JP2000237891A - 熱切断加工機における集塵ダクト装置およびワークの熱切断加工方法 - Google Patents

熱切断加工機における集塵ダクト装置およびワークの熱切断加工方法

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JP2000237891A JP11042160A JP4216099A JP2000237891A JP 2000237891 A JP2000237891 A JP 2000237891A JP 11042160 A JP11042160 A JP 11042160A JP 4216099 A JP4216099 A JP 4216099A JP 2000237891 A JP2000237891 A JP 2000237891A
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Kazuyuki Kitamura
和之 北村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱切断加工機における集塵ダクトを静置状態
に配して、吸込み部とワークとの接触部で気密性が保た
れ、しかもワークに対する擦り傷や変形を生じさせずに
集塵できて作業能率を高め得るようにする。 【解決手段】 ワーク支持テーブルとワーク移動手段と
を有し、そのワーク支持テーブル(固定テーブル5a)
の上方にレーザ(プラズマ)ノズル4aを、前記支持テ
ーブルの下側に前記レーザ(プラズマ)ノズル4aに対
向して集塵ダクト11を、それぞれ設置される熱切断加
工機において、その集塵ダクト11の吸込口12の周り
に、耐熱性のブラシ25を隙間なく連続的に配設された
ものとする。また、先にワークWに対する成形工程をパ
ンチで行い、次に熱切断工程を行うようにして、下向き
成形部を傷めることなく熱切断加工ができるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱切断加工ヘッド
によりワークの熱切断加工を行う熱切断加工機における
集塵ダクト装置およびワークの熱切断加工方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パンチプレス加工と熱切断加工を
行う複合加工機にあっては、熱切断加工部においてレー
ザ光あるいはプラズマによってワークが熱溶断されると
きに発生するドロス,スラグなどを排除するために、ワ
ークを挟んでレーザノズル(プラズマノズル)と対向す
る位置で、ワーク支持テーブル上に開口する集塵ダクト
を、そのワーク支持テーブルを貫通して直立状態に設け
られている。そして、その集塵ダクトは、金属製の上部
ダクトと下部ダクトに分けられて、上部ダクトをワーク
の下側に密接させる位置とワークから適宜距離離れた位
置とで上下動可能に構成されている。
【0003】このような熱切断加工を行う熱切断加工機
械における集塵ダクトについては、例えば特開平8−2
52686号公報,あるいは特公昭61−29824号
公報によって知られている。また、実開平3−7088
4号によって開示される明細書においても、ダクトキャ
ップがワークテーブルに昇降可能に支持されて、そのダ
クトキャップの下に昇降ダクトが配置され、熱切断加工
時にダクトキャップ下側に気密状にダクトが昇降自在に
設けられるものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の熱
切断加工を行う熱切断加工機械にあっては、ワークを移
動操作するためにその一部を掴んで操作するグリッパー
と集塵ダクトとの干渉を防止する必要があり、上部ダク
ト(あるいはダクトキャップ)を上下動させている。そ
のために、上部ダクトと下部ダクトとの間に隙間があっ
て集塵性が低下するという問題がある。また、構造的に
複雑になる。しかも、集塵のために、ダクトを上下動さ
せる機構を設けなければならない。言い換えれば、吸引
ポンプに能力の大きいものを必要とし、また集塵ダクト
を上下動させるための動力源を必要とすることになっ
て、消費エネルギーが大きくなり、コストアップになる
という問題点がある。
【0005】また、熱切断加工時、集塵ダクトをワーク
下面に接触させているため、ワークの移動に際してワー
ク下面に擦り傷が発生しやすいという問題がある。さら
