JP2000237855A - ビレットの連続鋳造方法 - Google Patents
ビレットの連続鋳造方法Info
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- JP2000237855A JP2000237855A JP11038242A JP3824299A JP2000237855A JP 2000237855 A JP2000237855 A JP 2000237855A JP 11038242 A JP11038242 A JP 11038242A JP 3824299 A JP3824299 A JP 3824299A JP 2000237855 A JP2000237855 A JP 2000237855A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低炭素鋼のビレット連続鋳造における鋳型1
からの引抜きを円滑に行い、低炭素鋼ビレット連続鋳造
の軽圧下帯5における引抜きを円滑に行い、軽圧下によ
る高炭素鋼ビレット連続鋳造の中心偏析を改善するビレ
ットの連続鋳造方法を提供する。 【解決手段】 鋳型1下端から100mmの長さの範囲
におけるスプレーノズル3による鋳片2次冷却水量密度
を適正化し、鋳片バルジング量を制御して目的を達成す
る。即ち、炭素含有量が0.04重量%以下の低炭素鋼
のビレット連続鋳造において上記水量密度を0.5m3
/m2/s以上とする。炭素含有量が0.40重量%以
上の高炭素鋼の軽圧下ビレット連続鋳造において上記水
量密度を0.5m3/m2/s以上とする。
からの引抜きを円滑に行い、低炭素鋼ビレット連続鋳造
の軽圧下帯5における引抜きを円滑に行い、軽圧下によ
る高炭素鋼ビレット連続鋳造の中心偏析を改善するビレ
ットの連続鋳造方法を提供する。 【解決手段】 鋳型1下端から100mmの長さの範囲
におけるスプレーノズル3による鋳片2次冷却水量密度
を適正化し、鋳片バルジング量を制御して目的を達成す
る。即ち、炭素含有量が0.04重量%以下の低炭素鋼
のビレット連続鋳造において上記水量密度を0.5m3
/m2/s以上とする。炭素含有量が0.40重量%以
上の高炭素鋼の軽圧下ビレット連続鋳造において上記水
量密度を0.5m3/m2/s以上とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼をビレットに鋳
造する連続鋳造方法に関し、詳しくは、ビレット連続鋳
造における鋳型直下の鋳片2次冷却方法に関する。
造する連続鋳造方法に関し、詳しくは、ビレット連続鋳
造における鋳型直下の鋳片2次冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビレットは、1辺の長さが200mm以
下の角柱、あるいは直径200mm以下の円柱形状であ
り、150〜160mmの角柱として製造されることが
多い。従来、鋼をビレットに製造するに際しては、大断
面のブルームを連続鋳造法で鋳造し、このブルームを分
塊圧延してビレットを形成する方法がとられていた。し
かし、製造工程の短縮、省エネルギーの推進のため、直
接ビレットを連続鋳造する方法が採用され、主に炭素含
有量0.05〜0.3重量%の中炭素鋼を中心にビレッ
トの連続鋳造が行われていた。
下の角柱、あるいは直径200mm以下の円柱形状であ
り、150〜160mmの角柱として製造されることが
多い。従来、鋼をビレットに製造するに際しては、大断
面のブルームを連続鋳造法で鋳造し、このブルームを分
塊圧延してビレットを形成する方法がとられていた。し
かし、製造工程の短縮、省エネルギーの推進のため、直
接ビレットを連続鋳造する方法が採用され、主に炭素含
有量0.05〜0.3重量%の中炭素鋼を中心にビレッ
トの連続鋳造が行われていた。
【0003】スラブやブルーム等の鋼の連続鋳造におい
ては、鋳型の下方にサポートロールを配置し、鋳片の凝
固シェルが溶鋼の静圧で外側に膨れるバルジングの発生
を抑える。それに対し、鋼をビレットに連続鋳造する方
法においては、鋳片の一辺の長さが短いために、鋳片が
鋳型下方に引き抜かれた後も凝固シェルのバルジング量
は僅かであり、サポートロールを配置しなくても鋳造を
行うことができる。ビレットの湾曲型連続鋳造装置の場
合、湾曲鋳型の下の湾曲部においてはサポートロールを
有さず、曲げ戻し部においてピンチロールを用いて鋳片
の曲げ戻しを行う。更にピンチロールを通過した後の凝
固末期の鋳片部位において、軽圧下を行うことによって
