JP2000222619A - 金銭処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数紙幣の一括投入を可能とし、識別可能紙
幣と識別不能紙幣、および出金紙幣とリジェクト紙幣の
区別が明確であり、入金動作の中断および出金処理時間
の増加を防ぐことを目的とする。 【解決手段】 入庫紙幣分離繰り出し部１１により複数
枚の紙幣を一括して投入することを可能にし、この入庫
紙幣分離繰り出し部１１から繰り出された紙幣を識別す
る入庫紙幣識別部１２と、リジェクトゲート２３と、リ
ジェクト搬送部２４と、紙幣リジェクト口５とを備え
て、識別不能の紙幣を紙幣リジェクト口５に返却する構
成にした。これにより、入金動作中において、入庫紙幣
に識別不能の紙幣が混入していた場合、その紙幣を紙幣
リジェクト口５に出すことで、入金動作を継続して行う
ことができ、また、循環式収納庫１４に識別不能の紙幣
が混在しないため、出金処理時間が長くなることはな
い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金銭処理装置に関
し、特にスーパーマーケット、ガソリンスタンドなど流
通分野において、ＰＯＳ（point of sales）レジスタな
どと接続して使用され、紙幣および硬貨をそれぞれ入出
金処理する紙幣処理部および硬貨処理部を一体に構成し
た小型の金銭処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】店舗レジなどに使用されている金銭処理
装置において、客との現金受け渡し業務の合理化が進ん
でおり、ＰＯＳ端末と接続されたキャッシュレジスタが
普及している。

【０００３】また、最近では、ＰＯＳ端末の入力情報に
応じて、自動的に硬貨・紙幣を入出金処理する金銭処理
装置も開発されている。金銭処理装置は、一般に、硬貨
処理機と紙幣処理機とがあり、各々ＰＯＳ端末の下に設
置されている。たとえば、硬貨処理機は、ＰＯＳ端末の
下に設置されるタイプであって、キャッシュドロアと同
等サイズの大きさを有するものが実用化されている。一
方、紙幣処理機は、縦長の構造を有するフロア設置型の
ものが実用化されている。このような紙幣処理機は、紙
幣の入出金口がオペレータの腰の辺りの高さになってい
るのが一般的であり、操作性が良いとはいえない。ま
た、紙幣処理機は各金種ごとに収納庫を備えているた
め、必然的に大型となっている。さらに、装置の大型化
により、紙幣の搬送距離が増えるので、入出金時間も増
加する。しかも、装置全体として大型かつ高価である。
したがって、紙幣処理機の構造からこれをＰＯＳ端末お
よび硬貨処理機とともに机上に設置して使用することは
不可能である。

【０００４】このような金銭処理装置に対して、本出願
人により、硬貨処理部および紙幣処理部を一体化して机
上設置を可能とした小型の金銭処理装置が提案されてい
る（特開平１０−４０４３７，特開平１０−１３１７５
８）。これらの装置によれば、入金硬貨を回転する円筒
収納庫に整列収納する硬貨処理部と、入金紙幣を単一の
収納庫に混在収納し、指定金種のみ出金する紙幣処理部
とを正面から見て左右に並列配置して一体構造とするこ
とにより、従来のキャッシュドロア並みのサイズで、小
型・薄型化（特に、装置幅の低減）を実現し、机上設置
を可能にしている。

【０００５】ところで、このような金銭処理装置として
は、スーパーマーケットなどのレジにおいては、お客か
ら受け取ったお金に対して釣り銭を出し、最後に、受け
取ったお金を装置に入れるという、釣銭機としての用途
がある。

【０００６】また、ガソリンスタンドなどでは、お客か
ら受け取ったお金を係員が機械に入れることにより機械
が鑑別して入金額を機械が判断し、売り上げデータに応
じてお釣を出すという入出金機としての用途がある。

【０００７】釣銭機としての金銭処理装置では、お客か
ら受け取った貨幣はそこで係員が確認して、その入金金
額がＰＯＳレジスタにより入力され、後から貨幣を装置
へ投入している。このため、装置において投入金額の確
定を行う必要はない。そこで、入金した紙幣が汚れてい
たり、折れていたり、破れていたりなどで、入金紙幣を
装置が正しく識別できなかった場合には、識別不能のま
ま収納したり、あるいは返却して別途設けた収納ボック
スに収納するようにしている。

【０００８】逆に、入出金機としての金銭処理装置で
は、まず貨幣が投入されると、投入金額の確定が行わ
れ、その結果に応じて釣り銭を出金する。そのため、装
置が入金紙幣を正しく識別できない場合には、その紙幣
を返却して再度投入したり、あるいはあらかじめ用意し
ておいた予備の紙幣と交換して再度投入するようにして
いる。

【０００９】識別不能な紙幣を返却する方法としては、
一枚ずつ入金するタイプでは入金搬送路を逆転させるこ
とにより入金口へ戻すようにしたり、複数枚の紙幣を一
括投入するタイプでは搬送路を切り替えて出金口に返却
するようにしている。

【００１０】さらに、これら釣銭機あるいは入出金機の
いずれにおいても、週末等のお客が集中するときは入金
枚数が多くなるため、当然のことながら紙幣収納庫への
収納枚数も多くなる。そこで、紙幣収納庫が満杯になっ
た場合は、紙幣収納庫に収納されている紙幣の一部を回
収庫へ移動させ、さらに回収庫が満杯になったら、接客
を中止し、回収庫の紙幣を回収してから接客を再開する
ようにしている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、識別不
能な紙幣を入金搬送路を逆転させることで入金口へ返却
する場合は、その際に入金動作が中断されて、後続する
紙幣の入金が滞ってしまうという問題点があった。ま
た、識別不能な紙幣を搬送路を切り替えて出金口に返却
する場合は、釣り銭として出金した紙幣かリジェクトし
た紙幣かで錯覚に陥る可能性があるという問題があっ
た。

【００１２】また、釣銭機としての金銭処理装置におい
て、識別不能な紙幣を返却しないで収納する場合は、識
別できた紙幣と識別不能な紙幣が一つの収納庫に混在し
て収納される。出金時には、収納庫から紙幣が一枚ずつ
繰り出され、識別されて、出金が必要な紙幣のみ出金口
に搬送され、それ以外の紙幣は再度収納庫に戻される構
成になっている。このため、収納庫に収納された識別不
能な紙幣は、収納庫から繰り出された後の識別において
も識別不能となる可能性が高いので、装置内を循環する
ことになり、その分出金処理時間が増加するという問題
があった。

