JP2000239016A - 硫酸根含有高塩基度塩基性塩化アルミニウムの製造方法 - Google Patents

硫酸根含有高塩基度塩基性塩化アルミニウムの製造方法

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JP2000239016A
JP2000239016A JP11041519A JP4151999A JP2000239016A JP 2000239016 A JP2000239016 A JP 2000239016A JP 11041519 A JP11041519 A JP 11041519A JP 4151999 A JP4151999 A JP 4151999A JP 2000239016 A JP2000239016 A JP 2000239016A
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aluminum chloride
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basic aluminum
sulfate
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Koji Shimada
宏治 嶋田
Yoshitaka Matsuda
慶貴 松田
Takashi Takuma
貴 詫間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高塩基度の硫酸根含有塩基性塩化アルミニウ
ムを効率良く工業的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 水酸化アルミニウムを原料として硫酸根
含有高塩基度塩基性塩化アルミニウムを製造する方法に
おいて、塩酸と硫酸の混酸を使用し、1段目反応の温度
・時間を100 〜140 ℃・0.5 〜5時間、2段目反応の温
度・時間を150 〜180 ℃・1〜6時間の範囲とし、この
混酸と水酸化アルミニウムとの2段階の反応を連続して
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凝集剤として、特
に低温時の使用に有用な、硫酸根含有高塩基度塩基性塩
化アルミニウムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塩基性
塩化アルミニウムは一般的にはポリ塩化アルミニウム
(PAC)として浄水用、排水用の凝集剤として多量に
使用されている。塩基性塩化アルミニウムの一般式を[A
l2(OH)nCl6-n] としたとき、塩基度は(n/6×100
%)より求められる。高塩基度塩基性塩化アルミニウム
は寒冷地及び冬期の低水温での凝集に有用であり、市販
されている高塩基度塩基性塩化アルミニウムは塩基度60
%前後のものがほとんどである。また、塩基性塩化アル
ミニウムに硫酸根(硫酸イオン)を含有させると凝集性
能が向上することはよく知られており、JIS:K−1
475(水道用ポリ塩化アルミニウム)では硫酸根の含
有量を3.5 %以下と規定している。塩基性塩化アルミニ
ウムの製造方法については種々の報告がされているが、
工業的に一般的に行われている方法は、原料に塩酸と水
酸化アルミニウムを用い、耐酸耐圧反応器(オートクレ
ーブ)で加熱加圧状態で反応を行った後、濃度調整、硫
酸根含有、塩基度調整等を行う方法である。かかる方法
において、通常、塩酸としては35%濃度のものが、水酸
化アルミニウムとしては安価な工業用水酸化アルミニウ
ム(ハイドラジライト系)が使用されている。また、硫
酸根源としては硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ア
ルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸第一
鉄、硫酸第二鉄等いろいろな硫酸塩が提案されている。
しかし、このような硫酸塩を用いると、塩基性塩化アル
ミニウム溶液中にナトリウムイオン、カリウムイオン等
の陽イオンが存在することになり、凝集性能、保存安定
性に悪影響を及ぼす。また、アルミニウムイオン等は塩
基度を下げたりする。硫酸根源に硫酸を使用する方法と
しては、例えば特公昭50−839号、特開昭47−2
0096号、特開昭52−9699号等がある。これら
