JP2000233503A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2000233503A
JP2000233503A JP3655799A JP3655799A JP2000233503A JP 2000233503 A JP2000233503 A JP 2000233503A JP 3655799 A JP3655799 A JP 3655799A JP 3655799 A JP3655799 A JP 3655799A JP 2000233503 A JP2000233503 A JP 2000233503A
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grains
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Hideyuki Suzuki
秀行 鈴木
Tomonori Osumi
知範 大住
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Keyence Corp
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Keyence Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印写粒及び空白粒の前又は後に挿入する間引
き粒を、短時間にて過不足なく設定し、種々の印写パタ
ーンを良好な印写品質にて形成する。 【解決手段】 粒種設定部60は、操作部7による印写パ
ターンの指定に基づいて、ドット形成のための印写粒と
空白形成のための空白粒とを設定する。間引き粒設定部
61は、粒種設定部60により粒種設定された印写粒又は空
白粒を対象粒とし、この対象粒の種別と、これの前及び
/又は後の一又は複数の対象粒の種別とに基づいて間引
き粒を設定する。帯電制御部62は、粒種設定部60により
粒種設定された印写粒又は空白粒の直前又は直後に、間
引き粒設定部61により設定された間引き粒を加え、この
順序に応じて帯電電極3の印加電圧を制御し、噴射ノズ
ル1から噴射されるインク粒を各別に帯電させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、噴射ノズルから噴
射されるインク粒を偏向させて送り出し、被印写物に印
写せしめて、文字、図形等の所望の印写パターンを形成
する構成としたコンティニュアス形のインクジェット記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の工業製品に、文字、図形等の種々
の印写パターンを形成するための記録装置として、従来
から、コンティニュアス形のインクジェット記録装置が
広く用いられている。図12は、コンティニュアス形のイ
ンクジェット記録装置に備えられた記録ヘッドの構成を
示す模式図である。本図に示す如く記録ヘッドは、噴射
ノズル1、ガター2、帯電電極3及び偏向電極4を、矩
形箱形をなすハウジング5の内部に備えて構成されてい
る。
【0003】噴射ノズル1には、インクの供給路として
のインクチューブ10が接続され、所定の圧力に加圧され
たインクが供給されており、このインクは、前記噴射ノ
ズル1の一側の端壁に貫通形成された小径の噴射孔11を
経て、図中に矢符により示す如く噴射されるようになし
てある。また噴射ノズル1には、ピエゾ振動子等、高周
波電圧の印加により励振される圧電振動子12が、その振
動片の先端を前記噴射孔11に臨ませて取付けてあり、こ
の圧電振動子12を前述したインクの噴射中に振動させる
と、噴射ノズル1から噴射されるインクは、前記噴射経
路の中途にて相互に分離し、前記振動の周波数に対応す
る所定の間隔毎に並ぶインク粒となって進行する。
【0004】前記ガター2は、以上の如き噴射の方向に
略正対して配され、回収チューブ20に接続されており、
噴射ノズル1から噴射されて直進するインク粒は、前記
ガター2に到達して捕捉され、回収チューブ20を経て回
収される。
【0005】前記帯電電極3及び偏向電極4は、以上の
如きインク粒を偏向させる偏向手段として作用するもの
であり、帯電電極3は、前記インク粒への分離位置に、
また偏向電極4は、前記分離位置の直後に夫々位置決め
され、前記噴射ノズル1から前記ガター2に至るインク
粒の進行経路に沿って並設されている。帯電電極3に
は、前記インク粒への分離が生じるタイミングに合わせ
て帯電電圧が印加され、該帯電電極3の配設位置を通過
するインク粒は、夫々の通過時における帯電電極3の印
加電圧に応じて各別に異なる電荷を有して帯電され、偏
向電極4の配設位置を通過する。偏向電極4には、高圧
の直流電圧が印加されており、該偏向電極4の配設位置
を通過するインク粒は、前記電圧印加により形成された
所定強度の電界の作用により、夫々の電荷に応じて偏向
される。
【0006】このように偏向されたインク粒は、ハウジ
ング5に形成された送出口50を経て送出され、該送出口
50に対向する被印写物Aに印写されて、該被印写物Aの
表面にドットを形成する。このように偏向されるインク
粒(印写粒)の印写位置は、前記帯電電極3の印加電圧
を制御し、各インク粒の電荷を変えて前記電界の作用に
よる偏向量を増減することにより変更される。
【0007】また噴射ノズル1から噴射されるインク粒
の一部は、前記帯電電極3の通過時に帯電させず、前記
電界の作用により偏向させることなく直進させ、前記ガ
ター2に捕捉して回収チューブ20に回収する。これらの
インク粒は、前記被印写物Aの表面に空白を形成するた
めの空白粒とされ、この空白粒と前記印写粒との組み合
わせにより被印写物Aの表面に所望のドットパターンが
形成される。
【0008】図13は、以上の如きドットパターンの形成
の様子を示す説明図である。本図に示す如く8つのイン
ク粒I1 〜I8 を1ユニットとし、これらが帯電電極3
を通過するとき、例えば、3つのインク粒I1 ,I3
6 を、前記ユニット内での並び順に高くなる電荷を有
