8のシクロアルキル基
であることが好ましく、とりわけt-ブチル、t-ペンチ
ル、t-オクチル等のt-アルキル基であることが好まし
い。 R3は好ましくはメチル、エチル、n−ブチル等
であることが好ましい。
【0010】ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステル
類(I)の代表例としては、例えば3-(3-t-ブチル-4-ヒ
ドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ペンチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-オクチル-
4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、 3-(3-シクロヘ
キシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-[3-(1-
メチルシクロヘキシル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピ
オン酸、3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニ
ル)プロピオン酸、3-(3-t-ペンチル-4-ヒドロキシ-5-
メチルフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-オクチル-4-ヒ
ドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸、 3-(3-シク
ロヘキシル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオ
ン酸、3-[3-(1-メチルシクロヘキシル)-4-ヒドロキシ-
5-メチルフェニル]プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-4-
ヒドロキシ-5-エチルフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-
ペンチル-4-ヒドロキシ-5-エチルフェニル)プロピオン
酸、3-(3-t-オクチル-4-ヒドロキシ-5-エチルフェニ
ル)プロピオン酸、 3-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ
-5-エチルフェニル)プロピオン酸、3-[3-(1-メチルシ
クロヘキシル)-4-ヒドロキシ-5-エチルフェニル]プロ
ピオン酸、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸、3-(3-t-ペンチル-4-ヒドロキシ-5-
t-ブチルフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-オクチル-4
-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロピオン酸、 3-
(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニ
ル)プロピオン酸、3-[3-(1-メチルシクロヘキシル)-4-
ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル]プロピオン酸等のメ
チル、エチル、ブチルなどのエステル類が挙げられる。
なかでも3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル
フェニル)プロピオン酸等のメチルエステル、エチルエ
ステルなどが好ましく使用される。
【0011】また水素化ホウ素ナトリウムとしては、特
に限定はなく、例えば粉末品、アルカリ性水溶液等の市
販品を使用することもできる。その使用量は、ヒドロキ
シフェニルプロピオン酸エステル類(I)に対して、通常
0.3〜5モル倍程度、好ましくは0.4〜3モル倍程度であ
る。
【0012】溶媒としては、例えばエタノール、イソプ
ロパノール、n-プロパノール、 n-ブタノール、 i-ブタ
ノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
アルカリ性メタノール等のアルコール系溶媒、ジエチル
エーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジグライ
ム等のエーテル系溶媒などが通常使用される。またアル
コール系溶媒とジエチルエーテル、ジブチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメト
キシエタン、ジグライム等のエーテル系溶媒、アルカリ
性水、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
等の芳香族炭化水素溶媒、n-ヘキサン、n-ヘプタン、
シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒から選ばれる少
なくとも1種との混合物、エーテル系溶媒とアルカリ性
水、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素溶媒、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シ
クロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒から選ばれる少な
くとも1種との混合物も使用し得る。 好ましくは、ア
ルコール系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒と
エーテル系溶媒の混合物であり、より好ましくは、アル
コール系溶媒、アルコール系溶媒とエーテル系溶媒の混
合物である。溶媒の使用量は、ヒドロキシフェニルプロ
ピオン酸エステル類(I)に対して、通常0.5〜20重量倍
程度、好ましくは1〜15重量倍程度である。
【0013】ハロゲン化カルシウムとしては、例えば塩
化カルシウム、臭化カルシウム等が挙げられるが、塩化
カルシウムが通常使用される。ハロゲン化カルシウム
は、無水物であっても水和物であっても良い。形状も粉
末、フレーク、粒状、水溶液いずれであっても良いが、
固体の場合は、前記した溶媒とのスラリー溶液又は均一
溶液として使用するのが好ましい。溶媒を用いる場合
は、ハロゲン化カルシウムに対して、通常0.5〜10重量
倍程度である。ハロゲン化カルシウムの使用量は、ヒド
ロキシフェニルプロピオン酸エステル類(I)に対して、
通常0.1〜5モル倍程度、好ましくは0.2〜3モル倍程度
である。
【0014】本発明は、溶媒下、ヒドロキシフェニルプ
