JP2023005007A - インクジェットプリンタにおける印字歪の修正方法 - Google Patents

インクジェットプリンタにおける印字歪の修正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印字データの配列を変更することにより、インク滴の帯電量を補正することなく、印字歪を最小限に留めることができる修正方法を提供する。【解決手段】コントローラの制御部は、マトリクス状のドットパターンからなる印字データの1つの行において、2以上のドットが隣接して存在する場合、それぞれのドット間にドットの無い空の列を挿入し、かつ印字データの1つの行において、単独のドットしか存在しない場合、ドットの形成位置を前列に移動するように印字データを変更し、当該変更された印字データおよび記憶部から読み出した列の周期データに基づいて、帯電電極に印加する帯電電圧を生成する。【選択図】図7

Description

本発明は、コンティニュアス方式のインクジェットプリンタにおける印字歪の修正方法に関し、更に詳しくは、高速で印字を行う際の印字歪の修正に関する。
インクジェットプリンタは、コンティニュアス方式とオンデマンド方式に大別される。このうちコンティニュアス方式のインクジェットプリンタは、ポンプによってノズルからインクを噴出し、噴出インクが一定周波数の振動でインク滴に分離する位置において、帯電電極によりインク滴を帯電させ、更に偏向電極によってインク滴の軌道を曲げ、被印字物の所定の位置に衝突させて任意のマトリクス状のドットパターンを形成するものである。
上述したコンティニュアス方式のインクジェットプリンタにおいては、印字面に向かって飛翔するインク滴が空気抵抗によって減速し、その程度によっては、印字面に形成される印字ドットに悪影響を及ぼす場合がある。
例えば、印字面に向かって飛翔するインク滴の粗密によって空気抵抗に差が生じ、それが気流の乱れとなって後続するインク滴の飛翔経路が乱され、印字品質を低下させる原因の一つとなっていた。
その対策として、従来は、ドットマトリクスの同一の列において隣接する印字ドットを形成する2つのインク滴の飛翔軌道を離して、相互の空気力学的干渉を小さくすることにより、空気抵抗のバラツキによる印字ドットの乱れを最小限に留めていた。(特許文献1)
特開平6-305147号公報 特開平6-15827号公報
一方、ドットマトリクスの列間のインク滴の飛翔における空気抵抗の影響は、被印字物の移動速度によって異なることが分かっている。例えば、印字ヘッドを印字面に対して比較的低速(1~30m/min程度)で移動させながら印字を行う場合、各列で飛翔するインク滴の間隔が十分保たれるため、空気抵抗による影響を考慮する必要はない。
これに対し、被印字物を高速(約200m/min以上)で移動させながら印字を行う場合、列の周期が短くなるため、先行する列のインク滴の飛翔によって発生した空気流の乱れが、後続する列のインク滴の飛翔に大きく影響し、印字歪が生じる原因となっていた。
従来、このような列間の空気抵抗の乱れに伴う印字歪については、先行する列におけるインク滴の飛翔状態に応じて、後続する列のインク滴の帯電量を補正することによって対応していた(特許文献2参照)。
しかし、上述の方法では、印字ドットの配列だけでなく、被印字物の移動速度をも考慮してインク滴の帯電量を決定する必要があり、制御の複雑さから実用化されるには至っていない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて成されたもので、印字データの配列を変更することにより、インク滴の帯電量を補正することなく、印字歪を最小限に留めることができる修正方法を提供することを目的とする
上記目的を達成する本発明に係る印字歪の修正方法は、
噴出するインクに一定周波数の振動を付与して連続したインク滴を生成するガンと、
前記インク滴に電圧を印加して当該インク滴を帯電させる帯電電極と、
水平方向に移動する被印字物に向けて飛行する前記インク滴を、帯電の程度に応じて垂直方向に偏向させ、インク滴を被印字物に着弾させる偏向電極と、
前記帯電電極に印加する電圧を変えてインク滴への帯電量を制御するコントローラと、を備え、
被印字物の印字面に、マトリクス状のドットパターンによって文字や記号を印字するインクジェットプリンタにおいて、