するように帯電させて印写粒とする一方、残りの5つの
インク粒I2 ,I4 ,I5 ,I7 ,I8 を帯電させずに
空白粒とすると、印写粒とされたインク粒I1 ,I3
6 は、偏向電極4の通過時に夫々の電荷に応じて偏向
される結果、図中に一点鎖線により示す本来の進行経路
から外れ、夫々に対応する矢符により示す偏向後の経路
に沿って進行し、前記送出口50を経て送出されて、該送
出口50に対向する被印写物Aの表面に達し、夫々の到達
位置に印写され、ドットD1 ,D3 ,D6 を形成する。
【0009】一方、空白粒とされたインク粒I2
4 ,I5 ,I7 ,I8 は、電荷を有しないことから、
偏向電極4による電界の作用を受けずに直進して前記ガ
ター2に捕捉される。この結果、被印写物Aの表面に
は、空白粒とされたインク粒I2 ,I4 ,I5 ,I7
8 の対応位置、即ち、これらの夫々が印写粒とされた
インク粒I1 ,I3 ,I6 と同様に帯電せしめられたと
き前記表面に到達する位置に空白B2 ,B4 ,B5 ,B
7 ,B8 が形成され、該表面には、前記偏向の方向に一
列に並ぶドットD1 ,D3 ,D6 と空白B2 ,B4 ,B
5 ,B7 ,B8 とからなるドットパターンが形成され
る。
【0010】このようなドットパターンの形成を、印写
粒と空白粒との組み合わせを変え、前記偏向の方向と略
直交する方向に前記被印写物Aを移動させつつ繰り返し
て行うと、各移動位置での前述したドットパターンの集
合体として、文字、図形等、適宜の印写パターンを形成
することができる。図14には、この種の印写パターンの
一例として、32×24ドットにて作成されたアルファベッ
トの「T」が示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このようにコンティニ
ュアス形のインクジェット記録装置によるパターン形成
は、噴射ノズル1から噴射されるインク粒を、前記印写
粒及び空白粒のいずれかに、その順序を含めて設定する
ことにより行えるが、このとき、ドットの形成に供され
る印写粒には、前記偏向により本来の経路から外れて進
行する間に、この進行方向の前方から空気抵抗力が作用
する。また印写粒は、前記偏向のための電荷を有してお
り、前後の印写粒との間に静電反発力が作用する。従っ
て、前記印写粒の進行速度は、前記空気抵抗力と静電反
発力との作用により変化することが避けられない。
【0012】このような進行速度の変化を引き起こす空
気抵抗力及び静電反発力は、各印写粒に対して一様では
ない。例えば、前記図13において印写粒とされた3つの
インク粒I1 ,I3 ,I6 に作用する空気抵抗力は、図
中に白抜矢符にて示す如く、最前のインク粒I1 におい
て最大、このインク粒I1 の後に接近して進行するイン
ク粒I3 において最小となり、このインク粒I3 の後方
に離隔した位置を進行するインク粒I6 には中間的な空
気抵抗力が作用する。
【0013】また静電反発力は、互いに接近したインク
粒I1 ,I3 間では大きく、互いに離反したインク粒I
3 ,I6 間では小さくなり、前述した空気抵抗力との相
乗作用により、これらのインク粒I1 ,I3 ,I6 は、
相互に異なる速度にて進行することとなる。
【0014】このように進行速度が異なった場合、これ
らのインク粒I1 ,I3 ,I6 が前記偏向電極4の配設
位置を通過する時間が変化するため、夫々に所望の偏向
量が付与されず、偏向後の進行経路にずれが生じて、こ
れらにより被印写物Aの表面に形成されるドットD1
3 ,D6 と、空白B2 ,B4 ,B5 ,B7 ,B8 との
間の間隔が一定でなくなり、形成されるパターンに歪み
が生じ、印写品質の低下を招くという問題がある。
【0015】このような問題を解消するため、噴射ノズ
ル1から噴射されるインク粒のいくつかを、前記印写粒
及び空白粒のいずれでもなく、相互間に間隔を確保する
ための間引き粒として設定し、この間引き粒を、印写粒
及び空白粒の前又は後に挿入して、これらの前後の状態
を均等にし、速度変化の度合いを軽減するようにしたイ
ンクジェット記録装置がある。なお前記間引き粒は、前
記空白粒と同様に、帯電電極3の通過時に帯電されず、
偏向電極4が形成する電界の作用により偏向されること
なく直進してガター2に捕捉される。
【0016】ところがこの構成においては、十分な効果
を得るためには多くの間引き粒を設定する必要がある一
方、このようにした場合、一列のドットパターンの形成
に必要なインク粒の総数が間引き粒の設定個数分だけ増
す結果、これらのドットパターンの集合体として得られ
る印写パターンの形成に多大の時間を要するという難点
がある。
【0017】そこで多くのインクジェット記録装置にお
いては、予め決められた印写パターンの夫々に対し、必
要箇所にのみ適切な数の間引き粒を含めたインク粒の設
定データを作成し、これに対応する帯電電極3の全帯電
データを記憶させておき、形成すべき印写パターンに対
応するデータを必要時に読み出し、これに従って帯電電
極3の印加電圧を制御して、印写パターンの形成に要す
る時間を増すことなく良好な印写品質を確保する構成と
してある。
【0018】ところがこの構成においては、例えば、使
用者独自のロゴ等、帯電データとして記憶させてある印
写パターン以外の特殊な印写パターンの形成に柔軟に対
応することができず、このような場合、所望の印写パタ
ーンに対応する帯電データの作成を製造メーカに別途依
頼する必要があり、このために手間及び時間を要すると
いう問題があった。
【0019】また一部のインクジェット記録装置におい
ては、印写パターンを形成する一列のドットパターンを
参照し、ドットが連続する部分、連続するドットの最前
部,最後部等、予め定めた位置に、予め定めた順序に従
って間引き粒を挿入するようにしている。この構成によ
れば、特殊な印写パターンの形成にも対応することがで
きるが、前記図14に示す如く、一列のドット数が多い場
合に、前述した間引き粒の設定(挿入位置及び数の決
定)に多くの計算時間を要し、例えば、製造日時に対応
