JP2000232860A - 高濃度豆乳の製法 - Google Patents

高濃度豆乳の製法

Info

Publication number
JP2000232860A
JP2000232860A JP11035053A JP3505399A JP2000232860A JP 2000232860 A JP2000232860 A JP 2000232860A JP 11035053 A JP11035053 A JP 11035053A JP 3505399 A JP3505399 A JP 3505399A JP 2000232860 A JP2000232860 A JP 2000232860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soymilk
soybean
water
soybeans
soy milk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11035053A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Enomoto
直樹 榎本
Takao Tanida
孝雄 谷田
Masaru Muranaka
勝 村中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKYO TOFU KK
Mizkan Group Corp
Original Assignee
TOKYO TOFU KK
Mizkan Group Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKYO TOFU KK, Mizkan Group Corp filed Critical TOKYO TOFU KK
Priority to JP11035053A priority Critical patent/JP2000232860A/ja
Publication of JP2000232860A publication Critical patent/JP2000232860A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Beans For Foods Or Fodder (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 引き水として大豆もしくは大豆加工品か
ら得られた豆乳を使用する工程を含むことを特徴とする
豆乳の製造方法、該製造方法により得られる豆乳及び該
豆乳を用いて製造された豆腐及び豆腐加工品。 【効果】 本発明により、豆乳の粘度を上昇させること
なく、高濃度豆乳がえられた。この高濃度豆乳を使用す
ることにより大豆本来の甘みと風味と栄養に富み、且
つ、良質な硬さ、保形性があり、食感の滑らかな豆腐を
安価で効率よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、豆乳の新規な製造
方法およびかかる方法により得られる高濃度豆乳に関す
る。この方法により豆乳濃度が濃く、大豆の甘みと風味
と栄養に富み、良質な硬さ、保形性があり、食感の滑ら
かな豆腐を安価で効率よく得ることができる。
【0002】
【従来の技術】一般に豆乳は通常大豆を10〜20℃くらい
の水温の水中に10〜18時間浸漬した後含水した大豆を水
とともに磨砕して生呉を得、これを煮沸することにより
加熱処理し、煮呉とし、煮呉からおからを分離すること
により製造される。
【0003】豆腐は、該豆乳に凝固剤を添加、混合し、
豆乳温度70〜80℃で維持し凝固させ、必要に応じ、崩
し、圧搾、成形、カット、包装等を行う。このような豆
腐の製造工程においては、従来から豆乳濃度を高くしよ
うとすると、煮呉、あるいはおからを除いた豆乳の粘度
が急激に上昇し、その取り扱いが非常に困難となるとい
う問題が知られていた。そこで従来より、豆乳の2次加
工適正を改善するために、豆乳の粘度を下げる試みが行
われてきた。例えば(A)特公昭48−34225 号公報には
大豆より得たる蛋白質分散液のpHを中性に調節し、高
圧ホモジナイザーにて処理する工程と該分散液をパイプ
ライン中で生蒸気を導入し、120 ℃以上10秒間以下の時
間保持し、所定の殺菌、改質を施した後、真空チャンバ
ーに噴出して濃縮する工程の組み合わせににより、低粘
度の該分散液を得る方法が開示されている。また(B)
特開平1−218567号公報には生大豆を磨砕して得た呉汁
