JP2000238285A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2000238285A
JP2000238285A JP3984699A JP3984699A JP2000238285A JP 2000238285 A JP2000238285 A JP 2000238285A JP 3984699 A JP3984699 A JP 3984699A JP 3984699 A JP3984699 A JP 3984699A JP 2000238285 A JP2000238285 A JP 2000238285A
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ink
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JP3984699A
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English (en)
Inventor
Yasumi Tanaka
康己 田中
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明はメンテナンスと印字との同時実行
を回避するとともに印字実行を優先させることにより高
速印字を可能としたインクジェットプリンタ装置を提供
することにある。 【解決手段】 印字ヘッドブロック1(印字手段)のノ
ズルからの正常なインクの吐出を維持させるためのメン
テナンス手段と被印字情報に基づいて印字情報を生成す
る制御手段(CPU55)と印字条件を格納する印字条
件格納手段(RAM57)とメンテナンス延期条件格納
手段(RAM67)とメンテナンス実行情報格納手段
(RAM67)とを設け、前記制御手段が前記被印字情
報の受信中に、被印字情報とともに受信した印字条件が
前記延期条件に該当すると前記判断手段が判断したと
き、前記メンテナンス制御手段(画像形成制御部61)
によって、メンテナンスの実行を延期させ印字を行い、
該当しないと判断した時はメンテナンスを実行するイン
クジェット記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクを吐出して印
字を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置は、イン
クボトルと一体となった各色用印字ヘッドを行方向の全
長にわたって往復移動させかつその各往動中、または往
復移動中に普通紙、オーバーヘッドプロジェクター用フ
ィルム等の印字媒体(以下記録紙という)に一行(また
は1/N行)印字し、一行(または1/N行)印字後に
を列方向に一行送りして印字し、これらを繰り返して印
字するいわゆるシリアル型のインクジェット記録装置が
知られている。
【0003】一般に、このようなインクジェット記録装
置においては、インクを吐出するインク吐出通路(以下
ノズルという)内のインクの乾燥によるノズルの詰まり
や印字ヘッドのノズルの開口部への空気中のゴミや印字
中の搬送時に発生する紙粉(以下ゴミ等という)の付着
による吐出不良が発生し、インクの吐出が阻害され正常
なインクの吐出の維持ができなくなる。これを防止する
ためにこれらのインクジェット記録装置は使用しない時
には、いわゆるキャップによって印字ヘッドのノズル形
成面を大気に対して密閉しゴミ等の付着を防止したり、
定期的にノズル内に詰まったインクの除去、付着したゴ
ミ等の除去すること(以下メンテナンスという)が行わ
れている。
【0004】上記のメンテナンスの方法には、いくつか
の方法が知られている。まず一つの方法は非印字時に印
字ヘッドのノズルに対向する位置にノズルから吐出され
たインクを受けるためのインク受け部材を配置し、これ
に向けてノズルからインクを空吐出、つまり印字とは無
関係の吐出をすることでノズルの詰まりを解消する方法
が知られている。この方法は厳密に区別すると印字ヘッ
ドに通常よりも強い駆動電圧を加えて駆動することでイ
ンクを吐出する方法と、印字ヘッドを駆動することなく
ノズルのインクに圧力を加えることで、インクを吐出さ
せる方法がある。
【0005】また、印字ヘッドのノズル内に詰まったイ
ンクを排除するために、吸引手段によって前記詰まった
インクやゴミ等を吸引することでノズルの詰まりを解消
する方法も知られている。この場合にはノズルを大気に
対して密閉する密閉空間を形成可能なキャップを設け、
キャップ内を負圧とすることでノズルに詰まったインク
やゴミ等を吸引するものである。
【0006】そしてメンテナンスを実行するタイミング
は、例えば電源投入時やユーザーの要求時に操作パネル
からメンテナンスを指示して実行したり、またはメンテ
ナンス実行情報(例えば設定時間や印字枚数など)に基
づいて、メンテナンス制御手段がメンテナンス実行時期
であることを判断したときにメンテナンスを実行するも
のなどがある。
【0007】前述のメンテナンス実行情報を時間とした
場合は、電源オンと同時にタイマーで計時(以下カウン
トという)を始め、規定時間が経過したらメンテナンス
を実行するように構成されている。このタイマーによる
カウントは印字中であれば印字ヘッドのノズルの印字状
態の悪化はほとんど無視できるので、印字中はタイマー
によるカウントを停止したり、もしくは電源のオンオフ
に限らずに、一定時間が経過すれば印字ヘッドのノズル
の印字状態は確実に悪化するといった考えから、バック
アップ電源によって常にタイマーによって時間をカウン
トするように制御するような工夫が行われている。
【0008】また、メンテナンス実行情報を印字枚数と
した場合には、印字された枚数を記録紙センサなどの信
号やドラムの回転数を利用して計数する計数手段を持
ち、この計数手段による印字枚数が規定枚数に達する
と、メンテナンスを開始するように構成されているもの
などがある。
【0009】そして仮に、記録装置が印字中であっても
メンテナンス実行時期が来ると記録を中断して、メンテ
ナンスを実行しメンテナンスが終了した後、再び記録を
再開するようにしている。
