JP2000225616A - 樹脂ペレット - Google Patents

樹脂ペレット

Info

Publication number
JP2000225616A
JP2000225616A JP2829599A JP2829599A JP2000225616A JP 2000225616 A JP2000225616 A JP 2000225616A JP 2829599 A JP2829599 A JP 2829599A JP 2829599 A JP2829599 A JP 2829599A JP 2000225616 A JP2000225616 A JP 2000225616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
fibers
fiber
thermoplastic resin
fiber bundle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2829599A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Nakazawa
桂一 中沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2829599A priority Critical patent/JP2000225616A/ja
Publication of JP2000225616A publication Critical patent/JP2000225616A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペレット化が容易で、成形品中での繊維の分
散状態が良く、遊離繊維の発生が少なく、かつ変色の起
こり難い樹脂ペレットの製造方法の提供。 【解決手段】 ポリアクリロニトリル繊維、脂肪族ポリ
アミド繊維、金属繊維から選ばれた1種以上の連続繊維
束を、ジエン系単量体とエチレン系不飽和二重結合を有
する単量体との共重合によって得られるガラス転移点が
20℃以上の熱可塑性樹脂エマルジョンに浸漬し、つい
で、該熱可塑性樹脂エマルジョンが付着した連続繊維束
を当該熱可塑性樹脂のガラス転移点から300℃の温度
で乾燥溶融させ、得られた連続繊維束を所定長さに切断
することを特徴とする樹脂ペレットの製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形品の成形
に使用する繊維によって強化された熱可塑性樹脂ペレッ
ト及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形品の成形に使用する繊維によっ
て強化された熱可塑性樹脂ペレット(以下、単に樹脂ペ
レットという。)の製造方法としては、たとえば、1)
繊維のチョップドストランドと熱可塑性樹脂をドライブ
レンドし、押出機で押し出し、ガラス繊維を熱可塑性樹
脂中に分散させてペレット化する押出成形法。2)繊維
の連続繊維束、すなわち、繊維ロービングを溶融した熱
可塑性樹脂中を通過させ、いわゆるプルトルージョン法
で繊維を樹脂で被覆し、しかる後切断してペレット化す
る樹脂被覆法。3)特公昭60−6764号公報などに
開示され既に工業的に利用されている繊維ロービングを
熱可塑性樹脂エマルジョンに浸漬したのちに乾燥均一化
し、しかるのち切断してペレット化するエマルジョン浸
漬方法などが知られている。
【0003】一方、特開平7−144325号公報にお
いては、熱可塑性樹脂エマルジョンを使用せずに、繊維
束を非晶性樹脂の有機溶媒溶液中に浸漬させて乾燥後切
断してペレット化する有機溶媒浸漬法が提案されてい
る。これら従来の樹脂ペレットの製造方法において、押
出成形法は、繊維の分散は良いがペレット化の工程で繊
維が短くされて繊維による補強、強化効果が減少すると
いう問題があると共に、樹脂被覆法は、繊維と熱可塑性
樹脂との相溶性があまり良くなく、成形品中に均一に繊
維が分散し難い難点がある。
【0004】また、特開平7−144325号公報によ
る有機溶媒浸漬法は、作業環境に問題があると共に、ハ
ロゲン系の溶媒が残留すると成形機、金型の腐食の原因
にもなる。エマルジョン浸漬法は、かかる有機溶媒浸漬
法に比べて界面活性剤を含有しているため、水性の繊維
と樹脂との密着性は良好であるという利点を有している
が、エマルジョン浸漬法は、得られたペレットを繊維コ
ンセントレートとして熱可塑性樹脂と通常のタンブラー
ミキサーでドライブレンドすると、ペレットの破損等に
よる遊離繊維で毛玉の生成が避け難く、この毛玉は成形
