JP2000221971A - 奏法対応入力システム及びその記録媒体 - Google Patents
奏法対応入力システム及びその記録媒体Info
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Abstract
望のアーティキュレーションを高品位且つ効率よく合成
する奏法対応入力システムの提供。 【解決手段】この発明では、ディスプレイ上に、原曲音
符データが図形的に表示される一方、原曲音符データに
対して付加される表現データを表わし複数種類の楽器間
で共有が許される奏法アイコンBI1〜4が、表現デー
タを付与すべき楽器Saxに応じて表示される。表示さ
れた原曲音符データに対して奏法アイコンBIdを貼り
付けると、貼り付けられた奏法アイコンBId及び楽器
Saxに応じて楽器毎の表現データを原曲音符データに
付与し楽器毎の演奏データが生成される。ディスプレイ
には、貼り付けるパートの楽器に応じた奏法アイコンの
みが表示され、また、奏法アイコンを貼り付けた演奏デ
ータはアイコン番号を用いて記憶される。
Description
ステム及びその記録媒体に関する。この発明は、より詳
細には、原曲音符データに対しアイコンを用いてアーテ
ィキュレーション(articulation)を入力する対話形奏
法対応入力システム及びその記録媒体に関する。
「ベンドアップ」によりピッチ(音高)を原音の下から
上に高めて行く演奏をしたり、「装飾音」で原音に飾り
を付けたり、「ビブラート」で音をふるわせたり、「レ
ガート」で滑らかに音を繋げる等々、種々の奏法が採用
されている。従来技術においては、このような奏法を実
現するために、例えばMIDI形式のホワイトデータに
対して、このような奏法を表わすアーティキュレーショ
ンデータを、各奏法毎に、所定時間分だけ細かい時間単
位で、順次、書き込んでいくという作業を行っており、
膨大な労力を要していたにも拘わらず、リアリティーの
あるアーティキュレーションを高品位にかつ効率よく合
成することができなかった。
は、アーティキュレーションに対応する奏法アイコンを
用い、原曲音符データに対してアコースティック楽器の
同等な高品質演奏表現を与えて、リアリティーのあるア
ーティキュレーションを、高品位にしかも効率よく合成
することができる奏法対応入力システムを提供すること
にある。
従うと、原曲音符データを図形的に表示する音符表示手
段と、原曲音符データに対して付加される表現データを
表わし複数種類の楽器間で共有が許される奏法アイコン
を、表現データを付与すべき演奏楽器に応じて表示する
アイコン表示手段と、表示された原曲音符データに対し
て奏法アイコンを貼り付ける手段と、貼り付けられた奏
法アイコン及び演奏楽器に応じて演奏楽器特有の表現デ
ータを原曲音符データに付与し演奏楽器毎の演奏データ
を生成する手段とを備える奏法対応入力システムが提供
される。
びこの原曲音符データに貼り付けられた奏法アイコンを
表わすデータから成る演奏用シーケンスデータを記憶す
る手段を備え、この演奏用シーケンスデータに基づいて
演奏楽器毎の演奏データが生成される。また、アイコン
表示手段は、演奏楽器に適用可能な表現データを表わす
奏法アイコンのみを表示する。そして、演奏楽器特有の
表現データには、演奏楽器の楽音波形を分析して得た時
系列的な楽音パラメータが用いられる。
符データに種々のアーティキュレーションを付与するに
当って、単に各アーティキュレーションを示す楽譜記号
を用意しておくだけでなく、アーティキュレーションの
それぞれを「アイコン」という形で予め登録しておき、
ディスプレイに表示される原曲音符データの楽譜上にこ
れらのアイコンを貼り付けていくという極く簡単な操作
を行うだけで、所望のアーティキュレーションを高品位
にしかも効率よく合成することができる。
通的乃至同類のアーティキュレーション(表現データ)
については、複数種類の楽器間で1つの奏法アイコンを
共有するので、原曲音符データにアーティキュレーショ
ンを入力設定する場合に、奏法アイコンの操作を容易に
して作業効率を向上することができ、同じ奏法アイコン
を貼り付けても演奏に際しては、貼り付けたパートの楽
器に応じてその楽器特有のアーティキュレーションが原
曲音符データに付与されるので、高品質の演奏表現を得
ることができる。
演奏データを記憶するのに奏法アイコンを表わすデータ
つまりアイコン番号を用いるので、記憶方法を簡便にす
ることができる。さらに、貼り付けるパートの楽器に応
じて、適用可能な表現データを表わす奏法アイコンのみ
を表示し、その楽器で使う奏法以外のアイコンは表示し
ないので、演奏される楽器に適したアーティキュレーシ
ョンを効率的に付与することができる。
明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単
なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で
種々の変更が可能である。
ここには、この発明の一実施例による奏法対応入力シス
テムのハードウエア構成のブロック図が示されている。
この例では、システムは、中央処理装置(CPU:cent
ral processing unit )1、タイマ2、読出専用メモリ
(ROM:read only memory)3、ランダムアクセスメ
モリ(RAM:random access memory)4、第1の検出
回路5、第2の検出回路6、表示回路7、音源回路8、
効果回路9、外部記憶装置10、MIDI(Musical In
strument Digital Interface)インターフェイス(I/
F)11及び通信インターフェイス12等を備え、これ
らの装置はバス13を介して互いに接続される。
み処理に利用されるテンポクロックを発生するタイマ2
を具備しており、所定のプログラムに従って種々の制御
を行い、特に、後述する楽曲データ生成の機能を中枢的
に遂行する。ROM3には、このシステムを制御するた
めの所定の制御プログラムが記憶されており、これらの
制御プログラムには、基本的な演奏情報処理と共に、こ
の発明によるアーティキュレーション入力に関する各種
処理プログラム及びデータを含ませることができる。R
AM4は、これらの処理に際して必要なデータやパラメ
ータを記憶し、また、各種レジスタやフラグ、処理中の
各種データ等を一時記憶するためのワーク領域として用
いられる。
は、鍵盤14やスイッチ操作盤15が接続され、表示回
路7にはディスプレイ16が接続され、効果回路9に
は、音源回路8からの演奏データに基づく楽音を放音す
ることができるように、サウンドシステム17が接続さ
れている。スイッチ操作盤15は、実演奏操作用の各種
スイッチの外に、キーボードやマウス等、この発明によ
る奏法対応入力システムの操作及び処理に必要な各種入