の方法はいずれも硫酸と塩酸を水酸化アルミニウムと共
に反応器に入れ、加熱加圧状態で反応を行い、硫酸根含
有塩基性塩化アルミニウムを得る方法であり、硫酸塩か
らもたらされる陽イオンがないため、優れている。しか
し、得られる硫酸根含有塩基性塩化アルミニウムの塩基
度は50%くらいまでであり、高塩基度にするためには、
アルカリ剤を多量に加えなければならない。アルカリ剤
としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等が提
案されているが、これらのアルカリ剤を使用すると、塩
基性塩化アルミニウム溶液中に陽イオンが存在し、前述
の通り凝集性能、保存安定性に悪影響を及ぼしたり、硫
酸カルシウムのような不溶解物が生成したりする欠点が
ある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の欠点を改良するもので、工業的に大量に生産されてい
る塩酸、硫酸、ハイドラジライト系水酸化アルミニウム
を原料に使用し、反応後に硫酸根を含有しているため硫
酸塩の添加が不要であり、塩基度調整のためのアルカリ
剤がまったく不要か、あるいは少量で済み、かつ製造工
程が簡略なため、製品を安価に製造できる方法の提供を
目的とするものである。即ち、本発明は水酸化アルミニ
ウムを原料として硫酸根含有高塩基度塩基性塩化アルミ
ニウムを製造する方法において、塩酸と硫酸の混酸を使
用し、1段目反応の温度・時間を100 〜140 ℃・0.5 〜
5時間、2段目反応の温度・時間を150〜180 ℃・1〜
6時間の範囲とし、この混酸と水酸化アルミニウムとの
2段階の反応を連続して行うことを特徴とする硫酸根含
有高塩基度塩基性塩化アルミニウムの製造方法である。
本発明により得られる製品は高塩基度品であり、低水温
での凝集性能に優れ、かつ保存安定性が良好な硫酸根含
有高塩基度塩基性塩化アルミニウムである。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する塩酸の濃度はとくに制限はないが、工
業的に大量に生産され、入手が容易な35%濃度の製品が
適当である。硫酸の濃度もとくに制限はないが、濃硫酸
のまま使用すると、作業が危険になるので、水で希釈し
て使用するのが好ましい。本発明に使用する混酸中の塩
酸と硫酸のモル比は、塩酸1に対して硫酸0.05〜0.18の
範囲が好ましく、その硫酸の量は、得られる硫酸根含有
高塩基度塩基性塩化アルミニウム中の硫酸根量が1.5 〜
3.5 %の範囲になるようにすることが望ましい。1.5 %
未満では凝集剤としての性能が劣り、3.5 %を越えると
保存安定性が悪くなり、また、前述のJIS規格の規定
を越える。水酸化アルミニウムと混酸(塩酸と硫酸を混
合したもの)の割合は、所望する塩基度に必要な水酸化
アルミニウムの理論量に対して5〜50%過剰にするのが
よい。水酸化アルミニウムが少ないと所望する塩基度が
得られない。また多すぎると、濾過設備が大きなものに
なる。反応器への供給は水酸化アルミニウムと塩酸と硫
酸を混合した後に行ってもよいし、別々に供給してもよ
い。
【0005】1段目反応、2段目反応の温度、時間等の
反応条件は使用する水酸化アルミニウムの含水率、平均
粒子径粒度分布、硫酸濃度、塩酸濃度、硫酸と塩酸のモ
ル比等によりかわるが、おおむね、1段反応の温度・時
間は100 〜140 ℃・0.5 〜5時間、2段反応の温度・時
間は150 〜180 ℃・1〜6時間の範囲が好ましい。本発
明の特徴は反応を2段階に分けて行うことにあり、かつ
2段階の反応を連続して行うことにある。1段目反応の
温度・時間の範囲では、水酸化アルミニウムと硫酸が優
先的に反応しポリ硫酸アルミニウム〔一般式:Al2(OH)n
(SO4)m :n+2m=6〕が生成する。ポリ塩化アルミ
ニウム〔一般式:Al2(OH)nCl6-n〕は生成するものの、
その塩基度は10〜30%程度と考えられる。所定時間この
温度を維持することにより、ポリ硫酸アルミニウムは安
定する。所定時間、1段目反応を行った後、温度を上げ
て、2段目反応を行う。2段目反応の温度・時間の範囲
では、水酸化アルミニウムと塩酸が優先的に反応し、ポ
リ塩化アルミニウムの塩基度が上昇し、55〜65%になる
と考えられる。硫酸は1段目反応の段階でほとんど反応
が終了し、ポリ硫酸アルミニウムとして安定化している
ので、2段目反応では反応しないと考えられる。