品の外観を害するばかりでなく、物性のバラツキの原因
ともなっており、このため、成形の際には特殊なブレン
ド装置を必要としている。
【0005】また、このエマルジョン浸漬法では、切断
が難しい繊維を用いた場合にはペレット化が困難であ
り、繊維にゴム成分含有エマルジョンを使用するとその
乾燥が高温のときペレットの変色が避け難い欠点があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ペレ
ット化が容易で、成形品中での繊維の分散状態が良く、
遊離繊維の発生が少なく、かつ変色の起こり難いペレッ
トの製造方法を提供することであり、更には、これによ
って得られる優れた効果を発揮する熱可塑性樹脂ペレッ
トと該樹脂ペレットと熱可塑性樹脂とからなる成形用樹
脂組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者はペレット化が
容易で、成形品中での繊維の分散状態が良く、遊離繊維
の発生が少なく、かつ変色の起こり難いペレットの製造
を目的として各種のエマルジョンについて鋭意研究の結
果、本発明に至った。即ち、本発明は、(1)ジエン系
単量体とエチレン系不飽和二重結合を有する単量体との
共重合によって得られた平均ガラス転移温度が20℃以
上の熱可塑性樹脂1〜99重量%と、ポリアクリロニト
リル繊維、脂肪族ポリアミド繊維、金属繊維から選ばれ
た1種以上の繊維束99〜1重量%とからなることを特
徴とする樹脂ペレット。
【0008】(2)ジエン系単量体とエチレン系不飽和
二重結合を有する単量体との共重合によって得られたガ
ラス転移点が20℃以上の熱可塑性樹脂エマルジョン
を、ポリアクリロニトリル繊維、脂肪族ポリアミド繊
維、金属繊維から選ばれた1種以上の連続繊維束に付着
させ、該熱可塑性樹脂エマルジョンの付着した連続繊維
束を当該熱可塑性樹脂のガラス転移点から300℃の温
度で乾燥溶融して繊維に対する熱可塑性樹脂の付着量を
5重量%以上とした連続繊維束を所定の長さに切断した
ことを特徴とする樹脂ペレット。
【0009】(3)ポリアクリロニトリル繊維、脂肪族
ポリアミド繊維、金属繊維から選ばれた1種以上の連続
繊維束を、ジエン系単量体とエチレン系不飽和二重結合
を有する単量体との共重合によって得られるガラス転移
点が20℃以上の熱可塑性樹脂エマルジョンに浸漬し、
ついで、該熱可塑性樹脂エマルジョンが付着した連続繊
維束を当該熱可塑性樹脂のガラス転移点から300℃の
温度で乾燥溶融させ、得られた連続繊維束を所定長さに
切断することを特徴とする樹脂ペレットの製造方法。
【0010】(4)(1)、(2)記載の樹脂ペレット
に熱可塑性樹脂を配合してなることを特徴とする成形用
樹脂組成物。である。以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で使用する熱可塑性樹脂は熱可塑性樹脂エ
マルジョン(以下樹脂エマルジョンと略記)から導入さ
れることが好ましく、熱可塑性樹脂はジエン系単量体と
エチレン系不飽和二重結合を有する単量体との共重合に
より得られた平均ガラス転移温度が20℃以上のもので
ある。
【0011】ジエン系単量体とは、ブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン等であり、かかるジエン系単量体
は、エチレン系不飽和二重結合を有する単量体を公知の
乳化剤を用いて乳化重合して共重合体とするものであ
る。使用する樹脂エマルジョンの平均ガラス転移温度が
20℃未満のものは、組成的に言えばジエン系単量体が
過度に多量のものであるため、繊維の分散性不良、熱変
色が発生するおそれがある為、好ましくない。一方、こ
の温度が例えば100℃を超えるものは、組成的にはジ
エン系単量体が少ない場合であるためペレット化が難し
く、成形時の毛玉生成の原因にもなり、あまり好ましく
ない。従って、ジエン系単量体は、樹脂エマルジョンを
構成する単量体の全量に対し、2〜40重量%使用量が
繊維の分散性の向上、熱変色の防止及びペレット化の容
易性並びに毛玉発生の防止などの面から好ましい。
【0012】ジエン系単量体と共重合する単量体として
は、エチレン系不飽和二重結合を有するものであればよ
く、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン等の芳香族ビニル単量体、メタクリル酸、アク
リル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、等の不飽
和カルボン酸;イタコン酸モノメチルエステル、マレイ
