JP2000223936A

JP2000223936A - 反射器装置及びその製造方法

Info

Publication number: JP2000223936A
Application number: JP2000012831A
Authority: JP
Inventors: Ralf Jaklin; ジャクリンラルフ; Guenther Mumper; ムンパーギュンター
Original assignee: Whitaker LLC
Current assignee: Whitaker LLC
Priority date: 1999-01-21
Filing date: 2000-01-21
Publication date: 2000-08-11
Also published as: US6247822B1

Abstract

(57)【要約】【課題】反射器とケースの熱膨張の差を補償する反射器
装置の提供。【解決手段】特にパラボラ鏡である反射器（２）と、金
属構造物を有するプラスチックシート（８）が設けられ
たプラスチック層（９）と、２個の中空筒（６，７）か
らなるケース（３）とを有する反射器装置を開示する。
２個の中空筒（６，７）は、一方を他方の内部に配置可
能であり、その間に反射器（２）が保持される。反射器
（２）は、反射器の縁に略中空筒状のカラー（１１）を
形成する別のプラスチック層（１０）を具備する。カラ
ー（１１）は、ケース（３）の中空筒間に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金属構造物を有す
るプラスチックシートが設けられたプラスチック層を有
する、特にパラボラ（放物面）鏡である反射器(reflect
or)と、互いの内部に配置され得ると共に間に反射器が
保持される２個の中空筒を有するケースとを有する反射
器装置及びその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】多くの用途、特にレーダー波の方向付け
のために、反射器又は相互反射器(transreflector)が使
用されている。プラスチックシートが金属構造物、特に
アルミニウムでコーティングされ、そのプラスチックシ
ートは、射出成形金型内で固定され、次にパラボラ形状
等の必要な形のプラスチック層で覆われることにより、
レーダー用反射器を製造することが公知である。こうし
てパラボラ形状の鏡が形成され、ケースによってレーダ
ー源に対して配置される。多くの場合、このケースはア
ルミニウム等の金属からなる。この種のケースは、アル
ミニウム製のダイキャストケースとして製造することが
できる。

【０００３】間にシール部材が挿入された外側筒及び内
側筒の間のダイキャストケース内にパラボラ鏡を固定す
ることも公知である。内方を向く周囲フランジを有する
アルミニウム製の外側中空筒内に、フランジに接してシ
ール部材が配置され、続いて反射器が挿し込まれ、次に
外側筒のフランジに対して反射器及びシール部材を押圧
する内側筒が挿し込まれる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ケース及び反射器の熱
膨張率が異なることにより、部品に顕著な変形が生ずる
ことが判明した。この変形により、レーダー送信機に対
して反射器の半径方向に正確に方向付けすることは、最
早保証されない。送信機に対する反射器の中心度は、安
全性が他の全てに優先される分野では非常に重要である
ため、反射器及びケースからなる反射器装置で製造誤差
を除くことのみならず、種々の部品の熱膨張の差を許容
することも必要である。

【０００５】従って、本発明は、所定の温度範囲にわた
ってパラボラ鏡の限定された位置を保証する反射器装置
を提供することを目的とする。更に、本発明は、この種
の反射器装置を製造する工程を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の反射器装置は、
金属構造物を有するプラスチックシートが設けられたプ
ラスチック層を有する反射器と、一方が他方の内部に配
置され得る２個の中空筒からなるケースとを具備する反
射器装置において、前記反射器は、その縁で略中空筒状
のカラーを形成する別のプラスチック層を具備し、前記
カラーは、前記ケースの前記中空筒間に固定されること
を特徴とする。

【０００７】本発明の反射器装置の製造方法は、金属構
造物を有するプラスチックシート及びプラスチック層か
らなる部品が、別のプラスチック層で覆われ、カラー
が、単一の工程で前記別のプラスチック層から製造され
ることを特徴とする。

【０００８】本発明の反射器装置は、金属構造物を有す
るプラスチックシートが設けられた第１プラスチック
層、及び反射器の縁で略中空筒状カラーを形成する第２
プラスチック層を有する反射器と、一方が他方の内部に
配置されるようになっている２個の中空筒からなるケー
スとを具備し、第２プラスチック層のカラーは、ケース
の中空筒間に固定される。反射器のカラーが反射器から
離れた端部で固定され、反射器の縁が中空筒間に直接固
定されると、熱膨張の差により、カラー及び中空筒間の
応力は、反射器自体に若干の影響を与える。

