JP2000223412A - 荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法

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JP2000223412A JP11026386A JP2638699A JP2000223412A JP 2000223412 A JP2000223412 A JP 2000223412A JP 11026386 A JP11026386 A JP 11026386A JP 2638699 A JP2638699 A JP 2638699A JP 2000223412 A JP2000223412 A JP 2000223412A
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scan
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voltage
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 BAA方式の荷電粒子ビーム露光装置におけ
るスループットの向上。 【解決手段】 電子銃9と、複数の開口が配列され荷電
粒子ビームをオン・オフ制御するBAA30と、偏向手段
14,16 と、収束手段12,15 と、荷電粒子ビームが開始点
と終了点を順次変化させながら試料上の所定範囲を走査
するように偏向手段を制御する偏向制御手段20,40 と、
各開口を制御する露光制御手段20とを備える荷電粒子ビ
ーム露光装置において、偏向制御手段は、DAC41と電
流・電圧変換器42を有する走査位置信号発生回路と、D
AC43と電流・電圧変換器44を有する走査開始位置信号
発生回路と、電流可変定電流源46と、容量47と定電流源
の出力電流を制御する電流供給制御回路45とを備える走
査信号発生回路と、走査信号加算回路48と、演算回路49
とを備え、走査距離と走査時間に応じて定電流源の出力
電流を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム露光装
置などの荷電粒子ビーム露光装置に関し、特に多数の制
御電極を有する開口を配列し、制御電極に印加する信号
で各開口を通過するビームをオン・オフ制御できるブラ
ンキング・アパーチャ・アレイ(BAA)を備え、荷電
粒子ビームの走査に同期してBAAを制御するBAA方
式の荷電粒子ビーム露光装置及びそれを使用した露光方
法に関する。
【0002】半導体集積回路は微細加工技術の進歩に伴
って一層高集積化される傾向にあり、微細加工技術に要
求される性能は益々厳しいものになってきている。とり
わけ露光技術においては、従来使用されているステッパ
などに用いられる光露光技術の限界が予想されている。
電子ビーム露光技術は、光露光技術に代わって微細加工
の次世代を担う可能性の高い技術である。以下、電子ビ
ーム露光を例として説明を行う。
【0003】
【従来の技術】図1は、電子ビーム露光装置の従来例の
構成を示す図である。図1において、参照番号1はプロ
セッサを、2は磁気ディスクを、3は磁気テープ装置を
示し、これらの装置はバス4を介して互いに接続され、
且つバス4及びインターフェイス回路5をそれぞれ介し
てデータメモリ6及びステージ制御回路7に接続されて
いる。
【0004】一方、8は筐体で、内部には電子銃9、レ
ンズ10、ブランキング電極11、レンズ12、サブデ
フレクタ(副偏向器)用電極14、レンズ15、メイン
デフレクタ(主偏向器)用コイル16及びステージ17
が配置されている。試料100はステージ17上に載置
されており、ステージ17はステージ制御回路7の出力
信号によりX方向及びY方向へ移動制御される。なお、
実際には、ビーム成形用の偏向器やアパーチャ、焦点を
微調整するためのコイルなど他にも多数の要素が設けら
れているが、ここでは図示及び説明を省略する。
【0005】また、前記データメモリ6から読み出され
たデータは、パターン発生回路19を通してパターン補
正回路20に供給される。パターン補正回路20は、ブ
ランキング信号をアンプ21を介してブランキング電極
11に印加し、また各々DAコンバータ(DAC)24
及び26と、アンプ25及び27を介して電極14及び
コイル16へ信号を印加する。
【0006】電子銃9により放射された電子ビームは、
レンズ10を通過し、ブランキング電極11により透過
又は遮断され、更に例えば3μm以下の平行な任意のシ
ョットサイズの矩形ビームに整形された後、サブデフレ
クタ用電極14及びメインデフレクタ用コイル16によ
り偏向されると共に、更に投影レンズ15を通過して試
料表面に収束される。サブデフレクタの偏向可能領域は
メインデフレクタの偏向可能領域より小さく、応答速度
は逆にサブデフレクタによる整定時間がメインデフレク
タによる整定時間より短い。
【0007】参照番号18は、照射された電子ビームが
試料100で反射され散乱することにより発生した散乱
電子を検出する反射電子検出器であり、28は反射電子
検出器の出力を処理する反射電子検出回路である。試料
100には、位置合わせのためのマークが設けられてお
り、このマークを電子ビームで走査するとマークのエッ
ジ部分で電子ビームの散乱状態が変化し、反射電子検出