を加圧下で間接加熱しつつ乱流を起こして均一に変性さ
せ、分離冷却して得られた豆乳に塩化マグネシウムを添
加し、容器に充填後凝固させ、この際の間接加熱の温度
が 100℃乃至 105℃であり、このとき豆乳濃度が13%以
下で低粘度に保つようにする方法が開示されている。ま
た、(C)特開平10−84904 号公報には、呉乃至豆乳の
加熱処理を90℃〜105 ℃で行うにあたり、この品温に至
らしめる際に60℃から90℃に達するまでの昇温時間を15
0 秒以内とすることで、得られた豆乳のBrixを9 〜15%
の範囲内で、豆乳の20℃における粘度が110cp以下とす
る豆腐の製造方法が開示されている。
【0004】しかしながら、上記(A)の場合は、分散
液をパイプライン上で生蒸気導入により120 ℃以上に加
熱し、10秒以下の時間保持する必要や、その後真空チャ
ンバーにより該分散液を濃縮する必要があり、そのため
の設備が必要である。また濃縮時に豆乳本来の風味も揮
発してしまう。さらにこの方法は、大豆蛋白質製品の殺
菌、消化性向上、性能改善及び製品の安定性向上を目的
としたものであり、豆腐の製造を目的としたものではな
い。また、上記(B)(C)においては豆乳 Brix が9
〜15%であり、豆乳濃度が低かった。
【0005】また、従来特別な装置を使わずに、経験的
に濃い豆乳を製造使用とする場合は大豆の引き水を減ら
すことが考えられるが、引き水を減らすだけでは、著し
く粘度が上昇したり、擦り水を減らしたことにより、不
溶性繊維などのいわゆるおからの割合が多くなり、炊き
むらができたり、おからから豆乳が搾れなくなり、歩留
まりが極端に落ちるなどの問題があった。
【0006】また、従来の技術として、搾ったおからに
再度加水して豆乳を抽出し、このおからから搾った豆乳
を引き水に用いることが知られている((株)フードジ
ャーナル発行、渡辺篤二監修「やさしい豆腐の科学」、
p37〜38、1990年3月15日)。しかし、おからから再度
抽出した豆乳は雑味や渋味が強くなり、好ましくないと
されおり、また、それはブリックスが低く、高濃度の豆
乳を得ることが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大が
かりな装置や設備を必要とせず、豆乳濃度がきわめて高
く、粘度が著しく低く抑えられた豆乳を製造する方法、
かかる方法により製造された豆乳を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意研究を行った結果、濃い豆乳を得る
ために、呉からおからを分離した生豆乳あるいは加熱処
理した豆乳を1次豆乳として、これを引き水に使用し、
豆乳濃度の濃い2次豆乳を調製する方法を試み、この手
法をとることにより、1度に高濃度の豆乳を調製するの
に比べ、2次豆乳の粘度を下げることができる上に、2
次豆乳を調製するときのおからの割合が低くなることに
より、おからの分離が容易になることがわかり、本発明
を完成するに至った。さらに、大豆や大豆加工製品をカ
ルシウム系凝固剤および/またはマグネシウム系凝固剤
の存在下に摩砕する工程を加えることにより、さらに豆
乳の粘度を下げることができ、また豆乳を高圧ホモゲナ
イザー処理する工程を加えることにより豆乳濃度がきわ
めて高く、低粘度で高品質な豆乳をえることができた。
すなわち、本発明は、引き水として大豆もしくは大豆加
工品から得られた豆乳を使用する工程を含むことを特徴
とする豆乳の製造方法にある。上記豆乳はBrixが15%以
上17.5%以下の範囲にあるものである。
【0009】さらに、本発明は、引き水として大豆もし
くは大豆加工品から得られた豆乳を使用する工程および
大豆もしくは大豆加工品をカルシウム塩および/または
マグネシウム塩からなる凝固剤の存在下に摩砕する工程
を含むことを特徴とする豆乳の製造方法にある。さら
に、本発明は、上記豆乳の製法において、豆乳をさらに
100 から900 kg/cm2の高圧ホモゲナイザ処理する工程を
含む豆乳の製造方法にある。さらに、本発明は、上記各
方法により得られる豆乳にある。さらに、本発明は、上
記各方法により得られる豆乳を用いて製造される豆腐並
びに豆腐加工品にある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
Brixが15.0%以上17.5%以下の高濃度な豆乳を調製する
場合、経験的に引き水を減らすことが考えられるが、引
き水を減らすだけでは、著しく粘度が上昇したり、擦り
