JP2001039912A - 6−ヒドロキシ−2−ナフチルカルビノール及びその製造方法 - Google Patents

6−ヒドロキシ−2−ナフチルカルビノール及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 香料、樹脂、農薬及び医薬等の合成原料とし
て有用な6−ヒドロキ−2−ナフタレンメタノール及び
これを工業的に有利に製造する方法の提供。 【解決手段】 1.下記式(I)で表される6−ヒドロ
キシ−2−ナフチルカルビノール。 【化1】 2.下記式(II)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフ
タレンカルボン酸を還元することを特徴とする6−ヒド
ロキシ−2−ナフチルカルビノールの製造方法。 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な6−ヒドロ
キシ−2−ナフチルカルビノール(以下、6−ヒドロキ
シ−2−ナフタレンメタノールということがある)及び
その製造方法に関する。本発明の6−ヒドロキシ−2−
ナフタレンメタノールは新規化合物であり、香料、樹
脂、農薬及び医薬等の合成原料として期待され、例え
ば、血糖及び血中脂質低下作用を有し、糖尿病及び高脂
血症の予防・治療薬として有用なナフチルメチルチアゾ
リジンジオン誘導体(特開平10−139768号公
報)の合成原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】メチル基、ヒドロキシメチル基、クロロ
基等を置換基として有するナフチルカルビノールの核置
換体の製造方法としては、例えば相当するクロロメチル
化合物を加水分解する方法、相当するナフタレンジカル
ボン酸無水物又はジエステルを金属水素化物により還元
する方法等が知られている。置換基が水産基の場合、例
えば2−ヒドロキシ−1−ナフチルカルビノール等につ
いては公知であるが、本発明の6−ヒドロキシ−2−ナ
フチルカルビノールについては、これ迄知られていない
新規物質である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、6−ヒ
ドロキシ−2−ナフチルカルビノールの製造方法として
は、前者のクロロメチル化合物の加水分解による方法は
原料面から好ましい方法とは言えず、また後者の金属水
素化物を用いる方法については、この方法を6−ヒドロ
キシナフタレンカルボン酸に適用した例はこれ迄知られ
ていない。本発明は、6−ヒドロキシ−2−ナフチルカ
ルビノール及びこの化合物を従来法より簡便に、効率良
く且つ経済的に製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者は、かかる事情
に鑑み鋭意検討した結果、6−ヒドロキシ−2−ナフタ
レンカルボン酸をボラン類により還元することにより新
規化合物である6−ヒドロキシ−2−ナフチルカルビノ
ールが高収率且つ高選択率で得られること、しかも、こ
の還元をホウ酸エステル類の存在下で行うことにより、
微量ではあるが、数多い副生物を大幅に減らすことがで
き、高純度の目的物が高収率で得られることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明の要旨は、 1.下記式(I)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフ
チルカルビノール
【0006】
【化7】
【0007】2.下記式(II)で表される6−ヒドロキ
シ−2−ナフタレンカルボン酸を還元することを特徴と
する6−ヒドロキシ−2−ナフチルカルビノールの製造
方法
【0008】
【化8】 、にある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の式(I)の6−ヒドロキシ−2−ナフタレンメ
タノールは、新規化合物であるが、式(II)の6−ヒド
ロキシ−2−ナフタレンカルボン酸を還元することによ
り製造することができる。還元剤としては、特に制限さ
れないが、通常ボラン類或いは水素化アルミニウム錯化
合物等が用いられる。原料の6−ヒドロキシ−2−ナフ
タレンカルボン酸は、例えば、β−ナフトールのカリウ
ム塩を高温、加圧下に二酸化炭素と反応させるところ
の、いわゆるコルベ−シュミット反応により、カルボキ
シル化した後、異性化することにより得られる。なお、
この化合物は液晶ポリマーの合成原料として商業生産さ
れているので容易に入手することができる。
【0010】本発明で還元剤として用いられるボラン類
の具体例として、例えばジボラン、ボラン−テトラヒド
ロフラン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラ
ン−1,4−オキサチアン錯体、ボラン−ジメチルアニ
リン錯体、ボランージエチルアニリン錯体、ボラン−4
−フェニルモルホリン錯体、カテコールボラン、テキシ
ルボラン、ジシアミルボラン、9−ボラビシクロ〔3.
