JP2000230628A - 差動装置 - Google Patents

差動装置

Info

Publication number
JP2000230628A
JP2000230628A JP3248499A JP3248499A JP2000230628A JP 2000230628 A JP2000230628 A JP 2000230628A JP 3248499 A JP3248499 A JP 3248499A JP 3248499 A JP3248499 A JP 3248499A JP 2000230628 A JP2000230628 A JP 2000230628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
differential
differential case
gear
case
operating member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3248499A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Sudo
則幸 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority to JP3248499A priority Critical patent/JP2000230628A/ja
Publication of JP2000230628A publication Critical patent/JP2000230628A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大気圧の影響を受けずに確実な動作が確保で
き、故障の原因となり易い流体路やポンプ等を必要とせ
ず、信頼性が高いにもかかわらず、低コストな差動装置
を提供する。 【解決手段】 アクチュエータ13の作動によって制動
する操作部材7と回転するデフケース1との間のカム作
用によって軸動する前記操作部材7との接続により前記
デフケース1から差動歯車4、5、6への回転駆動力の
接続がなされるように構成したもので、アクチュエータ
13の作動によって制動される操作部材7の制動力が比
較的小さなものであっても、制動される操作部材7と回
転するデフケース1との間のカム作用によって前記操作
部材7を強力に軸動させて、デフケース1から差動歯車
4、5、6への回転駆動力の接続を確実に行ってフリー
ランニング差動装置としての高い機能を発揮させること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デフケースの回転
駆動力を差動歯車を介して前記デフケースの回転軸上に
配置された左右のサイドギヤにトルク配分して伝達する
差動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】デフケースの回転駆動力を差動歯車を介
して前記デフケースの回転軸上に配置された左右のサイ
ドギヤにトルク配分して伝達する差動装置としては種々
の形式のものが採用されており、例えば、デフケースか
ら差動歯車への回転駆動力の接続を所定動力によって行
うフリーランニング差動装置や、デフケースと差動歯車
とのロック接続を所定動力によって行うデフロック差動
装置等がある。前者の例として、本件出願人の提案によ
る特許第2529245号(特開昭63−235748
号公報)に開示されたものがある。このものは、四輪駆
動車両における副駆動輪側(例えば前輪主駆動型の後輪
側)の差動装置に採用されて、トランスファーの切換え
に連動させて、二輪駆動状態から四輪駆動状態に切り換
えるために、差動歯車側をデフケースに接続するところ
のロック操作を行うようにして、デフケースからの回転
駆動力を車輪側に差動配分して伝達するものであり、前
記ロック操作を所定の動力によって行うように構成され
ている。
【0003】図5に示すように、デフケース31は、車
体側に固定された静止部材であるデフキャリヤ50に軸
受により回転自在に軸支されており、図示外のトランス
ファからの駆動力がピニオンギヤ40およびこれに噛合
するリングギヤ41を介して伝達されてくる。デフケー
ス31の内周面には、該内周面に対してフリーで回転自
在な状態にて、ピニオンギヤ34を軸支してデフケース
31の回転軸に直交するピニオン軸33の両端部を支持
するリング(インナーケース)32が嵌合される。ま
た、前記デフケース31の内周面には、該内周面の一部
に形成されたスプライン部31Aにその外周の歯部37
Aが係合して回転を共にするスライドギヤ(カムリン
グ)37が軸動自在に設置される。該スライドギヤ37
はスプリング38を介してフォーク39によって操作さ
れる。フォーク39は、静止側に設置された流体路47
からの流体圧を受けてシリンダ48内の圧力室44の拡
張により軸動するピストン49に接続されている。
【0004】前記スライドギヤ37の端面の歯部37B
