JP2000226219A - 光学素子の製造装置及び製造方法 - Google Patents

光学素子の製造装置及び製造方法

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JP2000226219A
JP2000226219A JP11028904A JP2890499A JP2000226219A JP 2000226219 A JP2000226219 A JP 2000226219A JP 11028904 A JP11028904 A JP 11028904A JP 2890499 A JP2890499 A JP 2890499A JP 2000226219 A JP2000226219 A JP 2000226219A
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heating
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lamps
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Hiroaki Iguchi
裕章 井口
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
    • C03B11/122Heating

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置を大型化することなく、大口径の光学素
子を精度良く製造することができるとともに、メンテナ
ンス性の優れた光学素子の製造装置及び製造方法を提供
する。 【解決手段】 チャンバ10に軸方向移動自在に設けた
上下のプレス軸11、12に光学素子成形用の金型1
3、14を取り付け、チャンバ10の外方には加熱ユニ
ット20を回転自在に取り付ける。加熱ユニット20の
外枠21の内方には半円弧状の加熱ランプ22を二つ組
み合わせて略環状としたものが上下に複数段並べられて
加熱ランプ22群が形成され、これが両金型13、14
を上下に延びて取り囲んでいる。加熱ユニット20は、
加熱ランプ22の加熱出力と連動して作動する加熱ユニ
ット回転装置25により駆動されるようになっており、
加熱ランプ22による加熱が行われている間、チャンバ
10まわりを回転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非球面レンズに代
表される高精度光学素子をプレス成形により形成する光
学素子の製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高精度非球面レンズや特殊形状光
学素子(プリズムやフライアイレンズ等)をプレス成形
により製造する方法が用いられるようになってきた。こ
のような方法によれば、従来行われてきた複雑な研磨工
程は省かれるので、同形状の光学素子を多量且つ安価に
製造することが可能である。以下、図5を参照して、ボ
ール状のガラス素材をプレス成形して両凸面状の光学素
子を製造する方法の一例について説明する。
【0003】図5は従来の光学素子の製造装置であり、
円筒形の石英ガラス壁30aを有するチャンバ30内に
上下方向に延びた上下のプレス軸31、32が軸方向
(上下方向)移動自在に設けられている。プレス軸3
1、32のそれぞれの端部には、製造しようとする光学
素子の形状が転写された成形面(高精度に研磨加工され
ている)を有する上下の金型33、34及びこれら金型
33、34を覆う胴型35、36が、プレート37、3
8を介して取り付けられている。チャンバ30の外方に
は加熱ユニット39が設けられており、この加熱ユニッ
ト39には複数の加熱ランプ40が上下に並んで取り付
けられている。
【0004】このような装置において光学素子を得るに
は、先ず、ボール状のガラス素材41を下側の金型34
の上面に設置した状態で金型33、34等が酸化しない
ようにチャンバ30内の空気を窒素ガスに置換する。そ
して光学素材41が変形可能な温度まで加熱ランプ39
でチャンバ30内を加熱した後、上下のプレス軸31、
32で適当な時間、適当な押圧力でプレスして金型の形
状を光学素材41に転写させる。次に光学素材41の転
移温度より充分低い温度まで冷却した後、光学素材に転
写された成形面形状が安定したところでプレス圧力を除
去し、更に取り出し可能温度にまで冷却した後大気を導
入し、上下の金型33、34を開いて成形された光学素
子を取り出す。このようにして両凸形状の光学素子が得
られる。
【0005】また、特開平5−186230号公報には
上記のような光学素子の製造装置において、半円弧状の
加熱ランプ及び熱反射用の反射ミラーを二つずつ合わせ
て略環状としたものを上下に複数段重ねて加熱ユニット
を構成した装置が開示されており、また、特開平5−3
10434号公報には加熱ランプに代えて高周波コイル