ロピオン酸エステル類(I)に水素化ホウ素ナトリウムと
ハロゲン化カルシウムとを作用させることを特徴とする
ものであるが、作用順序は特に限定はない。 例えば、
ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステル類(I)と水素
化ホウ素ナトリウムとを作用させ、次いでこれとハロゲ
ン化カルシウムを作用させても良いし、水素化ホウ素ナ
トリウムとハロゲン化カルシウムとを作用させ、次いで
これとヒドロキシフェニルプロピオン酸エステル類(I)
を作用させても良いし、ヒドロキシフェニルプロピオン
酸エステル類(I)とハロゲン化カルシウムとを作用さ
せ、次いでこれと水素化ホウ素ナトリウムを作用させて
も良く、またヒドロキシフェニルプロピオン酸エステル
類(I)にハロゲン化カルシウムと水素化ホウ素ナトリウ
ムとを同時に作用させることもできる。これらの中で、
アルコール系溶媒もしくはアルコール系溶媒とエーテル
系溶媒の混合物を用いる場合には、ヒドロキシフェニル
プロピオン酸エステル類(I)と水素化ホウ素ナトリウム
とを作用させ、次いでこれとハロゲン化カルシウムを作
用させる処方が好ましく、エーテル系溶媒を用いる場合
には、水素化ホウ素ナトリウムとハロゲン化カルシウム
とを作用させ、次いでこれとヒドロキシフェニルプロピ
オン酸エステル類(I)を作用させる処方が好ましく、こ
のことにより目的物を高収率で得ることができる。作用
温度は、通常-20℃〜溶媒の沸点程度である。好ましく
は、アルコール系溶媒もしくはアルコール系溶媒とエー
テル系溶媒の混合物を用いてヒドロキシフェニルプロピ
オン酸エステル類(I)と水素化ホウ素ナトリウムとを作
用させ、次いでこれとハロゲン化カルシウムを作用させ
る処方においては、-10〜60℃程度であり、エーテル系
溶媒、エーテル系溶媒と芳香族炭化水素、脂肪族炭化水
素から選ばれる少なくとも1種との混合物を用いる処方
においては、20〜溶媒の沸点程度である。反応の進行
は、液体クロマトグラム等の分析方法により追跡し得
る。
【0015】生成した目的物ヒドロキシフェニルプロパ
ノール類(II)は、例えば塩酸や硫酸、酢酸等の酸の水溶
液を加えた後、必要に応じて有機溶媒を加えて抽出、溶
媒留去することにより取出すことができ、さらに晶析、
蒸留あるいは液体カラムクロマトグラフィーなどの精製
手段を施すことによりさらに精製することもできる。か
くして目的物ヒドロキシフェニルプロパノール類(II)が
得られるが、その代表例としては、例えば3-(3-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノール、3-(3-t-ペン
チル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノール、3-(3-t-オ
クチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノール、 3-(3-シ
クロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパノール、3-
[3-(1-メチルシクロヘキシル)-4-ヒドロキシフェニル]
プロパノール、3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル
フェニル)プロパノール、3-(3-t-ペンチル-4-ヒドロキ
シ-5-メチルフェニル)プロパノール、3-(3-t-オクチル
-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロパノール、 3-(3
-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロ
パノール、3-[3-(1-メチルシクロヘキシル)-4-ヒドロ
キシ-5-メチルフェニル]プロパノール、 3-(3-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシ-5-エチルフェニル)プロパノール、3-
(3-t-ペンチル-4-ヒドロキシ-5-エチルフェニル)プロ
パノール、3-(3-t-オクチル-4-ヒドロキシ-5-エチルフ
ェニル)プロパノール、 3-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロ
キシ-5-エチルフェニル)プロパノール、3-[3-(1-メチ
ルシクロヘキシル)-4-ヒドロキシ-5-エチルフェニル]
プロパノール、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパノール、3-(3-t-ペンチル-4-ヒドロキシ
-5-t-ブチルフェニル)プロパノール、3-(3-t-オクチ
ル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロパノール、
3-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェ
ニル)プロパノール、3-[3-(1-メチルシクロヘキシル)-4
-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル]プロパノール等が
挙げられる。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、水素化ホウ素ナトリウ
ムの他にハロゲン化カルシウムという特定の化合物を用
いることにより、目的とするヒドロキシフェニルプロパ
ノール類を効率良く製造し得る。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。
【0018】実施例1 窒素気流下、フラスコに3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5
-メチルフェニル)プロピオン酸メチル30.0g、水素化ホ
ウ素ナトリウム4.5g、エタノール150gを加え撹拌し、25
℃で保温した。次いでこれに無水塩化カルシウム6.7gと
エタノール40gの混合溶液を滴下し、同温度で6時間保温
した。 保温終了後、反応液の一部をサンプリングし、
これに1N塩酸を加えて、液体クロマトグラム分析によ
り分析した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル
フェニル)プロパノールの収率は79.9%であった。
【0019】実施例2 実施例1において、エタノール150gの代わりにn-ブタノ
ール150gを、エタノール40gの代わりにn-ブタノール90g
を用い、15時間保温した。保温終了後、3%塩酸150gを
加え、有機相300.4gを分取した。これを液体クロマトグ
