JP2000229808A5 - - Google Patents

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【0005】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、老年層に於いても、自然に見え、且つ、肌トラブルをカバーする化粧料とその効果の起源である、化粧料用の粉体を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、板状粉体上に、透明乃至は半透明粉体と色素を主成分として含有する被覆層を中間層として有し、透明乃至は半透明粉体を主成分とする被覆層を最外層として有する、いわば、皮膚類似構造を有する粉体がその様な光学的効果を有しており、該粉体を化粧料に含有させることにより、老年層に於いても、自然に見え、且つ、肌のトラブルをカバーしうる化粧料となることを見出し、発明を完成させるに至った。以下、本発明について、実施の形態を中心に詳細に説明を加える。
【0006】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の多層構造粉体
本発明の多層構造粉体は、皮膚類似構造を有することを特徴とする。ここで皮膚類似構造とは、光学的な効果に於ける類似構造を意味する。即ち、皮膚に於いては、真皮に血管に由来する赤い色が存在し、この上部に、凹凸を形成しながら黄色乃至は黒のメラニン色素が分散している基底層が存在し、更に最上部には、半透明で反射或いは拡散の混在した角層がある。この様な光学特性を備えていることが本発明の粉体の特徴である。この様な光学特性を具現する粉体としては、例えば、板状粉体上に、透明乃至は半透明粉体と色素を主成分として含有する被覆層を中間層として有し、透明乃至は半透明粉体を主成分とする被覆層を最外層として有する様な粉体が、好ましく例示できる。勿論、この様な多層構造の間に光学的に妨げにならない層を挟むこともでき、この様な光学的な影響の少ない層を挟んだ多層粉体も本発明の技術的範に属する。これらの層の被覆はメカノケミカル的でも、部分燒結によるものでも構わない。燒結条件としては、有酸素条件下或いは窒素気流下、100〜1000℃で焼成することが好ましく例示できるし、メカノケミカルな方法としては、遊星ボールミルによるコーティング方法が例示できる。更に、本発明粉体は、シリコーン類、パーフルオロ基を有するカップリング剤、金属石鹸、アミノ酸誘導体などにより表面を処理・改質することもでき、この様な表面を処理・改質されたものも本発明の技術的範囲に属する。これらの層の特質とその製造法を各必須の層毎に下記に示す。かくして得られた本発明の粉体は、皮膚に塗布した場合、皮膚類似構造を有するため、年をとった人でも厚ぼったさなく、自然な感じで、優れたカバー力を発揮するので、若々しい肌に装うことが出来る。
【0008】
2)必須の3層の内の中間層
本発明の粉体の多層構造の内、前記板状粉体の上部にくる必須の層は、透明乃至は半透明粉体が、シリカ、ナイロンパウダー、シリコーン樹脂及びアクリル酸系高分子から選ばれる、1種乃至は2種以上であり、色素が有機色素、酸化鉄及び複合金属酸化物から選ばれる1種乃至は2種以上である様な、有色粉体と透明粉体乃至は半透明粉体によって構成される層である。ここで有色粉体としては、黄色と赤の有色粉体がこの層に含まれていることが好ましい。有色粉体は透明乃至は半透明粉体の内部にあっても、表面上に存在していても、その両者であっても良く、赤い有色粉体と黄色い有色粉体は、独立に別の透明乃至は半透明粉体上又は内部に存在していても良く、同一の透明乃至は半透明粉体上又は内部に存在していても良い。黄色の有色粉体としては、例えば、黄色酸化鉄、黄色401号、鉄ドープ二酸化チタン、鉄ドープ酸化亜鉛等が好ましく例示でき、赤色の有色粉体としては、例えば、赤色202号、赤色226号、ベンガラ、鉄ドープ二酸化チタン、鉄ドープ酸化亜鉛等が好ましく例示できる。ここで、赤色の有色粉体と黄色の有色粉体の好ましい割合は、1:3〜1:10であり、これら有色粉体の総量と透明又は半透明粉体の好ましい割合は1:1〜1:100である。これは、有色粉体の着色効果がこの様な形態にすることにより、より強く現れるからである。又、この層の本発明の粉体於ける割合は、10〜40重量%であることが好ましい。これらの粉体或いは層の内部には、光学的に発明を損なわない粉体を任意成分として含むことが出来る。又、粒径的な、基底層の凹凸構造を疑似できる程度の粒径にすることが好ましい。
【0010】
(2)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、上記本発明の粉体を含有することを特徴とする。本発明の粉体の光学特性より、本発明の化粧料は、年をとった人でも厚ぼったさなく、自然な感じで、優れたカバー力を発揮し、若々しく装うことが出来る。従って、本発明の化粧料は老年者が使用するのに大変好適である。又、化粧料としてはその剤形、用途は特段限定されないが、粉体化粧料としてメークアップ化粧料に適用するのが特に好ましい。本発明の化粧料に於ける、上記本発明の粉体の好ましい含有量は、化粧料全量に対して、1〜40重量%である。これは、少なすぎると本発明の効果が得られない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになり、経済的でない場合があるためである。本発明の化粧料は、本発明の粉体以外に、化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリンや1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類等が好ましく例示できる。これらの原料を常法に従って処理することにより、本発明の化粧料は製造することが出来る。

Claims (3)

  1. 皮膚類似構造として、真皮類似構造、基底層類似構造、透明層類似構造及び角層類似構造の内の少なくとも2種の構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の多層構造粉体。
  2. 板状粉体上に、透明乃至は半透明粉体と色素を主成分として含有する被覆層を中間層として有し、透明乃至は半透明粉体を主成分とする被覆層を最外層として有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層構造粉体。
  3. 請求項1〜10の何れか一項に記載の多層構造粉体を含有する、化粧料。
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