【0010】上記シリアル型のインクジェット記録装置
に対して、大幅な印字の高速化が図れかつ多数枚にわた
って連続印字運転が可能であるとともに電子写真方式の
レーザー記録装置に比較して、大幅な小型化を図れるイ
ンクジェット記録装置を本出願人はすでに開発し出願し
ている。(例えば、特願平8−296959号、特開平
10−138520)すなわち、この出願に係るインク
ジェット記録装置は印字媒体つまり記録紙の行方向の全
長にわたってノズルを配列した形式、つまりフルライン
型のカラー用のインクジェット印字ヘッドを設けてあ
る。そして記録紙を回転可能なドラムに巻き付かせて、
このドラムを回転させながら記録を行うように構成され
ている。
【0011】各インクジェットノズル間ピッチPTを所
定解像度(例えば300DPI(ドット/インチ))を
得るのに必要な基準ピッチPTp(1/300インチ)
のN(4)倍の1/75インチに形成するとともに、ド
ラムが1回転する間に各色用ノズルユニットをドラムの
軸線方向に基準ピッチPTp(1/300インチ)だけ
移動させ、かつドラムをN(4)回、回転させることに
より解像度(75DPI)の各色用ノズルユニットを用
いて所定解像度(300DPI)の多色カラー印字をす
るようになっている。つまり、行方向印字と列方向印字
とを同時的に進行可能であるから例えば20PPM(ペ
ージ/ミニッツ)という大幅な印字の高速化が図れる。
【0012】また、各色用印字ヘッドと当該各色用イン
クタンクが離れた位置に配設したので、各色用印字ヘッ
ドを軽くでき行方向の往復移動速度をより大幅に高めら
れる点も一層の印字高速化を助長するとともに、各色用
インクタンクの容量を大幅に拡大できるので、例えば5
00枚以上の連続印字運転が可能である。
【0013】かかる多数枚の印字媒体を連続でかつ高画
質で印字するため、及びノズルの数が極めて多いため、
インクの正確で円滑かつ安定した吐出を確保するために
印字ヘッドのメンテナンスが特に重要である。
【0014】しかし、このようなフルライン型のインク
ジェット記録装置においてシリアル型の印字ヘッドで行
われるようなメンテナンス方法、すなわちノズル面を吸
引手段によって吸引し、固化したインクやゴミ等を吸い
取る方式のメンテナンスを行うことはいくつかの問題が
ある。
【0015】つまり、吸引するためには印字ヘッド全体
をキャップ手段によって密閉する必要があるが、フルラ
イン型の印字ヘッドの場合、大きな空間を完全に密閉す
ることは印字ヘッドの位置とキャップ手段を正確に位置
決めし、キャップ手段と印字ヘッドを大きな外力で密閉
させる必要があり、また、仮に密閉空間が実現できたと
しても、その空間内に有効な負圧を発生するためには、
大きな吸引性能のあるポンプなどを使用する必要があり
プリンタの小型化や経済面において、デメリットが多く
なるという問題である。
【0016】そこで、本出願人は、特願平10−789
45の出願に記載されているようなメンテナンス方法を
開発した。
【0017】すなわち、この出願におけるインクジェッ
ト記録装置のメンテナンス方式は、非印字時に印字ヘッ
ドの各ノズルに対向位置決めされたインク受けボード
(以下インク受け部材ともいう)に向けて前記各ノズル
からインクを吐出して前記印字ヘッドの先端面とインク
受けボードのインク受け面との間に水平方向のインク流
動を生成し、このインク流動を利用して印字ヘッドの先
端面に付着した紙粉を除去可能にするとともに、インク
受け面の前記各ノズルに対向しない位置でかつ前記行方
向に離間配設された複数のインク排出口を設け、紙粉除
去後のインクを当該インク受けボードの下方に排出可能
に形成したものである。
【0018】その結果、このメンテナンス方法は先端面
に付着した紙粉を迅速かつ確実に除去できかつ再付着を
防止できるとともに、安全で自動化も容易に図れるもの
である。
【0019】しかし、前記出願のインクジェット記録装
置におけるメンテナンスは、前記出願には記載していな
いが正常な印字の完了のためには、一度印字が開始され
ると印字が終了するまではメンテナンスの実行が不可能
になる。従って、記載していないが、前記出願に係るイ
ンクジェット記録装置では、メンテナンス実行情報(例
えば設定時間や印字枚数など)を判断して、そのメンテ
ナンス実行情報がメンテナンス実行時期であることを判
断してインクを空吐出してメンテナンスを実行するよう
に制御している。
【0020】従って、上記のような制御によってメンテ
ナンスを実行するだけでは、不十分な点が多いことが判
明した。それはフルライン型のインクジェット記録装置
は、前述のインク受け部材は印字ヘッドの大きさに比例
して大型とする必要がある。このために印字中は印字処
理に不都合がない位置にインク受け部材を大きく移動さ
せて待避させる必要がある。またメンテナンス時にはイ
ンク受け部材を印字ヘッドのノズルと対向する位置に移
動させる必要がある。このようにインク受け部材の移動
などに時間を要することからメンテナンスを実行するま
でにメンテナンスの準備に時間を要することになる。
【0021】さらに、空吐出によるメンテナンスにおい
ても、シリアル型の印字ヘッドと比較して多数のノズル
を最適な状態にするため大きな圧力をかける必要があ
り、このための圧力とするために時間を要することにな
る。
【0022】また、被印字情報の受信中にメンテナンス
の実行時期が来ると、制御手段が被印字情報を受信中で
あっても受信処理を中断してメンテナンスを実行するよ
うになっており、そのためその間は印字処理がメンテナ
ンスによって長い間中断されフルライン型の印字ヘッド
の特徴を生かした高速印字が実行できず、結果的に印字
速度が低下するという事態が生じ留ものである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記出願
人の開発したインクジェット記録装置のメンテナンスに
おいては、メンテナンス実行情報に基づいてメンテナン
ス制御手段がメンテナンス実行時期であると判断する
と、印字処理が中断されてしまったり、または被印字情
報の受信中であった場合、受信処理を一時停止しメンテ
ナンス実行し、またメンテナンス時の準備に長時間を要