力スイッチ類を備え、各種の指示、選択、データ入力等
々の入力操作を行うことができる。
ライブ(HDD:Hard Disk Drive)、フロッピーディ
スクドライブ(FDD:Floppy Disk Drive )、CD−
ROM(Compact Disk Read Only Memory )ドライブ、
光磁気(MO:Magneto-Optical )ディスクドライブ、
DVD(Digital Video Disk)形ディジタル多目的ディ
スクドライブ等々、種々ある記憶装置のうちから、必要
に応じて一つ又は複数の記憶装置が使用される。外部記
憶装置8の記憶媒体には、この発明に用いられる種々の
原曲音符データや、アーティキュレーションが付与され
た楽曲データを、例えば、MIDIフォーマットに従っ
て記憶することができる。
電子楽器の形態を採ることができるが、これに限らず、
パソコン+アプリケーションソフトウェアの形態でもよ
い。アプリケーンョンソフトウェアは、磁気ディスク、
光ディスク、半導体メモリ等の外部記憶装置の記憶媒体
に記憶させ、パソコンに供給するようにしてもよいし、
後述するように、ネットワークを介して供給するように
してもよい。また、カラオケ装置に用いる楽曲データの
作成等の機器にも適用できる。さらには、自動演奏ピア
ノに適用してもよい。
図1のような鍵盤楽器に限らず、弦楽器タイプ、管楽器
タイプ、打楽器タイプ等の形態でもよい。また、音源装
置、自動演奏装置等を1つの電子楽器本体に内蔵したも
のに限らず、それぞれが別体の装置であり、MIDIや
各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続す
るものであってもよい。
3にMIDIインターフェイス(MIDI I/F)1
1及び通信インターフェイス12が接続され、他のMI
DI機器18とMIDI形式の演奏データ等を授受する
ことができ、また、通信ネットワーク19を介してサー
バコンピュータ20と通信することができる。なお、M
IDIインターフェースについては、専用のMIDIイ
ンターフェースに限らず、RS−232C、USB(ユ
ニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(ア
イトリプルイー1394)等の汎用のインターフェース
を用いてMIDIインターフェースを構成してもよい。
この場合、MIDIメッセージ以外のデータをも同時に
送受信するようにしてもよい。
ータ生成の概略〕さて、図2及び図3には、この発明の
一実施例の奏法対応入力システムにより実行されるアー
ティキュレーション設定並びに演奏データ生成の概略的
手法を機能的に表わすブロック図が示されており、図2
が主としてデータ入力部を構成し、図3が主として音源
部を構成する。この発明の実施例による手法をこの機能
的ブロック図に従って説明すると、データ入力装置21
は、外部記憶装置10、MIDIインターフェイス1
1、鍵盤14、スイッチ操作子15等から成り、主とし
て鍵盤やMIDI機器等から原曲音符データ(ホワイト
データ)が入力される。この原曲音符データはディスプ
レイ16の画面上に楽譜(チャート)として表示される
が、これに対して、主としてスイッチ操作子15のキー
ボード乃至マウスを操作することによって、所定のアー
ティキュレーションを指示し、指示されたアーティキュ
レーションに対応する奏法アイコンを操作して楽譜にア
イコンを貼り付けることができる。
は、入力/命令変換部22により解読され、ノート(音
符、音高)やベロシティ(演奏強度)を含む原曲音符デ
ータ(ホワイトデータ)MD、選択された楽器の種類
(サックス、ギター等)やアーティキュレーションの状
態(アタック、ボディ等のステート)と種類(ベンドア
ップ、グレースアップ等)を含むアーティキュレーショ
ン指示データAR、奏法アイコン画像に加えられるアイ
コン画像操作データIM等に分けられ、チャートビュー
ワ23を介してディスプレイ24(図1では16)の画
面上に、原曲楽譜(ホワイトデータ)画像やアーティキ
ュレーション設定用画像を表示するのに用いられる。
は、また、アイコン選択部25に入力され、これによ
り、RAM4(又はROM3)内のアーティキュレーシ
ョン選択データ格納部26に予め記憶されているアイコ
ン番号・楽譜記号から、データARにより指示された内
容に対応する奏法アイコン乃至標準楽譜記号が選択され
る。この奏法アイコンの選択は、図2に示されているよ
うに、アーティキュレーション指示データARの内容に
応じて、まず、全奏法アイコンの中から楽器の種類に対
応する楽器対応奏法アイコン群が選択され、次に、この
楽器奏法アイコン群の中からアーティキュレーション状
態(ステート)に対応するステート対応奏法アイコン群
が選択され、さらに、この状態奏法アイコン群の中から
アーティキュレーション種類に対応する奏法アイコンが
選択され、チャートビューワ23を介しディスプレイ2
4上には、このような選択状態及び現在選択可能な奏法
アイコンが表示される。
は、この発明の一実施例による奏法対応入力システムに
おける表示画面の一例を示す。この画面表示例1におい
ては、画面の下部が奏法アイコンウインドウになってお
り、画面の上部に原曲音符データMDに対応する楽譜
(ホワイトデータ)が表示される。この楽譜の両側に
は、奏法アイコンを表示するための領域として、上側に
第1及び第2レイヤーL1,L2が設けられ、下側に第
3レイヤーL3が設けられ、後述するにように「3レイ
ヤー貼付け」表示モードと呼ばれる。各レイヤーに貼付
け可能な奏法アイコンの割当ての例を挙げると次のとお
りである: 第1レイヤー(L1)=クレッシェンド、デクレッシェ
ンド、 第2レイヤー(L2)=ベンドアップ、装飾音アップ/
ダウン、クロマティックアップ/ダウン、グリスアップ
/ダウン、スタッカート、デタッシュ、ビブラート、ベ
ンドダウンアップ“タウア”、ショートカット、ミュー
ト、ベンドダウン、 第3レイヤー(L3)=テヌート、スラー、ハンマリン
グオン、プリングオフ、スライドアップ。
小節においては、先頭の音符に対し「ベンドアップ」の
うちの1つが第2レイヤーL2に貼り付けられ、第1小
節全体に滑らかに演奏させる「スラー」アイコンが第3
レイヤーL3に貼り付けられている。また、第2小節目
においては、先頭の音符に対し「装飾音符(2音アッ
プ)」アイコンが第2レイヤーL2に貼り付けられ、第
2小節全体について、次第に音を大きくする「クレッシ
ェンド」アイコンが第1レイヤーL1に貼り付けられて
いる。
は、一番外側のウインドウは、「サックス(Sa
x)」、「ギター(Guitr=Guiterの略)」、「ベ
ース(Bass)」、「バイオリン(Violn=Viol
inの略)」等の楽器種類を表わし、対応する表記がなさ
れたタブをクリックすることによって、何れかの楽器種