鋳片の中心偏析を低減することもできる。
ては、鋳型の下方にサポートロールを配置し、鋳片の凝
固シェルが溶鋼の静圧で外側に膨れるバルジングの発生
を抑える。それに対し、鋼をビレットに連続鋳造する方
法においては、鋳片の一辺の長さが短いために、鋳片が
鋳型下方に引き抜かれた後も凝固シェルのバルジング量
は僅かであり、サポートロールを配置しなくても鋳造を
行うことができる。ビレットの湾曲型連続鋳造装置の場
合、湾曲鋳型の下の湾曲部においてはサポートロールを
有さず、曲げ戻し部においてピンチロールを用いて鋳片
の曲げ戻しを行う。更にピンチロールを通過した後の凝
固末期の鋳片部位において、軽圧下を行うことによって
鋳片の中心偏析を低減することもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】炭素含有量が0.04
重量%以下の低炭素鋼をビレット連続鋳造すると、鋳型
の下部において鋳片が鋳型と接触し、円滑な引抜きがで
きなくなる状況が発生した。このような場合、引抜き速
度が不安定となり、鋳型内の液面で湯面変動が発生し、
鋳片に二重肌が発生するなどの鋳片表面品質の悪化を招
くこととなる。
重量%以下の低炭素鋼をビレット連続鋳造すると、鋳型
の下部において鋳片が鋳型と接触し、円滑な引抜きがで
きなくなる状況が発生した。このような場合、引抜き速
度が不安定となり、鋳型内の液面で湯面変動が発生し、
鋳片に二重肌が発生するなどの鋳片表面品質の悪化を招
くこととなる。
【0005】また、軽圧下を行うビレット連続鋳造にお
いては、炭素含有量が0.40重量%以上の高炭素鋼を
軽圧下を行いつつビレット連続鋳造する場合において、
軽圧下を行うにもかかわらず、鋳片の中心偏析粒径が3
mmを超え、この中心偏析が原因して圧延時に破断が発
生することがあった。
いては、炭素含有量が0.40重量%以上の高炭素鋼を
軽圧下を行いつつビレット連続鋳造する場合において、
軽圧下を行うにもかかわらず、鋳片の中心偏析粒径が3
mmを超え、この中心偏析が原因して圧延時に破断が発
生することがあった。
【0006】本発明は、低炭素鋼のビレット連続鋳造に
おける鋳型からの引抜きを円滑に行い、軽圧下による高
炭素鋼ビレット連続鋳造の中心偏析を改善するビレット
の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
おける鋳型からの引抜きを円滑に行い、軽圧下による高
炭素鋼ビレット連続鋳造の中心偏析を改善するビレット
の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は第1に、
炭素含有量が0.04重量%以下の鋼をビレットに鋳造
する連続鋳造方法であって、鋳型1下端から300mm
の長さの範囲における鋳片2次冷却水量密度を0.4m
3/m2/s以上とすることを特徴とするビレットの連続
鋳造方法である。
炭素含有量が0.04重量%以下の鋼をビレットに鋳造
する連続鋳造方法であって、鋳型1下端から300mm
の長さの範囲における鋳片2次冷却水量密度を0.4m
3/m2/s以上とすることを特徴とするビレットの連続
鋳造方法である。
【0008】従来、鋼のビレット連続鋳造の2次冷却
は、鋳型下端から300mmの長さの範囲における鋳片
2次冷却水量密度を0.2〜0.3m3/m2/sとして
いた。鋼の炭素含有量によらず、同じ冷却水量密度が採
用されていた。特開昭57−130748号公報に開示
されているように、鋳型直下の2次冷却水量密度は極力
低く抑えることにより、鋳片の表面品質を良好に保つこ
とができると考えられていたためである。
は、鋳型下端から300mmの長さの範囲における鋳片
2次冷却水量密度を0.2〜0.3m3/m2/sとして
いた。鋼の炭素含有量によらず、同じ冷却水量密度が採
用されていた。特開昭57−130748号公報に開示
されているように、鋳型直下の2次冷却水量密度は極力
低く抑えることにより、鋳片の表面品質を良好に保つこ
とができると考えられていたためである。
【0009】本発明者らは、低炭素鋼のビレット連続鋳
造における鋳型1からの引抜きが円滑に行われないの
は、鋳型直下において鋳片のバルジングが発生し、その
ために膨らんだ鋳片表面が鋳型下端付近において鋳型表
面と接触し、それによって引抜き抵抗が増大しているこ
とが原因であることを突き止めた。同じ凝固シェル温度
においては、低炭素鋼は高炭素鋼に比較して高温強度が
低下することに起因する。そして、鋳型下端から300
mmの長さの範囲における鋳片2次冷却水量密度を0.