することから、高速印字をするという観点において必ず
しも十分でないものである。
【0024】また、各種印字においてとりあえず印字内
容の概要が確認できればよくそのためドットを間引いた
り、通常印字時より濃度を薄くして印字するようなドラ
フト印字や、普通紙に印字するといった印字条件におい
ては、メンテナンスを実行せずに、多少のドット抜けが
生じても印字結果にはほとんど問題ないことが発明者に
よって確認された。
【0025】本発明は上記のような点に鑑みなされたも
ので、良好なメンテナンスを実現しながら、高速印字が
可能なインクジェット記録装置を提供することを目的と
する。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、複数のノズルを有し記録紙
上にインクを吐出する印字手段と、前記ノズルからの正
常なインクの吐出を維持させるためのメンテナンス手段
と、被印字情報を受信し印字情報を生成する制御手段
と、この制御手段が被印字情報とともに受信した印字条
件を格納する印字条件格納手段と、メンテナンス延期条
件を格納するメンテナンス延期条件格納手段と、前記印
字条件格納手段に格納された印字条件が前記メンテナン
ス延期条件格納手段に格納されているメンテナンス延期
条件に該当するか否かを判断する判断手段と、メンテナ
ンス実行情報を格納するメンテナンス実行情報格納手段
と、このメンテナンス実行情報格納手段に格納されたメ
ンテナンス実行情報と前記判断手段の判断結果に基づい
て前記メンテナンス手段を動作させてメンテナンスを実
行するメンテナンス制御手段とを備え、前記制御手段が
前記被印字情報の受信中に、被印字情報とともに受信し
た印字条件が前記メンテナンス延期条件格納手段に格納
された延期条件に該当すると前記判断手段が判断したと
き、前記メンテナンス制御手段は、メンテナンスの実行
を延期させ、該当しないと判断したときはメンテナンス
を実行するインクジェット記録装置としたものである。
【0027】このように構成した請求項1記載の発明
は、制御手段が前記被印字情報の受信中に、被印字情報
とともに受信した印字条件が前記メンテナンス延期条件
格納手段に格納された延期条件に該当すると前記判断手
段が判断したとき、前記メンテナンス制御手段は、メン
テナンスの実行を延期させ、該当しないと判断したとき
はメンテナンスを実行するようにしたので、メンテナン
ス延期条件に印字条件が該当すれば印字処理を中断する
ことなく印字を続行するため高速印字が可能になるとい
う作用を有する。
【0028】また、請求項2記載の発明は、複数のノズ
ルを有し記録紙上にインクを吐出する印字手段と、前記
ノズルからの正常なインクの吐出を維持させるためのメ
ンテナンス手段と、被印字情報を受信し印字情報を生成
する制御手段と、この制御手段が被印字情報とともに受
信した印字条件を格納する印字条件格納手段と、メンテ
ナンス延期条件を格納するメンテナンス延期条件格納手
段と、前記印字条件格納手段に格納された印字条件が前
記メンテナンス延期条件格納手段に格納されているメン
テナンス延期条件に該当するか否かを判断する判断手段
と、メンテナンス実行情報を格納するメンテナンス実行
情報格納手段と、このメンテナンス実行情報格納手段に
格納されたメンテナンス実行情報と前記判断手段の判断
結果に基づいて前記メンテナンス手段を動作させてメン
テナンスを実行するメンテナンス制御手段とを備え、上
記制御手段が被印字情報を受信した時に、メンテナンス
手段によるメンテナンス動作を実行中であった場合に、
上記印字条件がメンテナンス延期条件に該当すると前記
判断手段が判断したとき、前記メンテナンス制御手段は
メンテナンスの実行を中止させ、このメンテナンスの実
行の中止に基づいて、前記制御手段により印字手段を動
作させ印字を実行するインクジェット記録装置としたも
のである。
【0029】このように構成した請求項2記載の発明
は、制御手段が被印字情報を受信した時点で、メンテナ
ンスを実行中であった場合、印字条件が延期条件に該当
する場合には、メンテナンスを中止し印字を実行するこ
とで、メンテナンスの終了を待たずに印字処理をするこ
とから、高速印字が可能となるという作用を有するもの
である。
【0030】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2に記載の発明におけるメンテナンス実行情報格納
手段に格納されるメンテナンス実行情報を設定可能な時
間としたインクジェット記録装置としたものである。
【0031】このように構成した請求項3記載の発明
は、請求項1または請求項2記載の発明の作用に加え
て、メンテナンスの実行間隔を印字条件などに応じて変
更できることから効率のよいメンテナンスができるとい
う作用を有するものである。従って不必要に短い間隔で
のメンテナンスを防止することができることから、安定
した高速印字ができるものである。
【0032】請求項4記載の発明は、請求項1または請
求項2に記載の発明におけるメンテナンス実行情報格納
手段に格納されるメンテナンス条件を設定可能な印字さ
れた記録紙の枚数としたインクジェット記録装置とした
ものである。
【0033】このように構成した請求項4記載の発明は
請求項1または請求項2の記載の発明の作用に加え、紙
粉による吐出不良が多い場合において、効果的にメンテ
ナンスができる作用を有するものである。
【0034】請求項5記載の発明は、請求項1に記載の
発明において、印字を優先させるかメンテナンスを優先
させるかの優先条件を設定する優先条件設定手段と前記
優先条件を格納する優先条件格納手段を設け、前記制御
手段が前記被印字情報の受信中に、前記メンテナンス実
行情報に基づいて前記メンテナンス制御手段がメンテナ
ンス実行時期であると判断したとき、前記優先条件が印
字であるとき制御手段により印字手段を動作させて印字
をし、メンテナンスであるときメンテナンス制御手段に
よりメンテナンス手段を動作させてメンテナンスを実行
させることとしたものである。
【0035】このように構成した請求項5記載の発明
は、請求項1に記載の発明の作用に加え、印字品質と印
