JP2000234797A - 冷凍サイクル装置の室内ユニットおよびその設置方法 - Google Patents

冷凍サイクル装置の室内ユニットおよびその設置方法

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JP2000234797A
JP2000234797A JP11035029A JP3502999A JP2000234797A JP 2000234797 A JP2000234797 A JP 2000234797A JP 11035029 A JP11035029 A JP 11035029A JP 3502999 A JP3502999 A JP 3502999A JP 2000234797 A JP2000234797 A JP 2000234797A
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room
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refrigeration cycle
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Noriho Okaza
典穂 岡座
Shozo Funakura
正三 船倉
Mitsuharu Matsuo
光晴 松尾
Yuji Yoshida
雄二 吉田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は、爆発等の危険な状態を引き起こす可
能性があるので、空気より比重の大きい可燃性および/
または毒性を有する冷媒を冷凍サイクルに用いるのは困
難であった。 【解決手段】 右側面部15と、左側面部16と、前側
面部17と、上面部18と、下面部19とを有し、扇板
状の形状を有する冷凍サイクル装置の室内ユニットであ
って、吹出口14が下面部19の前側面部17寄りに設
けられた室内ユニットを、上面部18と空気調和の制御
対象空間となる室内の天井面31とが接し、かつ右側面
部15と壁面32とが接し、さらに左側面部16と壁面
33とが接するように固定して設置する。そして、空気
より比重の大きい可燃性および/または毒性を有する冷
媒を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクル装置
の室内ユニットおよびその設置方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、空気調和機、除湿機、冷凍機等の
冷凍サイクル装置においては、冷媒としてクロロフルオ
ロカーボン(CFC)であるR12冷媒等や、ハイドロ
クロロフルオロカーボン(HCFC)であるR22冷媒
等を使用し、冷凍機油として鉱物油を使用していた。
【0003】ところが、CFCやHCFCはオゾン破壊
係数(ODP)の値が0を超えるために、1995年モ
ントリオール議定書改定に基づき、CFCは1995年
末に全廃し、HCFCも1996年から規制を開始し、
2020年に全廃することが規定されており、CFCや
HCFCの代替冷媒としてHFCが注目されている。し
かし、HFCは地球温暖化係数(GWP)の値が大き
く、地球環境保護のため、将来的に規制される可能があ
る。
【0004】そこで、HFCの次世代冷媒として、OD
P=0であるばかりでなく、GWP≒0であるプロパン
(C3H8、R290、沸点−42.1℃)、ブタン(C4H
10、R600、沸点−0.5℃)、イソブタン(C
4H10、R600a、沸点−11.6℃)、プロピレン
(C3H6、R1270、沸点−47.7℃)、シクロプロ
パン(C3H6、RC270、沸点−33℃)等の炭化水素
(HC)が有力候補の一つである。また、他の代替可能
な冷媒としては、HFCの中のジフルオロメタン(CH 2F
2、R32、沸点−52℃)、1,1−ジフルオロエタ
ン(CHF2-CH3、R152a、沸点−25℃)などの可燃
性を有してGWPの小さなものも考えられる。また、毒
性を有するがGWPが小さいものとして、二酸化炭素
(CO2、R744、沸点−87.9℃)がある。なお、
二酸化炭素については、毒性を有するという言葉を用い
