JP2000226519A - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物

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JP2000226519A
JP2000226519A JP2829699A JP2829699A JP2000226519A JP 2000226519 A JP2000226519 A JP 2000226519A JP 2829699 A JP2829699 A JP 2829699A JP 2829699 A JP2829699 A JP 2829699A JP 2000226519 A JP2000226519 A JP 2000226519A
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polyarylene sulfide
sulfide resin
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resin composition
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Yoshihisa Tajima
義久 田島
Hiroyuki Amano
博之 天野
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Polyplastics Co Ltd
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Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の流動性、成形固化時における結晶化挙
動、成形表面性等を改善して成形加工性に優れ、低温度
の金型による成形に適した成形用ポリアリーレンサルフ
ァイド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 1
00重量部に対し、(B) 特定の芳香族ポリエーテルオリゴ
マー0.1 〜10重量部を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形用、特に射出成
形用ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物に関する。
更に詳しくは、樹脂の流動性、成形固化時における結晶
化挙動、成形表面性等を改善して成形加工性に優れ、低
温度の金型による成形に適した成形用ポリアリーレンサ
ルファイド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電気・
電子機器部品材料、自動車機器部品材料、化学機器部品
材料等には、機械的物性に優れ高い耐熱性、耐化学薬品
性を有し、なおかつ難燃性の熱可塑性樹脂が要求されて
きている。ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと
略す)に代表されるポリアリーレンサルファイド(以下
PASと略す)樹脂もこの要求に応える樹脂の一つであ
り、特にガラス繊維の如き無機の繊維状強化剤を配合し
たPAS樹脂組成物は優れた機械的強度を有し、対コス
ト物性比が良いこともあって需要を伸ばしている。しか
しながら、この樹脂は射出成形等により加工する場合、
溶融状態から固化する際の結晶化速度が遅く、またガラ
ス転移温度が高いこと等の理由から、局部的に不均一な
結晶構造となり易いため成型品表面が外観的にも構造的
にも不均一(ムラ)を生じ、これが物性にも影響をもた
らし、安定して連続成形を行うためには成形速度(成形
サイクル)を遅くする必要を生じ、特に金型温度が低い
場合(例えば 130℃以下)はこれらの支障が顕著で金型
温度を高くする必要があるなど、成型作業性や成形効率
に劣るという問題点を有している。また、特に、ガラス
繊維等の無機充填剤を配合する場合は、流動性が悪化し
て成形品の薄肉部分への充填が困難になったり、成形品
外観に悪影響を及ぼす原因となる。かかる成形性の問題
を解決する手段として、従来、樹脂に各種の結晶化促進
剤・可塑剤を配合する方法等が提案されているが、充分
とはいえない。例えば、ブチルベンジルフタレートやジ
メチルテトラグリコールアジペートなどは、成形溶融時
にガスを発生し、成形表面の荒れ又は、機械物性の低下
等がみられる等、前記の問題点を解決するにはなお改善
すべき点を残している。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる現状に
鑑み、PAS樹脂またはその組成物の上記問題点を著し
く改善し、熱的、化学的性質、成形品の外観、機械的強
度に支障を生じることなく、成形時の樹脂流動性、低温
金型による成形性を改善する目的で検討を重ねた結果、
特定のエステル化合物の配合が極めて有効であることを
見出し、本発明を完成するに至ったものである。即ち本