類を選択することができ、図4は、現在「サックス」
(Saxで表記)」が選択されていることを表示してい
る。2番目のウインドウは、「アタック(Atack=
Attackの略)」、「ボディ(Body)」、「 リリー
ス(Reles=Releaseの略)」、「オール(Al
l)」、「ジョイント(Joint)」等のアーティキ
ュレーション状態即ちステートを表わし、タブをクリッ
クすることで何れかのステートが選択可能であり、現在
「アタック」(Atackで表記)」のステートを選択
中であることが表示されている。
ドアップ(BndUp=Bend Up の略)」、「装飾音ア
ップ(GrcUp=Grace Tone Up の略)」、「装飾音
ダウン(GrcDn=Grace Tone Down の略)」、「グ
リッサンドアップ(GlsUp=Glissando Upの
略)」、「グリッサンドダウン(GlsDn=Glissand
o Downの略)」等の奏法種類を表わすウインドウであ
り、タブをクリックすることによって、何れかの奏法種
類を選択することができる。
ともいう。)及び長さ(スピード、時間ともいう。)を
もつアーティキュレーションを表わす奏法候補アイコン
が複数種表示されており、アイコン画像の上下方向及び
左右方向の大きさは、アーティキュレーションの深さ及
び長さに対応している。そこで、ユーザは、これらの奏
法候補アイコンの中から適当なアイコンを選択すること
により所望の深さと長さのアーティキュレーションを楽
譜に付与することができる。
ndUpで表記)」が選択されており、奏法種類ウイン
ドウ内には、レイヤー番号“L2”に続いて、左から、
「深く遅い」、「浅く遅い」、「深く速い」、「浅く速
い」ベンドアップを夫々表わす4つのベンドアップ候補
アイコンBI1〜BI4が第2レイヤー“L2”に奏法
アイコンとして貼付け可能である旨表示されている。
キュレーションARを指示すべく、図4のように、楽器
“Sax”を選択した状態において、楽譜データの第1
小節の先頭音符(G4)に対して「深く遅いベンドアッ
プ」を付与したい場合には、まず、ステート“Atac
k”をクリックした上、奏法“BndUp”をクリック
する。これによって、奏法アイコンウインドウには、4
つのベンドアップ候補アイコンBI1〜BI4が表示さ
れる。そこで、最も左側の「深く遅い」ベンドアップ候
補アイコンBI1をマウスでクリックしたまま、楽譜デ
ータの第1小節の先頭音符(G4)の位置にまでドラッ
グ&ドロップすると、図4に示すように、第2レイヤー
L2の第1小節先頭音符(G4)に対応する位置に「深
く遅い」ベンドアップアイコンBIdが貼り付けられ
る。
(B♭4)に対して「装飾音符(2音アップ)」を付与
したい場合には、まず、奏法“GrcUp”をクリック
すると奏法アイコンウインドウに複数種の装飾アップア
イコン(図示せず)が表示される。そこで、これらの装
飾アップアイコンの中から「2音」アップの装飾アップ
アイコンを選択してこれをクリックし、楽譜データの第
2小節の先頭音符(B♭4)の位置までドラッグ&ドロ
ップすると、図4に示すように、第2レイヤーL2の第
2小節先頭音符(B♭4)に対応する位置に所望の「2
音アップ」装飾アップアイコンGIdが貼り付けられ
る。
ステート“Joint”をクリックした上奏法タグ“L
egat”(“Joint”ステート内の奏法のため図
4には示されていない)をクリックすると、奏法アイコ
ンウインドウ“Slur”(図示せず)が現われ、この
ウインドウ“Slur”内には何種類かのスラー候補ア
イコンを表示されるので、所望のスラーアイコンをクリ
ックしたまま、楽譜上の付与したい区間にドラッグ&ド
ロップすることによって、図4に示すように、第3レイ
ヤーL3の対応する区間位置に所望のスラーアイコンS
Idを貼り付けることができる。
合には、ステート“All”をクリックした上奏法タグ
“Crscn”(“All”ステート内の奏法のため図
4には示されていない)をクリックすると、奏法アイコ
ンウインドウ“Crscn”(図示せず)には、音を増
大させるダイナミックレンジと長さに応じた何種類かの
クレッシェンド候補アイコンが表示されるので、この中
から所望のクレッシェンドアイコンをクリックし、楽譜
上の付与したい区間にドラッグ&ドロップすることによ
って、図4に示すように、第1レイヤーL1の対応する
区間位置に所望のクレッシェンドアイコンCIdを貼り
付けることができる。
て貼り付けられる各アイコンBId,GId,SId,
CIdが表わすアーティキュレーションは既定の深さと
長さ(スピード)を備えているが、この深さ及び長さ
は、ユーザにより各アイコンBId,GId,SId,
CIdの画像を上下乃至左右方向に伸縮操作することに
よって、任意の値に編集することができる。
コンの左右の外枠又は端部をマウスでクリックオンしな
がら左右に移動させると、アイコン画像の横幅が伸縮さ
せられ、これにより、アイコンが表わすアーティキュレ
ーションの長さ(スピード)を変化させることができ
る。また、奏法アイコンの上下の外枠又は端部をマウス
でクリックオンしながら上下に移動させると、アイコン
画像の縦幅を伸縮させ、アーティキュレーションの深さ
を変化させることができる。さらに、奏法アイコンの角
部(四隅)をマウスでクリックオンしながら上下左右に
斜め移動させると、アイコン画像の縦横幅を伸縮させ、
アーティキュレーションの深さと長さを同時に変化させ
ることができる。
L2に最初に貼り付けられたベンドアップアイコンBI
dは、奏法アイコンウインドウ内の最も左側に表示され
ている「深く遅い」ベンドアップアイコンBI1に対応
するものとしたが、図5に示すように、アイコンBId
の上端又は下端をマウスでアイコン内側方向にドラッグ
してアイコン画像を上下方向に縮めることによって、初
期ベンド深さをもっと浅くして奏法アイコンウインドウ
内の左から2番目の「浅く遅い」ベンドアップアイコン
BI2に近づくようにすることができる。
プアイコンBIdの左端又は右端をマウスでアイコンの
内側方向にドラッグしてアイコン画像を左右方向に縮め
ることによって、アーティキュレーションの長さ(スピ
ード)をもっと速くして奏法アイコンウインドウ内の左
から2番目の「深く速い」ベンドアップアイコンBI3
に近づくようにすることができる。さらに、アイコンB
Idの外枠の角部をアイコンの内側方向にドラッグして
アイコン画像を左右、上下両方向に縮めることによっ
て、ベンドアップのスピードを速めると同時に初期ベン
ド深さを浅くして奏法アイコンウインドウ内の最も右側
の「浅く速い」ベンドアップアイコンBI4に近づくよ
うにすることができる。
伸縮に応じてアイコン画像中の図形の形状も変化するよ
うにしているが、図形の形状はそのままで、アイコン画
像の外枠の大きさのみを伸縮させるようにしてもよい。