【0006】1段目反応を経ないで2段目反応を行う
と、硫酸根含有塩基性塩化アルミニウムは得られるが、
本発明が目的としている高塩基度の製品は得られない。
詳細な理由は不明であるが、反応の途中で生成したポリ
硫酸アルミニウムが安定化しないまま、温度が上昇する
ため、一旦生成したポリ硫酸アルミニウムが加水分解を
起こし、硫酸と微細な水酸化アルミニウムになる。水酸
化アルミニウムと硫酸と塩酸が150 〜180 ℃の高温状態
にあるとき、硫酸と水酸化アルミニウムが優先的に反応
し、塩酸との反応を阻害するため、高塩基度の製品が得
られないのではないかと考えられる。そのため、本発明
では反応を2段階に分けて行う。反応終了した後、少量
のアルカリ剤を加えることにより、さらに塩基度を75%
まで上げることは可能である。更にアルカリ剤を加える
ことにより、塩基度も上昇するが溶液中に陽イオンが多
量に存在するため、本発明の目的とするところではな
い。アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カ
ルシウム等が使用できる。
【0007】
【実施例】以下、実施例により、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 ハイドラジライト系工業用水酸化アルミニウム(平均粒
子径:60μ、含水率:13%)160 g、35%塩酸200 gを
1Lガラス製オートクレーブ反応器に入れた。これとは
別に水100 gに95%濃硫酸30gを徐々に入れて用意した
硫酸液を反応器に入れ、反応を行った。反応温度が120
℃になってから、この温度で2時間保持した。引き続き
反応温度を170 ℃に上げ、この温度で3時間保持した。
反応終了後、冷却したのち、濾過を行ったところ、ほと
んど透明な塩基性塩化アルミニウム溶液460 gと水酸化
アルミニウムのケーキ20gが得られた。この溶液に水34
0gを加え、よく攪拌し、塩基性塩化アルミニウム溶液8
00 gを得た。この溶液の組成は次の通りであった。 Al2O3 :10.4% 塩基度:61% SO4 :3.3 % この溶液は硫酸根含有高塩基度塩基性塩化アルミニウム
であることがわかった。
【0008】比較例1 ハイドラジライト系工業用水酸化アルミニウム(平均粒
子径:60μ、含水率:13%)160 g、35%塩酸200 gを
1Lガラス製オートクレーブ反応器に入れた。これとは
別に水110 gに95%濃硫酸20gを徐々に入れて用意した
硫酸液を反応器に入れ、反応を行った。反応温度170 ℃
に上げ、この温度で3時間保持した。反応終了後、冷却
したのち、濾過を行ったところ、ほとんど透明な塩基性
塩化アルミニウム溶液420 gと水酸化アルミニウムのケ
ーキ60gが得られた。この溶液に水200 gを加え、よく
攪拌し、塩基性塩化アルミニウム溶液620 gを得た。こ
の溶液の組成は次の通りであった。 Al2O3 :10.4% 塩基度:48% SO4 :3.0 % この溶液を攪拌しながら、炭酸ナトリウム(試薬1級)
30gを徐々に加えた。炭酸ガスの発生が認められなくな
った後、さらに攪拌を行い、透明な塩基性塩化アルミニ
ウム溶液640 gを得た。この溶液の組成は次の通りであ
った。 Al2O3 :10.2% 塩基度:60% SO4 :2.9 % 実施例2 ハイドラジライト系工業用乾燥水酸化アルミニウム(平
均粒子径:75μ)190g、35%塩酸270 gを1Lガラス
製オートクレーブ反応器に入れた。これとは別に水180
gに50%濃硫酸60gを徐々に入れて用意した硫酸液を反
応器に入れ、反応を行った。反応温度が100 ℃になって
から、この温度で5時間保持した。引き続き反応温度を
160 ℃に上げ、この温度で5時間保持した。反応終了
後、冷却したのち、濾過を行ったところ、ほとんど透明
な塩基性塩化アルミニウム溶液650gと水酸化アルミニ
ウムのケーキ40gが得られた。この溶液に炭酸ナトリウ
ム5gを徐々に加えた。炭酸ガスの発生が認められなく
なった後、水を加え、攪拌し、塩基性塩化アルミニウム
溶液1000gを得た。この溶液の組成は次の通りであっ
た。 Al2O3 :10.5% 塩基度:62% SO4 :3.0 % この溶液は硫酸根含有高塩基度塩基性塩化アルミニウム
であることがわかった。
【0009】比較例2 ハイドラジライト系工業用乾燥水酸化アルミニウム(平
均粒子径:75μ)190g、35%塩酸250 gを1Lガラス
