JP2000232359A - 逐次比較a/d変換器 - Google Patents

逐次比較a/d変換器

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JP2000232359A
JP2000232359A JP11032828A JP3282899A JP2000232359A JP 2000232359 A JP2000232359 A JP 2000232359A JP 11032828 A JP11032828 A JP 11032828A JP 3282899 A JP3282899 A JP 3282899A JP 2000232359 A JP2000232359 A JP 2000232359A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電荷再分配型の逐次比較A/D変換器におい
て、逐次比較動作時に、荷重容量回路からの電荷抜け及
び電荷の誤注入を発生させることなくA/D変換を行う
ことができ、しかも、A/D変換を高速に行うことがで
きるようにする。 【解決手段】 荷重容量回路内の全コンデンサに、アナ
ログ入力信号Vinと基準電位Vref との電位差に対応
した電荷を充電し(サンプリング)、その後、各コンデ
ンサの開放端への接続先を正極側電源線AVDD及び負
極側電源線AVSSのいずれにするかを、容量の大きい
コンデンサから順に確定してゆく逐次比較制御を行い、
VinのA/D変換値を求めるA/D変換器において、
サンプリング動作の前に、Vinが、電源線AVDD−
AVSS間の中間電位Voよりも大きいか否かを判定
し、その判定結果に基づき、Vin>Voであれば、基
準電位Vref を中間電位Voよりも高い第1電位VHに
設定し、Vin≦Voであれば、基準電位Vref を中間
電位Voよりも低い高い第2電位VLに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電荷再分配型の逐
次比較A/D変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、逐次比較A/D変換器の一つ
として、荷重容量回路を備えた電荷再分配型のA/D変
換器が知られている。荷重容量回路は、nビットのデジ
タル値を得る際には、n+1個の容量素子(コンデン
サ)にて構成される。そして、図9(a)に例示するよ
うに、これらn+1個のコンデンサは、一端が互いに接
続されており、その内、n個(図では3個)のコンデン
サ52,54,56の容量が、基準容量Cを2の累乗値
(20 ,21 ,22 )にて重み付けした容量C,2C,
4Cに設定され、残りのコンデンサ50の容量が基準容
量Cに設定される。
【0003】また、荷重容量回路において、各コンデン
サ50〜56の接続点は、オペアンプ等からなる比較器
(コンパレータ)62の反転入力端子(−)に接続さ
れ、各コンデンサ50〜56の接続点とは反対側の開放
端は、夫々、CMOSトランジスタ等のスイッチング素
子からなる切換部64を介して、入力線INPUTを介
して入力されるアナログ入力信号Vin、正の電源線A
VDDを介して供給される直流電源の正極側電位Vd
d、及び、負の電源線AVSSを介して供給される直流
電源の負極側電位(一般にグランド電位)GNDの一つ
を選択的に印加できるようにされる。
【0004】一方、コンパレータ62の非反転入力端子
(+)には、基準電位Vref が印加されており、更に、
コンパレータ62の非反転入力端子と反転入力端子との
間には、これら端子間を導通・遮断するためのアナログ
スイッチSW1が設けられる。
【0005】そして、こうした荷重容量回路を備えた電
荷再分配型の逐次比較A/D変換器では、図示しないコ
ントローラによる制御の下に、以下の手順で、アナログ
入力信号Vinをデジタル値に変換する。即ち、図9
(b)に示す如く、まずアナログスイッチSW1をオン
して、コンパレータ62の非反転入力端子(延いては各
コンデンサの接続点)に反転入力端子側の基準電位Vre
f を印加し、切換部64を介して、各コンデンサ50〜
56の開放端にアナログ入力信号Vinを印加すること
により、荷重容量回路内の全コンデンサ50〜56に、
アナログ入力信号Vinと基準電位Vref との電位差
(Vin−Vref )に対応した電荷を蓄積させる、サン
プリング動作を行う。
【0006】次に、このサンプリング動作が完了する
と、アナログスイッチSW1をオフして、各コンデンサ
50〜56の接続点への基準電位Vref の印加を遮断す
る。そして、荷重容量回路において容量が2の累乗値に
て重み付けされたn個のコンデンサ52,54,56に
対して、容量が最も大きいコンデンサ56側から順に対
象となるコンデンサを変更しつつ、対象となるコンデン
サ56(54,52)の開放端に正の電源線AVDD
(電位Vdd)を接続し、接続先が未確定のコンデンサ
54,52,50の開放端に負の電源線AVSS(電位
GND)を接続することにより、各コンデンサ50に蓄
積された電荷の再分配を行い、そのとき得られるコンパ
レータ62からの出力信号に基づき、各コンデンサ50
〜56の接続点電位Vcが基準電位Vref に近づくよう
に、対象となるコンデンサ56(54,52)の開放端
への接続先(換言すれば開放端の電位)を、正の電源線
AVDD(電位Vdd)及び負の電源線AVSS(電位
GND)のいずれかに確定してゆく、逐次比較動作を行
う。
【0007】ここで、逐次比較動作時のコンデンサ50
〜56の接続点電圧Vcは、荷重容量回路を構成するn
+1個のコンデンサ50〜56の総容量を「2n
C」、開放端が正の電源線AVDDに接続されるコンデ
ンサの容量を「x・C」とすると、次式で表すことがで
きる。
【0008】Vc=−(Vin−Vref )+Vdd(x
・C/2n ・C) そして、逐次比較動作では、接続点電位Vcが基準電位
Vref よりも低く、コンパレータ62からの出力がHigh
レベルとなる場合には、対象となるコンデンサ56(5
4,52)の開放端への接続先を、電位Vddの正の電
源線AVDDに確定し、接続点電位Vcが基準電位Vre
f 以上で、コンパレータ62からの出力がLow レベルと
なる場合には、対象となるコンデンサ56(54,5
2)の開放端への接続先を、電位GNDの負の電源線A
VSSに確定する。
【0009】尚、逐次比較動作は、荷重容量回路におい
て容量が2の累乗値にて重み付けされたn個のコンデン
サ56,54,52に対してのみ順に実行されるため、
残りのコンデンサ50の開放端には、常に、直流電源の
負極側電位GNDが印加されることになる。また、基準
電位Vref は、通常、電源線AVDD−AVSS間の中
心の電位に設定され、例えば、電源電圧が5Vであれ
ば、2.5Vとなる。
【0010】そして、この逐次比較動作によってn個の
コンデンサ56,54,52の開放端への印加電位が確
定すると、開放端が正の電源線AVDDに接続されたコ
ンデンサを値「1」、開放端が負の電源線AVSSに接
続されたコンデンサを値「0」として、最大容量(この
場合4C)のコンデンサ56を最上位ビット(MS
B)、最小容量(基準容量C)のコンデンサ52を最下
位ビット(LSB)とするnビットのデジタル値を生成