器が検出する散乱電子の量が変化するので、反射電子検
出回路を監視することによりマークのエッジを検出する
ことができる。これを利用して位置合わせを行う。
【0008】上記のように、サブデフレクタの応答速度
の方がメインデフレクタの応答速度より速いので、通常
はメインデフレクタによるメイン偏向範囲を、サブデフ
レクタによる偏向範囲より小さい複数のサブ偏向範囲に
分割し、メインデフレクタによる偏向位置を各サブ偏向
範囲の中心になるように設定した上で、サブ偏向範囲内
をサブデフレクタによる偏向位置を変化させながらパタ
ーン露光を行う。1つのサブ偏向範囲の露光が終了する
と、メインデフレクタによる偏向位置を変更して次のサ
ブ偏向範囲の露光を行う。この他に、ステージ17を連
続的に移動しながら露光を行う連続移動方式などもあ
る。この場合は、メインデフレクタによる偏向位置をス
テージ17の移動に同期して変化させながらサブ偏向範
囲内を順次露光する。
【0009】露光方式には、サブ偏向範囲または所望の
範囲を微少な電子ビームで走査し、パターンに対応して
電子ビームをオン・オフ制御するラスタスキャン方式
や、露光パターンを基本的なブロックに分け、各ブロッ
クに対応する開口(アパーチャ)を通過させて成形した
電子ビームを露光することによりパターンを露光するブ
ロック露光方式などがある。現状の電子ビーム露光装置
では、ラスタスキャンの使用は塗り潰しにのみ限定され
ている。
【0010】図2は、サブデフレクタに印加する信号を
説明する図であり、(1)はブロック露光方式の場合の
構成例を、(2)はラスタスキャン(ラスタ走査)方式
の場合の構成例を示す。なお、ここでは説明を簡単にす
るためにX方向とY方向の2組の電極で、一方が接地さ
れた例を示したが、実際には後述するように8個の電極
が設けられ、それぞれに偏向信号が印加される。
【0011】図示のように、サブデフレクタ用電極14
は、X方向の偏向電極141aと141b及びY方向の
偏向コイル142aと142bで構成される。ブロック
露光方式の場合には、指示されるX座標とY座標に電子
ビームを偏向するベクタスキャンと呼ばれる偏向を行う
ので、図2の(1)に示すように、DAC241でX座
標データに対応する電流信号を発生し、変換回路251
で電流信号を電圧信号に変換してX方向の偏向電極14
1aに印加し、DAC242でY座標データに対応する
電流信号を発生し、変換回路252で電流信号を電圧信
号に変換してY方向の偏向電極142aに印加してい
る。変換回路251と252は、偏向電極へ印加する信
号の駆動回路(ドライバ)として働くアンプの機能も含
む。
【0012】Y方向にラスタスキャンを行う場合には、
図2の(2)に示すように、図2の(1)の構成に加え
て、定電流源261の出力する電流を容量263に供給
する。これにより、容量263の電圧は時間と共に一定
の率で増加する。定電流源261から容量263への電
流供給経路の途中には、スイッチ262が設けられてお
り、スキャン(走査)中は定電流源261から容量26
3に電流が供給され、スキャンが終了すると容量263
に蓄積された電荷を放電するように動作する。容量26
3の電圧と変換回路252の出力する電圧信号は、加算
回路264で加算され、アンプ265を介してY方向の
偏向電極142aに印加される。
【0013】例えば、塗り潰しなどの場合には、スキャ
ンの開始位置を示すX座標データとY座標データを設定
した上で、スキャン幅に相当する時間だけスキャンを行
う。この場合、Y座標データをスキャン開始位置より前
に設定し、スキャンを開始して所定時間後から電子ビー
ムをオンにし、終了位置に相当する時間後に電子ビーム
をオフにする。このようなスキャンをX座標データを所
定値ずつ変更しながら行うことで、所定範囲を塗り潰す
ことができる。定電流源261と容量263が変更され
ることはなく、スキャン時の露光は、スキャン開始から
の時間で制御されていた。
【0014】図2では、X方向とY方向の2組の電極
で、一方が接地された例を示したが、これでは2組の電
極の中心付近のみで所望の電界が得られるだけである。
そのため、偏向された電子ビームが進行するに従って、
中心からずれると歪んだ電界の影響を受けて所望の偏向
が行われなくなる。そこで、実際には、図6に示すよう
に、電極の個数を増加させて、各電極145a〜148
a及び145b〜148bに印加する電圧を調整して所
望の偏向量が得られるようにしている。このような電極
を使用する場合、電極毎にX座標データとY座標データ
に対応する電圧に対して所定の演算を行う。そのため、
例えば、図2の(1)に示したベクタスキャン方式の場
合には、図7に示すように、変換回路251と252の
出力を演算する演算回路250を設け、その演算結果を
アンプ253を介して対応する副偏向電極に印加してい
る。
【0015】以上が、従来の一般的な電子ビーム露光装
置の構成に関する概略説明である。上記のように、電子
ビーム露光装置はステッパなどの光露光技術に比べて解
像力が優れているが、スループットが低く、生産効率が
不十分であるという問題がある。このような問題を解決
するため、ブランキング・アパーチャ・アレイ(BA
A)方式が提案されている。
【0016】図3は、BAA方式で使用するブランキン
グ・アパーチャ・アレイ(BAA)30を示す図であ
る。BAA30は、両側に電極32、33を有する多数