を用いるとともに、この高周波コイルを上下に移動させ
るための機構を備えた装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術において、高周波コイルを熱源とする場合には
金型の上下別の温度調整が難しく、このため形状等が複
雑な光学素子を高精度で製造するのは困難であった。ま
た、加熱ランプを略環状に組み合わせたものを上下に複
数段重ねて構成したものを熱源として使用する場合に
は、上記問題を解決するには有効であるが、図3に示す
ように加熱ランプの電極部(図3では22b)付近の領
域D1、D2は加熱されにくく、これら領域D1、D2
にまで広がるような大口径の光学素子の製造には適さな
かった。従って従来の装置は、装置の中央部で小口径の
光学素子を一つ製造するか、若しくは上記領域D1、D
2に掛からない程度に小口径の光学素子を複数個輪状に
設置して製造する(この場合にはチャンバ内に複数個の
金型を設けることとなる)ような場合に使用が限定され
ていた。また、この装置を大型化して大口径の光学素子
を製造する方法も考えられるが、この場合には加熱及び
冷却に要する時間が長くなり、製造単価が高くなってし
まうという問題があった。
【0007】更に、スパイラルタイプの加熱ランプを用
いて上下の金型を覆うようにすることもできる。この場
合には電極部分の総数が少なくなるため加熱されない領
域も減り、円周方向の均熱性を高めることができるが、
上下の金型の温度バランス調整が困難であるとともに、
加熱ランプを交換する必要があるときには加熱ユニット
全体を解体しなければならず、作業性が良くないという
問題があった。
【0008】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、装置を大型化することなく、大口径の光
学素子を精度良く製造することができるとともに、メン
テナンス性の優れた光学素子の製造装置及び製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る光学素子の製造装置は、上下方向に相
対移動可能な上下の金型と、両金型を上下に延びて取り
囲むように配設された加熱手段(例えば、実施形態にお
ける加熱ランプ22群)とを有し、加熱手段により加熱
されて軟化した光学材料を両金型でプレス成形して光学
素子を得る光学素子の製造装置において、加熱手段が加
熱を行っている間、加熱手段を両金型に対して相対的に
回転させる作動を行う回転手段(例えば、実施形態にお
ける加熱ユニット回転装置25)を備える。なお、この
「回転」は、一方向の単純回転であってもよく、又は一
定周期で正逆反転する回転等であってもよい。
【0010】このような構成の光学素子の製造装置で
は、光学素材を軟化させる過程及び軟化した光学素材を
プレス成形する過程において、加熱手段が上下の金型の
まわりを回転若しくは回動するので、光学素子の製造
中、加熱手段により囲まれる空間の温度は円周方向に均
一化され、製造中の光学素子の内部には円周方向に偏り
のない温度分布が形成される。このため加熱手段に近接
するような大口径の光学素子であってもアス(円周方向
の歪み)を小さくして高精度に製造することが可能であ
る。また、このような大口径の光学素子を装置自体を大
型化して製造した場合と比較すると、この製造装置では
熱容量が小さいため加熱及び冷却に消費される電力等を
節約できるとともに、加熱及び冷却にかかる時間を短く
することができるので、コスト的に有利である。なお上
記製造装置において、加熱手段による加熱と回転手段に
よる作動とが連動して行われるように構成することが好
ましい。
【0011】更に、上記加熱手段が、半円弧状の加熱ラ
ンプを二つ組み合わせて略円環状としたものを上下に複
数段並べて構成されたものであることが好ましい。この
ような構成であれば、加熱ランプは個々に取り外しが可
能になるので、故障時にはその加熱ランプのみの交換を
行えばよく、加熱手段をスパイラルタイプの加熱ランプ
とする場合よりもメンテナンス性が良好になるととも
に、加熱ランプの加熱出力を個々に調整することが可能
になるので、上下の金型に温度差を与える必要があると
きには容易にこれを行うことが可能となる。
【0012】また、本発明に係る光学素子の製造方法
は、加熱手段により加熱されて軟化した光学素材を上下
の金型でプレス成形して光学素子を得る光学素子の製造
方法において、加熱手段を両金型に対して相対的に回転
させながら加熱を行う。これにより上記光学素子の製造
装置における効果を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
ましい実施形態について説明する。図1は本発明に係る
光学素子の製造装置(以下、製造装置と称する)1の構
成を示している。この製造装置1は、円筒形の石英ガラ
ス壁10aを有するチャンバ10内に上下方向に延びた
上下のプレス軸11、12が設けられており、これらプ
レス軸11、12のそれぞれの端部には、製造しようと
