JP2000234087A - 蛍光体、蛍光体の表面処理方法及び蛍光体層の形成方法 - Google Patents

蛍光体、蛍光体の表面処理方法及び蛍光体層の形成方法

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JP2000234087A
JP2000234087A JP11037453A JP3745399A JP2000234087A JP 2000234087 A JP2000234087 A JP 2000234087A JP 11037453 A JP11037453 A JP 11037453A JP 3745399 A JP3745399 A JP 3745399A JP 2000234087 A JP2000234087 A JP 2000234087A
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phosphor
phosphors
activator
surface treatment
substrate
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JP11037453A
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English (en)
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Hisashirou Saruta
尚志郎 猿田
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Canon Inc
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実に結着させることを可能とした蛍光体、
その表面処理方法及び蛍光体層の形成方法を提供する。 【解決手段】 多数個を結着させて蛍光体層を構成する
ための蛍光体11であって、表面が酸性ピロリン酸ナト
リウム12の被膜で覆われている蛍光体11を、基板上
にスクリーン印刷して熱処理を施す。熱処理によって酸
性ピロリン酸ナトリウム12が蛍光体相互の結着を強固
にし、耐圧性能の良好な蛍光体層を形成することが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線励起発光を
利用した画像表示装置用の蛍光体及びその表面処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年情報の多様化、高密度化に伴い、画
像表示装置には大画面化、平面化と装置の薄型化、消費
電力の更なる低減化が求められてきており、これら要求
を具現させるための方式として薄膜トランジスタ駆動の
液晶表示装置(TFT−LCD)、AC型プラズマディ
スプレイ装置(PDP)、プラズマアドレス液晶装置
(PALC)、電界放出ディスプレイ装置(FED)等
が注目を集めている。
【0003】中でも特に5kV以上の加速電圧にて駆動
させる高電圧型のFEDは、将来的に上記要求を満たす
画像表示装置になりうる可能性が高く、また従来陰極線
管(CRT)にて使用されてきたP22蛍光体を用いる
ことができるため、高効率で色再現域の広いフルカラー
表示が可能となり、その実現には一層高い期待が寄せら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでFEDでは、
電子の放出源が形成されている背面基板と蛍光体層が形
成されているアノード基板との間隔を、数mmといった
非常に小さい距離に保つことが必要であるが、特に高電
圧型FEDの場合、この距離に5kV以上の電圧を印可
するため放電が発生してしまうことが有る。
【0005】この際、蛍光体層の結着力が十分でない
と、衝撃により蛍光体層が破壊され、蛍光体粒子が真空
容器内に飛散し回復不能の状態に陥るといった問題があ
った。
【0006】また、高電圧型のFEDに於いては、蛍光
面上の帯電を防ぎ有効に加速電圧をアノード基板に印加
せしめ、また蛍光体発光を前面に反射させ効率を向上さ
せるといった目的から、該蛍光面上に金属(通常アルミ
ニウム)の薄膜を形成させることが一般的となってい
る。
【0007】また、この金属薄膜を形成する前段階とし
て、蛍光体膜の凹凸面を平坦化させねばならず、通常樹
脂による中間層を設ける処理が施される。この樹脂中間
層は、例えばコロイダルシリカや界面活性剤等を含む水
溶液を塗布し蛍光面を一旦湿潤したのちに溶剤系ラッカ