【０００９】中空筒及び反射器のプラスチック層は、互
いに異なる材料から製造される。また、これら異なる材
料は、異なる熱膨張を有するので、ケース及び反射器の
膨張の差を生ずる結果となる。中空筒状のカラーがケー
スの中空筒間に配置されるので、これら部品の異なる膨
張を吸収する必要がある。周辺に分配された略軸方向に
延びるスロットを有するカラーを提供することは、特に
有利である。これらスロット内で材料はカラーから分断
(mill)される。カラー及び中空筒が異なる程度まで膨張
すると、この膨張はスロットにより吸収され、応力が回
避される。

【００１０】更に特別な利点は、カラーを限定固定する
ために、中空筒間のカラー上に係止指が配置されること
である。これらの係止指は、それぞれ係止突起を有し、
カラーの周辺に分配される。これらの指は、軸方向に延
びるスロットによりカラーから分離される。

【００１１】更に特別な利点は、中空筒の一方が肩を具
備し、係止突起が肩の背後に係合し、第２中空筒がカラ
ーの縁用の停止部を具備することである。従って、中空
筒に対するカラーの位置は、軸方向に限定される。

【００１２】また、カラーの一部であり、肩及び中空筒
の停止部間に固定された弾性要素を設けたことも、特に
有利である。この弾性要素は、２個の中空筒及び反射器
間の製造誤差を補償する作用をなす。

【００１３】また、カラーがケースの中空筒間に挿入さ
れると変形するカラー上のリブを設けることも、特に有
利である。これらリブも、製造誤差を補償する作用をな
す。

【００１４】また、係止指上にこれらのリブを設けるこ
とも、特に有利である。係止指が２個の中空筒間にしっ
かりと固定される一方、スロットにより係止指から分離
した係止指間の領域が、異なる熱膨張のために必要なら
ばケースの２個の中空筒間に容易にシフトできるからで
ある。

【００１５】更に特別な利点は、半径方向に延びる周辺
フランジが反射器の縁でカラーの外側に設けられること
である。このフランジは、外側中空筒、反射器のカラー
及びフランジ間に配置されたシール部材用のシール着座
部として作用する。これにより、反射器のカラーに大き
な力を及ぼさない低圧力シール部材が、異なる熱膨張を
吸収することができるので、有利である。シール部材の
一部も、フランジ及び外側中空筒間に配置される。リブ
は、外側中空筒上に反射器を固定するように作用するの
で、この領域の外側中空筒上に、水しぶきに対するシー
ルを形成する。

【００１６】本発明の装置によれば、異なる部品の製造
誤差が許容され、また熱膨張の差が補償され、熱膨張の
差にも拘らず、反射器装置の中心度の変位が許容誤差内
に収まる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態について詳細に説明する。図１は、
反射器及びケースを有する、本発明の反射器装置の平面
図である。図２は、図１のＡ−Ａ線に沿った、反射器装
置の断面図である。図３は、図２に示される、反射器装
置のＸ部の拡大図である。図４は、図３のＢ−Ｂ線に沿
った、反射器装置の部分拡大断面図である。図５は、反
射器の斜視図である。

【００１８】図１ないし図５を参照して、本発明の一実
施形態を説明する。反射器装置１は、反射器２及びケー
ス３からなる。ケース３は、例えば電子部品や例えばレ
ーダー波用の送信機を担持する板上に反射器２を取り付
けるために使用される。反射器２は、ケース３を用いて
この送信機に対して方向付けされる。反射器２は、例え
ばパラボラ鏡や、例えばレーダーシステムで使用される
タイプの相互反射器であってもよい。ケース３を実装す
るために、ケース３は、板上に固定するための孔５付き
の取付けフランジ４を有する。取付けフランジ４は、そ
れに直交する軸を向いた外側中空筒６と一体的に形成さ
れる。また、ケース３は、外側中空筒６の内部に位置す
る内側中空筒７を具備する。アルミニウムダイキャスト
製のケースを用いると特に有利である。

【００１９】反射器２は、以下のように構成される。即
ち、反射器２は、アルミニウム構造物を担持するプラス
チックシート８を具備する。プラスチックシート８は第
１プラスチック層９内に封入され、第１プラスチック層
９はプラスチックシート８にその形状を与える。この第
１プラスチック層９は、今度は第２プラスチック層１０
により覆われる。第２プラスチック層１０は、第１プラ
スチック層９、換言すると反射器の実体の領域内に配置
されるばかりでなく、第１プラスチック層、従って反射
器の実体の縁に隣接する中空筒状カラー１１をも有す
る。

