JP2000235023A - 部材表面の皮膜剥離検出方法及び装置 - Google Patents

部材表面の皮膜剥離検出方法及び装置

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JP2000235023A
JP2000235023A JP11037692A JP3769299A JP2000235023A JP 2000235023 A JP2000235023 A JP 2000235023A JP 11037692 A JP11037692 A JP 11037692A JP 3769299 A JP3769299 A JP 3769299A JP 2000235023 A JP2000235023 A JP 2000235023A
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elastic wave
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peeling
amplitude
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Keiji Sonoya
啓嗣 園家
Shogo Tobe
省吾 戸部
Shigeru Kitahara
繁 北原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部材表面に形成されている皮膜の剥離を容易
且つ正確に検出する。 【解決手段】 皮膜2の離れた位置に2個のAEセンサ
ー5を固定し、2個のAEセンサー5の間で打撃機3を
一定速度で移動させながら、皮膜2を一定間隔で打撃す
る。打撃により発生した弾性波を増幅してコンピュータ
9に入れ、周波数解析を行う。解析により得られた弾性
波の振幅の大小により剥離の有無を検出する。一つの音
源から2個のAEセンサー5に到達した信号の時間差か
ら剥離部の位置を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラーの蒸気管等
の部材表面に形成されている皮膜の剥離を検出するため
の方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ボイラーの火炉壁を構成する
蒸気管の表面には、耐熱性や耐食性、耐摩耗性等を向上
させるために、溶射法等により皮膜が形成される場合が
多い。
【0003】このように形成された皮膜は、使用中に熱
膨張の違い等により蒸気管から剥離することがあり、皮
膜が剥離すると腐食の原因となり、最悪の場合、蒸気管
に孔があくことになる。そのため、1〜2年に1度、ボ
イラーを止めて点検を行うことになるが、この場合、で
きるだけ短時間に点検を終了することが要求される。
【0004】上記皮膜剥離の点検を行う場合、従来で
は、カラーチェックを含めた目視やハンマーで軽くたた
く等の方法による検査が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
方法では、皮膜の割れは比較的容易に検出することはで
きるが、皮膜剥離の場合は、表面欠陥ではないので、熟
練した作業員による長年の経験が必要な上、熟練者であ
っても小さな剥離や浮き等を正確に検出することは困難
である。
【0006】そこで、本発明は、皮膜の小さな剥離や浮
き等でも、熟練を要することなく容易且つ正確に検出す
ることができるような部材表面の皮膜剥離検出方法及び
装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、部材の表面に形成されている皮膜に表面
から打撃力を加えることにより弾性波を発生させ、発生
した弾性波を複数個のセンサーで測定して周波数解析を
行い、皮膜の剥離部を、弾性波の振幅の大小により検出
する部材表面の皮膜剥離検出方法及び装置とする。
【0008】皮膜が剥離している個所を打撃して、その
際発生した弾性波をAEセンサーで測定すると、剥離し
ていない健全部に比して弾性波の振幅が大きい。したが
って、振幅の大小によって健全部と剥離部とを区別する
ことができる。又、弾性波が複数のAEセンサーに到達
する時間の差によって、剥離部の位置を検出することが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0010】図1(イ)(ロ)及び図2は本発明の部材
表面の皮膜検出装置の実施の一形態を示すもので、ボイ
ラーの蒸気管の如き長尺の部材1の表面に形成されてい
る皮膜2に打撃を加えることによる皮膜2の撓みを弾性
波の振幅の大きさで評価し、剥離部を検出する場合につ