字速度のいずれを重視するかを使用者が必要に応じて選
択できるという作用を有するものである。従って印字速
度より印字品質を重視する場合には、設定によって常に
メンテナンスを優先することが可能になり、また印字品
質より印字速度を重視する使用者は、印字を優先するこ
とが可能となるものである。
【0036】請求項6記載の発明は、請求項1ないし請
求項5における印字手段を、フルライン型の印字ヘッド
としたことを特徴としたものである。
【0037】このように構成した請求項6記載の発明
は、請求項1ないし請求項5に記載の発明の作用に加
え、シリアル型の印字ヘッドと比較して、一回のメンテ
ナンスの動作において使用するインクの量が多いフルラ
イン型の印字ヘッドにおいては、メンテナンスの実行を
中止することによって、無駄なインクの消費を抑えるこ
とができ、インクを有効に使用できる作用を有するもの
である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下本発明をフルライン型インク
ジェット記録装置に適用した場合の一実施形態を図面1
ないし図9を参照して説明する。
【0039】図1は本発明に係るインクジェット記録装
置Aの全体構成を表す図で、この実施の形態では300
DPIの解像度でA4サイズの大きさの記録紙に印字が
可能なフルライン型印字ヘッドを用いたインクジェット
記録装置である。インクジェット記録装置Aは中央上部
に印字手段としての印字ヘッドブロック1、この印字ヘ
ッドブロック1にインクを供給するためのインクタンク
3、このインクタンク3から前記印字ヘッドブロックに
設けられている印字ヘッドB(図2参照)へインクを供
給するためのインク供給手段24、印字ヘッドブロック
1の下方に配置されたドラム2、ドラム2の回転方向上
流側、つまり図1においてドラム2の下方に配置され、
用紙を収容するビン7,8,9などから構成されてい
る。また記録装置Aには必要に応じてソータ10が接続
配置されるようになっている。
【0040】前記印字ヘッドブロック1はカラー印字が
可能なように各々異なる色のインクを吐出可能な複数の
印字ヘッドBから形成されているとともに、交換可能に
形成された各色ごとのインクタンク3からインク供給手
段24によって各々の印字ヘッドにインクを供給される
ようになっている。
【0041】本実施の形態では、各給紙口(不図示)か
らピックアップローラ11,12,13によって、もし
くはマニュアルトレイ5から搬送ローラ14、19によ
って給紙された記録紙(不図示)はアライニングローラ
4と搬送ローラ20で正確に位置出しされ送られる。そ
してドラム2に巻き付けられ、少なくとも印字する上で
必要な周回をドラム2の回転によってなされ、印字され
たのちドラム2から剥離爪26によって剥離され排紙さ
れる。印字に必要な周回は、300DPIの解像度で印
字が可能な印字ヘッドで、300DPIの画像を得るた
めにはドラム2の回転は1周となり、150DPIの解
像度で印字が可能な印字ヘッドで300DPIの画像を
得るためには2周となる。
【0042】この場合、最初の1周で150DPIの画
像を形成し、次の周では300分の1インチだけ印字ヘ
ッドを主走査し、一周目で画像が形成されていない残り
の部分の画像形成を行うことで300DPIの最終画像
が形成されるようになっている。印字が終了した記録紙
は、搬送ローラ16,21,17,22,18,23に
よって搬送路6に沿って搬送されフェイスダウントレイ
25の上に排出される。
【0043】次に図2に基づいて前記印字ヘッドブロッ
ク1を構成する記録ヘッドBについて説明する。この印
字ヘッドブロック1は前述のように複数の印字ヘッドB
によって構成されており、図2はその印字ヘッドBの1
つを表している。印字ヘッドBは複数のヘッド要素10
2がヘッド要素基台103に対して、互い違い(以下ち
どり状という)に設置されている。ヘッド要素102同
士はお互いに図示していない連通口によって連通してお
り、インク導入管104から導入されたインクはヘッド
要素102内のインク室(不図示)に貯められ、余分な
インクはインク導出管105を通じて排出されるように
なっている。
【0044】ヘッド要素102には、ノズル形成面10
1上にインクを吐出するノズル100が複数設けられて
おり、このノズル100の開口からインクが吐出される
ようになっている。なおこのノズル形成面101にゴミ
等が付着するとインク吐出時に、このゴミ等によって吐
出方向が乱され、インクが所定の方向に吐出できず、ま
たノズル100内のインクが乾燥して固着するとインク
が吐出しなくなり、結果的に正常な印字ができなくなる
ものである。
【0045】次に図3に基づき各ヘッド要素102にイ
ンクを供給する構成について説明する。図3は前記イン
ク供給手段であるインク供給系を模式的に表したもので
ある。なおインク供給系はポンプ209、ポンプ20
8、弁211、インクバッファ206、衝撃圧力室21
1等から構成されている。またメンテナンス手段220
は、衝撃圧力室211、インク受け部材27、クリーニ
ングブレード213、廃インクタンク219等から構成
されている。
【0046】最初に、各要素について説明する。インク
タンク3は交換できるようにインクジェット記録装置に
対し取り外し可能となっており、前記交換時期は操作パ
ネルに設けた表示手段によって指示されるようになって
おり、この指示に従い操作者が交換するものである。ポ
ンプ203、208,209はインクを印字ヘッドブロ
ック1のヘッド要素102に供給するためのポンプで、
ここではチューブポンプを採用している。なお前記ポン
プ203.209はインクを送り込むように、またポン
プ208は吸引するように機能するものである。前記チ
ューブポンプの構成は周知の構成、つまり内蔵されてい
る複数のローラによって弾性体であるインク導入管10
4、インク導出管105の一部、つまりポンプ209及
びポンプ208内に配置されている部分に体積変化を起
こさせることによってインクを送るように構成されてい
る。
【0047】これらのポンプ208ないし209をロー
ラで供給管を押しつぶしている状態で停止させること