水を減らしたことにより、不溶性繊維などのいわゆるお
からの割合が多くなり、炊きむらができたり、おからか
ら豆乳が搾れなくなり、歩留まりが極端に落ちるなどの
問題が生じる。その場合、引き水として豆乳を使用する
ことにより、この問題が解決でき、高濃度な豆乳が得ら
れることがわかった。
【0011】本発明の方法においては、まず大豆から常
法により豆乳を調製し、おからから分離して、第1次豆
乳を得る。このときの1次豆乳は加熱処理してなくても
かまわないが、未加熱処理の1次豆乳は糖分の抽出が低
いため加熱処理した1次豆乳のほうが好ましい。また、
1次豆乳の加熱処理は、通常通りでも構わないが、通常
の加熱よりやや短めにすることが望ましい。さらに、1
次豆乳の濃度としてはBrixで 5〜14%の範囲であ
り、濃い豆乳を希釈して用いてもよい。しかし、濃度が
薄いと2次豆乳を製造する際、上記のような高濃度とす
るためには、生大豆の量が増え、それに比例しておから
の割合も増すため、2次豆乳の歩留まりが低下する。従
って、1次豆乳の濃度範囲は好ましくは 9〜12%であ
る。しかし、この範囲以外でも、豆乳の歩留等を犠牲に
すれば高濃度な豆乳は得られる。さらに、1次豆乳を調
製する際の摩砕工程において、カルシウム系凝固剤およ
び/またはマグネシウム系凝固剤を後記の要領にて添加
しても良いが1次豆乳の粘度が十分に低ければ、添加し
なくても良い。
【0012】次に、この1次豆乳を引き水として使用し
て2次豆乳製造用の大豆を磨砕する工程に移る。なお、
1次豆乳は引き水の全部としてあるいはその一部として
使用してもよい。この際に、2次豆乳の最終pHを6.8
〜7.1になるように調製しつつ、カルシウム系凝固剤お
よび/ またはマグネシウム系凝固剤を後記の要領にて適
量添加した方が2次豆乳の粘度が低下するので好まし
い。そして、得られた該2次豆乳に対してこれを高圧ホ
モジナイザーを用いて 100〜900 kg/cm2で1度以上処理
することで、2次豆乳の豆乳濃度が15.0%以上17.5%以
下の高濃度でかつ低粘度な豆乳を得る。
【0013】1次豆乳、2次豆乳の調製に使用する大豆
は、丸大豆、脱皮大豆、脱脂大豆を問わず、いかなる品
種・形態の大豆であってもかまわない。また、大豆加工
品としてはフレーク大豆、大豆粉末、豆乳粉末などが挙
げられる。上記大豆を摩砕する工程で添加するカルシウ
ム塩および/またはマグネシウム塩からなる凝固剤の添
加量は、生大豆 100gに対してカルシウムイオンおよび
/またはマグネシウムイオンのモル数換算で0.3〜5.0(m
mol/100g)好ましくは0.6〜4.3(mmol/100g)である。
【0014】さらに具体的には、例えば、硫酸カルシウ
ム(CaSO4・2 H2O)の場合でいえば、生大豆に対して0.0
5〜0.86%(w/w)、好ましくは、0.1 〜0.74%(w/
w)、塩化マグネシウム(MgCl2・6 H2O )では、生大豆
に対して0.06〜1.0 %(w/w)、好ましくは、0.12〜0.8
7%(w/w)である。この範囲より少ないと粘度を下げる
効果が得られず、多いと本来の凝固剤としての効果が強
くなり、逆に粘度を上昇させることとなる。このような
ことから、カルシウム系凝固剤やマグネシウム系凝固剤
を添加しすぎると豆乳の粘度は急激に上昇するので添加
量には十分注意する必要がある。この添加条件は大豆の
品種や品質により多少異なるため、大豆の品種や品質に
より粘度が低下する最適条件を検討することが好まし
い。
【0015】上記カルシウム系凝固剤としては塩化カル
シウム、硫酸カルシウム及びこれらの含有物が最も好ま
しいが、豆乳に対して凝固作用のあるグルコン酸カルシ
ウム、リン酸二水素カルシウム、ピロリン酸二水素カル
シウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム塩等の食品添
加物でも良い。またマグネシウム系凝固剤としては塩化
マグネシウム、硫酸マグネシウム及びこれらの含有物が
挙げられるが、豆乳に対して凝固作用のあるマグネシウ
ム塩で食品添加物として認められているものであればい
ずれでもよい。
【0016】また、上記凝固剤の添加により豆乳のpH
は下がる方向に向かうため、豆乳の最終pHが6.7 以上
7.2未満好ましくは6.8以上7.1以下になるように調整す
ることが好ましい。この範囲を越えるようであれば、p
Hが下がるのを防ぐため、食品添加物として認められる
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウムや、水酸化物等を加えてpHを上