ラム分析により分析した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキ
シ-5-メチルフェニル)プロパノールの収率は80.2%であ
った。
【0020】実施例3 実施例1において反応を-5℃で行う以外は実施例1に準
拠して実施した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メ
チルフェニル)プロパノールの収率は、73.1%であっ
た。
【0021】実施例4 実施例1において、エタノール150gの代わりにジグライ
ム150gを、エタノール40gの代わりにn-ブタノール90gを
用い、反応を25℃で行う以外は実施例1に準拠して実施
した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニ
ル)プロパノールの収率は、82.4%であった。
【0022】実施例5 実施例1において、エタノール150gの代わりにジグライ
ム150gを用い、反応を35℃で行う以外は実施例1に準拠
して実施した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチ
ルフェニル)プロパノールの収率は、88.1%であった。
【0023】実施例6 実施例1において、水素化ホウ素ナトリウムを5.7g、無
水塩化カルシウムとエタノールの混合溶液として無水塩
化カルシウム8.3gとエタノール50gの混合溶液を用い、
反応を15℃で行う以外は実施例1に準拠して実施した。
3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロ
パノールの収率は、93.9%であった。
【0024】実施例7 実施例1において、3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メ
チルフェニル)プロピオン酸メチルを80.0g 、水素化ホ
ウ素ナトリウムを18.1g 、エタノール150gの代わりにn-
ブタノール320gを、無水塩化カルシウムとエタノールの
混合溶液の代わりに無水塩化カルシウム26.6gとn-ブタ
ノール160gの混合溶液を用い、反応を35℃で行う以外は
実施例1に準拠して実施した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒド
ロキシ-5-メチルフェニル)プロパノールの収率は、98.9
%であった。
【0025】実施例8 窒素気流下、フラスコに3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5
-メチルフェニル)プロピオン酸メチル60.0g、水素化ホ
ウ素ナトリウム11.3g、 n-ブタノール180gを加え撹拌
し、15℃で保温した。次いでこれに無水塩化カルシウム
16.6gとn-ブタノール120gの混合溶液を滴下し、同温度
で1時間保温した後、反応液を50℃まで5時間かけて昇
温し、更に同温度で2時間保温した。反応液の一部をサ
ンプリングし、実施例1に準拠して分析した。 3-(3-t
-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロパノール
の収率は97.0%であった。
【0026】実施例9 窒素気流下、フラスコに水素化ホウ素ナトリウム4.5g、
エタノール150gを加え撹拌し、-5℃で保温した。次いで
これに無水塩化カルシウム6.7gを加えた後、-5℃で1時
間保温した。次いでこれに3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ
-5-メチルフェニル)プロピオン酸メチル30gとエタノー
ル30gの混合溶液を滴下した後、-5℃で6時間保温した。
保温終了後、実施例1に準拠して液体クロマトグラムに
より分析した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチ
ルフェニル)プロパノールの収率は55.2%であった。
【0027】実施例10 窒素気流下、フラスコに水素化ホウ素ナトリウム3.0g、
テトラヒドロフラン90.6gを加え撹拌し5〜10℃で保温
し、この混合物に無水塩化カルシウム5.3gを加えた。次
いで、これに3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフ
ェニル)プロピオン酸メチル20.0gとテトラヒドロフラン
20.0gの混合溶液を滴下し、同温度で30分間保温した
後、反応液を50℃まで昇温し、更に同温度で10時間保温
した。保温終了後、実施例1に準拠して液体クロマトグ
ラムにより分析した。3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-
メチルフェニル)プロパノールの収率は53.1%であっ
た。
【0028】実施例11 窒素気流下、フラスコに水素化ホウ素ナトリウム6.8g、
エタノール224gを加え撹拌し25℃で保温した。この混合
物に無水塩化カルシウム9.9gを加えその後25℃で1時間
保温した。 次いで、これに3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキ
シ-5-メチルフェニル)プロピオン酸メチル44.8gとエタ
ノール44.8gの混合溶液を滴下し、25℃で18時間保温し
た。保温終了後、実施例1に準拠して液体クロマトグラ
ムにより分析した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-
メチルフェニル)プロパノールの収率は14.8%であっ
た。
【0029】比較例1 窒素気流下、フラスコに水素化ホウ素ナトリウム6.0g、
エタノール200gを加え撹拌し-5℃で保温した。これに塩
化バリウム16.6gを加えた後、-5℃で1時間保温した。次
いでこれに3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェ
ニル)プロピオン酸メチル40gとエタノール40gの混合溶
液を滴下した後、-5℃で6時間保温した。保温終了後、
実施例1に準拠して分析した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒド
ロキシ-5-メチルフェニル)プロパノールの収率は5.8%
であった。
【0030】比較例2 窒素気流下、フラスコに水素化ホウ素ナトリウム3.0g、
テトラヒドロフラン90.6gを加え撹拌し5〜10℃で保温
し、この混合物に塩化リチウム3.4gを加えた。次いで、
これに3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)
プロピオン酸メチル20.0gとテトラヒドロフラン20.0gの
混合溶液を滴下し、同温度で30分間保温した後、反応液