【００１３】さらに、紙幣収納庫が満杯になったときの
紙幣の回収は、単に回収庫の紙幣を引き抜くだけではな
く、別の係員を呼んで引き抜いた紙幣を渡す作業まで必
要となる。その結果、接客中止の回数が多くなるという
問題があった。

【００１４】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、複数枚の紙幣を一括して投入することが可能
であって、識別可能紙幣と識別不能紙幣、および出金紙
幣とリジェクト紙幣の区別が明確であり、しかも入金動
作の中断および処理時間増加を防ぐことができる金銭処
理装置を提供することを目的とする。

【００１５】また、本発明は、装置の寸法を大きくする
ことなく収納庫の容量を増やすことを可能とし、紙幣回
収による接客中止および回収係員の回収回数を減らすこ
とが可能な金銭処理装置を提供することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本発明では上記問題を解
決するために、貨幣の入出金処理を行う金銭処理装置に
おいて、複数枚の紙幣を一括で投入可能な一括紙幣挿入
口と、前記一括紙幣挿入口に投入された紙幣を一枚ずつ
分離して繰り出す入庫紙幣分離部と、前記入庫紙幣分離
部より繰り出された紙幣を搬送する入庫紙幣搬送部と、
前記入庫紙幣搬送部による紙幣搬送の途中で紙幣の真偽
および金種を識別する入庫紙幣識別部と、前記入庫紙幣
識別部で真札でかつ金種識別ができた紙幣を順次積み重
ねて収納し、出金時には収納された紙幣を一枚ずつ分離
して繰り出す出庫紙幣分離繰り出し部を有する循環式収
納庫と、前記入庫紙幣識別部で識別不可の紙幣を返却す
る紙幣リジェクト口と、前記入庫紙幣識別部による識別
結果に応じて前記入庫紙幣搬送部により搬送された紙幣
の搬送方向を前記循環式収納庫または前記紙幣リジェク
ト口のいずれかに切り替える第１の切替ゲートと、前記
第１の切替ゲートから前記紙幣リジェクト口へ紙幣を搬
送するリジェクト搬送部と、前記出庫紙幣分離繰り出し
部より繰り出された紙幣を搬送する出庫紙幣搬送部と、
前記出庫紙幣搬送部による紙幣搬送の途中で紙幣の金種
を識別する出庫紙幣識別部と、前記出庫紙幣搬送部によ
り搬送された紙幣を放出する紙幣出金口と、前記出庫紙
幣識別部による識別の結果に応じて前記出庫紙幣搬送部
により搬送された紙幣の搬送方向を前記紙幣出金口また
は循環式収納庫のいずれかに切り替える第２の切替ゲー
トと、前記第２の切替ゲートからの紙幣を前記紙幣出金
口へ搬送する出金搬送部と、前記第２の切替ゲートにて
前記循環式収納庫の方向に切り替えられた紙幣を前記循
環式収納庫へ搬送する紙幣帰還搬送部と、前記紙幣出金
口へ出庫されることのない紙幣を順次積み重ねて収納す
る紙幣収納庫と、前記出庫紙幣識別部による識別の結果
に応じて前記紙幣帰還搬送部によって搬送されている紙
幣の搬送方向を前記紙幣収納庫または循環式収納庫のい
ずれかの搬送方向に切り替える第３の切替ゲートと、前
記第３の切替ゲートから前記紙幣収納庫へ紙幣を搬送す
る収納搬送部と、装置前面パネルの前記紙幣収納庫と相
対する位置に設けた扉と、を有する紙幣処理部を備えて
いることを特徴とする金銭処理装置が提供される。

【００１７】このような金銭処理装置によれば、一括紙
幣挿入口に投入された紙幣の中に偽札または折れ、汚れ
等により金種判別が不能な紙幣が混在されていても、そ
のようなリジェクト紙幣は、循環式収納庫の手前でリジ
ェクト搬送部へ渡されて紙幣リジェクト口に返却するよ
うにしている。これにより、投入された紙幣の中に識別
不能な紙幣が混在していたとしても、入庫動作を中断す
ることなく続けることができ、かつ、識別不能紙幣と出
金紙幣との区別も明確になる。

【００１８】また、リジェクト口をリジェクト収納庫に
することにより、金銭処理装置を釣銭機として構成する
ことができ、投入紙幣にリジェクト紙幣が混在した場合
でも、装置内で入庫紙幣識別部による判別可不可の紙幣
を区別して収納することにより、再投入などによる接客
業務の中断をなくすことができる。

【００１９】さらに、紙幣収納庫を、第３の切替ゲート
により搬送方向が切り替えられた紙幣を集積収納する第
１の収納部と、第１の収納部に集積された紙幣の満杯状
態を検知するセンサと、装置内前方に設けた第２の紙幣
収納部と、第１の収納部に集積された紙幣を第２の紙幣
収納部へ押し出す紙幣押し出しレバーと、センサの満杯
状態検知信号により押し出しレバーを第１の収納部から
待避した位置と紙幣を第２の紙幣収納部へ押し出した位
置との間を往復移動させるモータとで構成した。これに
より、回収される紙幣は、まず、第１の収納部に収納さ
れ、第１の収納部が満杯になったら、収納紙幣を押し出
しレバーで第２の収納部に押し出し、第１の収納部を空
にすることで、紙幣収納庫の回収容量を増やしている。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、貨
幣入出金機および釣銭機に適用した場合を例にしてそれ
ぞれ図面を参照して詳細に説明する。

【００２１】図１は貨幣入出金機の概観斜視図である。
図１に示した貨幣入出金機１は、たとえばガソリンスタ
ンドなどにおいて、ＰＯＳ端末の下に設置して使用する
ことができるよう、ＰＯＳ端末とほぼ同等の設置面積を
有している。

【００２２】貨幣入出金機１は、その右半分に配置され
た紙幣処理部２と左半分に配置された硬貨処理部３とを
備えている。紙幣処理部２は、紙幣を短手水平方向に複
数枚一括投入することができる一括紙幣挿入口４と、入
金時の紙幣識別において識別不能であったリジェクト紙
幣を返却する紙幣リジェクト口５と、釣り銭が払い出さ
れる紙幣出金口６と、たとえば釣り銭として払い出され
ることのない壱万円札および回収する紙幣を収納してお
く紙幣収納庫７とを有している。

【００２３】一方、硬貨処理部３は複数の硬貨を一括し
て投入することができる硬貨入金口８と、識別不能な入
庫硬貨または釣り銭として放出された硬貨を受け止める
ための硬貨出金口９とを有している。