し、これをアナログ入力信号VinのA/D変換値とし
て出力する。
【0011】このように、従来の電荷再分配型逐次比較
A/D変換器では、サンプリング動作によって、アナロ
グスイッチSW1をオン状態にして、荷重容量回路を構
成する各コンデンサ50〜56に、アナログ入力信号V
inと基準電位Vref との電位差に応じた電荷Q(図9
のものでは、Q=8C(Vin−Vref )となる)を蓄
積させ、その後、アナログスイッチSW1をオフ状態に
切り換えた後、逐次比較動作によって、各コンデンサ5
2〜56の開放端への接続先(換言すれば開放端の電
位)を、容量の大きいコンデンサ56側(換言すればM
SB側)から順に確定してゆくことにより、アナログ入
力信号Vinに対応したnビットのデジタル値を生成す
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
逐次比較A/D変換器において、5Vの直流電源を用い
て、アナログ入力信号Vinを0Vから5Vまで変化さ
せた場合、逐次比較動作によるMSB確定時の接続点電
圧Vcは、本来、図10に実線で示すように、アナログ
入力信号Vinに応じて、5Vから0Vまで変化する。
【0013】つまり、例えば、図9(a)に示した荷重
容量回路を備えたA/D変換器の場合、MSB確定のた
めの逐次比較動作時には、切換部64を介して、容量4
Cのコンデンサ56の開放端が正の電源線AVDD(電
位5V)に接続され、残りのコンデンサ50〜54の開
放端が負の電源線AVSS(電位0V)に接続されるこ
とから、各コンデンサ50〜56の接続点電位Vcは、 Vc=−(Vin−Vref )+Vdd(4C/8C) =−(Vin−2.5)+2.5 となり、アナログ入力信号Vinが0Vのときには、V
c=5V、アナログ入力信号Vinが5Vのときには、
Vc=0Vとなる。
【0014】しかしながら、実際には、MSB確定のた
めの逐次比較動作時に、切換部64を介して各コンデン
サ50〜56の開放端を電源線AVDD又はAVSSに
接続すると、配線のインピーダンスや切換部64内で発
生したスイッチングノイズ等によって、接続点電位Vc
が5Vを越えるオーバーシュートや、接続点電位Vcが
0Vを下回るアンダーシュートが発生することがある。
【0015】そして、こうしたオーバーシュートやアン
ダーシュートが発生すると、コンパレータ62の入力端
子間に設けられたアナログスイッチSW1によって、各
コンデンサ50〜56の接続点から電荷が抜けたり、逆
に接続点に電荷が誤注入(ミスチャージ)されてしまう
ことがある。
【0016】即ち、電荷再分配型逐次比較A/D変換器
において、アナログスイッチSW1(切換部64内のス
イッチング素子も同じである)は、通常、図11(a)
に示す如ように、PチャネルMOSFET(PchT
r)とNチャネルMOSFET(NchTr)とにより
構成され、一方のFET(図ではPchTr)には、図
示しないコントローラからの切換信号を直接入力し、他
方のFET(図ではNchTr)には切換信号をインバ
ータINVを介して入力することにより、そのオン・オ
フ状態を切り換えるようにしている。
【0017】また、図11(b)に示す如く、PchT
r及びNchTrは、夫々、半導体基板の表面に拡散形
成されたNウェル及びPウェルの中に夫々形成されてお
り、しかも、PchTrが形成されるNウェルには、P
chTrと基板とを電気的に絶縁するためのバックゲー
ト72が形成され、NchTrが形成されるPウェルに
は、NchTrと基板とを電気的に絶縁するためのバッ
クゲート74が形成されている。そして、PchTr及
びNchTrのソースには、接続点電位Vcが印加さ
れ、PchTr及びNchTrのソドレインには、基準
電位Vref が印加され、PchTr側のバックゲート7
2には、電源電圧Vdd(5V)が印加され、NchT
r側のバックゲート74はグランド(0V)に接地され
る。
【0018】このため、上記のように、MSB確定のた
めの逐次比較動作時に、接続点電位Vcが5Vを越える
オーバーシュートが発生すると、PchTrのソースか
らバックゲート72へと電流が流れ、サンプリング動作
時にコンデンサ50〜56に蓄積された電荷の一部が抜
けてしまい、逆に、接続点電位Vcが0Vを下回るアン
ダーシュートが発生すると、バックゲート72が接地さ
れたグランド側からNchTrのソースへと電流が流
れ、コンデンサ50〜56がミスチャージされることに
なる。
【0019】また、こうした電荷抜けやミスチャージ
は、切換部64において、MSBのコンデンサ56を正
の電源線AVDDへ接続するスイッチング素子の応答速
度と、他のコンデンサ50〜54を負の電源線AVSS
へ接続するスイッチング素子の応答速度との違いによっ
ても発生する。
【0020】つまり、切換部64において、正の電源線
AVDD側への切換が、負の電源線AVSSへの接続よ
りも早く行われると、接続点電位Vcは、図10に点線
で示す如く「Vc=−2(Vin−Vref )」となり、
アナログ入力信号Vinが、2.5V<Vin≦5Vで
あるとき、接続点電位Vcが電源線AVSSの電位(グ
ランド電位)GNDよりも低い負電位(換言すればアン
ダーシュート)となって、ミスチャージ(電荷誤注入)
が発生する。
【0021】また、逆に、負の電源線AVSS側への切
換が、正の電源線AVDDへの接続よりも早く行われる
と、接続点電位Vcは、図10に一点鎖線で示す如く
「Vc=Vdd−2(Vin−Vref )」となり、アナ
ログ入力信号Vinが、0≦Vin<2.5であると
き、接続点電位Vcが電源線AVDDの電位(電源電
圧)Vddよりも高い高電位(換言すればオーバーシュ
ート)となって、電荷抜けが発生する。
【0022】そして、このように電荷抜けやミスチャー
ジが発生すると、その後の逐次比較動作によって、アナ
ログ入力信号を正常にA/D変換することができなくな
り、A/D変換精度が低下する。そこで、従来では、電
荷再分配型逐次比較A/D変換器において、こうした電
荷抜けやミスチャージを発生させることなく、良好なA
/D変換を行うことができるようにするために、最上位
ビットMSB用のコンデンサを、荷重容量回路を構成す
る全コンデンサの容量の4分の1の容量を有する2つの
コンデンサにて構成し、MSB確定のための逐次比較動
作では、この2つのコンデンサの電源線AVDDへの接
続を時間差を設けて行うようにすることが考えられてい
る。
【0023】しかし、このような対策では、荷重容量回
路の構成が複雑になり、しかも、切換部のスイッチ操作
を時間を空けて行う必要があることから、A/D変換に
要する時間も長くなる、という問題があった。本発明
は、こうした問題に鑑みなされたものであり、電荷再分
配型の逐次比較A/D変換器において、逐次比較動作時
に、荷重容量回路からの電荷抜け及び電荷の誤注入を発
生させることなく、良好にA/D変換を行うことがで
き、しかも、A/D変換を高速に行うことができるよう
にすることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1記載の逐次比較A/D変換器に
は、既述した従来の電荷再分配型逐次比較A/D変換器
と同様、一端が互いに接続されたn+1個の容量素子を
備え、n個の容量素子が、夫々、基準容量を2の累乗値