する光学素子の形状が転写された成形面(高精度に研磨
加工されている)を有する上下の金型13、14及びこ
れらの金型13、14の外方を覆う超硬性の胴型15、
16が、プレート17、18を介してボルト(図示せ
ず)により着脱自在に取り付けられている。両プレス軸
11、12は図示しないプレス軸移動用モータにより駆
動されて軸方向(上下方向)にスライド移動することが
可能になっている。また、チャンバ10の下部には光学
素材及び製造された光学素子の出し入れを行うための扉
(図示せず)が設けられている。
【0014】チャンバ10の外方には加熱ユニット20
がチャンバ10のまわりを回転自在に設けられている。
加熱ユニット20は上下に延びた円筒状の外枠21と、
図2に示すように半円弧状の電球部22aとその両端の
電極部22bとを有して外枠21の内方に取り付けられ
る複数の加熱ランプ22とを有して構成されている。外
枠21の内壁上には外枠21の中心軸を挟んで互いに対
向するように上下に延びて形成された二つのソケット列
(複数のソケットが並んだもの。図示せず)が設けられ
ており、これらソケット列の各ソケットに加熱ランプ2
2の両電極部22bが取り付けられるようになってい
る。このため外枠21の内方においては、加熱ランプ2
2を二つ組み合わせて略環状としたものが上下に複数段
並べられて加熱ランプ22群を形成しており、これが両
金型13、14を上下に延びて取り囲んだ状態となって
いる。
【0015】加熱ユニット20の外部には、加熱ランプ
22の出力制御を行う加熱出力制御装置23が設けられ
ており、この加熱出力制御装置23には全加熱ランプ2
2の加熱出力を同時にオンオフさせるオンオフスイッチ
23aと、加熱ランプ22の個々の出力調整(温度調
整)を行う複数の出力調整つまみ23bとを備えてい
る。オンオフスイッチ23aを操作したときには加熱ラ
ンプ22全ての出力がオンになり、これによりチャンバ
10内を加熱することができるようになっている。ここ
で、胴型15、16は加熱ランプ22により直接加熱さ
れるが、金型13、14は主に胴型15、16からの熱
伝導により加熱されるようになっている。なお、外枠2
1の内壁には熱反射用の反射ミラー24が取り付けられ
ており、これにより加熱ランプ22から放出された熱が
チャンバ10内に効果的に供給される。
【0016】また、上記オンオフスイッチ23aは加熱
ユニット20を(すなわち加熱ランプ22群を)チャン
バ10まわりに(すなわち金型13、14まわりに)回
転させる作動を行う加熱ユニット回転装置25(モー
タ、ギヤ装置のほか、その制御装置を備えている)に接
続されている。ここで加熱ユニット回転装置25は、オ
ンオフスイッチ23aからオン信号が入力されていると
きには加熱ユニット20を任意に設定可能な所定の回転
速度でチャンバ10まわりに回転させ、またオフ信号が
入力されているときには加熱ユニット20を作動させな
い(加熱ユニット20が回転中であれば停止させる)。
ここで、「回転」とは、一方向の単純回転のほか、一定
周期で正逆反転する回転等をも意味する。
【0017】このような構成の製造装置1を用いて光学
素子を製造する場合には、先ず下側のプレス軸12を下
降させ、前述したチャンバ10の扉を開けて製造する光
学素子の材料となる光学素材Mを下側の金型14上に設
置する。この光学素材Mは平凸形状(下に凸)をしてお
り、両面が充分に研磨されている。そして光学素材Mが
加熱ユニット20に囲まれた所定の位置に位置するよう
に、前述のプレス軸移動用モータを駆動して上下のプレ
ス軸11、12を上下移動させる(図1の状態)。次に
チャンバ10内を真空に若しくは窒素ガスに置換してチ
ャンバ10内の酸素分子濃度を所定の値(ρ)にまで低
下させる。これは、以後の加熱により金型13、14等
が酸化するのを防ぐためである。
【0018】このような準備が完了したら、加熱出力制
御装置23の出力調整つまみ23bを操作して各加熱ラ
ンプ22の加熱出力を調整した上で、オンオフスイッチ
23aを操作して加熱ランプ22の出力をオンにし、チ
ャンバ10内を加熱する。これによりチャンバ10内の
温度は上昇する。また、オンオフスイッチ23aがオン
にされて加熱ランプ22が加熱出力を行っているときに
は加熱ユニット回転装置25も作動し、加熱ユニット2
0をチャンバ10のまわりに所定の回転速度(V)で回
転させる。これにより加熱ランプ22群が上下の金型1
3、14まわりを回転する。なお、ここで、加熱ユニッ
ト20はチャンバ10まわりを一方向に単純回転するの
でもよく、また、一定周期で正逆反転しながら回転する
のでもよい。
【0019】チャンバ10内の温度が光学素材Mが軟化
する温度近くまで上昇したら、出力調整つまみ23bを
操作して各加熱ランプ22の温度調整を行い、チャンバ
10内の温度が予め定めた所定温度(T1)に保持され
るようにする。チャンバ10内の温度が上記所定温度
(T1)に所定時間(ΔT)保持されたら、上側のプレ