いて示す。
【0011】すなわち、部材1の表面に施された皮膜2
を打撃する打撃機3を装備させた検査ヘッド4と、上記
打撃機3により皮膜2を打撃したときに発生した弾性波
を感知する2個のAE(アコースティックエミッショ
ン)センサー5と、これらAEセンサー5で測定した弾
性波を順次増幅するプリアンプ6及びメインアンプ7
と、増幅された弾性波のノイズ成分を除去するハイパス
フィルタ8と、該ハイパスフィルタ8を通過した後の弾
性波の周波数を解析する周波数解析装置としてのパソコ
ンの如きコンピュータ9と、解析結果を出力するプリン
タ10とからなる構成とする。上記コンピュータ9、バ
イパスフィルタ8及びメインアンプ7は、プリアンプ6
との間を延長コードで結ぶことにより、現場から所要量
離れた位置に設置することができるようにしてある。
【0012】なお、図1では、検査ヘッド4を、水平方
向に置かれている部材1に適用するような姿勢とした場
合が示してある。
【0013】上記検査ヘッド4は、図1(イ)に示すよ
うに、長手方向の中央部上面に取り扱い用の把手11を
取り付けたビームの如きヘッド本体フレーム12の長手
方向両端部に、脚部12aを下向きに直角に設けて、該
各脚部12aの下面に固定パッド13をそれぞれ取り付
け、上記ヘッド本体フレーム12の両端の脚部12a間
に、該ヘッド本体フレーム12と平行に配したスクリュ
ーロッド15の両端部を回転自在に支持させて、モータ
14により回転駆動されるようにすると共に、該スクリ
ューロッド15と平行にガイドレール16を配設して、
打撃機3の外側部に固設したガイドブロック17をガイ
ドレール16に摺動自在に係合支持させ、且つ該ガイド
ブロック17に上記スクリューロッド15を貫通螺合さ
せ、上記把手11に組み付けたスイッチ18の操作で上
記モータ14を駆動してスクリューロッド15を回転さ
せることにとより、打撃機3をガイドレール16に沿わ
せてヘッド本体フレーム12の長手方向へ一定速度で移
動できるようにしてある。
【0014】又、上記打撃機3は、図2に詳細を示す如
く、上下方向に長い円筒状のケーシング19内に、該ケ
ーシング19の先端(下端)壁19a及び後端(上端)
壁19bから上下に貫通して突出するようにロッド(ピ
ン)20を上下方向に移動自在で且つ回転不可となるよ
うに収納配置し、ケーシング19内に位置する該ロッド
20の両端側所要位置に、フランジ状の先端側突出部2
1aと後端側突出部21bを突設し、且つ上記後端側突
出部21bと後端壁19b内面との間に、ロッド20を
下向きに押し出し付勢するためのスプリング22bを介
在させると共に、上記先端側突出部21aと先端壁19
a内面との間に、ロッド19の下向き押し出し付勢力を
緩衝するよう上記スプリング22bよりも強さの弱いス
プリング22aを介在させ、更に、上記ロッド19の中
間部の一側部に所要の長さのラック23を設ける。一
方、上記ケーシング19の上下方向中間部一側には、所
要の開口部24を設け、該開口部24に、有歯領域をほ
ぼ180゜としたセクターギヤ25を、モータ26によ
り回転駆動可能に配置して、上記ラック23に噛合、離
脱できるように組み付け、セクターギヤ25とラック2
3が噛合しているときに上記モータ26の駆動でセクタ
ーギヤ25を図上時計方向へ回転させることにより、ラ
ック23を介してロッド20がスプリング22bに抗し
て上方へ移動させられ、セクターギヤ25がラック23
から離脱することにより、スプリング22bの圧縮反力
でロッド19を下方に瞬時に移動させてロッド19の下
端面で部材1の表面を打撃できるようにしてあり、打撃
後は、セクターギヤ25が半回転してラック23と噛合
することにより再びロッド20が上方へ移動させられた
後、スプリング22bにより打撃させられ、同じ動作が
繰り返されて連続的に打撃できるようにしてある。
【0015】なお、上記打撃機3の作動用のモータ26
は、把手11部のスイッチ18の操作により、移動用の
モータ14と同期して駆動されるようにしてもよく、あ
るいは、別途スイッチの操作で駆動されるようにしても
よい。
【0016】上記AEセンサー5は、検査ヘッド4と別
体としてあり、磁力あるいは真空力によって部材1の表
面に密に固定できるようにして、雑音が入らないように
してあるが、検査ヘッド4と一体化してもよく、その場
合、ラバーマウントにするとよい。
【0017】更に、周波数解析装置としてのコンピュー
タ9には、データロガーを通してデータ(信号)を取り
入れ、このとき、取り入れる信号の振幅のしきい値を自
由に設定でき、しきい値よりも大きな振幅の信号だけを
取り入れる機能と、一つの音源から2個のAEセンサー