【００２４】紙幣処理部２において、一括紙幣挿入口４
に一枚以上の紙幣が挿入されると、その紙幣は一枚ずつ
中に搬送され、金種の識別が行われた後、循環式収納庫
に搬送され、金種に関係なく搬送された順に積み重ねら
れて整列収納される。このとき、金種の識別ができなか
った紙幣については、循環式収納庫に収納されることな
く、紙幣リジェクト口５まで搬送され、返却される。ま
た、紙幣を釣り銭として出金するときは、循環式収納庫
から紙幣が一枚ずつ取り出されて、金種の識別が行わ
れ、その紙幣が出金に値する金種ならば、紙幣出金口６
まで搬送され、出金される。もし、金種判別の結果、出
金に値する紙幣でなければ、その紙幣は循環式収納庫に
戻されるようになっている。また、壱万円であると識別
された場合は、この金種はお釣りとしてリサイクルされ
る金種ではないので、紙幣収納庫７へ搬送されて収納さ
れることになる。また、循環式収納庫が満杯になった場
合は、一部の収納紙幣は紙幣収納庫７へ搬送されて収納
される。

【００２５】硬貨処理部３では、硬貨入金口８に複数の
硬貨が金種混在で投入されると、その硬貨は中に搬送さ
れ、真偽および金種の識別が行われた後、真貨は金種振
分け部に搬送され、各硬貨は外径の違いによる金種の振
分けが行われて回転式硬貨収納部の対応する金種の硬貨
収納筒に投入される。また、偽貨は金種振分け部に搬送
されることなく出金口に返却される。硬貨収納筒は、多
少傾斜を持つ回転式のものであり、硬貨がどのような姿
勢で入金されても硬貨収納筒の回転力と内壁面の摩察力
とによって起立状態で出金側の端に集積されていき、整
列収納されるものである。このように金種ごとに収納さ
れた硬貨は、出金時には、所定の金種の硬貨収納筒から
それそれ一枚ずつ取り出され、金種混在で硬貨出金口９
に一括して放出される。

【００２６】次に、このような貨幣入出金機１における
紙幣処理部２の内部構成について説明する。図２は貨幣
入出金機の紙幣処理部の内部構成を示す側面図である。
紙幣処理部２は、一括紙幣挿入口４に連絡され、一括投
入された紙幣を一枚ずつに分離して繰り出す入庫紙幣分
離繰り出し部１１と、繰り出された紙幣の真偽および金
種を識別する入庫紙幣識別部１２と、繰り出された紙幣
を搬送する入庫紙幣搬送部１３と、金種混在で複数の紙
幣が集積収納される循環式収納庫１４と、この循環式収
納庫１４から紙幣を一枚ずつ分離して繰り出す出庫紙幣
分離繰り出し部１５と、繰り出された紙幣の金種を識別
する出庫紙幣識別部１６と、繰り出された紙幣を搬送す
る出庫紙幣搬送部１７と、出庫紙幣搬送部１７によって
搬送された紙幣の搬送経路を切り替える出金切替ゲート
１８と、この出金切替ゲート１８で搬送経路が切り替え
られた紙幣を紙幣出金口６に搬送する出金搬送部１９
と、出庫紙幣搬送部１７によって搬送された紙幣を循環
式収納庫１４へ搬送する紙幣帰還搬送部２０と、この紙
幣帰還搬送部２０によって搬送された紙幣の搬送経路を
切り替える収納切替ゲート２１と、この収納切替ゲート
２１で搬送経路が切り替えられた紙幣を紙幣収納庫７に
搬送する収納搬送部２２と、入庫紙幣搬送部１３の途中
に設けられて、搬送された紙幣の搬送経路を切り替える
リジェクトゲート２３と、このリジェクトゲート２３で
搬送経路が切り替えられた入庫紙幣を紙幣リジェクト口
５へ搬送するリジェクト搬送部２４と、前面パネルの紙
幣収納庫７と相対する位置に設けられた収納庫扉２５と
によって構成されている。

【００２７】このような紙幣処理部２の構成において、
一括紙幣挿入口４に一括で複数枚の紙幣が投入される
と、その投入された紙幣は、入庫紙幣分離繰り出し部１
１により一枚ずつに分離されて繰り出される。繰り出さ
れた紙幣は、入庫紙幣搬送部１３により搬送されて循環
式収納庫１４内に金種混在で整列集積される。この入庫
紙幣搬送部１３により搬送された紙幣は、搬送の途中
で、入庫紙幣識別部１２によって紙幣の真偽および金種
の識別が行われる。

【００２８】ここで、入庫紙幣識別部１２で識別した結
果、偽札または金種が識別できなかった場合には、リジ
ェクトゲート２３を動かして紙幣の搬送経路を循環式収
納庫１４の側からリジェクト搬送部２４の側へ変更し、
入庫紙幣をリジェクト搬送部２４へ送り出す。リジェク
トゲート２３によって搬送経路が切り替えられた紙幣
は、リジェクト搬送部２４によって紙幣リジェクト口５
まで搬送される。

【００２９】このように、入庫紙幣識別部１２にて真偽
および金種の識別ができた入庫紙幣は循環式収納庫１４
に収納され、識別できなかった入庫紙幣はリジェクトゲ
ート２３およびリジェクト搬送部２４により紙幣リジェ
クト口５まで搬送されて返却される。

【００３０】出金動作においては、循環式収納庫１４に
収納された紙幣は、出庫紙幣分離繰り出し部１５により
一枚ずつ分離されて繰り出され、出庫紙幣搬送部１７に
より搬送され、出庫紙幣識別部１６にて出庫紙幣の金種
が識別される。

【００３１】出庫紙幣識別部１６で識別された紙幣が正
常な出庫に値する紙幣、たとえば釣り銭として出庫すべ
き千円紙幣と識別されたならば、その紙幣は出庫紙幣搬
送部１７により搬送され、その搬送途中で出金切替ゲー
ト１８により出金搬送部１９の方に案内されてこの出金
搬送部１９により紙幣出金口６に導かれる。

【００３２】出庫紙幣識別部１６で識別した結果が出金
不要な万円紙幣と識別された場合には、その紙幣は出庫
紙幣搬送部１７により搬送され、次に紙幣帰還搬送部２
０に搬送が引き継がれ、その搬送の途中で収納切替ゲー
ト２１で収納搬送部２２の方に案内されて、紙幣収納庫
７に集積される。この紙幣収納庫７に集積された万円紙
幣は、たとえば、定期的に収納庫扉２５を開放して回収
される。