ン酸モノメチルエステル、メタクリル酸メチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル;メタクリルニ
トリル等のシアノビニル化合物、ヒドロキシエチルメタ
クリレート等の水酸基含有ビニル化合物;メタクリルア
ミドやN−メチロールメタクリルアミド等のアミド基含
有単量体;グリシジルメタクリレート等を挙げることが
できる。この中でもスチレン、アクリロニトリル、メチ
ルメタアクリレートがより好ましい。
【0013】共重合体としてはスチレン−ブタジエン共
重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重
合体等が好ましい共重合体として挙げられることができ
る。使用する樹脂エマルジョンは、当該樹脂エマルジョ
ンの単独でもよく、各種樹脂エマルジョンを混合して使
用することもできるので、たとえば、ブタジエン−スチ
レン共重合樹脂エマルジョンと、アクリルニトリル−ス
チレン共重合樹脂エマルジョンの混合エマルジョンなど
が使用でき、さらに、所望によって酸化防止剤、熱安定
剤、着色剤、導電剤、銅害防止剤、核剤などを添加する
ことができる。使用する樹脂エマルジョンの好ましい樹
脂固形分は、10重量〜70重量%の範囲である。
【0014】本発明における平均ガラス転移温度は、ガ
ラス転移点が1点の場合はDSCで測定できるが、混合
物の場合はガラス転移点が1点でないため、たとえば、
3成分の場合は下記〔数1〕の式を用いて決定する。
【0015】
【数1】
【0016】なお、式中、 Tg:平均ガラス転移温度 Tx:X成分のガラス転移点 Ty:Y成分のガラス転移点 Tz:Z成分のガラス転移点 x,y,z:各成分のモル比 を示す。
【0017】繊維束に付着させる樹脂エマルジョンの量
は、該エマルジョンの乾燥後の繊維束への付着樹脂量
(固形分)として1重量%以上、好ましくは5重量%以
上、より好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは
10〜30重量%である。付着量が1重量%未満では連
続繊維束を構成する個々のモノフィラメントのマトリッ
クス樹脂中への分散が完全に行われず、ペレット化に際
して樹脂ペレットの割れが生じ易くなったり、場合によ
ってはペレット化ができない。一方、50重量%を越え
てもこれに相応した厚みの被覆が得られず、繊維の含有
量も少なくなる。
【0018】本発明において使用する繊維は、ポリアク
リロニトリル繊維、脂肪族ポリアミド繊維、金属繊維で
ありを使用することができると共に、各種繊維を混合し
た繊維束の使用も可能である。本発明におけるポリアク
リロニトリル系繊維とはアクリロニトリル単独重合体あ
るいはアクリロニトリル90重量%以上とアクリロニト
リルと共重合可能なビニル系モノマー10重量%以下の
共重合体から成るポリアクリロニトリル系重合体繊維で
あって、一般に知られるポリアクリロニトリル系重合繊
維の製造方法で作られる繊維である。好ましくは、繊度
0.5〜50デニール、引張強度2g/d以上、初期弾
性率30g/d以上の繊維であることが好ましい。
【0019】本発明における脂肪族ポリアミド繊維と
は、例えばポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド
610、ポリアミド612、ポリアミド46、ポリアミ
ド3、ポリアミド11、ポリアミド12等とこれらの共
重合体等の繊維を挙げることができる。好ましくは繊度
0.5〜50デニール、引張強度2g/d以上、初期弾
性率10g/d以上の繊維であることが好ましい。
【0020】本発明で用いられる、金属繊維の金属種は
ステンレス、黄銅、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニ
ッケル、チタン、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム等の材質
の物を用いることができる。これら金属の2種類以上の
組み合わせの合金、もしくはこれらを主体とする合金、
さらにはこれらとリンや炭素等との化合物等が挙げられ
る。これらは焼き鈍しを行い軟化させたものでも良い。
これらの金属繊維の金属種の中でもより好ましい物は
鉄、黄銅、銅、ステンレス、チタンである。
【0021】これらの金属繊維の製造方法は線引加工法
として単線引抜法、収束引抜法等;切削法として旋削
法、ワイヤー切削法、びびり振動切削法、コイル材切削
法等;溶融紡糸法として融液押出法、回転液中法、me
lt extraction法、ジェット急冷法、ガラ
ス被覆溶融紡糸法等;その他の方法としてウイスカー;