また、アイコンの伸縮可能範囲には所定の上下限があっ
てもよい。例えば、「深く遅い」アイコンは「深く速
い」アイコンの速さ(横方向範囲)以上には縮めること
ができないようにしてもよい。
一実施例の奏法対応入力システムにおける表示画面の他
の例を示す。この画面表示例2においては、奏法アイコ
ンを表示するための領域が原曲音符データ表示域の一方
側に1レイヤーだけ設けられ、一部のアーティキュレー
ション(奏法)についてはアイコンではなく従来形の表
記が採用され、「1レイヤー+従来表記」表示モードと
呼ばれる。
のような「3レイヤー貼付け」時に比べると、第1及び
第3レイヤーL1,L3がなくなり、代わりに、第1及
び第3レイヤーL1,L3に表示されていた「クレッシ
ェンド」アイコンCId及び「スラー」アイコンSId
が、アーティキュレーション選択データ格納部26の標
準楽譜記号を参照することにより、原曲楽譜中に従来表
記CSd,SSdで表示される。しかしながら、その他
の点は、「3レイヤー」表示モードと格別相違するとこ
ろはない。なお、第1又は第3レイヤーに貼付け可能と
して先に例示した奏法は、全て従来表記に代えることが
でき、また、第2レイヤー(L2)に貼付け可能な「装
飾音アップ/ダウン」、「クロマティックアップ/ダウ
ン」、「グリスアップ/ダウン」、「スタッカート」、
「デタッシュ」等も、従来表記を採用することができ
る。
に、奏法アイコンを原曲音符データMDに貼り付けるこ
とによってアーティキュレーションデータ指示データA
Rが与えられ、また、貼り付けられた奏法アイコン画像
を上下乃至左右方向に伸縮することによってアイコン画
像操作データIMが与えられると、図2に示すように、
アイコン選択部25により、画面上で貼付けがなされた
奏法アイコンに対応してアイコン番号IP1が選択され
ると共に、アイコン編集値計算部27によって、アイコ
ンの伸縮編集によるアイコン伸縮値(編集値)IV1が
計算される。また、ノート/ベロシティ検出部28から
は、入力された原曲音符データMDのノート(音符)及
びベロシティを表わす原曲パラメータMP1が得られ
る。
は、データ記録部29を介し、原曲音符データの進行に
合わせてシーケンスメモリ30に演奏用シーケンスデー
タとして記録され、メモリ30に記録された演奏用シー
ケンスデータ(IP2,IV2,MP2)は、必要に応
じてデータ再生部31より再生することができる。従っ
て、アイコン番号IP1を選択しアイコン画像を伸縮値
IV1で編集して試聴ボタン(図示せず)を操作するこ
とにより、アーティキュレーション設定編集中の楽曲の
内容を図3に示される音源部から発生させてこれを試聴
することができる。また、アーティキュレーション設定
が完了した場合には、シーケンスメモリ30に記憶され
たアイコン番号IP2、アイコン伸縮値IV21に基づ
いてアーティキュレーションが付加された楽曲を図3の
音源部を介して発生させることができる。
この発明の一実施例による奏法対応入力システムで用い
られる奏法パラメータの階層構造の一例が、図4及び図
6と同様に、タグ付きフォルダの形式で示されている。
奏法パラメータは、「サックス(Sax)」、「ギター
(Guitr)」、「ベース(Bass)」、「バイオ
リン(Violn)」等の楽器種類に大きく分類され、
次いで、各楽器種類の中は、「アタック(Atac
k)」、「ボディ(Body)」、「 リリース(Re
les)」、「オール(All)」、「ジョイント(J
oint)」等のステートに分類されている。さらに、
各ステートの中は、楽器種類及びステートに応じて、複
数の奏法種類に分類されており、例えば、「サックス」
の「アタック」ステートでは、図7に示されるように、
「ベンドアップ(BndUp)」、「装飾音アップ(G
rcUp)」、「装飾音ダウン(GrcDn)」、「グ
リッサンドアップ(GlsUp)」、「グリッサンドダ
ウン(GlsDn)」等の奏法種類が分類されている。
けられた複数の奏法アイコンに分類されており、例え
ば、図4及び図6のベンドアップアイコンBI1〜BI
4は、図7の奏法アイコンタブ“BndUp #00
0”〜“BndUp #003”に対応する。各奏法ア
イコンの中は、複数のノートナンバ(ノートナンバグル
ープ)に分類され、1つの奏法の中でノートナンバによ
るバンク分けがなされている。さらに、各ノートナンバ
(ノートナンバグループ)の中は、複数のベロシティ
(ベロシティグループ)に分類され、ベロシティによる
バンク分けがなされている。そして、各ベロシティの中
に、テンプレート(TM)、低周波発振器(LFO)、
エンベロープ発生器(EG)、オフセット(OST)等
のパラメータ種類毎に、実奏法パラメータへのポインタ
が記憶されており、バンク毎にどの奏法パラメータを使
用するかをポインタで示すようにしている。
の示される構造に限らない。例えば、奏法アイコンの中
を「奏法アイコン>ベロシティによるバンク分け>ノー
トナンバによるバンク分け」としてもよいし、ベロシテ
ィやノートナンバによるバンク分けを楽器種類よりも上
位の階層としてもよい。或いは、パンク分けを(ノート
ナンバ,ベロシティ)の2次元空間上で行い、2次元空
間の各エリアを各バンクに対応させるようにしてもよ
い。
の一実施例による奏法対応入力システムで用いられる実
奏法パラメータの記憶形式の一例が示されており、音高
(Pitch)、音色(Timbre)、振幅(Am
p.)等の奏法パラメータが、単純な番号順に記憶され
ている。これらの奏法パラメータにおいて、パラメータ
種類「テンプレート」(“TM”)は、その値が時間的
に変化する時系列的なパラメータである。一方、パラメ
ータ種類「低周波発振器」(“LFO”)、「エンベロ
ープ発生器」(“EG”)、「オフセット」(“OS
T”)は、その値が時間的に変化しない固定的なパラメ
ータである。
ト」データを取得するためのフローである。ステップS
T1で各アコースティック楽器を各奏法で演奏したとき
の各楽音波形を入力し、ステップST2にて、各楽音波
形毎に時変動する音量エンベロープ、ピッチ、フォルマ
ント等を検出し、これらの検出データを所定のサンプリ
ング周期でサンプリングすることにより、そのまま、音
色用フィルタのカットオフ周波数やQ、ピッチ、振幅の
テンプレートを生成したり、加工ステップST3を経
て、人の手により若干の加工が施された同様のテンプレ
ートを生成する。このようにして、実際のアコースティ
ック楽器を良好に近似し得るテンプレートを生成するこ
とができる。
例における奏法アイコンと奏法パラメータとの関係が示
されており、各図において、奏法アイコンの下2段の各
パラメータにおける水平破線は、それぞれ、基準レベル
(即ち、振幅=0、音高=ノートナンバに対応する基準
ピッチ)を示している。
(Amp)パラメータ及び音高(pitch)パラメー