ることが妥当か否かは議論の分かれるところではある
が、二酸化炭素の人体への影響については、引用文献の
高橋 正好、中川 祐一著、「二酸化炭素と呼吸生理」
(火災、47巻、5号、36−40頁(1997))に
詳しく述べられている。ここでは、これらの人体への影
響について、毒性を有すると表現するものとした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プロパン
(R290)、シクロプロパン(RC270)、イソブ
タン(R600a)、ブタン(R600)、プロピレン
(R1270)、ジフルオロメタン(R32)、1,1
−ジフルオロエタン(R152a)は可燃性物質であ
る。引用文献の日本冷凍協会編「冷媒フロンの放出削減
と代替技術」(1994年3月1日発行)第81頁によれば、空
気中のプロパンの燃焼範囲は2.1〜9.6vol%、
イソブタンの燃焼範囲は1.8〜9.7vol%、ブタ
ンの燃焼範囲は1.5〜10.1vol%であり、プロ
ピレンやシクロプロパンの燃焼範囲については記載され
ていないが、プロパンやイソブタンとほぼ同等であるこ
とが知られている。また、ジフルオロメタンの燃焼範囲
は、13.3〜29.3vol%、1,1−ジフルオロ
エタンは、3.7〜21.8vol%と記載されてい
る。
【0006】すなわち、これらの可燃性を有する冷媒
は、万一に冷凍サイクルの外部へ漏洩した場合に引火や
爆発の可能性を生じる。特に、室内側に配置する室内ユ
ニット等から漏れ出る場合には、漏洩した可燃性の冷媒
ガスが閉ざされた空間内に溜ることになり、爆発等の可
能性が大きくなる。
【0007】また、毒性を有する冷媒が、室内側に配置
する室内ユニット等から漏れ出る場合には、漏洩した冷
媒ガスが閉ざされた空間内に溜ることになり、人体に影
響を及ぼす可能性が大きくなる。
【0008】上記の可燃性や毒性を有する冷媒の密度お
よび空気に対する比重を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】表1に示すように、これらの冷媒はいずれ
も比重が1より大きく、空気より重いために、室内ユニ
ット内の配管系において冷媒ガスが漏洩するような損傷
が発生し、室内へ冷媒ガスが漏れる事態が起きると、冷
媒ガスが室内空間の床面付近に滞留する恐れがある。
【0011】なお、このような比重の大きいガスの拡散
を予測する手法として、3次元数値解析があるが、経済
的、技術的に実用化されいるのは、ごく限られた範囲の
みである。このため、拡散方程式で水平方向の濃度分布
に正規分布を仮定したモデルに基づく方法が多く採用さ
れている。そのうち、広く用いられているものとして、
引用文献の坂上次郎著、「坂上式の拡散パラメータと
二、三の計算式について」(高圧ガス、19巻、4号、
6−12頁(1982))に記載されている坂上式があ
る。
【0012】上記述べたような爆発等の可能性の観点か
ら、冷媒封入量が少量である小型の冷凍サイクル装置を
除き、空気より比重の大きい可燃性や毒性を有する冷媒
を用いた冷凍サイクル装置は実用化されていない。
【0013】ところで、従来の可燃性や毒性を有する冷
媒を用いていない冷凍サイクル装置、例えば、天井ビル
トインエアコン等の空気調和機の室内ユニットは、天井
に組み込まれているため、既存の住宅等に設置するに
は、取付工事などの手間やコストなどの施工面におい
て、手軽さに欠けていた。
【0014】また、例えば、壁掛けエアコン等の空気調
和機の室内ユニットは、比較的手軽に施工できるが、平
面への設置が前提となっている室内ユニットの形状か
ら、室の壁面に設置されている。さらに、壁面の中央部
には、窓が取り付けられていたり、家具が置かれていた
りするなどのために室内ユニットを設置する空間がない
場合が多く、約7割の割合で、図6のように、壁面の右
寄りか、あるいは、左よりの袖壁に設置されている。な
お、図6は、床面側から天井側31を見上げたときの室
内の図であって、床面の一部が省略された図であり、4
0は室内ユニットである。
【0015】このため、従来の冷凍サイクル装置の室内
ユニットを室内に設置すると、可燃性や毒性を有する冷
媒を用いた場合には、室内ユニットから冷媒ガスが漏洩
するような損傷が発生し、室内へ冷媒ガスが漏れる事態