前記コントローラの記憶部には、マトリクスの枠にドットを形成する位置が示された印字データおよび前記マトリクスの列の周期データが格納されており、
前記コントローラの制御部は、
前記記憶部から読み出した印字データの1つの行において、2以上のドットが隣接して存在する場合、それぞれのドット間にドットの無い空の列を挿入し、かつ前記印字データの1つの行において、単独のドットしか存在しない場合、ドットの形成位置を前列に移動するように前記印字データを変更し、
当該変更された印字データおよび前記記憶部から読み出した列の周期データに基づいて、前記帯電電極に印加する帯電電圧を生成することを特徴とする。
ここで、前記インクジェットプリンタは、前記被印字物の移動速度に応じて、前記インク滴の偏向方向を、垂直方向から前記被印字物の移動方向に傾けることが好ましい。
また、前記コントローラの制御部は、印字データの1つの行において、先行するドットがある場合、後続するドットを生成するためのインク滴を帯電させるタイミングを前方に移動させることが好ましい。
更に、前記コントローラの制御部は、印字データの1つの行におけるドットの数に反比例して、前記インク滴を帯電させるタイミングを遅らせることが好ましい。
本発明に係る印字歪の修正方法では、先行する行のインク滴の飛翔速度が空気抵抗によって減速し、印字歪の発生原因となるのを、ドットパターンで表わされる印字データの配列を変えることによって、最小限に留めている。
すなわち、本発明に係る印字歪の修正方法は、ハード面に手を加えることなく、印字データのドット形成位置を変更するだけで対応できるため、アルゴリズムとして導入が容易であり、また既存のプリンタにも簡単に組み込むことができる。
印字歪の修正の前提となるコンティニュアス方式のインクジェットプリンタの概略構成を示す図である。 図1のインクジェットプリンタを用いて被印字物に印字を行う際の動作を説明する図である。 インク滴が生成される過程を示す図である。 コントローラの構成のうち帯電電圧の生成に関連したブロックを抽出した図である。 印字データの一例を示す図である。 図5の印字データに基づいて作成した略階段状の帯電電圧を示す図である。 印字歪を修正する第1および第2の方法を説明する図である。 本発明に係る印字歪の修正方法を適用した印字例を示す図である。 印字歪を修正する第4の方法を説明する図である。 図9の印字データに基づいて作成した帯電電圧を示す図である。 本発明に係る印字歪の修正方法を適用した印字例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る印字歪の修正方法について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
<インクジェットプリンタの構成>
図1に、印字歪み修正の前提となるコンティニュアス方式のインクジェットプリンタの概略構成を示す。また図2に、図1のインクジェットプリンタを用いて被印字物に印刷を行う際の動作を示す。
インクジェットプリンタ1は、ガン2、帯電電極3、検知電極4、偏向電極5、ガター6、パイプ7、ポンプ8a、8b、インクタンク9およびコントローラ10で構成されている。
ガン2は、インク滴IDを被印字物(例えば梱包箱)11の表面に向けて噴射するものであり、ガン本体21、超音波振動子22およびノズル23で構成されている。ポンプ8aによってインクタンク9から送出され、パイプ7を通してガン本体21に供給されたインクは、超音波振動子22によって一定周波数の振動が付加された状態でノズル23の孔から噴射される。
ノズル23の孔から噴出したインク柱IPは、超音波振動子22により付加された振動によって個々のインク滴IDに分離し、更に帯電電極3で帯電される。その後、偏向電極5により、印字に必要なインク滴IDのみが帯電電荷量に応じて偏向され、被印字物11の印字面に着弾する。
図2に、ベルトコンベア(図示せず)上を、矢印で示す方向に一定の速度で移動する梱包箱11を示す。被印字物である梱包箱11が、インク滴IDの飛行方向に対して直交する方向に移動している場合、インク滴IDの偏向量を変えることによって、梱包箱11の側面(印字面)に着弾するインク滴IDの位置が変わり、梱包箱11の移動に同期してインク滴IDの偏向を繰り返すと、文字や記号(図では「A」)が印字される。