タとの関係を表わす。破線内に示される基準伸縮値のベ
ンドアップアイコンに対して、上段左右のようにアイコ
ン画像を横方向に縮小或いは伸長すると、これに応じて
振幅及び音高パラメータの時間変化は何れも図示のよう
に進遅し、ベンドアップスピードを増加或いは減少させ
る。また、下段左側のようにアイコン画像を縦方向に伸
長すると、これに応じて、図示のように、振幅パラメー
タは、変化量が増大するだけでなく、破線内に示される
基準アイコンに比べて大きく形状が変化し、また、音高
パラメータは、より低いスタート点から大きく増大する
ので、ベンドアップ深さは増大させられる。さらに、下
段右側のようにアイコン画像を縦横方向に伸長すると、
これに応じてパラメータは、図示のように、変化量も変
化の仕方も増大するが時間変化は緩慢になり、ベンドア
ップ深さを増大させベンドアップスピードを減少させ
る。
する時系列パラメータを横方向に縮小或いは伸長する場
合、次のような方法を採用することができる: (1)前述のサンプリング周波数を変化させる。即ち、
離散的に記憶されている時系列パラメータのパラメータ
間の時間間隔隔を変化させる。 (2)前述のサンプリング周波数はそのままとし、横方
向に縮小或いは伸長した場合の各サンプリングポイント
毎の新たなサンプル値を演算によって求める。ここで、
前者の場合は、波形メモリ方式の音源におけるピッチ同
期による波形サンプル値生成技術を応用し、後者の場合
は、波形メモリ方式の音源におけるピッチ非同期による
波形サンプル値生成技術を応用する(波形メモリのサン
プル値の代わりに、時系列パラメータのサンプル値を適
用する)ことにより、容易に実現可能である。
mp)パラメータ及び音高(pitch)パラメータと
の関係を表わしており、破線内に示される規準伸縮値の
ビブラートアイコンに対して、上段のようにアイコン画
像を横方向に伸長或いは縮小すると、これに応じてパラ
メータの上下動の回数が図示のように増加或いは減少
し、音をふるわせるサイクル数を増加或いは減少させ
る。一方、下段のようにアイコン画像を縦方向に伸長或
いは縮小すると、これに応じて、図示のように、両パラ
メータは共に増大或いは減少し、音をふるわせる度合い
を増大或いは減少させる。
る時系列パラメータを横方向に縮小或いは伸長する場
合、次のような方法を採用することができる: (1)伸長の場合は、時系列パラメータのうちの特定の
一部区間或いは全区間の先頭と末尾をそれぞれループス
タートポイント、ループエンドポイントとして設定し、
時系列パラメータの読出しがループエンドポイントに達
したらループスタートポイントに戻って読み出しを繰り
返す。 (2)縮小の場合は,時系列パラメータの途中で読み出
しを打ち切る。ここで、前者の場合は、波形メモリ方式
の音源におけるルーピング技術を応用することで容易に
実現可能である。
の構成を説明すると、試聴或いは演奏指令により、アイ
コン選択部25、編集値計算部27及びノート/ベロシ
ティ検出部28からのデータIP1,IV1,MP1或
いはデータ再生部31からのデータIP2,IV2,M
P2が図3の音源部に与えられると、原曲パラメータM
P1/MP2及び楽器の種類(図示せず)によって、与
えられたノート及びベロシティに合ったバンクの所定の
波形データMWが、波形メモリ32から波形バンク選択
部33を介して選択される。
bre)及び振幅(Amp.)の奏法パラメータを夫々
記憶した奏法パラメータメモリ34〜36には、それぞ
れ、アイコンパラメータ選択部37〜39が接続され
る。各アイコンパラメータ選択部37〜39は、アイコ
ン番号IP1/IP2に基づいて、選択されている奏法
アイコンに対応する音高・音色・振幅パラメータを全バ
ンク分抽出する。これに後置された各バンクパラメータ
選択部40〜42は、原曲パラメータMP1/MP2
(ノートナンバ及びベロシティ値)に基づいて、選択部
40〜42で抽出された全バンク分のパラメータから、
必要なバンクのパラメータのみを抽出する。そして、各
パラメータ修正部43〜45は、アイコン伸縮データI
V1/IV2に基づいて、選択部40〜41で抽出され
たパラメータを修正し、修正した音高・音色・振幅パラ
メータPP,PT,PAを、音高・音色・振幅合成(シ
ンセシス)部46〜48に夫々供給する。
MWは、そのピッチが音高合成(シンセシス)部46に
て音高パラメータPPにより制御され、続いて、その音
色が音色合成(シンセシス)部47にて音色パラメータ
PPにより制御され,さらに、その音量が振幅合成(シ
ンセシス)部48にて振幅パラメータPAにより制御さ
れ、サウンドシステム49から所望のアーティキュレー
ションが付与された演奏音が生成される。
イコンを一覧的に例示する図である。図12に示される
ように、この発明では、奏法アイコンは、演奏する楽器
の種類及びステートに対応して用意される。この際、共
通乃至類似のアーティキュレーションについては、1つ
の奏法アイコンが複数種類の楽器間で共有される。例え
ば、「クレッシェンド」、「デクレッシェンド」、「ビ
ブラート」等のアイコンは4つの楽器間で共有され、
「スタッカート」、「テヌート」、「スラー」等のアイ
コンはサックス及びバイオリンで共有される。従って、
アイコン操作は共通的になり容易になる。しかしなが
ら、同一の奏法アイコンを貼り付けても、楽器が異なれ
ば、演奏時に選択される奏法パラメータは異なるので、
楽器特有のアーティキュレーションが得られる。
なアーティキュレーションについては、奏法アイコンが
多種類用意される一方、演奏する楽器が持ち得ない不要
なアーティキュレーションについては、奏法候補アイコ
ンを表示しないようにしている。例えば、「サックス」
においては、「アタック」ステートで「ベンドアッ
プ」、「装飾音アップ」、「装飾音ダウン」等が表示さ
れるが、ギターやベースにおける「ハンマリングオ
ン」、「プリングオフ」等は表示されない。従って、演
奏される楽器に適したアーティキュレーションを効率的
に付与することができる。
ースステートについては、それぞれ、「ノーマル」奏法
アイコンがデフォルトで備えられており、ユーザがこれ
らのステートで何ら奏法アイコンを貼付け操作しない場
合には、「ノーマル」奏法アイコンが自動的に画面(図
4の3レイヤー表示モードでは第2レイヤーL2)上に
貼付けられ、伸縮編集可能である。また、演奏に際して
は、これらの「ノーマル」奏法に対応して予め定められ
たデフォルトパラメータが自動的に適用される。なお、
これらの「ノーマル」奏法アイコンは、実際には、ディ
スプレイ上に貼付け表示せずに済ますこともできる。
による奏法対応入力システムにより奏法アイコンを貼り
付けたときの演奏データ(演奏用シーケンスデータ)の
記憶形式の一例を示す。この例では、楽器種類はサック
スであり、時刻tn1=ta1〔なお、「tn1=ta