コーティング法;等により作製される。繊維の作製方法
は例えば、後藤共子氏、高久明氏、塩田一路氏、三石幸
夫氏 共著 日本材料学会編 先端材料シリーズ繊維と
材料 株式会社裳華房発行(1991年)の1〜37ペ
ージに詳しく記載されている。
【0022】これらの金属繊維製造方法の中でもコイル
材切削法と収束伸線引抜法が好ましく、工業生産する上
でコイル材切削法が最も好ましい。コイル材切削法と
は、ほぼ旋盤と同様の構造、機能を持った金属繊維製造
装置に、金属箔をコイル材状に装着し、その端面を切削
して金属繊維を得る方法である。例えば、EMC 19
92.11.5. <No.55> p78〜82に記
載されている方法等が挙げられる。コイル材は市販の金
属箔を連続して主軸ドラムに巻き取る事により得られ
る。
【0023】巻き取る際に、金属板の少なくとも一表面
に表面処理剤を塗布もしくは浸すことにより表面処理す
ることがより望ましい。また、表面処理の替わりに、巻
き取る際に、樹脂を溶かした溶液に浸し樹脂で金属箔を
コーティングしながら巻き取ることも有効である。樹脂
のフィルムを金属箔に挟みコイル材を作製することも有
効である。作製される金属繊維の断面形状は特に限定さ
れないが、好ましい製造方法であるコイル材切削法によ
る繊維の断面は四角形(長方形又は正方形)であり削っ
た面の一つがノコギリ状になっている。繊維径は、断面
積の同じ円に換算した円の直径(円換算径)で表し1m
m以下であり、好ましくは500μm以下であり、さら
に好ましくは150μm以下であり、最も好ましくは5
0μm以下である。製造技術上の問題から1μ以下の円
換算径の繊維を作製することは難しい。
【0024】本発明の樹脂ペレットは、連続繊維束を特
定の物性を有する樹脂エマルジョンを浸漬し、その表面
を樹脂エマルジョンで被覆したものを所要の長さに切断
して得たもので、こうして得た樹脂ペレットに他の熱可
塑性樹脂(マトリックス樹脂)を配合して成形用樹脂組
成物とすることができる。本発明の樹脂ペレットは、具
体的に例を示せば以下の工程を順次実施することによっ
て得ることができる。
【0025】すなわち、 A.連続繊維束を開繊し、この開繊した連続繊維束を樹
脂エマルジョンの浸漬槽に浸漬して熱可塑性樹脂を連続
繊維束の表面に均一に付着させる工程 B.前記熱可塑'性樹脂を付着させた連続繊維束を加熱
して水分を蒸散させると共に、付着した樹脂固形分を乾
燥溶融して連続繊維束の表面を樹脂で被覆する工程 C.表面を熱可塑性樹脂で被覆した連続繊維束を冷却す
る工程 D.冷却した連続繊維束を所定の長さに切断して樹脂ペ
レットとする工程 からなるものである。
【0026】一方、本発明の成形用樹脂組成物は、前記
工程の実施によって得られた樹脂ペレットとマトリック
ス樹脂としての他の熱可塑性樹脂とを配合したもので、
この成形用樹脂組成物の成形には、たとえば、押出成形
機、射出成形機など通常の成形機を使用することがで
き、この成形用樹脂組成物は繊維等分散が均一であるた
め各種の物性が優れ、かつ外観が平滑な成形品とするこ
とができる。
【0027】連続繊維束を樹脂エマルジョン中に浸漬す
る方法は、浸漬槽に樹脂エマルジョンを入れ、この樹脂
エマルジョン中を開繊させた連続繊維束を通過させるだ
けでもよいが、浸漬槽内に超音波発振器等の振動機を設
置し、この振動機で樹脂エマルジョンを振動させて浸漬
によるモノフィラメントヘの被覆効果を向上させること
ができる。
【0028】前記の浸漬槽における連続繊維束の好まし
い通過速度は5〜30m/分で、この速度で浸漬槽を通
過させることによって、開繊させた連続繊維束に樹脂エ
マルジョンが付着して均一な被覆を形成することができ
る。浸漬槽で浸漬処理によって樹脂エマルジョンを付着
させた連続繊維束は、ヒーターなどを備えた加熱乾燥機
で連続繊維束の表面に付着した樹脂エマルジョンの水分
の蒸散と樹脂の乾燥、溶融を図ってより確実に被覆を形
成させる事が好ましい。加熱乾燥機には、電熱線等の幅
射熱を利用したヒーターの他、熱風を利用したものなど
で構成することができる。
【0029】樹脂エマルジョンを付着させた連続繊維束
を通過させるときの加熱乾燥機の内部温度は、付着した
樹脂エマルジョンの樹脂分のガラス転移点から300℃
の範囲の温度に保つことが必要で、使用する樹脂により
その適温は異なるが、たとえば、ブダジエン−スチレン
共重合樹脂では温度100℃〜300℃、アクリロニト
リル−ブダジエン−スチレン共重合樹脂では温度100
℃〜250℃の範囲での加熱溶融化が望ましい。
【0030】加熱溶融化の工程では、付着した樹脂エマ
ルジョン中の水分の蒸散と樹脂分の乾燥溶融均質化を行
