JP2000233491A - 版を準備して供給するための方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 版を印刷機の胴に準備して供給するための方
法であって、少なくとも１つの版を容器内で巻き上げた
状態で準備し、胴に供給するために繰り出すようにする
方法を改良して、質の高い大量印刷のためのフレキシブ
ルな版板を、機械作動中に印刷機に準備し、版胴に簡単
かつ確実に供給して緊締することができるような方法を
提供する。 【解決手段】 容器１を印刷装置のフレームで交換可能
に位置決めして、版板４として形成された版の前縁部５
を、版胴７として形成された胴の緊締装置６によって把
持して、版胴７の回転によって該版胴７に取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、版を印刷機の胴に
準備して供給するための方法および装置であって、少な
くとも１つの版を容器内で巻き上げた状態で準備し、胴
に供給するために繰り出すようにする形式のものに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】このような形式の方法および装置は、ド
イツ連邦共和国特許第４３０３８７２号明細書によって
公知である。この場合、比較的薄いシート状の版(Druck
folie)が保存容器内で巻き上げられて、この保存容器は
版胴に挿入されて、シート状の版が版胴に巻き付けられ
る。シート状の版の端部は受容容器内に突入し、それに
よって、カメラのフィルムのようなシート状の版を、印
刷の終了後毎に保存容器から受容容器に引き続き搬送し
て、新たな版を版胴上に設置することができる。しかし
ながら、このような方法および装置のための前提条件
は、シート状の版または同様に提案された版板が、胴の
周りを取り囲むことができるようにフレキシブルである
シート状の帯材として存在することである。質の高い印
刷のために設けられた版板は、プラスチック製版板であ
っても、とくに多くの発行部数や繰り返し使用すること
に適していることが望まれる場合には、過度の剛性を有
している。しかしながら、シート状の版を版胴の周りに
沿って引き出すことは、フレキシブルな薄い版の場合で
も問題である。このような理由から、前記公知の明細書
においてはこの過程のためにエアクッションが提案され
ている。このような提案のその他の欠点は、シート状の
版を取り付けて新しくする際の作業プロセスが集中的で
あること、機械停止時間が長いこと、２つのローラを設
けるために胴内にかなりのスペースが必要であること、
２つのローラが設けられているために中断なしの印刷作
業の回数が制限されること、２つのローラの質量により
アンバランスの問題が生じる、という点である。さら
に、薄いシート状の版は力の影響によって変形するの
で、薄いシート状の版ならびにこの薄いシート状の版の
保持部材では、多色刷りのための高い見当合わせ精度を
得ることはできない。

【０００３】版を版胴に準備して供給するための別の提
案は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９６２３６９
４号明細書に記載されている。この場合、版を受容する
ためのカセットに関するものであって、このカセット内
に版が扁平に支承される。この明細書では版として「シ
ート状の版」について説明されているが、カセット内で
版を扁平に支承するためには版の高い剛性が必要であっ
て、一般的には金属製の版板だけが挿入可能であること
が判明した。大抵の場合プラスチック製、たとえばポリ
エステル製のフレキシブルな版板は、冒頭で述べた方法
もしくは装置のためには硬すぎるものであるが、カセッ
ト内で支承するためには硬さはまだ十分ではない。これ
らの版板はたわんで、かつ案内しにくい。これによっ
て、自動的に版板を版胴に供給する際、ならびに版胴に
緊締する際に問題が生じる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の課
題は、冒頭で述べたような形式の、版板を印刷機の版胴
に準備して供給するための方法および装置を改良して、
質の高い印刷および多い発行部数のためのフレキシブル
な版板を、機械作動中に印刷機に準備することができ、
しかも版胴に簡単かつ確実に供給して緊締することがで
きるようなものを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
の本発明の方法によれば、容器を印刷装置のフレームで
交換可能に位置決めして、版板として形成された版の前
縁部を、版胴として形成された胴の緊締装置によって把
持して、版胴の回転によって該版胴に取り付けるように
した。

【０００６】さらにこの課題を解決するための本発明の
装置によれば、容器が受容装置によって印刷装置のフレ
ームで位置決め可能であって、版板として形成された版
の前縁部が、版胴として形成された胴の緊締装置内に挿
入可能で、版板が版胴を回転させることによって、該版
胴に取り付け可能にした。