4m3/m2/s以上とすることによって鋳型直下の鋳片
表面温度を1100℃以下まで低下させると、凝固シェ
ルの高温強度の増大によってバルジング発生が抑えら
れ、鋳片の鋳型からの引き抜き性が改善できることを明
らかにし、本発明に至ったものである。
造における鋳型1からの引抜きが円滑に行われないの
は、鋳型直下において鋳片のバルジングが発生し、その
ために膨らんだ鋳片表面が鋳型下端付近において鋳型表
面と接触し、それによって引抜き抵抗が増大しているこ
とが原因であることを突き止めた。同じ凝固シェル温度
においては、低炭素鋼は高炭素鋼に比較して高温強度が
低下することに起因する。そして、鋳型下端から300
mmの長さの範囲における鋳片2次冷却水量密度を0.
4m3/m2/s以上とすることによって鋳型直下の鋳片
表面温度を1100℃以下まで低下させると、凝固シェ
ルの高温強度の増大によってバルジング発生が抑えら
れ、鋳片の鋳型からの引き抜き性が改善できることを明
らかにし、本発明に至ったものである。
【0010】鋳片の鋳型からの引き抜き性が改善された
結果、引抜き速度の変動が減少し、鋳片表面の二重肌等
の発生を防止することができ、ビレット表面品質を向上
することができた。
結果、引抜き速度の変動が減少し、鋳片表面の二重肌等
の発生を防止することができ、ビレット表面品質を向上
することができた。
【0011】本発明の要旨は第2に、炭素含有量が0.
40重量%以上の鋼をビレットに鋳造し、鋳造中に軽圧
下を行う連続鋳造方法であって、鋳型下端から300m
mの長さの範囲における鋳片2次冷却水量密度を0.3
m3/m2/s以上とすることを特徴とするビレットの連
続鋳造方法である。
40重量%以上の鋼をビレットに鋳造し、鋳造中に軽圧
下を行う連続鋳造方法であって、鋳型下端から300m
mの長さの範囲における鋳片2次冷却水量密度を0.3
m3/m2/s以上とすることを特徴とするビレットの連
続鋳造方法である。
【0012】炭素含有量が0.40重量%以上の高炭素
鋼においては、鋳型直下の2次冷却水量密度が従来から
用いられている0.2〜0.3m3/m2/s程度であっ
ても、鋳型の下端部に鋳片が接触するようなバルジング
は発生しない。高炭素鋼であるため、凝固シェルの高温
強度が低炭素鋼よりも高いからである。ところが、高炭
素鋼といえども従来の2次冷却水量ではバルジングを完
全に防止することはできず、図2に示すように鋳片の表
面は面の中央が膨れた形状を有している。本発明者ら
は、このような鋳片形状で軽圧下を行うと、軽圧下の効
果を十分に発揮することができず、凝固後の鋳片中心部
に偏析粒径が3mmを超える偏析が発生し、その結果圧
延時の線材破断等の原因となることを明らかにした。偏
析による品質の劣化は、炭素含有量が0.40重量%以
上の高炭素鋼において特に顕著である。
鋼においては、鋳型直下の2次冷却水量密度が従来から
用いられている0.2〜0.3m3/m2/s程度であっ
ても、鋳型の下端部に鋳片が接触するようなバルジング
は発生しない。高炭素鋼であるため、凝固シェルの高温
強度が低炭素鋼よりも高いからである。ところが、高炭
素鋼といえども従来の2次冷却水量ではバルジングを完
全に防止することはできず、図2に示すように鋳片の表
面は面の中央が膨れた形状を有している。本発明者ら
は、このような鋳片形状で軽圧下を行うと、軽圧下の効
果を十分に発揮することができず、凝固後の鋳片中心部
に偏析粒径が3mmを超える偏析が発生し、その結果圧
延時の線材破断等の原因となることを明らかにした。偏
析による品質の劣化は、炭素含有量が0.40重量%以
上の高炭素鋼において特に顕著である。
【0013】本発明者らは更に、鋳型下端から300m
mの長さの範囲における鋳片2次冷却水量密度を0.3
m3/m2/s以上とすることにより、鋳型直下の鋳片表
面温度を1100℃以下に低減し、その結果、炭素含有
量が0.40重量%以上の高炭素鋼のバルジング量を
0.5mm以下に抑制することができることを明らかに
した。そして、バルジング量が0.5mm以下であれ
ば、軽圧下を行うことによる中心偏析改善効果を十分に
発揮することができ、ビレット中心部の偏析粒径を3m
m以下として良好な品質のビレットを製造できる本発明
に到ったものである。