の開口31を図示のように配列したものであり、例え
ば、図1のレンズ12の下に配置し、一様な電子ビーム
が入射するようにする。開口30の部分を通過する電子
ビームは、電極32、33に電圧を印加しない時にはそ
のまま通過して試料100上に照射されるが、電極3
2、33に電圧を印加した時にはビームの方向が曲が
り、試料100に照射されない。すなわち、電極32、
33に電圧を印加するかしないかで、開口31を通過す
るビームのオン・オフが制御できる。
【0017】BAA方式における露光では、スキャンに
対応する電子ビームの偏向とBAA30のオン・オフパ
ターンを同期させて変化させる。図4は、BAA方式に
おける露光を説明する図であり、9個の開口31が3列
3行に配列されている場合の例である。まず、図4の
(1)に示すように、BAA30を通過したビームがB
1の位置に照射されるように偏向される。この時、開口
(L1,R2)のみがオンで、他の開口はオフであると
すると、開口(L1,R2)を通過したビームが試料1
00上のP1(L1,R2)の位置に照射される。次
に、少しスキャンが進んで、BAA30を通過したビー
ムがB2の位置に照射されるように偏向される。ここ
で、開口(L2,R2)、(L1,R1)、(L1,R
3)のみがオンで他の開口はオフであるとすると、開口
(L2,R2)、(L1,R1)、(L1,R3)を通
過したビームのみが試料100上のP1(L2,R
2)、P2(L1,R1)、P3(L1,R3)の位置
に照射される。ここで、(1)と(2)での偏向量は、
P1(L2,R2)はP1(L1,R2)と同じ位置に
なるように変化しているとする。更にスキャンが進ん
で、BAA30を通過したビームがB3の位置に照射さ
れるように偏向される。ここで、開口(L3,R2)、
(L2,R1)、(L2,R3)、(L1,R1)、
(L1,R2)、(L1,R3)がオンで他の開口はオ
フであるとすると、これらの開口を通過したビームのみ
は試料100上のP1(L3,R2)、P2(L2,R
1)、P3(L2,R3)、P4(L1,R1)、P5
(L1,R2)、P4(L1,R3)の位置に照射され
る。ここで、(2)と(3)での偏向量は、P1(L
3,R2)はP1(L2,R2)と、P2(L2,R
1)はP2(L1,R1)と、P3(L2,R3)はP
3(L3,R3)と同じ位置になるように変化している
とする。
【0018】図示していないが、次には図4の(3)の
列L2のパターンをL1に、列L1のパターンをL2
に、L1には新しいパターンを印加し、同時にビームの
スキャンを進める。このような動作を行うことにより、
スキャン範囲の長さでBAA30の開口の行の幅で任意
のパターンを露光することができる。この時、各点につ
いて開口の列数分の露光が行われる。なお、図3の開口
31は千鳥状に配置されており、図3において縦方向に
スキャンを行うことにより、各行のスポットの間が埋め
られ一様な露光が行えるようにしている。
【0019】以上のように、BAA方式は、任意のパタ
ーンを自由に露光することができるという利点と共に、
スキャン信号を連続的に変化すればよいため、ベクタス
キャンの場合に必要なビームの整定時間がなく、高速の
スキャンが可能であり、高い効率で露光できるという利
点がある。更に、同一のスポットが複数回露光されるた
め、露光エネルギも高い。
【0020】BAA方式のスキャンは、例えば、サブデ
フレクタ用電極14を利用して行われる。図5は、BA
A方式のスキャンのメイン偏向範囲とサブ偏向範囲に対
する適用方法の例を示す図である。図示のように、メイ
ン偏向範囲Fは、複数のサブ偏向範囲SF1、SF2、
…で構成される。SF11、SF12、…、SF22は
1回スキャン範囲を示す。SF11では下から上に向か
ってスキャンが行われ、SF12ではX座標を変化させ
た後、上から下に向かってスキャンが行われる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、現状の
電子ビーム露光装置では、ラスタスキャンの使用は塗り
潰しにのみ限定されている。塗り潰しの場合には、スキ
ャンの開始と終了を時間制御し、その間電子ビームをオ
ンにするだけでよかった。図2の(2)のラスタスキャ
ン用制御回路では、定電流源261の出力電流や容量2
63の容量値のばらつきにより、容量263の電圧値の
時間変化率が異なる。これはスキャン速度に誤差を生じ
させる。また、所定の電圧を偏向器に印加しても静電偏
向器のばらつきなどによって実際の偏向位置が異なる。
これもスキャン速度に誤差を生じさせる。実際のスキャ
ン速度はこのように各種の要因により影響され誤差を有
するが、上記のような塗り潰しのためのスキャンであれ
ば、スキャン速度に誤差があっても、スキャンの開始と
終了を時間制御すれば、特に問題は生じなかった。
【0022】しかし、BAA方式の場合には、スキャン
に応じて各ブランキングアパーチャを正確にオン・オフ
制御する必要がある。一般に、各ブランキングアパーチ
ャのオン・オフ制御は、クロックに同期してパターンデ
ータを読み出し、パターンデータに応じた信号を各ブラ
ンキングアパーチャに印加することにより行う。従っ
て、スキャン速度が所定の値であることが必要である。
そのため、上記のような塗り潰し用のラスタスキャン回
路は使用できなかった。