が起きると、室内ユニットの設置上の制約から、冷媒ガ
スが、主に室内ユニットが設置された壁面32に対する
側面の壁面33に沿った床面付近に高濃度に滞留する恐
れがあった。この結果、可燃性を有する冷媒を用いた場
合には、室内へ冷媒ガスが漏れる事態が生じ、かつ、室
内に着火源が存在した場合には、冷媒ガスへの引火や爆
発等の可能性が大きくなっていた。また、毒性を有する
冷媒の場合には、室内へ冷媒ガスが漏れる事態が生じた
場合には、人体に対する影響が大きくなっていた。
【0016】本発明は、上記した課題を解決するもので
あり、オゾン破壊係数(ODP)が0であって、地球温
暖化係数(GWP)は小さいが可燃性および/または毒
性を有する冷媒を用いることができる冷凍サイクル装置
の室内ユニットおよびその設置方法を提供することを目
的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、第1の本発明(請求項1に対応)は、少なくと
も左側面部と、右側面部と、前側面部と、上面部と、下
面部とを有する、冷凍サイクル装置の室内ユニットであ
って、前記左側面部またはそれを含む平面は、前記右側
面部またはそれを含む平面と交叉して角部を形成してお
り、前記前側面部は、前記角部の2等分面と実質上垂直
となるような位置に、または前記角部の交叉線を中心と
する実質上円弧面上に、設けられ、吹出口が前記前側面
部または前記下面部の前記前側面部寄りに設けられ、使
用する冷媒が空気より比重の大きい可燃性および/また
は毒性を有するものであることを特徴とする冷凍サイク
ル装置の室内ユニットである。
【0018】上述した第1の本発明の冷凍サイクル装置
の室内ユニットにおいて、「前記角部の交叉線を中心と
する実質上円弧面上に、」と記述した部分の「円弧面」
とは、前記交叉線上の任意の一点を中心とし、その点を
含み前記上面部に対して実質上平行となる平面上の円弧
を含む面であって、前記上面部に対して実質上垂直な面
を意味する。
【0019】また、第2の本発明(請求項2に対応)
は、第1の本発明の冷凍サイクル装置の室内ユニット
を、空気調和の制御対象空間となる室の内部に設置する
さい、前記室内ユニットの上面部を前記室の天井面と対
向させ、前記室内ユニットの左側面部を前記室の第1の
側壁面と対向させ、前記室内ユニットの右側面部を前記
室の前記天井面および前記第1の側壁面と接する第2の
側壁面と対向させることを特徴とする室内ユニットの設
置方法である。
【0020】さらに、第3の本発明(請求項3に対応)
は、第2の本発明の室内ユニットの設置方法において、
前記室内ユニットを、前記天井面、前記第1の側壁面お
よび前記第2の側壁面の全部または一部に実質上接触さ
せて固定することを特徴とする室内ユニットの設置方法
である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0022】本発明の実施の形態の、室内ユニットを含
む冷凍サイクル装置の構成をその動作とともに説明す
る。
【0023】図1に、上述の冷凍サイクル装置の概略構
成図を示す。図1において、冷凍サイクル装置100
は、大別すると、空気調和の制御対象空間となる室の内
部に配置される室内ユニット10と、前記室の外部に配
置される室外ユニット20から構成される。冷凍サイク
ル装置100に使用する冷媒としては、プロパン、ブタ
ン、イソブタン、プロピレン、シクロプロパンなどの炭
化水素(HC)や、HFCの中のR32、R152a
や、二酸化炭素などを主成分とする、空気に対する比重
が大きく、空気より重い、可燃性や毒性を有し、GWP
の小さなものを使用する。
【0024】室内ユニット10は、冷房運転時に蒸発器
(吸熱器)となり、暖房運転時に凝縮器(放熱器)とな
る室内熱交換器11を備えている。室外ユニット20
は、冷媒を圧縮する圧縮機21と、冷房運転時と暖房運
転時とにおいて冷媒が流れる回路を切り換える回路切換
手段である四方弁22と、冷房運転時に凝縮器(放熱
器)となり、暖房運転時に蒸発器(吸熱器)となる室外
熱交換器23と、冷媒を減圧する減圧器である膨張弁2
4と、圧縮機21への流入冷媒量の調整を行うアキュー
ムレータ25とを備えている。
【0025】上記した構成の冷凍サイクル装置100で