で、インク導入管104及びインク導出管105内のイ
ンクの流れを止める弁の役割も兼ねている。
【0048】インクバッファ206はインクタンク3か
らポンプ203によって送られてくるインクを一時的に
収容するものであり、このインクバッファ206には図
示しないインク量を検出するセンサによってポンプ20
3が制御されることによって常に一定の量が収容される
ようになっている。弁205はフィルタ210の上流側
のインク導入路内の空気を除去するものであり、弁20
7はインクジェット記録装置Aを移動する等の際にイン
クバッファ206内のインクを抜き取るものであり、ま
た弁211はメンテナンスをする場合に開閉させるもの
である。メンテナンス手段220の一部分である衝撃圧
力室204は、弁211を閉じてポンプ209からイン
クを送ることによって、内部にインクを高圧の状態で収
容することが可能に形成されている。フィルタ202、
フィルタ210はインク内に混入しているゴミを除去す
るとともにインク内に混入している空気を集める機能を
有しており、集められた空気は弁205を通過して除去
されるようになっている。
【0049】メンテナンス手段220の一部分であるク
リーニングブレード213はノズル形成面101を図に
おいて左右方向に摺擦動作して印字中等にノズル形成面
に付着した不要なインクまたゴミ等を取り除くものであ
る。
【0050】またメンテナンス手段220の一部分であ
るインク受け部材27はメンテナンス動作時に吐出され
るインクを受けることによって、インクが記録装置内部
に飛び散り搬送ローラや搬送路などがインクで汚れるこ
とを防止するとともに吐出されたインクを集めるように
機能するものである。廃インクバッファ215はインク
受け部材27によって受けて集めたインクを廃インク管
214を介して一時的に収容するものであり、収容され
たインクは廃インクタンク219にポンプ217によっ
て強制的に排出されるようになっているようになってい
る。
【0051】次にインクジェット記録装置Aの使用開始
時に行われるインクの印字ヘッドブロック1のヘッド要
素102への初期充填について説明する。インクタンク
3内に収容されているインクはポンプ203によってイ
ンクバッファ206に導入される。このインクバッファ
206内のインクはポンプ209によって強制的に送り
出され、フィルタ210、衝撃圧力室204、弁211
およびインク導入管104を通り印字ヘッドブロック
1、つまりヘッド要素102内に送られ前記図示しない
インク室に初期充填が行われる。また余分のインクは各
ヘッド要素102内を通過しインク導出管105を通り
インクを戻すポンプ208によって強制的にインクバッ
ファ206に戻される。この動作を一定時間行うこと
で、印字ヘッドブロック1のヘッド要素102内にイン
クが充填される。この時にインクに混在するゴミ、空気
等はフィルタ210を通過する際に除去される。
【0052】次に印字ヘッドブロック1のメンテナンス
の動作について説明する。メンテナンスの際には弁21
1を閉じた状態にする。その状態でポンプ209を駆動
させてインクを強制的に衝撃圧力室204に送ることに
より、衝撃圧力室204内のインクの圧力を上昇させる
ことができる。この時、インク受け部材27は印字ヘッ
ドブロック1に対して近接した位置に移動する(図1の
実線で示す位置)。次に弁211を瞬時に開放すること
により高圧になったインクがヘッド要素102のノズル
100に流れ込み、この高圧インクによってノズル10
0内に詰まったインクあるいはゴミ等は排出され、メン
テナンスされる。排出されたインクはインク受け部材2
7によって受けられ、廃インク管214を通過して廃イ
ンクバッファ215に送られる。
【0053】廃インクバッファ215に収容されている
廃インクはポンプ217によって廃インク管218を通
り廃インクタンク219に送られる。なお廃インク内に
混在する気体はポンプ216によって再び廃インクバッ
ファ215に戻されることにより除去される。その後、
クリーニングブレード213がノズル形成面101を摺
擦して、吐出の際に印字ヘッドブロック1のノズル形成
面101に残ったインクおよびゴミ等を取り除く。
【0054】次に図4を参照してメンテナンス動作実行
時の印字ヘッドブロック1とドラム2、インク受け部材
27の位置関係を説明する。
【0055】印字ヘッドブロック1は図示しない昇降手
段によって上下方向に移動可能に形成され、複数の所定
位置で停止可能に形成されている。なお、この昇降手段
は印字ヘッドブロック1の側面に設けたラックとこのラ
ックに歯合する電動機の回転軸に取り付けられたピニオ
ンとによって構成されているものである。前記複数の所
定位置には、印字を実行する時の印字位置、メンテナン
ス動作を実行する時のメンテナンス位置、被印字情報を
受信した際に印字動作に移行可能な待機位置がある。イ
ンク受け部材27はドラム2の回転中心0を中心に回転
移動可能に形成されている。
【0056】印字の時は、ドラム2と印字ヘッドブロッ
ク1は一定距離を保つように位置決めされる。そのため
に印字時、インク受け部材27はドラム2の回転方向下
流側、つまり図4におけるの左の方向に回転移動し待避
している。次にメンテナンス時は、インク受け部材27
と印字ヘッドブロック1は一定距離を保つように位置決
めされる。この際、印字ヘッドブロック1は一旦、ドラ
ム2から離間する方向(図において上方向)に移動し、
インク受け部材27が回転中心0を軸に回転移動しドラ
ム2の上部つまりヘッド要素102のノズル100と対
向する位置に位置決めされる。そして印字ヘッドブロッ
ク1が降下してきてインク受け部材27と一定距離を保
つように位置決めされる。この状態で上述したように高
圧インクをヘッド要素102に送り込むことによってノ
ズル内に詰まったインク、ゴミ等を吐出させ、ついでク
リーニングブレード213をノズル形成面101に摺擦
させて付着したインク、ゴミ等を除去してメンテナンス
がなされるものである。
【0057】次にインクジェット記録装置Aのハードウ
エア構成を図5を参照して説明する。ハードウエアは操