して変更されるロゴの形成等、形成すべき印写パターン
の切替えが頻繁に行われる用途においては、前記計算時
間が不足し、対応し得なくなる虞れがあった。
【0020】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、印写粒及び空白粒の前又は後に、相互間に間隔
を確保すべく挿入される間引き粒を、多大の計算時間を
要することなく過不足なく設定することができ、特殊な
ものを含めた種々の印写パターンの形成を、良好な印写
品質を確保しながら、短時間にて行わせることができる
インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
インクジェット記録装置は、噴射ノズルから噴射され所
定の間隔毎に並んで進行するインク粒の進行経路に偏向
手段を備え、前記インク粒を、前記偏向手段により各別
に偏向して送出されて被印写物に印写される印写粒、又
は前記偏向手段により偏向されずに回収されて前記印写
に供されない空白粒とし、前記印写粒の印写位置に形成
されるドットと、前記空白粒の対応位置に形成される空
白との組み合わせにより、前記被印写物にドットパター
ンを形成するインクジェット記録装置において、前記噴
射ノズルから噴射されるインク粒の一部を、形成すべき
ドットパターンに応じて前記印写粒及び空白粒のいずれ
かに、その順序を含めて設定する粒種設定手段と、該粒
種設定手段により設定された前記印写粒又は空白粒を対
象粒とし、該対象粒の直前及び/又は直後に挿入され、
前後の対象粒との間に間隔を確保する間引き粒の数を、
前記対象粒の種別と、該対象粒の前及び/又は後の一又
は複数の対象粒の種別とに基づいて設定する間引き粒設
定手段とを具備することを特徴とする。
【0022】本発明においては、形成すべきドットパタ
ーンが与えられると、粒種設定手段が、ドット形成用の
印写粒と空白形成用の空白粒との組み合わせを、その順
序を含めて設定し、間引き粒設定手段が、前記印写粒又
は空白粒を対象粒とし、夫々の間に挿入すべき間引き粒
を、前記対象粒の種別(印写粒又は空白粒)と、この対
象粒の前及び/又は後の一又は複数個の対象粒の種別、
例えば、前3個及び後1個の対象粒の種別を参照し、予
め定めた規則に従って設定する。なおこの設定は、基本
的には、対象粒が印写粒である場合、空白粒である場合
よりも多くの間引き粒を設定し、この間引き粒の数を前
後の対象粒の種別の組み合わせに応じて増減する手順に
より行われる。
【0023】また第2発明に係るインクジェット記録装
置は、第1発明の間引き粒設定手段が、前記対象粒の偏
向量に応じて前記間引き粒の設定数を変更する構成とし
てあることを特徴とする。
【0024】この発明においては、適宜の対象粒に対し
て間引き粒を設定するとき、この対象粒が印写粒とした
場合の偏向量の大小、即ち、印写粒とされたときの電荷
の大小に応じて間引き粒の設定数を変更して、前後の対
象粒との間の静電反発力の影響を緩和する。
【0025】また第3発明に係るインクジェット記録装
置は、第1又は第2発明の間引き粒設定手段が、連続す
る複数の対象粒に対する間引き粒の総数が所定数に達し
ないとき、前記間引き粒の設定数を増すべく補正する補
正手段を備えることを特徴とする。
【0026】この発明においては、ドットパターンを形
成する各対象粒に対して設定される間引き粒の数をカウ
ントして、連続する複数の対象粒に対する間引き粒の総
数が所定数に達しないとき、この総数を増す補正を行
い、ドットパターンの形成に要するインク粒の数を揃え
て印写品質の向上を図る。
【0027】また第4発明に係るインクジェット記録装
置は、第3発明の補正手段が、前記対象粒が空白粒であ
るとき、それ以前の空白粒の連続履歴に基づいて前記間
引き粒の設定数を増す構成としてあることを特徴とし、
更に第5発明に係るインクジェット記録装置は、第3発
明の補正手段が、前記偏向の方向に並ぶ一列のドットパ
ターンの形成に要した前記印写粒、空白粒及び間引き粒
の総数をカウントし、このカウント数が所定数に達しな
いとき、両者の差分に相当する数の間引き粒を、次列の
ドットパターンの最初の対象粒の前に設定する構成とし
てあることを特徴とする。
【0028】第4発明においては、空白粒が連続すると
き、例えば、この連続が所定数(例えば5個)に達する
都度、予め定めた数(例えば4個)の間引き粒を設定し
て間引き粒の総数を増す補正を行い、空白が多いドット
パターンを構成する総ドット数を他のドットパターンの
総ドット数に揃えて、印写品質の向上を図る。第5発明
においては、一列のドットパターンの形成に用いるイン
ク粒の標準的な数を基準数として定めておき、適宜のド
ットパターンの形成に要した間引き粒の数が、印写粒及
び空白粒を含めて前記基準数に達しないとき、両者の差
分の間引き粒を、次列のドットパターンの最初の対象粒
の前に設定し、この間引き粒を加えた各列のドットパタ
ーンの総ドット数を揃えて、印写品質の向上を図る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係るインク
ジェット記録装置の記録ヘッドの構成を、その制御系の
構成と共に示す模式図である。
【0030】本発明に係る記録ヘッドの構成は、図12に
示す記録ヘッドと同様であり、噴射ノズル1、ガター
2、並びに、偏向手段としての帯電電極3及び偏向電極
4を、矩形箱形をなすハウジング5の内部に備え、イン
クチューブ10を経て噴射ノズル1に供給される加圧イン
クを、該噴射ノズル1の一側の噴射孔11から圧電振動子
12により加振しつつ噴射させ、この加振に応じて相互に
分離したインク粒の一部を、前記帯電電極3及び偏向電
極4の作用により偏向し、ハウジング5に形成された送
出口50から送り出し、残りのインク粒を前記ガター2に
捕捉して、回収チューブ20内に回収する構成となってい
る。
【0031】前述した如く、帯電電極3及び偏向電極4
の作用により偏向されて送出口50から送出されるインク
粒(印写粒)は、この送出口50に対向配置された被印写
