JP2000231385A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2000231385A
JP2000231385A JP11034220A JP3422099A JP2000231385A JP 2000231385 A JP2000231385 A JP 2000231385A JP 11034220 A JP11034220 A JP 11034220A JP 3422099 A JP3422099 A JP 3422099A JP 2000231385 A JP2000231385 A JP 2000231385A
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JP
Japan
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cabinet
back plate
speaker
musical instrument
electronic musical
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JP11034220A
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English (en)
Inventor
Shoji Tanaka
祥司 田中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低価格で外観のデザインやキャビネットの強
度を損なうことなく、音質と音場感に優れた電子楽器を
提供すること。 【解決手段】 キャビネット棚板3の下面から音を放射
するスピーカ4と、キャビネット側板5に取付けられた
キャビネット裏板7とを備える。キャビネット裏板7の
上端部7aがスピーカ4の開口の下方鉛直方向範囲内に
位置するようにキャビネット裏板傾斜部7bを設けてス
ピーカ4の放射音の一部を後方へ導き出すようにした。
こうすればスピーカ下方の空間の定在波の発生が抑制さ
れるので音質が向上する。又間接音が付与されるので音
場感が豊かになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカで音を出
す電子ピアノや電子オルガンなどの電子楽器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の鍵盤型の電子楽器、中でも初期の
ものや高級品では、本物のピアノやパイプオルガンなど
の音にできるだけ近づけるために、スピーカの再生音を
良くする構造がとられていた。図8はこのような従来の
電子楽器の外観を示す斜視図である。図8において、5
1は鍵盤、51aはパネルであり操作ボタンが付いてい
る。52はキャビネット天板、55はキャビネット側板
であり、枠状に形成され、その下方にペダルボックス5
6が設けられる。そして鍵盤部の下方には独立したスピ
ーカボックス54aが設けられ、左右にスピーカ54が
取付けられている。57はキャビネット裏板であり、後
方を塞いで一体感、重量感ある優れた外観デザインを保
っている。又これにより十分なキャビネット強度も保っ
ている。
【0003】このような構造によればスピーカの音質は
良いが、独立した大きなスピーカボックスを鍵盤部の下
に組み立てる必要があるために、材料や組立工賃などの
コストがどうしても高くつくことになる。
【0004】そこで、最近ではローコストな電子楽器が
市場から要望されるようになってきたことも相まって、
スピーカに関してローコスト化を図った電子楽器が製品
化されてきている。但しローコストであっても外観デザ
インも重視されるのでこれにも対応している。図9にこ
のような従来の電子楽器の構造断面を示す。図9におい
て、図8で説明した鍵盤51、パネル51a、キャビネ
ット天板52、キャビネット側板55、ペダルボックス
56については、この従来例の鍵盤61、パネル61
a、キャビネット天板62、キャビネット側板65、ペ
ダルボックス66と同様である。但しスピーカ64はキ
ャビネット棚板63に下向きに取付けられ、スピーカ開
口63aから下面に音を放射する。そしてスピーカ64
の背面はスピーカボックス64aにより囲われている。
スピーカボックス64aは鍵盤カバー61bの下のスペ
ースに設けられている。これにより独立した大きなスピ
