JP2000226234A - 親水性部材 - Google Patents

親水性部材

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JP2000226234A JP11095014A JP9501499A JP2000226234A JP 2000226234 A JP2000226234 A JP 2000226234A JP 11095014 A JP11095014 A JP 11095014A JP 9501499 A JP9501499 A JP 9501499A JP 2000226234 A JP2000226234 A JP 2000226234A
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Hidefumi Fujimoto
英史 藤本
Kazuo Takahashi
一雄 高橋
Koji Takeda
宏二 武田
Keisuke Tanaka
啓介 田中
Etsuo Ogino
悦男 荻野
Kenji Mori
健次 森
Masahiro Hirata
昌宏 平田
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Toto Ltd
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/3411Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials
    • C03C17/3417Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions with at least two coatings of inorganic materials all coatings being oxide coatings

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄後の親水性の回復が極めて短時間のうち
になされ、しかも回復した親水性の持続効果が高い親水
性部材を提供する。 【解決手段】 基材としてのガラス板1の表面に酸化錫
(SnO2)膜2を形成し、この酸化錫膜(SnO2)2の
表面にオーバーコート層として酸化珪素(SiO2)膜3
を形成している。ガラス板1としてはSiO2を主成分と
したソーダガラスとし、酸化錫膜(SnO2)2は例えば
CVD法にて形成され、その厚みは10〜800nm
で、表面の表面平均粗さ(Ra)は0.5〜25nmに
なっている。また、酸化珪素(SiO2)膜3はスパッタ
リングにて形成され、その厚みは0.1〜100nmと
されている。そして、酸化珪素(SiO2)膜3は前記酸
化錫膜(SnO2)2の上に形成されるので、酸化錫膜
(SnO2)2の凹凸がそのまま転写され、酸化珪素(S
iO2)膜3の表面の表面平均粗さ(Ra)も0.5〜2
5nmになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は親水性のうち特に親
水回復性に優れた親水性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス等の基材表面を親水性にして防曇
性を持たせる先行技術として、特開平9−278431
号公報、特開平9−295363号公報、特開平10−
36144号公報、特開平10−231146号公報が
知られている。特開平9−278431号公報には、基
板表面にリン酸またはその塩と溶解性のアルミニウム化
合物と水溶性珪酸塩と界面活性剤と溶媒からなる表面処
理剤を塗布するとともに、その親水膜の表面平均粗さを
0.5〜500nmとすることが開示されている。特開
平9−295363号公報には、基材の表面に酸化チタ
ン膜や酸化錫膜を形成するとともに、酸化チタン膜や酸
化錫膜の表面平均粗さを1μm以上としたことが開示さ
れている。特開平10−36144号公報には、ガラス
基板の表面に酸化チタン(TiO2)等の光触媒膜を形成
し、この光触媒膜の表面に酸化珪素(SiO2)等の多孔
質無機酸化膜を形成することが開示されている。特開平
10−231146号公報には、ガラス基材の表面に、
アルカリ遮断膜および光触媒膜を形成するとともに、光
触媒膜の表面平均粗さを1.5〜80nmにすることが
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平9−278
431号公報記載の技術においては、親水性膜の化学的
耐久性および耐摩耗性が低く実際的でない。また、前記
特開平9−295363号公報記載の技術においては、
親水性膜の表面粗さ(Ra)が1μm以上、好ましくは
4μm以上であり透明性が低い(ヘイズが高い)ため、
ガラス板等の透明基材表面には適用できない。また、前
記特開平10−36144号公報記載の技術において
は、親水性膜が多孔質体であるため耐摩耗性が低く、油
