JP2000226673A - リン酸亜鉛系化成処理液およびそれを用いた化成処理方法 - Google Patents

リン酸亜鉛系化成処理液およびそれを用いた化成処理方法

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JP2000226673A
JP2000226673A JP11025433A JP2543399A JP2000226673A JP 2000226673 A JP2000226673 A JP 2000226673A JP 11025433 A JP11025433 A JP 11025433A JP 2543399 A JP2543399 A JP 2543399A JP 2000226673 A JP2000226673 A JP 2000226673A
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zinc phosphate
ions
film
zinc
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Fuyuhiko Kubota
冬彦 久保田
Seishi Hotta
清史 堀田
Makiko Koyama
牧子 小山
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材料表面に極めて微細な化成皮膜を均一
に形成し、金属材料の塗装下地用皮膜に対してはより高
い塗膜密着性や耐食性を、塑性加工用皮膜に対してはよ
り優れた潤滑性を与えることができるリン酸亜鉛系化成
処理液を提供する。 【解決手段】 亜鉛イオンおよびリン酸イオンを主成分
として含み、かつスズイオンを含むことを特徴とするリ
ン酸亜鉛系化成処理液である。好適にはスズイオン濃度
は10ppm以上である。また、当該リン酸亜鉛系化成
処理液を、金属材料の表面に接触させて、当該金属材料
表面上にリン酸亜鉛系化成皮膜を形成することを特徴と
する化成処理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種金属材料、例
えば鋼材、鋼板、亜鉛メッキ鋼板等に化成皮膜を形成す
るためのリン酸亜鉛系化成処理液およびその処理方法に
関するものであり、より具体的には、金属材料表面に極
めて微細な化成皮膜を均一に形成し、塗装における塗膜
密着性・耐食性、あるいは塑性加工における潤滑性に優
れた化成皮膜を形成できるリン酸亜鉛系化成処理液およ
びその処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種金属材料に対して塗装ある
いは塑性加工を施す際、塗膜の密着性や耐食性、あるい
は塑性加工における潤滑性を向上させるために、その前
処理としてリン酸亜鉛系化成処理液で処理して化成皮膜
を形成することが知られている。
【0003】リン酸亜鉛系化成処理液は、通常、亜鉛イ
オンおよびリン酸イオンを主成分として含み、さらに酸
化剤を含む酸性溶液である。ここで酸化剤としては、従
来より、硝酸塩、亜硝酸塩、塩素酸塩が用いられてい
る。酸化剤は、例えば鉄系金属の化成処理に際しては、
処理液中に溶出する2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに
酸化する役割を果たし、2価の鉄イオンの蓄積による化
成反応阻害を防止するものである。
【0004】しかし、近年では、金属材料の塗装下地用
皮膜に対してはより高い塗膜密着性や耐食性を、塑性加
工用皮膜に対してはより優れた潤滑性がそれぞれ要求さ
れるようになっており、これらの要求を満足できる新規
なリン酸亜鉛系化成処理液の開発が要望されてきてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属材料表
面に極めて微細な化成皮膜を均一に形成し、金属材料の
塗装下地用皮膜に対してはより高い塗膜密着性や耐食性
を、塑性加工用皮膜に対してはより優れた潤滑性を与え
ることができるリン酸亜鉛系化成処理液を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、亜鉛イオンおよびリ
ン酸イオンを主成分とするリン酸亜鉛系化成処理液に、
スズイオンを添加したリン酸亜鉛系化成処理液が上記課
題を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
【0007】即ち、本発明は以下の通りである。 (1) 亜鉛イオンおよびリン酸イオンを主成分として含
み、かつスズイオンを含むことを特徴とするリン酸亜鉛
系化成処理液。 (2) スズイオン濃度が10ppm以上である上記(1) 記
載のリン酸亜鉛系化成処理液。 (3) 上記(1) または(2) 記載のリン酸亜鉛系化成処理液
を、金属材料の表面に接触させて、当該金属材料表面上
にリン酸亜鉛系化成皮膜を形成することを特徴とする化
成処理方法。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
リン酸亜鉛系化成処理液は、亜鉛イオンおよびリン酸イ
オンを主成分とするものである。亜鉛イオンは、従来の
リン酸亜鉛系化成処理液と同様に、亜鉛の塩化物、酸化
物、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭
酸塩等の形態で添加して溶解させる。亜鉛イオン濃度
は、形成される化成皮膜の用途によってその適正範囲は
異なるが、一般に好ましくは0.5〜15g/lの範囲
である。特に、金属材料の塗装下地用として使用する場
合には、亜鉛イオン濃度は好ましくは0.7〜2g/l
の範囲であり、金属材料の塑性加工用として使用する場
合には、亜鉛イオン濃度は好ましくは5〜15g/lの
範囲である。
【0009】リン酸イオンは、従来のリン酸亜鉛系化成
処理液と同様に、リン酸あるいはリン酸塩等の形態で添
加して溶解させる。リン酸イオン濃度としては、形成さ
れる化成皮膜の用途によってその適正範囲は異なるが、
一般に好ましくは5〜30g/lの範囲である。
【0010】本発明のリン酸亜鉛系化成処理液は、さら
にスズイオンを含有する。スズイオンのイオン価は特に
限定されないが、一般的な2価または4価が適当であ
る。スズイオンは、2価または4価のスズの塩化物、酸
化物、水酸化物、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等