【０００７】

【発明の効果】本発明の方法および装置によれば、金属
製版板のような高い剛性を有していない版板を版胴に確
実に供給して、その位置で締め込んで緊締することがで
きる。他方この版板は極めて高い形状安定性を有してい
て、ひいては高品質の大量印刷に適していて、しかも版
板を確実かつ正確に緊締することができるような剛性を
有している。

【０００８】容器は１つのまたは複数の版板を受容する
ように形成することができる。版板はすでにリプロダク
ション(Reproduktion)で完成させて容器内に設置するこ
とができるか、または、容器内に印刷機内で露光するた
めの１つのまたは複数のダイレクト露光版(Direktbelic
htungsplatten)を充填することもできる。１つのまたは
複数の版板が容器内で巻かれて収容されているので、容
器はカセット（このカセット内に版板が扁平に置かれ
る）よりもかなりコンパクトである。これによって、容
器は極めて良好に搬送可能であって、したがって、搬送
容器としても極めて良好に適している。とくに、版板を
すでにリプロダクション装置でできるだけ直接的に露光
機器内において容器内にもたらすことができ、これによ
って、版板は印刷機内で取り出されるまで確実に保護さ
れて、損傷が排除される。別の容器に移し換えたりもし
くは取り出したりする必要はない。ダイレクト露光版の
場合、版板をすでに製造者によって容器にもたらすこと
ができ、これによって、すでに述べた利点も同様に得ら
れる。

【０００９】具体的な実施形態および容器の形状のため
に多くの可能性が存在する。容器は円形、正方形、６角
形またはその他の形状に構成されていてもよい。容器は
比較的強く巻かれた１つの版板を受容するために比較的
小さい直径を有しているか、または、複数の版板やあま
り強くなく巻かれた版板のために大きな直径を有してい
てよい。容器を印刷機に組み込む操作は極めて簡単であ
って、またいつでも、機械の運転中でも行うことができ
る。空の容器を取り出して新たな容器を受容部材に挿入
するだけでよい。この場合、種々異なる版板を取り扱う
ことができ、前縁部だけが緊締される版板、または、高
品質の要求のために前縁部および後縁部が緊締されて、
次いで場合によっては、正確に見当合わせされて版胴上
に整列される版板を取り扱うことができる。この場合、
真っ直ぐなまたは面取りされた後縁部を備えた版板を準
備して、版胴に供給することができる。後者の場合、版
板の後縁部を、公知の形式で圧着ローラによって自動的
に版胴の後縁部緊締装置に挿入することができる。

【００１０】版板が印刷の終了後に版胴から再び容器内
にもたらされるように、方法を改善することができる。
これはとりわけ、容器が１つの版板だけを有している場
合に有利な構成である。容器が複数の版板を有している
場合、１つの版板を印刷の終了後に版胴から受容容器に
供給して、この受容容器内で版板を同様に巻き上げるこ
とができるように構成することができる。この場合、有
利には、受容容器が複数の版板も受容できるようになっ
ている。

【００１１】版板の操作を確実にするために、装置の１
実施形態によれば、版板引き込み時に版板を案内して圧
着する、回転するガイドエレメントが設けられている。
回転するガイドエレメントは２つの支持ローラであっ
て、これらの支持ローラが版板をこれらの縁部領域で版
胴に押しつけるようになっていてよい。これによって、
版板の縁部領域が画面の外側に位置するので、版板は最
大限保護される。また、ガイドエレメントは、版板を版
胴に押しつけるローラでもよい。この場合、版板を保護
して取り扱うために、ローラは複数の弾性的なリングを
間隔を保って備えていてもよい。版板供給のためのガイ
ドエレメントを手動でまたは自動的に係合および係合解
除してもよい。後者の場合、ガイドローラは版板後縁部
を挿入するために、圧着ローラに対して連結解除できる
ように、圧着ローラに機械的に接続されていてよい。

【００１２】容器が軸を有して、この軸が版板後縁部
を、版板が容器から離れるまで保持して案内するように
形成されていてよい。この実施形態の利点は、版板が容
器内でより良好に案内されていて、これによって、版板
をより良好に供給することまたは取り出すことができる
点にある。版板を容器内に取り付ける際に、版板後縁部
を軸内に挿入して、次いで、版板を容器内で巻き上げる
こともできる。しかも、容器の端面が開放可能であっ
て、巻き上げられた版板を備えた軸が容器内に摺動され
るように構成されていてよい。