3.1〕ノナンのようなアルキルボラン等が挙げられ
る。これらの中、ボラン−テトラヒドロフラン錯体、ボ
ラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−ジエチルアニ
リン錯体が好ましい。ボラン−テトラヒドロフラン錯体
は目的の6−ヒドロキシ−2−ナフタレンメタノールを
高収率で与え、特に好ましい。なお、これらのボラン類
は組み合わせて用いてもよい。
【0011】ボラン類は、市販のものをそのまま使用す
ることも可能であるが、水素化ホウ素化合物を用い系内
で発生させ使用しても何ら差し支えない。例えば、ボラ
ン−テトラヒドロフラン錯体は、テトラヒドロフラン溶
媒中、水素化ホウ素化合物とジメチル硫酸或いは三フッ
化ホウ素とを反応することにより容易に調製可能であ
る。水素化ホウ素化合物としては、水素化ホウ素ナトリ
ウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシウ
ム、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素マグネシウム、水
素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素ベリリウム、水酸化
ホウ素バリウム等を用いることができるが、主として経
済的な見地から、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ
素リチウム、水素化ホウ素カルシウム等が好ましい。
【0012】ボラン類は、6−ヒドロキシ−2−ナフタ
レンカルボン酸に対して、ボラン換算で通常1〜8モル
倍程度、好ましくは、1.3〜4モル倍程度使用され
る。1モル倍以下の場合、6−ヒドロキシ−2−ナフタ
レンカルボン酸の反応は未完結であり、また、8モル倍
以上の場合、主として経済的な見地から好ましくない。
また、水素化アルミニウム錯化合物としては、水素化ア
ルミニウムリチウム、水素化ジエトキシアルミニウムリ
チウム、水素化トリ−tert−ブトキシアルミニウム
リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、
等が挙げられる。
【0013】6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン
酸をボラン類により還元する場合、原料の一部が酸無水
物、エーテル、エステル等の形に変化し、またフリーデ
ルクラフツ反応により微量ではあるが、多数の二量化物
及び三量化物が生成する副反応が起こる。反応生成物か
らこれらの副生物を除いて、高純度の自的生成物を得る
には、多くの繁雑な精製工程が必要となり、しかもかか
る精製操作によってもなお除去することができない副生
物が残存し、また精製過程における収率の減少という問
題がある。
【0014】本発明者らの検討結果によれば、このよう
な副生物を減らすには、ボラン類による還元の際に、ホ
ウ酸エステル類を共存させることが好ましい。共存させ
るホウ酸エステル類については、特に限定されるもので
はないが、式(III)、(IV)、(V)又は(VI)で表
される化合物を用いるのが好ましい。
【0015】
【化9】
【0016】(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独
立して、アルキル基、アラルキル基、ヘテロ原子含有ア
ルキル基又はアリール基を表す)
【0017】式(III)において、R1、R2及びR3がア
ルキル基である場合、アルキル基については直鎖状、分
岐状、環状のいずれでもよく、またその炭素数について
は特に限定されるものではないが、通常1〜20、好ま
しくは1〜16である。このようなアルキル基の具体例
としては、例えばメチル基、エチル基、2,2,2−ト
リフルオロエチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ヘキサデシル基、シクロヘ
キシル基、2−シクロヘキシルシクロヘキシル基等が挙
げられる。
【0018】また、R1、R2及びR3がアラルキル基で
ある場合、その炭素数については特に限定はされない
が、通常7〜20、好ましくは7〜16であり、アリー
ル基は置換基を有していてもよい。このようなアラルキ
ル基の具体例としては、例えばベンジル基、2−フェニ
ルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0019】また、R1、R2及びR3がヘテロ原子含有
アルキル基である場合、その炭素数については特に限定
はされないが、通常1〜20、好ましくは1〜16であ
り、またヘテロ原子としては、酸素原子及び窒素原子が
好ましい。このようなヘテロ原子含有アルキル基の具体
例としては、例えば2−メトキシエチル基、2−ジメチ
ルアミノエチル基等が挙げられる。
【0020】また、R1、R2及びR3がアリール基であ
る場合、その炭素数については特に限定はされないが、
通常6〜20、好ましくは6〜16であり、置換基を有
していてもよい。このようなアリール基の具体例として
は、例えばフェニル基、トリル基、2,6−ジ−t−ブ
チルフェニル基、クロロフェニル基、等が挙げられる。
【0021】そして、このような式(III)の化合物の
具体例としては、例えばトリメチルホウ酸エステル、ト
リエチルホウ酸エステル、トリス(2,2,2−トリフ
ルオロエチル)ホウ酸エステル、トリプロピルホウ酸エ
ステル、トリイソプロピルホウ酸エステル、トリブチル
ホウ酸エステル、トリt−ブチルホウ酸エステル、トリ
−n−アルミホウ酸エステル、トリヘキシルホウ酸エス
テル、トリシクロヘキシルホウ酸エステル、トリス(1
−イソプロピル−2−メチルプロピル)ホウ酸エステ
ル、トリス(3,3,5−トリルメチルヘキシル)ホウ
酸エステル、トリス(1−イソブチル−3−メチルブチ
ル)ホウ酸エステル、トリス(デシル)ホウ酸エステ
ル、ホウ酸トリ−n−ヘキサデシルエステル、ホウ酸ト
リ−n−オクタデシルエステル、トリ−n−オクチルホ