なわれ、連続繊維束の表面被覆を確実にするので、樹脂
エマルジョンの加熱に際しては、樹脂の溶融粘度、耐熱
性に配慮し急激に高温雰囲気にさらすことは避けること
が好ましい。この様にして乾燥、溶融処理された連続繊
維束は、冷却部において空冷もしくは水冷によって冷却
されたのち、冷却部の後に配置したペレタイザーで3〜
20mmの長さに切断して樹脂ペレットとする。
【0031】こうして得られた樹脂ペレットは、マトリ
ックス樹脂と最終目的とする繊維濃度に合うように混合
し、常法にしたがって各種成形機で成形される。この
際、使用できるマトリックス樹脂は、繊維に含浸させた
樹脂と相溶性のあるものがより好ましく、これにはアク
リロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS)ポリスチレ
ン樹脂(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合樹脂(ABS)、ポリカーボネート樹脂(P
C)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)およびポ
リアミド樹脂(PA)等がある。
【0032】かかるマトリックス樹脂と樹脂ペレットと
の間には比重差やペレットの形状に差異があることか
ら、繊維濃度を所望の値に保つため定量供給装置、混合
装置を用いることがより好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例、比較例に
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。これら実施例および比較例におい
て、成形と評価のための装置及び用いた材料その他は下
記の通りである。
【0034】<成形、評価装置> 射出成形機:IS55EPN 東芝機械(株)製 タンブラーミキサー:MT−50 (株)松井製作所製
【0035】<マトリックス樹脂> PS;旭化成工業(株)製スタイロン680 AS;旭化成工業(株)製スタイラックAS783 ABS;旭化成工業(株)製スタイラックABS100 PPE;旭化成工業(株)製ザイロン100Z PC;三菱エンジニアリングプラスチック(株)製ノバ
レックス7022A PA;旭化成工業(株)製レオナ1300S
【0036】<エマルジョン材料> S;スチレン(ST)樹脂エマルジョン SB−1;スチレン(ST)−ブタジエン(BD)樹脂
エマルジョン(ST=56重量%、BD=44重量%) SB−2;スチレン(ST)−ブタジエン(BD)樹脂
エマルジョン(ST=99重量%、BD=1重量%) SB−3;スチレン(ST)−ブタジエン(BD)樹脂
エマルジョン(ST=80重量%、BD=20重量%) AS;アクリロニトリル(AN)−スチレン(ST)樹
脂エマルジョン(AN=25重量%、ST=75重量
%)
【0037】ABS−1;アクリロニトリル(AN)−
スチレン(ST)−ブタジエン(BD)樹脂エマルジョ
ン(AN=25重量%、ST=45重量%、BD=30
重量%) ABS−2;アクリロニトリル(AN)−スチレン(S
T)−ブタジエン(BD)樹脂エマルジョン(AN=2
5重量%、ST=60重量%、BD=15重量%) SI;スチレン(ST)−イソプレン(IP)樹脂エマ
ルジョン(ST=80重量%、IP=20重量%) SC;スチレン(ST)−クロロプレン(CP)樹脂エ
マルジョン(ST=80重量%、CP=20重量%) MBS;メチルメタアクリレート(MMA)−スチレン
(ST)−ブタジエン(BD)樹脂エマルジョン(MM
A=20重量%、ST=60重量%、BD=20重量
%) MB;メチルメタアクリレート(MMA)−ブタジエン
(BD)樹脂エマルジョン(MMA=80重量%、BD
=20重量%) NB;アクリロニトリル(AN)−ブタジエン(BD)
樹脂エマルジョン(AN=85重量%、BD=15重量
%)
【0038】<繊維材料> アクリロニトリル繊維(略称PAN);繊維径13μ
m、1000フィラメントで強度13g/dの性能を有
するポリアクリロニトリル系繊維(アクリロニトリル単
独重合体繊維)のロービング繊維を用いる。 脂肪族ポリアミド繊維(略称NY);旭化成工業(株)
製レオナ繊維、繊維径15μm、1000フィラメント
のロービング繊維を用いる。 金属繊維(略称MF);コイル材切削法により円換算径
30μmに切削した1500本束の金属繊維のロービン
グ繊維を得る。
【0039】<評価、測定方法> 1)毛玉発生の測定 AS樹脂ペレットと実施例及び比較例で作成した繊維含
有ペレットを用い、繊維濃度が20重量%になるように
計量混合し、この混合物1000gをタンブラーミキサ