mの長さの範囲における鋳片2次冷却水量密度を0.3
m3/m2/s以上とすることにより、鋳型直下の鋳片表
面温度を1100℃以下に低減し、その結果、炭素含有
量が0.40重量%以上の高炭素鋼のバルジング量を
0.5mm以下に抑制することができることを明らかに
した。そして、バルジング量が0.5mm以下であれ
ば、軽圧下を行うことによる中心偏析改善効果を十分に
発揮することができ、ビレット中心部の偏析粒径を3m
m以下として良好な品質のビレットを製造できる本発明
に到ったものである。
【0014】本第1〜第2の発明において、鋳型直下の
2次冷却水量密度を従来より増大したが、冷却強化に伴
う鋳片表面品質の変化は見られず、従来と同様の良好な
表面品質を維持することができる。
2次冷却水量密度を従来より増大したが、冷却強化に伴
う鋳片表面品質の変化は見られず、従来と同様の良好な
表面品質を維持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に示すような湾曲型ビレット
連続鋳造装置を例にとって本発明の実施の形態を説明す
る。
連続鋳造装置を例にとって本発明の実施の形態を説明す
る。
【0016】鋳片2は、湾曲型の鋳型1を抜け出た後は
サポートロールを有しない湾曲部7を経て、ピンチロー
ル4によって曲げ戻しを受け、更に中心偏析改善のため
必要に応じて軽圧下帯5において軽圧下を行う。
サポートロールを有しない湾曲部7を経て、ピンチロー
ル4によって曲げ戻しを受け、更に中心偏析改善のため
必要に応じて軽圧下帯5において軽圧下を行う。
【0017】湾曲部7においてはスプレーノズル3から
の冷却水により鋳片を冷却する2次冷却帯を設け、鋳片
の冷却を行う。四周のノズルは同一半径上に配し、水量
等は同一にする。水量については上流から下流にいくに
従い減らしていくのが一般的である。
の冷却水により鋳片を冷却する2次冷却帯を設け、鋳片
の冷却を行う。四周のノズルは同一半径上に配し、水量
等は同一にする。水量については上流から下流にいくに
従い減らしていくのが一般的である。
【0018】本発明においては鋳型直下の2次冷却水量
密度を従来に比較して増大するが、当該鋳型直下の冷却
水スプレーノズル3については、必要水量に応じて通常
使用するノズルから最適なノズルを選択することができ
る。ノズルは鋳片より約100〜150mmの高さに配
置し、スプレー水は鋳片の幅及び引抜き方向に均一に噴
霧される。
密度を従来に比較して増大するが、当該鋳型直下の冷却
水スプレーノズル3については、必要水量に応じて通常
使用するノズルから最適なノズルを選択することができ
る。ノズルは鋳片より約100〜150mmの高さに配
置し、スプレー水は鋳片の幅及び引抜き方向に均一に噴
霧される。
【0019】鋳片凝固末期に軽圧下帯5で軽圧下を行う
場合、軽圧下装置としては従来から用いられているロー
ルによる軽圧下装置を用いることができる。通常、軽圧
下は3対〜8対のロールによって鋳片を圧下する。圧下
量はトータルで5〜15%が好適であり、鋳片を圧下す
る位置は、鋳片の中心固相率が10〜70%の部位とす
ることにより、鋳片の中心偏析を低減して良好な品質を
得ることができる。
場合、軽圧下装置としては従来から用いられているロー
ルによる軽圧下装置を用いることができる。通常、軽圧
下は3対〜8対のロールによって鋳片を圧下する。圧下
量はトータルで5〜15%が好適であり、鋳片を圧下す
る位置は、鋳片の中心固相率が10〜70%の部位とす
ることにより、鋳片の中心偏析を低減して良好な品質を
得ることができる。
【0020】
【実施例】鋳片サイズ122mm角の湾曲型ビレット連
続鋳造装置において本発明を適用した。鋳型1は長さ8
00mmの水冷銅鋳型を用い、湾曲半径5mの湾曲部7
を経てピンチロール4で曲げ戻し矯正を行う。湾曲部7
にはサポートロールは存在せず、スプレー冷却を行って
いる。曲げ戻しの後にロール対7対を用いた軽圧下帯5
で軽圧下を行う例も実施した。軽圧下においては、ロー
ル対毎の圧下量を1.4mmとした。
続鋳造装置において本発明を適用した。鋳型1は長さ8
00mmの水冷銅鋳型を用い、湾曲半径5mの湾曲部7
を経てピンチロール4で曲げ戻し矯正を行う。湾曲部7
にはサポートロールは存在せず、スプレー冷却を行って