ーを蛍光面にスプレイさせ次いで乾燥させる方法、或い
は水系アクリルエマルジョンのスピンコートにより形成
し乾燥させる方法等が一般的に用いられているが、蛍光
面の形成されたアノード基板にこれらの処理を施す場
合、蛍光体層の結着が十分になされていないと、蛍光体
の落下或いは流動によるムラが生じ画像品位を著しく低
下させる。
【0008】また上記樹脂中間層は、最終的に加熱分解
除去されるべきものであるが、蛍光体が十分に結着され
ていない場合、この分解時にも溶融した樹脂により蛍光
体粒子が流動、あるいは捲れあがるといった事態が発生
し、画像品位と工程の歩留まりを悪化させる。
【0009】以上記した様な問題を解決するためには、
蛍光体層に十分な結着力を付与することが必要である
が、従来一般的には投射管の蛍光面形成方法として用い
られている方法、例えば特開平6−103893号公報
に開示されているように、水ガラスやコロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナといった無機質ゲルを或いは電
解質水溶液と共に該蛍光面上に作用させ、次いでこれを
乾燥させるといった方法が用いられてきた。
【0010】しかし、FEDの蛍光面の形成方法は、投
射管の様な単色蛍光膜に用いられる水系の沈降法では無
く、コストや品位の確保といった点から、赤、緑、青の
各色蛍光体パターンをスクリーン印刷によって形成させ
る方法が一般的であり、よって上記結着プロセスをFE
Dの蛍光面に適用させるためには、まず印刷バインダー
を加熱分解除去せしめ、ついで再度湿潤し、乾燥させる
といった複雑な工程を構成せねばならなかった。
【0011】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたものであり、蛍光体層を形成する際の工程を
削減し、確実に結着させることを可能とした蛍光体、そ
の表面処理方法及び蛍光体層の形成方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の蛍光体は、多数
個を結着させて蛍光体層を構成するための蛍光体であっ
て、表面が酸性ピロリン酸ナトリウムの被膜で覆われて
いる。
【0013】本発明の蛍光体の一態様例においては、前
記酸性ピロリン酸ナトリウムの前記蛍光体に対する濃度
が、0.0001wt%以上0.1wt%未満とされて
いる。
【0014】本発明の蛍光体の一態様例においては、R
2 3 又はR2 2 S(Rはイットリウム 、ガドリウ
ム、又はランタン)を母体とし、付活剤としてセリウ
ム、ユーロピウム、テルビウム、サマリウムのうちから
選ばれた少なくとも1種を含む。
【0015】本発明の蛍光体の一態様例においては、硫
化亜鉛を母体とし、付活剤として金、銀、銅及びマンガ
ンのうちから選ばれた少なくとも1種を含み、共付活剤
として塩素、臭素、アルミニウムうちから選ばれた少な
くとも1種を含む。
【0016】本発明の蛍光体の表面処理方法は、多数個
を結着させて蛍光体層を構成する蛍光体の各々に表面処
理を施す方法であって、前記蛍光体を沸点170℃以上
190℃未満の有機溶媒中に懸濁し、りん酸二水素ナト
リウム水溶液を前記有機溶媒へ滴下し、前記蛍光体を前
記りん酸二水素ナトリウム水溶液とともに還流させる。
【0017】本発明の蛍光体の表面処理方法の一態様例
においては、前記蛍光体は、R2 3 又はR2 2
(Rはイットリウム、ガドリウム、又はランタン)を母
体とし、付活剤としてセリウム、ユーロピウム、テルビ
ウム、サマリウムのうちから選ばれた少なくとも1種を
含む。
【0018】本発明の蛍光体の表面処理方法の一態様例
においては、前記蛍光体は、硫化亜鉛を母体とし、付活
剤として金、銀、銅及びマンガンのうちから選ばれた少
なくとも1種を含み、共付活剤として塩素、臭素、アル
ミニウムうちから選ばれた少なくとも1種を含む。
【0019】本発明の蛍光体層の形成方法は、上記蛍光
体を印刷バインダー溶液と混合して印刷ペーストを形成
するステップと、前記印刷ペーストを基板上にスクリー
ン印刷するステップと、熱処理を施して前記バインダー
溶液を除去するとともに前記蛍光体相互を結着させるス
テップとを有する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。先ず、本発明に係る方法により金
属膜を形成した蛍光面を有する電界放出ディスプレイ装
置(FED)の表示パネルの全体構成について説明す
る。
【0021】図6は、表示パネルを示す斜視図であり、