【００３３】また、出庫紙幣識別部１６で識別した紙幣
が五千円と識別された場合、五千円が出庫すべき紙幣な
らば、上記千円と同様に紙幣出金口６へ搬送され、出庫
すべきでない紙幣ならば、紙幣帰還搬送部２０を経由し
て循環式収納庫１４へ再投入される。

【００３４】さらに、出庫紙幣識別部１６で識別に失敗
した紙幣は、上記出庫すべきではない五千円紙幣と同様
に紙幣帰還搬送部２０を経由して循環式収納庫１４へ再
投入される。なお、出庫紙幣識別部１６で識別されて循
環式収納庫１４へ再投入された紙幣は、その識別結果お
よび識別回数が記憶されており、識別回数が所定回数を
越えても判別できなかった場合は、上記出庫すべきでは
ない万円紙幣と同様に紙幣帰還搬送部２０から収納搬送
部２２を経由して紙幣収納庫７へ搬送され、そこに収納
される。

【００３５】図３は貨幣入出金機の硬貨処理部の内部構
成を示す平面図である。硬貨処理部３は、複数枚の硬貨
を一括で投入可能な硬貨入金口８と、投入された硬貨を
一枚ずつ分離して繰り出す硬貨分離繰り出し部３１と、
この硬貨分離繰り出し部３１により繰り出された硬貨を
搬送する入庫硬貨搬送部３２と、この入庫硬貨搬送部３
２による硬貨搬送の途中で硬貨の真偽および金種を識別
する入庫硬貨識別部３３と、この入庫硬貨識別部３３で
真貨と識別された硬貨を金種別に順次積み重ねて収納す
る回転式硬貨収納部３４と、出金時に硬貨を払い出した
り入庫硬貨識別部３３で識別不可の硬貨を返却する硬貨
出金口９と、入庫硬貨識別部３３による識別結果に従っ
て入庫硬貨搬送部３２により搬送された硬貨の搬送方向
を回転式硬貨収納部３４または硬貨出金口９のいずれか
に切り替える切替ゲート３５と、この切替ゲート３５に
より回転式収納庫方向に切り替えられた硬貨を搬送する
収納搬送部３６と、この収納搬送部３６において硬貨を
金種ごとに選別して回転式硬貨収納部３４へ硬貨を収納
する硬貨選別部３７と、出金時に指定硬貨を回転式硬貨
収納部３４から指定枚数繰り出す硬貨繰り出し部３８
と、繰り出された硬貨を硬貨出金口９まで搬送する硬貨
出金搬送部３９とを備えている。

【００３６】硬貨選別部３７は各金種の外径に相当する
幅を有する硬貨選別孔が入庫硬貨搬送部３２の搬送方向
に沿って穿設された硬貨選別板を有し、その上に入庫硬
貨搬送部３２が硬貨を摺動させていくと、該当金種の幅
のところで硬貨が硬貨選別孔を通り抜けて落下すること
で硬貨選別を行う。

【００３７】回転式硬貨収納部３４は、金種ごとの硬貨
収納筒を硬貨選別部３７の入口端を上にして傾斜状態で
回転可能に配置して構成されており、硬貨選別部３７か
ら選別された硬貨が回転状態の硬貨収納筒に投入される
と、硬貨の入金姿勢に拘らず、硬貨収納筒の回転力と内
壁面の摩察力とによって起立状態で硬貨繰り出し部３８
の端に集積されていき、整列収納されるタイプのもので
ある。

【００３８】このような構成の硬貨処理部３によれば、
硬貨入金口８に金種混在で複数の硬貨が一括投入される
と、投入された硬貨は硬貨分離繰り出し部３１により一
枚ずつ分離して繰り出されて、入庫硬貨搬送部３２によ
り搬送される。この搬送の途中に入庫硬貨識別部３３が
あり、ここで硬貨の真偽および金種が識別される。

【００３９】この入庫硬貨識別部３３において真貨と識
別された硬貨は、切替ゲート３５により収納搬送部３６
に案内される。この収納搬送部３６によって搬送された
硬貨は、硬貨選別部３７により外径の違いによって金種
の選別が行われ、選別された硬貨は、回転式硬貨収納部
３４の対応する金種の硬貨収納筒に収納される。

【００４０】入庫硬貨識別部３３において真貨と識別さ
れなかった場合は、切替ゲート３５が動作し、その硬貨
は硬貨出金口９へ案内されて、返却される。出金のとき
は、硬貨繰り出し部３８が回転式硬貨収納部３４から指
定金種の硬貨を一枚ずつ指定枚数繰り出して、硬貨出金
搬送部３９に渡す。硬貨出金搬送部３９は硬貨繰り出し
部３８によって繰り出された硬貨を搬送し、金種混在で
硬貨出金口９に一括して放出する。

【００４１】次に、この貨幣入出金機１における紙幣処
理部２の別の内部構成について説明する。図４は貨幣入
出金機の紙幣処理部の別の内部構成を示す側面図であ
る。この図４において、図２に示した構成要素と同じ要
素については同じ符号を付してある。図示の紙幣処理部
２は、入庫紙幣分離繰り出し部１１と、入庫紙幣識別部
１２と、入庫紙幣搬送部１３と、循環式収納庫１４と、
出庫紙幣分離繰り出し部１５と、出庫紙幣識別部１６
と、出庫紙幣搬送部１７と、出金切替ゲート１８と、出
金搬送部１９と、紙幣帰還搬送部２０と、収納切替ゲー
ト２１と、リジェクトゲート２３と、リジェクト搬送部
２４と、収納庫扉２５と、紙幣収納庫７の紙幣投入口に
て図の反時計回りの方向に回転可能に軸支され、収納切
替ゲート２１によって搬送経路が切り替えられてきた紙
幣を羽根で押さえ込むことで紙幣収納庫７に整列集積さ
せるための羽根車４１と、紙幣収納庫７内の装置奥側
（図の右側）の上部に回動支持された紙幣押さえ板４２
と、紙幣収納庫７内の中央部の上部に回動支持されて通
常は垂直方向に保持されるように回動軸に装着されたね
じりコイルばねによって図中反時計回りの方向に付勢さ
れた紙幣押さえ板４３と、紙幣収納庫７の装置奥側に集
積される紙幣の満杯状態を光学的に検出する第１の満杯
検知センサ４４と、紙幣収納庫７内の装置手前側に集積
される紙幣の満杯状態を光学的に検出する第２の満杯検
知センサ４５と、羽根車４１のある位置と紙幣収納庫７
内中央の紙幣押さえ板４３のある位置との間を往復運動
する押し出しレバー４６と、この押し出しレバー４６を
往復運動させるモータ４７およびワイヤ４８とによって
構成されている。ここで、紙幣収納庫７は、装置奥行き
方向に紙幣２枚分以上の長さを有し、紙幣押さえ板４３
によって二つの収納スペースが構成されている。