脂等の汚れが孔に入り込むと親水性の機能が消失してし
まい、これを回復させることは難しい。さらに、前記特
開平10−231146号公報記載の技術においては、
親水性膜が複数層から形成されるため、製造するのに手
間を要する。また、上述した何れの先行技術も基材の表
面に親水性膜を形成するとともに、その表面を微細な粗
面とすることで親水性を更に向上するものであるが、基
材の表面が汚れた場合、洗剤で表面を洗浄すると、その
後の親水性の回復が遅い欠点がある。例えば、自動車用
の窓ガラスや洗面台に備え付けたミラー等は表面が汚れ
やすいので、頻繁に洗剤で洗浄を行う。しかしながら、
洗浄後の親水性の回復が遅れると、表面に微細な水滴が
付着しやすく防曇効果が薄れてしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係る親水性部材は、基材表面に直接若しくはア
ルカリ遮断用の下地膜を介して酸化錫層を形成し、この
酸化錫層の表面にオーバーコート層を形成した構成と
し、前記オーバーコート層は酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム及び酸化チタンか
ら選択される少なくとも1種とし、且つ最表面の表面平
均粗さ(Ra)を0.5〜25nmとした。表面平均粗
さ(Ra)の好ましい範囲は0.5〜25nm、更に好
ましくは5〜15nmである。この範囲で親水性能の長
期安定性がさらに良好である。
【0005】基材の表面に酸化錫層(SnO2)のみを形
成し、この酸化錫層(SnO2)の表面を粗面とした場合
には、先行技術(特開平9−295363号公報)にも
記載されるように親水性は発揮される。しかしながら、
一旦浴用石鹸で表面を洗浄すると、水との接触角は70
°〜80°になってしまう。一方、上記の酸化錫層(S
nO2)の表面に酸化珪素膜(SiO2)などを薄く形成す
ると、洗浄後の水との接触角は10°未満になる。これ
は、表面極性的に酸化錫層(SnO2)と酸化珪素膜(S
iO2)とが対極にあり、浴用石鹸は陰イオン系なので、
洗浄後に超親水性を呈すると考えられる。
【0006】前記酸化錫膜(SnO2)はルチル型の結晶
構造を有することが好ましい。前記酸化錫膜(SnO2
をルチル型の結晶構造にすることにより、好適な表面凹
凸形状を有する多結晶薄膜を形成することが可能であ
る。また、酸化錫膜(SnO2)の表面平均粗さ(Ra)
を0.5〜25nmとすることにより、この凹凸を最表
面に転写することで、最表面の表面平均粗さ(Ra)を
0.5〜25nmとすることが可能である。前記の表面
平均粗さ(Ra)が0.5nmより小さいと親水特性お
よび性能の長期維持性の向上に効果的な凹凸を形成でき
ず好ましくない。また、表面平均粗さ(Ra)が25n
mを超えると凹凸が大きすぎて透明性が失われたり、親
水性能の長期安定性が低く好ましくない。
【0007】また、前記凹凸の平均間隔(Sm)は4〜
300nmとすることが好ましく、凹凸の平均間隔(S
m)が4nmより小さくても300nmより大きくても
親水性能および防曇性能の長期安定性が低く好ましくな
い。この平均間隔(Sm)は、更に好ましい範囲は5〜
150nmである。この範囲で親水性能の長期安定性が
より良好である。
【0008】ここで、前記表面平均粗さ(Ra)を表示
する方法としては、JIS B0601(1994)に
定義されている算術平均粗さ(Ra)を用いる。算術平
均粗さの値(nm)は「平均線からの偏差の絶対値」と
表現され、次式で与えられる。
【0009】
【数1】
【0010】また、凹凸の平均間隔(Sm)について
も、前記表面平均粗さ(Ra)と同様にJIS B06
01(1994)で定義される。すなわち、凹凸の平均
間隔の値(nm)は、「粗さ曲線が平均線と交差する交
点から求めた山谷一周期の間隔の平均値」と表現され、
次式で与えられる。
【0011】
【数2】
【0012】また、前記酸化錫膜(SnO2)の厚さとし
ては10〜800nmが好ましく、酸化珪素膜(Si
2)等のオーバーコート層の厚さとしては0.1〜1
00nmが好ましい。酸化錫膜の厚さがこれより小さい
か或いは大きいと、所望の凹凸を得ることができない。
即ち、酸化錫膜の厚さがこれより小さいと均一な被膜に
ならず、これより大きいと表面の凹凸間隔が大きくなっ
てしまい好ましくない。
【0013】また、前記アルカリ遮断用の下地膜として
は、一般に用いられる酸化珪素を主成分とする膜が好適
である。また、必要に応じてP(リン),B(ホウ素)
等の添加物を加えたり、酸化錫などとの複合酸化物とし
てもよい。尚、前記アルカリ遮断用の下地膜は、公知の
方法で形成できる。例えば、ゾルゲル法、液相析出法、
真空成膜法、焼き付け法、スプレー法、CVD法などが
例示できる。また、前記アルカリ遮断用の下地膜は、1
0nm以上300nm以下であることが好ましい。厚み
が10nmより薄いとアルカリ遮断効果が十分でなく、