内部構造を示すためにパネルの1部を切り欠いて示して
いる。図中、1005はリアプレート、1006は側
壁、1007はフェースプレートであり、1005〜1
007により表示パネルの内部を真空に維持するための
気密容器を形成している。気密容器を組み立てるにあた
っては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保持さ
せるため封着する必要があるが、たとえばフリットガラ
スを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で、
摂氏400〜500度で10分以上焼成することにより
封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する方法に
ついては後述する。
【0022】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には表面伝導型電子放出
素子1002がN×M個形成されている。(N,Mは2
以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて
適宜設定される。たとえば、高品位テレビジョンの表示
を目的とした表示装置においては、N=3000,M=
1000以上の数を設定することが望ましい。本実施例
においては、N=3072,M=1024とした。)前
記N×M個の表面伝導型電子放出素子は、M本の行方向
配線1003とN本の列方向配線1004により単純マ
トリクス配線されている。ここで、基板1001、表面
伝導型電子放出素子1002、行方向配線1003、列
方向配線1004によって構成される部分を電子源基板
と呼ぶ。
【0023】また、フェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。そして、蛍光膜
1008のリアプレート側の面には、CRTの分野では
公知のメタルバック1009を設けてある。メタルバッ
ク1009を設けた目的は、蛍光膜1008が発する光
の一部を鏡面反射して光利用率を向上させる事や、負イ
オンの衝突から蛍光膜1008を保護することや、電子
加速電圧を印加するための電極として作用させること
や、蛍光膜1008を励起した電子の導電路として作用
させることなどである。本発明の金属膜形成方法は、こ
のような蛍光膜1008(蛍光体層)上にメタルバック
1009(金属膜)を形成する方法に関するものであ
る。
【0024】また、Dx1〜DxmおよびDy1〜Dynおよび
Hvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気的
に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子であ
る。Dx1〜Dxmは電子源基板の行方向配線1003と、
Dy1〜Dynは電子源基板の列方向配線1004と、Hv
はフェースプレートのメタルバック1009と電気的に
接続している。
【0025】図7は、平面型の表面伝導型電子放出素子
の素子構成を示している。図7に示すのは、平面型の表
面伝導型電子放出素子の構成を説明するための平面図
(図7(a))および断面図(図7(b))である。図
中、1101は基板、1102と1103は素子電極、
1104は導電性薄膜、1105は通電フォーミング処
理により形成した電子放出部、1113は通電活性化処
理により形成した薄膜である。素子電極1102,11
03に所定の電圧を印加しメタルバック1009に高電
圧を印加することにより、電子放出部1105から電子
が放出されてメタルバック1009に到達する。
【0026】次に、図面を参照しながら本実施形態に係
る蛍光面の形成方法を説明する。図1は本実施形態に係
る蛍光面の形成方法を工程順に示すフローチャートであ
る。また、図2は酸性ピロリン酸ナトリウムを付着させ
た蛍光体を示す概略断面図である。
【0027】本実施形態においては、図2に示すよう
に、蛍光体層を構成する各々の蛍光体11には酸性ピロ
リン酸ナトリウム12を付着させている。蛍光体11へ
の酸性ピロリン酸ナトリウム12の付着は、以下に示す
方法により行う。
【0028】先ず、りん酸二水素ナトリウムの高濃度溶
液(例えば、キシダ化学社製:試薬特級)を調製し、次
に表面処理の為されていない蛍光体11(例えば、化成
オプトニクス社製ZnS:Ag,Al)を水中に、必要
であれば湿潤剤などと共に分散させ蛍光体11の表面を
十分に湿潤させる。
【0029】なお、蛍光体11としては、R2 3 又は