【0023】そこで、BAA方式でのスキャンを行うに
は、図7の回路を使用して、Y座標データを順次変化さ
せてスキャンを行う必要があった。実際の電子ビーム露
光装置では、照射位置の位置精度は非常な高精度を要求
される。そのため、図7の回路で指示されるX及びY座
標データは、16ビット程度のデータ幅を有することが
必要である。現在、実用化されているデジタル−アナロ
グ変換器(DAC)では、12ビット程度のものは比較
的高速なものがあるが、16ビットのものは十分な動作
速度のものがないのが実情である。そのため、Y座標デ
ータを変化させる速度もDAC242の動作速度により
制限されることになり、ラスタスキャンを高速で行うこ
とができないという問題を生じている。これでは、BA
A方式であってもスループットは向上せず、生産効率が
低いという問題がある。
【0024】本発明は、このような問題を解決するため
のもので、BAA方式のラスタスキャンを行う偏向器に
印加する信号を発生させる回路を改良して、BAA方式
の荷電粒子ビーム露光装置のスループットを向上させる
ことを目的とし、更にそのような荷電粒子ビーム露光装
置において所望のラスタスキャンが行われるように動作
条件を設定して露光を行う露光方法の実現を目的とす
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】図8は、本発明の荷電粒
子ビーム露光装置の偏向制御手段の基本構成を示す図で
ある。上記目的を実現するため、本発明の荷電粒子ビー
ム露光装置は、スキャン信号を発生する回路を構成する
定電流源46として、デジタル−アナログ変換器(DA
C)などの電流値が可変のものを使用し、スキャン速度
を可変にする。その上で、実際のスキャン速度を測定し
て、所定のスキャン速度になるように定電流源の電流値
を設定する。
【0026】すなわち、本発明の荷電粒子ビーム露光装
置は、荷電粒子ビームを生成する電子銃と、両側に電極
を有する複数の開口が配列され、前記電極に印加する信
号で入射する前記荷電粒子ビームが試料上に照射される
かされないかが制御可能なブランキング・アパーチャ・
アレイと、ブランキング・アパーチャ・アレイを通過し
た荷電粒子ビームを偏向する偏向手段と、ブランキング
・アパーチャ・アレイを通過した荷電粒子ビームを試料
上に収束する収束手段と、ブランキング・アパーチャ・
アレイを通過した荷電粒子ビームが、走査の開始点と終
了点を順次変化させながら、試料上の所定範囲を走査す
るように偏向手段を制御する偏向制御手段と、露光パタ
ーンに応じて、ブランキング・アパーチャ・アレイの各
開口の電極に印加する信号を、走査に同期して制御する
露光制御手段とを備える荷電粒子ビーム露光装置におい
て、偏向制御手段は、開始点の第1の座標を指示するデ
ジタルデータを、対応するアナログ電流信号に変換する
デジタル・アナログ変換器(DAC)41と、アナログ
電流信号を電圧信号に変換する電流・電圧変換器42を
有する走査位置信号発生回路と、開始点の第2の座標を
指示するデジタルデータを、対応するアナログ電流信号
に変換するデジタル・アナログ変換器(DAC)43
と、アナログ電流信号を電圧信号に変換する電流・電圧
変換器44を有する走査開始位置信号発生回路と、出力
電流を変化させることが可能な定電流源46と、定電流
源の出力電流を蓄積する容量47と、定電流源の出力電
流の容量への供給を制御する電流供給制御回路45とを
備える走査信号発生回路と、走査開始位置信号発生回路
の出力と前記走査信号発生回路の出力を加算する走査信
号加算回路48と、走査信号演算回路と走査位置信号発
生回路の出力を演算する演算回路49とを備え、電流供
給制御回路45は、走査距離と走査時間に応じて定電流
源46の出力電流を設定することを特徴とする。
【0027】本発明の荷電粒子ビーム露光装置では、走
査信号発生回路が定電流源46と容量47で構成され、
しかも電流供給制御回路45により定電流源46の電流
値が可変であるので、実際に測定した走査距離と走査時
間に応じて定電流源46の電流値を設定すれば、所定の
走査(スキャン)信号を高精度に発生させることができ
る。従って、BAA方式にも使用できる。
【0028】また、定電流源は出力電流を正負の範囲で
変化させることを可能にすれば、交互に逆方向の走査を
行うことができ、図5のような露光が可能になる。ま
た、電流供給制御回路として容量に蓄積された電荷を放
電するスイッチ回路を設ければ、一方向の走査が繰り返
されるようにできる。定電流源としては、デジタル・ア
ナログ変換器(DAC)を使用することが望ましい。こ
の場合、スキャン中はDACの出力は一定であり、DA
Cの応答速度は問題にならず、低速のDACが使用でき
る。
【0029】上記の走査信号発生回路を構成する定電流
源の出力電流が可変である装置を使用して露光を行う露
光方法は、マークを有する試料を荷電粒子ビームで走査
して反射電子を検出し、マークのエッジの第1走査タイ
ミングを求めるステップと、試料を走査方向に沿って移
動するステップと、移動した試料のマークを荷電粒子ビ
ームで走査して反射電子を検出し、マークのエッジの第
2走査タイミングを求めるステップと、移動量に対応す
る仮想走査時間を算出するステップと、第1走査タイミ
ングと第2走査タイミングの差を算出して実走査時間を
算出するステップと、仮想走査時間と前記実走査時間を