記範囲内に調整する。
【0017】また、豆乳を高圧ホモゲナイザー処理は、
GAULIN製高圧ホモゲナイザーを用いて、温度 5℃程度、
100から900 kg/cm2で行った。100 kg/cm2以下では豆乳
の粘度効果が期待できず、900kg/cm2 以上では豆腐にし
たときにねちゃつくなどの食感低下がおこり好ましくな
い。この工程を加えることによりさらに豆乳濃度が高
く、低粘度で高品質な豆乳をえることができる。以上の
方法で得られた高濃度豆乳を用いて豆腐を製造すると品
質の良い高濃度に成分を含有する優れた豆腐が得られ、
また、このような豆腐を用いた優れた豆腐加工品(油
揚、生揚、がんもどき、やくどうふなど)を製造するこ
とができる。
【0018】
【実施例】次に実施例にもとづいて本発明を具体的に説
明する。ただし、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲を限定するものではない。 〔実施例1〕通常搾りと2度搾りの比較(その1) (1)通常絞り 生大豆(米国産大豆)10 kgを水洗後、12℃で18時間水
に浸漬し、浸漬水を切り、加水しながら、浸漬大豆を磨
砕して呉を得た。この摩砕時、消泡剤 70g添加し、加水
量は生大豆に対して4.0倍と通常よりも減らした。摩砕
終了後、呉を加熱攪拌しながら煮呉を調製し、その後、
おからをドラム式圧搾分離器で分離したが、豆乳が搾り
にくく収率が悪く、得られる豆乳は9kgであった。
【0019】(2)1次豆乳調製 生大豆(米国産大豆)10kgを水洗後、12℃で18時間水に
浸漬し、浸漬水を切り、加水しながら、浸漬大豆を磨砕
して呉を得た。この摩砕時、消泡剤70g 添加し且つ加水
量は生大豆に対して5.5倍で行なった。呉を加熱攪拌し
ながら、煮呉を調製し、おからをドラム式圧搾分離器で
分離し、冷却して1次豆乳を50kg得た。
【0020】(3)2次豆乳調製 次に、この1次豆乳 22 kg(生大豆約 4kgから調製され
たものに相当する)を引き水の代わりに用い、あらかじ
め12℃で18時間水に浸漬しておいた生大豆 6kg分を摩砕
した。この時、大豆の吸水量が7.3 kg、引き水10.7kgと
1次豆乳22kgを使用した。また、この摩砕時、消泡剤48
g を添加した。摩砕終了後、呉を加熱攪拌しながら、煮
呉を調製し、その後、おからをドラム式圧搾分離器で分
離して豆乳30kgを得た。
【0021】以上3種類の豆乳について、豆乳品質試験
を実施し、結果を次の表1に示した。この結果はpH、
豆乳Brix(%)及び収率のデーターにより示した。なお、
豆乳の粘度は20℃における最大粘度をB型粘度計を用い
て測定し、豆乳Brix(%)はATAGO SM−20E豆乳濃度計を
用いて測定した。なお、上記豆乳調製に用いる消泡剤は
モノグリセライドが主成分であり、市販品のアゲペット
(理研ビタミン(株))を使用した。
【0022】
【表1】
【0023】試験区(1)で得られた豆乳よりも試験区
(3)で得られた豆乳のほうが、豆乳のBrixが高く、高
濃度であるにもかかわらず、粘度が低く豆乳の収率も比
較的良好であり、引き水に豆乳を使用した効果が認めら
れた。
【0024】〔実施例2〕通常搾りと2度搾りの比較
(その2) (4)通常絞り 生大豆(米国産大豆)10 kgを水洗後、12℃で18時間水
に浸漬し、浸漬水を切り、加水しながら、浸漬大豆を磨
砕して呉を得た。この摩砕時、消泡剤+水酸化ナトリウ
ム(0.15g/生大豆100g)+硫酸カルシウム(カルシウムイオン
換算で1.7(mmol/100g))添加し、加水量は生大豆に対し
て、4.0倍加水まで減らした。呉を加熱攪拌しながら、
煮呉を調製し、おからをドラム式圧搾分離器で分離して
豆乳が搾れず、得られた豆乳は12kgであった。これを5
℃まで冷却しゴーリン高圧ホモジナイザーにて400kg/cm
2 で処理し、冷却豆乳とした。
【0025】(5)1次豆乳調製 生大豆(米国産大豆)10kgを水洗後、12℃で18時間水に
浸漬し、浸漬水を切り、加水しながら、浸漬大豆を磨砕
して呉を得た。この摩砕時、消泡剤+水酸化ナトリウム
(0.15g/生大豆100g)+硫酸カルシウム(カルシウムイ
オン換算で1.7(mmol/100g))添加し、加水量は生大豆に
対して、5.5倍加水で行なった。呉を加熱攪拌しなが
ら、煮呉を調製し、おからをドラム式圧搾分離器で分離
して冷却し、1次豆乳を約50kg得た。