【００４２】次に、上記した紙幣処理部２の紙幣収納庫
７における紙幣の収納・回収動作について、図５〜図９
を参照しながら説明する。なお、入庫された紙幣の循環
式収納庫１４への収納および紙幣リジェクト口５までの
搬送と、循環式収納庫１４から繰り出された紙幣の紙幣
出金口６または循環式収納庫１４までの搬送とについて
は、図２における動作と同じであるので、それらの説明
は省略する。

【００４３】図５は収納動作を説明する紙幣処理部の側
面図である。まず、循環式収納庫１４に収納された紙幣
は、出庫紙幣分離繰り出し部１５により繰り出され、出
庫紙幣識別部１６により金種が判別される。出庫紙幣識
別部１６による判別の結果、金種が壱万円であれば、収
納切替ゲート２１により搬送方向が切り替えられ、搬送
されてきた紙幣は紙幣収納庫７へ導かれてその中に整列
収納される。あるいは、入庫紙幣の循環式収納庫１４へ
の収納動作中に、循環式収納庫１４が満杯になったとき
にも、循環式収納庫１４に収納されていた紙幣が出庫紙
幣分離繰り出し部１５により繰り出され、出庫紙幣搬送
部１７および紙幣帰還搬送部２０により搬送され、収納
切替ゲート２１により搬送方向が切り替えられて紙幣収
納庫７に整列収納される。

【００４４】このとき、紙幣収納庫７へ収納された紙幣
は、先端が紙幣押さえ板４２により押さえられ、後端が
羽根車４１により押さえられる。また、紙幣収納庫７へ
収納された紙幣は、紙幣の先端は紙幣収納庫７のほぼ中
央にて垂下された紙幣押さえ板４３により紙幣収納庫７
内の装置奥側の第１の収納スペースに集積される。この
第１の収納スペースに収納紙幣４９が集積されていっ
て、その収納紙幣４９が第１の満杯検知センサ４４を遮
光すると、紙幣収納庫７への紙幣の収納動作が中止され
る。

【００４５】図６は収納紙幣の移動状態を示す紙幣処理
部の側面図、図７は収納紙幣の移動完了時の状態を示す
紙幣処理部の側面図である。紙幣収納庫７の第１の収納
スペースへの紙幣の収納動作が中止されると、次に、モ
ータ４７が起動され、このモータ４７の出力軸とプーリ
との間に掛け渡されたワイヤ４８が駆動される。これに
より、このワイヤ４８に固定された押し出しレバー４６
が収納庫扉２５の方に向かって移動し、第１の収納スペ
ースに集積された収納紙幣４９を装置内前面の第２の収
納スペースに向けて押し出す。このとき、収納紙幣４９
は、反時計回り方向に付勢されている紙幣押さえ板４３
を押し上げながら移動していく。収納紙幣４９が移動し
ていって、その先端が第２の満杯検知センサ４５を遮光
することで、収納紙幣４９の第２の収納スペースへの収
納が完了し、モータ４７を停止させる。また、第２の満
杯検知センサ４５による満杯検出後、第１の満杯検知セ
ンサ４４が光の透過を検出していることで、第１の収納
スペースの確保を確認することができる。

【００４６】図８は押し出しレバーが元の位置に戻され
た状態を示す紙幣処理部の側面図である。第２の満杯検
知センサ４５が収納紙幣４９の存在を検知し、第１の満
杯検知センサ４４が第１の収納スペースの確保を確認し
た後、モータ４７を逆転させ、ワイヤ４８を介して押し
出しレバー４６を装置奥側へ移動させて元の位置に戻
す。これにより、循環式収納庫１４より繰り出された壱
万円紙幣または循環式収納庫１４のオーバフロー検知に
基づき循環式収納庫１４より繰り出された紙幣を紙幣収
納庫７へ集積するための第１の収納スペースが確保され
る。

【００４７】図９は紙幣収納庫の満杯状態を示す紙幣処
理部の側面図である。以上のようにして第１の収納スペ
ースが確保されると、中止していた紙幣収納庫７への紙
幣の収納動作が再開される。収納動作が続き、再度収納
紙幣が第１の満杯検知センサ４４を遮光すると、第２の
満杯検知センサ４５の遮光と合せて、紙幣収納庫７は満
杯になったと判断される。ここで、紙幣収納庫７への紙
幣の収納動作を中止し、紙幣収納庫７が満杯になった旨
のアラームを出す。これを受けて、係員は、収納庫扉２
５を開放し、収納紙幣を取り出して回収する。なお、奥
に集積した紙幣はモータ４７を駆動して押し出しレバー
４６を動かし、収納紙幣４９を装置内前面方向に押し出
すことで回収が可能となる。

【００４８】もちろん、収納紙幣４９が紙幣収納庫７の
第２の収納スペースまで移動されてきた段階でアラーム
を出すことにより、紙幣収納庫７が満杯となるまでの間
の任意のときに、係員が収納庫扉２５を開放し、収納紙
幣４９を取り出して回収することも可能である。

【００４９】次に、本発明の金銭処理装置を釣銭機に適
用した場合について説明する。図１０は釣銭機の概観斜
視図である。図１０に示した釣銭機５１は、たとえばス
ーパーマーケットなどにおいて、ＰＯＳ端末の下に設置
して使用することができるよう、ＰＯＳ端末とほぼ同等
の設置面積を有している。

【００５０】釣銭機５１は、その右半分に配置された紙
幣処理部５２と左半分に配置された硬貨処理部５３とを
備えている。紙幣処理部５２は、紙幣を短手水平方向に
複数枚一括投入することができる一括紙幣挿入口５４
と、入金した紙幣が識別不能であった紙幣を収納するリ
ジェクト紙幣収納庫５５と、紙幣の釣り銭が払い出され
る紙幣出金口５６と、釣り銭として払い出されることの
ない壱万円札を収納しておく紙幣収納庫５７とを有して
いる。一方、硬貨処理部５３は複数の硬貨を一括して投
入することができる硬貨入金口５８と、釣り銭として放
出された硬貨を受け止めるための硬貨出金口５９とを有
している。