の形態で添加して溶解させる。またこれらのスズ化合物
は、化成処理液に用いられるリン酸に予め溶解してから
添加することも可能である。
【0011】スズイオン濃度については特に限定されな
いが、好ましくは10ppm以上、より好ましくは50
ppm以上であり、このような範囲となるようにスズ化
合物を添加する。スズイオン濃度が10ppm未満であ
る場合、当該化成処理液を用いると、金属材料の塗装下
地用皮膜における塗膜密着性や耐食性、あるいは塑性加
工用皮膜における潤滑性の向上効果が低い。スズイオン
濃度の上限は特に制限されないが、1000ppmを超
えてもそれ以上の効果が期待できず、経済的利点がな
い。
【0012】本発明のリン酸亜鉛系化成処理液を塗装下
地用の化成処理液として用いる場合には、被処理金属材
料の塗装性能を向上させる目的で、亜鉛、スズ以外の金
属イオンをさらに含有してもよい。亜鉛、スズ以外の金
属イオンとしては、ニッケル、マンガン、コバルト、マ
グネシウム、カルシウム等の金属イオンが挙げられ、当
該金属イオンは、当該金属の塩化物、酸化物、水酸化
物、炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の形
で化成処理液中に添加して溶解させる。
【0013】リン酸亜鉛系化成処理液を用いて金属表面
に化成処理を施す場合、アルカリ脱脂、水洗、リン酸亜
鉛系化成処理、水洗の順に処理を行うのが一般的であ
る。ここでリン酸亜鉛系化成処理は、浸漬法、スプレー
法もしくはこれらの組合せにより行われる。一般に、塗
装下地用の化成処理の場合では、化成処理液の温度は3
0〜60℃、処理時間は1〜5分程度であり、塑性加工
用の化成処理の場合には、化成処理液の温度は50〜9
0℃、処理時間は5〜15分程度が一般的である。
【0014】このような処理が行われる金属材料として
は、鋼材、鋼板、亜鉛メッキ鋼板等が挙げられる。
【0015】本発明のリン酸亜鉛系化成処理液を用いて
金属表面に化成処理を施すと、被処理金属表面により均
一かつ緻密なリン酸亜鉛系化成皮膜を形成することがで
きるので、塗装下地用皮膜に対してはより高い塗膜密着
性や耐食性を、塑性加工用皮膜に対してはより優れた潤
滑性を与えることができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例により限定されるものではな
い。 1.化成皮膜重量 化成処理前後の鋼板の重量変化を化成皮膜重量とした。 2.化成皮膜の結晶形状およびその粒子径 走査電子顕微鏡(日立 FE−SEM S−4500)
により表面観察を行った(加速電圧:2kV)。
【0017】実施例1 アルカリ脱脂剤で脱脂、水洗した板厚0.8mmの冷延
鋼板を、下記組成の化成処理液に45℃で2分間浸漬し
た。処理後、脱イオン水で水洗し、熱風乾燥した。 <処理液組成> (pH=3.3) リン酸イオン: 15g/l(75重量%リン酸添加) 亜鉛イオン: 1.1g/l(酸化亜鉛添加) ニッケルイオン: 1.0g/l(炭酸ニッケル添加) スズイオン: 200ppm(塩化第一スズ添加) 形成された化成皮膜重量は2.7g/m2 であり、その
結晶形状は粒状、粒子径は3μmであった。この化成皮
膜は灰黒色で均一緻密であった。
【0018】実施例2 アルカリ脱脂剤で脱脂、水洗、酸洗した板厚0.8mm
の炭素鋼板を、下記組成の化成処理液に80℃で10分
間浸漬した。処理後、脱イオン水で水洗し、熱風乾燥し
た。 <処理液組成> (pH=2.5) リン酸イオン: 15g/l(75重量%リン酸添加) 亜鉛イオン: 10g/l(酸化亜鉛添加) スズイオン: 200ppm(塩化第一スズ添加) 形成された化成皮膜重量は15g/m2 であり、その結
晶形状は葉状、粒子径は20μmであった。この化成皮
膜は灰白色で均一緻密であった。
【0019】比較例1 実施例1で使用した処理液において、スズイオンを添加
しない組成の処理液を調製し、この処理液を用いて実施
例1と同様の方法により冷延鋼板を処理した。形成され
た化成皮膜重量は2.5g/m2 であり、その結晶形状
は粒状、粒子径は5μmであった。この化成皮膜は灰黒
色で一部不均一な部分が観察された。
【0020】比較例2 実施例2で使用した処理液において、スズイオンを添加
しない組成の処理液を調製し、この処理液を用いて実施
例2と同様の方法により冷延鋼板を処理した。形成され
た化成皮膜重量は12g/m2 であり、その結晶形状は
粒状、粒子径は30μmであった。この化成皮膜は灰白
色で一部不均一な部分が観察された。
【0021】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
リン酸亜鉛系化成処理液によれば、被処理金属表面によ
り均一かつ緻密なリン酸亜鉛系化成皮膜を形成すること
ができるので、金属材料の塗装下地用皮膜に対しては、
より高い塗膜密着性や耐食性を、塑性加工用皮膜に対し
ては、より優れた潤滑性を与えることが可能となった。
フロントページの続き (72)発明者 小山 牧子 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA07 AA22 BB04 BB06 BB08 CA13 CA18 CA23 DA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛イオンおよびリン酸イオンを主成分
    として含み、かつスズイオンを含むことを特徴とするリ
    ン酸亜鉛系化成処理液。
  2. 【請求項2】 スズイオン濃度が10ppm以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のリン酸亜鉛系化成処理
    液。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のリン酸亜鉛系化
    成処理液を、金属材料の表面に接触させて、当該金属材
    料表面上にリン酸亜鉛系化成皮膜を形成することを特徴
    とする化成処理方法。
JP11025433A 1999-02-02 1999-02-02 リン酸亜鉛系化成処理液およびそれを用いた化成処理方法 Pending JP2000226673A (ja)

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