ウ酸エステル、トリ−2−オクチルホウ酸エステル、ト
リ−DL−メンチルホウ酸エステル、トリ−2−フェニ
ルシクロヘキシルホウ酸エステル、トリアミルメチルホ
ウ酸エステル、2,6−ジ−t−ブチルフェニルジブチ
ルホウ酸エステル、トリス(2−エチルヘキシル)ホウ
酸エステル、トリス(2−シクロヘキシルシクロヘキシ
ル)ホウ酸エステル、トリベンジルホウ酸エステル、ジ
メチルモノエチルホウ酸エステル、ジメチルモノフェニ
ルホウ酸エステル、モノメチルジエチルホウ酸エステ
ル、トリフェニルホウ酸エステル、トリス(4−クロロ
フェニル)ホウ酸エステル、トリス(2−メチルフェニ
ル)ホウ酸エステル等が挙げられる。
【0022】
【化10】
【0023】(式中、R4はアルキル基、アラルキル
基、ヘテロ原子含有アルキル基又はアリール基を表し、
R′は置換基を有していてもよい炭素数2〜10のアル
キレン基を表す)
【0024】式(IV)において、R4がアルキル基であ
る場合、アルキル基については直鎖状、分岐状、環状の
いずれでもよく、またその炭素数については特に限定さ
れるものではないが、通常1〜16、好ましくは1〜1
2である。このようなアルキル基の具体例としては、例
えばメチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、等が挙
げられる。
【0025】また、R4がアラルキル基である場合、そ
の炭素数については特に限定はされないが、通常7〜2
0、好ましくは7〜16であり、アリール基は置換基を
有していてもよい。
【0026】また、R4がヘテロ原子含有アルキル基で
ある場合、その炭素数については特に限定はされない
が、通常1〜16、好ましくは1〜12であり、またヘ
テロ原子としては酸素原子、窒素原子及びホウ素原子が
好ましい。このようなヘテロ原子含有アルキル基の具体
例としては、例えばジメチルアミノエチル基、2,4−
ジメチル−4−(4,4,6−トリメチル−1,3,2
−ジオキサボリナノ)ペンチル基、等が挙げられる。
【0027】また、R4がアリール基である場合、その
炭素数については特に限定はされないが、通常6〜2
0、好ましくは6〜16であり、置換基を有していても
よい。
【0028】また、R′は置換基を有していてもよい炭
素数2〜16、好ましくは2〜12のアルキレン基であ
り、その具体例としては、例えばエチレン基、1,1,
2,2−テトラエチレン基、1−メチルトリメチレン
基、1,1,3−トリメチルトリメチレン基、等が挙げ
られる。
【0029】そして、このような式(IV)の化合物の具
体例としては、例えば2−(2−ジメチルアミノエトキ
シ)−4−メチル−1,3,2−ジオキサボリナン、
2,2′−(2−メチル−2,4−ペンタンジルジオキ
シ)ビス(4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオ
キサボリナン、2−ブトキシ−4,4,6−トリメチル
−1,3,2−ジオキサボリナン、2−メトキシ−1,
3,2−ジオキサボロラン、2−イソプロポキシ4,
4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロ
ラン等が挙げられる。
【0030】
【化11】
【0031】(式中、R5及びR6は、それぞれ独立し
て、アルキル基、アラルキル基、ヘテロ原子含有アルキ
ル基又はアリール基を表す)
【0032】式(V)において、R5及びR6がアルキル
基である場合、アルキル基については直鎖状、分岐状、
環状のいずれでもよく、またその炭素数については特に
限定されるものではないが、通常1〜16、好ましくは
1〜12である。このようなアルキル基の具体例として
は、例えばメチル基、エチル基、等が挙げられる。
【0033】また、R5及びR6がアラルキル基である場
合、その炭素数については特に限定はされないが、通常
7〜16、好ましくは7〜12であり、アリール基は置
換基を有していてもよい。
【0034】また、R5及びR6がヘテロ原子含有アルキ
ル基である場合、その炭素数については特に限定はされ
ないが、通常1〜16、好ましくは1〜12である。
【0035】また、R5及びR6がアリール基である場
合、その炭素数については特に限定はされないが、通常
6〜20、好ましくは6〜16であり、置換基を有して
いてもよい。このようなアリール基の具体例としては、
例えばフェニル基、等が挙げられる。
【0036】そして、このような式(V)の化合物の具
体例としては、例えば2−メトキシベンゾ〔d〕1,
3,2−ジオキサボロラン、2−エトキシベンゾ〔d〕
1,3,2−ジオキシサボロラン、2−フェノキシベン
ゾ〔d〕1,3,2−ジオキサボロラン等が挙げられ
る。
【0037】
【化12】
【0038】(式中、R7、R8及びR9は、それぞれ独
立して、置換基を有していてもよいアルキレン基又はア
ルキレンオキシ基を表し、R10は水素原子又はアルキル
基を表し、Xは炭素原子、窒素原子又はホウ素原子を表
す。また、a、b、c及びdは0又は1である)
【0039】式(VI)において、R7、R8及びR9が置
換基を有していてもよいアルキレン基である場合、アル
キレン基の炭素数については特に限定はされないが、通
常1〜16、好ましくは1〜12である。このようなア
ルキレン基の具体例としては、例えばメチレン基、エチ
レン基、等が挙げられる。
【0040】また、R7、R8が及びR9が置換基を有し
ていてもよいアルキレンオキシ基である場合、その炭素
数については特に限定はされないが、通常1〜16、好
ましくは1〜12である。このようなアルキレンオキシ
基の具体例としては、例えばエチレンオキシ基、1,
3,3−トリメチル−トリメチレンオキシ基等が挙げら
れる。
【0041】そして、このような式(VI)の化合物の具
体例としては、例えばトリエタノールアミンボレート、
2−メチル−2,4−ペンタンジオールジボーレート、
1−ボラ−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2.2.