5に到達した信号の時間差から、信号が発生した場所を
計算できる機能と、取り入れた信号が発生した場所をデ
ィスプレイ上に表示する機能との3つの機能を具備した
専用のソフトウェアがインストールされている。
【0018】ボイラー蒸気管の如き部材1の表面に形成
されている皮膜2の剥離部の有無を検出する場合には、
部材1上に、該部材1の長手方向に沿わせて検査ヘッド
4を押し付けるようにセットし、且つその前後の位置に
AEセンサー5を固定配置した状態として、スイッチ1
8をONにし、打撃機3を一定速度で移動させながら、
打撃機3により部材1の表面の皮膜2を任意の間隔で打
撃させるようにする。
【0019】この場合、スイッチ18がONになると、
ヘッド本体フレーム12の脚部12aに設置されている
モータ14が駆動されて、スクリューロッド15が回転
させられることにより、該スクリューロッド15に螺合
させられているガイドブロック17を介して打撃機3に
送り力が与えられるので、打撃機3は、スクリューロッ
ド15と平行に延びるガイドレール16に沿ってヘッド
本体フレーム12の長手方向へ移動させられる。
【0020】又、打撃機3は、モータ26が駆動される
と、セクターギヤ25が図2において時計方向に回転さ
せられるので、ロッド20の中央部に設けられたラック
23に対し螺合、離脱を繰り返すことになる。この際、
ロッド20は、セクターギヤ25の有歯部の始端がラッ
ク23に噛合して有歯部の終端がラック23から離脱す
る直前までの過程で、ケーシング19の後端壁19bと
ロッド20の後端側突出部21bとの間に介在させてあ
るスプリング22bに抗し押し上げられ、ラック23か
らセクターギヤ23の有歯部の終端が離脱した時点で、
スプリング22bの圧縮反力によって下方へ押し出し付
勢され、このとき、ロッド20の下端面が皮膜2を打撃
することになり、この動作が、ピストン運動の如く連続
的に繰り返されることになる。なお、ロッド20が皮膜
2を打撃するときの衝撃力は、ケーシング19の先端壁
19aとロッド20の先端側突出部21aとの間に介在
させてあるスプリング22aにより緩衝され、且つこの
スプリング22aの存在により、下方へ押し出し付勢さ
れた後のロッド20は定位置へ戻される。
【0021】上記打撃機3により皮膜2に打撃が与えら
れると、部材1内に弾性波が発生する。この発生した弾
性波は2個のAEセンサー5で測定され、この弾性波の
信号がプリアンプ6、メインアンプ7で順次増幅され、
更に、ハイパスフィルタ8でノイズ成分を除去されてか
らコンピュータ9に入れられ、周波数解析される。
【0022】この解析結果は、図4(イ)(ロ)に示す
とおりであり、皮膜2に剥離が生じていない健全部から
の弾性波の振幅は図4(イ)の如く小さく、皮膜2に剥
離部があると、その部分で発生する弾性波の振幅は図4
(ロ)の如く大きくなるので、剥離部の有無を弾性波の
振幅の大小で検出することができる。すなわち、同じ衝
撃を加えたときは、剥離が生じていない健全部であれ
ば、その衝撃力を部材1全体で受けるため、発生する弾
性波の振幅は小さいのに対し、剥離が生じていると、剥
離している薄い部分で衝撃力を受けるため、振幅は大き
くなる。このことは、たとえば、上面が平らなコンクリ
ートの上面に板があり、その板の下面がコンクリートの
上面に密着している場合は、その板の上に人が乗っても
板はほとんど変形せず撓みはないのに対し、板の中央部
がコンクリート上面に密着せず板がその両端で支えられ
ている場合は、板の上に人が乗ると板の撓みは大きいこ
とと原理的に同じである。本発明は、この撓みの測定を
自動的、連続的に行うものである。又、本発明では、あ
る一定値以上の振幅をもった信号はすべてコンピュータ
9に取り込まれるが、更に、あるしきい値以上の振幅を
もった弾性波だけをコンピュータ9のディスプレイ上に
表示させるようにすることによって、剥離の有無を検出
することができる。又、2個のAEセンサー5に到達す
る弾性波の時間差から剥離部の位置を特定することがで
きる。
【0023】このように、これまで、目視では困難であ
った剥離部の有無を、弾性波の振幅の大小で判別するこ
とができ、したがって、剥離部の検出を、熟練を要する
ことなく簡単に行うことができる。なお、上記打撃機3
のロッド20は、スプリング22a,22bと、セクタ
ーギヤ25の半分とラック23の噛合により往復するよ
う保持されているので、水平方向に置かれている部材1
の上面に検査ヘッド4を下向きに置いて部材1の上面を
ロッド20で打撃する場合に限らず、水平方向に置かれ
ている部材1の側部に検査ヘッド4を横向きにして置い
てロッド20が水平方向へ移動して部材1の側面を打撃