また300nmより厚いと膜による干渉色が顕著に認め
られるようになり、ガラス板の光学特性を制御し難くな
るので好ましくない。
【0014】また、前記基材としては酸化珪素(Si
2)を主成分とするガラス、タイル、セラミックスま
たは金属板が適当であり、更に本発明に係る親水性部材
としては、例えば、ミラーに応用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図1(a)及び
(b)はそれぞれ本発明に係る親水性部材の拡大断面図
である。 (a)に示す実施例にあっては、親水性部材は基材とし
てのガラス板1の表面に酸化錫(SnO2)膜2を形成
し、この酸化錫膜(SnO2)2の表面にオーバーコート
層として酸化珪素(SiO2)膜3を形成している。 (b)に示す実施例にあっては、ガラス板1と酸化錫膜
(SnO2)2の間に、ガラス板1からNaなどのアルカ
リが浸出するのを防止する下地膜4を介在させている。 なお、図1においてRaは表面平均粗さ、Smは凹凸の
平均間隔を示す。
【0016】ガラス板1としてはSiO2を主成分とした
ソーダガラスとし、酸化錫膜(SnO2)2は、例えば、
ゾルゲル法、液相析出法、真空成膜法、焼き付け法、ス
プレーコート法、CVD法、スパッタリング法等、従来
公知の方法にて形成され、その厚みは10〜800nm
で、表面の表面平均粗さ(Ra)は0.5〜25nmに
なっている。また、酸化錫膜(SnO2)2はルチル型の
結晶構造となっている。
【0017】一方、酸化珪素(SiO2)膜3は、例え
ば、ゾルゲル法、液相析出法、真空成膜法、焼き付け
法、スプレーコート法、CVD法、スパッタリング法
等、従来公知の方法にて形成され、その厚みは0.1〜
100nmとされている。そして、酸化珪素(SiO2
膜3は前記酸化錫膜(SnO2)2の上に形成されるの
で、酸化錫膜(SnO2)2の凹凸がそのまま転写され、
酸化珪素(SiO2)膜3の表面の表面平均粗さ(Ra)
も0.5〜25nmになっている。また、凹凸の平均間
隔(Sm)については、4〜300nmの範囲にするの
が適当である。平均間隔(Sm)が4nmより小さくて
も300nmより大きくても親水性の長期安定性が低く
好ましくない。
【0018】このように、表面に微細な凹凸を形成する
ことで、親水性表面は更に親水性が向上する。即ち、表
面に微細な凹凸を形成することで表面積がr倍になった
場合には、平滑表面の時の水との接触角をθ、凹凸を形
成した時の水との接触角をθ’とすると、Wenzel
の式から、cosθ’=rcosθ(90°>θ>
θ’)が成り立つ。但し、接触角θが90度から大きく
外れる場合にはこの限りでない。例えば、平滑表面の時
の水に対する接触角が30°の部材の表面に、凹凸を形
成して表面積を1.1倍にすると、上式から、cos
θ’=1.1cos30°=0.935となり、これか
らθ’=17.7°となる。同様にして、表面積を1.
15倍にすると、θ’は5.2°になる。但し、θが小
さい場合には必ずしもこの式は成り立たないが、傾向と
して凹凸を設けることによってθ’はより小さくなる。
即ち、表面に微細な凹凸を形成することで、親水性表面
は益々親水性になる。
【0019】一方、アルカリ遮断を目的とした下地膜4
としては、酸化珪素を主成分とする薄膜や酸化珪素と酸
化錫からなる複合酸化物膜、炭素を含む酸化珪素の膜、
或いは酸化錫を主成分とする膜と酸化珪素を主成分とす
る膜を積層した膜等を用いる。例えば、酸化珪素と酸化
錫からなる複合酸化物膜や炭素を含む酸化珪素の膜は、
その屈折率がガラス板1の屈折率と酸化錫膜2の屈折率
の中間となり、より好ましい外観を得ることができる。
即ち、中間の屈折率を有する下地膜とすることで、酸化
錫膜の膜厚のばらつきから生じる干渉色変化(色むら)
を抑制するとともに反射色調の中性色化を図ることがで
きる。
【0020】また、下地膜を例えば酸化錫を主成分とす
る膜と、酸化珪素を主成分とする膜との積層体とした場
合には、その積層体の各々の厚みを調整することによ
り、積層体としての見かけの屈折率がガラス板1の屈折
率と酸化錫膜2の屈折率の中間になるため、前記の中間
の屈折率を有する下地膜と同じ効果を得ることができ
る。
【0021】尚、上記した構成の親水性部材にミラーに
適用する場合には、ガラス板1の裏面またはガラス板1
と下地膜4の間、或いは下地膜がない場合にはガラス板
1と酸化錫膜(SnO2)2の間の何れかに、例えば銀の
ような金属の薄膜を形成する。
【0022】次に、本発明の実施例および比較例におけ
る膜の形成方法について説明する。具体的には、実施例
1のサンプルは上記成膜装置(不図示)を用いてガラス
板表面上に酸化錫膜、酸化珪素膜を順次形成することに
より作製した。実施例2〜4、6のサンプルは実施例1
と同様の方法で、ガラス板表面上に酸化錫膜、酸化珪素
膜を順次形成することにより作製した。実施例5のサン
プルは、実施例1と同様の方法で、ガラス板表面上に酸
化錫膜、酸化珪素膜、酸化錫膜、酸化珪素膜を順次形成