比較して、比較結果から定電流源の出力電流を設定する
ステップとを備え、このようにして設定された荷電粒子
ビーム露光装置で露光を行うことを特徴とする。
【0030】第1走査タイミングを求めるステップから
実走査時間を算出するステップまでを、走査に垂直な方
向の異なる複数の座標で複数回行い、測定結果が一致す
ることを確認する。一致しない場合には、歪んだ走査に
なるので、修正が必要である。また、別の態様の露光方
法は、マークを有する試料を荷電粒子ビームで走査して
反射電子を検出し、マークの走査に垂直な方向のエッジ
を検出した後、荷電粒子ビームが走査に垂直な方向に短
い走査を行うように走査位置信号を与え、マークの走査
に平行な方向のエッジの第1の位置を検出するステップ
と、試料を走査方向に沿って移動するステップと、移動
した試料のマークを荷電粒子ビームで走査して反射電子
を検出し、マークの走査に垂直な方向のエッジを検出し
た後、荷電粒子ビームが走査に垂直な方向に短い走査を
行うように走査位置信号を与え、マークの走査に平行な
方向のエッジの第2の位置を検出するステップと、移動
量と第1と第2の位置の差の関係から、走査位置信号の
補正値を算出するステップとを備え、走査位置信号を補
正値だけ補正して露光を行うことを特徴とする。
【0031】この場合、補正値を走査に垂直な方向の異
なる複数の座標について算出し、偏向範囲の全面で補正
を行うことが望ましい。なお、上記の露光方法におい
て、1個のマークを移動するのではなく、あらかじめ位
置関係の判明している複数のマークを有する試料を使用
することも可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】図9は、本発明の実施例の電子ビ
ーム露光装置の構成を示す図であり、図1のCPU1、
インタフェイス回路5、データメモリ6、パターン発生
回路19などを除いた部分に対応する図である。実施例
の電子ビーム露光装置はBAA方式であり、図1のもの
とは、ブランキング電極11とそのドライバ21がな
く、代わりにブランキング・アパーチャ・アレイ(BA
A)30とその駆動回路34が設けられている点、サブ
デフレクタ(副偏向器)14が図6に示した電極構成を
有し、その駆動信号発生回路40がDACと演算回路を
有する点が異なる。BAA30は、図3に示したもので
あり、それを使用した露光方法については、図4で説明
したので、ここではこれ以上の説明は省略する。また、
サブデフレクタ14も図6に示した従来と同じ構成を有
するので、これについても説明を省略する。更に、ステ
ージ17の移動量を検出するレーザ測長器61が設けら
れているが、これも公知である。従って、ここでは、サ
ブデフレクタ14の駆動信号発生回路についてのみ説明
を行う。
【0033】図10は、実施例のサブデフレクタ14の
駆動信号発生回路40の構成を示す図であり、このよう
な回路が、8つの電極に対応して設けられている。図示
のように、サブデフレクタ14の駆動信号発生回路40
は、X座標データをアナログ電流信号に変換するDAC
41と、オペアンプと抵抗で構成され、DAC41の出
力電流を電圧信号に変換する電流−電圧変換回路42
と、Y座標データをアナログ電流信号に変換するDAC
43と、オペアンプと抵抗で構成され、DAC43の出
力電流を電圧信号に変換する電流−電圧変換回路44
と、スキャン係数をアナログ電流信号に変換するDAC
46と、DAC46の出力電流が供給される容量(コン
デンサ)47と、オペアンプ50で構成され、容量47
の電圧を増幅する増幅回路と、リセット信号に応じて容
量47の電圧を接地するスイッチ51と、オペアンプと
抵抗とで構成され、電流−電圧変換回路44の出力電圧
とオペアンプ50の出力電圧を所定の比率で加算する加
算回路48と、オペアンプと抵抗とで構成され、電流−
電圧変換回路42の加算回路48の出力電圧を所定の比
率で加算する加算回路49とを有する。加算回路48、
49の加算比率は抵抗の比率で決定される。スキャン係
数の設定がDAC46の電流値を決定するので、スキャ
ン係数を設定する制御部が図8の電流供給制御回路45
に相当する。
【0034】図6に示した構造のサブデフレクタ14で
は、X座標とY座標に対応するX偏向電圧とY偏向電圧
を、サブデフレクタの各電極の組におけるX方向とY方
向の偏向への寄与率に応じた重み付けで加算した電圧が
各電極の組に印加される。加算回路49における加算の
重み付けは、抵抗の比率で決定されるので、抵抗を適当
に設定することで、所望の重み付けが実現される。また
加算回路48における加算の重み付けも同様に設定され
るが、ここでは1対1で、増幅率も1であるとする。
【0035】DAC46の出力電流をIとし、容量47
の容量値をCとし、1スキャンの時間をTとすると、時
間の変化に伴って容量47の電圧は連続して変化し、1
スキャンの間の電圧値の変化ΔVは、I×T/Cである
(ただし、Cは十分に大きいとする。)。従って、ΔV
がスキャン量に対応する電圧差になるようにIを設定す
れば、所定の幅のスキャンが行われることになる。電圧
値の変化ΔVに対してスキャン幅Lは比例し、L=α×
ΔV=α×I×T/Cと表され、αを偏向係数と呼ぶ。
リセット信号により容量47の電圧を接地するとオペア
ンプ50の出力はゼロであり、スキャン開始のY座標に
相当するY座標データをDAC43に与えた時の電流−