【００５１】紙幣処理部５２において、すでに入金金額
の確認が済んだ一枚以上の紙幣が一括紙幣挿入口５４に
挿入されると、その紙幣は一枚ずつ中に搬送され、金種
の識別が行われた後、循環式収納庫に搬送され、金種に
関係なく搬送された順に積み重ねられて整列収納され
る。このとき、金種の識別ができなかった紙幣について
は、循環式収納庫に収納されることなく、リジェクト紙
幣収納庫５５まで搬送され、収納される。また、紙幣を
釣り銭として出金するときは、循環式収納庫から紙幣が
一枚ずつ取り出されて、金種の識別が行われ、その紙幣
が出金に値する金種ならば、紙幣出金口５６まで搬送さ
れ、出金される。もし、金種判別の結果、出金に値する
紙幣でなければ、その紙幣は循環式収納庫に戻されるよ
うになっている。また、壱万円であると識別された場合
は、紙幣収納庫５７へ搬送されて収納されることにな
る。

【００５２】硬貨処理部５３では、硬貨入金口５８に複
数の硬貨が金種混在で投入されると、その硬貨は一枚ず
つ中に搬送され、外径の違いによる金種の振分けが行わ
れて回転式硬貨収納部の対応する金種の硬貨収納筒に投
入される。金種ごとに収納された硬貨は、出金時には、
所定の金種の硬貨収納筒からそれそれ一枚ずつ取り出さ
れ、金種混在で硬貨出金口５９に一括して放出される。

【００５３】次に、このような釣銭機５１における紙幣
処理部５２の内部構成について説明する。図１１は釣銭
機の紙幣処理部の内部構成を示す側面図である。紙幣処
理部５２は、一括紙幣挿入口５４に連絡され、一括投入
された紙幣を一枚ずつに分離して繰り出す入庫紙幣分離
繰り出し部６１と、繰り出された紙幣の真偽および金種
を識別する入庫紙幣識別部６２と、繰り出された紙幣を
搬送する入庫紙幣搬送部６３と、金種混在で複数の紙幣
が集積収納される循環式収納庫６４と、この循環式収納
庫６４から紙幣を一枚ずつ分離して繰り出す出庫紙幣分
離繰り出し部６５と、繰り出された紙幣の金種を識別す
る出庫紙幣識別部６６と、繰り出された紙幣を搬送する
出庫紙幣搬送部６７と、この出庫紙幣搬送部６７によっ
て搬送された紙幣の搬送経路を切り替える出金切替ゲー
ト６８と、この出金切替ゲート６８で搬送経路が切り替
えられた紙幣を紙幣出金口５６に搬送する出金搬送部６
９と、出庫紙幣搬送部６７によって搬送された紙幣を循
環式収納庫６４へ搬送する紙幣帰還搬送部７０と、この
紙幣帰還搬送部７０によって搬送された紙幣の搬送経路
を切り替える収納切替ゲート７１と、この収納切替ゲー
ト７１で搬送経路が切り替えられた紙幣を紙幣収納庫５
７に搬送する収納搬送部７２と、入庫紙幣搬送部６３の
経路途中に設けられて、搬送された紙幣の搬送経路を切
り替えるリジェクトゲート７３と、このリジェクトゲー
ト７３で搬送経路が切り替えられた入庫紙幣をリジェク
ト紙幣収納庫５５へ搬送するリジェクト搬送部７４と、
前面パネルの紙幣収納庫５７と相対する位置に設けられ
た収納庫扉７５およびリジェクト紙幣収納庫５５と相対
する位置に設けられたリジェクト収納庫扉７６とによっ
て構成されている。

【００５４】このような紙幣処理部５２の構成におい
て、一括紙幣挿入口５４に一括で複数枚の紙幣が投入さ
れると、その投入された紙幣は、入庫紙幣分離繰り出し
部６１により一枚ずつに分離されて繰り出され、入庫紙
幣搬送部６３により搬送されて循環式収納庫６４内に金
種混在で整列集積される。この入庫紙幣搬送部６３によ
り搬送された紙幣は、搬送の途中で、入庫紙幣識別部６
２によって紙幣の真偽および金種の識別が行われる。

【００５５】ここで、入金される紙幣は、入金する前に
金種、金額などがすでに確認されているが、入庫紙幣識
別部６２では、たとえば汚れなどにより金種などが識別
できない場合がある。このような識別不能な入庫紙幣は
釣銭機５１で扱うことはできないので、リジェクトゲー
ト７３が紙幣の搬送経路を循環式収納庫６４の手前で変
更し、搬送されてきた紙幣をリジェクト搬送部７４が受
け取ってリジェクト紙幣収納庫５５まで搬送し、このリ
ジェクト紙幣収納庫５５に集積収納される。

【００５６】このように、入庫紙幣識別部６２が識別で
きた入庫紙幣は循環式収納庫６４に収納され、入庫紙幣
識別部６２が識別できなかった入庫紙幣はリジェクト紙
幣収納庫５５に集積収納される。このリジェクト紙幣収
納庫５５に集積収納された紙幣は、たとえば、定期的に
リジェクト収納庫扉７６を開放して回収され、確認およ
び計数が行われる。

【００５７】出金動作は紙幣入出金機の場合と同じであ
る。すなわち、循環式収納庫６４に収納された紙幣は、
出庫紙幣分離繰り出し部６５により一枚ずつ分離されて
繰り出され、出庫紙幣搬送部６７により搬送され、出庫
紙幣識別部６６にて出庫紙幣の金種が識別される。

【００５８】出庫紙幣識別部６６で識別された紙幣が釣
り銭として出庫すべき紙幣と識別されたならば、その紙
幣は出庫紙幣搬送部６７により搬送され、出金切替ゲー
ト６８を介してさらに出金搬送部６９により搬送され、
紙幣出金口５６に払い出される。

【００５９】出庫紙幣識別部６６で識別した結果が万円
紙幣と識別された場合には、その紙幣は出庫紙幣搬送部
６７および紙幣帰還搬送部７０により搬送され、収納切
替ゲート７１を介してさらに収納搬送部７２により搬送
されて、紙幣収納庫５７に集積収納される。この紙幣収
納庫５７に集積された万円紙幣は、たとえば、定期的に
収納庫扉７５を開放して回収され、確認および計数が行
われるまた、出庫紙幣識別部６６で識別された紙幣が五
千円の場合、五千円が出庫すべき紙幣ならば、紙幣出金
口５６へ搬送され、出庫すべきでない紙幣ならば、紙幣
帰還搬送部７０を経由して循環式収納庫６４へ再投入さ
れる。

【００６０】さらに、出庫紙幣識別部６６で識別不可の
紙幣は、循環式収納庫６４へ再投入され、当該紙幣が何
度も識別不可と判断された場合は、紙幣収納庫５７へ収
納される。