ーに投入し、回転数50rpmにて20分間回転混合す
る。回転混合後、タンブラーミキサー内の繊維毛玉、綿
屑を回収し重量(W)をg単位で測定する。下記の式に
よって毛玉発生率(重量%)を計算する。 毛玉発生率(重量%)=毛玉、綿屑重量(W)÷(10
00×0.2)×100 2)熱変色性の評価 実施例及び比較例で作成したガラス繊維ペレットの熱変
色性の評価を下記のように評価した。
【0040】 ○:ペレットの黄変が無く、白色である。 △:ペレットが多少黄変している。 ×:ペレットが茶褐色である。 3)繊維の分散性測定 実施例及び比較例で作成した繊維ペレットと熱可塑性樹
脂を用い、乾燥が必要な熱可塑性樹脂は乾燥し、繊維濃
度が10重量%になるように計量混合し射出成形機を用
いて通常の成形条件、成形サイクルに従い、プレート
(幅150mm×長150mm×厚1mm;ピンゲー
ト)を成形し、プレート表面のガラス繊維の分散状態を
観察し、下記のように評価した。
【0041】 ○:繊維の塊(繊維凝集体)がほとんど無く、繊維の分
散が良好。 △:繊維の塊が少量ある。 ×:繊維の塊が多量にあり、繊維の分散不可である。
【0042】
【実施例1〜17、比較例1〜7】表中に示す繊維を表
中に示すエマルジョンを表中に示す固形分濃度で浸漬
し、表中に示す乾燥温度、滞留時間で乾燥して得た繊維
束を、3mm長さの樹脂ペレットになるように回転刃の
カッターで切断し実施例、比較例の樹脂ペレットを得
た。作製条件と評価結果を表1、2に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂ペレットの製造が
容易となり、かつ、ペレットの変色、繊維の毛玉の発生
がなく、また各種のマトリックス樹脂への混練りでも分
散性に優れる樹脂ペレットが得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 9:06 105:06 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA08 AB05 AB06 AB11 AB22 AD02 AD05 AD09 AD41 AD42 AD44 AD52 AE06 AG05 AG06 AG13 AH03 AH31 AJ04 4F201 AA13 AA47 AC01 AC08 AD16 BA02 BC02 BC12 BC17 BC19 BC37 BL06 BM04 BM16 4J002 BC03Y BC05W BC06Y BC09W BG01W BG04W BG05W BG06W BG07W BG10W BG10X BG13W BH02W BL01W BL02W BN15W BN15Y CG00Y CH07Y CL00Y CL01X CL03X DA076 DA086 DA096 DA106 DA116 FA04X FA046

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエン系単量体とエチレン系不飽和二重
    結合を有する単量体との共重合によって得られた平均ガ
    ラス転移温度が20℃以上の熱可塑性樹脂1〜99重量
    %と、ポリアクリロニトリル繊維、脂肪族ポリアミド繊
    維、金属繊維から選ばれた1種以上の繊維束99〜1重
    量%とからなることを特徴とする樹脂ペレット。
  2. 【請求項2】 ジエン系単量体とエチレン系不飽和二重
    結合を有する単量体との共重合によって得られたガラス
    転移点が20℃以上の熱可塑性樹脂エマルジョンを、ポ
    リアクリロニトリル繊維、脂肪族ポリアミド繊維、金属
    繊維から選ばれた1種以上の連続繊維束に付着させ、該
    熱可塑性樹脂エマルジョンの付着した連続繊維束を当該
    熱可塑性樹脂のガラス転移点から300℃の温度で乾燥
    溶融して繊維に対する熱可塑性樹脂の付着量を1重量%
    以上とした連続繊維束を所定の長さに切断したことを特
    徴とする樹脂ペレット。
  3. 【請求項3】 ポリアクリロニトリル繊維、脂肪族ポリ
    アミド繊維、金属繊維から選ばれた1種以上の連続繊維
    束を、ジエン系単量体とエチレン系不飽和二重結合を有
    する単量体との共重合によって得られるガラス転移点が
    20℃以上の熱可塑性樹脂エマルジョンに浸漬し、つい
    で、該熱可塑性樹脂エマルジョンが付着した連続繊維束
    を当該熱可塑性樹脂のガラス転移点から300℃の温度
    で乾燥溶融させ、得られた連続繊維束を所定長さに切断