は、冷房運転時には、実線で示すように、圧縮機21か
ら吐出する高温・高圧の冷媒ガスが四方弁22を経て凝
縮器(放熱器)となる室外熱交換器23に流入し、凝縮
(放熱)により液相となる。この液相となった冷媒は、
膨張弁24を通って蒸発器(吸熱器)となる室内熱交換
器11に流入し、蒸発(吸熱)により気相となる。この
気相となった冷媒ガスは、四方弁22およびアキューム
レータ25を経て再び圧縮機21へ流入する。
【0026】他方、暖房運転時には、波線で示すよう
に、四方弁22によって冷媒の流路が切り換わり、室内
熱交換器11が凝縮器(放熱器)となり、室外熱交換器
23が蒸発器(吸熱器)となる。
【0027】さて、室内ユニット10は、図2に示すよ
うに、右側面部15と、左側面部16と、前側面部17
と、上面部18と、下面部19とを有し、扇板状の形状
を有するケーシング12を備えており、吹出口14が下
面部19の前側面部17寄りに設けられたものである。
そして、室内の天井面31と上面部18とが接し、かつ
天井面31に接する壁面32と右側面部15とが接し、
さらに天井面31および壁面32に接する壁面33と左
側面部16とが接するように、ケージング12を、天井
面31、壁面32および壁面33からなる室内の隅部に
固定設置する。なお、図2における符号「12」は、ケ
ージング全体を指し示している。また、ケーシング12
の内部には、室内熱交換器11とファン(図示せず)が
設置されており、吸入口13から吸い込んだ室内空気を
熱交換器11で熱交換し、吹出口14から室内へ吹き出
すように流路が形成されている。
【0028】つまり、室内ユニット10は、図3に示す
ように、室内の天井面31、壁面32および壁面33か
らなる室内の隅部に固定設置され、室内熱交換器11で
熱交換された吹出口14からの空気が、室内の上述した
隅部に対して対角となる方向に吹き出すように設置され
ている。なお、図3は、床面側から天井面31側を見上
げたときの室内の図であって、床面の一部が省略された
図である。
【0029】このような設置が可能となる形状のケージ
ング12を有する室内ユニット10は、従来例として示
した図6の従来の室内ユニット40の設置方法に比較し
て、施工面においては、天井ビルトインエアコン等のよ
うに施工面での手軽さを損なうことなく、従来の壁掛け
エアコンと同様な施工性を保ちつつ、室の高さを実質上
最大限利用して設置できる。したがって、冷凍サイクル
装置の停止状態において、室内ユニット10内の配管系
において冷媒ガスが漏洩するような損傷が発生し、室内
へ冷媒ガスが漏れる事態が起こっても、比重が1より大
きく空気より重い冷媒ガスが室内空間の床面付近へ滞留
するまで間に生じる対流による拡散効果によって、床面
付近に冷媒ガスが高濃度に滞留するのを防ぐことができ
る。この結果、可燃性を有する冷媒の場合には、室内へ
冷媒ガスが漏れる事態が生じ、かつ、室内に着火源が存
在しても冷媒ガスへの引火や爆発等の可能性を低めるこ
とができる。また、毒性を有する冷媒の場合には、室内
へ冷媒ガスが漏れる事態が生じても、人体に対する影響
を低減できる。
【0030】さらに、このように設置された室内ユニッ
ト10は、空気を室内の対角線の方向に吹き出すような
方向に設置されているため、冷凍サイクル装置の運転状
態においても、室内ユニット内の配管系において冷媒ガ
スが漏洩するような損傷が発生し、室内へ冷媒ガスが漏
れる事態が起こっても冷媒ガスは、吹出口14から空気
とともに、室内空間の中央部の床面付近へ吹き出される
ため、床面付近に滞留するまでの間に生じる拡散効果に
よって、床面付近に冷媒ガスが高濃度に滞留するのを防
ぐことができる。この結果、可燃性を有する冷媒の場合
には、室内へ冷媒ガスが漏れる事態が生じ、かつ、室内
に着火源が存在しても冷媒ガスへの引火や爆発等の可能
性を低めることができる。また、毒性を有する冷媒の場
合には、室内へ冷媒ガスが漏れる事態が生じても、人体
に対する影響を低減できる。
【0031】なお、上述した床面付近に冷媒ガスが高濃
度に滞留するのを防ぐことは後に図4を用いてあらため
て説明する。
【0032】また、吹き出し方向は室の対角線の方向で
あるとしたが、これは、主とする吹き出し方向が、室の
対角線方向であればよく、吹出口14付近に備えられた