ス軸11を所定の位置まで下降移動させ、上下の胴型1
5、16が当接し合うまで所定の押圧力(P)でプレス
する。これにより、軟化した光学素材Mは上下の金型1
3、14に挟み込まれ、金型13、14の形状が転写さ
れて所定の形状に成形され、光学素子が得られる。
【0020】上記プレス後は、各加熱ランプ22の温度
調整を行いながら所定の温度降下速度(Q)で冷却を行
う。チャンバ10内の温度が所定の温度(T2)にまで
下がったら上側のプレス軸11を上昇移動させて光学素
子に作用する押圧力を除去し、加熱ランプ22による加
熱を停止する(同時に加熱ユニット20の回転も停止さ
れる)。続いてチャンバ10内に窒素ガスを供給して所
定の取り出し可能温度(ほぼ常温)まで強制冷却を行
う。チャンバ10内の温度が上記取り出し可能温度まで
下がったらチャンバ10内に大気を導入し、光学素子を
取り出す。なお、上述したように上下の金型13、14
の成形面は高精度に研磨加工されているため、この光学
素子は最早研磨加工は不要である。
【0021】このように製造装置1を用いて光学素子を
製造することができるのであるが、上記製造装置1で
は、光学素材Mを軟化させる過程及び軟化した光学素材
Mをプレス成形する過程において、加熱ユニット20が
(すなわち加熱ランプ22群が)チャンバ10まわりを
(すなわち上下の金型13、14のまわりを)回転する
ので、図3に示すように加熱ランプ22の電極部22b
付近には充分に加熱されない領域D1、D2ができるに
も拘わらず、光学素子の製造中、加熱ランプ22群によ
り囲まれる空間(すなわちチャンバ10内空間)の温度
は円周方向に均一化され、製造中の光学素子の内部には
円周方向に偏りのない温度分布が形成される。このため
加熱ランプ22に近接するような大口径の光学素子であ
ってもアス(円周方向の歪み)を小さくして高精度に製
造することが可能である。また、このような大口径の光
学素子を装置自体を大型化して製造した場合と比較する
と、この製造装置1では熱容量が小さいため加熱及び冷
却に消費される電力等を節約できるとともに、加熱及び
冷却にかかる時間を短くすることができるので、コスト
的に有利である。
【0022】また上記製造装置1においては、加熱ラン
プ22は個々に取り外しが可能であるので、故障時には
その加熱ランプ22のみの交換を行えばよく、スパイラ
ルタイプの加熱ランプを用いた場合のように加熱ユニッ
ト20全体を解体する必要がなく、メンテナンス性が良
好である。また、加熱ランプ22は個々に出力調整が可
能であるので、上下の金型13、14に温度差を与える
必要があるときには容易にこれを行うことができる。従
って複雑な形状の光学素子の製造にも適している。
【0023】なお、上記製造装置1は、加熱ランプ22
の加熱出力と加熱ユニット20の回転作動とはオンオフ
スイッチ23aのオンオフ操作により同時に行われるも
のであった(すなわち連動していた)が、これら加熱出
力と回転作動とはそれぞれ別個に行われても構わない。
但し、加熱ランプ22が加熱出力を行っているときには
少なくとも加熱ユニット20を回転させることが好まし
い。また、加熱ユニット22に設けられる加熱ランプ2
2群は、加熱ランプ22を上述の半円弧状でなく直線状
のものとし、井桁型に組んで構成することも可能であ
る。
【0024】また、上述したように金型13、14はプ
レス軸11、12に対して着脱自在になっており、金型
13、14を交換するのみで形状の異なる種々の光学素
子を製造することが可能である。この場合光学素子の形
状は問わず、平面形状や両凹形状等であってもよい。ま
た光学素材の材質や初期の形状も問わない。従って上記
実施例の場合のような平凸形状のものに限られず、ボー
ル状や近似球面形状等の光学素材であっても使用でき
る。
【0025】なお、金型13、14の材料としては、ガ
ラスプレス成形に耐え得るに充分な強度を有し、成形面
をRmax =10オングストローム以下に鏡面加工するこ
とが可能な材料、例えばタングステンカーバイド(W
C)、炭化珪素(SiC)、チタンナイトライド(Ti
N)、或いはチタンカーバイド(TiC)を主成分とす
るサーメット等であることが好ましい。
【0026】また、上記実施例においては加熱ランプ2
2群を上下の金型13、14のまわりに回転させる構成
であったが、加熱ランプ22群と上下の金型13、14
とは互いに相対回転すればよいのであり、加熱ランプ2
2群を固定した上で上下の金型13、14を軸回りに回
転させても構わない。
【0027】
【実施例】以下に、上記製造装置1を用いて光学素子を
製造した具体的な実施例を示す。この実施例において用
いた製造装置1は図1に示したものと同様であり、上下
金型13、14の成形面は研削研磨により曲率R30の
凸面形状(上側の金型13)及びR50の凹面形状(下
側の金型14)に形成されている。またこれらの成形面
は鏡面加工された上、イオンプレーティング法により厚
さ2μmの白金−イリジウムの合金がコーティングされ