するようにして使用することができる。
【0024】次に、図3は本発明の実施の他の形態とし
て、打撃機の別の構造例について示す。すなわち、上下
方向に長い円筒状のケーシング19内に、断面形状がU
字状になるように後端側を開放した円筒状のピストン2
7を上下方向に摺動自在に且つ回転不可となるように収
納させて、該ピストン27とケーシング19の後端壁1
9bとの間に、スプリング22を介在させて、該スプリ
ング22によりピストン27を押すことによりピストン
27の前面側に形成された所要の空気室28を圧縮させ
るようにし、該空気室28に連通させた砲身状のガイド
管29内に圧縮空気を送るようにし、且つ上記ピストン
27の円筒部を形成する所要の長さのガイドスリーブ2
7aの外壁面部に所要長さのラック23を長手方向に設
け、一方、上記ケーシング19の上下方向中間部の一側
に所要の開口部24を設け、該開口部24に有歯領域を
ほぼ180゜としたセクターギヤ25を、モータ26に
より回転駆動可能に配置して、上記ラック23に噛合、
離脱できるように組み付け、上記モータ26の駆動でセ
クターギヤ25を図上時計方向へ回転させて、該セクタ
ーギヤ25をラック23に噛合させることによりピスト
ン27をスプリング22に抗して後退させ、セクターギ
ヤ25がラック23との噛合が解除されることにより、
スプリング22の圧縮反力でピストン27を前進させる
という上下方向の往復移動を行わせてピストン27の前
面で空気室28内の空気が間欠的に圧縮されるようにし
てある。
【0025】又、上記ケーシング19の先端壁19aの
中心部に連設させたガイド管29は、小径通路29aと
大径通路29bとが形成されていて、上記小径通路29
aが空気室28側に、又、大径通路29bが先端側に位
置するようにしてあり、且つ上記ガイド管29の小径通
路29aと大径通路29bとの境界部分に、該大径通路
29bと同一内径とした通路管30の下端を、たとえ
ば、斜め45゜の角度で連通接続し、小球タンク31の
下端部を漏斗状に形成して上記通路管30の上端に一体
に連設し、該小球タンク31内に収納させた鋼又はプラ
スチック製の小球32を自重で通路管30を通して上記
ガイド管29の大径通路29bへ送り込めるようにする
と共に、上記ガイド管29の大径通路29bの上端部所
要個所に、通路管30から送り込まれた小球32の直接
落下を阻止するための所要の弾性体からなるストッパ片
33を取り付け、上記ピストン27の反復移動により空
気室28内で圧縮された空気がガイド管29内に供給さ
れたときに、大径通路29b内に送り込まれている小球
32に圧縮空気の圧力を作用させることにより、上記小
球32を、ストッパ片33を乗り越えさせるようにして
大径通路22bを通し発射させて部材1の表面に打ちつ
けるようにした打撃機3′としたものである。
【0026】図3に示す打撃機3′の場合、モータ26
の駆動によりセクターギヤ25がラック23に噛合して
いる間はピストン27を後退させ、セクターギヤ25が
半回転してラック23との噛合が解除されたときにピス
トン27が前進させられるので、ピストン27が往復移
動することにより小球32を一定間隔で連続的に発射さ
せることができる。したがって、図1(イ)(ロ)に示
す打撃機3に代えて検査ヘッド4に組み付けて使用する
と、小球32を部材1の表面に打ちつけて皮膜2を一定
間隔で順次打撃することができるので、上記実施の形態
の場合と同様な作用効果が奏し得られる。
【0027】上記打撃機3′の場合、ケーシング19の
ガイド管29に対し小球タンク31の通路管30を斜め
45°の角度で接続してあるので、ケーシング19を横
向きにして小球32を水平方向へ飛び出させるような使
い方をしても、小球32をガイド管29内に自重で供給
することができ、これにより水平方向に置かれている部
材1の上面に検査ヘッド4を下向きにセットしたり、部
材1の側部に横向きにセットして検査を行うことができ
る。
【0028】なお、上記実施の形態では、皮膜2が形成
されている部材1がボイラー蒸気管の如き長尺のパイプ
を想定しているため、AEセンサー5を2個用いた場合
を示したが、皮膜2が形成されている部材1が平面
(板)状の場合には、たとえば、4個のAEセンサー5
を矩形に配置して、縦横1mの範囲の検査を行うように
したり、更に、打撃機3や3′を複数用いるようにして
もよいこと、又、打撃機3や3′を移動させる機構とし
ては、図示した以外の任意の機構を採用することができ
ること、上記各実施の形態では、部材1が水平状態に置
かれている場合について示したが、部材1が垂直方向に
配置されているものにも適用できることは勿論であり、