がリング32の端面の歯部32Bに係合すると、リング
32はスプライン部31Aを介してデフケース31と一
体となり、デフケース31の回転駆動力が差動歯車であ
るピニオンギヤ34側に伝達される。これによって、副
駆動輪側であるデフケース31では、駆動力が車軸4
5、46側に伝達されない二輪駆動状態から駆動力が車
軸45、46側に伝達される四輪駆動状態となり、差動
歯車であるピニオンギヤ34およびこれらにその軸方向
両側から噛合して前記デフケース31の回転軸上に配置
された左右のサイドギヤ35、36により差動され、適
宜にトルク配分されて伝達される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記フリーランニング
差動装置により、前記流体等の所定の動力による遠隔操
作によって、副駆動輪側の差動装置をフリー状態の二輪
駆動状態から動力が伝達されて差動作用が行われるロッ
ク状態の四輪駆動状態に容易に切り換えることを可能に
した。しかしながら、このようにエア等の流体圧による
動力を利用して遠隔操作によって、二輪状態から四輪状
態に切り換えるものでは、例えば前述の例のもののよう
に、フォーク39を操作するために、シリンダ48内の
圧力室44に流体路47を通じてエア等の流体圧を供給
するためのエアポンプ等を必要とし、コスト高を招くと
ともに、流体路の漏洩等を考慮して構造上各部材の耐力
をより強固にする必要があった。
【0006】そこで、本発明は、前記提案のフリーラン
ニング差動装置やその他のデフロック差動装置等におけ
る従来のものの諸課題を解決して、大気圧の影響を受け
ずに確実な動作が確保でき、故障の原因となり易い流体
路やポンプ等を必要とせず、信頼性が高いにもかかわら
ず、低コストな差動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、デフケ
ースの回転駆動力を差動歯車を介して前記デフケースの
回転軸上に配置された左右のサイドギヤにトルク配分し
て伝達する差動装置であって、デフケースから差動歯車
への回転駆動力の接続を所定動力によって作動されるア
クチュエータおよび操作部材によりなされるフリーラン
ニング差動装置において、前記アクチュエータの作動に
よって制動する操作部材と回転するデフケースとの間の
カム作用によって軸動する前記操作部材との接続により
前記デフケースから差動歯車への回転駆動力の接続がな
されるように構成したことを特徴とするものである。ま
た本発明は、デフケースの回転駆動力を差動歯車を介し
て前記デフケースの回転軸上に配置された左右のサイド
ギヤにトルク配分して伝達する差動装置であって、デフ
ケースと差動歯車とのロック接続を所定動力によって作
動されるアクチュエータおよび操作部材によりなされる
デフロック差動装置において、前記アクチュエータの作
動によって制動する操作部材と回転するデフケースとの
間のカム作用によって軸動する前記操作部材との接続に
より前記デフケースと差動歯車との接続がなされるよう
に構成したことを特徴とするものである。また本発明
は、前記アクチュエータは電磁石の励磁によって作動す
る電磁クラッチであることを特徴とするものである。ま
た本発明は、前記操作部材は前記電磁クラッチにより締
結される多板クラッチ内に配設された摩擦部材によって
制動されることを特徴とするものである。また本発明
は、前記摩擦部材と操作部材との間にカム機構が設けら
れていることを特徴とするもので、これらを課題解決の
ための手段とするものである。
【0008】
【実施の形態】以下、本発明の差動装置の実施の形態を
図面に基づいて説明する。図1および図2は本発明の差
動装置の第1実施の形態を示し、フリーランニング差動
装置に適用された例で、図1はフリーランニング差動装
置の全体断面図、図2は図1のA矢視図で、摩擦部材で
あるフォークリングと操作部材であるカムリングならび
にデフケースとの関係構成図である。図1に示すよう
に、本実施の形態におけるフリーランニング差動装置は
以下のように構成される。デフケース1は、差動歯車が
収納される左デフケース1Aとこれを蓋状に閉じる右デ
フケース1Bとから構成され、図示外のトランスファー
からの回転駆動力を受けて回転する。デフケース1は、
車体側に固定された静止部材であるデフキャリヤに軸受
により回転自在に軸支されており、左デフケース1Aの
内周面には、該内周面に対してフリーで回転自在な状態
にて、ピニオンギヤ4を軸支してデフケース1の回転軸
に直交するピニオン軸3の両端部を支持するインナーケ
ース2が嵌合され、また、左デフケース1Aの側壁の孔
1Dには操作部材であるカムリング7の軸部7Dが軸方
向にスライド自在に設置されてデフケース1と回転を共
にする。カムリング7の内側の端面に刻設されたクラッ
チ歯7Aとインナーケース2の外側の端面に刻設された
クラッチ歯2Aとの接続によって、デフケース1とイン
ナーケース2とが一体となり、デフケース1の回転駆動
力がインナーケース2に伝達され、前記インナーケース
2に両端部が支持されたピニオン軸3に軸支された複数