作パネル51、制御手段としての画像処理部59、画像
形成部64を制御する画像形成制御部61及び印字ヘッ
ドブロック1、ドラム2、ドラムを駆動する原動機(モ
ータ)、各種センサ63等から構成される画像形成部6
4から構成されており、図5に示すように画像処理部5
9ではコンピュータ50からI/Oポート54を介して
受信した被印字情報を編集し印字情報を生成し、I/F
58(インターフェイス)を介して画像形成部64に送
る。画像形成部64では前記印字ヘッドブロック1やド
ラム2、ドラムを駆動する原動機、各種センサ63等を
制御して、記録紙に印字する。操作パネル51では、メ
ンテナンス延期条件の設定や、メンテナンス間隔の設
定、被印字情報の受信中にメンテナンス実行までの時間
が規定時間以下になった場合に、印字を優先させるかメ
ンテナンスを優先させるかなどのメンテナンスに関する
設定が可能となっている。表示部52は、LCD(リキ
ッドクリスタルディスプレイ)などで構成され、上記各
種設定の際に、これらの設定内容が表示され操作者は設
定内容を確認できるようになっている。
【0058】前記画像処理部59は、I/Oポート5
4、CPU55(中央処理装置)、ROM56(リード
オンリーメモリ)、RAM57(ランダムアクセスメモ
リ)とインターフェイスI/F58などによって構成さ
れ、印字情報をその形態によってはビットマップデータ
に変換しつつ画像形成部64にデータを出力するなどの
インクジェット記録装置全体を制御するものである。印
字条件格納手段としても機能しているRAM57は、外
部の前記コンピュータから被印字情報とともに送られて
くる例えばドラフト印字や普通紙への印字といった印字
条件を記憶する。CPU55は判断手段としても機能す
るように設定されておりRAM57に記憶された印字条
件と画像形成部64のRAM67に格納されているメン
テナンス延期条件とを比較し、その結果、メンテナンス
を延期するか否かの命令を画像形成部64に送るように
なっている。
【0059】画像形成部64は、画像形成制御部61、
この画像形成制御部61によって制御される印字ヘッド
ブロック1、モーター68、ソレノイド62、インクチ
ャンバ206のインク量の検知、廃インクタンク219
のインク量の検知、記録紙のジャムを検知するため等の
各種センサ63、CPU65、ROM66、RAM67
などによって構成され、画像処理部59からのデータを
処理した画像形成制御部61の各種命令に従い、記録紙
に印字を行うように制御されている。画像形成制御部6
1によりRAM67にメンテナンス延期条件やメンテナ
ンス実行情報、または印字を優先するかメンテナンスを
優先するかの優先条件などの情報が格納されるようにな
っている。つまりRAM67はメンテナンス延期条件、
メンテナンス実行情報、優先条件等を格納する格納手段
として機能しているものである。また画像形成制御部6
1はメンテナンス制御手段としての機能も持ち、RAM
67に格納されているメンテナンス実行情報と画像処理
部59の判断手段から送られてくる命令に基づいて、印
字ヘッドブロック1をメンテナンス位置に移動制御させ
るとともに、メンテナンス手段220の一部であるポン
プ209、弁211、インク受け部材27などを制御す
るようになっている。
【0060】図6は上記画像処理部59における被印字
情報を受信したときのメンテナンス動作の処理について
のフローチャートである。被印字情報を受信したときの
メンテナンス動作の処理ではまず、Step10で記録
装置の電源が入るとCPU55のI/Oポート54を初
期化する。次にStep11ではインターフェイスI/
F58を初期化する。これが正常に行われるとStep
12では被印字情報受信許可の状態となる。Step1
3でコンピュータから被印字情報を受信すると、判断手
段であるStep14に進む。
【0061】Step14では印字条件である例えばド
ラフト印字や普通紙への印字などのコンピュータからの
送られてきた印字条件が、操作パネル51から設定され
RAM67に格納されているメンテナンス延期条件に該
当するかを判断し、該当しないと判断したときはSte
p15に進み画像形成部64において印字ヘッドブロッ
ク1のヘッド要素102のメンテナンス中であれば、こ
のメンテナンスの終了まで待つ。そしてStep21に
進み被印字情報の編集を行う。その後Step22に進
み画像形成部64に編集された印字情報と印字命令を出
力する。前述のStep13で被印字情報を検出しなか
った場合には再びStep13に戻り被印字情報を検出
するまで待機する。
【0062】また、前記Step14ではコンピュータ
からの印字条件がメンテナンス延期条件に該当した場合
には、Step16に進む。Step16では画像形成
部64に現在メンテナンス中であるかどうかを問い合わ
せ、メンテナンス中であった場合には、Step17に
進み、メンテナンス中止命令を画像形成部64のCPU
66に送り、Step21に進む。Step21では印
字情報の編集を行い、ついでStep22に進み、画像
形成部64に印字命令を出力する。また前記Step1
6でメンテナンス中でなかった場合には、Step18
に進み、メンテナンス実行時期であることを画像形成部
64から受信し、Step20に進み、画像形成部64
にメンテナンス延期命令を送信した後、Step21に
進み、画像処理部で被印字情報の編集を行い、Step
22で編集した印字情報を画像形成部64に送信すると
ともに印字命令を出力する。
【0063】次にメンテナンス実行情報を設定時間とし
た場合における画像形成部64の処理を図7に示すフロ
ーチャートを参照して説明する。この処理ではまず電源
が入るとStep40でCPUのI/Oの初期化を行
う。次にStep41では画像形成部の初期動作を行
い、初期化が終了すると、Step42で画像処理部と
の通信が許可される。次にStep43に進み、メンテ
ナンス実行情報であるメンテナンス実行までの時間を管
理するメンテナンス実行情報格納手段であるタイマに初
期値(この実施の形態では180分)を設定する。St
ep44ではメンテナンス実行時期であるか否かを判断
し、そうでなければStep45に進み画像処理部59