    することを特徴とする樹脂ペレットの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2記載の樹脂ペレットに熱可
    塑性樹脂を配合してなることを特徴とする成形用樹脂組
    成物。
JP2829599A 1999-02-05 1999-02-05 樹脂ペレット Pending JP2000225616A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2829599A JP2000225616A (ja) 1999-02-05 1999-02-05 樹脂ペレット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2829599A JP2000225616A (ja) 1999-02-05 1999-02-05 樹脂ペレット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000225616A true JP2000225616A (ja) 2000-08-15

Family

ID=12244638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2829599A Pending JP2000225616A (ja) 1999-02-05 1999-02-05 樹脂ペレット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000225616A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH036168B2 (ja)
JP2013177560A (ja) 炭素繊維強化成形品の製造方法および炭素繊維強化成形品
JPH0345640A (ja) ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物
JPS5853003B2 (ja) シンキジユウゴウタイリユウシノセイゾウホウ
US4533698A (en) Thermoplastic resin composition
TW587119B (en) Low hygroscopic paper and method of producing the same
JP2013117014A (ja) 炭素繊維強化成形品の製造方法および炭素繊維強化成形品
Dewi et al. Effect of compatibilizers on the mechanical and morphological properties of polycarbonate/poly (acrylonitrile-butadiene-styrene) blends
JPH0412742B2 (ja)
JP2000225616A (ja) 樹脂ペレット
JP2000167828A (ja) 樹脂ペレットとその製法及び該樹脂ペレットを用いた 成形用樹脂組成物
JP2011021184A (ja) 樹脂組成物およびその製造方法
JPH0416309A (ja) ガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形材料の製造方法
JP2003062829A (ja) 炭素繊維含有ペレットの製法、炭素繊維含有ペレット及び成形用樹脂組成物
JP2008156401A (ja) 導電性熱可塑性樹脂組成物の成形用混合物およびこれを成形してなる成形品
JP2001131418A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、成形材料、射出成形用ペレットおよび成形品
JP2000303362A (ja) サイジング剤、及び該サイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維
JPH04252232A (ja) ポリアセタール樹脂組成物構造体及びその製造法
JPH0378427B2 (ja)
JP4560829B2 (ja) 複合材料
JP2002284888A (ja) エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物の製造方法
JP2002146067A (ja) 照射架橋樹脂シート
JPS61254629A (ja) 集束炭素繊維及びそれから形成された短繊維チツプ
JPH06299070A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法
JP4274628B2 (ja) 成形用繊維強化樹脂原料および繊維強化樹脂成形品