に、パンチ加工と熱切断加工を行う複合加工機にあって
は、ワークに下向き成形(例えばワークの下面に突出部
や突出し片を形成する)を施した後で熱切断加工を行う
場合、先に施された成形部がダクトと接触してつぶれる
恐れがある。このようなことから、熱切断加工を伴なう
加工の場合、先に熱切断加工を行ってから集塵ダクトを
下方向に退避させ、パンチ加工を行うという方式が採用
される。しかし、このような手順で加工を行う場合、切
断されたワークは外形などが定形でないと作業性が悪く
加工精度などにも大きく影響するという問題が生じる。
【0006】一般に、プレス加工を伴なう熱切断加工
は、熱切断加工により材料板からワーク(加工製品)を
搬出できるようにするため、主に最後の加工となり、前
述のように、先に熱切断加工を行うと、たとえばワーク
の外周を熱切断加工によって材料から切離すような場
合、その残材との切断個所に、僅かに繋がるジョイント
部(一般にミクロジョイントと呼ばれている)を多数個
所に設けて作業を行うことになる。しかしながら、この
ようなジョイント部はワークを移動操作している間に、
例えば撓みが生じてテーブル上面に突出しているダクト
に接触するようなことがあると切断して以後の作業を困
難にする危険性がある。
【0007】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、集塵ダクトを静置状態に配して、
ワークに対する接触部での気密性が保たれ、しかもワー
クに対する擦り傷や変形を生じさせずに集塵できて作業
能率を高め得る熱切断加工機における集塵ダクト装置お
よびワークの熱切断加工方法を、提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述さ
れた目的を達成するために、第1発明による熱切断加工
機における集塵ダクト装置は、ワーク支持テーブルとワ
ーク移動手段とを有し、前記ワーク支持テーブルの上方
に熱切断加工用ヘッドを、前記支持テーブルの下側に前
記熱切断加工用ヘッドに対向して集塵ダクトを、それぞ
れ設置される熱切断加工機において、その集塵ダクトの
吸込口の周りに、耐熱性ブラシを隙間なく連続的に配設
することを特徴とするものである。
【0009】このように構成される本発明の熱切断加工
機における集塵ダクト装置によれば、集塵ダクトの吸込
口周りに隙間なく連続的に配設された耐熱性ブラシによ
って当該部分にて吸引部が外部と遮断され、熱切断加工
用ヘッドから放射されるレーザ光(またはプラズマ)に
よって熱切断される際に発生するドロスやスパッタは外
部に飛散することなく集塵ダクトに吸引されて排除され
る。したがって、スパッタがテーブル上に飛散すること
を防止でき、他に障害をもたらすことはない。また、ダ
クトを上下動させることなく目的を達成できるので、ダ
クトに上下動機構を設ける必要がなく、構造を簡素化で
きるという効果がある。
【0010】また、集塵ダクトの吸引口の周りでワーク
と接触する部分では、隙間なく連続的に設けられるブラ
シであるから、ワークがその上面を擦って移動しても、
ワーク面に傷を付けることがないという効果を奏する。
しかも、パンチプレス加工と併用される場合であって
も、下向き成形された部分が可撓性を有するブラシとの
接触であるので、成形部を変形させることもないという
利点がある。なお、前記ブラシは耐熱性の材料で形成さ
れているので、熱により損傷することはない。
【0011】また、本発明において、前記熱切断加工機
は、XY軸に移動自在なワーク移動手段と固定テーブル
とを有し、その固定テーブル部にパンチヘッドとY軸方
向に移動自在な熱切断加工用ヘッドとを並設されたパン
チプレスとの複合加工機であるのがよい。また、前記熱
切断加工機は、XY軸に移動自在なワーク移動手段と固
定テーブルを有し、その固定テーブル部にパンチヘッド
と熱切断加工用ヘッドとを並設されたパンチプレスとの
複合加工機であるのがよい。さらにまた、前記熱切断加
工機は、メインフレームに直交するX軸方向のワーク移
動手段とメインフレームの配置方向に平行するY軸方向
に移動自在の熱切断加工用ヘッドを設置した熱切断加工
機であるのがよい。
【0012】このように熱切断加工機として、熱切断加
工用ヘッド(レーザまたはプラズマノズルを備えるヘッ
ド部)が固定型であっても、あるいは移動型であって
も、対応するワーク支持テーブル側に設けられる集塵ダ