いる。曲げ戻しの後にロール対7対を用いた軽圧下帯5
で軽圧下を行う例も実施した。軽圧下においては、ロー
ル対毎の圧下量を1.4mmとした。
【0021】鋳造条件及び鋳造結果を表1に示す。表1
において、水量密度は、鋳型下端から300mmの間の
鋳片4面の平均水量密度を表示している。バルジング量
は、軽圧下を行わない場合の鋳造後鋳片バルジング量
(図2のh)を計測した結果である。引抜き状況は引抜
き速度の変動の度合い及びオーバーフロー等のトラブル
の有無によって評価した。鋳片表面品質は鋳片表面の二
重肌等の発生状況によって評価した。中心偏析品質は炭
素含有量0.4%以上の例についてのみ評価結果を示
す。中心偏析品質は、鋳片中心部の偏析粒径が3mmを
超える偏析の発生有無によって評価した。
において、水量密度は、鋳型下端から300mmの間の
鋳片4面の平均水量密度を表示している。バルジング量
は、軽圧下を行わない場合の鋳造後鋳片バルジング量
(図2のh)を計測した結果である。引抜き状況は引抜
き速度の変動の度合い及びオーバーフロー等のトラブル
の有無によって評価した。鋳片表面品質は鋳片表面の二
重肌等の発生状況によって評価した。中心偏析品質は炭
素含有量0.4%以上の例についてのみ評価結果を示
す。中心偏析品質は、鋳片中心部の偏析粒径が3mmを
超える偏析の発生有無によって評価した。
【0022】
【表1】
【0023】炭素含有量0.04%以下については、本
発明例1に示すように、水量を増やすことで引抜きが安
定し、オーバーフロー等のトラブルが回避でき、また湯
面も安定するため良好な表面品位を得ることが可能にな
る。炭素含有量0.4%以上については、本発明例2に
示すように、水量の増加により偏析を改善することがで
きる。
発明例1に示すように、水量を増やすことで引抜きが安
定し、オーバーフロー等のトラブルが回避でき、また湯
面も安定するため良好な表面品位を得ることが可能にな
る。炭素含有量0.4%以上については、本発明例2に
示すように、水量の増加により偏析を改善することがで
きる。
【0024】これに対し、比較例3は炭素含有量0.0
4%以下で水量が不十分なため、引抜き状況、鋳片表面
品質ともに不良であった。また、比較例4は炭素含有量
0.4%以上で水量が不十分なため、中心偏析品質が不
良であった。比較例5は、炭素含有量が0.04%〜
0.4%の範囲にあるため、水量は従来並みであるが引
抜き状況、鋳片表面品質ともに問題は発生していない。
4%以下で水量が不十分なため、引抜き状況、鋳片表面
品質ともに不良であった。また、比較例4は炭素含有量
0.4%以上で水量が不十分なため、中心偏析品質が不
良であった。比較例5は、炭素含有量が0.04%〜
0.4%の範囲にあるため、水量は従来並みであるが引
抜き状況、鋳片表面品質ともに問題は発生していない。
【0025】
【発明の効果】本発明は、炭素含有量が0.04重量%
以下の鋼をビレットに鋳造する連続鋳造に際し、鋳型下
端から300mmの長さの範囲における鋳片2次冷却水
量密度を0.4m3/m2/s以上とすることによってバ
ルジング発生が抑えられ、鋳片の鋳型からの引き抜き性
が改善され、引抜き速度の変動が減少し、鋳片表面の二
重肌等の発生を防止することができ、ビレット表面品質
を向上することができた。
以下の鋼をビレットに鋳造する連続鋳造に際し、鋳型下
端から300mmの長さの範囲における鋳片2次冷却水
量密度を0.4m3/m2/s以上とすることによってバ
ルジング発生が抑えられ、鋳片の鋳型からの引き抜き性
が改善され、引抜き速度の変動が減少し、鋳片表面の二
重肌等の発生を防止することができ、ビレット表面品質
を向上することができた。
【0026】本発明はまた、炭素含有量が0.40重量
%以上の鋼をビレットに鋳造し、鋳造中に軽圧下を行う
連続鋳造において、鋳型下端から300mmの長さの範
囲における鋳片2次冷却水量密度を0.3m3/m2/s
以上とすることにより、バルジング量を0.5mm以下
に抑制した。これにより、軽圧下による中心偏析改善効
果を十分に発揮することができ、ビレット中心部の偏析
粒径を3mm以下として良好な品質のビレットを製造す
ることができた。
%以上の鋼をビレットに鋳造し、鋳造中に軽圧下を行う