(20 ,21 ,22 …)にて重み付けした容量に設定さ
れ、残りの容量素子が基準容量に設定された荷重容量回
路が設けられる。そして、比較器が、この荷重容量回路
を構成する全容量素子の一端を互いに接続した接続点の
電位と、基準電位とを大小比較する。
【0025】また、比較器の入力に接続される各容量素
子の接続点と、前記基準電位の入力経路との間には、こ
れらを導通・遮断するためのアナログスイッチが設けら
れる。そして、アナログ入力信号をA/D変換する際に
は、制御回路が、まず、このアナログスイッチをオンし
て各容量素子の接続点に基準電位を印加し、各容量素子
の接続点とは反対側の開放端にアナログ入力信号を印加
することにより、荷重容量回路内の全容量素子に、アナ
ログ入力信号と前記基準電位との電位差に対応した電荷
を蓄積させる、サンプリング制御を行う。
【0026】また、制御回路は、サンプリング制御終了
後、アナログスイッチをオフして各容量素子の接続点へ
の基準電位の印加を遮断した状態で、荷重容量回路にお
いて容量が2の累乗値にて重み付けされたn個の容量素
子に対して、容量が最も大きい容量素子側から順に対象
となる容量素子を変更しつつ、対象となる容量素子の開
放端に直流電源の正極側を接続し、接続先が未確定の容
量素子の開放端に直流電源の負極側を接続することによ
り、各容量素子に蓄積された電荷の再分配を行い、その
とき得られる前記比較器からの出力信号に基づき、前記
接続点の電位が前記基準電位に近づくように、対象とな
る容量素子の開放端への接続先を前記直流電源の正極側
又は負極側に確定してゆく、逐次比較制御を行う。
【0027】そして、逐次比較A/D変換器からは、こ
の制御回路による逐次比較制御によって確定したn個の
容量素子の開放端への直流電源の接続状態位に対応した
デジタル値が、アナログ入力信号のA/D変換値として
出力される。一方、本発明(請求項1)の逐次比較A/
D変換器には、A/D変換すべきアナログ入力信号が、
電源電圧の正極側電位と負極側電位と間の中心となる中
間電位よりも大きいか否かを判定する判定回路と、基準
電位として、中間電位と電源電圧の正極側電位との間の
第1電位、及び、中間電位と電源電圧の負極側電位との
間の第2電位、のいずれかを選択的に出力可能な基準電
位発生回路とが備えられる。
【0028】そして、制御回路は、判定回路による判定
結果に基づき、基準電位発生回路から出力される基準電
位を、アナログ入力信号が中間電位よりも高い場合には
第1電位、アナログ入力信号が中間電位よりも低い場合
には第2電位となるよう設定した後、サンプリング制御
及び逐次比較制御を行う。
【0029】つまり、本発明(請求項1)の逐次比較A
/D変換器においては、既述した従来の電荷再分配型逐
次比較A/D変換器と同様に、サンプリング動作及び逐
次比較動作を行うことによって、アナログ入力信号をデ
ジタル値に変換するだけでなく、サンプリング動作に入
る前に、判定回路によって、アナログ入力信号が、従来
装置において基準電位として設定されている直流電源の
正極側電位と負極側電位との間の中心電位(中間電位)
よりも大きいか否かを判断し、その判定結果に従い、ア
ナログ入力信号が中間電位よりも高い場合には、基準電
位発生回路から出力される基準電位を、中間電位と直流
電源の正極側電位との間の第1電位に設定し、アナログ
入力信号が中間電位よりも低い場合には、基準電位発生
回路から出力される基準電位を、中間電位と直流電源の
負極側電位との間の第2電位に設定する。
【0030】このため、本発明の逐次比較A/D変換器
においては、サンプリング動作時に荷重容量回路に蓄積
される電荷量(Q=荷重容量回路の総容量×(アナログ
入力信号−基準電位))が、基準電位を中間電位に固定
する従来装置に比べて少なくなり、逐次比較動作開始後
に、荷重容量回路の各容量素子の接続点電位が直流電源
の正極側電位を越えるオーバーシュートや、接続点電位
が直流電源の負極側電位を下回るアンダーシュートが発
生するのを抑制することができる。
【0031】よって、本発明によれば、逐次比較動作時
に、荷重容量回路に蓄積された電荷の一部が抜ける電荷
抜けや、荷重容量回路を構成する容量素子に電荷が誤注
入されるミスチャージが発生するのを抑制でき、アナロ
グ入力信号のA/D変換精度を確保することができる。
【0032】また、電荷抜けやミスチャージの発生を防
止するために、従来のように、荷重容量回路に、MSB
確定のための容量素子として、荷重容量回路の総容量の
1/4の容量を有する2つの容量素子を設け、逐次比較
動作によるMSB確定時に、この2つの容量素子の開放
端を、段階的に正極側電源ラインに接続する必要はない
ため、高精度なA/D変換を短時間で実行できる。ま
た、nビットのA/D変換を行う場合、荷重容量回路
は、n+1個の容量素子にて構成すればよいため、荷重
容量回路が複雑になることはなく、その構成を簡単にす
ることができる。
【0033】ここで、逐次比較動作は、従来装置と同
様、荷重容量回路において、最大容量に設定(基準容量
Cの2(nー1) 倍に重み付け)されたMSB確定用の容量
素子から順に、その開放端に電源電圧の正極側電位を印
加することにより行うようにしても良い。
【0034】しかし、本発明では、サンプリング動作に
入る前に、判定回路を用いて、アナログ入力信号が中間
電位よりも大きいか否かを判断しており、この判定回路
から、アナログ入力信号が中間電位よりも大きければ
「MSB=1」、アナログ入力信号が中間電位以下であ
れば「MSB=0」として、MSBの値を確定すること
ができるによる判定結果から、アナログ入力信号の最上
位ビットを確定することができる。
【0035】そこで、本発明(請求項1)の逐次比較A
/D変換器は、請求項2に記載のように、制御回路を、
逐次比較制御の開始時に、判定回路による判定結果に基
づき、荷重容量回路を構成する最大容量の容量素子の開
放端への印加電位を確定し、逐次比較制御では、荷重容
量回路において2番目に容量が大きい容量素子から順
に、各容量素子への印加電位を確定するように構成して
もよい。
【0036】そして、逐次比較A/D変換器を請求項2
に記載のように構成した場合、請求項1と同様の効果が
得られるだけでなく、逐次比較制御では、比較器を用い
たMSB確定のための判定動作を実行する必要がなくな
るため、A/D変換に要する時間を短くすることができ
る。
【0037】また、本発明(請求項1)の逐次比較A/
D変換器においては、請求項3に記載のように、基準電
位発生回路を、中間電位と正極側電位との間の中心電位
を第1電位、中間電位と負極側電位との間の中心電位を
第2電位、として夫々出力可能で、しかも、これら第1
電位及び第2電位に加えて、中間電位を出力可能に構成
し、制御回路を、サンプリング制御終了後に、基準電位
発生回路から出力される基準電位を、第1電位又は第2
電位から前記中間電位に変更し、逐次比較制御を行うよ
うにしてもよい。
【0038】ここで、請求項3に記載の逐次比較A/D
変換器において、逐次比較制御の際に、基準電位を、第
1電位又は第2電位から中間電位に変更するのは、逐次
比較制御開始直後の接続点電位を、基準電位を中間電位
に固定する従来の逐次比較A/D変換器において、荷重
容量回路に設けたMSB確定用容量素子の開放端の接続