クトの吸込口の周りに前述の耐熱性ブラシを隙間なく連
続して設置しておくことにより、ワーク下面を無理なく
支持して熱切断時におけるドロスやスパッタを外部に漏
出させることなく効果的に排除できるという効果を奏す
るのである。
【0013】また、前記集塵ダクトの上面は、前記ブラ
シの上端面より低く配されているのが好ましい。こうす
ることにより、吸込口周りに隙間なく連続的に配設され
た耐熱性ブラシの機能を損なわず、集塵ダクトと外部と
の遮断効果を保ちつつワーク下面に突出した成形部など
の通過を容易にする効果が得られる。
【0014】次に、第2発明であるワークの熱切断加工
方法は、パンチプレス・熱切断複合加工機において、熱
切断加工用ヘッドに対向するワーク支持テーブル側に設
けられる集塵ダクトの吸込口周りには、隙間なく連続的
に耐熱性ブラシが配設されるようにして、かかるワーク
支持テーブル上でワークを、先ず成形工程でパンチプレ
ス加工を行い、次に熱切断加工を行うようにすることを
特徴とする。
【0015】こうすれば、成形工程でワークに下向き成
形が施されていても、熱切断加工用の集塵ダクトにおけ
る吸込口周りには遮蔽するブラシが配設されているの
で、ワークの下面に突出す部分がその集塵ダクト上を通
過するとき形状の如何に関わらずブラシ部分が自在に変
位して、成形部分に影響を与えることなく作業を行える
という効果を奏するのである。
【0016】本発明における前記の加工操作は、XY軸
に移動自在なワーク移動手段と固定テーブルとを有し、
その固定テーブル部にパンチヘッドと熱切断加工用ヘッ
ドとを並設されたパンチプレス・熱切断複合加工機、あ
るいは、XY軸方向のワーク移動手段を有し、パンチヘ
ッドとY軸方向に移動自在な熱切断加工用ヘッドとを並
設されたパンチプレス・熱切断複合加工機によって行わ
れるようにするのがよい。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明による熱切断加工機
における集塵ダクト装置およびワークの熱切断加工方法
の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明す
る。
【0018】図1に本発明に係る集塵ダクト装置を設け
たパンチプレス・熱切断複合加工機の平面図が、図2に
図1のX−X視側面図が、図3に集塵ダクト装置の側断
面図が、図4に集塵ダクトの吸込口部拡大断面図が、図5
に熱切断加工用ヘッド(レーザノズル)移動式の場合に
おける集塵ダクト吸込口部分でのワークとの関係を表わ
す断面斜視図が、ぞれぞれ示されている。
【0019】図1および図2にて示されるパンチプレス
・熱切断複合加工機1(以下、便宜上単に複合加工機1
という)は、直立する門型形状のメインフレーム2に支
持されて所定位置にパンチヘッド3が下向きに作動する
ようにされ、また下側にダイ(図示せず)が対向して設
けられ、そのパンチヘッド3の設置位置より適宜寸法離
れて前記メインフレーム2の前側面部に沿って所要区間
で、図上横方向(Y軸方向)に移動自在に熱切断加工用
ヘッド4が設けられている。ワークの支持テーブル5
は、前記メインフレーム2の前側面に沿って適宜寸法で
横方向に固定された固定テーブル5aと、図上縦方向
(X軸方向)に所要幅でメインフレーム2の前後方向に
配置されて横方向に移動可能な可動テーブル5bとが設
けられている。なお、この実施例の複合加工機1ではパ
ンチヘッド3に対する上金型(パンチなど)と下金型
(ダイ)は、メインフレーム2の後側面部に配設の金型
収容装置6から所要のものを取出して交換できるように
されたものである。図中符号8はワークのグリッパー、
8Aはワーク移動手段である。
【0020】このような複合加工機1における前記熱切
断加工用ヘッド4としては、レーザ光ノズル4a(また
はプラズマノズル、以後単にレーザノズル4aという。
図5参照)がメインフレーム2の前側面に沿って設けら
れた横行駆動手段7によって横方向に所定の距離移動自
在にされている。このレーザノズル4aの直下位置の固
定テーブル5a(ワーク支持テーブル)には、そのレー
ザノズル4aの移動範囲に対応するように細長い開口部
が形成され、その開口部に沿って固定テーブル5aの下
側に集塵ダクト装置10が配設されている。
【0021】前記集塵ダクト装置10は、図3に例示さ
れるように、固定テーブル5aに細幅の吸込口12(前