この場合、図3の小球タンク31は水平方向に伸びるガ
イド管29に対して垂直となるよう図3に二点鎖線で示
すようにしてもよいこと、更に、実施の形態では、ボイ
ラー蒸気管の如き部材1の表面に形成されている皮膜2
の剥離検出について採用した場合を示したが、たとえ
ば、建造物外壁のモルタル、タイル等の剥離検出にもそ
のまま応用することは任意であること、その他本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。
【0029】
【実施例】次に、本発明者が行った実験について説明す
る。
【0030】供試材として、長さ1000mmのボイラー
チューブの如き母材(21/4Cr−1Mo鋼)の表面
に、厚さ0.15mmの80%Ni−20%Cr皮膜を溶
射法によって成膜させた。この際、溶射施工に先立っ
て、供試ボイラーチューブに部分的にカーボンを塗布
し、溶射後、皮膜が基材から剥離するようにした。
【0031】皮膜形成後、共振型AEセンサーをボイラ
ーチューブの両端2個所に取り付け、図3に示したと同
様な打撃機3′を組み付けた検査ヘッド4を用いて、直
径1mmの軸受用鋼球を一定速度で打ち付け、発生した弾
性波の振幅、周波数等を計測して解析した。
【0032】その結果、剥離のない健全部では、図4
(イ)に示すような波形が得られ、剥離が存在する部分
では、図4(ロ)に示すような波形が得られた。図4
(イ)(ロ)から明らかなように、健全部からの弾性波
の振幅は小さいのに対して、剥離部からの弾性波の振幅
はきわめて大きいことがわかる。又、2つのセンサーの
間隔が1m離れていても、各センサーに到達する弾性波
の時間差から、剥離の位置を正確に測定することができ
た。
【0033】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、部材
の表面に形成されている皮膜に表面から打撃力を加える
ことにより弾性波を発生させ、発生した弾性波を複数個
のセンサーで測定して周波数解析を行い、皮膜の剥離部
を、弾性波の振幅の大小により検出する部材表面の皮膜
剥離検出方法とし、又、部材の表面に形成されている皮
膜の表面を連続的に打撃する打撃機と、該打撃機の作動
により発生して伝搬される弾性波を測定するようにした
複数個のAEセンサーと、該各AEセンサーで受けた弾
性波の周波数を解析する周波数解析装置とを備えた構成
を有する部材表面の皮膜剥離検出装置としてあるので、
従来では目視でも困難であった皮膜の剥離の有無を、熟
練を要することなく、弾性波の振幅の大小で判別するこ
とができ、剥離部の検出を簡単且つ正確に行うことがで
き、したがって、機械工業、建築、土木工業等、広い分
野に適用することができる、という優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の部材表面の皮膜検出装置の実施の一形
態を示すもので、(イ)は全体の概略図、(ロ)は
(イ)のA−A方向拡大矢視図である。
【図2】打撃機の一例を拡大して示す切断側面図であ
る。
【図3】打撃機の他の例を示す切断側面図である。
【図4】実験結果を示すもので、(イ)は健全部の波形
を示す図、(ロ)は剥離部の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 部材 2 皮膜 3,3′ 打撃機 5 AEセンサー 9 コンピュータ(周波数解析装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G047 AB07 AC02 BA04 BA05 BC03 BC04 CA03 CA07 CB01 GA13 GG12 GG30 GG47

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材の表面に形成されている皮膜に表面
    から打撃力を加えることにより弾性波を発生させ、発生
    した弾性波を複数個のセンサーで測定して周波数解析を
    行い、皮膜の剥離部を、弾性波の振幅の大小により検出
    することを特徴とする部材表面の皮膜剥離検出方法。
  2. 【請求項2】 部材の表面に形成されている皮膜の表面
    を連続的に打撃する打撃機と、該打撃機の作動により発
    生して伝搬される弾性波を測定するようにした複数個の
    AEセンサーと、該各AEセンサーで受けた弾性波の周
    波数を解析する周波数解析装置とを備えた構成を有する
    ことを特徴とする部材表面の皮膜剥離検出装置。
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