物Aに印写せしめられ、該被印写物Aの表面にドットが
形成される。また帯電電極3及び偏向電極4の作用によ
り偏向されないインク粒(空白粒)は、前記送出口50か
ら送出されずにガター2に回収され、このとき前記被印
写物Aの対象位置に空白が形成される。
【0032】このとき前記被印写物Aには、印写粒によ
り形成されるドットと、空白粒の対応位置に形成される
空白との組み合わせにより、前記偏向の方向に一列に並
ぶドットパターンが形成され、このようなドットパター
ンを、被印写物Aを前記偏向の方向と略直交する方向に
移動させつつ、ドットと空白との組み合わせを種々に変
えて形成することにより、前記被印写物Aの表面には、
各移動位置にて得られたドットパターンの集合体として
所望の印写パターンが形成される。
【0033】従って、噴射ノズル1から噴射されるイン
ク粒のいくつかを1ユニットとし、各ユニット内に含ま
れるインク粒を、形成すべきドットパターンに応じて、
前記印写粒及び空白粒のいずれかに、その順序を含めて
設定することにより所望の印写パターンを形成すること
ができる。
【0034】噴射ノズル1から噴射されたインク粒は、
前述の如く、帯電電極3の通過時にその印加電圧に応じ
た電荷を有して帯電せしめられ、偏向電極4の通過時
に、夫々の電荷に対応する偏向量を与えられて偏向され
る。従って、前述の如く印写粒及び空白粒の設定がなさ
れた後、これら各粒がインク粒に分離するタイミングに
合わせて帯電電極3に印加される電圧を制御することに
より、前記設定通りのドットパターンを形成することが
できる。
【0035】本発明に係るインクジェット記録装置の制
御部6は、前述の如く印写粒及び空白粒の設定を行う粒
種設定部60と、該粒種設定部60により粒種の設定がなさ
れた印写粒又は空白粒を対象粒とし、これらの間に適正
な間隔を確保すべく挿入する間引き粒の数を設定する間
引き粒設定部61と、これらの設定に応じて前記帯電電極
3の印加電圧を制御する帯電制御部62とを備えている。
【0036】粒種設定部60には、形成すべき印写パター
ンの指定のために使用者により操作される操作部7が接
続されている。操作部7は、数字、アルファベット等、
予め記憶させてある印写パターンの指定と、使用者独自
のロゴ等、特殊な印写パターンの指定とが可能に構成さ
れている。粒種設定部60は、操作部7での印写パターン
の指定に応じ、この印写パターンを構成する複数列のド
ットパターンの夫々について、一列のドット数に相当す
る数を1ユニットとし、各ユニット内に含まれるインク
粒の粒種を、印写粒及び空白粒のいずれかに、これらの
並び順も含めて設定する動作を行う。
【0037】粒種設定部60による粒種の設定結果は、間
引き粒設定部61と帯電制御部62とに与えられている。間
引き粒設定部61においては、前記粒種設定部60から与え
られる個々のインク粒の種別(印写粒であるか空白粒で
あるか)を参照し、種別が設定されたインク粒(以下こ
れらを対象粒という)の後に挿入する間引き粒の数を、
前記対象粒の種別、及び該対象粒の前後に位置する対象
粒(以下これらを前後粒という)の種別、並びに対象粒
が印写粒とされたときに付与される電荷に基づいて以下
の手順により設定し、この結果を帯電制御部62に出力す
る。
【0038】図2は、設定対象となる対象粒及び前後粒
の種別に基づく間引き粒の設定手順の説明図である。本
図に示す如く間引き粒の設定は、設定対象となる対象粒
の種別と、この対象粒に先行する前3個の対象粒の種別
と、同じく後続する後1個の対象粒の種別とを参照して
行われる。
【0039】本図の横列には、設定対象となる対象粒の
種別を、同じく縦列には、*印により示す対象粒に対す
る前後粒の種別の組み合わせを、印写粒を●印によっ
て、空白粒を○印によって夫々示してある。間引き粒設
定部61は、粒種設定部60からの入力により対象粒の種
別、及び前後粒の種別を夫々認識し、対象粒が印写粒で
ある場合には、●印の下の列上にて、対象粒が空白粒で
ある場合には、○印の下の列上にて、前後粒の組み合わ
せが同一である行との交叉位置を夫々検索し、この位置
に記載された数の間引き粒を設定して出力する。
【0040】間引き粒の設定は、前述した如く、印写粒
とされた個々のインク粒の進行速度が、その進行中に加
わる空気抵抗力、及び静電反発力の作用により変化する
程度を均等化し、これらにより形成されるドットの位置
精度を高めて、印写品質の向上を図るためになされるも
のであり、対象粒が空白粒である場合には、自身のため
には不要である。図2に示す図表では、対象粒が空白粒
である場合には、1〜2個の間引き粒が設定され、対象
粒が印写粒である場合には、1〜4個の間引き粒が設定
されるようにしてある。
【0041】対象粒が印写粒である場合の間引き粒の数
は、当該粒に作用する空気抵抗力及び静電反発力の安定
性に応じて決定されており、例えば、前3粒の全てが空
白粒であり、後1粒が印写粒である場合、即ち、前後粒
が図中の9番目の組み合わせである場合には、空気抵抗
力及び静電反発力が共に大きく、不安定になり易いこと
から4個(最大)の間引き粒が設定され、また前後粒の
全てが空白粒である場合、即ち、図中の1番目の組み合
わせである場合、又は前後粒の全てが印写粒である場
合、即ち、図中の16番目の組み合わせである場合には、
空気抵抗力及び静電反発力が共に安定して作用すること
から、比較的少数(2個)の間引き粒が設定される。一
方対象粒が空白粒である場合の間引き粒の数は、当該粒
ではなく、その前後に位置する印写粒に作用する空気抵
抗力及び静電反発力の安定性に応じて、1又は2に設定
されている。
【0042】なお、図2に示す各数値は、間引き粒の設
定数の一例を示すものであり、本発明の特徴は、対象粒
の種別と前後粒の種別とに基づいて間引き粒の数を決定
するところにあり、この間引き粒の数は、図2中に示す
数に限らず、噴射ノズル1の口径、使用するインクの種
類、インク粒の進行速度等の印写条件に応じて選定する
ことができる。また参照する前後粒の範囲は、前述の如
く、前3粒と後1粒とに限るものではなく、適宜に設定