【００１３】すでに方法に関して述べたように、容器が
版板を受容するために印刷の実行後に使用されるか、ま
たは、別の容器が版板を受容するために印刷の実行後に
使用されるように、装置が構成されていてもよい。この
受容容器内でも１つのまたは複数の版板が巻き上げられ
る。有利には、容器の具体的な構成は、容器が１つの版
板を受容するかまたは複数の版板を受容するかに基づい
ている。

【００１４】版板を印刷の実行後に受容するために、軸
が容器内で版板後縁部を把持し、次いで、版板を容器内
に引き込むようになっていてよい。この目的のために、
軸は駆動装置に接続されている。印刷の終了後に、新た
な版板を準備するためおよび版板を受容するために１つ
の容器だけが設けられる場合、軸はばねに接続されてい
てよく、このばねは版板を取り出す際に緊張され、これ
によって次いで、このばね力によって版板を印刷の終了
後に再び容器に引き戻すことができる。

【００１５】本発明による装置は種々異なる実施例が可
能である。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に図面につき本発明の実施例を
詳しく説明する。

【００１７】図１は、容器１の実施形態ならびに版胴７
に対する配置構成を示している。版板４は巻かれた状態
で容器１内に収容されており、この場合、溝１２を備え
た軸１０は版板後縁部１１を保持している。新たな版板
４を版胴７に供給するために、容器１は印刷装置３に挿
入され、版板４の前縁部５が容器１から引き出される。
次いで、版板４の前縁部５が版胴７の前縁部緊締装置６
に挿入され、緊締される。版胴７は矢印２４の方向に回
転され、この際に、版板４は容器１から引き出され、版
胴７の周りに巻き付けられる。版板４を確実に供給して
版胴７に正確に当接させるために、ガイドエレメント９
が使用され、このガイドエレメント９は矢印１７の方向
で版胴７に対して当接、および当接解除可能である。こ
のガイドエレメント９はたとえばローラとして形成され
ていてよく、このローラは版板４の縁部領域で版板４を
版胴７に押しつけている。版板４が版胴７の周りに巻き
付けられると、版板後縁部１１も容器１から抜け出し、
矢印１６方向に可動である圧着ローラ１５によって後縁
部緊締装置１４に挿入される。この際に、後縁部緊締装
置１４は閉鎖し、版板後縁部１１を確実に把持し、これ
によって、次にわずかな旋回運動によって、版板４が確
実に版胴７に当接するように、版板４を緊締することが
できる。図１には、他にゴム胴１８ならびにインキ着け
ローラ１９の配置が示されている。

【００１８】容器１の別の構成および配置ももちろん可
能であって、たとえば、容器１を圧着ローラ１５の下方
に配置してもよい。真っ直ぐな版板後縁部を備えた版板
４を供給することも可能であるが、この場合、軸１０は
版板後縁部１１のための別の保持装置を備えなければな
らず、これに相応して、後縁部緊締装置１４を同様に別
の形式に構成しなければならない。

【００１９】図２は、印刷装置３のフレーム２内におけ
る容器１の受容部分を示している。また、受容装置８は
印刷装置３のフレーム２の駆動側２２でも操作側２３で
もＵ字形に形成されており、これによって、容器１の両
側に取り付けられているジャーナル２１を受容する。係
止部材２０は、容器１を印刷装置３のフレーム２内で確
実に保持できるように配慮する。

【００２０】図３は、駆動側２２と操作側２３との間に
位置する容器１の支承部を示している。この図では、版
板４の前縁部５が容器１の挿入後に開口部１３から突出
していることも図示されているので、この前縁部５を把
持して、前縁部緊締装置６に挿入することができる。も
ちろん、たとえば装置が前縁部５を部分的に容器１から
引き出すことによって、この段階を自動化することもで
きる。次いで、版胴７を矢印２４とは逆方向に回転させ
ることによって、版板４の前縁部５を、開放している前
縁部緊締装置６に挿入することができる。続いて、前縁
部緊締装置６を閉鎖し、版板４を受容するために、版胴
７が矢印２４の方向に回転する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による装置の実施例を示す断面図であ
る。