ーカボックスを組み立てる必要がないので、ローコスト
化ができる。
【0005】又キャビネット裏板67がキャビネット棚
板63の下の後方全体を塞いでおり、一体感、重量感の
ある優れた外観デザインを保っている。もしもキャビネ
ット裏板が無ければ鍵盤部分とペダルボックスとの間に
広い空間があいて外観が貧弱になること、又演奏時に電
子楽器の後方にある物が見えるので落ちつかないことな
どが市場関係者から言われている。又キャビネット裏板
67はその両端部がキャビネット側板65に取付けられ
おり、これにより十分なキャビネット強度も得られてい
る。
【0006】尚図9の従来例ではキャビネット棚板63
の下方はキャビネット裏板67で完全に塞がれている
が、キャビネット裏板67の高さが少し低くてキャビネ
ット棚板63の下方に若干の隙間があっても外観デザイ
ン、キャビネット強度が大きく損なわれることはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら第2の従
来例の構成では、スピーカからの放射音は、スピーカ下
方の直方体形状に囲まれた空間、即ちキャビネット裏板
と両側のキャビネット側板とペダルボックスで囲まれた
空間に放射され、定在波が発生するので、この影響を受
けて特定の周波数にピークを生じて音質が劣化するとい
う問題点があった。又スピーカの放射音の全てがこの足
元の空間の奥まった場所から出てくるために、音が演奏
者の足元付近に集中してしまい、広がり感、音場感に乏
しいという問題点もあった。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、低価格で外観デザイン性、キャビネット強度を保ち
ながら、音質と音場感に優れた電子楽器を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、操作部が上面に配置されたキャビネット棚板と、前
記キャビネット棚板の両側に固定された一対のキャビネ
ット側板と、前記キャビネット側板の間であって、前記
キャビネット棚板の下方に設けられたキャビネット裏板
とを含んで電子楽器の枠体が形成され、前記キャビネッ
ト棚板の下面に下方に向けて音を放射するスピーカを配
置すると共に、前記キャビネット裏板の上端部を前記ス
ピーカの開口部を二分するように配置し、前記スピーカ
の放射音の一部を後方へ導き出すようにしたことを特徴
とするものである。
【0010】本願の請求項2の発明は、請求項1の電子
楽器において、前記キャビネット裏板は、その上方に傾
斜部を設けたことを特徴とするものである。
【0011】本願の請求項3の発明は、請求項2の電子
楽器において、前記キャビネット裏板は、その傾斜部の
傾斜角度を可変としたことを特徴とするものである。
【0012】本願の請求項4の発明は、請求項2又は3
の電子楽器において、前記キャビネット裏板の傾斜部
に、後方に音を放射する補助スピーカを取付けたことを
特徴とするものである。
【0013】本願の請求項5の発明は、請求項1の電子
楽器において、前記キャビネット裏板は、前記一対のキ
ャビネット側板及び前記キャビネット棚板に対して垂直
な面から傾けて配置された平板によって構成されたこと
を特徴とするものである。
【0014】この構成によりスピーカの下方の空間に発
生する定在波が抑制されるので、音質が向上し、又キャ
ビネット後方からの間接音が付与されるので音場感が豊
かになる。
【0015】本発明の請求項3の発明は、キャビネット
裏板の傾斜部の傾斜角度を可変としたものであり、請求
項1,2の作用に加えて音場感を変化させられる電子楽
器を実現できる。
【0016】本発明の請求項4の発明は、キャビネット
裏板の傾斜部に後方に音を放射する補助スピーカを取付
けたものであり、請求項1,2,3の作用に加えて奥行
き感のある音像定位が得られる電子楽器が実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は本発明の
実施の形態1による電子楽器(電子ピアノ)の構造断面
図である。図1において、1は鍵盤、1aはパネル、1
bは鍵盤カバーである。2はキャビネット天板であり、
例えば厚み30mmの木製である。キャビネット棚板3
はその上部に鍵盤1を保持するもので、例えば15mm
厚の木製で構成され、床面から約65cmの高さに水平
に配置される。キャビネット棚板3はその内径が例えば