2 2 S(Rはイットリウム、ガドリウム、又はラン
タン)を母体とし、付活剤としてセリウム、ユーロピウ
ム、テルビウム、サマリウムのうちから選ばれた少なく
とも1種を含むものが好適である。
【0030】また、蛍光体11としては、硫化亜鉛を母
体とし、付活剤として金、銀、銅及びマンガンのうちか
ら選ばれた少なくとも1種を含み、共付活剤として塩
素、臭素、アルミニウムうちから選ばれた少なくとも1
種を含むものであってもよい。
【0031】これをブフナー漏斗等により濾過し、続い
てこの濾過ケークを、沸点が170℃以上190℃未満
にある有機溶媒の乳化剤溶液中に懸濁させ、更に上記り
ん酸二水素ナトリウム水溶液を付着量に応じて必要量滴
下し、ディスパーザー等を用いて十分に乳化させ攪拌し
たまま還流させる。
【0032】この際、以下の式(1)に示す加水分解反
応が起こり、蛍光体表面に難溶性の酸性ピロリン酸ナト
リウム12(Na2 2 2 7 )が生成、付着する。
【0033】 2NaH2 PO4 →Na2 2 2 7 +H2 O …(1)
【0034】なお、この場合の溶媒としては、水に不溶
か、又は溶解度が十分低く、かつ沸点が170℃以上1
90℃未満にあることが好ましい。溶媒の沸点が170
℃以下の場合は、還流時にりん酸二水素ナトリウムの加
水分解反応が十分に進行せず、また190℃以上の場合
は蛍光体表面に付着した酸性ピロリン酸の加水分解反
応、即ち結着性として期待される縮重合が促進され、少
なからず結着作用を損なってしまう。
【0035】この温度範囲に沸点を有する炭化水素系の
溶媒としては例えばN−デカン、1−デセン、n−ブチ
ルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチ
ルベンゼン、p−シメン、ジエチルベンゼン、ジペンテ
ン等があげられるが、沸点が上記温度範囲にあり、水に
不溶かまたは溶解度の十分低いものであるならば必ずし
もこれらの溶媒である必要は無い。また、乳化剤はw/
oエマルジョンを好適に形成させる目的で添加されるも
のであるが、HLB値が3.5〜6.0の範囲にあるも
のが望ましいとされている。
【0036】続いて、還流の終了した懸濁系は冷却しつ
つ静置され、溶媒成分を沈降除去したのち、上記有機溶
媒にて複数回洗浄を行うことにより乳化剤を除去、次い
で濾過、乾燥し、最後に#400のステンレスメッシュ
にて篩別することにより上記酸性ピロリン酸ナトリウム
12の付着した蛍光体11を得ることができる。
【0037】このようにして得られた蛍光体11を蛍光
体層として用いるには、蛍光体11と印刷バインダー溶
液とを共に混練、脱泡し、印刷ペーストとした上で、例
えばガラス基板上にスクリーン印刷し、次いで印刷バイ
ンダーを通常450℃以下の温度にて加熱分解して除去
させるが、この加熱分解して除去する際に、該酸性ピロ
リン酸ナトリウム12は脱水縮重合し、マドレル塩とい
われる長鎖構造のポリリン酸ナトリウムや環状三量体ト
リメタリン酸ナトリウムを形成し、この形成により蛍光
体11粒子間あるいは蛍光体11とガラス基板との界面
において十分な結着作用を発現させることが可能とな
る。なお、熱重合あるいは光重合によりポリマー化する
モノマーであれば、酸性ピロリン酸ナトリウム12以外
のモノマーを蛍光体11に付着させても同様の効果を得
ることができる。
【0038】図5は、本実施形態による蛍光体11を用
いた場合の蛍光体アノード基板の形成プロセスと比較す
るため、従来の蛍光体形成プロセスを示したものであ
る。
【0039】本実施形態による方法では、印刷バインダ
ー成分を加熱分解して除去した後、再度蛍光面を無機質
ゲル溶液にて湿潤、乾燥させるプロセス、すなわち、図
5における工程gとhを省略することができ、これによ
り工程の簡略化がされ、蛍光面基板の歩留り、生産性を
向上させることが可能となる。
【0040】なお、印刷バインダーを加熱分解して除去
する工程が628℃以上の温度でなされる場合、一般的
にグラハム塩と称される潮解性のガラス状重合物を与え
好ましくないが、上述したように蛍光体11に与える熱
的ダメージの問題から樹脂の加熱分解除去は450℃以
下で行われることが一般的となっており特に注意を要さ
ない。
【0041】また吸着させる酸性ピロリン酸ナトリウム
12の量が0.0001wt%未満である場合、高電圧
型FEDとして十分な結着作用が得られず、一方0.1
wt%以上では結着力はほぼ飽和し無用な非発光物を蛍
光面上に残すことにより発光効率を低下させるため好ま
しくない。従って、酸性ピロリン酸ナトリウム12の付