1〕ヘプタン、1,6−ジボラ−2,5,7,10,1
1,14−ヘキサオキサビシクロ〔4.4.4〕テトラ
デカン等のホウ酸エステル類が挙げられる。そして、こ
れらの式(III)ないし(VI)の化合物の中、主として
経済的な見地からトリメチルホウ酸エステル及びトリエ
チルホウ酸エステル、等が好ましい。なお、これらのホ
ウ酸エステル類は組み合わせて用いてもよい。
【0042】これら、ホウ酸エステル類は、市販のもの
をそのまま使用することも可能であるが、文献Lapp
ert,M.F.,Chem.Review,56,9
59(1956)等に記載されている三ハロゲン化ホウ
素化合物、三酸化二ホウ素、ホウ酸、ナトリウムピロホ
ウ酸エステル又はボラン類及び水素化ホウ素化合物を原
料としてアルコール類とを反応させることにより、容易
に調製可能である。アルコール類としては、それらの級
数、価数及び置換基の有無により制限を受けず用いるこ
とができるが、主として経済的な見地から、メタノー
ル、エタノール等が好ましい。ホウ酸エステル類は、6
−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸に対して、通
常0.01〜20モル倍程度、好ましくは0.05〜1
0モル倍程度使用される。
【0043】また、ホウ酸エステル類の添加方法として
は、適当な溶媒に溶かした6−ヒドロキシ−2−ナフタ
レンカルボン酸溶液にホウ酸エステル類を加え、調製し
た混合溶液をボラン−テトラヒドロフラン錯体のテトラ
ヒドロフラン溶液中に滴下する方法、又はボラン−テト
ラヒドロフラン錯体のテトラヒドロフラン溶液中にホウ
酸エステル類を加え混合させた後、その混合溶液中に溶
媒に溶かした6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン
酸溶液を滴下する方法いずれでも差し支えないが、前者
の方法の方がより高純度の6−ヒドロキシ−2−ナフチ
ルカルビノールが得られ好ましい。
【0044】反応は、通常溶媒とホウ酸エステルの存在
下にボラン類と6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボ
ン酸とを反応させる。かかる溶媒としては、反応を阻害
しないものであれば特に制限はないが、例えばジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライ
ム、トリグライム、t−ブチルメチルエーテル、1,3
−ジオキソラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、
1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン系溶媒等が挙げられる。溶媒は、6−ヒドロ
キシ−2−ナフタレンカルボン酸に対して、通常1〜5
0重量倍程度、好ましくは2〜20重量倍程度使用され
る。
【0045】反応温度は、通常−30〜150℃、好ま
しくは−20〜100℃である。反応時間は、用いるボ
ラン類又はホウ酸エステル類、それらの使用量等により
異なるが、通常0.5〜10時間程度である。かくして
反応は実施されるが、ボラン類を予め調製し反応に使用
する場合、通常はボラン調製液に6−ヒドロキシ−2−
ナフタレンカルボン酸もしくはこれと溶媒との混合物を
加えることにより実施される。加える溶媒として、ボラ
ン調製に使用した溶媒と別の溶媒を加えて実施すること
もできる。ここで、ボラン調製溶媒及び加える溶媒とし
ては、反応に使用するに際し示した溶媒と同様の溶媒が
例示される。また、ボラン類を水素化ホウ酸化合物とジ
メチル硫酸或いは三フッ化ホウ素とを反応することによ
り調製した場合、系内に析出する、モノメチル硫酸塩或
いは4フッ化ホウ酸塩を濾去した調製液に、6−ヒドロ
キシ−2−ナフタレンカルボン酸と溶媒との混合物を添
加する手法が反応効率が向上し有利な場合がある。
【0046】生成した6−ヒドロキシ−2−ナフタレン
メタノールは、残存する還元剤を塩酸等の鉱酸、水又は
メタノールを加えて失活させた後、苛性ソーダ等で中和
し、晶析、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の
手段により、単離することができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例
に限定されるものではない。 (実施例1)窒素雰囲気下、滴下ロート、ガス導入管、