のピニオンギヤ4とのはすば歯車等の傘歯歯車噛合によ
り、前記デフケース1の回転軸上に配置された左右のサ
イドギヤ5、6に駆動トルクが配分、伝達されて差動作
用が行われる。
【0009】前記カムリング7の左デフケース1Aへの
設置は、図1のA矢視図である図2に示すように、左デ
フケース1Aに穿設された孔1Dに、該孔1Dの傾斜カ
ム面1Cと整合してカム部14を構成するカムリング7
の傾斜カム面7Bを有する軸部7Dが挿入され、左デフ
ケース1Aの外側面との間に介設されたリターンスプリ
ング9によってデフケース1の外側に付勢されている。
前記カムリング7の軸部7Dの内周面にはフォーク受溝
7Cが刻設されており、該フォーク受溝7Cには摩擦部
材であるフォークリング8の軸方向に延びるフォーク部
8Aが挿入設置される。フォークリング8にはディスク
部8Bが径方向外側に延設され、該ディスク部8Bは、
静止部材であるデフキャリヤ側に設置された電磁クラッ
チ13における多板クラッチ11の左右のクラッチプレ
ート11A、11B間に回転摺接自在に配設される。
【0010】電磁クラッチ13は静止側に配設され、前
記フォークリング8のディスク部8Bおよびその両側に
位置する左右のクラッチプレート11A、11Bを挟持
するように電磁石12とアーマチャ10とが配置され
る。電力の供給によって励磁される電磁石12によるア
ーマチャ10の吸引により、左右のクラッチプレート1
1A、11Bが軸動し、フォークリング8のディスク部
8Bを挟持押圧して制動が行われるように構成される。
したがって、フォークリング8の制動に伴いカムリング
7も制動され、図2に示すように、制動するカムリング
7の傾斜カム面7Bと回転する左デフケース1Aの傾斜
カム面1Cとで構成されるカム部14のカム作用によっ
て、図2(A)の三者が一体となって回転していた状態
から図2(B)に示すような、回転を続けようとする左
デフケース1Aの孔1Dにおける傾斜カム面1Cによっ
て、制動されるカムリング7はその傾斜カム面7Bを介
して矢印の方向に押し出される。これにより、フォーク
リング8のフォーク部8Aをフォーク受溝7Cに受け入
れているカムリング7は軸方向内側にスライドし、該カ
ムリング7の端面に刻設されたクラッチ歯7Aが図1に
示されたインナーケース2の端面に刻設されたクラッチ
歯2Aに係合して、デフケース1からの回転駆動力がイ
ンナーケ−ス2に伝達されることとなり、図示外のトラ
ンスファーからの回転駆動力を受けた四輪駆動状態とな
る。かくして、デフケース1の回転駆動力は、インナー
ケース2に両端部が支持されてデフケース1の回転軸に
直交するピニオン軸3に軸支された複数のピニオンギヤ
4等のはすば歯車等の傘歯歯車噛合による差動歯車を介
して前記デフケース1の回転軸上に配置された左右のサ
イドギヤ5、6にトルク配分されて伝達される。
【0011】図3は本発明の第2実施の形態を示すもの
で、図1におけるA矢視図に相当する、摩擦部材である
フォークリングと操作部材であるカムリングならびにデ
フケースとの関係構成図である。本実施の形態のもの
も、左デフケース1Aに穿設された孔1Dに、該孔1D
の傾斜カム面1Cと整合してカム部14を構成するとこ
ろの操作部材であるカムリング7の傾斜カム面7Bを有
する軸部7Dが挿入され、前記カムリング7の軸部7D
の内周面のフォーク受溝7Cには摩擦部材であるフォー
クリング8の軸方向に延びるフォーク部8Aが挿入設置
されている点で、前記図2のものと基本的な構成を同じ
くするが、本実施の形態では、フォークリング8のフォ
ーク部8Aとカムリング7のフォーク受溝7Cとが傾斜
面によるカム部15を構成するものである。
【0012】したがって、本実施の形態では、左デフケ
ース1Aの孔1Dとカムリング7の傾斜カム面7Bとの
間のカム部14と、フォークリング8のフォーク部8A
とカムリング7のフォーク受溝7Cとの間のカム部15
の2重のカム部を構成することにより、図3(A)の三
者が一体となって回転していた状態から図3(B)に示
すような、回転を続けようとする左デフケース1Aの孔
1Dにおける傾斜カム面1Cによって、制動されるカム
リング7がその傾斜カム面7Bを介して矢印の方向に押
し出される際に、該カムリング7は、制動する摩擦部材
であるフォークリング8のフォーク部8Aに対しても第
2カム部材とも言うべき前記カム部15のカム作用によ
って比較的容易に矢印のクラッチ接続方向にスライドす
ることができる。これにより、カムリング7の端面に刻
設されたクラッチ歯7Aが図1に示されたインナーケー
ス2の端面に刻設されたクラッチ歯2Aに係合して、デ
フケース1からの回転駆動力がインナーケ−ス2に伝達
されることとなり、図示外のトランスファーからの回転
駆動力を受けた四輪駆動状態となる。本実施の形態で
は、第2カム部15を形成したことにより、左デフケー
ス1Aの孔1Dとカムリング7の傾斜カム面7Bとの間
のカム部14の傾斜角度を前記図2の第1実施の形態の
ものよりも緩やかに形成しても効果的なカム作用を発揮
することができる。