サイドフラップやルーバーにより、吹き出し方向が、上
下左右のある程度の範囲に、一時的あるいは、連続的に
変更できる場合には、さらに拡散効果を得られるために
好ましい。
【0033】上述した冷媒の室内への拡散について、従
来例と比較して図4を用いて説明する。図4(a)は、
従来例として示した図6の従来の室内ユニット40に、
比重の大きい可燃性や毒性を有する冷媒を用い、室内ユ
ニット内で損傷が発生し、室内へ冷媒ガスが漏れた場合
の、床面付近の冷媒ガスの濃度分布の概略図である。ま
た、図4(b)は、室内ユニット10に、比重の大きい
可燃性や毒性を有する冷媒を用い、室内ユニット内で損
傷が発生し、室内へ冷媒ガスが漏れた場合の、床面付近
の冷媒ガスの濃度分布の概略図である。
【0034】図4(a)の従来例では、室内ユニット4
0から吹き出した空気は、設置上の制約から、主に室内
の壁面33に沿うような方向(図中に示した一点鎖線A
の方向)に吹き出さざるをえないため、壁面33から離
れた部分では、床面付近に滞留する冷媒ガスは低濃度で
ある反面、室内の壁面33の床面付近に高濃度に滞留し
ている部分が存在する。
【0035】図4(b)の本実施の形態の場合には、従
来例と比較して、室の高さを実質上最大限利用し、か
つ、主に、対角線の方向(図中に示した二点鎖線Bの方
向)すなわち、室の中央部に空気を吹き出すように室内
ユニット10が設置されているため、室内ユニット10
からの距離に応じて室内全体に冷媒ガスが分布してお
り、高濃度に滞留している部分は存在しない。
【0036】また、一例として、可燃性の冷媒としてプ
ロパンを使用するものとし、拡散を予測する手法として
広く用いられている坂上式により予測した、図4中の一
点鎖線A上での濃度分布を図5(a)に、図4中の二点
鎖線B上での濃度分布を図5(b)に示す。計算条件と
しては、本実施の形態では、従来例に比較して、設置高
さの違いを表すために、漏洩高さを従来例に対して約
1.3倍としたこと、設置位置の違いを表すために吹き
出し方向を変更したこと以外の条件は、同一とした。
【0037】「従来の技術」で説明したように、空気中
のプロパンの燃焼範囲は、2.1〜9.6vol%であ
るため、図5において、2.1vol%以上の濃度とな
る高濃度に滞留している部分を生じている従来例では、
室内に着火源が存在した場合には、引火や爆発等の可能
性が生じる。それに対し、本実施の形態の場合には、
2.1vol%以上の濃度となる高濃度に滞留している
部分を生じていないために、室内に着火源が存在する場
合にも、引火や爆発等の可能性を低減できる。
【0038】以上述べたように、本実施の形態では、室
内ユニットが室内の高い位置に設置でき、かつ、空気を
室内の中央部方向に吹き出すように設置できる形状を有
し、その室内ユニットを室内の高い位置に、かつ、空気
を室内の中央部方向に吹き出すように設置するため、室
内へ可燃性を有する冷媒ガスが漏れる事態が起こっても
床面付近に冷媒ガスが高濃度に滞留するのを防ぐことが
できる。そのため、室内に着火源が存在しても冷媒ガス
への引火や爆発等の可能性を低めることができる。また
同様に、室内へ毒性を有する冷媒ガスが漏れる事態が起
こっても床面付近に冷媒ガスが高濃度に滞留するのを防
ぐことができ、人体への影響を低減できる。したがっ
て、冷媒として、オゾン破壊係数(ODP)=0、地球
温暖化係数(GWP)≒0の炭化水素(HC)や、HF
Cの中のR32、R152aなどの可燃性を有してGW
Pの小さい冷媒や、GWP=1の二酸化炭素を使用する
ことが可能となり、地球環境に優しく、かつ機器として
の安全性が高くなる。
【0039】なお、上述した実施の形態では、室内ユニ
ット10は、扇板状の形状を有するケーシング12を備
えているとしたが、室内ユニット10は、三角板状や、
野球のホームベース型の五角形板状などの多角形板状の
形状を有するケーシングを備えているとしてもよい。つ
まり、前側面部17は湾曲していても、実質上平面であ
ってもよいということである。
【0040】また、上述した実施の形態では、室内ユニ
ット10の吹出口14は、下面部19の前側面部17寄
りに設けられているとしたが、吹出口14は、前側面部
17に設けられていてもよい。