発明は、(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 100重量
部に対し、(B) 下記一般式(1) で表される芳香族ポリエ
ーテルオリゴマー0.1 〜10重量部を配合してなるポリア
リーレンサルファイド樹脂組成物である。
【0004】
【化3】
【0005】(但し、n は2〜15の整数であり、X1〜X4
は夫々水素又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R は
水素、フェニル基、アルキル基又はアセチル基であ
る。)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の組成物を構成する
成分について説明する。本発明において基体となる樹脂
は(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂であり、構造式
-Ar-S-(ただしArはアリーレン基)で示される繰り返し
単位を70モル%以上含有する重合体(以後、これをPA
Sと略称する)で、その代表的物質は構造式-Ph-S-(た
だしPhはフェニレン基)で示される繰り返し単位を70モ
ル%以上有するポリフェニレンサルファイド樹脂であ
る。中でも温度 310℃、ずり速度1200/secの条件下で
測定した溶融粘度が10〜20000 ポイズ、特に 100〜5000
ポイズの範囲にあるものが適当である。PAS樹脂は一
般にその製造法により実質上直鎖状で分岐、架橋構造を
有しない分子構造のものと、分岐や架橋構造を有する構
造のものが知られ本発明においてはその何れのタイプの
ものについても有効であるが、本発明に用いるのに好ま
しいPAS樹脂は繰り返し単位としてパラフェニレンス
ルフィド単位を70モル%以上、さらに好ましくは80モル
%以上含有する実質的に直鎖状分子構造を有するホモポ
リマー又はコポリマーを主体とするものである。この繰
り返し単位が70モル%未満では結晶性ポリマーとしての
特徴である本来の結晶性が低くなり充分な成形性や機械
的物性が得られなくなる傾向があり好ましくない。共重
合構成単位としては、例えばメタフェニレンスルフィド
単位、オルソフェニレンスルフィド単位、p,p'−ジフェ
ニレンケトンスルフィド単位、p,p'−ジフェニレンスル
ホンスルフィド単位、p',p' −ビフェニレンスルフィド
単位、p,p'−ジフェニレンエーテルスルフィド単位、2,
6 −ナフタレンスルフィド単位などが挙げられる。特に
本発明に用いるPAS樹脂としては繰り返し単位がパラ
フェニレンスルフィドからなる実質上直鎖状の高分子量
PPSホモポリマー、及びパラフェニレンスルフィドを
主たる繰り返し単位とし、20モル%以内のメタフェニレ
ンスルフィドからなるPPS共重合体を主体とするもの
が好ましい。又、本発明のポリアリーレンサルファイド
樹脂としては、前記の実質上直鎖状ポリマーの他に、モ
ノマーの一部分として3個以上の官能基を有するモノマ
ーを少量混合使用して重合した分岐又は架橋ポリアリー
レンサルファイド樹脂も用いることができ、特に前記の
直鎖状ポリマーに前記分岐又は架橋ポリマー(好ましく
は 310℃、ずり速度 200sec-1で 5,000〜25,000ポイ
ズ)を少量(1〜25重量%)混合した配合樹脂は、バリ
の発生を抑制して特に好適である。又、本発明に使用す
る(A) 成分としてのPAS樹脂は、比較的低分子量の直
鎖状ポリマーを酸化架橋又は熱架橋により溶融粘度を上
昇させ、成形加工性を改良したポリマーであってもよ
い。又、本発明に用いるPAS樹脂は、重合後、酸洗
浄、熱水洗浄、有機溶媒洗浄(或いはこれらの組合せ)
等の脱イオン処理を行って副生不純物等を除去精製する
ことによって、塩素含有量及びアルカリ金属含有量を夫
々500ppm以下、好ましくは300ppm以下にしたものが好ま
しい。
【0007】次に本発明の特徴成分である(B) 成分の前
記一般式(1) で表される芳香族ポリエーテルオリゴマー
について説明する。本発明の目的とする効果を十分発揮
するためには、耐熱性が高い芳香族ポリエーテルオリゴ
マーであることが必要であり、X1〜X4は夫々水素又は炭
素数1〜8のアルキル基、好ましくは水素又は炭素数1
〜4のアルキル基である。また、n は2〜15の整数でな
いと本発明の目的とする効果を得ることができず、例え
ばn が16以上の場合はPAS樹脂に対する分散性が悪く
なり、目的物性改善効果が発現せず、むしろ表面性を悪
化させる。R は耐熱性を考慮して、水素、フェニル基、
アルキル基、アセチル基が好ましい。かかる芳香族ポリ
エーテルオリゴマーの製造方法は特に限定されない。芳
香族ポリエーテルオリゴマー(B) の添加量は、(A) 成分
100 重量部に対して0.1〜10重量部であり、好ましくは
0.5 〜8重量部である。0.1 重量部未満であると、本発
明の目的とする効果が減退し、又、10重量部を越えて配
合しても効果が飽和に達し、むしろ組成物の耐熱性や機
械的物性が低下するため好ましくない。
【0008】次に本発明においては、必ずしも必須とさ