14cmのスピーカ開口3aが形成されている。スピー
カ4は例えば口径16cmであり、キャビネット棚板3
に下向きに取付けられており、左右に各1個ずつ配置さ
れている。そしてスピーカ開口3aから音が下方へ放射
される。スピーカボックス4aはスピーカ4の背面を囲
っており、鍵盤カバー1bの下のスペースに設けられて
いる。材質はプラスチック樹脂である。
【0018】この電子ピアノの左右側方には、例えば厚
み40mmの木製のキャビネット側板が平行に固定され
る。キャビネット側板5の間隔は例えば130cmであ
る。6はペダルボックスであり、厚み12mmの木製で
ある。ペダルボックス6の高さは約8cmである。キャ
ビネット裏板7は例えば厚み9mmの木材で構成され、
その左右両端部がキャビネット側板5に取付けられ、そ
の下端部にはペダルボックス6が取付けられている。キ
ャビネット裏板7の上方にはキャビネット裏板傾斜部7
bが設けられており、キャビネット棚板3の下方約15
cmの位置を起点にしている。キャビネット裏板7の幅
は約130cmである。キャビネット裏板7の上端部7
aはスピーカ開口3aの中心よりも約2cmほど後方に
位置しており、スピーカ開口3aを二分するようにスピ
ーカの開口の下方の鉛直方向範囲内に位置している。こ
れによりスピーカ4の放射音の一部を後方へ導き出すよ
うにしている。キャビネット裏板上端部7aとキャビネ
ット棚板3との間の距離は約1cmである。
【0019】以上のように構成された本実施の形態の電
子楽器について、以下その作用と効果を説明する。上記
構成により、キャビネット裏板傾斜部7bがあるため
に、スピーカ4の下方の空間(キャビネット裏板7とキ
ャビネット側板5とキャビネット棚板3とペダルボック
ス6で囲まれた空間)の形状は直方体ではなくなり、定
在波の発生が抑制される。これにより特定の周波数にピ
ークを生じることがなくなり、優れた音質が得られる。
【0020】この効果を図6に示す。図6は本実施の形
態と図9に示した従来の電子楽器のスピーカに正弦波ス
ィープ信号を印加し、演奏者位置での音圧周波数特性を
測定比較したものである。スピーカやキャビネットのサ
イズ等は従来例の電子楽器と本実施の形態とは同様であ
る。破線で示す従来例では、互いに平行なキャビネット
棚板の面とペダルボックスの面との間で生じる定在波に
より、いくつかの特定の周波数に高いピークを生じてい
る。一方本実施の形態では、実線で示すようにピークが
大幅に低減されていることが分かる。
【0021】又キャビネット裏板傾斜部7bによってス
ピーカ4の放射音の一部が後方へ導き出されるので、後
方から回り込んで演奏者やリスナーに届くいわゆる間接
音が付与され、音場感が豊かになる。
【0022】この効果を図7に示す。図7は本実施の形
態と従来の電子楽器の1kHzの音圧指向特性を測定比
較したものであり、スピーカから約2m離れた位置での
特性である。0゜は電子楽器正面、180゜は電子楽器
後方に対応する。破線で示す従来例では電子楽器後方の
音圧が著しく低いが、本実施の形態では、実線で示すよ
うに電子楽器の後方の音圧が高く、後方にスピーカ放射
音が導き出されていることが分かる。周波数が高くなる
とこの効果はさらに顕著になる。
【0023】そしてキャビネット棚板3とペダルボック
ス6との間の空間にはキャビネット裏板7を設けている
ので、従来と同様に一体感、重量感のある優れた外観デ
ザインを保つことができる。又キャビネット裏板7はそ
の両端部がキャビネット側板5に取付けられているの
で、従来と同様の十分なキャビネット強度が保たれる。
又独立した大きなスピーカボックスを組み立てる必要が
なく、且つキャビネット裏板の上方部を傾斜させるだけ
の極めて簡便な方法で済むので、従来と同様にローコス
ト性が保たれる。
【0024】このように本実施の形態によれば、従来の
メリットであるローコスト性、外観デザイン性、キャビ
ネット強度を何等損なうことなく、音質と音場感に優れ
た電子楽器を実現することができる。
【0025】尚、本実施の形態ではキャビネット裏板上
端部7aとキャビネット棚板3との間を約2cmとした
が、これはもっと離しても、あるいは結合させても構わ
ない。又キャビネット裏板傾斜部7bの寸法や、キャビ
ネット裏板上端部7aとスピーカ開口3aの中心との位
置関係なども本実施の形態の数値に限定されるものでは