【0026】(6)2次豆乳調製 次に、この1次豆乳 22 kg(生大豆約 4kg相当)を引き
水の代わりに用い、あらかじめ浸漬しておいた大豆 6kg
を摩砕した。この時、大豆の吸水量が7.32kg、引き水
10.68kgと1次豆乳22kgを使用した。また、この摩砕
時、消泡剤、水酸化ナトリウム(0.15g/生大豆100g)及
び硫酸カルシウム(カルシウムイオン換算で1.7(mmol/100
g))添加し、呉を加熱攪拌しながら、煮呉を調製し、お
からをドラム式圧搾分離器で分離して豆乳32kgであっ
た。これを5℃まで冷却しゴーリン高圧ホモジナイザー
にて400 kg/cm2 で処理し、冷却豆乳とした。
【0027】次の表2にこれら豆乳の豆乳品質試験の結
果を示した。この結果はpH、Brix(%)及び粘度(CP)のデ
ーターにより示した。なお、豆乳の粘度は20℃における
最大粘度をB型粘度計を用いて測定した。また、豆乳Br
ix(%)は、ATAGO SM−20E豆乳濃度計を用いて測定し
た。またここで用いる消泡剤はモノグリセライドが主成
分である。この市販品としてはエマルジースーパー(理
研ビタミン(株))等が挙げられ、その使用量は30gで
ある。
【0028】
【表2】
【0029】試験区(4)(対照区)で選らばれた豆乳
より本発明区(6)で得られた高濃度の豆乳のほうが、
豆乳の収率も非常に高く、粘度も低かった。次に試験区
(4)(対照区)及び本発明区(6)の冷却豆乳100 部
に対して、塩化マグネシウム0.4 部を少量の水に溶解
し、添加し、かき混ぜ、豆乳を80℃まで加熱して、凝固
させて、豆腐を製造した。試験区(4)の豆腐はボソボ
ソした食感であり、豆腐の離水も多かった。本発明区
(6)は(4)に比ベると滑らかであり、離水も見た目
にも明らかに少なかった。
【0030】〔実施例3〕 (7)1次豆乳調製 生大豆(米国産大豆)250gを水洗後、12℃で18時間水
に浸漬し、浸漬水を切り、加水しながら、浸漬大豆を磨
砕して呉を得た。この摩砕時、消泡剤+炭酸ナトリウム
(0.45g/生大豆100g)+硫酸カルシウム(カルシウムイオン換
算で1.7(mmol/100g))添加し、加水量は生大豆に対し
て、5.5倍加水で行なった。呉を加熱攪拌しながら、煮
呉を調製し、おからを圧搾分離器で分離して冷却し、1
次豆乳を得た。
【0031】(8)2次豆乳調製 次に、この1次豆乳957g(生大豆174g相当)を引き水
の代わりに用い、あらかじめ浸漬しておいた大豆260g
を摩砕した。この時、大豆の吸水量が307g、引き水472
gと1次豆乳957gであった。また、この摩砕時、消泡
剤+炭酸ナトリウム(0.45g/生大豆100g)+硫酸カルシ
ウム(カルシウムイオン換算で0.0〜1.7(mmol/100g))添加
し、呉を加熱攪拌しながら、煮呉を調製し、おからを圧
搾分離器で分離して豆乳を得た(試験区(7)〜(1
1))。これらを冷却した。
【0032】次の表3にこれら豆乳の豆乳品質試験の結
果を示した。この結果はpH、Brix(%)及び粘度(CP)のデ
ーターにより示した。なお、豆乳の粘度は20℃における
最大粘度をB型粘度計を用いて測定した。また、豆乳Br
ix(%)は、ATAGO SM−20E豆乳濃度計を用いて測定し
た。また、ここで消泡剤としてはエマルジ−スーパー
(理研ビタミン(株))を使用。その使用量は1.5gであ
る。
【0033】
【表3】
【0034】硫酸カルシウム無添加の豆乳(7)と比
べ、(8)〜(11)で硫酸カルシウムを添加するとp
Hが下がるにも関わらず0.6〜1.7mmol/100g の間では粘
度が下がることが認められた。
【0035】〔実施例4〕 (12)1次豆乳調製 生大豆(米国産大豆)10kgを水洗後、12℃で18時間水
に浸漬し、浸漬水を切り、加水しながら、浸漬大豆を磨
砕して呉を得た。この摩砕時、消泡剤 1.3%〔モノグリ
セリドを主成分とするクレトンNS (花王(株)) 及びク
レトンワイド (花王(株)) とアゲペット( 理研ビタミ
ン(株)) の混合品〕を添加し、加水量は生大豆に対し
て、5.4倍加水で行なった。呉を加熱攪拌しながら、煮
呉を調製し、おからをドラム式圧搾分離器で分離して冷
却し、1次豆乳を約50kg得た。
【0036】(13)2次豆乳調製 次に、この1次豆乳26kgを引き水の代わりに用い、あら
かじめ浸漬しておいた脱皮大豆(米国産)8 kgを摩砕し
た。この時、大豆の吸水量が9.5kg、引き水12.5kgと
1次豆乳26kgで摩砕した(トータルで約3.8倍加水)。
また、この摩砕時、消泡剤0.5 %(エマルジースーパ