れる成分ではないが、成形品表面の荒れ、熱的・化学的
性質、成形品の外観、機械的強度に支障を生じることな
く、成形時の樹脂流動性、低温金型による成形性を改善
する目的で、助剤として(C)前記一般式(2) で表される
エステル化合物を配合することが好ましい。かかるエス
テル化合物において、本発明の目的とする効果を十分発
揮するためには、ベンゼン環にカルボン酸が4つ以上置
換されている芳香族カルボン酸のエステル化合物である
ことが必要であり、エステルとして炭素数6〜24、好ま
しくは6〜18のアルキル基、又はアリール又は置換アリ
ール基であることが好ましい。カルボン酸が4つ以上置
換されているエステル化合物でないと本発明の目的とす
る効果は得ることができず、例えばベンゼン環にカルボ
ン酸が3つ置換されているトリメリット酸のエステル化
合物では、本発明の目的とする効果が得られない。ま
た、エステル化されているカルボン酸の数は3以上のト
リエステル又はテトラエステルが好ましい。また、Y の
炭素数が6未満の場合は本化合物の耐熱性が低下して、
組成物の耐熱性にも悪影響があって好ましくなく、また
Y の炭素数が25を越える場合は、組成物中への分散性が
低下して好ましくない。かかる炭素数の調整は本化合物
の製造原料である炭素数が6以上のアルコール又はハロ
ゲン化物によって容易に制御できる。かかるエステル化
合物の製造方法は、特に限定しないが、一般には、ピロ
メリット酸等の芳香族カルボン酸又はその無水物と、ア
ルコール又はハロゲン化物とを反応させ工業的に容易に
製造される。エステル化合物(C) の添加量は、(A) 成分
100 重量部に対して 0.1〜10重量部であり、好ましくは
0.5 〜8重量部である。0.1 重量部未満であると、本発
明の目的とする効果が減退し、又、10重量部を越えて配
合しても効果が飽和に達し、組成物の耐熱性や機械的物
性が低下するため好ましくない。
【0009】更に、本発明においては、機械的強度、剛
性、耐熱性、寸法安定性(耐変形、そり)、電気的性質
等の性能に優れた成形品を得るためには(D) 成分として
充填剤を配合することが好ましく、これには目的に応じ
て繊維状、粉粒状、板状の充填剤が用いられる。繊維状
充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボ
ン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニ
ア繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、
さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等
の金属の繊維状物などの無機質繊維状物質があげられ
る。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維、カーボン
繊維、又はチタン酸カリ繊維である。尚、芳香族ポリア
ミド、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの高融点の有機質
繊維状物質も使用することができる。一方、粉粒状充填
剤としてはカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラ
スビーズ、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウ
ム、カオリン、タルク、クレー、硅藻土、ウォラストナ
イトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、ア
ルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化硅素、窒化ホウ
素、窒化硅素、各種金属粉末が挙げられる。特に代表的
なものはカーボンブラック、シリカ、ガラスビーズ又は
ガラス粉、炭酸カルシウム、タルク等である。又、板状
充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔
等が挙げられる。これらの無機充填剤は一種又は二種以
上併用することができる。繊維状充填剤、特にガラス繊
維、炭素繊維又はチタン酸カリ繊維と粉粒状及び/又は
板状充填剤の併用は特に機械的強度と寸法精度(そり、
変形)、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合わ
せであり、特にガラス繊維と炭酸カルシウムとの併用が
好ましい。又、これらの充填剤の使用にあたっては必要
ならば収束剤又は表面処理剤にて表面処理、又は収束し
て使用することが望ましい。この処理剤の例を示せば、
エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系
化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物である。
充填剤(D) の添加量はポリアリーレンサルファイド樹脂