冷却管及び温度計を付した300mLの四つ口フラスコ
に、水素化ホウ素ナトリウム(純度:98%)3.87
g(100mmol)と、無水テトラヒドロフラン60
mLを加え撹拌する。ジメチル硫酸12.65g(10
0mmol)を、0℃で5分を要して滴下し、氷冷下で
2時間撹拌を行い、更に室温下3時間撹拌を続けてガス
の発生が終了するのを確認した。生じたボラン−テトラ
ヒドロフラン錯体のテトラヒドロフラン溶液を0℃付近
に保持し、系中に生成したモノメチルナトリウム硫酸塩
を分離するために、窒素雰囲気下、上澄液をグラスフィ
ルターで濾過して、その塩層を更に40mL無水テトラ
ヒドロフランで洗浄し、精製した約1Mのボラン−テト
ラヒドロフラン錯体のテトラヒドロフラン溶液を合わ
せ、別の500mL容量の四つ口フラスコの移送した。
6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸9.41g
(50mmol)、トリメチルホウ酸エステル20.1
3gと無水テトラヒドロフラン(50mL)溶液を、滴
下ロートを用い、室温で25分かけて、調製したボラン
−テトラヒドロフラン錯体溶液中に滴下した。この反応
液を同温度で3時間撹拌を行った。反応後、反応液を冷
却し、氷冷下、水100mLを加え、30分間室温で激
しく撹拌した後、減圧下、テトラヒドロフランを留去さ
せた後、白色結晶を析出した。濾過により得られた白色
結晶を水(200mL)で洗浄した後、80℃、8時間
減圧乾燥することにより、6−ヒドロキシ−2−ナフタ
レンメタノールを白色結晶として8.46g得た。得ら
れた白色結晶の組成を、内部標準法を用いた液体クロマ
トグラフィーで分析した結果、6−ヒドロキシ−2−ナ
フタレンカルボン酸の反応率は99.93%であり、6
−ヒドロキシ−2−ナフタレンメタノールの純度は9
9.21%(48.57mmol、収率:97.1%)
であった。副生成物として6−ヒドロキシ−2−ナフト
アルデヒドは0.37%及びその他の副生成物が併せて
0.35%存在することが分かった。
【0048】融点:181〜183℃1 H−NMR(300MHz、CDCl3+DMSO−d
6、δppm):9.08(1H,brs),7.70
−7.58(3H,m),7.40(1H,d),7.
10(2H,q),4.72(2H,s),2.91
(1H,brs)13C−NMR(300MHz、CDC
3+DMSO−d6、δppm):63.28,10
8.10,117.79,124.11,124.9
2,125.23,127.03,128.20,13
3.15,135.57,154.23
【0049】(実施例2)窒素雰囲気下、液化ロート、
ガス導入管、冷却管及び温度計を付した500mLの四
つ口フラスコに、実施例1と同様の操作により得られた
約1Mのボラン−テトラヒドロフラン錯体のテトラヒド
ロフラン溶液100mLを入れ、そこに6−ヒドロキシ
−2−ナフタレンカルボン酸12.58g(66.85
mmol)、トリメチルホウ酸エステル6.95gと無
水テトラヒドロフラン(70mL)溶液を、液化ロート
を用い、室温で30分かけて滴下した。この反応液を同
温度で3時間撹拌を行った。反応後、反応液を冷却し、
氷冷下、水150mLを加えて、30分間室温で激しく
撹拌した後、減圧下、テトラヒドロフランを留去させた
後、減圧下、テトラヒドロフランを留去させた後、白色
結晶を析出した。濾過により得られた白色結晶を水(2
00mL)で洗浄した後、80℃、8時間減圧乾燥する
ことにより、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンメタノー
ルを白色結晶として11.28g得た。得られた白色結
晶の組成を、内部標準法を用いた液体クロマトグフィー
で分析した結果、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカル
ボン酸の反応率は99.99%であり、6−ヒドロキシ
−2−ナフタレンメタノールの純度は99.42%(6
4.75mmol、収率:96.9%)であった。副生
成物として6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドは
0.08%、1−〔(6−ヒドロキシ(2−ナフチ
ル))メチル〕−6−(ヒドロキシメチル)ナフタレン
−2−オールは0.07%、6−〔(6−ヒドロキシ−