【００６１】また、この釣銭機５１においても、その紙
幣収納庫５７を、図４に示した貨幣入出金機１の紙幣収
納庫７と同様に、装置奥行き方向へ紙幣２枚分以上の長
さを有し、装置後方より前方へ移動する押し出レバーを
設けた構成にすることができる。これにより、紙幣収納
庫５７の紙幣収納容量を増加させ、紙幣を回収する回数
を減少させることが可能となる。

【００６２】図１２は釣銭機の硬貨処理部の内部構成を
示す平面図である。硬貨処理部５３は、複数枚の硬貨を
一括で投入可能な硬貨入金口５８と、投入された硬貨を
一枚ずつ分離して繰り出す硬貨分離繰り出し部８１と、
この硬貨分離繰り出し部８１により繰り出された硬貨を
搬送する収納搬送部８２と、この収納搬送部８２で搬送
しながら硬貨の選別を行う硬貨選別部８３と、選別され
た硬貨を金種別に順次積み重ねて収納する回転式硬貨収
納部８４と、出金時に硬貨を払い出す硬貨出金口５９
と、出金時に回転式硬貨収納部８４から指定硬貨を指定
枚数繰り出す硬貨繰り出し部８５と、回転式硬貨収納部
８４から繰り出された硬貨を硬貨出金口５９まで搬送す
る硬貨出金搬送部８６とを備えている。

【００６３】このような構成の硬貨処理部５３によれ
ば、硬貨入金口５８に金種混在で複数の硬貨が一括投入
されると、投入された硬貨は硬貨分離繰り出し部８１に
より一枚ずつ分離して繰り出され、収納搬送部８２によ
って搬送された、硬貨選別部８３で選別される。選別さ
れた硬貨は、回転式硬貨収納部８４の対応する金種の硬
貨収納筒に収納される。

【００６４】出金のときは、硬貨繰り出し部８５が回転
式硬貨収納部８４から指定金種の硬貨を一枚ずつ指定枚
数繰り出し、硬貨出金搬送部が繰り出された硬貨を搬送
し、金種混在で硬貨出金口５９に一括して放出する。

【００６５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では、分離
繰り出し機構を設けた一括紙幣挿入口に、偽札または金
種の判別が不能な紙幣が混入された場合、入庫紙幣識別
部がそれを検知し、搬送途中でリジェクトゲートにより
搬送経路を切り替え、リジェクト搬送部を介して紙幣リ
ジェクト口に返却するような構成にした。これにより、
一括して投入された複数枚の紙幣の中に偽札または金種
の判別が不能な紙幣が混入されていたとしても、入庫動
作を継続しながら、偽札または金種判別の不能な紙幣を
返却する処理を行うことができ、判別不能紙幣による入
庫動作の中断がない。

【００６６】さらに、判別不能紙幣を紙幣リジェクト口
に返却するようにしたことにより、貨幣入出金を操作す
る係員が判別不能紙幣を容易に確認でき、偽札などに対
して迅速な処理、たとえば再投入による確認や紙幣の交
換を行うことができる。

【００６７】また、釣銭機としての金銭処理装置におい
て、判別不能紙幣を紙幣リジェクト収納庫に順次収納す
るようにしたことにより、リジェクト紙幣が発生した場
合でも、貨幣入出金を操作する係員が判別不能紙幣の再
投入や紙幣の交換を行うことなく、接客業務を続けるこ
とができ、釣り銭としてリサイクルを行う循環式収納庫
に判別不能紙幣を混在させないことにより、出金処理時
間を増加させないようにすることができる。

【００６８】さらに、収納庫を奥行き方向に長くして、
紙幣を２列に集積する構成とし、収納容量を増やすこと
を可能にした。これにより、回収作業の回数および回収
に伴う接客中断を減らすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】貨幣入出金機の概観斜視図である。

【図２】貨幣入出金機の紙幣処理部の内部構成を示す側
面図である。

【図３】貨幣入出金機の硬貨処理部の内部構成を示す平
面図である。

【図４】貨幣入出金機の紙幣処理部の別の内部構成を示
す側面図である。

【図５】収納動作を説明する紙幣処理部の側面図であ
る。

【図６】収納紙幣の移動状態を示す紙幣処理部の側面図
である。

【図７】収納紙幣の移動完了時の状態を示す紙幣処理部
の側面図である。

【図８】押し出しレバーが元の位置に戻された状態を示
す紙幣処理部の側面図である。

【図９】紙幣収納庫の満杯状態を示す紙幣処理部の側面
図である。

【図１０】釣銭機の概観斜視図である。

【図１１】釣銭機の紙幣処理部の内部構成を示す側面図
である。

【図１２】釣銭機の硬貨処理部の内部構成を示す平面図
である。

【符号の説明】

１ 貨幣入出金機 ２，５２ 紙幣処理部 ３，５３ 硬貨処理部 ４，５４ 一括紙幣挿入口 ５ 紙幣リジェクト口 ６，５６ 紙幣出金口 ７，５７ 紙幣収納庫 ８，５８ 硬貨入金口 ９，５９ 硬貨出金口 １１，６１ 入庫紙幣分離繰り出し部 １２，６２ 入庫紙幣識別部 １３，６３ 入庫紙幣搬送部 １４，６４ 循環式収納庫 １５，６５ 出庫紙幣分離繰り出し部 １６，６６ 出庫紙幣識別部 １７，６７ 出庫紙幣搬送部 １８，６８ 出金切替ゲート １９，６９ 出金搬送部 ２０，７０ 紙幣帰還搬送部 ２１，７１ 収納切替ゲート ２２，７２ 収納搬送部 ２３，７３ リジェクトゲート ２４，７４ リジェクト搬送部 ２５，７５ 収納庫扉 ４１ 羽根車 ４２，４３ 紙幣押さえ板 ４４ 第１の満杯検知センサ ４５ 第２の満杯検知センサ ４６ 押し出しレバー ４７ モータ ４８ ワイヤ ４９ 収納紙幣 ５１ 釣銭機 ５５ リジェクト紙幣収納庫 ７６ リジェクト収納庫扉