着量は蛍光体に対し0.0001wt%以上0.1wt
%未満の範囲とするのが好ましい。
【0042】以上説明したように、本実施形態による方
法で製造された蛍光体11を用いることにより、十分な
耐圧を有するFED用の蛍光体アノード基板を、簡略化
された工程にて品位良く生産することが可能となる。以
下、実施例に基づき上述した実施形態を更に詳細に説明
する。
【0043】
【実施例】先ず、表面処理の為されていないZnS:A
g,Cl蛍光体1000gを秤量し、純水2000g中
に分散させこれをラボスターラーにて十分攪拌したのち
に濾過した。ついでこの濾過ケーク110gを、N−デ
カン500gに乳化剤としてソルビタンモノステアレー
ト(花王社製Span−60)1gとポリオキシエチレ
ンソルビタンモノオレアート(花王社製Tween−8
0)1.5gを溶解させた系に懸濁させディスパーサー
により十分に乳化させた。
【0044】一方、メスフラスコを用い、りん酸二水素
ナトリウムの1.67×10-2M水溶液を調製した。こ
の水溶液を上記懸濁系に表1に示す重量を夫々滴下し、
更に十分に乳化させた。表1に示すように、滴下したり
ん酸二水素ナトリウムの重量に対応して実施例1〜4と
参考例1〜5のそれぞれとした。
【0045】次いで、この懸濁系を十分に攪拌させなが
ら6h(時間)還流させた後、静置、冷却し、上澄み成
分を除去した後、500mlのN,Nジメチルアニリン
にて10回攪拌、静置、上澄み除去を繰り返し、その後
濾過し、ケークを140℃で8H乾燥させ、#400メ
ッシュにて篩別し、表1に示す付着量を有する酸性ピロ
リン酸ナトリウムが付着した蛍光体を得ることができ
た。
【0046】
【表1】
【0047】表1の実施例1〜4と参考例1〜5におけ
る蛍光膜作成例と耐圧評価について説明する。
【0048】ジヒドロターピネオール(日本香料薬品社
製:商品名メンタノール)15gにブチルカルビトール
アセテート(関東化学工業社製:試薬特級)1.1g、
エチルセルロース1.5g(ハーキュラス社製:商品名
エトセルN200)を溶解させ、この印刷バインダー混
合物に、表1に示した上記実施例1〜4及び参考例1〜
5のそれぞれにおける蛍光体を50gを混合し、十分に
混練させた後、更に適当量のジヒドロターピネオールを
加えることにより、粘度が75,000cpsの各蛍光
体ペーストを得た。
【0049】一方、厚さ2.8mmのITO付き青板ガ
ラスを中性洗剤で十分に洗浄後、純水で24時間リンス
し、更にイソプロピルアルコール(IPA)リンス、I
PA+アセトン超音波洗浄にて洗浄、乾燥後、上記各ペ
ーストを用いステンレス325メッシュ、スキージー角
度25°、10cm/sのスキージー速度でこのガラス
基板上にスクリーン印刷した。
【0050】次いで、この基板を450℃にて3h焼成
することにより、耐圧試験用の蛍光体アノード基板を得
た。次に該蛍光体アノード基板を、図3に示す装置に、
対向側となるITO付き基板と2mmの間隔になるよう
平行に設置し、系を10-6torrになるまで減圧し、
アノード側に1〜14kVの直流高電圧を印加した。こ
の系で蛍光面が放電破壊する電圧を測定した。ここで、
1は直流高電圧電源、2は蛍光体アノード基板、2aは
蛍光体アノード基板のITO、2bは蛍光体アノード基
板の蛍光面、3は対向側基板、3aは対向側基板のIT
Oを示している。この電圧の測定結果を図4に示す。
【0051】図4に示すように、実施例1〜4では高電
圧FEDの印加電圧とされている5kV以上の電圧で放
電破壊を起しているのに対し、参考例1〜3では5kV
未満の電圧で蛍光面が破壊されているおり本実施形態の
蛍光体による効果が明確である。また参考例4,5では
実施例4と同等の電圧で蛍光体が破壊しており、結着力
に寄与しない不必要な発光成分が蛍光面内に含まれてい
ることがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、耐圧性能の良好な蛍光
体層を形成することを可能とした蛍光体を提供提供する
ことができ、簡略な工程にて蛍光体層を形成することが
可能となる。従って、特に大画面のFED方式の壁掛け
テレビの実用化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る蛍光体を用いて蛍光
体アノード基板を製造する際の工程を示すフローチャー
トである。
【図2】本発明の一実施形態に係る酸性ピロリン酸ナト
リウムが付着した蛍光体を示す概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態で用いた耐圧評価装置を示