一方、帯電されていないインク滴ID、および帯電されていても印字に使用されないインク滴IDは偏向されず、そのままインク回収用のガター6に飛び込み、インクタンク9に回収される。ガター6によって回収されたインクは、ポンプ8bによりパイプ7を通してインクタンク9に移送され、再利用される。
コントローラ10は、ガン2の超音波振動子22、帯電電極3のパルス電源31、検知電極4、偏向電極5の直流電源51、ならびにポンプ8aおよび8bの動作を制御するもので、CPU、メモリ(ROM、RAM等)、タイマーおよびディスプレイ(図示せず)で構成されている。なお、コントローラ10と制御対象の各構成部材の間は、信号送信用のケーブルで接続されているが、煩雑さを避けるため、図1では、ポンプ8a、8bとの間のケーブルを除いて省略している。
コントローラ10は、ポンプ8aを駆動することにより、インクタンク9に収容されたインクに圧力をかけてガン本体21に供給する。またコントローラ10は、検知電極4で検知した信号に基づいて、パルス電源31から帯電電極3に印加されるパルス電圧のタイミングを制御し、これによって帯電されるインク滴IDの数やタイミングを調節する。更にコントローラ10は、直流電源51の電圧を制御することによって、偏向電極5で偏向されるインク滴IDの偏向量を調節する。
<印字歪の修正>
次に、図3~図8を参照して、本実施の形態における印字歪の修正方法について説明する。最初に、インク滴への帯電について説明する。
図3は、ノズル23から噴出されたインク柱IPからインク滴IDが生成される過程を示したものである。前述したように、ガン2から噴射されるインク柱IPに圧電振動子22を用いて一定周波数の振動を加えることによって、所定の粒径のインク滴IDが生成される。例えば、圧電振動子の作動周波数が73.5kHzの場合、73500粒/secのインク滴が生成される。
図1に示したように、ガン2は接地されていることから、ノズル23から噴出されたインク柱IPも0Vの電位に保持されている。そして帯電電極3にプラスのパルス電圧が印加されると、インク柱IPにマイナスの電荷が誘起される。インク柱IPがインク滴IDに分離したとき、マイナスの電荷がインク滴に残り、その後、インク滴IDが帯電した状態で飛行を続ける。
飛行中のインク滴IDは、偏向電圧5に印加された直流電圧により、帯電量に応じて上方に偏向され、被印字物11の表面に衝突して印字ドットを形成する。
図4は、前述したコントローラ10の機能ブロックのうち、帯電電圧の生成に関連したブロックのみを抽出した図である。コントローラ10は、制御部11、記憶部12、入力・表示部13、D/A変換部14および増幅部15を備えている。
これらのうち制御部11の機能は、記憶部12に記憶されたプログラムを図示しないCPUで実行することにより実現される。また入力・表示部13はタッチパネル式の液晶ディスプレイによって実現され、入力された印字データ等が表示される。
記憶部12には、マトリクスパターンで表現された印字データ、すなわち印字ドットの形成位置のデータと、ドットマトリクスの列の繰返しの周期(以降、単に「周期」という)のデータが記憶されている。制御部11は、印字を行う際、記憶部12から印字データと周期データを読み出すと共に、印字データに基づいて、列毎に略階段状の帯電電圧を作成し、その帯電電圧を帯電電極3に印加する。
制御部11で設定された帯電電圧は、D/A変換部14でアナログ信号に変換され、更に増幅部15で増幅された後、帯電電極3に印加される。
図5に、コントローラ10の記憶部12に記憶された印字データの一例を示す。印字データは、マトリクス状のドットパターンによって表現され、マトリクスの横軸(行)は被印字物の水平位置を示し、縦軸(列)は偏向されたインク滴が着弾する位置を示す。
図5に示す印字データは、数字の「1」を、印字面に5行×5列のマトリクスで形成する際のドットパターンである。図中、マトリクスの各枠に表示された1~25の
数字は印字の順番を示すクロック番号であり、クロック番号が〇で囲まれた位置に印字ドットが形成される。
記憶部12には、図5に示すマトリクス状のドットパターンのデータと、列の周期データが記憶されており、印字を行う際には、列毎に印字データを読み出して、図6に示す略階段状の帯電電圧を作成し、その電圧を帯電電極3に印加する。