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 貨幣の入出金処理を行う金銭処理装置に
   おいて、 複数枚の紙幣を一括で投入可能な一括紙幣挿入口と、 前記一括紙幣挿入口に投入された紙幣を一枚ずつ分離し
   て繰り出す入庫紙幣分離部と、 前記入庫紙幣分離部より繰り出された紙幣を搬送する入
   庫紙幣搬送部と、 前記入庫紙幣搬送部による紙幣搬送の途中で紙幣の真偽
   および金種を識別する入庫紙幣識別部と、 前記入庫紙幣識別部で真札でかつ金種識別ができた紙幣
   を順次積み重ねて収納し、出金時には収納された紙幣を
   一枚ずつ分離して繰り出す出庫紙幣分離繰り出し部を有
   する循環式収納庫と、 前記入庫紙幣識別部で識別不可の紙幣を返却する紙幣リ
   ジェクト口と、 前記入庫紙幣識別部による識別結果に応じて前記入庫紙
   幣搬送部により搬送された紙幣の搬送方向を前記循環式
   収納庫または前記紙幣リジェクト口のいずれかに切り替
   える第１の切替ゲートと、 前記第１の切替ゲートから前記紙幣リジェクト口へ紙幣
   を搬送するリジェクト搬送部と、 前記出庫紙幣分離繰り出し部より繰り出された紙幣を搬
   送する出庫紙幣搬送部と、 前記出庫紙幣搬送部による紙幣搬送の途中で紙幣の金種
   を識別する出庫紙幣識別部と、 前記出庫紙幣搬送部により搬送された紙幣を放出する紙
   幣出金口と、 前記出庫紙幣識別部による識別の結果に応じて前記出庫
   紙幣搬送部により搬送された紙幣の搬送方向を前記紙幣
   出金口または循環式収納庫のいずれかに切り替える第２
   の切替ゲートと、 前記第２の切替ゲートからの紙幣を前記紙幣出金口へ搬
   送する出金搬送部と、 前記第２の切替ゲートにて前記循環式収納庫の方向に切
   り替えられた紙幣を前記循環式収納庫へ搬送する紙幣帰
   還搬送部と、 前記紙幣出金口へ出庫されることのない紙幣を順次積み
   重ねて収納する紙幣収納庫と、 前記出庫紙幣識別部による識別の結果に応じて前記紙幣
   帰還搬送部によって搬送されている紙幣の搬送方向を前
   記紙幣収納庫または循環式収納庫のいずれかの搬送方向
   に切り替える第３の切替ゲートと、 前記第３の切替ゲートから前記紙幣収納庫へ紙幣を搬送
   する収納搬送部と、 装置前面パネルの前記紙幣収納庫と相対する位置に設け
   た扉とを備え、 前記紙幣収納庫は、前記第３の切替ゲートにより搬送方
   向が切り替えられた紙幣を集積収納する第１の収納部
   と、前記第１の収納部に集積された紙幣の満杯状態を検
   知するセンサと、装置内前方に設けた第２の紙幣収納部
   と、前記第１の収納部に集積された紙幣を前記第２の紙
   幣収納部へ押し出す紙幣押し出しレバーと、前記センサ
   の満杯状態検知信号により前記押し出しレバーを前記第
   １の収納部から待避した位置と前記紙幣を前記第２の紙
   幣収納部へ押し出した位置との間を往復移動させるモー
   タと、 を有する紙幣処理部を備えていることを特徴とする金銭
   処理装置。
2. 【請求項２】 前記紙幣リジェクト口を、順次紙幣を積
   み重ねて収納するリジェクト収納庫としたことを特徴と
   する請求項１記載の金銭処理装置。
3. 【請求項３】 装置前面パネルの前記リジェクト収納庫
   と相対する位置に設けられ、開放することにより前記リ
   ジェクト収納庫に収納された紙幣を回収可能とするリジ
   ェクト収納庫扉を有することを特徴とする請求項２記載
   の金銭処理装置。
4. 【請求項４】 前記紙幣収納庫は、装置奥行き方向に紙
   幣２枚分以上の長さを有し、前記第１の収納部および第
   ２の収納部を形成していることを特徴とする請求項１記
   載の金銭処理装置。
5. 【請求項５】 前記紙幣収納庫は、前記第１の収納部お
   よび第２の収納部間を間仕切りするよう装置奥行き方向
   のほぼ中央上部に回動可能にかつ前記第１の収納部の方
   に付勢されるよう支持された紙幣押さえ板を有している
   ことを特徴とする請求項１記載の金銭処理装置。
6. 【請求項６】 複数枚の硬貨を一括で投入可能な硬貨入
   金口と、 投入された硬貨を一枚ずつに分離して繰り出す硬貨分離
   繰り出し部と、 前記硬貨分離繰り出し部により繰り出された硬貨を搬送
   する入庫硬貨搬送部と、 前記入庫硬貨搬送部による硬貨搬送の途中で硬貨の真偽
   および金種を識別する入庫硬貨識別部と、 前記入庫硬貨識別部で真貨と識別できた硬貨を順次積み
   重ねて収納する回転式硬貨収納部と、 前記入庫硬貨識別部で識別不可の硬貨を返却する硬貨出
   金口と、 前記入庫硬貨識別部による識別結果に応じて前記入庫硬
   貨搬送部により搬送された硬貨の搬送方向を前記回転式
   硬貨収納部または硬貨出金口のいずれかに切り替える切
   替ゲートと、 前記切替ゲートにより前記硬貨出金口の方向に切り替え
   られた硬貨を搬送するリジェクト搬送部と、 前記切替ゲートにより前記回転式収納庫方向に切り替え
   られた硬貨を搬送する収納搬送部と、 前記収納搬送部において硬貨を金種ごとに選別して前記
   回転式硬貨収納部へ収納する硬貨選別部と、 出金時に指定硬貨を前記回転式硬貨収納部から指定枚数
   繰り出す硬貨繰り出し部と、 前記硬貨繰り出し部より繰り出された硬貨を前記硬貨出
   金口まで搬送する硬貨出金搬送部と、 を有する硬貨入出金処理機を、前記紙幣処理部と左右に
   並べて一体構造にしたことを特徴とする請求項１記載の
   金銭処理装置。
7. 【請求項７】 複数枚の硬貨を一括で投入可能な硬貨入
   金口と、 投入された硬貨を一枚ずつに分離して繰り出す硬貨分離
   繰り出し部と、 入庫硬貨を順次積み重ねて収納する回転式硬貨収納部
   と、 前記硬貨分離繰り出し部により繰り出された硬貨を搬送
   する収納搬送部と、 前記収納搬送部において硬貨を金種ごとに選別して前記
   回転式硬貨収納部へ収納する硬貨選別部と、 出金時に指定硬貨を前記回転式硬貨収納部から指定枚数
   繰り出す硬貨繰り出し部と、 前記硬貨繰り出し部より繰り出された硬貨を搬送する硬
   貨出金搬送部と、 前記硬貨出金搬送部によって搬送された硬貨を払い出す
   硬貨出金口と、 を有する硬貨入出金処理機を、前記紙幣処理部と左右に
   並べて一体構造にしたことを特徴とする請求項２記載の
   金銭処理装置。