1」なる表記は、ノートとアーティキュレーションで時
刻データを共有していることを意味する。〕で、原曲音
符データMDの第1ノートがオンされる。これに続く3
行は、第1ノートに付加されたアタックステートの奏法
アイコン(具体的には、「浅く速いベンドアップ(図4
の“BI4”が対応)」)の貼付け開始位置に対応する
時刻tn1=ta1において、この奏法アイコンNO
(番号)及び第1ノートの音高(ノートナンバ)と演奏
強度(ベロシティ)に応じて選択される奏法パラメータ
を各合成部46〜48(図3)にセットして、対応する
アーティキュレーションを開始すべきことを指示する。
ここで実行されるアーティキュレーションは、第1ノー
トに貼り付けた奏法アイコンの伸縮編集により深さ(縦
方向)と長さ(横方向)が伸縮されるが、この例では、
各伸縮値=“1.0”(規準値)が記憶されており、伸
縮編集されておらず、貼り付けた奏法アイコンに対して
予め用意された初期値(既定値)がそのまま採用される
ことを示している。
指示される。時刻ta2及びこれに続くデータは、次の
奏法アイコン(リリースステートにおいて用意されてい
る複数の「ベンドダウン」候補アイコンの内の1つ)の
貼付け開始位置に対応する時刻ta2において、この奏
法アイコンNOに対応するアーティキュレーションを開
始すべきことを指示している。このアーティキュレーシ
ョンについては、図示の例では、スピードと深さが伸長
編集され、奏法アイコンの横方向伸縮値=“1.5”、
横方向伸縮値=“2.0”となっているので、貼り付け
た奏法アイコンの初期値を各伸縮値分だけ修正した奏法
パラメータが、各合成部46〜48にセットされ、相応
するアーティキュレーションが付与される。
2ノートについては、始めのアタックステートではユー
ザによるアイコン選択操作がなされていないので、自動
的に「ノーマル」アタックのアーティキュレーションが
施される。つまり、これに続く3行は、サックスの「ノ
ーマル」アタックのデフォルトされた時刻tn3に、デ
フォルトアイコンNOに対応する奏法パラメータを所定
の伸縮値(=“1.0”)でセットすべきことを指示す
る。
トにおける複数の「ビブラート」候補アイコンのうちの
「ビブラート長=1拍で浅いビブラート」アイコン)の
貼付け開始位置に対応する時点ta4から、この奏法ア
イコンNOに対応するアーティキュレーションを開始す
る旨が記憶される。このアーティキュレーションでは、
一旦貼り付られた「ビブラート長=1拍で浅いビブラー
ト」アイコンを横方向に「1.5」倍に伸長し縦方向に
「0.7」倍だけ短縮する編集がなされているので、演
奏に当っては、この奏法アイコンNOに対応する奏法パ
ラメータは、ビブラート回数が1.5倍に増えビブラー
ト深さが0.7倍の浅いものにパラメータ修正部46〜
48にて修正される。
が指示される。そして、次のリリースステートの奏法ア
イコンの貼付け開始位置に対応する時刻ta5から、こ
の奏法アイコンNOに対応するリリースアーティキュレ
ーションが、伸縮編集による修正なく、初期値(各伸縮
値=“1.0”)で実行すべきことが記憶される。以
下、同様のデータ配列が順次記憶されて、楽器毎の演奏
データ(演奏用シーケンスデータ)が構成される。
a1〜ta5については、微妙な奏法アイコン貼付け開
始位置をディスプレイ上で定めることが難しいので、実
際には、奏法アイコンのステートに応じた基準のタイミ
ングに自動決定される。例えば、アタックステートのア
イコンであればノートオンと同時とし、ボディステート
のアイコンなら、時系列的な奏法パラメータがノートオ
ンからノートオフの中間に位置するように、ノートオン
からノートオフの中間とし、リリースステートならば、
消音タイミング(ノートオフ指示により楽音のリリース
が開始され、その後、実質的に楽音の音量が「0」とな
ったタイミング)と同時に時系列的なパラメータが供給
し終えるようなタイミング(より具体的には、消音タイ
ミングよりも、横方向に伸縮された時系列パラメータの
長さ分だけ前のタイミング)とし、また、オールやジョ
イントのステートの奏法アイコンの場合には、選択され
た複数のノートにかかるようなタイミングとして、奏法
パラメータを音源の各処理ブロック43・46〜45・
48に供給する。
をユーザが微妙に調節できるようにしてもよい。なお、
上記の例ではアタックステートの奏法アイコンについて
はノートデータとタイミングが同じであったために両デ
ータで時刻データを共用していたが、各データに別個の
時刻データを付与してもよい。さらに、上述したように
奏法アイコン番号とその伸縮値をノートデータ中に埋め
込む方式に限らず、奏法アイコン番号とその伸縮値を実
際の奏法パラメータに展開した実パラメータをノートデ
ータ中に埋め込む方式としてもよい。このようにする
と、再生した演奏データを、奏法パラメータを記憶して
いない音源システムに供給した場合であっても、アーテ
イキュレーシヨンの付与された演奏が可能となる。ま
た、両方式の間でデータの変換ができるようにしてもよ
い。
5及び図16は、この発明の一実施例による奏法対応入
力システムにおける奏法アイコンの貼付け処理フローの
一例を示し、この処理フローでは、主として、図4や図
6の表示画面例1,2に示されるように、奏法アイコン
を楽譜のノート(音符)にドラッグして貼り付ける処理
が行われる。つまり、この処理フローは、図4の表示画
面例1の「3レイヤー貼付け」に示されるように、複数
のレイヤーを用いて五線譜とは別エリアに奏法アイコン
を多段で表示させたり、或いは、図6の表示画面例2の
「1レイヤー+従来表記」に示されるように、一部のア
ーティキュレーション(奏法)については五線譜面中に
従来タイプの表記記号で表示させたりするものである。
レイの表示画面(図4及び図6参照)上において、編集
対象となる原曲音符データMDの楽器パートに応じて楽
器種類タブを選択状態とする。例えば、楽器パートが
「サックス」であれば、図4及び図6の各表示例のよう
に、自動的に楽器種類タブを“Sax”として「サック
ス選択状態」とする。なお、楽器種類タブの自動選択に
代えて、マウスにて楽器種類タブをクリックすることで
選択状態としてもよい。次に、ステップS2に進むと、
所定のステート(アーティキュレーション状態)タブを
クリックすることによりステートを選択する。図4及び
図6の各表示例においては、“Atack”タブにより
「アタック」ステートが選択されている。
2で選択されたステートについて、ステップS1で選択
された楽器種類に属するアーティキュレーション(奏
法)種類タブのみが表示される。図4及び図6の各表示
例では、「サックス」の「アタック」ステートの奏法種
類タブとして.「ベンドアップ」、「装飾音アップ」、
「装飾音ダウン」、「グリッサンドアップ」、「グリッ
サンドダウン」のみが表示されており、ギターやベース