することができ、更には、前粒のみ、又は後粒のみを参
照するようにしてもよい。
【0043】更に、印写粒に作用する静電反発力は、前
後粒との位置関係のみならず、前記帯電電極3の通過時
の帯電により与えられる電荷の大小に応じて異なること
から、図2に従って決定された間引き粒の数を、前記電
荷の大きさに応じて増すようにするのが望ましい。帯電
電極3の通過時に印写粒に与えられる電荷は、前記図13
に示す如く、一列のドットパターンを形成するユニット
内での並び順が後方に至るに従って大となるように定め
られており、電荷に応じた間引き粒の設定は、対象とな
る印写粒の位置に応じて行わせ得る。
【0044】図3は、対象粒の電荷に基づく間引き粒の
設定手順の説明図である。本図は、前記図14に示す如
く、32個のドット又は空白により一列のドットパターン
が形成される場合の設定手順を示している。図中のイン
ク粒No.は、32個を1ユニットとするインク粒の並び順
を、図表の上下が電荷の大小に対応するように逆順にて
示したものであり、本図に従った場合、電荷が大きい31
番目及び32番目のインク粒が印写粒とされたとき、この
印写粒に対しては、大なる静電反発力の影響を排除する
ために5個の間引き粒が、電荷が小さい10番目以前の印
写粒に対しては1個の間引き粒が夫々設定され、これら
の間の中間的な電荷を有する11番目〜30番目の印写粒に
対しては、夫々の位置に応じて2〜4個の間引き粒が設
定される。なお、10番目以前の印写粒の内、1番目及び
2番目の印写粒に対しては、1個ではなく2個の間引き
粒が設定される。これは、前列の最後部の印写粒との間
の静電反発力の影響を排除するために必要な処置であ
る。
【0045】図3に従う間引き粒の設定は、本来、印写
粒に対してのみ必要なものである。しかしながら、この
ような設定を印写粒に対してのみ行った場合、例えば、
前記図14に示すアルファベット「T」を形成する場合、
その縦辺のように全てがドットにより占められる列にお
いては、印写粒が連続することから間引き粒の設定数が
多くなるのに対し、その横辺のように殆どが空白により
占められる列においては、印写粒が少ないことから間引
き粒の設定数が少なくなり、これらの間引き粒を含めた
列毎のインク粒の所要数(以下総ドット数という)に差
異が生じ、各列のドットパターンの形成に要する時間が
相違することとなる。
【0046】図4は、印写パターンの形成態様の説明図
であり、印写パターンの形成は、前述の如く、印写粒と
空白粒とによるドットパターンの形成を、被印写物Aを
移動させつつ繰り返して行われるから、実際のドットパ
ターンは、図中に実線により示す如く、上下方向に対し
て傾斜した印写列L1 ,L2 …に沿って形成されること
となり、これらの印写列L1 ,L2 …の傾斜は、夫々の
列上でのドットパターンの形成に要する時間内に被印写
物Aが移動する距離に応じて異なる。従って、前述の如
く、ドットパターンの形成に要する総ドット数が列毎に
相違し、各列のドットパターンの形成に要する時間が異
なる場合、図4(a)に示す如く、印写列L1 ,L2
の傾斜角度が相互に異なり、これら印写列L1 ,L2
上のドットパターンの集合体として得られる印写パター
ンの形状不良が生じる。
【0047】電荷に応じた間引き粒の設定を、本来不要
な空白粒に対しても行うのは、以上の如き印写パターン
の品質低下を防止するために必要なものであり、このこ
とにより、図4(b)に示す如く、印写列L1 ,L2
の傾斜が揃った良好な印写パターンを形成することがで
きるようになる。
【0048】間引き粒設定部61においては、対象となる
インク粒の種別が粒種設定部60から与えられる都度、図
2に従って、対象粒の種別と前後粒の種別とに基づく間
引き粒の設定を、更に図3に従って、対象粒の電荷、換
言すれば、ドットパターン上での対象粒の位置に応じた
間引き粒の設定を夫々行い、これらの和を実際の間引き
粒として設定する。
【0049】以上の如き間引き粒の設定例を図5に示
す。本図は、図中に●印により示す如く、列の最初から
6番目,9番目,10番目,18〜22番目、29〜31番目にド
ットを有するドットパターンにおける間引き粒の設定例
である。例えば、6番目のドットを形成するためのイン
ク粒を対象粒とする場合、自身が印写粒であると共に、
前3粒及び後1粒の全てが空白粒であり、この組み合わ
せが図2中の1番目の組み合わせに対応することから、
前後粒との関係から2個の間引き粒が設定され、また図
3に従って、前記対象粒の位置に応じて1個の間引き粒
が設定されて、両者の和として与えられる最終的な間引
き粒の数は、図5に示す如く3個となる。
【0050】また9番目のドットを形成するためのイン
ク粒を対象粒とする場合、自身が印写粒であり、これの
前3粒及び後1粒の組み合わせが、図2中の10番目の組
み合わせに対応することから、前後粒との関係から3個
の間引き粒が設定され、また図3に従って、前記対象粒
の位置に応じて1個の間引き粒が設定される結果、最終
的な間引き粒の数は、図5に示す如く4個となる。
【0051】また21番目のドットを形成するためのイン
ク粒を対象粒とする場合、自身が印写粒であり、これの
前3粒及び後1粒の組み合わせが図2中の16番目の組み
合わせに対応することから、前後粒との関係から2個の
間引き粒が設定され、また図3に従って、前記対象粒の
位置に応じて3個の間引き粒が設定される結果、最終的
な間引き粒の数は、図5に示す如く5個となる。
【0052】また28番目のドットを形成するためのイン
ク粒を対象粒とする場合、自身が空白粒であり、これの
前3粒及び後1粒の組み合わせが図2中の9番目の組み
合わせに対応することから、前後粒との関係から1個の
間引き粒が設定され、また図3に従って、前記対象粒の
位置に応じて4個の間引き粒が設定される結果、最終的
な間引き粒の数は、図5に示す如く5個となる。
【0053】更に30番目のドットを形成するためのイン
ク粒を対象粒とする場合、自身が印写粒であり、これの
前3粒及び後1粒の組み合わせが図2中の13番目の組み