電圧変換回路44の出力電圧をV1とすると、スキャン
の開始時の電圧はV1であり、スキャンの終了時の電圧
はV1+ΔVである。これにより、所定の開始位置から
終了位置までスキャンが行われる。
【0036】ここで、DAC46は、図11の(1)に
示すように、電流を出力する状態から電流を吸い込む状
態まで変化可能である。従って、電流−電圧変換回路4
4の出力電圧をV1とすると、すなわち、加算回路48
の初期電圧をV1とすると、出力電流をプラスの所定の
値に設定すると、容量47の電圧は徐々に増加し、スキ
ャンの終了時点で加算回路48の電圧はV1+ΔVにな
る。次に出力電流をマイナスの所定の値に設定すると、
容量47の電圧は徐々に減少し、スキャンの終了時点で
加算回路48の電圧はV1に戻る。これを繰り返すと共
に、スキャン毎にDAC41に印加するX座標データを
所定値(スキャン幅に対応した値)ずつ変化させれば、
図11の(2)に示すようなスキャンが行われることに
なる。このスキャンは、図5に示したスキャンと同じで
ある。この場合、DAC46の出力電流を変化させるの
はスキャン毎であり、DAC46の出力電流を頻繁に変
化させる必要はないので、DAC46の応答速度は高速
である必要はない。
【0037】また、スキャンが終了する毎にスイッチ5
1をオンすると、図11の(3)に示すような一方向の
スキャンを繰り返すことになる。サブデフレクタの偏向
量は、電極の間隔や形状に影響される。また、DACや
電流電圧変換回路にも誤差がある。そのため、電極の間
隔や形状に誤差があると、たとえ所定のX座標データを
与えても所定のX方向の偏向位置にならず、所定のY座
標データを与えても所定のY方向の偏向位置にならず、
所定のスキャン係数を与えてもスキャン速度は所定の値
にならない。そこで、装置毎に実際の偏向量の誤差を測
定して補正することが必要である。また、電極の間隔な
どは経時変化するので、このような測定を随時行って補
正することが必要である。そのため、DAC41に与え
るX座標データ、DAC43に与えるY座標データ、及
びDAC43に与えるスキャン係数は、このような補正
をしたデータであることが要求される。以下、本実施例
における誤差の測定方法について説明する。
【0038】DAC41に与えるX座標データ及びDA
C43に与えるY座標データについては、あらかじめ位
置が測定された位置合わせマークを、X座標データ及び
Y座標データを変化させながら反射電子検出回路28の
出力観察して探し、X座標データ及びY座標データの補
正値を求める。これは従来と同様である。次に、スキャ
ン信号発生回路の補正について図12を参照して説明す
る。位置合わせマークMを有する参照試料をステージ1
7上に載置し、図12の(1)に示すように、マークM
がサブ偏向範囲内に位置するようにステージ17を移動
する。この状態でマークM上をスキャンするように、X
座標データをX1に設定する。この場合、電子ビームが
マークM上を通過すればよいので、X1はマークMの幅
分の誤差が許容される。この時のマークMのY座標をY
1とする。スキャン係数を設定してスキャンを行うと、
反射電子検出回路28の出力は、図示のように変化す
る。スキャンスタートフラグから反射電子検出信号が立
ち上がるまでの時間を第1のタイミングとして記憶す
る。なお、この時のスキャンは、BAA30の1個の開
口のみをオンにするか、又はスキャンに垂直な方向の1
列分の開口をオンにして行う。次に、ステージ17をス
キャン方向にY2座標まで移動して、同様の測定を行
い、スキャンスタートフラグから反射電子検出信号が立
ち上がるまでの時間を第2のタイミングとして記憶す
る。第1と第2のタイミングの差をΔT1とすると、Y
2とY1の差をΔT1で除した値が実際のスキャン速度
である。設計上のスキャン速度と実際のスキャン速度の
比だけスキャン係数を変化させれば、設計値と同じスキ
ャン速度になる。
【0039】なお、X座標データ及びY座標データの補
正値を求める工程と、スキャン係数を設定する工程は、
いずれを先におこなってもよい。以上のようにして、所
望のX座標及びY座標から所定のスキャン速度でスキャ
ンを行うことができるようになるので、クロックに従っ
て読み出したパターンデータをブランキングアパーチャ
に印加すれば所定のパターンが露光できる。
【0040】また、上記の測定をX1以外の複数のX座
標で行うようにしてもよい。X座標に応じてΔLに差が
生じる時にはスキャンが歪んでいることを意味するの
で、装置の補正が必要である。上記の例では、X座標デ
ータ及びY座標データについては、X座標データ及びY
座標データを変化させながら位置合わせマークのエッジ
を検出して補正値を求めたが、これにはX座標データ及
びY座標データを変化させてスキャンと同じ動作を行っ
て位置合わせマークのエッジを検出する必要がある。前
述のように、ビット数の大きいDAC41、43は高速
動作が難しいので、このような操作にはかなりの時間を
要する。そこで、次に説明する例では、スキャン信号発
生回路の発生するスキャン信号を利用したスキャンでX
座標データの補正値を算出する。
【0041】図13に示すように、正方形の位置合わせ
マークMを有する参照試料をステージ17上に載置し、
マークMがサブ偏向範囲内に位置するようにステージ1
7を移動する。この状態でマークM上をスキャンするよ