【0013】図4は本発明の差動装置の第3実施の形態
を示し、デフロック差動装置に適用された例で、全体断
面図である。図4に示すように、 デフケース1は、差
動歯車が収納される左デフケース1Aとこれを蓋状に閉
じる右デフケース1Bとから構成され、図示外のトラン
スファーからの回転駆動力を受けて回転する。前記図1
のフリーランニング差動装置のものと同様に、左右のデ
フケース1A、1Bからなるデフケース1は車体側に固
定された静止部材であるデフキャリヤに軸受により回転
自在に軸支され、左デフケース1A内には、その回転軸
に直交してピニオン軸3の両端部が固定支持される。該
ピニオン軸3には複数のピニオンギヤ4が軸支され、こ
れら複数のピニオンギヤ4の軸方向両側からはすば歯車
等の傘歯歯車噛合により、前記デフケース1の回転軸上
に配置された左右のサイドギヤ5、6が設置される。一
方、左デフケース1Aの側壁の孔には操作部材であるカ
ムリング7の軸部が軸方向にスライド自在に設置されて
デフケース1と回転を共にする。
【0014】本実施の形態のものにおける、アクチュエ
ータとしての電磁クラッチ13、多板クラッチ11、摩
擦部材としてのフォークリング8、操作部材としてのカ
ムリング7の各構成およびそれらの間の関連構成ならび
にそれらの動作については、前記図1〜図3に示したも
のと同様のものが採用される。なお、カムリング7の復
元付勢を行うリターンスプリング9はカムリング7と左
サイドギヤ5との間に設置される。したがって、電力の
供給によって励磁される電磁石12によるアーマチャ1
0の吸引により、左右のクラッチプレート11A、11
Bが軸動し、フォークリング8のディスク部8Bを挟持
押圧して制動が行われると、フォークリング8のフォー
ク部8Aを介してカムリング7を制動させ、回転する左
デフケース1Aの孔との間に形成されるカム部のカム作
用によってカムリング7を軸方向内側にスライドさせ
て、カムリング7の端面に刻設されたクラッチ歯7Aと
前記左サイドギヤ5の背面側端面に刻設されたクラッチ
歯5Aとの接続によって、左デフケース1Aと左サイド
ギヤ5とが一体となり、デフケース1からの回転駆動力
は、差動歯車であるピニオンギヤ4、サイドギヤ5、6
による差動作用が行われるとなく、一体となって回転駆
動力が伝達されるいわゆるデフロック状態となって、悪
路脱出等を容易に行うことを可能にする。
【0015】以上、本発明の実施の形態を述べてきた
が、本発明の趣旨の範囲内で、差動装置としてのフリー
ランニング差動装置あるいはデフロック差動装置の形
式、これら差動装置における差動歯車の形式、インナー
ケースの形状、形式、インナーケースあるいはサイドギ
ヤのカムリングとの係合形式、操作部材を構成するカム
リングの形式およびそのフォークとの係合形態ならびに
デフケースへの設置形態、摩擦部材であるフォークの形
状、アクチュエータを構成する電磁クラッチ等の形式、
多板クラッチの形式、多板クラッチにおけるフォークと
の関連構成等については適宜選定できる。また、本アク
チュエータおよび操作部材は、デフケース内の一方のサ
イドギヤを2分したり、デフケース外の一方の出力軸を
2分したり、あるいはデフケース内の一方のサイドギヤ
と出力軸とを2分するクラッチすなわちアクスルディス
コネクト方式の差動装置に適用することもできる。
【0016】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明
は、デフケースから差動歯車への回転駆動力の接続を所
定動力によって作動されるアクチュエータおよび操作部
材によりなされるフリーランニング差動装置において、
前記アクチュエータの作動によって制動する操作部材と
回転するデフケースとの間のカム作用によって軸動する
前記操作部材との接続により前記デフケースから差動歯
車への回転駆動力の接続がなされるように構成したこと
により、アクチュエータの作動によって制動される操作
部材の制動力が比較的小さなものであっても、制動され
る操作部材と回転するデフケースとの間のカム作用によ
って前記操作部材を強力に軸動させて、デフケースから
差動歯車への回転駆動力の接続を確実に行ってフリーラ
ンニング差動装置としての高い機能を発揮させることが
できる。
【0017】また、デフケースと差動歯車とのロック接
続を所定動力によって作動されるアクチュエータおよび
操作部材によりなされるデフロック差動装置において、
前記アクチュエータの作動によって制動する操作部材と
回転するデフケースとの間のカム作用によって軸動する
前記操作部材との接続により前記デフケースと差動歯車
との接続がなされるように構成したことにより、アクチ
ュエータの作動によって制動される操作部材の制動力が
比較的小さなものであっても、制動される操作部材と回
転するデフケースとの間のカム作用によって前記操作部
材を強力に軸動させて、デフケースと差動歯車との一体
化の接続を確実に行ってデフロック差動装置としての高
い機能を発揮させることができる。
【0018】さらに、前記アクチュエータは電磁石の励