合わせに対応することから、前後粒との関係から4個の
間引き粒が設定され、また図3に従って、前記対象粒の
位置に応じて4個の間引き粒が設定される結果、最終的
な間引き粒の数は、図5に示す如く8個となる。
【0054】なお、1番目〜3番目のドットを形成する
インク粒を対象粒とする場合には、前述した間引き粒の
設定に際して参照される前3粒が当該列内に存在しない
ことから、前列の最後部の3つ(30〜32番目)の対象粒
の種別を参照する。図5においては、当該列の左上部に
示すように、前列の最後部の3つ(30〜32番目)の対象
粒がいずれも空白粒である。この場合には、当該列の1
番目〜3番目のドットを形成するインク粒がいずれも空
白粒であり、前後粒の組み合わせが図2中の1番目の組
み合わせに対応することから、前後粒との関係による間
引き粒の設定数はいずれも1個となり、これらに、図3
に従って設定された対象粒の位置に応じた間引き粒が夫
々加えられる結果、1番目及び2番目の対象粒に対する
間引き粒の設定数は3個、3番目の対象粒に対する間引
き粒の設定数は2個となる。
【0055】同様に、32番目のドットを形成するインク
粒を対象粒とする場合には、後1粒が当該列内に存在し
ないことから、後列の最前部の1つ(1番目)の対象粒
の種別を参照する。図5においては、当該列の右下部に
示すように、後列の1番目の対象粒が空白粒である。こ
の場合には、当該列の32番目のドットを形成するインク
粒が空白粒であり、前後粒の組み合わせが図2中の8番
目の組み合わせであることから、前後粒との関係による
間引き粒の設定数は1個となり、これに、図3に従って
設定された対象粒の位置に応じた間引き粒が加えられる
結果、最終的な間引き粒の設定数は6個となる。
【0056】間引き粒設定部61においては、以上の如き
間引き粒の設定が、各列のドットパターンを形成する対
象粒(印写粒及び空白粒)の夫々に対してなされる。こ
のとき、対象粒の種別及び位置と、これの前後の対象粒
(実施の形態においては前3粒及び後1粒)の種別とが
参照されるのみであり、適正な数の間引き粒を、短時間
の計算により効率的に設定することができる。またこの
ような設定は、対象粒と前後粒との種別の設定が完了し
た時点でなし得るから、使用者独自のロゴ等、特殊な印
写パターンの形成にも柔軟に対応することができる。ま
た間引き粒設定部61は、粒種設定部60から与えられる粒
種を、設定対象となるインク粒と、これの前後粒とにつ
いて一時記憶するレジスタを備え、これらのレジスタの
記憶内容を順次更新することにより、各対象粒に対する
間引き粒の設定演算を行うことができ、簡素な構成にて
実現することができる。
【0057】このように間引き粒設定部61にてなされた
間引き粒の設定内容は、粒種設定部60による対象粒の粒
種の設定内容と共に帯電制御部62に与えられている。帯
電制御部62は、粒種設定部60及び帯電制御部62からの入
力に基づいて、印写粒及び空白粒の並び順、並びに、こ
れらの前又は後に挿入すべき間引き粒の設定数を認識
し、この認識に従って帯電電極3に制御指令を発し、該
帯電電極3の印加電圧を印写粒、空白粒又は間引き粒と
して設定された各粒がインク粒に分離するタイミングに
合わせて制御する動作をなす。なお帯電制御部62には、
噴射ノズル1に付設された圧電振動子12から、これの振
動に同期した信号が与えられており、この信号はインク
粒への分離が生じるタイミングを知るべく用いられてい
る。
【0058】以上の動作により、噴射ノズル1から噴射
され、圧電振動子12による加振に応じて分離するインク
粒の内、印写粒として設定されたインク粒は、帯電電極
3の通過時に帯電され、偏向電極4の通過時に各別の電
荷に応じて偏向せしめられ、ハウジング5の送出口50か
ら送り出されて被印写物Aに印写されてドットを形成す
る。また、空白粒として設定されたインク粒は、帯電電
極3の通過時に帯電されず、偏向電極4の配設位置にて
偏向されることなく直進してガター2に捕捉される結
果、これらの対応位置に空白が形成される。このような
ドットと空白とにより、前記偏向の方向に並ぶドットパ
ターンが形成される。更に、前記印写粒又は前記空白粒
の前若しくは後には、間引き粒設定部61において前述の
如く設定された数の間引き粒が挿入されるから、前述し
たドットパターンの形成は、各ドットが一様な間隔にて
並んだ状態でなされ、これらのドットパターンの集合体
として得られる印写パターンの品質が向上する。
【0059】図6及び図7は、図2及び図3に従う間引
き粒の設定を、前記図14に示すアルファベット「T」の
縦辺に対応する列と、同じく横辺に対応する列とにおい
て行った結果を示す図である。「T」の縦辺に対応する
列は、その前列及び後列を含めて全ての対象粒が印写粒
であり、図2及び図3に従って図6に示す如く間引き粒
が設定される。一方、「T」の横辺に対応する列は、そ
の前列及び後列を含めて、最後部の3つ(30番目〜32番
目)のみが印写粒であり、他の全てが空白粒であり、図
2及び図3に従って図7に示す如く間引き粒が設定され
る。
【0060】これらの図6及び図7、並びに前記図5に
は、夫々に設定された間引き粒と、印写粒及び空白粒と
を含めた総ドット数が合わせて示されており、各図にお
ける総ドット数を比較すると、図5のドットパターンに
おいては 171個、図7のドットパターンにおいては 177
個であり、両者間の差異は比較的小さいが、空白粒が多
い図6のドットパターンにおける総ドット数は 153個で
あり、他の2つに比較して総ドット数が大幅に少なくな
る。このように、図2及び図3に従って間引き粒を設定
した場合、列毎の総ドット数の相違が生じ、前記図4に
て説明したような印写パターンの形状不良が生じる。
【0061】そこで間引き粒設定部61においては、この
ように生じる総ドット数の相違を解消すべく、以下の如
き補正を行う。第1の方法は、図6に示す如く空白粒が
連続するような列において総ドット数が少なくなること
に着目し、所定数の空白粒が連続する毎に所定数の間引
き粒を設定する方法である。例えば、空白粒が5個連続