からの命令があるか否かを判断する。画像処理部59か
らの命令がある場合にはStep55に進み印字指令で
あればStep46に進み印字データを受信して印字を
実行する。Step55で印字命令でなければStep
47に進みその他の命令を処理してStep44に戻
る。
【0064】前述のStep44でメンテナンス実行時
期であればStep48に進みメンテナンス延期指令が
あるか否かを判断する。メンテナンス延期指令がなかっ
た場合にはStep50に進みメンテナンスを実行す
る。その後Step51に進みメンテナンス中止指令が
あったか否かを判断し、中止指令があった場合にはメン
テナンスを中止しメンテナンス実行までの時間を管理す
るタイマ(以下TMNTという)に最小値(これは任意
に設定可能であり、この実施例では5分としてある)を
セットしてStep44に戻る。Step51でメンテ
ナンス中止指令がなかった場合にはStep53に進み
メンテナンス終了か否かを判断し、終了していればSt
ep54に進みTMNTに初期値をセットしてStep
44に戻り、Step53でメンテナンスが終了してい
なければStep50に戻る。
【0065】前述のStep48でメンテナンス延期指
令があった場合には、Step49に進みメンテナンス
を延期し、TMNTに最小値を設定してStep44に
戻る。前述のStep51でメンテナンス中止指令があ
った場合にはStep52に進みメンテナンスを中止し
TMNTに最小値をセットしてStep44に戻る。
【0066】次にメンテナンス実行までの時間管理を行
う画像形成部の処理について図8に示すフローチャート
で説明する。画像形成部では図7で説明した処理の他
に、画像形成部周期割り込み処理がある。まずStep
30でTMNT=0であれば、終了し、Step30で
TMNT=0でなければ、Step31に進みTMNT
=TMNT−1の処理を行う。このように処理をタイマ
ーで管理しているのでメンテナンス実行までの時間の管
理が可能になっている図7の説明の中で、前述のSte
p43において、メンテナンス実行までの管理を時間で
なく、一定の印字枚数ごとにメンテナンスを行うように
設定すれば、印字枚数によるメンテナンスの管理が可能
となり紙粉による吐出不良が多い場合において、効果的
なメンテナンスの実行が可能となるものである。このよ
うにした場合には、図8で説明した前述の画像形成部周
期割り込み処理についても設定枚数の代わりに、一枚印
字するごとに減算する処理を行うようにする。
【0067】また、上記のようなメンテナンスを状況に
よって延期することは、一回のメンテナンスにシリアル
型の印字ヘッドブロック1と比較して大量のインクを消
費してしまうフルライン型の印字ヘッドブロック1にと
って貴重なインクの無駄な消費を大幅に少なくすること
が可能となる。
【0068】上記の実施例はフルライン型インクジェッ
ト記録装置について、説明したが本発明はフルライン型
のインクジェット記録装置に限らず、シリアル型インク
ジェット記録装置においても適用することが可能であ
る。
【0069】
【発明の効果】このように構成した請求項1記載の発明
は、制御手段が被印字情報を受信中であれば、メンテナ
ンスまでのメンテナンス実行情報がメンテナンス実行時
期になっても、印字条件がメンテナンス延期条件に該当
すればメンテナンスの実行をせずに印字を実行させ、前
記印字条件が前記メンテナンス延期条件に該当しなけれ
ばメンテナンスを実行するようにしたので、印字条件が
メンテナンス延期条件に該当すれば印字処理が中断され
ることがなく高速印字が可能になるといった効果を有す
る。
【0070】また、請求項2記載の発明は、制御手段が
被印字情報を受信した時点で、メンテナンスを実行中で
あった場合、印字条件がメンテナンス延期条件に該当す
る場合には、メンテナンスを中止し印字を実行すること
で、メンテナンスの終了を待たずに印字処理が可能とな
り、高速印字が可能となった効果を有するものである。
【0071】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1または請求項2記載の発明の作用に加えて、メンテナ
ンスの実行間隔を印字条件などに応じて変更できること
から効率のよいメンテナンスができるという作用を有す
るものである。従って不必要に短い間隔でのメンテナン
スを防止することができることから、安定した高速印字
ができるという効果を有するものである。
【0072】また請求項4記載の発明は、請求項1また
は請求項2の記載の発明の作用に加え、紙粉による吐出
不良が多い場合において、効果的にメンテナンスができ
る効果を有するものである。
【0073】請求項5記載の発明は、請求項1に記載の
発明の作用に加え、印字品質と印字速度のいずれを重視
するかを使用者が必要に応じて選択できるという効果を
有するものである。従って印字速度より印字品質を重視
する場合には、設定によって常にメンテナンスを優先す
ることが可能になり、また印字品質より印字速度を重視
する使用者は、印字を優先することが可能となるもので
ある。
【0074】請求項6記載の発明は、請求項1ないし請
求項5に記載の発明の作用に加え、シリアル型の印字ヘ
ッドと比較して、一回のメンテナンスの動作において使
用するインクの量が多いフルライン型の印字ヘッドブロ
ック1においては、メンテナンスの実行を中止すること
によって、無駄なインクの消費を抑えることができ、イ
ンクを有効に使用できる効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置全体構成を示す図。
【図2】上記インクジェット記録装置の印字ヘッドブロ
ックを構成する印字ヘッドの斜視図。
【図3】上記印字ヘッドブロックへのインク供給系の模
式図。
【図4】上記印字ヘッドブロック及びインク受け部材と
の位置関係を示す図。
【図5】上記インクジェット記録装置のハードウエア構
成図。
【図6】上記インクジェット記録装置の被印字情報を受
信したときのメンテナンス処理のフローチャート。
【図7】上記インクジェット記録装置のメンテナンス実