記開口部)を開口して下側を大きく広げられた箱型構造
の集塵ダクト11が、その長手軸線方向の両端部で図示
されないブラケットを介して固定テーブル5aの支持フ
レームに取り付けられている。そして、内部の一方側面
中間部に吸引口13が設けられ、この吸引口13に繋い
だ排気ダクト20によって図示されないブロアに接続さ
れている。なお、前記吸引口13の前部には下側にのみ
開口する邪魔板14が取付けられ、集塵ダクト11内の
下部から吸引するようにして、熱切断加工時に落下する
ドロスやスパッタが排気ダクト20側に移動しないよう
にされている。
【0022】また、このような集塵ダクト11の底部
は、長手軸線方向の両端部で一方に片寄せられて取付く
支持ピン16を基点にして流体圧シリンダ17のロッド
17aと連結される連桿18によって開閉自在に底蓋1
5が設けられている。この底蓋15は熱切断によって生
じたドロスなどが溜まると、時々開いて排出できるよう
にされている。この際、底蓋15は開放されたとき図3
に二点鎖線で表わされるようにシュートの役目をも兼ね
る構造とされている。
【0023】また、前記固定テーブル5aの上面には、
ワークの移動を容易にする支持手段として適宜ピッチで
ブラシ5cが毛足を上向きにして配設されている。した
がって、ワークW(図5参照)は公知のワーク移動手段
8Aにおけるグリッパー8によって側端部を把持されて
移動するとき、そのブラシ5c上を滑って移動するよう
にされている。
【0024】このような固定テーブル5a上に対して、
集塵ダクト11の吸込口12は、図4に示されるよう
に、上端面12aがその固定テーブル5a上に配設され
たブラシ5cの端面よりも低い状態にされて、吸込口1
2の上端外周部に取付けられる取付部片12bを固定テ
ーブル5aのベース板5a′上に小ネジ12cによって
固着されている。そして、吸込口12の周縁上面には、
吸込口12の全周にわたり耐熱性のブラシ25を、密接
状態で連続的に配設されている。この耐熱性のブラシ2
5の上端25aは、固定テーブル5a側のブラシ5c端
面と同一になるように揃えられている。
【0025】前記耐熱性のブラシ25としては、カーボ
ン繊維,ガラス繊維(モノフィラメント),金属繊維
(例えばステンレス鋼の極細線,銅合金の極細線など)
が採用できる。
【0026】このように構成された本実施例の複合加工
機1における集塵ダクト装置10にあっては、例えばワ
ークWをパンチプレス加工によって孔加工や所要の下向
き成形加工を行って後にレーザ加工によって製品を材料
板から切り出して仕上げる場合、先ず従来同様の操作に
よってワークWをパンチヘッド3位置に移動させてパン
チによる加工を行う。ワークWはグリッパー8により側
端部を把持されて所定の操作によって支持テーブル5上
を移動して加工される。この間レーザノズル4aは待機
状態に保たれ、集塵ダクト装置10は作動しない。
【0027】やがて、パンチプレス加工が終了してワー
クWを製品として取出す、あるいはパンチプレス加工以
外の抜き孔加工(熱切断による)を施すには、パンチプ
レス加工を施されたワークWをグリッパー8にて把持し
たままレーザノズル4aの直下位置に所要加工部を移動
させて熱切断加工を行う。集塵ダクト装置10は、図示
されないブロアを起動して集塵ダクト11を作動させ、
固定テーブル5aに開口する吸込口12から吸引しなが
らレーザノズル4aよりレーザ光を放射してワークWの
所要個所を切断する。
【0028】この際、ワークWは、レーザノズル4aに
よる熱切断加工個所の下側を、固定テーブル5a上に配
置されている集塵ダクト11の吸込口12の周りを連続
的に取り囲んで密接状態で設けられているブラシ25に
よって、周辺のワーク支持用のブラシ5cと同一レベル
で支持されているので、常時ワークWを同一平面に保つ
ことができ、正しく切断加工が行えると同時に、外部と
遮断されて溶断された際に発生するドロスやスパッタが
排ガスとともに吸込口12から速やかに集塵ダクト11
内に吸引排除されることになる。したがって、熱切断加
工によって生じたスパッタがブラシ25によって隣接す
る固定テーブル5a上やプレス部などへの飛散を阻止さ
れることになり、隣接するワーク支持用のブラシ5cを
傷めることなく耐久性を向上させるのに役立ち、また、
プレス部の防塵効果を得て金型寿命の向上を図ることが
できるなどの効果を奏するのである。