することにより作製した。
【0023】比較例1のサンプルは、実施例1と同様の
方法で、ガラス板表面上に酸化錫膜、酸化珪素膜を順次
形成することにより作製した。比較例2のサンプルは、
通常のガラス板表面を珪フッ化水素酸主成分とする水溶
液にガラス板を浸漬させてエッチング処理を施し、ガラ
ス表面にシリカを主成分とする多孔質膜からなる微細凹
凸を形成させることにより作製した。比較例4,5のサ
ンプルは、実施例1と同様の方法でガラス板表面上に酸
化錫膜を形成させることにより作製した。
【0024】次に、前記実施例および比較例のサンプル
について、平均表面粗さ(Ra)および凹凸の平均間隔
(Sm)を測定した。これらの値の測定は、原子間力顕
微鏡(AFM)や電子顕微鏡を用いて観察し、測定した
断面曲線から計算した。
【0025】更に、サンプルを浴用石鹸で洗浄し、サン
プル表面の水に対する濡れ性を確認するため、接触角の
変化の測定を行った。水との接触角は、サンプル表面の
洗浄直後、2時間経過後および200時間経過後に測定
した。
【0026】以下の(表1)及び(表2)は本発明に係
る親水性部材と比較例について、洗剤による洗浄後の水
との接触角の変化を比較したものである。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】(表1)から明らかなように、本発明に係
る親水性部材は、洗浄直後から水との接触角が10°以
下となり、且つ長期間に亘って親水性が持続することが
分る。これに対し、(表2)から明らかなように、通常
のガラス板(比較例3)は洗浄直後の水との接触角は1
0°前後であるが、時間の経過とともに徐々に接触角が
大きくなる。これは表面の凹凸が小さく(Ra≒1n
m)、親水持続性が確保されていないためと考えられ
る。また、エッチングにより表面に微細な凹凸を形成し
たガラス板(比較例2)も洗浄直後の水との接触角は1
0°前後であるが、時間の経過とともに徐々に接触角が
大きくなる。これは、表面の凹凸に比べて凹凸の間隔が
小さ過ぎるため耐久性が悪く、同時に親水維持性能も低
下しているためと推定される。また、酸化錫(SnO2
膜の厚さを本発明の範囲を超えて厚く形成した場合(比
較例1)は、膜表面の凹凸の間隔が大きくなってしまう
ため(Sm>300nm)、酸化珪素(SiO2)膜の凹
凸間隔も大きくなり、これにより親水維持性能は確保で
きない。更に、ガラス板に酸化錫(SnO2)膜のみを形
成した場合(比較例4及び比較例5)には、酸化錫(S
nO2)膜の厚さに関係なく、洗浄直後から水との接触角
は70°以上で親水性を呈さない。これは表面形状に拘
らず、酸化錫(SnO2)膜自体の性質によるものと考え
られる。
【0030】実施例6は、裏面に銀引きを施したガラス
板の表面に実施例3と同一構成の膜を形成したミラーで
ある。このミラー表面は、呼気を吹きかけても全く曇り
を生じず、また洗浄直後から水との接触角が10°以下
となり、且つ長期に亘って親水性を持続している。従っ
て、実施例6のミラーは親水性が高く、良好な親水維持
性を有しているといえる。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の親水性部
材の第1特徴構成によれば、水に対する接触角が小さく
なり、より一層親水性の長期安定性が得られる。上記親
水性部材の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成の
作用効果を奏しながら、好適な表面凹凸形状を有する多
結晶薄膜を形成することが可能になる。上記親水性部材
の第3特徴構成によれば、上記第1特徴構成又は第2特
徴構成の作用効果を奏しながら、最表面における親水性
の作用を十分に発揮し得るようにして、しかも洗浄後の
親水性の回復が極めて短時間のうちになされ、親水性の
持続効果が高い。上記親水性部材の第4特徴構成によれ
ば、上記第1〜3の何れかの特徴構成において、夫々の
作用効果を奏しながら、長期に亘って親水性能を維持す
ることが可能である。上記親水性部材の第5特徴構成に
よれば、上記第1〜4の何れかの特徴構成において、夫
々の作用効果を奏しながら、所望の親水性膜を形成する
ことが可能である。上記親水性部材の第6特徴構成によ
れば、上記第1〜5の何れかの特徴構成において、夫々
の作用効果を奏しながら、所望の凹凸を得ることが可能
である。上記親水性部材の第7特徴構成によれば、上記
第1〜6の何れかの特徴構成において、夫々の作用効果
を奏しながら、下地膜の屈折率がガラス板の屈折率と酸
化錫膜の屈折率の中間となるため、干渉色変化(色む
ら)を抑制するとともに反射色調の中性色化を図ること
が可能である。上記親水性部材の第8特徴構成によれ
ば、上記第1〜7の何れかの特徴構成において、夫々の
作用効果を奏しながら、積層体としての見かけの屈折率
がガラス板の屈折率と酸化錫膜の屈折率の中間になるた
め、干渉色変化(色むら)を抑制するとともに反射色調