す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態の各実施例、参考例におけ
る、酸性ピロリン酸ナトリウムの付着量に対する蛍光体
放電破壊電圧の関係を示す特性図である。
【図5】従来の蛍光体を用いて蛍光体アノード基板を製
造する際の工程を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係るディスプレイパネル
の全体構成を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る電子放出素子の構成
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 直流高電圧電源 2 蛍光体アノード基板 2a,3a ITO 2b 蛍光面 3 対向側基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 9/22 H01J 9/22 S 29/20 29/20 31/12 31/12 C Fターム(参考) 4H001 CC12 XA08 XA16 XA30 XA39 XA57 XA64 YA13 YA17 YA25 YA29 YA35 YA47 YA58 YA62 YA63 YA65 YA79 5C028 FF06 FF16 5C036 EE01 EF01 EF06 EF08 EF14 EG02 EG36 EH12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数個を結着させて蛍光体層を構成する
    ための蛍光体であって、 表面が酸性ピロリン酸ナトリウムの被膜で覆われている
    ことを特徴とする蛍光体。
  2. 【請求項2】 前記酸性ピロリン酸ナトリウムの前記蛍
    光体に対する濃度が、0.0001wt%以上0.1w
    t%未満とされていることを特徴とする請求項1に記載
    の蛍光体。
  3. 【請求項3】 R2 3 又はR2 2 S(Rはイットリ
    ウム 、ガドリウム、又はランタン)を母体とし、付活
    剤としてセリウム、ユーロピウム、テルビウム、サマリ
    ウムのうちから選ばれた少なくとも1種を含むことを特
    徴とする請求項1又は2に記載の蛍光体。
  4. 【請求項4】 硫化亜鉛を母体とし、付活剤として金、
    銀、銅及びマンガンのうちから選ばれた少なくとも1種
    を含み、共付活剤として塩素、臭素、アルミニウムうち
    から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請
    求項1又は2に記載の蛍光体。
  5. 【請求項5】 多数個を結着させて蛍光体層を構成する
    蛍光体の各々に表面処理を施す方法であって、 前記蛍光体を沸点170℃以上190℃未満の有機溶媒
    中に懸濁し、 りん酸二水素ナトリウム水溶液を前記有機溶媒へ滴下
    し、 前記蛍光体を前記りん酸二水素ナトリウム水溶液ととも
    に還流させることを特徴とする蛍光体の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記蛍光体は、R2 3 又はR2 2
    (Rはイットリウム、ガドリウム、又はランタン)を母
    体とし、付活剤としてセリウム、ユーロピウム、テルビ
    ウム、サマリウムのうちから選ばれた少なくとも1種を
    含むことを特徴とする請求項5に記載の蛍光体の表面処
    理方法。
  7. 【請求項7】 前記蛍光体は、硫化亜鉛を母体とし、付
    活剤として金、銀、銅及びマンガンのうちから選ばれた
    少なくとも1種を含み、共付活剤として塩素、臭素、ア
    ルミニウムうちから選ばれた少なくとも1種を含むこと
    を特徴とする請求項5に記載の蛍光体の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍
    光体を印刷バインダー溶液と混合して印刷ペーストを形
    成するステップと、 前記印刷ペーストを基板上にスクリーン印刷するステッ
    プと、 熱処理を施して前記バインダー溶液を除去するとともに
    前記蛍光体相互を結着させるステップとを有することを
    特徴とする蛍光体層の形成方法。
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