【0029】しかも、下向き成形加工を施されたワーク
Wを熱切断加工部において移動させても、集塵ダクト1
1の吸込口12周囲では、その吸込口12と外部との遮
断に前述のように連続密接状態に配置された耐熱性のブ
ラシ25が用いられているので、ワークの下面で下向き
に突出す成形部があっても、また、グリッパー8が移動
しても、それらは可撓性を有するブラシ25の毛足を押
し分けて自在に移動できるので、何等支障なく加工を続
けることができるのである。もちろん、ワークの下向き
成形加工された部分に擦り傷などが付くこともない。
【0030】前記集塵ダクト11の吸込口12周りに配
設されたブラシ25は、カーボン繊維,ガラス繊維(モ
ノフィラメント),金属繊維(例えばステンレス鋼の極
細線,銅合金の極細線など)などの耐熱性を有するもの
であるから、レーザ光(プラズマ)によってワークWが
切断される際の熱を受けても支障なく、もちろんドロス
やスパッタが直接接触しても変形することもなく、その
遮蔽機能を長期にわたり発揮できる。
【0031】また、ワークWに対して熱切断加工用ヘッ
ド4を移動させて熱切断加工を行う場合、固定テーブル
5aにワークWを静置させて、所要区間熱切断加工用ヘ
ッド4を移動させるようにすれば、その熱切断加工用ヘ
ッド4の移動可能な範囲で集塵ダクト11の吸込口12
が設けられているので、切断加工を施している間、前述
のようにして切断に伴なうドロスや発生ガスが確実に吸
引されて排除され、支持テーブル5側に障害を及ぼすこ
となく処理できる。また、吸込口12はその上面に位置
するワークWによって覆われてブラシ25とそのワーク
W下面との接触で外部と遮断され、吸塵効果を高められ
る。
【0032】熱切断加工が行われて生じたドロスなど
は、集塵ダクト11内の底部に溜まると、定期的あるい
は不定期的に集塵ダクト11に付設される流体圧シリン
ダ17を作動させて底蓋15を開き、外部に排出させ
る。なお、この集塵ダクト装置10の下方には予め廃棄
物搬出用のコンベア装置9(図1および図2参照)を設
けておいて、このコンベア装置9のコンベア上に集塵ダ
クト11内から廃棄物を、底蓋15を介して排出させて
処理するようにされる。
【0033】図6に他の実施例として熱切断加工用ヘッ
ドが固定設置されたパンチプレス・熱切断複合加工機の
一部切欠き斜視図が示されている。この実施例の複合加
工機1Aにあっては、メインフレーム2aにパンチヘッ
ド3が、前側面部に熱切断加工用ヘッド4がそれぞれ配
設され、パンチヘッド3の直下にプレス用のダイ(図示
省略)が、また熱切断加工用ヘッド4の直下には集塵ダ
クト装置10Aがそれぞれ設けられている。ワークWの
支持テーブル5Aは横方向(Y軸方向)に移動自在なテ
ーブル5bとメインフレーム2に沿って設けられる固定
テーブル5aとからなる周知構造にされ、一側部にワー
クX軸移動手段とグリッパー(いずれも図示省略)が配
設されている。
【0034】このような複合加工機1Aにおける集塵ダ
クト装置10Aとしては、熱切断加工用ヘッド4が固定
設置されているので、そのレーザノズル4aに対向する
位置に、図7にて例示されるように、支持テーブル(固
定テーブル5a)に所要直径の円形をした吸込口12A
を開口させ、この吸込口12Aの下側に吸込口12Aを
スロート状にしてそれよりも大きい直径の集塵ダクト
(具体的な図については省略)をフレームに適宜支持さ
せて設け、この集塵ダクトの中間部に前記実施例と同要
領で図示されない吸引口を設けて排気ダクトを介してブ
ロアに接続して集塵排出できるようにされている。
【0035】前記集塵ダクトにおける吸込口12Aの周
囲には、前記実施例の吸込口周りに設けられたブラシ2
5と同様にして耐熱性のブラシ25が、隙間がないよう
にして環状に配設されている。このブラシ25について
は前記実施例の場合と同様の条件で設けられる。
【0036】このようにされた複合加工機1Aにおいて
も、ワークは、パンチプレス加工を行って後に熱切断加
工を施すことができる。この場合、ワークが支持テーブ
ル5A上でグリッパーにて一端部を保持された状態で、
ワークの移動手段によって従来と同様にワークを動かし
て所要の形状寸法に切断加工を行う際、レーザ光で切断
されるときの発生ガスやドロス,スパッタは、集塵ダク
トの吸込口12A周りをブラシ25Aにて隙間なく取り
囲まれているので、そのブラシ25Aがワークの下面を