100重量部あたり1〜400 重量部であり、好ましくは10
〜300 重量部である。過小の場合は機械的強度や剛性が
低下し、過大の場合は流動性が悪化して成形が困難にな
るほか、成形品の機械的物性にも問題が生じ好ましくな
い。
【0010】本発明の組成物は、特に必須ではないがさ
らに結晶核剤(E) を添加併用することにより結晶化速度
はさらに高くなり、本発明の効果は一段と増大する。こ
の目的に使用する結晶核剤としては、公知の有機質核
剤、無機核剤のいずれも使用することができる。無機物
としては、例えばZn粉末、Al粉末、グラファイト、カー
ボンブラックなどの単体や、ZnO 、MgO 、Al2O3 、Ti
O2、MnO2、SiO2、Fe3O4 などの金属酸化物、ボロンナイ
トライドなどの窒化物、Na2CO3、CaCO3 、MgCO3 、CaSO
4 、CaSiO3、BaSO4 、Ca3(PO4)3 などの無機塩、シリ
カ、タルク、カオリン、クレー、白土などがあげられ
る。又、有機物としては、シュウ酸カルシウム、シュウ
酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、フタル酸カルシウ
ム、酒石酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなど
の有機塩類、耐熱性の高分子、耐熱性高分子の架橋物な
どを使用することができる。特に好ましいものはボロン
ナイトライド;或いはタルク、カオリン、クレー、白土
等の粘土類;架橋又は分岐構造を有する高分子化合物等
である。ここで架橋又は分岐構造を有する高分子化合物
とは、例えばモノマーの一部に3ケ以上の官能基を有す
るものの重縮合によって生じた分岐、又は架橋構造を有
する高分子化合物、或いは既成の高分子物質に後で架
橋、分岐構造を付与したものの何れにてもよく、架橋P
ASであってもよい。尚、上記結晶核剤中には無機充填
剤(D) と重複するものも存在し、これらの物質は両機能
を果たすことが出来るが、(E) 結晶核剤としての使用量
はポリアリーレンスルフィド樹脂 100重量部あたり 0.0
02〜7重量部であれば充分であり、好ましくは0.02〜5
重量部、特に好ましくは0.02〜2重量部である。0.002
重量部より過小の場合は結晶化速度増大効果が充分でな
い。
【0011】又、本発明の組成物には、その目的に応じ
前記成分の他に、他の熱可塑性樹脂を補助的に少量併用
することも可能である。ここで用いられる他の可塑性樹
脂としては、高温において安定な熱可塑性樹脂であれ
ば、いずれのものでもよい。例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、又はこれらを変性した共重合体等のオレフ
ィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸とジオールあ
るいはオキシカルボン酸などからなる芳香族ポリエステ
ル、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン46
等のポリアミド、ポリスチレン、AS、ABS等のスチ
レン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネ
ート、ポリアルキルアクリレート、ポリアセタール、ポ
リサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルケトンなどをあげることができる。ま
たこれらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用するこ
ともできる。更に、本発明の組成物には、必要に応じ添
加剤として、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯
電防止剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、ペンタエリ
スリトールエステルの如き潤滑剤、アルコキシシラン、
アルキルメルカプタンの如き可塑剤等も要求性能に応じ
適宜添加することができる。
【0012】本発明のPAS樹脂組成物は、一般に合成
樹脂組成物の調製に用いられる設備と方法により調製す
ることができる。すなわち必要な成分を混合し、1軸又
は2軸の押出機を使用して溶融混練し、押出して成形用
ペレットとすることができ、必要成分を一部のPAS樹
脂と混練したマスターバッチとして使用して、混合、成
形する方法等、いずれも可能である。
【0013】
【発明の効果】本発明の組成物は成形時の流動性、成形
固化時における結晶化挙動、成形表面性等を改善して成
形加工性に優れ、特に使用金型の温度を低下することが
可能で成形の作業性が改善され、極めて効率的な成形加
工を行うことが出来、成形品の表面状態、物性等も良好
なものが得られる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜11及び比較例1〜9 脱イオン処理したポリフェニレンサルファイド樹脂(呉