ー)+水酸化ナトリウム(0.15g/生大豆100g)+硫酸カ
ルシウム(カルシウムイオン換算で1.2(mmol/100g))添加
し、呉を加熱攪拌しながら、煮呉を調製し、おからをド
ラム式圧搾分離器で分離して豆乳38kgを得た。これを5
℃まで冷却しゴーリン高圧ホモジナイザーにて試験区
(12)は100 kg/cm2、試験区(13)400 kg/cm2で処
理し、冷却豆乳とした。表4にこれら豆乳の豆乳品質試
験の結果を示した。この結果はpH、Brix(%)及び粘度(C
P)のデーターにより示した。
【0037】
【表4】
【0038】次に試験区(12)及び(13)の冷却豆
乳100 部に対して、塩化マグシウム0.4 部を少量の水に
溶解し、添加し、かき混ぜ、豆乳を80℃まで加熱して、
凝固させて、豆腐を製造した。豆腐は試験区(12)
(13)とも非常に甘味とコクがあり、食感も滑らか
で、保形性も高く、高品質な豆腐であった。
【0039】なお比較例として生大豆(米国産大豆)10
kgを水洗後、12℃で18時間水に浸漬し、浸漬水を切り、
加水しながら、浸漬大豆を磨砕して呉を得た。この摩砕
時、消泡剤 1.3%(クレトンワイド+アゲペット+クレト
ンワイドの混合品)を添加し、加水量は生大豆に対し
て、3.8倍加水で行なった。呉を加熱攪拌しながら、煮
呉を調製し、煮呉をドラム式圧搾分離器までポンプ輸送
で送ろうとしたが粘度が高すぎて送れず豆乳は調製でき
なかった。
【0040】
【発明の効果】本発明により、豆乳の粘度を上昇させる
ことなく、高濃度豆乳がえられた。この高濃度豆乳を使
用することにより大豆本来の甘みと風味と栄養に富み、
且つ、良質な硬さ、保形性があり、食感の滑らかな豆腐
を安価で効率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村中 勝 愛知県半田市桐ヶ丘4−18−4 Fターム(参考) 4B020 LB02 LB18 LC04 LG01 LK02 LP08 LQ03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引き水として大豆もしくは大豆加工品か
    ら得られた豆乳を使用する工程を含むことを特徴とする
    豆乳の製造方法。
  2. 【請求項2】 豆乳の Brix が15.0%以上17.5%以下で
    ある請求項1記載の豆乳の製造方法。
  3. 【請求項3】 引き水として大豆もしくは大豆加工品か
    ら得られた豆乳を使用する工程および大豆もしくは大豆
    加工品をカルシウム塩および/またはマグネシウム塩か
    らなる凝固剤の存在下に摩砕する工程を含むことを特徴
    とする豆乳の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の豆乳の製法におい
    て、豆乳をさらに 100から 900 kg/cm2の高圧ホモゲナ
    イザ処理する工程を含む豆乳の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載の方法により得られ
    る豆乳。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の豆乳を用いて製造された
    豆腐及び豆腐加工品。
JP11035053A 1999-02-12 1999-02-12 高濃度豆乳の製法 Pending JP2000232860A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11035053A JP2000232860A (ja) 1999-02-12 1999-02-12 高濃度豆乳の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11035053A JP2000232860A (ja) 1999-02-12 1999-02-12 高濃度豆乳の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000232860A true JP2000232860A (ja) 2000-08-29

Family