【００２０】中空筒状のカラー１１に加えて、反射器又
は第２プラスチック層１０も、カラー１１の外側に半径
方向に延びる周辺フランジ１２を具備する。このフラン
ジ１２は、フランジ１２に直交して配置されると共に周
辺に分配された個々のリブ１３を介して、反射器２の外
側プラスチック層１０に結合される。リブ１３は、剛性
を付与すると共に、フランジ１２及び反射器実体間の角
度を決定する作用をなす。

【００２１】反射器２のカラー１１は、軸方向に延びる
複数のスロット１４を具備する。これらスロット１４の
役割も、軸方向に対してスロット１４が斜めに延びるこ
とを補償することである。スロット１４は、カラー１１
の周辺に分配され、カラー１１、ケースの内側筒６、及
び外側筒７間の熱膨張の差を補償するために重要であ
る。

【００２２】また、反射器２のカラー１１は、周辺に分
配された複数の係止(catch)指１５を具備する。これら
係止指１５は、スロット１４によりカラー１１の残余部
分から分離される。係止指１５は、カラー１１から外方
に突出する係止突起１６を担持する。また、係止指１５
は、自由端１７から延びる弾性要素１８を具備する。

【００２３】外側中空筒６は、取付けフランジ４に面す
る被接続端１９と、自由端２０とを有する。外側筒６
は、被接続端１９の方を向いた肩２２を有する周辺リブ
２１を具備する。他方、内側筒７は、取付け状態で反射
器の方を向いた停止部２３を具備する。カラー１１の各
係止腕１５は、内方を向いた軸方向に延びるリブ２４を
具備する。

【００２４】反射器装置の組立及び構造は、以下の通り
である。最初に、低圧力シール部材２５が、カラー１１
及びフランジ１２間の反射器２上に固定される。次に、
反射器２が、上方、換言すると取付けフランジ４から離
れたケース３の端部から外側筒６上に押圧される。係止
フック１６を有する係止指１５は、周辺リブ２１を越え
て撓み、外側筒６の肩２２の背後に係止する。低圧力シ
ール部材２５を収容する空間は、反射器２のカラー１１
と同様に、外側筒６の上側自由端２０及び反射器２のフ
ランジ１２間に形成される。この低圧力シール部材２５
は、反射器２が外側中空筒６上に取付けられる際に、反
射器２のシール着座部内に既に配置されているのが好ま
しい。低圧力シール部材２５は、一方でシール部材２５
が反射器２上に圧力を直接及ぼすことを防止するが、他
方で外側中空筒６及びフランジ１２間の水しぶき防止接
続を保証する。外側中空筒６の自由端２０に配置された
付加的リブ２６は、シール（封止）効果を改善する。

【００２５】反射器２が外側中空筒６上に一旦取付けら
れると、内側中空筒７は、取付け側から挿入される。こ
れら２個の中空筒６，７は、内側中空筒７の下端面２７
が取付けフランジ４の取付け面２８と一致するように、
互いに対して取り付けられる。係止指１５は、自由端１
７で内側中空筒７の停止部２３に当たる。弾性要素１８
を有する係止腕１５の自由端１７は、外側中空筒６の肩
２２及び内側中空筒７の停止部２３間に固定される。弾
性要素１８は、２個の筒６，７及び反射器２のカラー１
１間の製造誤差を除去するよう作用する。２個の筒６，
７間の半径方向の製造誤差は、係止指１５上のリブ２４
により除去される。これらのリブ２４は、第２中空筒７
の挿入の際に、係止指１５及び中空筒６，７間にしっか
りとした固定が形成される程度まで、変形する。

【００２６】熱膨張により、中空筒６，７の半径及びカ
ラー１１の半径が異なった程度まで変化すると、スロッ
ト１４により半径の変化を補償することができる。係止
指１５が中空筒６，７間にしっかりと固定されるが、カ
ラー１１の他の部分は、スロット１４によって互いに対
してシフトすることができる。

【００２７】反射器２のカラー１１を特定の設計形状に
した結果、カラー１１は、限定された方法で内側中空筒
７及び外側中空筒６間に拘束され、製造誤差が許容さ
れ、また、部品の熱膨張の差異が許容される。また、カ
ラー１１は、反射器実体の中心位置に影響を与えること
なく、この熱膨張の差異を吸収する。