うに、X座標データをX1設定する。この時のX1は、
電子ビームがマークM上を通過すればよいのでマークM
の幅分の誤差が許容される。従って、設計値に従ってX
1設定すればよい。この時のマークMのY座標をY1と
する。スキャン係数を設定してスキャンを行い、反射電
子検出信号が立ち上がった後、直ちにX座標データをX
1を中心として変化させて、マークMのスキャンに平行
なエッジのX座標を検出する。次に、ステージ17をス
キャン方向にY2座標まで移動して、同様の測定を行
い、Y2座標におけるマークMのスキャンに平行なエッ
ジのX座標を検出する。2つのX座標が一致しない時に
は、ステージの移動座標と電子ビームの偏向器の偏向座
標が傾いていることを意味する。傾きは、X座標の差と
Y1とY2の差の比により求まるので、図示していない
ステージ移動機構の回転機構を利用して調整する。
【0042】更に、マークMを図14に示すM1〜M9
の位置に移動した状態で上記の測定を行い、マークのス
キャンに平行なエッジのX座標を検出する。上記のよう
に傾きの調整がされているので、横の列のマークのX座
標は等しいはずである。縦の列のマークのX座標の差と
マークの移動量から、X座標データの補正値を算出す
る。
【0043】なお、上記の図13での測定時には、図1
2で説明したのと同様に、マークMのスキャンに垂直な
エッジのY座標の検出が行われるので、スキャン係数の
設定を、X座標データの補正値を算出する工程と併用し
て行ってもよい。なお、図14に示した各位置までマー
クを移動せずに、図示のように配置した9個のマークを
有する試料を用意して測定を行ってもよい。その場合、
9個のマークの位置が正確であることが望ましいが、正
確に配置することが難しい場合には、9個のマークを形
成した上でその位置を正確に測定しておき、上記の測定
で検出した位置とその差を算出するようにしてもよい。
【0044】いずれにしろ、実施例の電子ビーム露光装
置では、スキャンの途中でX座標データを変化させるこ
とで、マークのスキャンに垂直な方向のエッジを繰り返
し検出することができるのでそれらの平均を算出するこ
とにより高精度にエッジ位置を検出できる。以上のよう
にして補正されたX座標データ、Y座標データ及びスキ
ャン係数を使用して偏向とラスタスキャンを行えば、所
定の位置から所定のスキャン速度でスキャンが行われる
ので、1クロックに同期して読み出したパターンデータ
を各ブランキングアーパーチャに印加すれば、所定のパ
ターンを露光することができる。
【0045】以上、サブデフレクタでスキャンを行う実
施例を説明したが、メインデフレクタでスキャンを行う
場合にも、X座標データとY方向のスキャン信号を合成
する回路を有する場合には本発明が適用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
BAA方式の荷電粒子ビーム露光装置で行うスキャンを
伴う露光を高精度且つ高速に行うことが可能になり、ス
ループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用し得る電子ビーム露光装置の一例
の構成を示す図である。
【図2】従来例におけるサブデフレクタ(副偏向器)と
その駆動信号発生回路の構成を示す図である。
【図3】ブランキング・アパーチャ・アレイ(BAA)
の例を示す図である。
【図4】BAA方式における露光を説明する図である。
【図5】BAA方式における走査を示す図である。
【図6】電子ビーム露光装置で使用される多数極のサブ
デフレクタを示す図である。
【図7】ベクタスキャン用のサブデフレクタ駆動信号発
生回路の構成を示す図である。
【図8】本発明のサブデフレクタ駆動信号発生回路の構
成を示す図である。
【図9】本発明の実施例の電子ビーム露光装置の構成を
示す図である。
【図10】実施例のサブデフレクタ駆動信号発生回路の
回路構成を示す図である。
【図11】実施例のサブデフレクタ駆動信号と、スキャ
ンの様子を示す図である。
【図12】実施例におけるスキャン方向の偏向係数の測
定を説明する図である。
【図13】実施例におけるスキャンの傾きの測定を説明
する図である。
【図14】実施例におけるスキャンに垂直な方向の偏向
係数の誤差の測定を説明する図である。
【符号の説明】
8…筐体(コラム) 9…電子銃 10、12、15…レンズ 11…ブランキング電極 13…フィードバックコイル 14…副偏向器(サブデフレクタ) 16…メインデフレクタ 17…ステージ 40…副偏向器駆動信号発生回路 41…X座標データ用DAC 43…Y座標データ用DAC 45…電流供給制御回路 46…電流可変定電流源(DAC) 47…容量(コンデンサ) 49…演算回路 100…試料

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームを生成する電子銃と、 両側に電極を有する複数の開口が配列され、前記電極に
    印加する信号で入射する前記荷電粒子ビームが試料上に
    照射されるかされないかが制御可能なブランキング・ア
    パーチャ・アレイと、 該ブランキング・アパーチャ・アレイを通過した前記荷
    電粒子ビームを偏向する偏向手段と、 前記ブランキング・アパーチャ・アレイを通過した前記
    荷電粒子ビームを試料上に収束する収束手段と、 前記ブランキング・アパーチャ・アレイを通過した前記