先を確定したときと同電位にするためである。
【0039】つまり、例えば、図9に示した3ビットA
/D変換用の荷重容量回路では、基準電位を中間電位に
固定してサンプリング動作を実行した後の逐次比較制御
で、コンデンサ56の開放端が、切換部64を介して正
の電源線AVDDに接続されているとき(換言すればM
SBが値「1」に確定されているとき)、A/D変換値
(デジタル値)の上位2ビット目を確定するために、コ
ンデンサ54の開放端を、正の電源線AVDDに接続す
ると(このとき、コンデンサ52,50の開放端は、負
の電源線AVSSに接続される)、接続点電位Vcは、 Vc=−(Vin−Vref )+Vdd(6C/8C) となり、Vin=5V、Vref =中間電位=2.5V、V
dd=5Vとすると、Vc=1.25Vとなる。
【0040】一方、図9に示した荷重容量回路におい
て、最大容量のコンデンサ56及びこれに対応する切換
部64内のスイッチング素子を除去し、判定回路による
判定結果(MSB=1)に対応して、基準電位を第1電
位Vref1(Vdd=5Vの場合、3.7Vとなる)に設
定してサンプリング動作を行い、その後の逐次比較制御
で、基準電位を中間電位(Vdd=5Vの場合、2.5
Vとなる)に変更して、コンデンサ54の開放端を、正
の電源線AVDDに接続すると(このとき、コンデンサ
52,50の開放端は、負の電源線AVSSに接続され
る)、接続点電位Vcは、 Vc=−(Vin−Vref1)+Vdd(2C/4C) となり、Vin=5V、Vref1=3.75、Vdd=5V
とすると、Vc=1.25Vとなる。
【0041】従って、請求項3に記載の逐次比較A/D
変換器において、逐次比較制御の際の接続点電位の変化
は、基準電位を中間電位に固定した従来装置において、
上位2ビット目からLSBまでのデジタル値を確定する
ときと同じであり、従来と同様の逐次比較制御によっ
て、A/D変換値(デジタル値)の上位2ビット目から
LSBまでを確定できることがわかる。
【0042】このように、請求項3に記載の逐次比較A
/D変換器では、判定回路の動作によって得られたMS
Bの値に応じて設定した基準電位(第1電位又は第2電
位)にてサンプリング制御を行い、逐次比較制御の際に
は、基準電位を中間電位に切り換えることにより、逐次
比較制御開始直後の接続点電位を、MSBの値に応じて
重み付けし、その後の逐次比較制御によって、MSBを
除く上位2ビット目からLSBまでの値を順次確定す
る。
【0043】このため、請求項3記載の逐次比較A/D
変換器によれば、請求項1と同様の効果が得られるだけ
でなく、荷重容量回路として、n+1個の容量素子から
なるnビットA/D変換用の荷重容量回路を用いた場合
には、この荷重容量回路にて得られるnビットのデジタ
ル値に、判定回路にて得られたデジタル値(1又は0)
をMSBとする「n+1」ビットのA/D変換器を構成
することができ、同一の荷重容量回路を備えた請求項1
又は請求項2に記載の逐次比較A/D変換器に比べて、
得られるデジタル値の分解能を、1ビット分増加するこ
とができる。
【0044】また、請求項1又は請求項2に記載の逐次
比較A/D変換器と同じ分解能のA/D変換器を構成す
る際には、荷重容量回路に設ける容量素子及びこの容量
素子の開放端への印加電位切換用の回路を、1ビット分
減らすことができることから、A/D変換器の構成を簡
素化できることになる。そして、この場合、請求項1記
載の逐次比較A/D変換器に対しては、比較器を用いた
MSB確定のための判定動作を実行する必要がなくなる
ため、請求項2記載のものと同様、A/D変換に要する
時間を短くすることができる。
【0045】次に、請求項4記載の逐次比較A/D変換
器は、請求項3記載の逐次比較A/D変換器と同様の原
理で、nビットA/D変換用の荷重容量回路を用いて、
m+nビットのA/D変換器を構成したものである。つ
まり、請求項4記載の逐次比較A/D変換器において
は、請求項1〜請求項3に記載の逐次比較A/D変換器
に設けられる判定回路に代えて、アナログ入力信号を、
2の累乗値にて重み付けした電圧と同時に比較すること
によりA/D変換するフラッシュA/D変換回路を備
え、基準電位発生回路が、このフラッシュA/D変換回
路によるA/D変換結果に応じて重み付けした負極側電
位から前記正極側電位までの範囲内の重み付け電位と、
電源電圧の正極側電位と負極側電位と間の中心となる中
間電位とのいずれかを選択的に出力可能に構成される。
【0046】そして、制御回路は、フラッシュA/D変
換回路による判定結果に基づき、基準電位発生回路から
重み付け電位を基準電位として出力させた後、サンプリ
ング制御を行い、サンプリング制御が終了すると、基準
電位発生回路から出力される基準電位を中間電位に変更
して、逐次比較制御を行う。
【0047】即ち、請求項4に記載の逐次比較A/D変
換器では、フラッシュA/D変換回路の動作によって得
られたmビットのデジタル値に応じて設定した基準電位
にてサンプリング制御を行い、逐次比較制御の際には、
基準電位を中間電位に切り換えることにより、逐次比較
制御開始直後の接続点電位を、フラッシュA/D変換回
路によるA/D変換値に応じて重み付けし、その後の逐
次比較制御によって、フラッシュA/D変換回路による
mビットのA/D変換値を上位ビットデータとする、下
位nビットの値を順次確定するのである。
【0048】このため、請求項4記載の逐次比較A/D
変換器によれば、請求項1と同様の効果が得られるだけ
でなく、荷重容量回路として、n+1個の容量素子から
なるnビットA/D変換用の荷重容量回路を用いた場合
には、この荷重容量回路にて得られるnビットのデジタ
ル値に、フラッシュA/D変換回路にて得られたmビッ
ト分のデジタル値を上位ビットデータとして加えた、
「m+n」ビットのA/D変換器を構成することができ
るようになる。
【0049】そして、フラッシュA/D変換回路は、電
源電圧を2の累乗値にて重み付けした複数の基準電圧を
抵抗分圧等によって生成し、各基準電圧とアナログ入力
信号とを同時に比較するものであるため、基準電圧生成
用抵抗のばらつき等によりA/D変換精度は低くなるも
のの、アナログ入力信号のA/D変換は短時間で行うこ
とができることから、荷重容量回路を用いた電荷再分配
だけでA/D変換を行う場合に比べて、A/D変換に要
する時間を極めて短くすることができる。また、A/D
変換値の下位nビットは、荷重容量回路を用いた逐次比
較制御によって確定するため、フラッシュA/D変換回
路を用いることにより、A/D変換精度が低下すること
もない。
【0050】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、本発明(詳しくは請求項2)が適
用された第1実施例の逐次比較A/D変換器の構成を表
すブロック図である。
【0051】図1に示すように、本実施例の逐次比較A
/D変換器は、4種類のアナログ入力信号を選択的に取
り込みA/D変換できるように、チャンネル0(CH
0)からチャンネル3(CH3)までの入力ポート10
と、入力ポート10の各チャンネルに入力された4種類
のアナログ入力信号を選択的に取り込むマルチプレクサ
12とを備える。そしてマルチプレクサ12により選択