【００２８】反射器の位置に依然として影響を与える熱
膨張のみが軸方向の熱膨張であり、この熱膨張により、
反射器の位置が軸方向に変更される。しかし、この方向
に許容された誤差が反射器の中心度に関しての誤差より
実質的に大きいと、これら熱膨張は意味のある効果を持
たない。

【００２９】

【発明の効果】本発明の反射器装置によれば、反射器
は、その縁で略中空筒状のカラーを形成する別のプラス
チック層を具備し、カラーは、ケースの中空筒間に固定
されるので、カラー及び中空筒の熱膨張の差を吸収でき
るという利点がある。

【００３０】本発明の反射器装置の製造方法によれば、
金属構造物を有するプラスチックシート及びプラスチッ
ク層からなる部品が、別のプラスチック層で覆われ、カ
ラーが、単一の工程で別のプラスチック層から製造され
るので、カラー及び中空筒の熱膨張の差を吸収できる反
射器装置を簡単に製造することができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】反射器及びケースを有する、本発明の反射器装
置の平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿った、反射器装置の断面図
である。

【図３】図２に示される、反射器装置のＸ部の拡大図で
ある。

【図４】図３のＢ−Ｂ線に沿った、反射器装置の部分拡
大断面図である。

【図５】反射器の斜視図である。

【符号の説明】

２反射器３ケース６，７中空筒８プラスチックシート９，１０プラスチック層１１カラー１２フランジ１４スロット１５係止指１６係止突起１８弾性要素２２肩２３停止部２４リブ２５低圧力シール部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金属構造物を有するプラスチックシートが
設けられたプラスチック層を有する反射器と、一方が他
方の内部に配置され得る２個の中空筒からなるケースと
を具備する反射器装置において、前記反射器は、その縁で略中空筒状のカラーを形成する
別のプラスチック層を具備し、前記カラーは、前記ケースの前記中空筒間に固定される
ことを特徴とする反射器装置。
【請求項２】前記カラーは、係止突起を有する複数の係
止指を具備し、該係止指は、前記カラーの周辺に分配さ
れると共に、軸方向に延びるスロットにより前記カラー
から分離されることを特徴とする請求項１記載の反射器
装置。
【請求項３】前記中空筒の一方が肩を具備し、前記係止
突起が前記肩の背後に係合し、第２中空筒が前記カラー
の縁用の停止部を具備することを特徴とする請求項２記
載の反射器装置。
【請求項４】前記カラーに、前記肩と前記中空筒の前記
停止部との間に固定された弾性要素を設けたことを特徴
とする請求項３記載の反射器装置。
【請求項５】前記カラーが、その周辺に分配された略軸
方向に延びるスロットを具備することを特徴とする請求
項１記載の反射器装置。
【請求項６】前記カラーが、該カラーを前記ケースの前
記中空筒間に挿入すると変形するリブを具備することを
特徴とする請求項１ないし請求項５のうちいずれか１項
記載の反射器装置。
【請求項７】半径方向に延びる周辺フランジが前記反射
器の縁で前記カラーの外側に設けられることを特徴とす
る請求項１ないし請求項６のうちいずれか１項記載の反
射器装置。
【請求項８】前記フランジは、前記ケースの前記外側中
空筒に抗して支持されることを特徴とする請求項７記載
の反射器装置。
【請求項９】低圧力シール部材が、前記フランジ、前記
カラー及び前記外側中空筒間に配置されたことを特徴と
する請求項８記載の反射器装置。
【請求項１０】前記フランジがシール着座部であること
を特徴とする請求項８記載の反射器装置。
【請求項１１】前記金属構造物を有する前記プラスチッ
クシート及び前記プラスチック層からなる部品が、前記
別のプラスチック層で覆われ、前記カラーが、単一の工
程で前記別のプラスチック層から製造されることを特徴
とする請求項１ないし請求項１０のうちいずれか１項記
載の反射器装置の製造方法。
【請求項１２】前記反射器が低圧力シール部材を具備
し、前記カラーを有する前記反射器が、前記中空筒のうち外
側筒内に挿入され、次に、前記中空筒のうち内側筒が反対側の端部から前記
外側筒内に挿入されることを特徴とする請求項１１記載
の反射器装置の製造方法。