における「ハンマリングオン」、「プリングオフ」など
は表示されていない。
示されている奏法種類タブの中から所望の奏法種類を選
択する。図4及び図6の各表示例では、“BndUp”
タブのクリックにより「ベンドアップ」の奏法種類が選
択されている。ステップS5では、ステップS4で選択
された奏法種類に属する奏法アイコンが奏法アイコンウ
インドウ内に表示され、図4及び図6の各表示例では
「ベンドアップ」の奏法種類における4つのベンドアッ
プアイコンBI1〜BI4が表示されている。
コン中から何れかの奏法アイコンをクリックして所望の
アーティキュレーション(奏法)を選択し、ステップS
7にて、アーティキュレーションを付与すべき原曲音符
データMDの所定の音符に対応する画面上の所望位置
に、クリックした奏法アイコンをドラッグ&ドロップす
る。例えば、図4及び図6の例では、左端に表示されて
いる「深く遅いベンドアップ」アイコンBI1が選択さ
れ、原曲音符データの第1小節における先頭の音符(G
4)に対応した位置にドラッグ&ドロップする。この場
合、ドラッグ&ドロップする位置は、先に説明したよう
に、表示されている楽譜の音符上であっても、また、奏
法アイコンが属する何れかのレイヤー上の対応位置であ
ってもよい。
アイコンに対応するレイヤー上におけるアイコンドロッ
プ対応位置に当該奏法アイコンが表示され、図4の表示
例1のような「3レイヤー」表示モードでは、「ベンド
アップ」奏法が第2レイヤーL2に属するので、第2レ
イヤーL2上の対応位置に「深く遅いベンドアップ」ア
イコンBIdが表示される。さらに、図4を用いて既に
説明したように、装飾音符GIdについても第2レイヤ
ーL2上に表示され、また、クレッシェンドCIdは第
1レイヤーL1に、スラーは第3レイヤーL3に夫々表
示される。
ィスプレイ画面上の表示形態が図6の表示例2のような
「1レイヤー+従来表記」表示モードの場合には、括弧
書きで示すように、奏法アイコンによるアーティキュレ
ーション(奏法)を標準楽譜記号のような従来タイプの
表記記号により表現し得るものについては、五線譜上に
表示し、それ以外の記号のみレイヤーL上に表示する。
MDから、奏法アイコン(又は従来表記記号)の表示位
置に対応するノート(音符)が選択される。例えば、図
4及び図6に示されるベンドアップBId、装飾音アッ
プGIdのような「アタック」や「ボディ」、「リリー
ス」のステートについては、1音符が選択され、クレッ
シェンドCIdやスラーSIdのような「オール」や
「ジョイント」のステートについては、奏法アイコン
(又は従来表記記号)の横幅(例えば2拍長)に応じた
数の音符が選択される。
データMD中の選択されたノートの時間位置(時刻)に
応じてアイコン番号IP1及び伸縮値IV1(縦、横と
もに初期値の「1.0」)が求められ、シーケンスメモ
リ30に、前述の基準のタイミングに対応した時刻デー
タと共に記録される。ただし、この時間位置(時刻)
に、今回選択された奏法アイコンとは共存することがで
きないアイコンのアイコン番号が記録されている場合に
は、このアイコン番号を削除する。例えば、仮に「装飾
アップ」を示すアイコンと「装飾ダウン」を示すアイコ
ンのような同時には共存することができない同類の奏法
を表わすアイコンの場合には、記録されているアイコン
を削除し新たなアイコンが優先的に記録される。また、
削除されたアイコン番号のアイコンは、表示上からも削
除される。
又は複数のノートのデータが、図3に示される音源部に
供給される。つまり、ノートオンが供給された後、ノー
トオフまでの時間間隔をおいてノートオフが供給され
る。なお、選択された音符数が複数の場合には.その発
生タイミングと発生順序に従って、複数のノートオン、
ノートオフが供給される。
応じたタイミング(即ち、前述の基準のタイミング)
で、選択された奏法アイコンに対応し、ノートナンバと
ベロシティにより決定されるバンクの奏法パラメータを
読み出し、音源部の各処理ブロック43・46〜45・
48(図3)に供給する。例えば、選択された奏法アイ
コンがアタックステートならノートオンと同時、ボディ
ステートならノートオンからノートオフの中間(時系列
パラメータがノートオンからノートオフの中間に位置す
るように)、リリースステートなら消音タイミングと同
時に時系列パラメータが供給しおわるタイミングで、オ
ールやジョイントステートなら選択された複数のノート
にかかるように、奏法パラメータを音源の各ブロックへ
供給する。ステップS11、S12の処理により、奏法
アイコンを貼り付けた結果の楽音を試聴することができ
る。
集)サブルーチンである。試聴の結果、アーティキュレ
ーションについて多少の修正をしたいのであれば奏法ア
イコンの修正をすることができ、図17を用いて後で詳
述されるアイコン修正サフルーチンが実行される。試聴
の結果、大幅にアイコン修正をしたいのであれば、更に
次のステップS14において、別の奏法アイコンを選択
する。或いは、他の音符について奏法アイコンを貼り付
けたいのであれば、このステップS14で、他の音符に
ついて、別の奏法アイコン又は同じ奏法アイコンを選択
する。そして、ステップS6に戻り、ステップS6〜S
14の処理を繰り返す。
キュレーションを適用して、更に大幅に修正をしたいの
であれば、ステップS15に進んで、別の奏法種類タブ
を選択する。或いは、他の音符について別の奏法種類の
奏法アイコンを貼り付けたいのであればこのステップS
15にて別の奏法種類タブを選択する。そして、ステッ
プS4に戻り、ステップS4〜S15の処理を繰り返
す。
音符の別のステートの奏法アイコンを貼り付けたいので
あれば、ステップS16に進んで、別のステートタブを
選択する。例えば、「アタック」の後、ボディを選択す
る。そして、ステップS2に戻り、ステップS2〜S1
6の処理を繰り返す。各ステートについて必要なアーテ
ィキュレーションの設定が全て完了すると、ステップS
17に進む。ステップS17で処理を終了しない場合に
は、ステップS13に戻ってステップS13〜S17の
処理を繰り返し、処理を終了するのであれば一連の処理
を抜ける。
17には、この発明の一実施例による奏法対応入力シス
テムにおけるアイコン修正(編集)処理ルーチンの一例
が示されている。この処理ルーチンでは、ディスプレイ
の各レイヤー上に貼り付けられた奏法アイコンの画像を
左右乃至上下方向に伸縮することによりアーティキュレ
ーションの深さ及び長さ(スピード)を修正する処理が
行われる。
上の奏法アイコン(「レイヤー+従来表記」表示モード
における標準楽譜記号を含む)に対して伸縮操作がある
か否かが判断され、伸縮操作がない場合には直ちに処理
を終了する。一方、アイコンの伸縮操作があれば、その
種類を判別する。例えば、奏法アイコンの上端/下端を