的に取り込まれた特定チャンネルのアナログ入力信号V
inは、オペアンプからなるバッファ回路14を介し
て、荷重容量回路16に入力される。
【0052】荷重容量回路16は、容量が基準容量Cに
設定された1個の容量素子と、容量が基準容量Cに2の
累乗値(20 ,21 ,…,2(n-1) )を乗じた値に設定
された(換言すれば2の累乗値にて重み付けされた)n
個の容量素子(コンデンサ)とからなる周知のものであ
る。
【0053】そして、この荷重容量回路16は、図9に
示した従来のものと同様、各コンデンサの一端が互いに
接続されており、この接続点は、オペアンプ等からなる
比較器(コンパレータ)18の反転入力端子(−)に接
続されている。また、各コンデンサの接続点とは反対側
の開放端は、CMOSトランジスタ等のスイッチング素
子からなる切換部(図9の切換部64参照)を介して、
バッファ回路14からアナログ入力信号Vinを受ける
入力線INPUT、直流電源の正極側から電源供給を受
ける電位Vddの電源線AVDD、及び、直流電源の負
極側から電源供給を受けるグランド電位GNDの電源線
AVSSのいずれかに選択的に接続できるようにされて
いる。
【0054】一方、コンパレータ18の非反転入力端子
(+)には、基準電位発生回路20にて生成された基準
電位Vref が印加されており、更に、コンパレータ18
の非反転入力端子と反転入力端子との間には、これら端
子間を導通・遮断するためのアナログスイッチSW1が
設けられている。
【0055】尚、基準電位発生回路20は、例えば、図
2に示すように、抵抗値が同じ4個の抵抗R1〜R4か
らなる抵抗直列回路を、電源線AVDD−AVSS間に
接続し、各抵抗R1〜R4の接続点電位を、スイッチン
グ素子S1,S2,S3を介して選択的に出力できるよ
うにしたものである。このため、直流電源の負極側電位
GNDを「0V」とした場合、基準電位発生回路20か
らは、正極側電位Vddの4分の1の電位VL(=Vd
d/4;以下、第2電位という)、正極側電位Vddの
2分の1の電位Vo(=Vdd/2;以下、中間電位と
いう)、及び、正極側電位Vddの4分の3の電位VH
(=Vdd×3/4;以下、第1電位という)のいずれ
かが出力されることになる。
【0056】次に、マルチプレクサ12,荷重容量回路
16,基準電位発生回路20及びアナログスイッチSW
1は、制御回路としてのコントローラ30により制御さ
れる。コントローラ30は、マルチプレクサ12への出
力信号により、マルチプレクサ12がバッファ回路14
側に出力するアナログ入力信号Vinを確定した後、荷
重容量回路16,アナログスイッチSW1及び基準電位
発生回路20を制御することにより、前述のサンプリン
グ制御及び逐次比較制御を行い、逐次比較制御によって
得られたデジタル値を、アナログ入力信号VinのA/
D変換値として外部に出力するものである。
【0057】そして、本実施例の逐次比較A/D変換器
には、各CH0〜CH3のアナログ入力信号Vinが、
電源線AVDD−AVSS間の中心となる中間電位Vo
よりも大きいか否かを判定する判定回路(コンパレー
タ)22,24,26,28が備えられ、これら各コン
パレータ22〜28による電圧判定値(High又はLow )
も、コントローラ30に入力される。
【0058】次に、コントローラ30がアナログ入力信
号VinをA/D変換するために実行する制御動作を、
図3に示すフローチャートに沿って説明する。尚、コン
トローラ30は、レジスタや各種ゲート回路からなるロ
ジック回路にて構成されるが、ここでは、その動作を解
り易く説明するために、フローチャートを用いて説明す
る。
【0059】図3に示す如く、コントローラ30は、A
/D変換対象となるチャンネルのアナログ入力信号Vi
nの電圧判定値を、対応するチャンネルのコンパレータ
22〜28から読み込む(S110;Sはステップを表
す)。そして、この読み込んだ電圧判定値に基づき、基
準電位発生回路20から出力される基準電位Vref を設
定し、マルチプレクサ12からバッファ回路14を介し
て荷重容量回路16に入力されるアナログ入力信号Vi
nを、A/D変換対象となるチャンネルのアナログ入力
信号に設定する(S120)。
【0060】尚、このS120では、アナログ入力信号
Vinの電圧判定値がLow レベルで、アナログ入力信号
Vinが中間電位Voよりも大きい場合には、基準電位
発生回路20内のスイッチング素子S3をオンして、基
準電位発生回路20から出力される基準電位Vref を、
直流電源の正極側電位Vddの4分の3の電位である第
1電位VHに設定し、逆に、読み込んだ電圧判定値がHi
ghレベルで、A/D変換対象となるアナログ入力信号V
inが中間電位Vo以下であれば、基準電位発生回路2
0のスイッチング素子S1をオンして、基準電位発生回
路20から出力される基準電位Vref を、直流電源の正
極側電位Vddの4分の1の電位である第2電位VLに
設定する。次に、コントローラ30は、アナログスイッ
チSW1をオンして、コンパレータ18の反転入力端子
(換言すれば加重容量回路16内の各コンデンサの接続
点)に基準電位Vref を印加すると共に、加重容量回路
16内の切換部を制御して全てのコンデンサの開放端に
入力線INPUTを接続することにより、各コンデンサ
の開放端にアナログ入力信号Vinを印加し(S13
0)、その後、予め設定されたサンプリング時間が経過
するのを待つ(S140)。
【0061】このS130,S140の動作は、前述の
サンプリング制御を実行するための動作であり、この動
作によって、荷重容量回路16内の各コンデンサには、
アナログ入力信号Vinと基準電位Vref との電位差
(Vin−Vref )に応じた電荷が蓄積されることにな
る。
【0062】こうして、荷重容量回路16に電荷が蓄積
されると、今度は、アナログスイッチSW1をオフする
と共に、加重容量回路16内の切換部を制御して各コン
デンサの開放端への入力線INPUTの接続を遮断する
ことにより、各コンデンサへのアナログ入力信号Vin
の印加を停止する(S150)。
【0063】そして、その後は、S120で読み込んだ
電圧判定値に基づき、荷重容量回路16において容量が
最も大きいMSB側のコンデンサ(容量;2(n-1) ×
C)の開放端を、正・負の電源線AVDD及びAVSS
のいずれかに接続する(S160)。具体的には、電圧
判定値がLow レベルで、A/D変換対象となるアナログ
入力信号Vinが中間電位Voよりも大きい場合には、
MSB側コンデンサの開放端に正の電源線AVDDを接
続することにより、電位Vddを印加し、逆に、電圧判
定値がHighレベルで、A/D変換対象となるアナログ入
力信号Vinが中間電位Vo以下であれば、MSB側コ
ンデンサの開放端に負の電源線AVSSを接続すること
により、その開放端をグランド電位GNDに設定する。
【0064】尚、この動作によって、荷重容量回路16
は、最大容量のコンデンサの開放端の接続先が確定した
状態となり、その接続状態から、A/D変換値のMSB
の値が解る。つまり、このコンデンサの接続先が正の電
源線AVDDであれば、MSBは「1」、負の電源線A
VSSであれば、MSBは「0」となる。
【0065】このようにS120で読み込んだ電圧判定
値から、A/D変換値のMSBを確定すると、今度は、