2−ナフチルオキシ)メチル〕ナフタレン−2−オール
は0.10%、(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)カル
ボニル−6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキシレ
ートは0.05%及びその他の副生成物が併せて0.2
7%存在することが分かった。
【0050】(実施例3)窒素雰囲気下、滴下ロート、
ガス導入管、冷却管及び温度計を付した500mLの四
つ口フラスコに、実施例1と同様の操作により得られた
約1Mのボラン−テトラヒドロフラン錯体のテトラヒド
ロフラン溶液100mLを入れ、そこに6−ヒドロキシ
−2−ナフタレンカルボン酸12.60g(66.96
mmol)、トリエチルホウ酸エステル19.27gと
無水テトラヒドロフラン(70mL)溶液を、滴下ロー
トを用い、室温で35分かけて滴下した。この反応液を
同温度で5時間撹拌を行った。反応後、反応液を冷却
し、氷冷下、水200mLを加えて、30分間室温で激
しく撹拌した後、減圧下、テトラヒドロフランを留去さ
せた後、白色結晶を析出した。濾過により得られた白色
結晶を水(250mL)で洗浄した後、80℃、8時間
減圧乾燥することにより、6−ヒドロキシ−2−ナフタ
レンメタノールを白色結晶として11.36g得た。得
られた白色結晶の組成を、内部標準法を用いた液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、6−ヒドロキシ−2−
ナフタレンカルボン酸の反応率は99.92%であり、
6−ヒドロキシ−2−ナフタレンメタノールの純度は9
9.18%(65.21mmol、収率:97.4%)
であった。副生成物として6−ヒドロキシ−2−ナフト
アルデヒドは0.31%、1−〔(6−ヒドロキシ(2
−ナフチル))メチル〕−6−(ヒドロキシメチル)ナ
フタレン−2−オールは0.06%、(6−ヒドロキシ
−2−ナフチル)カルボニル−6−ヒドロキシナフタレ
ン−2−カルボキシレートは0.05%及びその他の副
生成物が併せて0.32%存在することが分かった。
【0051】(実施例4)窒素雰囲気下、滴下ロート、
ガス導入管、冷却管及び温度計を付した500mLの四
つ口フラスコに、実施例1と同様の操作により得られた
約1Mのボラン−テトラヒドロフラン錯体のテトラヒド
ロフラン溶液100mL及びトリメチルホウ酸エステル
13.86gを入れ、そこに6−ヒドロキシ−2−ナフ
タレンカルボン酸12.56g(66.74mmol)
無水テトラヒドロフラン(70mL)溶液を、滴下ロー
トを用い、室温で40分かけて滴下した。この反応液を
同温度で4時間撹拌を行った。反応後、反応液を冷却
し、氷冷下、水150mLを加えて、30分間室温で激
しく撹拌した後、減圧下、テトラヒドロフランを留去さ
せた後、白色結晶を析出した。濾過により得られた白色
結晶を水(200mL)で洗浄した後、80℃、8時間
減圧乾燥することにより、6−ヒドロキシ−2−ナフタ
レンメタノールを白色結晶として11.23g得た。得
られた白色結晶の組成を、内部標準法を用いた液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、6−ヒドロキシ−2−
ナフタレンカルボン酸の反応率は99.95%であり、
6−ヒドロキシ−2−ナフタレンメタノールの純度は9
9.26%(64.47mmol、収率:96.6%)
であった。副生成物として6−ヒドロキシ−2−ナフト
アルデヒドは0.28%、1−〔(6−ヒドロキシ(2
−ナフチル))メチル〕−6−(ヒドロキシメチル)ナ
フタレン−2−オールは0.05%及びその他の副生成
物が併せて0.36%存在することが分かった。
【0052】(実施例5)窒素雰囲気下、滴下ロート、
ガス導入管、冷却管及び温度計を付した500mLの四
つ口フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム(純度:98
%)3.91g(101mmol)と、無水テトラヒド
ロフラン60mLを加え撹拌する。ジメチル硫酸13.
17g(104mmol)を、0℃で5分を要して滴下
し、氷冷下で2時間撹拌を行い、更に無水テトラヒドロ
フラン40mLを加え、室温下3時間撹拌を続けてガス
の発生が終了するのを確認した。次にそこに6−ヒドロ
キシ−2−ナフタレンカルボン酸12.59g(66.