する毎に、4個の間引き粒を設定するようにした場合、
図6においては、5、10、15、20、25番目の対象粒の後
の間引き粒の数が、各4個を加えた数に増加補正され、
これらを加えた総ドット数は 173個となり、図7の総ド
ット数との差異が大幅に小さくなる。同様の補正を図5
において行うと、5、15、27番目の対象粒の後の間引き
粒の数が、各4個を加えた数に増加補正され、これらを
加えた総ドット数は 183個となり、図7の総ドット数を
超えるが、両者の差異は補正前よりも小さくなる。
【0062】以上の補正は、間引き粒設定部61におい
て、粒種設定部60から与えられる粒種の設定履歴を過去
5回に亘って記憶しておき、対象粒が空白粒であるとき
前記設定履歴を参照して、記憶された履歴の全てが空白
粒であるとき、図2及び図3に従って得られた間引き粒
の数に4個の間引き粒を加える補正を行わせることによ
り達成できる。なおこの補正がなされたときには、記憶
された履歴の全てを印写粒に書換えて同様の動作を継続
することにより、空白粒が5個連続する毎に4個の間引
き粒を設定することができる。なお、空白粒の連続数
は、前述した5個に限らず、また間引き粒の設定数も、
前述した4個に限らず、これらは適宜に設定することが
できる。
【0063】第2の方法は、一列のドットパターンの形
成に用いるインク粒の標準的な数を予め基準数として定
めておき、図2及び図3に従って間引き粒の設定を行
い、この設定に基づいて一列のドットパターンを形成
し、この形成の間に、印写粒及び空白粒に、夫々の間の
間引き粒を加えた総ドット数をカウントし、このカウン
ト数と前記基準数とを比較して、カウント数が基準数に
達しないとき、両者の差分に相当する数の間引き粒を次
列のドットパターンの最初の対象粒の前に設定する方法
である。
【0064】例えば、前記基準数を 175に設定した場
合、前記図6に示すドットパターンの形成に要する総ド
ット数が 153であることから、両者の差分、即ち、22個
の間引き粒が次列のドットパターンの最初の対象粒の前
に設定され、同様に、図5に示すドットパターンにおい
ては、総ドット数が 171であることから、前記基準数と
の差分、即ち、4個の間引き粒が次列のドットパターン
の最初の対象粒の前に設定されて、これらの場合、前記
差分の間引き粒を加えた総ドット数が前記基準数となる
ように補正される。なお図7に示すドットパターンにお
いては、総ドット数が前記基準数を上回る 177であるこ
とから前記補正はなされない。
【0065】前記基準数を、考え得る最大の総ドット数
よりも大きい数に設定した場合、全ての列に亘って総ド
ット数を揃えることができ、印写品質の向上のためには
有効であるが、このようにした場合、各列の総ドット数
が大となり、印写パターン全体の形成に要する時間が増
大する。従って、前述の如く標準的なドットパターンの
形成に要する総ドット数を前記基準数として設定し、こ
の基準数を超えるドットパターンについては、前記補正
を行わないようにするのが望ましい。
【0066】なお、総ドット数の相違を解消するための
補正は、前記第1,第2の方法に限らず、適宜の方法に
より実現することができ、より一般的には、一列のドッ
トパターンの形成中に、複数の対象粒に亘って間引き粒
の設定数を調べ、この設定数が予め定めた所定数に達し
ないとき、所定数の補正間引き粒、又は差分に相当する
補正間引き粒を設定すればよい。
【0067】図8は、対象粒及び前後粒の種別に基づく
間引き粒の設定を、前2粒及び後1粒を参照して行わせ
る手順の説明図である。本図においては、対象粒が空白
粒である場合には0〜1個の間引き粒が、対象粒が印写
粒である場合には1〜4個の間引き粒が、前2粒及び後
1粒の8通りの組み合わせに応じて夫々設定される。
【0068】図9〜図11は、前記図5〜図7に夫々示す
ドットパターンに対し、対象粒及び前後粒の種別に基づ
く間引き粒の設定を図8に従って行い、また対象粒の位
置に基づく間引き粒の設定を前記図3に従って行った結
果を夫々示している。図9において、例えば、6番目の
ドットを形成するための印写粒を対象粒とする場合、こ
れの前2粒及び後1粒の組み合わせは、図8中の1番目
の組み合わせに対応する。従って前後粒との関係から1
個の間引き粒が設定され、これに、対象粒の位置に応じ
て図3に従って設定される1個の間引き粒が加えられ
て、最終的な間引き粒の設定数は2個となる。
【0069】また9番目のドットを形成するための印写
粒を対象粒とする場合、これの前2粒及び後1粒の組み
合わせは、図8中の5番目の組み合わせに対応する。従
って前後粒との関係から4個の間引き粒が設定され、こ
れに、対象粒の位置に応じて図3に従って設定される1
個の間引き粒が加えられて、最終的な間引き粒の設定数
は5個となる。
【0070】このような設定が、各ドット及び空白の夫
々に対して行われ、図9に示す如く間引き粒が設定され
る。図10及び図11に示すドットパターンに対しても、同
様の手順により、夫々に示す如き間引き粒の設定がなさ
れる。
【0071】なお図9〜図11中には、前記図5〜図7と
同様にドットパターンの形成に要する総ドット数が示さ
れており、これらの総ドット数は 149〜 177であり、相
互間の差が大きい。この差を少なくするため、前述の如
く、空白粒が連続するとき所定数の間引き粒を設定する
補正を、例えば、空白粒が4個連続する毎に3個の間引
き粒を設定するという条件下にて行うと、図9において
は、4、14、26番目の対象粒の後の間引き粒の数が各3
個を加えた数に増加補正され、これらを加えた総ドット
数は 167個となる。また図10においては、4、8、12、
16、20、24、28番目の対象粒の後の間引き粒の数が各3
個を加えた数に増加補正され、これらを加えた総ドット
数は 170個となる。このような補正により列毎の総ドッ
ト数を揃えることができ、印写品質の向上に寄与し得
る。
【0072】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