A/D変換値の上位2ビット目からLSBまでを確定す
るための逐次比較制御を行う(S170)。具体的に
は、荷重容量回路16において容量を2の累乗値にて重
み付けしたn個のコンデンサの内、開放端への接続先が
確定していないコンデンサ(この場合、上位2ビット目
に対応した容量が2番目に大きいコンデンサからLSB
に対応した基準容量Cのコンデンサ)に対して、容量の
大きいコンデンサ側から順に、その開放端を一旦正の電
源線AVDDに接続し、そのとき、コンパレータ18の
出力がHighレベルであれば、その開放端の接続先を正の
電源線AVDDに確定し、コンパレータ18の出力がLo
w レベルであれば、その開放端の接続先を負の電源線A
VSSに確定する、といった手順で、各コンデンサの開
放端への接続先を正・負の電源線AVDD,AVSSの
いずれかに確定してゆく。
【0066】そして、この逐次比較制御によって、荷重
容量回路16を構成するn個のコンデンサの開放端の接
続先が全て確定すると、その接続状態に応じたデジタル
値を、アナログ入力信号VinのA/D変換値として出
力する(S180)。以上説明したように、本実施例の
逐次比較A/D変換器においては、図4に示す如く、ま
ずA/D変換対象となるアナログ入力信号Vinが中間
電位Voよりも大きいか否かを表す電圧判定値を、判定
回路であるコンパレータ22〜28のいずれかから読み
込み、その電圧判定値に応じて、アナログ入力信号Vi
nが中間電位Voよりも大きい場合には、基準電位Vre
f を中間電位Voと直流電源の正極側電位Vddとの中
心電位である第1電位VHに設定し、アナログ入力信号
Vinが中間電位Vo以下である場合には、基準電位V
ref を中間電位Voと直流電源の負極側電位GNDとの
中心電位である第2電位VLに設定する(時点t1)。
尚、電源電圧が5Vの場合、Voは2.5V、第1電位
VHは3.75V、第2電位VLは1.25Vとなる。
【0067】このため、本実施例の逐次比較A/D変換
器において、サンプリング動作時に荷重容量回路16に
蓄積される電荷量(Q=荷重容量回路の総容量×(アナ
ログ入力信号−基準電位))は、基準電位を中間電位V
oに固定する従来装置に比べて半分になり、電源電圧を
5Vとした場合、逐次比較動作開始後にコンパレータの
反転入力端子への入力電圧範囲(接続点電圧Vcの変化
範囲)は、図5に示す如く、アナログ入力信号Vinが
0Vから中間電位Vo(2.5V)までの領域、及びア
ナログ入力信号Vinが中間電位Voから電源電圧(5
V)までの領域で、夫々、基準電位Vref (2.5V)
を中心として、Vref ±1.25Vの範囲で変化するこ
とになる。
【0068】従って、本実施例の逐次比較A/D変換器
によれば、逐次比較制御の際に、接続点電位Vcが直流
電源の正極側電位を越えるオーバーシュートや、接続点
電位Vcが直流電源の負極側電位を下回るアンダーシュ
ートが発生するのを防止し、荷重容量回路16に蓄積さ
れた電荷の一部が抜ける電荷抜けや、荷重容量回路16
を構成するコンデンサに電荷が誤注入されるミスチャー
ジが発生するのを防止することが可能になり、アナログ
入力信号VinのA/D変換精度を確保することができ
る。
【0069】また、電荷抜けやミスチャージの発生を防
止するために、従来のように、荷重容量回路16に、M
SB確定のためのコンデンサとして、荷重容量回路16
の総容量の1/4の容量を有する2つの容量素子を設
け、逐次比較動作によるMSB確定時に、この2つの容
量素子の開放端を、段階的に正極側電源ラインに接続す
る必要はないため、高精度なA/D変換を短時間で実行
できる。また、荷重容量回路16を用いてnビットのA
/D変換を行う場合、荷重容量回路16は、n+1個の
コンデンサにて構成すればよいため、荷重容量回路16
が複雑になることはなく、その構成を簡単にすることが
できる。
【0070】また、図4に示すように、本実施例の逐次
比較A/D変換器では、基準電位Vref を第1電位VH
又は第2電位VLに設定した状態で、サンプリング制御
を行い、サンプリング制御終了後、荷重容量回路16側
でMSBに対応した最大容量のコンデンサの開放端の接
続先を、電圧判定値に基づき確定した後、逐次比較制御
を開始する(時点t2)。
【0071】このため、時点t2以降の逐次比較制御で
は、荷重容量回路16において容量が2番目に大きい上
位2ビット目(n−1)のコンデンサからLSBのコン
デンサへと順に逐次比較制御が成されることになり、M
SBのコンデンサから順に逐次比較制御を行う従来装置
に比べて、逐次比較制御に要する時間を短縮し、アナロ
グ入力信号VinのA/D変換をより短い時間で行うこ
とが可能になる。
【0072】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本実施例は上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、上記第1実施
例では、請求項2記載の発明を適用することにより、サ
ンプリング制御終了後、逐次比較制御を開始するまでの
間に、荷重容量回路16において容量が最大となるMS
Bのコンデンサの開放端の接続先を、判定回路としての
コンパレータ22〜28によるアナログ入力信号Vin
の電圧判定値に応じて確定するものとして説明したが、
コントローラ30によるA/D変換の制御動作を、図6
に示す手順で実行するようにしてもよい。
【0073】以下、この図6に示すフローチャート及び
図7に示すタイムチャートを用いて、請求項3記載の発
明を適用した第2実施例の逐次比較A/D変換器につい
て説明する。尚、この第2実施例の逐次比較A/D変換
器のハード構成は、図1に示した第1実施例のものと同
じであり、コントローラ30の動作のみが異なる。
【0074】図6に示す如く、第2実施例の逐次比較A
/D変換器において、コントローラ30は、第1実施例
と同様の手順(S110〜S140)で、A/D変換対
象となるアナログ入力信号Vinの電圧判定値を読み込
み、その読み込んだ電圧判定値に応じて、基準電位発生
回路20から出力される基準電位Vref を設定し、サン
プリング制御を開始する(図7時点t1参照)。
【0075】次に、このサンプリング制御によって荷重
容量回路16にアナログ入力信号Vinと基準電位Vre
f との電位差に応じた電荷が蓄積されると、S150に
て、アナログスイッチSW1をオフし、加重容量回路1
6内の切換部を制御して各コンデンサの開放端への入力
線INPUTの接続を遮断することにより、サンプリン
グ制御を終了し、逐次比較制御に移行するが、逐次比較
制御の開始時(図7時点t2参照)には、基準電位発生
回路20から出力される基準電位Vref を中間電位Vo
に変更する(S260)。
【0076】そして、続く逐次比較制御(S270)で
は、S110で読み込んだ電圧判定値をA/D変換値の
MSBとして、上位2ビット目からLSBまでのA/D
変換値を確定すべく、荷重容量回路16において容量を
2の累乗値にて重み付けしたn個のコンデンサに対し
て、最大容量のコンデンサから基準容量Cのコンデンサ
へと順に、その開放端を一旦正の電源線AVDDに接続
し、そのとき、コンパレータ18の出力がHighレベルで
あれば、その開放端の接続先を正の電源線AVDDに確