ている。光学素材Mはガラスとした。製造装置1内の空
気は窒素ガスに置換して酸素分子濃度(前述のρ)を1
0ppm以下にした。加熱ランプ22で加熱してチャン
バ10内の温度を720℃(前述のT1)とし、これを
3分間(前述のΔT)保持させた後、上側の金型13を
下降させて1トンの押圧力(前述のP)でガラス素材を
プレスした。また、加熱ランプ22は加熱出力を行わせ
ながら金型13、14のまわりを1分間当たり180度
の回転速度(前述のV)で正逆回転させた。プレス後、
0.3度/secの温度降下速度(前述のQ)で610
℃(前述のT2)まで冷却した後除圧し、加熱ランプ2
2の回転を停止させた。その後、窒素ガスによる強制冷
却等を行って取り出し温度まで温度を下げ、光学素子を
得た。このようにして得られた光学素子Sを図4に示
す。この光学素子の上面S1は曲率R30の凹面形状と
なり、また下面S2は曲率R50の凸面形状となる。こ
のようにして得られた光学素子Sは、機能面形状の崩れ
もなく、アス量は光学素子Sの外径φ60mmに対して
全く無視できる程度に収まり、安定した形状を保ってい
た。
【0028】
【比較例】比較のため、加熱ランプ22の回転を行わず
に上記実施例と同様の手順で光学素子を製造した。その
結果、加熱ランプ22の電極方向(一方の電極22bか
ら他方の電極22bへ向かう方向)と、これに対して直
角な方向(両方向は共に水平面内にある)とでアスが発
生していた。アス量は光学素子の外径φ60mmに対し
て約2ミクロンであり、光学性能を満足できるものでは
なかった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、光学素材を軟化させる過程及び軟化した光学素材を
プレス成形する過程において、加熱手段が上下の金型の
まわりを回転若しくは回動するので、光学素子の製造
中、加熱手段により囲まれる空間の温度は円周方向に均
一化され、製造中の光学素子の内部には円周方向に偏り
のない温度分布が形成される。このため加熱手段に近接
するような大口径の光学素子であっても、アス(円周方
向の歪み)を小さくして高精度に製造することが可能で
ある。また、このような大口径の光学素子を装置自体を
大型化して製造した場合と比較すると、この製造装置で
は加熱及び冷却に消費される電力等を節約できるととも
に、加熱及び冷却にかかる時間を短くすることができる
ので、コスト的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学素子の製造装置の構成を示す
模式的な正面図である。
【図2】上記製造装置に用いられる加熱ランプの構成を
示す平面図である。
【図3】加熱ランプにおいて、電極部付近の充分に加熱
されない領域を示す説明図である。
【図4】実施例において製造された光学素子を示す正面
図である。
【図5】従来の光学素子の製造装置の構成を示す模式的
な正面図である。
【符号の説明】
1 製造装置 11、12 プレス軸 13、14 金型 10 チャンバ 20 加熱ユニット 21 外枠 22 加熱ランプ 23 加熱出力制御装置 23a オンオフスイッチ 25 加熱ユニット回転装置 M 光学素材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向に相対移動可能な上下の金型
    と、 前記両金型を上下に延びて取り囲むように配設された加
    熱手段とを有し、 前記加熱手段により加熱されて軟化した光学材料を前記
    両金型でプレス成形して光学素子を得る光学素子の製造
    装置において、 前記加熱手段が加熱を行っている間、前記加熱手段を前
    記両金型に対して相対的に回転させる作動を行う回転手
    段を備えたことを特徴とする光学素子の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段による前記加熱と前記回転
    手段による前記作動とが連動して行われるように構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の光学素子の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段が、半円弧状の加熱ランプ
    を二つ組み合わせて略円環状としたものを上下に複数段
    並べて構成されたものであることを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の光学素子の製造装置。
  4. 【請求項4】 加熱手段により加熱されて軟化した光学
    素材を上下の金型でプレス成形して光学素子を得る光学
    素子の製造方法において、 前記加熱手段を前記両金型に対して相対的に回転させな
    がら前記加熱を行うことを特徴とする光学素子の製造方
    法。
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