支えて接触しているので、切断加工部と外部がそのブラ
シ25Aによって遮断され、隣接部はもちろん周辺に影
響を及ぼすことなく作業が行える。また、ワークにパン
チプレス加工による下向き成形された部分があっても、
ブラシ25A部分では可撓性を有しているので自在に通
り過ぎることができて何等支障なくプレス加工後におい
て熱切断加工が行えるのである。もちろん、パンチプレ
ス加工時にあって当該集塵ダクトの吸込口12A上をグ
リッパーが移動しても支障がないので自由に作業ができ
ることになる。
【0037】また、他の実施例として、図8にY軸方向
に移動自在な熱切断加工用ヘッドを備えた熱切断加工機
の概略図として、(a)に平面図、(b)に正面図、
(c)に右側面図をそれぞれ示している。この実施例の
熱切断加工機1Bは、門型構造にされたメインフレーム
2aに、図示されない横行駆動機構によって、そのメイ
ンフレーム2aの一方の側面部に沿って(Y軸方向に)
移動自在に熱切断加工用ヘッド4が設けてある。また、
ワークWの支持テーブル5Bは周知構造にされ、その支
持テーブル5Bの一側部に複数のグリッパー8を延設さ
れたワークの(X軸方向の)移動手段8Aが設けてあ
る。前記熱切断加工用ヘッド4の直下には、その熱切断
加工用ヘッド4が移動する範囲にて吸込口を上向き開口
する集塵ダクト装置10Bが支持テーブルの下部に設け
てある。
【0038】このようにされた、熱切断加工機1Bにお
ける集塵ダクト装置10Bとしては、前述のパンチプレ
ス・熱切断複合加工機1における集塵ダクト装置10と
同様に、固定テーブル下側に設けられる集塵ダクトの吸
込口12は、所要寸法で細幅の開口部を備え、その開口
部(吸込口12)の上端周縁に、図4で示されるように
(以下前記実施例と符号は同じ)、上端部に耐熱性のブ
ラシ25を隙間なく連続して植設された取付金具12b
を取付けて、吸込口12上に配されるワークWの下面が
そのブラシ25と接触して外部と遮断された状態で熱切
断加工が行われるようにされている。
【0039】このようにされた熱切断加工機1Bにて
は、熱切断加工用ヘッド4が移動してワークWを切断加
工する際、ワークWの下面が常時集塵ダクトの吸込口1
2(図4参照、)周辺部を取り囲んで配設されるブラシ
25上に接触して支えられ、そのブラシ25によって吸
込口12を外部から遮断して、切断時に発生するガスや
ドロス,スパッタを速やかに集塵ダクト11内に吸引で
きる働きをする。したがって、テーブル上にスパッタな
どが飛散するようなことはない。また、ワークWの加工
位置を移動させるために動かす際には、ブラシ25上を
滑らせても、そのブラシの柔軟性でワーク面に傷が生じ
ることはない。
【0040】以上のように、本発明における複合加工機
(熱切断加工機)の熱切断加工部に対する集塵ダクト装
置は、ワークがX軸方向あるいはX−Y軸方向のいずれ
に移動させる移動操作手段を備えている場合であって
も、同じく効果的に集塵処理できるものである。しか
も、ワークを移動させる際に吸込口周縁に設けられる外
部との遮蔽体がブラシで形成されていることによりワー
クを傷めることなく円滑に操作できる。
【0041】また、本発明のワークの熱切断加工方法
は、熱切断加工用ヘッドが固定式あるいは移動式であっ
ても、その熱切断加工用ヘッドに対応して集塵ダクトの
吸込口とこの吸込口の周りに連続して隙間のない状態に
耐熱性のブラシを配設された状態のもとで操作すること
により、ワークを正しく支持しつつ熱切断部で外部と集
塵ダクトの吸込口とを遮断して円滑に熱切断加工が行え
るので、最も作業性のよいパンチプレス加工工程を経て
から熱切断加工工程に移行させて効率良く作業を行える
効果を奏するのである。したがって、この種作業におい
て従来生じていた種々の問題点を解決して、作業を容易
にし、生産コストを低減することができるようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る集塵ダクト装置を設けた
パンチプレス・熱切断複合加工機の平面図である。
【図2】図2は、図1のX−X視側面図である。
【図3】図3は、集塵ダクト装置の側断面図である。
【図4】図4は、集塵ダクトの吸込口部拡大断面図であ
る。
【図5】図5は、熱切断加工用ヘッド(レーザノズル)
移動式の場合における集塵ダクト吸込口部分でのワーク
と関係を表わす断面斜視図である。
【図6】図6は、熱切断加工用ヘッドが固定設置された