被印字物がドットマトリクスの各列の位置に到達したとき、ノズル23から噴射されたインク滴IDは帯電量に応じて下方から上方に偏向され、印字面の指定された位置に印字ドット●が形成される。5列分の印字が終了すると、5行×5列のマトリクスのうち〇印で示した枠が印字ドットで埋まり、印字が完了する。
なお、印字に用いられるマトリクスには、5行×5列以外に、7行×5列、9行×9列、12行×10列、16行×16列、24行×18列、32行×24列等の多くの選択肢がある。
次に、被印字物の移動速度とインク滴の帯電との関係について説明する。被印字物の移動速度に関わらず、一定の文字幅で被印字物に印字するためには、被印字物の移動速度に応じて噴出されるインク滴同士の距離を変更する必要がある。
ガン2で生成されたインク滴が全て印字ドットの生成に用いられるわけではない。マトリクスの1列分の印字において必要となるインク滴は、例えば5個であるが、上述したように、1秒間に大量のインク滴が生成され、その速度は変わらない。そのため、被印字物の移動速度が遅い場合、大半のインク滴は印字に関与せず、帯電されずにガターに回収される。すなわち、1列分の印字を行う際に、一定のタイミングで選択されたインク滴だけが帯電され、それ以外のインク滴は帯電されずに間引かれる。
図6に示す略階段状の帯電電圧において、例えば第3列では、5段のクロック毎に、一定のタイミングで選択された1個のインク滴が帯電され、それ以外のインク滴は間引かれてガター6に回収される。そして、帯電された5個のインク滴が帯電電圧で偏向された位置に着弾し、印字面に1列分の印字ドットが形成される。
例えば、130kHzのサイクルでインク滴を生成する(すなわち7.6μs毎に1個のインク滴を生成)プリントヘッドを用いれば、15m/minで横方向に移動する被印字物に横方向のドット間隔1mmで印字しようとすると、526個の間隔でインク滴に帯電させ、吐出させればよい。
間引きが入る速度域において印字する場合には、第3列の段毎に間引き用の帯電電圧(0V)が挿入されるが、煩雑さを避けるため、図では省略している。以後の説明においても同様とする。
次に、印字の高速化に伴って発生する印字歪について説明する。上述の設定のまま、30m/minで移動する被印字物に印字すると、印字されたドットの間隔は2倍の2mmに間延びしてしまう。このため、コントローラ10では、被印字物の移動速度のデータに基づいて、どのような間隔でインク滴を帯電させればよいかを算出し、例えば、30m/minであれば、263個の間隔でインク滴に帯電するよう調整している。
ところで、被印字物の移動速度が速くなればなるほど、印字されるインク滴同士の距離が接近する。そのため、飛翔中に先行するインク滴が空気抵抗を受けることで減速し、後続するインク滴と衝突する問題が起こる。ここで先行するインク滴とは、当該インク滴の前方にインク滴が存在しない状態、すなわち十分な時間間隔を置いて吐出されるインク滴のことをさす。以降、このインク滴のことを「初インク滴」と云う。
また、被印字物の移動速度が速くなればなるほど、空気抵抗を受けて減速したインク滴の着弾位置は目標とする位置よりも後方にずれる。これは、飛行するインク滴の滞空時間が延び、目標位置に着弾するまでの間に被印字物が移動するためである。
被印字物の移動速度が300m/min以上になると、初インク滴と後続するインク滴の接近や衝突が起き始め、高速になればなるほど衝突し易くなる。また、後続するインク滴がないため衝突することのない初インク滴に関しては、速度が速くなればなるほど着弾位置のずれ量が大きくなる。
このように、印字の高速化に伴って発生する印字歪は、インク滴が空気抵抗を受けて減速することによるインク滴の衝突や着弾位置のずれに起因すると考えられる。そこで本発明では、印字データを修正して印字ドットが形成される位置を変更することで、同じ高さを飛翔するインク滴の前後関係にゆとりを与え、これによりインク滴の衝突や着弾位置のずれを修正している。
本発明では、印字歪を修正する第1の方法として、印字データの1つの行において2以上のドットが隣接して存在する場合、それぞれのドット間にドットのない空の列を挿入している。