の中性色化を図ることが可能である。上記親水性部材の
第9特徴構成によれば、上記第1〜8の何れかの特徴構
成において、夫々の作用効果を奏しながら、ミラー、自
動車用窓ガラス、建築用防曇防汚ガラス、眼鏡、レン
ズ、タイルまたは金属板等の用途に有効に適用すること
が可能である。上記親水性部材の第10特徴構成によれ
ば、上記第1〜9の何れかの特徴構成において、夫々の
作用効果を奏しながら、自動車用ドアミラーやバスルー
ム用鏡等の用途に有効に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)はそれぞれ本発明に係る親水
性部材の拡大断面図。
【符号の説明】
1…ガラス板、2…酸化錫(SnO2)膜、3…酸化珪素
(SiO2)膜、4…下地膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 一雄 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社 (72)発明者 武田 宏二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社 (72)発明者 田中 啓介 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 荻野 悦男 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 森 健次 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 平田 昌宏 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に直接若しくはアルカリ遮断用
    の下地膜を介して酸化錫層が形成され、この酸化錫層の
    表面にオーバーコート層が形成された親水性部材であっ
    て、前記オーバーコート層は酸化珪素、酸化アルミニウ
    ム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム及び酸化チタンか
    ら選択される少なくとも1種からなり、且つ最表面の表
    面平均粗さ(Ra)が0.5〜25nmであることを特
    徴とする親水性部材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の親水性部材において、
    前記酸化錫はルチル型の結晶構造を有することを特徴と
    する親水性部材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の親水性部
    材において、前記酸化錫の表面平均粗さ(Ra)を0.
    5〜25nmとすることで、最表面の表面平均粗さ(R
    a)を0.5〜25nmとしたことを特徴とする親水性
    部材。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の親水性部材において、最表面の凹凸の平均間隔(S
    m)が4〜300nmであることを特徴とする親水性部
    材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の親水性部材において、前記酸化錫層の厚さが10〜8
    00nmであることを特徴とする親水性部材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の親水性部材において、前記オーバーコート層の厚さが
    0.1〜100nmであることを特徴とする親水性部
    材。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の親水性部材において、前記アルカリ遮断用の下地膜の
    屈折率が、基材の屈折率と酸化錫の屈折率との中間値で
    あることを特徴とする親水性部材。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の親水性部材において、前記下地膜が酸化錫と酸化珪素
    の積層体であることを特徴とする親水性部材。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    の親水性部材において、前記基材は酸化珪素を主成分と
    するガラス、タイル、セラミックスまたは金属板である
    ことを特徴とする親水性部材。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれかに記
    載の親水性部材において、この親水性部材は基材裏面、
    基材と酸化錫層の間または下地膜と酸化錫層の間に金属
    薄膜を形成したミラーであることを特徴とする親水性部
    材。
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