を50℃まで昇温し、更に同温度で8時間保温した。保温
終了後、実施例1に準拠して分析した。 3-(3-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロパノールの収
率は3.9%であった。
【0031】比較例3 窒素気流下、フラスコに水素化ホウ素ナトリウム6.0g、
テトラヒドロフラン200gを加え撹拌し25℃で保温し、こ
の混合物に塩化カリウム11.9gを加えた。 次いで、こ
れに3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プ
ロピオン酸メチル40.0gとテトラヒドロフラン40.0gの混
合溶液を滴下し、同温度で1時間保温した後、反応液を
50℃まで昇温し、更に同温度で6時間保温した。保温終
了後、実施例1に準拠して分析した。 3-(3-t-ブチル-
4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロパノールの収率は
0.4%であった。
【0032】比較例4 実施例7において、無水塩化カルシウムとエタノールの
混合溶液は用いずに実施する以外は実施例7に準拠して
実施した。 3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフ
ェニル)プロパノールの収率は、8.2%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 智加良 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC11 AC41 AD11 AD15 AD16 AD17 BA06 BA37 BB12 BB14 BB15 BB25 BB31 BC10 BC34 BC35 BE23 BN10 BN30 FE11 FE13 4H039 CA60 CB20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒下、式(I) (式中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数
    1〜8のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル
    基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数
    7〜12のアラルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基が
    置換していることもあるフェニル基を表し、R3は炭素
    原子数1〜4のアルキル基を表す。)で示されるヒドロ
    キシフェニルプロピオン酸エステル類に、水素化ホウ素
    ナトリウムとハロゲン化カルシウムとを作用させること
    を特徴とする式(II) (式中、R1及びR2はそれぞれ上記と同じ意味を表す)
    で示されるヒドロキシフェニルプロパノール類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステル
    類(I)と水素化ホウ素ナトリウムとを作用させ、次いで
    これにハロゲン化カルシウムを作用させることを特徴と
    する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】R1、R2の少なくとも一方が、炭素数1〜
    5のアルキル基、又は炭素数5〜8のシクロアルキル基
    であることを特徴とする請求項1〜2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】ヒドロキシフェニルプロピオン酸エステル
    類(I)が、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
    プロピオン酸メチル、3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-
    メチルフェニル)プロピオン酸メチル、3-(3,5-ジ-t-ブ
    チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エチル、3-(3
    -t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン
    酸エチルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1〜3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】水素化ホウ素ナトリウムをフェニルプロピ
    オン酸エステル類(I)に対して0.3〜5モル倍使用するこ
    とを特徴とする請求項1〜4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】ハロゲン化カルシウムをフェニルプロピオ
    ン酸エステル類(I)に対して0.1〜5モル倍使用すること
    を特徴とする請求項1〜5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】ハロゲン化カルシウムが塩化カルシウムで
    あることを特徴とする請求項1〜6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】溶媒をフェニルプロピオン酸エステル類
    (I)に対して0.5〜20重量倍使用することを特徴とする請
    求項1〜7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】溶媒が、アルコール系溶媒、エーテル系溶
    媒、アルコール系溶媒とエーテル系溶媒、芳香族炭化水
    素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒から選ばれる少なくとも1
    種の溶媒との混合物、またはエーテル系溶媒と芳香族炭
    化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒から選ばれる少なくと
    も1種の溶媒との混合物であることを特徴とする請求項
    1〜8記載の製造方法。
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WO2011065351A1 (ja) * 2009-11-25 2011-06-03 塩野義製薬株式会社 シクロヘキサン誘導体の製造方法

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