磁によって作動する電磁クラッチである場合は、アクチ
ュエータを作動させる動力源として電力を使用するの
で、従来のエアを圧力源としたアクチュエータのものの
ように圧力ポンプが不要で省スペースを実現して低コス
トとなる他、制御情報の伝達が破損や破裂の虞れの少な
い電力線によって伝達されるので故障の可能性を最小限
にでき、その上、大気圧による影響を受けて制御応答性
が低下することもない。さらにまた、前記操作部材は前
記電磁クラッチにより締結される多板クラッチ内に配設
された摩擦部材によって制動されることにより、クラッ
チ歯を接続する操作部材であるカムリングがスリップし
ながらの制動を伴って動作するので、各部材間に無理な
衝撃が加わることが防止でき、しかもこのスリップを伴
う小さな制動力にても、前述した制動される操作部材と
回転するデフケースとの間のカム作用によって前記操作
部材を強力に軸動させて、フリーランニング差動装置あ
るいはデフロック差動装置としての特性との巧妙な組合
せが実現される。
【0019】また、前記摩擦部材と操作部材との間にカ
ム機構が設けられている場合は、操作部材とデフケース
との間のカム部とともに2つのカム部が形成されている
ことにより、これらのカム部におけるそれぞれの傾斜カ
ム面の傾斜角度を比較的緩やかに形成しても効果的なカ
ム作用を発揮することができる。このように、本発明に
よれば、大気圧の影響を受けずに確実な動作が確保で
き、故障の原因となり易い流体路やポンプ等を必要とせ
ず、信頼性が高いにもかかわらず、低コストな差動装置
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動装置の第1実施の形態を示し、フ
リーランニング差動装置に適用された例で、フリーラン
ニング差動装置の全体断面図
【図2】図1のA矢視図で、摩擦部材であるフォークリ
ングと操作部材であるカムリングならびにデフケースと
の関係構成図である。
【図3】本発明の第2実施の形態を示すもので、図1に
おけるA矢視図に相当する、摩擦部材であるフォークリ
ングと操作部材であるカムリングならびにデフケースと
の関係構成図である。
【図4】本発明の差動装置の第3実施の形態を示し、デ
フロック差動装置に適用された例で、全体断面図であ
る。
【図5】本発明の背景となったフリーランニング差動装
置の全体断面図である。
【符号の説明】
1 デフケース 1A 左デフケース 1B 右デフケース 1C 傾斜カム面 1D 孔 2 インナーケース 2A クラッチ歯 3 ピニオン軸 4 ピニオンギヤ 5 左サイドギヤ 5A クラッチ歯 6 右サイドギヤ 7 カムリング(操作部材) 7A クラッチ歯 7B 傾斜カム面 7C フォーク受溝 7D 軸部 8 フォークリング(摩擦部材) 8A フォーク部 8B ディスク部 9 リターンスプリング 10 アーマチャ 11 多板クラッチ 11A 左クラッチプレート 11B 右クラッチプレート 12 電磁石 13 電磁クラッチ(アクチュエータ) 14 カム部 15 カム部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デフケースの回転駆動力を差動歯車を介
    して前記デフケースの回転軸上に配置された左右のサイ
    ドギヤにトルク配分して伝達する差動装置であって、デ
    フケースから差動歯車への回転駆動力の接続を所定動力
    によって作動されるアクチュエータおよび操作部材によ
    りなされるフリーランニング差動装置において、前記ア
    クチュエータの作動によって制動する操作部材と回転す
    るデフケースとの間のカム作用によって軸動する前記操
    作部材との接続により前記デフケースから差動歯車への
    回転駆動力の接続がなされるように構成したことを特徴
    とするフリーランニング差動装置。
  2. 【請求項2】 デフケースの回転駆動力を差動歯車を介
    して前記デフケースの回転軸上に配置された左右のサイ
    ドギヤにトルク配分して伝達する差動装置であって、デ
    フケースと差動歯車とのロック接続を所定動力によって
    作動されるアクチュエータおよび操作部材によりなされ
    るデフロック差動装置において、前記アクチュエータの
    作動によって制動する操作部材と回転するデフケースと
    の間のカム作用によって軸動する前記操作部材との接続
    により前記デフケースと差動歯車との接続がなされるよ
    うに構成したことを特徴とするデフロック差動装置。
  3. 【請求項3】 前記アクチュエータは電磁石の励磁によ
    って作動する電磁クラッチであることを特徴とする請求
    項1または2に記載の差動装置。
  4. 【請求項4】 前記操作部材は前記電磁クラッチにより
    締結される多板クラッチ内に配設された摩擦部材によっ
    て制動されることを特徴とする請求項3に記載の差動装
    置。
  5. 【請求項5】 前記摩擦部材と操作部材との間にカム機