定し、コンパレータ18の出力がLow レベルであれば、
その開放端の接続先を負の電源線AVSSに確定する、
といった手順で、各コンデンサの開放端への接続先を正
・負の電源線AVDD,AVSSのいずれかに確定して
ゆく。
【0077】そして、この逐次比較制御によって、荷重
容量回路16を構成するn個のコンデンサの開放端の接
続先が全て確定すると、その接続状態に応じたnビット
のデジタル値に、S110で読み込んだ電圧判定値をM
SBとして加えた「n+1」ビットのデジタル値を、ア
ナログ入力信号VinのA/D変換値として出力する
(S280)。
【0078】このように、第2実施例の逐次比較A/D
変換器では、逐次比較制御の際に、基準電位Vref を、
第1電位VH又は第2電位VLから中間電位Voに変更
することにより、逐次比較制御開始直後の接続点電位V
cを、基準電位Vref を中間電位Voに固定する従来の
逐次比較A/D変換器において、荷重容量回路内の最大
容量のコンデンサの開放端への接続先を確定したときと
同電位にし、その後、荷重容量回路16を用いた従来と
同様の逐次比較制御を実行することにより、アナログ入
力信号VinのA/D変換値の上位2ビット目からLS
Bを確定する。
【0079】従って、第2実施例の逐次比較A/D変換
器によれば、サンプリング制御実行時に荷重容量回路1
6に蓄積される電荷量を少なくして、逐次比較制御開始
後に電荷抜けやミスチャージが発生するのを防止するこ
とができるだけでなく、n+1個のコンデンサからなる
nビットA/D変換用の荷重容量回路16を用いて、
「n+1」ビットのA/D変換器を構成することが可能
になり、第1実施例の逐次比較A/D変換器に比べて、
得られるA/D変換値の分解能を、1ビット分高めるこ
とができる。
【0080】一方、第2実施例の逐次比較A/D変換器
のように、サンプリング制御と逐次比較制御とで基準電
位Vref を変更することにより、A/D変換値の上位ビ
ットを、アナログ入力信号Vinの電圧判定値にて確定
し、A/D変換値の下位nビットを、荷重容量回路を用
いて確定する場合、このA/D変換値の上位ビットを、
フラッシュA/D変換回路を用いて確定するようにすれ
ば、A/D変換器の分解能をより高めることができる。
以下、このように構成した逐次比較A/D変換器を、本
発明の第3実施例として、図8を用いて説明する。
【0081】図8に示す逐次比較A/D変換器は、請求
項4記載の発明を適用したものであり、図1に示した第
1実施例或いは第2実施例の逐次比較A/D変換器と異
なる点は、 (1) 各チャンネルのアナログ入力信号Vinを中間電位
Voと大小比較するコンパレータ22〜28に代えて、
各チャンネルのアナログ入力信号Vinを、選択的に取
り込んでmビットのデジタル値にA/D変換可能なフラ
ッシュA/D変換回路40を設けた点。
【0082】(2) 基準電位発生回路20を、フラッシュ
A/D変換回路40にて得られるmビットのデジタル値
に対応した電圧信号を発生可能なD/A変換回路にて構
成した点。 の2点であり、それ以外の構成要素は、図1に示したも
のと同じである。
【0083】また、コントローラ30の動作手順は、基
本的には、図6に示した第2実施例の動作と同じであ
り、異なる点は、下記〜の3点である。 S110において、電圧判定値を読み込む代わり
に、フラッシュA/D変換回路40を制御して、A/D
変換対象となるチャンネルのアナログ入力信号Vinを
A/D変換させ、得られたA/D変換値を、アナログ入
力信号Vinの上位mビット分のA/D変換値として読
み込む点。
【0084】 S120において、基準電位発生回路
20に対して、S110で読み込んだmビットのA/D
変換値を出力することにより、基準電位発生回路20か
ら、そのA/D変換値に対応したアナログ電圧を基準電
位Vref として出力させる点。
【0085】 S280において、荷重容量回路16
を構成するn個のコンデンサの開放端への電源線AVD
D又はAVSSの接続状態に応じたnビットのデジタル
値を下位nビットとし、これに、S110で読み込んだ
mビットのA/D変換値を、上位mビットとして加えた
「m+n」ビットのデジタル値を、アナログ入力信号V
inのA/D変換値として出力する点。
【0086】つまり、第3実施例の逐次比較A/D変換
器では、フラッシュA/D変換回路40の動作によって
得られたmビットのデジタル値に応じて設定した基準電
位Vref にてサンプリング制御を行い、逐次比較制御の
際には、基準電位Vref を中間電位Voに切り換えるこ
とにより、逐次比較制御開始直後の接続点電位Vcを、
フラッシュA/D変換回路40によるA/D変換値に応
じて重み付けし、その後の逐次比較制御によって、フラ
ッシュA/D変換回路40によるmビットのA/D変換
値を上位ビットデータとする、下位nビットの値を確定
するのである。
【0087】このため、本実施例の逐次比較A/D変換
器によれば、第1実施例及び第2実施例のものと同様、
サンプリング制御実行時に荷重容量回路16に蓄積され
る電荷量を少なくして、逐次比較制御開始後に電荷抜け
やミスチャージが発生するのを防止することができるだ
けでなく、例えば、第1実施例或いは第2実施例と同じ
荷重容量回路16を用いて、より高分解能のA/D変換
器を構成することが可能になる。また、A/D変換値の
上位mビットは、フラッシュA/D変換回路40を用い
て確定するので、A/D変換に要する時間を極めて短く
することができ、しかも、A/D変換値の下位nビット
は、荷重容量回路16を用いた逐次比較制御によって確
定するため、A/D変換精度を確保することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の逐次比較A/D変換器の構成を
表す概略構成図である。
【図2】 図1に示す基準電位発生回路の構成を表す電
気回路図である。
【図3】 第1実施例のコントローラによる制御手順を
説明するフローチャートである。
【図4】 第1実施例のA/D変換動作を説明するタイ
ムチャートである。
【図5】 第1実施例のコンパレータ(比較器)への入
力電圧範囲とアナログ入力信号Vinとの関係を表す説
明図である。
【図6】 第2実施例のコントローラによる制御手順を
説明するフローチャートである。
【図7】 第2実施例のA/D変換動作を説明するタイ
ムチャートである。
【図8】 第3実施例の逐次比較A/D変換器の構成を
表す概略構成図である。
【図9】 逐次比較A/D変換器を構成する荷重容量回
路の構成例及びこれを用いた従来のA/D変換動作を表
す説明図である。
【図10】 従来の逐次比較A/D変換器におけるコン
パレータ(比較器)への入力電圧(Vc)とアナログ入
力信号Vinとの関係を表す説明図である。
【図11】 コンパレータ(比較器)の入力端子間に設
けられるアナログスイッチSW1の構成を説明する説明
図である。
【符号の説明】
10…入力ポート、12…マルチプレクサ、14…バッ
ファ回路、16…荷重容量回路、18…コンパレータ
(比較器)、20…基準電位発生回路、22〜28…コ
ンパレータ(判定回路)、30…コントローラ、40…
フラッシュA/D変換回路、50〜56…コンデンサ、