90mmol)とトリメチルホウ酸エステル6.96g
及び無水テトラヒドロフラン(70mL)溶液を、滴下
ロートを用い、室温で35分かけて滴下した。この反応
液を同温度で2時間撹拌を行った。反応後、反応液を冷
却し、氷冷下、水200mLを加えて、30分間室温で
激しく撹拌した後、減圧下、テトラヒドロフランを留去
させた後、白色結晶を析出した。濾過により得られた白
色結晶を水(200mL)で洗浄した後、80℃、8時
間減圧乾燥することにより、6−ヒドロキシ−2−ナフ
タレンメタノールを白色結晶として11.31g得た。
得られた白色結晶の組成を、内部標準法を用いた液体ク
ロマトグラフィーで分析した結果、6−ヒドロキシ−2
−ナフタレンカルボン酸の反応率は99.95%であ
り、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンメタノールの純度
は99.30%(64.93mmol、収率:97.1
%)であった。副生成物として6−ヒドロキシ−2−ナ
フトアルデヒドは0.10%、1−〔(6−ヒドロキシ
(2−ナフチル))メチル〕−6−(ヒドロキシメチ
ル)ナフタレン−2−オールは0.04%、6−〔(6
−ヒドロキシ−2−ナフチルオキシ)メチル〕ナフタレ
ン−2−オールは0.12%、(6−ヒドロキシ−2−
ナフチル)カルボニル−6−ヒドロキシナフタレン−2
−カルボキシレートは0.07%及びその他の副生成物
が併せて0.32%存在することが分かった。
【0053】(実施例6)窒素雰囲気下、滴下ロート、
ガス導入管、冷却管及び温度計を付した500mLの四
つ口フラスコに、実施例1と同様の操作により得られた
約1Mのボラン−テトラヒドロフラン錯体のテトラヒド
ロフラン溶液200mLを入れ、そこに6−ヒドロキシ
−2−ナフタレンカルボン酸18.82g(100.0
mmol)無水テトラヒドロフラン(120mL)溶液
を、滴下ロートを用い、室温で1時間かけて滴下した。
この反応液を同温度で7時間撹拌を行った。反応後、反
応液を冷却し、氷冷下、水200mLを加えて、30分
間室温で激しく撹拌した後、減圧下、テトラヒドロフラ
ンを留去させた後、白色結晶を析出した。濾過により得
られた白色固体を水(300mL)で洗浄した後、減圧
乾燥することにより白色固体16.73gを得た。得ら
れた白色固体の組成を、内部標準法を用いた液体クロマ
トグラフィーで分析した結果、6−ヒドロキシ−2−ナ
フタレンカルボン酸の反応率は99.44%であり、6
−ヒドロキシ−2−ナフタレンメタノールの純度は8
7.60%であった。副生成物として6−ヒドロキシ−
2−ナフトアルデヒドは0.14%、1−〔(6−ヒド
ロキシ(2−ナフチル))メチル〕−6−(ヒドロキシ
メチル)ナフタレン−2−オールは3.59%、6−
〔(6−ヒドロキシ−2−ナフチルオキシ)メチル〕ナ
フタレン−2−オールは3.29%、(6−ヒドロキシ
−2−ナフチル)カルボニル−6−ヒドロキシナフタレ
ン−2−カルボキシレートは1.24%及びその他の副
生物が併せて3.58%存在することが分かった。
【0054】(実施例7)窒素雰囲気下、滴下ロート、
ガス導入管、冷却管及び温度計を付した300mLの四
つ口フラスコに、水素化ホウ素ナトリウム(純度:98
%)3.90g(101mmol)と、無水テトラヒド
ロフラン60mLを加え撹拌する。ジメチル硫酸13.