例えば、図7(a)に示すように数字の「1」を印字する場合、2行目と5行目のドットが隣接して並んでいる。この状態で印字を行うと、図8(a)の印字例に示すように、第2列の印字ドットと第3列の印字ドットが印字面で衝突している。また5行目の印字ドットに示すようにドット間の間隔が狭くなる。
これを回避するため、本発明では、図7(b)に示すように、ドット間に空の列を挿入して、第2列の印字位置を第1列に移動させ、また第4列のドットを第5列に移動させている。
図7(b)に、このようにして各列の間に空の列を挿入した印字データに基づいて印字した例を示す。被印字物の移動速度は600m/minに設定した。図8(a)と(b)を比較して明らかなように、印字ドットの衝突を回避でき、また印字ドット間に十分な間隔が保たれており、印字歪が大幅に改善されている。
本発明では、印字歪を修正する第2の方法として、1つの行において単独のドットしか存在しない場合、ドットの形成位置を前列に移動している。図7(c)に位置修正の具体例を示し、同一行に単独で存在する印字ドットの位置を、矢印で示すように前の列に移動させている。
図8(c)に、このようにしてドットの形成位置を移動させて印字した例を示す。数字の「1」のうち第3列目の5個の印字ドットが、移動前に比べて上下方向に補正されており、印字歪が改善されていることが分かる。
本発明に係る印字歪の修正方法において、上述した第1および第2の方法は必須である。図8(a)は第1および第2の方法を適用する前の印字例、図8(c)は、第1および第2の方法を適用した印字例である。両者を比較すると、印字速度の高速化に伴う印字歪が大幅に改善され、印字品質が向上していることが分かる。
(実施の形態2)
印字歪を回避する方法として必須ではないが、上述した第1および第2の方法を適用した後、第3および第4の方法を適用することによって印字歪を更に軽減できる。本発明では第3の方法として、インク滴の偏向方向を被印字物の移動方向に若干傾けている。
インク滴の生成サイクル130kHzに対して被印字物の移動速度が600m/minである場合、1個のインク滴を生成する間(7.6μs)に、被印字物は移動方向に対して0.076mm移動する。
印字された文字の高さが実寸4mmである場合、縦方向の印字ドット間の距離は理論上1mmとなる。つまり、tanθ=1/0.076であることから、印字はθ=85.79°傾斜する。従って、インク滴の偏向方向を、被印字物の移動方向に対して4.21°傾ければ、文字は正立することになる。実際のプリンタでは、図1の構成部材が収容された筒状のプリントヘッド(図示せず)を鉛直面内で4.21°回転させることで、インク滴の偏向方向を傾けることができる。
前述の図8(c)の印字例に対し、インク滴の偏向方向を、被印字物の移動方向に対して4.21°傾けて印字した例を図8(d)に示す。両者を比較すると、数字「1」の第3列の5個の印字ドットが、鉛直方向に正立していることが分かる。
第3の方法と同様に、印字歪を修正する方法として必須ではないが、本発明では第4の方法として、インク滴を帯電させるタイミングを前倒しする方法を採用している。図9および図10を参照して、第4の方法を説明する。
前述したように、図8(d)の印字例は、印字歪の修正方法の第1、第2および第3の方法を適用した例である。図8(d)に示す印字例は、図8(a)に示す修正前の印字例に比較して、印字歪が大幅に改善されているが、一部の印字ドット(矢印で示す)が必要以上に離れてしまう問題があり、それを解決するために、インク滴の帯電タイミングを前倒ししている。
図9(a)に、図8(d)の印字を行う際のマトリクスパターンの印字データを示す。また図10(a)に、同パターンの印字を行う際に帯電電極3に印加される帯電電圧を示す。
図9(a)に示す印字データのうち最下行の印字データと、図8(d)に示す最下行の印字ドットとを比較すると、印字データではドットの位置が等間隔であるのに対し、図8(d)の印字ドットでは、中央の印字ドットと右端の印字ドットの間隔が広がっている。このことから、同一行において先行して飛翔するインク滴が2個以上あると、空気抵抗の影響が減少して、ドット間の間隔が拡がると考えられる。
第4の方法では、上述の現象を考慮し、印字データの1つの行において、先行するドットがある場合、後続するドットを生成するためのインク滴を帯電させるタイミングを、帯電電圧の大きさを変えることなく、前方に移動させている。図9(b)に、図9(a)の印字データのうちクロック番号21のドットをクロック番号19に、2クロック分シフトした例を示す。また図10(b)に、同パターンの印字を行う際に帯電電極3に印加される帯電電圧を示す。