ない。キャビネット裏板上端部がスピーカ開口の下方鉛
直方向範囲内にあれば、スピーカの放射音を後方に導き
出す作用が得られるので、これらはキャビネットのサイ
ズやスピーカの周波数特性、所望の間接音の特性などを
勘案して適宜設計すればよい。
【0026】又本実施の形態ではキャビネット裏板7の
下端部にペダルボックス6を取付けたが、例えば何らか
の設計上の都合によりキャビネット裏板下端部とペダル
ボックスとの間に若干の隙間を空ける場合など、その下
端部をペダルボックスに取付けなくてもキャビネット強
度に大きな影響はないので構わない。
【0027】又本実施の形態では、キャビネット裏板上
端部7aは左右方向に一直線であったが、例えば左右方
向におけるスピーカ開口3a付近のキャビネット裏板だ
けを局部的に傾斜させることも可能である。さらにその
ように局部的に傾斜させる部分だけをプラスチック樹脂
などの別部材とし、キャビネット裏板に取付けることも
可能である。
【0028】又本実施の形態では、キャビネット裏板傾
斜部7bは平板を用いているが、これを湾曲させたりし
てもよい。
【0029】又本実施の形態ではスピーカ4をキャビネ
ット棚板3に取付けたが、キャビネット棚板3の下面に
音を放射することができればスピーカを別の部材に取付
けたり、キャビネット棚板とスピーカとの間に別部材を
介在するなどしても構わない。
【0030】又もし仮に外観デザイン上、キャビネット
裏板に傾斜部が見えるのが好ましくない場合などには、
布ネット等で傾斜部又は全体的を覆うようにしてもよ
い。その他、本発明は上記説明した例に限定されるもの
でないことは、いうまでもない。
【0031】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2の電子楽器(電子ピアノ)の構造断面図である。キ
ャビネット裏板の形状以外は第1の実施の形態の鍵盤1
〜ペダルボックス6までの部分は夫々鍵盤11〜ペダル
ボックス16までと全て同じであるので、これらの説明
は省略する。
【0032】図2の実施の形態2においては、裏板17
は実施の形態1のような傾斜部をもたず1枚の平板を用
い、全体が傾斜するように一対の側板間に取付けてい
る。材質は同様に厚み9mmの木材である。そしてキャ
ビネット裏板上端部17aはスピーカ開口13aを二分
するように、その中心よりも約3cmほど後方に位置し
ており、スピーカ開口13aの下方鉛直方向範囲内に位
置している。キャビネット裏板上端部17aとキャビネ
ット棚板13との間の距離は約5cmである。
【0033】以上のように構成された本実施の形態の電
子楽器も、実施の形態1で説明したのと同じ作用と効果
が得られる。尚、本発明は上記説明した例に限定される
ものでないことは、いうまでもない。
【0034】(実施の形態3)図3は本発明の実施の形
態3の電子楽器(電子ピアノ)の構造断面図である。キ
ャビネット裏板の形状以外は第1の実施の形態の鍵盤1
〜ペダルボックス6までの部分は夫々鍵盤21〜ペダル
ボックス26までと全て同じであるので、これらの説明
は省略する。
【0035】図3の本実施の形態においてはキャビネッ
ト裏板27は、実施の形態1のような傾斜部のない1枚
の平板であり、又実施の形態2のように傾斜もしていな
いが、上端部だけでなく全体がスピーカ開口23aの下
方鉛直方向範囲内、即ちスピーカ開口を二分するように
位置している。キャビネット裏板27の上端部27aは
スピーカ開口23aの中心よりも約1cmほど後方に位
置しており、スピーカ開口23aの下方鉛直方向範囲内
に位置している。キャビネット裏板27の材質は厚み1
2mmの木材とした。キャビネット裏板27の上端部2
7aとキャビネット棚板23との間の距離は約2cmで
ある。
【0036】以上のように構成された本実施の形態の電
子楽器は、スピーカ24の下方の空間がキャビネット裏
板27によって分割されるので、定在波のQが低下して
定在波が抑制される、という点で実施の形態1,2と作
用が少し異なるものの、定在波が抑制されて特定の周波
数にピークを生じることがなくなり優れた音質が得られ
るという効果は同じである。又スピーカ24の放射音の
一部が後方へ導き出されるので、音場感が豊かになると
いう作用、効果も同様である。尚、本発明は上記説明し
た例に限定されるものでないことは、いうまでもない。
【0037】(実施の形態4)図4は本発明の実施の形