62…コンパレータ(比較器)、64…切換部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が互いに接続されたn+1個の容量
    素子を備え、n個の容量素子が、夫々、基準容量を2の
    累乗値(20 ,21 ,22 …)にて重み付けした容量に
    設定され、残りの容量素子が基準容量に設定された荷重
    容量回路と、 該荷重容量回路を構成する全容量素子の一端を互いに接
    続した接続点の電位と、基準電位とを大小比較する比較
    器と、 該比較器の入力に接続される前記各容量素子の接続点と
    前記基準電位の入力経路とを、導通・遮断するためのア
    ナログスイッチと、 該アナログスイッチをオンして前記接続点に基準電位を
    印加し、前記各容量素子の前記接続点とは反対側の開放
    端にアナログ入力信号を印加することにより、前記荷重
    容量回路内の全容量素子に、前記アナログ入力信号と前
    記基準電位との電位差に対応した電荷を蓄積させるサン
    プリング制御を行い、その後、前記アナログスイッチを
    オフして前記接続点への基準電位の印加を遮断した状態
    で、前記荷重容量回路において容量が2の累乗値にて重
    み付けされたn個の容量素子に対して、容量が最も大き
    い容量素子側から順に対象となる容量素子を変更しつ
    つ、対象となる容量素子の開放端に直流電源の正極側を
    接続し、接続先が未確定の容量素子の開放端に直流電源
    の負極側を接続することにより、各容量素子に蓄積され
    た電荷の再分配を行い、そのとき得られる前記比較器か
    らの出力信号に基づき、前記接続点の電位が前記基準電
    位に近づくように、対象となる容量素子の開放端への接
    続先を前記直流電源の正極側又は負極側に確定してゆく
    逐次比較制御を行う制御回路と、 を備え、前記制御回路の動作によって確定したn個の容
    量素子の開放端への直流電源の接続状態に対応したデジ
    タル値を、前記アナログ入力信号のA/D変換値として
    出力する電荷再分配型の逐次比較A/D変換器におい
    て、 前記アナログ入力信号が、前記直流電源の正極側電位と
    負極側電位と間の中心となる中間電位よりも大きいか否
    かを判定する判定回路と、 前記基準電位として、前記中間電位と前記正極側電位と
    の間の第1電位、及び、前記中間電位と前記負極側電位
    との間の第2電位、のいずれかを選択的に出力可能な基
    準電位発生回路と、 を備え、前記制御回路は、前記判定回路による判定結果
    に基づき、前記基準電位発生回路から出力される基準電
    位を、アナログ入力信号が前記中間電位よりも高い場合
    には前記第1電位、アナログ入力信号が中間電位よりも
    低い場合には前記第2電位となるよう設定した後、前記
    サンプリング制御及び前記逐次比較制御を行うことを特
    徴とする逐次比較A/D変換器。
  2. 【請求項2】 前記制御回路は、前記逐次比較制御の開
    始時に、前記判定回路による判定結果に基づき、前記荷
    重容量回路を構成する最大容量の容量素子の開放端への
    印加電位を確定し、前記逐次比較制御では、前記荷重容
    量回路において2番目に容量が大きい容量素子から順
    に、各容量素子への印加電位を確定することを特徴とす
    る請求項1記載の逐次比較A/D変換器。
  3. 【請求項3】 前記基準電位発生回路は、前記中間電位
    と前記正極側電位との間の中心電位を前記第1電位、前
    記中間電位と前記負極側電位との間の中心電位を前記第
    2電位、として夫々出力可能で、しかも、該第1電位及
    び第2電位に加えて、前記中間電位を出力可能に構成さ
    れ、 前記制御回路は、前記サンプリング制御終了後に、前記
    基準電位発生回路から出力される基準電位を、前記第1
    電位又は第2電位から前記中間電位に変更し、前記逐次
    比較制御を行うことを特徴とする請求項1記載の逐次比
    較A/D変換器。
  4. 【請求項4】 一端が互いに接続されたn+1個の容量
    素子を備え、n個の容量素子が、夫々、基準容量を2の
    累乗値(20 ,21 ,22 …)にて重み付けした容量に
    設定され、残りの容量素子が基準容量に設定された荷重
    容量回路と、 該荷重容量回路を構成する全容量素子の一端を互いに接
    続した接続点の電位と、基準電位とを大小比較する比較
    器と、 該比較器の入力に接続される前記各容量素子の接続点と
    前記基準電位の入力経路とを、導通・遮断するためのア
    ナログスイッチと、 該アナログスイッチをオンして前記接続点に基準電位を
    印加し、前記各容量素子の前記接続点とは反対側の開放
    端にアナログ入力信号を印加することにより、前記荷重
    容量回路内の全容量素子に、前記アナログ入力信号と前
    記基準電位との電位差に対応した電荷を蓄積させるサン
    プリング制御を行い、その後、前記アナログスイッチを
    オフして前記接続点への基準電位の印加を遮断した状態
    で、前記荷重容量回路において容量が2の累乗値にて重
    み付けされたn個の容量素子に対して、容量が最も大き
    い容量素子側から順に対象となる容量素子を変更しつ
    つ、対象となる容量素子の開放端に直流電源の正極側を
    接続し、接続先が未確定の容量素子の開放端に直流電源
    の負極側を接続することにより、各容量素子に蓄積され
    た電荷の再分配を行い、そのとき得られる前記比較器か
    らの出力信号に基づき、前記接続点の電位が前記基準電
    位に近づくように、対象となる容量素子の開放端への接
    続先を前記直流電源の正極側又は負極側に確定してゆく
    逐次比較制御を行う制御回路と、 を備え、前記制御回路の動作によって確定したn個の容
    量素子の開放端への直流電源の接続状態に対応したデジ
    タル値を、前記アナログ入力信号のA/D変換値として
    出力する電荷再分配型の逐次比較A/D変換器におい
    て、 前記アナログ入力信号を、2の累乗値にて重み付けした
    電圧と同時に比較することによりA/D変換するフラッ
    シュA/D変換回路と、 該フラッシュA/D変換回路によるA/D変換結果に応
    じて重み付けした、前記負極側電位から前記正極側電位
    までの範囲内の重み付け電位と、前記直流電源の正極側
    電位と負極側電位と間の中心となる中間電位と、のいず
    れかを選択的に出力可能な基準電位発生回路と、 を備え、前記制御回路は、 前記フラッシュA/D変換回路によるA/D変換結果に
    基づき、前記基準電位発生回路から該A/D変換結果に
    対応した重み付け電位を前記基準電位として出力させた
    後、前記サンプリング制御を行い、該サンプリング制御
    が終了すると、前記基準電位発生回路から出力される基
    準電位を前記中間電位に変更して、前記逐次比較制御を
    行うことを特徴とする逐次比較A/D変換器。
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