行情報を時間とした場合のメンテナンス処理のフローチ
ャート。
【図8】上記インクジェット記録装置の画像形成部の割
り込み処理のフローチャート。
【符号の説明】
1 印字ヘッドブロック 27 インク受け部材 55 画像形成制御部 57 RAM(印字条件格納手段) 59 画像処理部(制御手段) 67 RAM(メンテナンス延期条件格納手段、メンテ
ナンス実行条件格納手段) 203 ポンプ(メンテナンス手段) 204 衝撃圧力室(メンテナンス手段) 205 弁(メンテナンス手段) 213 クリーニングブレード(メンテナンス手段) 219 廃インクタンク(メンテナンス手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズルを有し記録媒体上にインク
    を吐出する印字手段と、前記ノズルからの正常なインク
    の吐出を維持させるためのメンテナンス手段と、被印字
    情報を受信し印字情報を生成する制御手段と、この制御
    手段が被印字情報とともに受信した印字条件を格納する
    印字条件格納手段と、メンテナンス延期条件を格納する
    メンテナンス延期条件格納手段と、前記印字条件が前記
    メンテナンス延期条件に該当するか否かを判断する判断
    手段と、メンテナンス実行情報を格納するメンテナンス
    実行情報格納手段と、このメンテナンス実行情報格納手
    段に格納されたメンテナンス実行情報と前記判断手段の
    判断結果に基づいて前記メンテナンス手段を動作させて
    メンテナンスを実行するメンテナンス制御手段とを備
    え、 前記制御手段が前記被印字情報の受信中に、被印字情報
    とともに受信した印字条件が前記メンテナンス延期条件
    に該当すると前記判断手段が判断したとき、前記メンテ
    ナンス制御手段は、メンテナンスの実行を延期させ、該
    当しないと判断したときはメンテナンスを実行すること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 複数のノズルを有し記録媒体上にインク
    を吐出する印字手段と、前記ノズルからの正常なインク
    の吐出を維持させるためのメンテナンス手段と、被印字
    情報を受信し印字情報を生成する制御手段と、この制御
    手段が被印字情報とともに受信した印字条件を格納する
    印字条件格納手段と、メンテナンス延期条件を格納する
    メンテナンス延期条件格納手段と、前記印字条件が前記
    メンテナンス延期条件に該当するか否かを判断する判断
    手段と、メンテナンス実行情報を格納するメンテナンス
    実行情報格納手段と、このメンテナンス実行情報格納手
    段に格納されたメンテナンス実行情報と前記判断手段の
    判断結果に基づいて前記メンテナンス手段を動作させて
    メンテナンスを実行するメンテナンス制御手段とを備
    え、 上記制御手段が被印字情報を受信した時に、メンテナン
    ス手段によるメンテナンス動作が実行中である場合に、
    上記印字条件がメンテナンス延期条件に該当すると前記
    判断手段が判断したとき、前記メンテナンス制御手段は
    メンテナンス動作を中止させ、このメンテナンス動作の
    中止に基づいて、前記制御手段により印字手段を動作さ
    せ印字を実行することを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の発明に
    おけるメンテナンス実行情報格納手段に格納されるメン
    テナンス実行情報を設定可能な時間としたことを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の発明に
    おけるメンテナンス実行情報格納手段に格納されるメン
    テナンス条件を設定可能な印字された記録媒体の枚数と
    したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の発明において、印字を
    優先させるかメンテナンスを優先させるかの優先条件を
    設定する優先条件設定手段と前記優先条件を格納する優
    先条件格納手段を設け、前記制御手段が前記被印字情報
    の受信中に、前記メンテナンス実行情報に基づいて前記
    メンテナンス制御手段がメンテナンス実行時期であると
    判断したとき、前記優先条件が印字であるとき制御手段
    により印字手段を動作させて印字をし、メンテナンスで
    あるときメンテナンス制御手段によりメンテナンス手段
    を動作させてメンテナンスを実行させることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5に記載の発明に
    おける印字手段は、フルライン型の印字ヘッドとしたこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
JP3984699A 1999-02-18 1999-02-18 インクジェット記録装置 Pending JP2000238285A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006123301A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録装置
US9724915B2 (en) 2012-07-31 2017-08-08 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid ejection apparatus, storage medium, and control method
JP2017159603A (ja) * 2016-03-11 2017-09-14 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置、液体吐出装置の制御方法、およびデバイスドライバー

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