ID=12431307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11035053A Pending JP2000232860A (ja) 1999-02-12 1999-02-12 高濃度豆乳の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000232860A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007129911A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Tajimaya Shokuhin Kk 厚揚げの製造方法
WO2020208734A1 (ja) * 2019-04-10 2020-10-15 株式会社Mizkan Holdings 植物性タンパク質含有液状組成物及びその製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4930564A (ja) * 1972-07-20 1974-03-19
JPS61119154A (ja) * 1984-11-16 1986-06-06 World Food Kk 高脂肪含有全粒豆乳の製造方法
JPS6324868A (ja) * 1986-07-17 1988-02-02 Asahi Chem Ind Co Ltd 濃厚豆乳の製造法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4930564A (ja) * 1972-07-20 1974-03-19
JPS61119154A (ja) * 1984-11-16 1986-06-06 World Food Kk 高脂肪含有全粒豆乳の製造方法
JPS6324868A (ja) * 1986-07-17 1988-02-02 Asahi Chem Ind Co Ltd 濃厚豆乳の製造法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007129911A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Tajimaya Shokuhin Kk 厚揚げの製造方法
WO2020208734A1 (ja) * 2019-04-10 2020-10-15 株式会社Mizkan Holdings 植物性タンパク質含有液状組成物及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3414270B2 (ja) 豆乳の製造方法
JP5805171B2 (ja) 高濃度豆乳を用いた硬度及び弾力性が増大した豆腐及びその製造方法
KR101769672B1 (ko) 천연 해수만을 이용한 두부 대량 제조방법
CN105767209A (zh) 一种芥末味红枣养颜豆干及其制备方法
CN107183210A (zh) 一种豆干的制作方法
CN105815457A (zh) 一种豆腐的制备方法
KR890002395B1 (ko) 두부 제조방법
KR101195517B1 (ko) 두부 제조방법
JP2000232860A (ja) 高濃度豆乳の製法
JPH0787918A (ja) 油揚げの製造法
US11324242B2 (en) Method for preparing tofu by using freeze coagulation
US4585665A (en) Process for preparing pressed tofu
JP3210867B2 (ja) 豆腐の製造方法
JPH10127248A (ja) 高濃度豆乳による油揚げの製造方法
JPS62262961A (ja) 豆腐の製造方法
KR100774912B1 (ko) 속효성 응고제의 응고 지연 방법 및 그 방법을 이용한두부의 제조방법
JP2000232859A (ja) 豆乳の製造方法
JPS5939108B2 (ja) 豆腐の製造法
JPH072102B2 (ja) 揚物用生地の製造方法
JPH0369496B2 (ja)
CN1636461A (zh) 生榨杀菌豆奶
JP3296774B2 (ja) 豆乳凝固物の製造方法
US3411920A (en) Process for the manufacture of cottage cheese
JPH0151989B2 (ja)
JP2017108700A (ja) 油揚げ製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060620

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061017