21g(105mmol)を、0℃で5分を要して滴下
し、氷冷下で2時間撹拌を行い、更に無水テトラヒドロ
フラン40mLを加え、室温下3時間撹拌を続けてガス
の発生が終了するのを確認した。次にそこに6−ヒドロ
キシ−2−ナフタレンカルボン酸9.73g(51.7
1mmol)及び無水テトラヒドロフラン(50mL)
溶液を、滴下ロートを用い、室温で25分かけて滴下
し、滴下途中固まりになった。この反応液を同温度で7
時間撹拌を行った。反応後、反応液を冷却し、氷冷下、
水150mLを加えて、30分間室温で激しく撹拌し
た。得られた反応溶液を、内部標準法を用いた液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、6−ヒドロキシ−2−
ナフタレンカルボン酸の反応率は68.53%であり、
6−ヒドロキシ−2−ナフラレンメタノールの収率は2
6.8%であった。副生成物として6−ヒドロキシ−2
−ナフトアルデヒドは0.36%、1−〔(6−ヒドロ
キシ(2−ナフチル))メチル〕−6−(ヒドロキシメ
チル)ナフタレン−2−オールは8.21%、6−
〔(6−ヒドロキシ−2−ナフチルオキシ)メチル〕ナ
フタレン−2−オールは6.18%、(6−ヒドロキシ
−2−ナフチル)カルボニル−6−ヒドロキシナフタレ
ン−2−カルボキシレートは5.66%及びその他の副
生成物が多数存在することが判明した。
【0055】(実施例8)窒素雰囲気下、滴下漏斗とガ
ス導入管及び温度計を付した300mLの四つ口フラス
コに、水素化ホウ素ナトリウム(純度:92%)5.4
9g(0.134mol)と、無水テトラヒドロフラン
100mLを加え撹拌する。ジメチル硫酸17.35g
(0.135mol)を、20℃で30分を要して滴下
し、更に、3時間撹拌を続けてガスの発生が終了するの
を確認した。生じたボラン−テトラヒドロフラン錯体を
20℃に保持し、系中に生成したモノメチル硫酸塩を分
離するために、窒素雰囲気下上澄液をグラスフィルター
で濾過して別の500mL容量の四つ口フラスコに移送
した。6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸1
2.6g(0.067mol)の無水テトラヒドロフラ
ン(80mL)溶液を、滴下漏斗を用い、0℃で40分
かけて、調製したボラン−テトラヒドロフランフラン錯
体溶媒液中に滴下した。この反応液を同温度で水素の発
生が完了するまで15分撹拌を続け、更に、還流条件下
で4次間撹拌を行った。反応後、反応液を冷却し、氷冷
下、水80mLを加えて、30分間室温で激しく撹拌し
た後、減圧下、テトラヒドロフランを留去させた後、ジ
エチルエーテル500mLで二回抽出し、得られた有機
層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150mLで、引き
続き飽和食塩水溶液150mLで、洗浄した後、硫酸マ
グネシウムで乾燥した。ジエチルエーテルを減圧下除去
し、6−ヒドロキシ−2−ナフラレンメタノールを白色
結晶として11.45g(0.066mol、収率:9
8.1%)得た。
【0056】融点:181〜183℃ 元素分析:C11102(174.20)として 計算値 C:75.84、H:5.79 分析値 C:75.90、H:5.82 MS(m/e):174(M+、100%)、157、
145、127、115 IR(KBr):3417、3183、2864、16
07、1214、1171、1009、999、90
3、871cm-1
【0057】1H−NMR(300MHz、CDCl3
DMSO−d6、δppm):9.08(1H、br
s)、7.70−7.58(3H、m)、7.40(1
H、d)、7.10(2H、q)、4.72(2H、
s)、2.91(1H、brs)。13 C−NMR(300MHz、CDCl3+DMSO−
6、δppm):63.28、108.10、11
7.79、124.11、124.92、125.2
3、127.03、128.20、133.15、13
5・57、154.23。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、香料、樹脂、農薬及び
医薬等の合成原料として有用な6−ヒドロキシ−2−ナ
フタレンメタノールが得られ、またこの化合物を工業的
に有利に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩根 寛 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC11 BA53 FC54 FE10 FE13 4H039 CA60 CB40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表される6−ヒドロキシ
    −2−ナフチルカルビノール 【化1】
  2. 【請求項2】 下記式(II)で表される6−ヒドロキシ
    −2−ナフタレンカルボン酸を還元することを特徴とす
    る6−ヒドロキシ−2−ナフチルカルビノールの製造方
    法。 【化2】
  3. 【請求項3】 還元剤としてボラン類を用いる請求項2
    に記載の6−ヒドロキシ−2−ナフチルカルビノールの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 還元反応を下記一般式(III)、(I
    V)、(V)又は(VI)で表されるホウ酸エステル類の
    存在下で行う請求項3に記載の6−ヒドロキシ−2−ナ
    フチルカルビノールの製造方法。 【化3】 (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、アル
    キル基、アラルキル基、ヘテロ原子含有アルキル基又は
    アリール基を表す) 【化4】 (式中、R4はアルキル基、アラルキル基、ヘテロ原子
    含有アルキル基又はアリール基を表し、R′は置換基を
    有していてもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表
    す) 【化5】 (式中、R5及びR6は、それぞれ独立して、アルキル
    基、アラルキル基、ヘテロ原子含有アルキル基又はアリ
    ール基を表す) 【化6】 (式中、R7、R8及びR9は、それぞれ独立して、置換
    基を有していてもよいアルキレン基又はアルキレンオキ
    シ基を表し、R10は水素原子又はアルキル基を表し、X
    は炭素原子、窒素原子又はホウ素原子を表す。また、
    a,b,c及びdは0又は1である)
  5. 【請求項5】 ホウ酸エステル類がトリメチルホウ酸エ
    ステル又はトリエチルホウ酸エステルである請求項4に
    記載の6−ヒドロキシ−2−ナフチルカルビノールの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 式(II)の化合物を水素化アルミニウム
    錯化合物により還元することを特徴とする6−ヒドロキ
    シ−2−ナフチルカルビノールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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