【図２】印刷装置のフレーム内における容器の受容部分
を示す部分的な断面図である。

【図３】印刷装置のフレームにおける、駆動側と操作側
との間に位置する容器の支承部を示す図である。

【符号の説明】

１ 容器、 ２ フレーム、 ３ 印刷装置、 ４ 版
板、 ５ 前縁部、６ 緊締装置、 ７ 版胴、 ８
受容装置、 ９ ガイドエレメント、 １０軸、 １１
版板後縁部、 １２ 溝、 １３ 開口部、 １４
後縁部緊締装置、 １５ 圧着ローラ、 １６，１７、
２４ 矢印、 １８ ゴム胴、 １９ インキ着けロー
ラ、 ２０ 係止部材、 ２１ ジャーナル、 ２２
駆動側、 ２３ 操作側

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390009232 Ｋｕｒｆｕｅｒｓｔｅｎ−Ａｎｌａｇｅ 52−60，Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ，Ｆｅｄｅ ｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒ ｍａｎｙ

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 版を印刷機の胴に準備して供給するため
   の方法であって、少なくとも１つの版を容器（１）内で
   巻き上げた状態で準備し、胴に供給するために繰り出す
   ようにする方法において、 容器（１）を印刷装置（３）のフレーム（２）で交換可
   能に位置決めして、版板（４）として形成された版の前
   縁部（５）を、版胴（７）として形成された胴の緊締装
   置（６）によって把持して、版胴（７）の回転によって
   該版胴（７）に取り付けることを特徴とする、版を準備
   して供給するための方法。
2. 【請求項２】 版板（４）を印刷の終了後に版胴（７）
   から再び容器（１）に戻す、請求項１記載の方法。
3. 【請求項３】 版板（４）を印刷の終了後に版胴（７）
   から受容容器に供給する、請求項１記載の方法。
4. 【請求項４】 版を印刷機の胴に準備して供給するため
   の装置であって、少なくとも１つの版を容器（１）内で
   巻き上げた状態で準備し、胴に供給するために繰り出す
   ようにする形式のものにおいて、 容器（１）が受容装置（８）によって印刷装置（３）の
   フレーム（２）で位置決め可能であって、版板（４）と
   して形成された版の前縁部（５）が、版胴（７）として
   形成された胴の緊締装置（６）内に挿入可能で、版板
   （４）が版胴（７）を回転させることによって、該版胴
   （７）に取り付け可能であることを特徴とする、版を準
   備して供給するための装置。
5. 【請求項５】 回転するガイドエレメント（９）が版板
   （４）を版板引き込み時に案内して、圧着する、請求項
   ４記載の装置。
6. 【請求項６】 回転するガイドエレメント（９）が２つ
   の支持ローラであって、これらの支持ローラが版板
   （４）を該版板の縁部領域で版胴（７）に押し付ける、
   請求項５記載の装置。
7. 【請求項７】 ガイドエレメント（９）が１つのローラ
   であって、該ローラが版板（４）を版胴に押し付ける、
   請求項５記載の装置。
8. 【請求項８】 ローラが複数の弾性的なリングを間隔を
   保って備えている、請求項７記載の装置。
9. 【請求項９】 ガイドエレメント（９）が版板供給のた
   めに自動的に係合および係合解除可能である、請求項５
   から８までのいずれか１項記載の装置。
10. 【請求項１０】 容器（１）が軸（１０）を有してお
    り、該軸（１０）は版板後縁部（１１）を版板（４）が
    容器（１）から離れるまで保持して案内する、請求項１
    から９までのいずれか１項記載の装置。
11. 【請求項１１】 容器（１）が印刷の終了後に版板
    （４）を受容するために使用される、請求項１から１０
    までのいずれか１項記載の装置。
12. 【請求項１２】 別の容器が印刷の終了後に版板（４）
    を受容するために使用される、請求項１から１０までの
    いずれか１項記載の装置。
13. 【請求項１３】 版板（４）を容器（１）内に受容する
    ために、軸（１０）が版板後縁部（１１）を把持して、
    容器（１）内に引き戻すようになっている、請求項１１
    または１２記載の装置。
14. 【請求項１４】 軸（１０）が駆動装置に接続されてい
    る、請求項１３記載の装置。
15. 【請求項１５】 軸（１０）がばねに接続されており、
    該ばねが版板（４）を取り出す際に緊張され、このばね
    力によって版板（４）が印刷の終了後に再び容器（１）
    内に引き戻される、請求項１１または１３記載の装置。