前述の図8(e)に、図10(b)の帯電電圧を用いて印字を行った例を示す。図8(d)の印字例と図8(e)の印字例を比較して明らかなように、第4の方法を採用した図8(e)の印字例では、最下行の3個の印字ドットの間隔が略等しくなっており、印字歪がほとんど解消されていることが分かる。
実験の結果、インク滴を帯電させるタイミングは、印字データの1つの行におけるドットの数に反比例して遅くする必要があることが分かった。図9(a)に示す印字データでは、ドットの数が3個であるが、ドットの数が4個の場合、前方に移動させるタイミングは、半分(1クロック分)でよい。
図11に、本発明に係る第1~第4の方法を適用して印字歪を修正した印字例を、修正前の印字例と比較して示す。図11(a)は数字「2」の印字例、図11(b)は数字「3」の印字例、図11(c)はアルファベット「A」の印字例、図11(d)はアルファベット「B」の印字例、図11(e)はアルファベット「C」の印字例である。それぞれ左側は修正前の印字例、右側は修正後の印字例を示す。
図11の各印字例から明らかなように、本発明に係る印字歪の修正方法を採用することにより、印字歪を実用上問題がない程度まで修正して、印字品質を大幅に改善できる。
更に、第1、第2および第4の修正方法は、印字データのドットの配列を変更するだけで済み、インク滴の帯電量を補正するような複雑な処理は不要である。また第3の修正方法についても、プリントヘッドのケースを垂直面内で回転するだけで済む。従って、印字歪の修正方法の導入が容易であり、既存のプリンタにも簡単に組み込むことができる。
IP インク柱
ID インク滴
2 ガン
3 帯電電極
4 検知電極
5 偏向電極
6 ガター
7 パイプ
8a、8b ポンプ
9 インクタンク
10 コントローラ
11 制御部
12 記憶部
13 入力・表示部
14 D/A変換部
15 増幅部
21 ガン本体
22 超音波振動子
23 ノズル
31 パルス電源
51 直流電源

Claims (4)

  1. 噴出するインクに一定周波数の振動を付与して連続したインク滴を生成するガンと、
    前記インク滴に電圧を印加して当該インク滴を帯電させる帯電電極と、
    水平方向に移動する被印字物に向けて飛行する前記インク滴を、帯電の程度に応じて垂直方向に偏向させ、インク滴を被印字物に着弾させる偏向電極と、
    前記帯電電極に印加する電圧を変えてインク滴への帯電量を制御するコントローラと、を備え、
    被印字物の印字面に、マトリクス状のドットパターンによって文字や記号を印字するインクジェットプリンタにおいて、
    前記コントローラの記憶部には、マトリクスの枠にドットを形成する位置が示された印字データおよび前記マトリクスの列の周期データが格納されており、
    前記コントローラの制御部は、
    前記記憶部から読み出した印字データの1つの行において、2以上のドットが隣接して存在する場合、それぞれのドット間にドットの無い空の列を挿入し、かつ前記印字データの1つの行において、単独のドットしか存在しない場合、ドットの形成位置を前列に移動するように前記印字データを変更し、
    当該変更された印字データおよび前記記憶部から読み出した列の周期データに基づいて、前記帯電電極に印加する帯電電圧を生成することを特徴とする印字歪の修正方法。
  2. 前記インクジェットプリンタは、前記被印字物の移動速度に応じて、前記インク滴の偏向方向を、垂直方向から前記被印字物の移動方向に傾ける、請求項1に記載の印字歪の修正方法。
  3. 前記コントローラの制御部は、印字データの1つの行において、先行するドットがある場合、後続するドットを生成するためのインク滴を帯電させるタイミングを前方に移動させる、請求項1または2に記載の印字歪の修正方法。
  4. 前記コントローラの制御部は、印字データの1つの行におけるドットの数に反比例して、前記インク滴を帯電させるタイミングを遅らせる、請求項3に記載の印字歪の修正方法。
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