態4の電子楽器(電子ピアノ)の構造断面図である。キ
ャビネット裏板以外の構成は実施の形態1の鍵盤1〜ペ
ダルボックス6までの部分は夫々鍵盤31〜ペダルボッ
クス36までと全て同じであるので、これらの説明は省
略する。
【0038】本実施の形態においては、キャビネット裏
板37の上方にキャビネット裏板可動部37bを設けて
おり、この傾斜の度合いを変えることができる。キャビ
ネット裏板37の左右両端部はキャビネット側板35に
取付けられている。キャビネット可動部37bの折曲ラ
インはキャビネット棚板33の下方約15cmの位置で
ある。又キャビネット裏板37もキャビネット裏板可動
部37aともに材質は厚み9mmの木材である。
【0039】この構成により、キャビネット裏板上端部
37aの角度を変えることによりスピーカ開口33aに
対する位置関係を変えることができるので、スピーカ3
4の放射音が後方へ導き出される割合が変わり、音場感
を変化させることができる。
【0040】以上のように構成された本実施の形態の電
子楽器の基本的な作用と効果は、実施の形態1で説明し
たのと同じである。更に加えて本実施の形態では音場感
を変化させることができるという効果が得られる。この
ように本実施の形態では、従来のメリットであるローコ
スト性、外観デザイン性、キャビネット強度を何等損な
うことなく、音質と音場感に優れ、且つ又音場感を変化
させられる電子楽器を実現することができる。尚、本発
明は上記説明した例に限定されるものでないことは、い
うまでもない。
【0041】(実施の形態5)図5は本発明の実施の形
態5の電子楽器(電子ピアノ)の構造断面図である。キ
ャビネット裏板以外の構成は実施の形態1の鍵盤1〜ペ
ダルボックス6までの部分は夫々鍵盤41〜ペダルボッ
クス46までと全て同じであるので、これらの説明は省
略する。本実施の形態においてもキャビネット裏板47
の上方にはキャビネット裏板傾斜部47aが設けられ
る。
【0042】本実施の形態に特有な構成は、キャビネッ
ト裏板傾斜部47bに後方に音を放射する補助スピーカ
48が取付けられていることである。補助スピーカ48
は例えば口径6cmであり約2kHz以上の中高音を再
生する。キャビネット裏板47とキャビネット裏板傾斜
部47bの材質はともに厚み9mmの木材である。
【0043】キャビネット裏板上端部47aは、スピー
カ開口43aの中心よりも約2cmほど前方に位置して
おり、スピーカ開口43aを二分する下方鉛直方向範囲
内に位置している。キャビネット裏板傾斜部47bは、
キャビネット棚板43の下方約20cmの位置を起点に
している。キャビネット裏板上端部47aとキャビネッ
ト棚板43との間の距離は約5cmである。
【0044】以上のように構成された本実施の形態の電
子楽器の基本的な作用と効果は、実施の形態1で説明し
たのと同じである。更に加えて本実施の形態では補助ス
ピーカ48から後方斜め上方に音が放射されるので、電
子楽器を壁面近くに設置する家庭での一般的な使い方に
おいて、補助スピーカ48からの音が壁面49で反射し
て仮想音源48aを結像する。
【0045】演奏者位置ではスピーカ44から下面に放
射される音のうち中高音は減衰するので、演奏者には仮
想音源48aの中高音の方がよく聴こえる。従って演奏
者に対して、音像定位に大きく関わる中高音が深い奥行
き位置にある仮想音源48aから聴こえることになるの
で、本物のグランドピアノの奥行きの大きな響板から聴
こえるのと同様に、奥行き感のある音像定位が得られ
る。
【0046】このように本実施の形態では、従来例の利
点であるローコスト性、外観デザイン性、キャビネット
強度を何等損なうことなく、音質と音場感に優れ、且つ
又奥行き感のある音像定位が得られる電子楽器を実現す
ることができる。
【0047】尚、本実施の形態では補助スピーカ48は
約2kHz以上を受け持ったが、例えば1kHz〜数k
Hzの中音域だけとしても同様の効果が得られる。又補
助スピーカからもっと低い周波数の音を出すようにして
も構わない。その他、本発明は上記説明した例に限定さ
れるものでないことは、いうまでもない。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本願の請求項
1〜5の発明の電子楽器によれば、キャビネット棚板の
下面から音を放射するスピーカと、キャビネット側板に
取付けられたキャビネット裏板とを備え、前記キャビネ