パンチプレス・熱切断複合加工機の一部切欠き斜視図で
ある。
【図7】図7は、レーザノズル固定の場合における集塵
ダクト吸込口部分を表わす斜視図である。
【図8】Y軸方向に移動自在な熱切断加工用ヘッドを備
えた熱切断加工機の概略図で、(a)は平面図、(b)
は正面図、(c)は右側面図をそれぞれ表わしている。
【符号の説明】
1,1A パンチプレス・熱切断複合加
工機(複合加工機) 1B 熱切断加工機 2,2a,2b メインフレーム 3 パンチヘッド 4 熱切断加工用ヘッド 4a レーザノズル 5,5A,5B 支持テーブル 5a 固定テーブル 5b 移動テーブル 5c ワーク支持用のブラシ 8 グリッパー 10,10A,10B 集塵ダクト装置 11 集塵ダクト 12,12A 集塵ダクトの吸込口 12a 吸込口の上端面 13 吸引口 15 集塵ダクトの底蓋 17 流体圧シリンダ 20 排気ダクト 25,25A 吸込口の周りに設けられるブ
ラシ 25a ブラシの上端 W ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 26/10 B23K 26/10 B23P 23/00 B23P 23/00 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーク支持テーブルとワーク移動手段と
    を有し、前記ワーク支持テーブルの上方に熱切断加工用
    ヘッドを、前記支持テーブルの下側に前記熱切断加工用
    ヘッドに対向して集塵ダクトを、それぞれ設置される熱
    切断加工機において、その集塵ダクトの吸込口の周り
    に、耐熱性ブラシを隙間なく連続的に配設することを特
    徴とする熱切断加工機における集塵ダクト装置。
  2. 【請求項2】 前記熱切断加工機は、XY軸に移動自在
    なワーク移動手段と固定テーブルとを有し、その固定テ
    ーブル部にパンチヘッドとY軸方向に移動自在な熱切断
    加工用ヘッドとを並設されたパンチプレスとの複合加工
    機である請求項1に記載の熱切断加工機における集塵ダ
    クト装置。
  3. 【請求項3】 前記熱切断加工機は、XY軸に移動自在
    なワーク移動手段と固定テーブルとを有し、その固定テ
    ーブル部にパンチヘッドと熱切断加工用ヘッドとを並設
    されたパンチプレスとの複合加工機である請求項1に記
    載の熱切断加工機における集塵ダクト装置。
  4. 【請求項4】 前記熱切断加工機は、メインフレームに
    直交するX軸方向のワーク移動手段とメインフレームの
    配置方向に平行するY軸方向に移動自在の熱切断加工用
    ヘッドを設置された熱切断加工機である請求項1に記載
    の熱切断加工機における集塵ダクト装置。
  5. 【請求項5】 前記集塵ダクトの上面は、前記ブラシの
    上端面より低く配されている請求項1〜4のいずれかに
    記載の熱切断加工機における集塵ダクト装置。
  6. 【請求項6】 パンチプレス・熱切断複合加工機におい
    て、熱切断加工用ヘッドに対向するワーク支持テーブル
    側に設けられる集塵ダクトの吸込口周りには、隙間なく
    連続的に耐熱性ブラシが配設されるようにして、かかる
    ワーク支持テーブル上でワークを、先ず成形工程でパン
    チプレス加工を行い、次に熱切断加工を行うようにする
    ことを特徴とするワークの熱切断加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の加工操作は、XY軸に
    移動自在なワーク移動手段と固定テーブルとを有し、そ
    の固定テーブル部にパンチヘッドと熱切断加工用ヘッド
    とを並設されたパンチプレス・熱切断複合加工機におい
    て行われることを特徴とするワークの熱切断加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の加工操作は、XY軸方
    向のワーク移動手段を有し、パンチヘッドとY軸方向に
    移動自在な熱切断加工用ヘッドとを並設されたパンチプ
    レス・熱切断複合加工機において行われることを特徴と
    するワークの熱切断加工方法。
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