連続鋳造において、鋳型下端から300mmの長さの範
囲における鋳片2次冷却水量密度を0.3m3/m2/s
以上とすることにより、バルジング量を0.5mm以下
に抑制した。これにより、軽圧下による中心偏析改善効
果を十分に発揮することができ、ビレット中心部の偏析
粒径を3mm以下として良好な品質のビレットを製造す
ることができた。
【図1】ビレット連続鋳造装置を示す概略図である。
【図2】バルジングを説明するビレット断面図である。
1 鋳型 2 鋳片 3 スプレーノズル 4 ピンチロール 5 軽圧下帯 6 湯面 7 二次冷却帯 h バルジング量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 昌宏 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 東 豊一郎 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 Fターム(参考) 4E004 KA14 MC02 MC20 NB02 NB04 NC01
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素含有量が0.04重量%以下の鋼を
ビレットに鋳造する連続鋳造方法であって、鋳型下端か
ら300mmの長さの範囲における鋳片2次冷却水量密
度を0.4m3/m2/s以上とすることを特徴とするビ
レットの連続鋳造方法。 - 【請求項2】 炭素含有量が0.40重量%以上の鋼を
ビレットに鋳造し、鋳造中に軽圧下を行う連続鋳造方法
であって、鋳型下端から300mmの長さの範囲におけ
る鋳片2次冷却水量密度を0.3m3/m2/s以上とす
ることを特徴とするビレットの連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11038242A JP2000237855A (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | ビレットの連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11038242A JP2000237855A (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | ビレットの連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000237855A true JP2000237855A (ja) | 2000-09-05 |
Family
ID=12519849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11038242A Pending JP2000237855A (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | ビレットの連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000237855A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007307574A (ja) * | 2006-05-17 | 2007-11-29 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ビレットの連続鋳造方法 |
JP2008212972A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-18 | Jfe Steel Kk | 高Ni含有鋼鋳片の製造方法 |
JP2011194421A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-06 | Jfe Steel Corp | 鋼の連続鋳造方法 |
-
1999
- 1999-02-17 JP JP11038242A patent/JP2000237855A/ja active Pending
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