羽化学工業社製、商品名「フォートロンKPS」)に対
し、表に示す各成分を表に示す量で加え、ヘンシェルミ
キサーで5分間予備混合した。更に場合により市販のガ
ラス繊維(C) (径10μm 、長さ3mm)を表に示す量で加
えて、ブレンダーで2分間混合し、これをシリンダー温
度 310℃の押出機にかけて、ポリフェニレンサルファイ
ド樹脂組成物のペレットをつくった。次いで射出成形機
でシリンダー温度 320℃で、厚さ3mm、大きさ50mm×70
mmの平板試験片を100 ℃の金型温度で成形し、一定時間
室温に放置後、理学電機(株)のrad-rd X線回折装置を
用い、結晶化度を測定した。また成形片を、室温(23
℃)、湿度50%の雰囲気中で24時間調整し寸法を測定し
た後、 150℃で3時間アニーリング処理し寸法を測定し
て後収縮率を計算した。また、目視により成形品の表面
光沢を観察し、優、良、可、不可のランク付けを行っ
た。又、ASTMD-638 にて引張強伸度を測定した。結果を
表1に示す。尚、本実施例で使用した(B) 、(C) 、(E)
成分は以下の通りである。 B-1 ポリフェニルエーテル(n =3〜4) B-2 ポリ2, 6ジメチルフェニレンオキシドオリゴマ
ー(n =3〜10) B-3 ポリ2, 6ジメチルフェニレンオキシド(n =約
200 )(比較品) B-4 ジメチルテトラグリコールアジペート(比較品) *B-1 :Santovac Fluids Inc.製 OS124 B-2 :2, 6ジメチルフェノールの酸化カップリング反
応で作製した。具体的には、三つ口フラスコにニトロベ
ンゼン250cc 、ピリジン75cc、塩化第一銅約1gを入
れ、室温で攪拌しながら酸素を吹き込み、2, 6ジメチ
ルフェノール15gを加えた。5分程度で塩酸を含むメタ
ノールで精製した調製した。 B-3 :B-2 の調製において、反応時間を30分程度にする
以外は同様の方法で作製した。 C-1 ピロメリット酸テトラドデシル E-1 ボロンナイトライド E-2 タルク
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明の特定の芳香族カルボン酸のエス
テルを特定量含有するポリアリーレンサルファイド樹脂
組成物は、顕著な結晶化促進効果を有し、成形において
比較的低温の金型を用いても充分な結晶化度の成形品が
得られ、成形作業性(安全性等)が改善され、成形サイ
クルを短縮することができ、成形後の不規則な結晶化に
伴う収縮による寸法変化、そり変形等も改善され、又、
成形品の表面状態、物性等も良好なものが得られる。こ
れらの効果は結晶核剤物質の併用により更に一層改善さ
れる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 100
    重量部に対し、 (B) 下記一般式(1) で表される芳香族ポリエーテルオリ
    ゴマー0.1 〜10重量部を配合してなるポリアリーレンサ
    ルファイド樹脂組成物。 【化1】 (但し、n は2〜15の整数であり、X1〜X4は夫々水素又
    は炭素数1〜8のアルキル基であり、R は水素、フェニ
    ル基、アルキル基又はアセチル基である。)
  2. 【請求項2】(B) 成分がポリフェニルエーテルオリゴマ
    ーである請求項1記載のポリアリーレンサルファイド樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】更に(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂
    100重量部あたり、(C) 下記一般式(2) で表されるエス
    テル化合物0.1 〜10重量部を配合してなる請求項1又は
    2記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。 【化2】 (但し、m は4〜6の整数であり、Y は少なくとも1つ
    が炭素数6〜24のアルキル基、アリール基、置換アリー
    ル基から選ばれる1種又は2種以上であり、残りは水素
    である。)
  4. 【請求項4】更に(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂
    100重量部あたり、(D) 無機又は有機充填剤又は両者の
    混合物1〜400 重量部を配合してなる請求項1〜3の何
    れか1項記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】更に(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂
    100重量部あたり、(E) 結晶核剤0.002 〜7重量部を配
    合してなる請求項1〜4の何れか1項記載のポリアリー
    レンサルファイド樹脂組成物。
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