    荷電粒子ビームが、走査の開始点と終了点を順次変化さ
    せながら、前記試料上の所定範囲を走査するように前記
    偏向手段を制御する偏向制御手段と、 露光パターンに応じて、前記ブランキング・アパーチャ
    ・アレイの各開口の電極に印加する信号を、前記走査に
    同期して制御する露光制御手段とを備える荷電粒子ビー
    ム露光装置において、 前記偏向制御手段は、 前記開始点の第1の座標を指示するデジタルデータを、
    対応するアナログ電流信号に変換するデジタル・アナロ
    グ変換器(DAC)と、前記アナログ電流信号を電圧信
    号に変換する電流・電圧変換器を有する走査位置信号発
    生回路と、 前記開始点の第2の座標を指示するデジタルデータを、
    対応するアナログ電流信号に変換するデジタル・アナロ
    グ変換器(DAC)と、前記アナログ電流信号を電圧信
    号に変換する電流・電圧変換器を有する走査開始位置信
    号発生回路と、 出力電流を変化させることが可能な定電流源と、該定電
    流源の出力電流を蓄積する容量と、前記定電流源の出力
    電流の前記容量への供給を制御する電流供給制御回路と
    を備える走査信号発生回路と、 前記走査開始位置信号発生回路の出力と前記走査信号発
    生回路の出力を加算する走査信号加算回路と、 該走査信号演算回路と前記走査位置信号発生回路の出力
    を演算する演算回路とを備え、 前記電流供給制御回路は、走査距離と走査時間に応じて
    前記定電流源の出力電流を設定することを特徴とする荷
    電粒子ビーム露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置であって、 前記定電流源は出力電流を正負の範囲で変化させること
    が可能であり、交互に逆方向の走査が行われる荷電粒子
    ビーム露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置であって、 前記電流供給制御回路は、前記容量に蓄積された電荷を
    放電するスイッチ回路を備え、一方向の走査が繰り返さ
    れる荷電粒子ビーム露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    荷電粒子ビーム露光装置であって、 前記定電流源はデジタル・アナログ変換器(DAC)で
    ある荷電粒子ビーム露光装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置を使用した露光方法であって、 マークを有する前記試料を前記荷電粒子ビームで走査し
    て反射電子を検出し、前記マークのエッジの第1走査タ
    イミングを求めるステップと、 前記試料を、走査方向に沿って移動するステップと、 移動した前記試料の前記マークを前記荷電粒子ビームで
    走査して反射電子を検出し、前記マークのエッジの第2
    走査タイミングを求めるステップと、 前記移動量に対応する仮想走査時間を算出するステップ
    と、 前記第1走査タイミングと前記第2走査タイミングの差
    を算出して実走査時間を算出するステップと、 前記仮想走査時間と前記実走査時間を比較して、比較結
    果から前記定電流源の出力電流を設定するステップとを
    備え、 このようにして設定された荷電粒子ビーム露光装置で露
    光を行うことを特徴とする露光方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の露光方法であって、 前記第1走査タイミングを求めるステップから前記実走
    査時間を算出するステップまでを、走査に垂直な方向の
    異なる複数の座標で複数回行う露光方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置を使用した露光方法であって、 マークを有する前記試料を前記荷電粒子ビームで走査し
    て反射電子を検出し、前記マークの走査に垂直な方向の
    エッジを検出した後、前記荷電粒子ビームが走査に垂直
    な方向に短い走査を行うように前記走査位置信号を与
    え、前記マークの走査に平行な方向のエッジの第1の位
    置を検出するステップと、 前記試料を、走査方向に沿って移動するステップと、 移動した前記試料の前記マークを前記荷電粒子ビームで
    走査して反射電子を検出し、前記マークの走査に垂直な
    方向のエッジを検出した後、前記荷電粒子ビームが走査
    に垂直な方向に短い走査を行うように前記走査位置信号
    を与え、前記マークの走査に平行な方向のエッジの第2
    の位置を検出するステップと、 前記移動量と前記第1と第2の位置の差の関係から、前
    記走査位置信号の補正値を算出するステップとを備え、 前記走査位置信号を前記補正値だけ補正して露光を行う
    ことを特徴とする露光方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の露光方法であって、 前記補正値を、走査に垂直な方向の異なる複数の座標に
    ついて算出し、偏向範囲の全面で補正を行う露光方法。
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