るインクジェット記録装置においては、粒種設定手段に
より形成すべきドットパターンに応じて印写粒と空白粒
とが設定される都度、間引き粒設定手段が、粒種が設定
された対象粒の直前又は直後に挿入する間引き粒を、こ
の対象粒の種別と、これの前後の対象粒の種別とに基づ
いて逐次設定するから、適正数の間引き粒を、短時間に
て過不足なく設定することができ、特殊なものを含めた
種々の印写パターンを、良好な印写品質を確保しつつ、
短時間にて形成することができる。
【0073】また第2発明に係るインクジェット記録装
置においては、対象粒が印写粒とされたときの偏向量に
応じて間引き粒の設定数を変更するから、前後の印写粒
との間の静電反発力の影響による速度変化の程度を軽減
され、各印写粒の進行速度が均等化されて、これらによ
り形成されるドット間の間隔が一様となり、印写品質を
一層向上させることができる。
【0074】また第3発明に係るインクジェット記録装
置においては、連続する複数の対象粒に対して設定され
た間引き粒の総数が所定数に達しないとき、この総数を
増す補正を行うから、各列のドットパターンの形成に要
するインク粒の数が均等化され、印写品質を一層向上さ
せることができる。
【0075】また第4発明に係るインクジェット記録装
置においては、空白粒が連続するとき間引き数の総数が
不足していると判定して前述した補正を行うから、簡素
な処理により各列のドットパターンの形成に要するイン
ク粒の数を均等化させることができる。
【0076】更に、第5発明に係るインクジェット記録
装置においては、一列のドットパターンの形成に要した
インク粒の総数が所定数に達しないとき、両者の差分の
間引き粒を次列の最初の対象粒の前に設定するから、こ
れらの間引き粒を含めて各列のドットパターンの形成に
要するインク粒の数を正確に均等化させることができる
等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の記録ヘ
ッドの構成を制御系の構成と共に示す模式図である。
【図2】対象粒及び前後粒の種別に基づく間引き粒の設
定手順の説明図である。
【図3】対象粒の電荷に基づく間引き粒の設定手順の説
明図である。
【図4】印写パターンの形成態様の説明図である。
【図5】図2及び図3に従った間引き粒の設定例を示す
図である。
【図6】図2及び図3に従った間引き粒の設定例を示す
図である。
【図7】図2及び図3に従った間引き粒の設定例を示す
図である。
【図8】対象粒及び前後粒の種別に基づく間引き粒の設
定手順の他の実施の形態の説明図である。
【図9】図8及び図3に従った間引き粒の設定例を示す
図である。
【図10】図8及び図3に従った間引き粒の設定例を示
す図である。
【図11】図8及び図3に従った間引き粒の設定例を示
す図である。
【図12】コンティニュアス形のインクジェット記録装
置に備えられた記録ヘッドの構成を示す模式図である。
【図13】ドットパターンの形成の様子を示す説明図で
ある。
【図14】印写パターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 噴射ノズル 2 ガター 3 帯電電極 4 偏向電極 6 制御部 7 操作部 60 粒種設定部 61 間引き粒設定部 62 帯電制御部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴射ノズルから噴射され所定の間隔毎に
    並んで進行するインク粒の進行経路に偏向手段を備え、
    前記インク粒を、前記偏向手段により各別に偏向して送
    出されて被印写物に印写される印写粒、又は前記偏向手
    段により偏向されずに回収されて前記印写に供されない
    空白粒とし、前記印写粒の印写位置に形成されるドット
    と、前記空白粒の対応位置に形成される空白との組み合
    わせにより、前記被印写物にドットパターンを形成する
    インクジェット記録装置において、前記噴射ノズルから
    噴射されるインク粒の一部を、形成すべきドットパター
    ンに応じて前記印写粒及び空白粒のいずれかに、その順
    序を含めて設定する粒種設定手段と、該粒種設定手段に
    より設定された前記印写粒又は空白粒を対象粒とし、該
    対象粒の直前及び/又は直後に挿入され、前後の対象粒
    との間に間隔を確保する間引き粒の数を、前記対象粒の
    種別と、該対象粒の前及び/又は後の一又は複数の対象
    粒の種別とに基づいて設定する間引き粒設定手段とを具
    備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記間引き粒設定手段は、前記対象粒の
    偏向量に応じて前記間引き粒の設定数を変更する構成と
    してある請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記間引き粒設定手段は、連続する複数
    の対象粒に対する間引き粒の総数が所定数に達しないと
    き、前記総数を増すべく補正する補正手段を備える請求
    項1又は請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、前記対象粒が空白粒で
    あるとき、それ以前の空白粒の連続履歴に基づいて前記
    間引き粒の設定数を増す構成としてある請求項3記載の
    インクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記補正手段は、前記偏向の方向に並ぶ
    一列のドットパターンの形成に要した前記印写粒、空白
    粒及び間引き粒の総数をカウントし、このカウント数が
    所定数に達しないとき、両者の差分に相当する数の間引
    き粒を、次列のドットパターンの最初の対象粒の前に設
    定する構成としてある請求項3記載のインクジェット記
    録装置。
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