【0041】さらに、上述した実施の形態では、室内ユ
ニット10は、上面部18と天井面31とが接し、右側
面部15と壁面32とが接し、左側面部16と壁面33
とが接するように、室内の隅部に固定設置されるとした
が、室内ユニット10は、天井面31、壁面32および
壁面33のうちの一部とのみ実質上接するように固定設
置されてもよい。要するに、室内ユニット10の上面部
18と天井面31とが対向し、右側面部15と壁面32
とが対向し、左側面部16と壁面33とが対向するよう
に、室内ユニット10を室内の隅部に固定設置しさえす
ればよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、オゾン破壊係数(ODP)が0であって、地球温暖
化係数(GWP)は小さいが可燃性および/または毒性
を有する冷媒を用いることができる冷凍サイクル装置の
室内ユニットおよびその設置方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における室内ユニットを含
む冷凍サイクル装置の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置
の室内ユニットの概念図
【図3】本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置
の室内ユニットの設置方法の概念図
【図4】従来例と本発明の実施の形態における漏洩冷媒
拡散分布図
【図5】従来例と本発明の実施の形態における漏洩冷媒
濃度図
【図6】従来の冷凍サイクル装置の室内ユニットの設置
方法の概念図
【符号の説明】
10 室内ユニット 11 室内熱交換器 12 ケーシング 13 吸込口 14 吹出口 15 右側面部 16 左側面部 17 前側面部 18 上面部 19 下面部 20 室外ユニット 21 圧縮機 22 四方弁 23 室外熱交換器 24 膨張弁 25 アキュームレータ 31 天井面 32 壁面 33 壁面 40 従来の室内ユニット 100 冷凍サイクル装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 光晴 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉田 雄二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも左側面部と、右側面部と、前
    側面部と、上面部と、下面部とを有する、冷凍サイクル
    装置の室内ユニットであって、 前記左側面部またはそれを含む平面は、前記右側面部ま
    たはそれを含む平面と交叉して角部を形成しており、 前記前側面部は、前記角部の2等分面と実質上垂直とな
    るような位置に、または前記角部の交叉線を中心とする
    実質上円弧面上に、設けられ、 吹出口が前記前側面部または前記下面部の前記前側面部
    寄りに設けられ、使用する冷媒が空気より比重の大きい
    可燃性および/または毒性を有するものであることを特
    徴とする冷凍サイクル装置の室内ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷凍サイクル装置の室内
    ユニットを、空気調和の制御対象空間となる室の内部に
    設置するさい、 前記室内ユニットの上面部を前記室の天井面と対向さ
    せ、前記室内ユニットの左側面部を前記室の第1の側壁
    面と対向させ、前記室内ユニットの右側面部を前記室の
    前記天井面および前記第1の側壁面と接する第2の側壁
    面と対向させることを特徴とする室内ユニットの設置方
    法。
  3. 【請求項3】 前記室内ユニットを、前記天井面、前記
    第1の側壁面および前記第2の側壁面の全部または一部
    に実質上接触させて固定することを特徴とする請求項2
    記載の室内ユニットの設置方法。
JP11035029A 1999-02-12 1999-02-12 冷凍サイクル装置の室内ユニットおよびその設置方法 Pending JP2000234797A (ja)

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