ット裏板の上端部は前記スピーカの開口の下方鉛直方向
範囲内に位置させ、又はさらにキャビネット裏板の上方
に傾斜部を設けて前記スピーカの放射音の一部を後方へ
導き出すようにした。これによりスピーカ下方の空間に
おいて定在波の発生が抑制され、特定の周波数にピーク
を生じることがなくなり優れた音質が得られる。又スピ
ーカの放射音の一部が後方へ導き出されるので、後方か
ら回り込んで演奏者やリスナーに届くいわゆる間接音が
付与され音場感が豊かになる。これらからローコスト
性、外観デザイン性、キャビネット強度を保ちながら、
優れた音質と音場感が得られる。
【0049】又請求項3の発明では、キャビネット裏板
の傾斜部の傾斜角度を可変とすることにより、音場感を
変化させることができる。
【0050】又請求項4の発明では、キャビネット裏板
の傾斜部に後方に音を放射する補助スピーカを取付ける
ことにより、奥行き感のある音像定位が得られる。以上
のように、本発明は極めて大きな実用的価値をもつもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電子楽器の構造
断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2における電子楽器の構造
断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3における電子楽器の構造
断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4における電子楽器の構造
断面図である。
【図5】本発明の実施の形態5における電子楽器の構造
断面図である。
【図6】実施の形態1の効果を示す音圧周波数特性図で
ある。
【図7】実施の形態1の効果を示す音圧指向特性図であ
る。
【図8】従来の電子楽器の構造を示す斜視図である。
【図9】従来の他の電子楽器の構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,11,21,31,41 鍵盤 1a,11a,21a,31a,41a パネル 1b,11b,21b,31b,41b 鍵盤カバー 2,12,22,32,42 キャビネット天板 3,13,23,33,43 キャビネット棚板 3a,13a,23a,33a,43a スピーカ開口 4,14,24,34,44,48 スピーカ 4a,14a,24a,34a,44a スピーカボッ
クス 5,15,25,35,45 キャビネット側板 6,16,26,36,46 ペダルボックス 7,17,27,37,47 キャビネット裏板 7a,17a,27a,37a,47a キャビネット
裏板上端部 7b,37b,47b キャビネット裏板傾斜部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作部が上面に配置されたキャビネット
    棚板と、 前記キャビネット棚板の両側に固定された一対のキャビ
    ネット側板と、 前記キャビネット側板の間であって、前記キャビネット
    棚板の下方に設けられたキャビネット裏板とを含んで電
    子楽器の枠体が形成され、 前記キャビネット棚板の下面に下方に向けて音を放射す
    るスピーカを配置すると共に、 前記キャビネット裏板の上端部を前記スピーカの開口部
    を二分するように配置し、前記スピーカの放射音の一部
    を後方へ導き出すようにしたことを特徴とする電子楽
    器。
  2. 【請求項2】 前記キャビネット裏板は、その上方に傾
    斜部を設けたことを特徴とする請求項1記載の電子楽
    器。
  3. 【請求項3】 前記キャビネット裏板は、その傾斜部の
    傾斜角度を可変としたことを特徴とする請求項2記載の
    電子楽器。
  4. 【請求項4】 前記キャビネット裏板の傾斜部に、後方
    に音を放射する補助スピーカを取付けたことを特徴とす
    る請求項2又は3記載の電子楽器。
  5. 【請求項5】 前記キャビネット裏板は、前記一対のキ
    ャビネット側板及び前記キャビネット棚板に対して垂直
    な面から傾けて配置された平板によって構成されたこと
    を特徴とする請求項1記載の電子楽器。
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