製オートクレーブ反応器に入れた。これとは別に水180
gに50%濃硫酸60gを徐々に入れて用意した硫酸液を反
応器に入れ、反応を行った。反応温度を160 ℃に上げ、
この温度で5時間保持した。反応終了後、冷却したの
ち、濾過を行ったところ、ほとんど透明な塩基性塩化ア
ルミニウム溶液580 gと水酸化アルミニウムのケーキ11
0 gが得られた。この溶液の組成は次の通りであった。 Al2O3 :13.1% 塩基度:42% SO4 :5.0 % 実施例3 1Lガラス製オートクレーブ反応器に水200 gを入れ、
95%濃硫酸30gを徐々に加えたのち、更に35%塩酸220
gを入れた。ハイドラジライト系工業用乾燥水酸化アル
ミニウム(平均粒子径:50μ)160 gを入れ、反応を行
った。反応温度が140 ℃になってから、この温度で1時
間保持した。引き続き反応温度を180 ℃に上げ、この温
度で3時間保持した。反応終了後、冷却したのち、濾過
を行ったところ、ほとんど透明な塩基性塩化アルミニウ
ム溶液580 gと水酸化アルミニウムのケーキ20gが得ら
れた。この溶液に水370 gを加え、攪拌し、塩基性塩化
アルミニウム溶液950 gを得た。この溶液の組成は次の
通りであった。 Al2O3 :10.2% 塩基度:60% SO4 :3.0 % この溶液は硫酸根含有高塩基度塩基性塩化アルミニウム
であることがわかった。
【0010】(参考例)実施例1〜3及び比較例1で得
た硫酸根含有高塩基度塩基性塩化アルミニウムの凝集性
能と保存安定性試験を行い、凝集剤としての有用性を調
べた。比較のために、市販されているポリ塩化アルミニ
ウムA(高塩基度品)、B(一般品)も調べた。 ・凝集試験の方法 :ジャーテスト ・凝集試験の供試水:カオリン試薬(キシダ化学製)を水道水に添加し、濁度20 0 (pH7.3)に調整した。 ・凝集性能の温度 :5℃、20℃ ・凝集剤の添加量 :80ppm ・ジャーテストの試験条件:高速攪拌 120rpm 2分間 低速攪拌 60ppm 10分間 静置時間 10分間 〔凝集試験結果〕
【0011】
【表1】
【0012】・保存安定性の試験:100cc透明ガラ
ス瓶に約80cc液を入れ、蓋をした。温度50℃の恒
温槽の中に入れ、白濁するまでの日数を調べた。
【0013】〔保存安定性試験結果〕
【0014】
【表2】
【0015】実施例1〜3で得られた硫酸根含有高塩基
度塩基性塩化アルミニウムは低温での凝集性能に優れ、
保存安定性の良好な凝集剤であることがわかる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA04 BA10 BB05 CA10 CA14 DA04 DA39 DC02 4D062 BA04 BA10 CA10 CA14 DA04 DA39 DC02 4G076 AA06 AA19 AB06 BA15 BD02 CA15 DA28

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化アルミニウムを原料として硫酸根
    含有高塩基度塩基性塩化アルミニウムを製造する方法に
    おいて、塩酸と硫酸の混酸を使用し、1段目反応の温度
    ・時間を100 〜140 ℃・0.5 〜5時間、2段目反応の温
    度・時間を150 〜180 ℃・1〜6時間の範囲とし、この
    混酸と水酸化アルミニウムとの2段階の反応を連続して
    行うことを特徴とする硫酸根含有高塩基度塩基性塩化ア
    ルミニウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 該硫酸根含有高塩基度塩基性塩化アルミ
    ニウムの塩基度が55〜65%の範囲であることを特徴とす
    る請求項1記載の硫酸根含有高塩基度塩基性塩化アルミ
    ニウムの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013220396A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Hokkaido Univ 膜ろ過方法
CN114772623A (zh) * 2022-03-30 2022-07-22 同济大学 一种利用铝灰连续生产聚合氯化铝的方法

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