    構が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の
    差動装置。
JP3248499A 1999-02-10 1999-02-10 差動装置 Pending JP2000230628A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3248499A JP2000230628A (ja) 1999-02-10 1999-02-10 差動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3248499A JP2000230628A (ja) 1999-02-10 1999-02-10 差動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000230628A true JP2000230628A (ja) 2000-08-22

Family

ID=12360269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3248499A Pending JP2000230628A (ja) 1999-02-10 1999-02-10 差動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000230628A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003322240A (ja) * 2001-04-12 2003-11-14 Tochigi Fuji Ind Co Ltd 動力断続装置及びトランスファ装置及びデファレンシャル装置
KR100482732B1 (ko) * 2001-04-12 2005-04-14 도치기 후지 산교 가부시키가이샤 차동 기어 기구
KR100591672B1 (ko) * 2002-03-27 2006-06-19 도치기 후지 산교 가부시키가이샤 액츄에이터
KR100591418B1 (ko) * 2005-01-18 2006-06-21 위아 주식회사 4륜구동 차량의 동력단속장치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003322240A (ja) * 2001-04-12 2003-11-14 Tochigi Fuji Ind Co Ltd 動力断続装置及びトランスファ装置及びデファレンシャル装置
KR100482732B1 (ko) * 2001-04-12 2005-04-14 도치기 후지 산교 가부시키가이샤 차동 기어 기구
KR100591672B1 (ko) * 2002-03-27 2006-06-19 도치기 후지 산교 가부시키가이샤 액츄에이터
KR100591418B1 (ko) * 2005-01-18 2006-06-21 위아 주식회사 4륜구동 차량의 동력단속장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3628983B2 (ja) 電磁クラッチを有した動力伝達装置
JPH0781600B2 (ja) 接続可能な液体摩擦クラッチ
JP2004249979A (ja) 共通のキャリアを有する2つの遊星歯車装置を備えたトランスファーケース
KR100907166B1 (ko) 차량용 차동 제한 장치
JP2000230628A (ja) 差動装置
JP4216975B2 (ja) 四輪駆動車両の動力伝達装置
JP2001193821A (ja) 電磁式クラッチ装置
EP1503100B1 (en) A power transmitting apparatus with electromagnetically actuated clutching device.
JP2006189149A (ja) デファレンシャル装置
JP4876361B2 (ja) 動力伝達装置
JP2007139147A (ja) 駆動力伝達装置
JP2001020975A (ja) カップリング
JP4673811B2 (ja) 電磁クラッチ
US20240198794A1 (en) Disconnecting differential side gear mechanism
JP2003039969A (ja) 動力伝達装置
JP2000230630A (ja) 差動装置用アクチュエータ
JP4294808B2 (ja) 動力伝達装置
JPS6157431A (ja) 四輪駆動車の駆動力伝達装置
JP2001012509A (ja) カップリング
JP2001050303A (ja) カップリング及びデファレンシャル装置
JPH1148818A (ja) ハブクラッチ
JP2844006B2 (ja) 動力伝達装置
JP2001260680A (ja) カップリング及びデファレンシャル装置
JPH1199843A (ja) 回転伝達装置
JP3815965B2 (ja) カップリング装置