クリックした後上下方向にドラッグした場合は上下方向
にアイコンが伸縮され、アイコンの右端/左端をクリッ
クした後左右方向にドラッグした場合は左右方向にアイ
コンが伸縮される。また、奏法アイコンの何れかの角を
クリツクした後斜め方向にドラツグした場合には、上下
方向、左右方向共にアイコンが伸縮される。
場合には、ステップS22に進んで、縦方向のアイコン
伸縮値を求める。一方、奏法アイコンが左右方向に伸縮
操作された場合には、ステップS23に進んで、横方向
のアイコン伸縮値を求める。また、奏法アイコンが左右
及び上下両方向に伸縮操作された場合には、ステップS
24に進んで、横方向のアイコン伸縮値及び縦方向のア
イコン伸縮値を求める。
を求める処理を終えると、ステップS25に進み、演奏
データ中のアイコン伸縮値を修正し、ステップS26,
S27へと進んでいく。ステップS26では、伸縮操作
されたアイコンに対応した1つ乃至複数のノートを選択
し、ステップS11と同様に、選択された1又は複数の
ノートのデータが、図3に示される音源部に供給され、
ステップS27では、ステップS12と同様に、ステー
トに応じたタイミングで、選択された奏法アイコンに対
応し、ノートナンバとベロシティにより決定されるバン
クの奏法パラメータを読み出し、アイコン伸縮値ととも
に、音源部の各処理ブロック43・46〜45・48
(図3)に供給する。
説明では、マウスを用いて奏法アイコンを選択し選択さ
れた奏法アイコンを伸縮する編集を行うものであった。
しかしながら、操作が容易なアイコン切換えスイッチを
設けておき、上述の奏法アイコンの選択及び編集に相当
する情報を、アイコン切り換えスイッチを用いてアルタ
イムに入力することによって、原曲音符データと共にリ
アルタイムで入力することにより、リアルタイム演奏に
対応したアーティキュレーシヨン演奏を合成することが
できる。
この発明によると、原曲音符データを図形的に表示する
一方、原曲音符データに対して付加される表現データを
表わし複数種類の楽器間で共有が許される奏法アイコン
を、表現データを付与すべき楽器に応じて表示し、表示
された原曲音符データに対して奏法アイコンを貼り付
け、貼り付けられた奏法アイコンに対応して楽器毎の表
現データを原曲音符データに付与し楽器毎の演奏データ
を生成するようにしている。それ故、原曲音符データに
種々のアーティキュレーションを付与するに当り、アー
ティキュレーションのそれぞれを「アイコン」という形
で予め登録しておき、ディスプレイに表示される原曲音
符データの楽譜上にこれらのアイコンを貼り付けていく
という極く簡単な操作を行うだけで、所望のアーティキ
ュレーションを高品位にしかも効率よく合成することが
できる。
乃至同類のアーティキュレーションについては、複数種
類の楽器で1つの奏法アイコンを共有するので、奏法ア
イコンの操作を容易にして作業効率を向上することがで
き、同じ奏法アイコンを貼り付けても演奏に際しては、
貼り付けたパートの楽器に応じてその楽器特有のアーテ
ィキュレーションが原曲音符データに付与されるので、
高品質の演奏表現を得ることができる。さらに、奏法ア
イコンを貼り付けた演奏データを記憶するのにアイコン
番号を用いるので、記憶方法を簡便にすることができる
と共に、貼り付けるパートの楽器に応じた奏法アイコン
のみを表示するので、演奏される楽器に適したアーティ
キュレーションを効率的に付与することができる。
力システムのハードウエア構成を示すブロック図であ
る。
力システムの機能的ブロック図の一部である。
力システムの機能的ブロック図の他部である。
の一例を示す図である。
コンの伸縮編集を説明するための図である。
の他の例を示す図である。
メータの階層構造の一例を示す図である。
ラメータを説明するための図である。
メータのテンプレート生成フローを表わす図である。
アイコンと奏法パラメータとの関係の一例を示す図であ
る。
アイコンと奏法パラメータとの関係の他の例を示す図で
ある。
毎に用意される奏法アイコンの一例を示す図である。
アイコン貼付け時の演奏データの記憶形式の一例を示す
図の一部である。
アイコン貼付け時の演奏データの記憶形式の一例を示す
図の他部である。
イコン貼付け処理フローを示す図の一部である。
イコン貼付け処理フローを示す図の他部である。
コン修正(伸縮編集)処理ルーチンを示す図である。
ー、 BI1〜BI4 奏法(ベンドアップ)候補アイコン、 CId,BId,GId,SId 貼り付けられた奏法
アイコン、 CSd,SSd 従来タイプの標準楽譜記号。
Claims (5)
- 【請求項1】原曲音符データを図形的に表示する音符表
示手段と、 前記原曲音符データに付加される表現データを表わし複
数種類の楽器間で共有が許される奏法アイコンを、表現
データを付与すべき演奏楽器に応じて表示するアイコン
表示手段と、 表示された原曲音符データに対して奏法アイコンを貼り
付ける手段と、 貼り付けられた奏法アイコン及び演奏楽器に応じて演奏
楽器特有の表現データを原曲音符データに付与し演奏楽
器毎の演奏データを生成する手段とを備えることを特徴
とする奏法対応入力システム。 - 【請求項2】さらに、原曲音符データ及びこの原曲音符
データに貼り付けられた奏法アイコンを表わすデータか
ら成る演奏用シーケンスデータを記憶する手段を備え、
この演奏用シーケンスデータに基づいて演奏楽器毎の演
奏データを生成することを特徴とする請求項1に記載の
奏法対応入力システム。 - 【請求項3】アイコン表示手段は演奏楽器に適用可能な
表現データを表わす奏法アイコンのみを表示することを
特徴とする請求項1又は2に記載の奏法対応入力システ
ム。 - 【請求項4】前記演奏楽器特有の表現データは、演奏楽
器の楽音波形を分析して得た時系列的な楽音パラメータ
であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に
記載の奏法対応入力システム。 - 【請求項5】原曲音符データを図形的に表示するステッ
プと、 前記原曲音符データに付加される表現データを表わし複
数種類の楽器間で共有が許される奏法アイコンを、表現
データを付与すべき演奏楽器に応じて表示するステップ
と、 表示された原曲音符データに対して奏法アイコンを貼り
付けるステップと、 貼り付けられた奏法アイコン及び演奏楽器に応じて演奏
楽器特有の表現データを原曲音符データに付与し演奏楽
器毎の演奏データを生成するステップとから成るプログ
ラムを記録したことを特徴とする奏法対応入力システム
のための記録媒体。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02085099A JP3700442B2 (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 奏法対応入力システム及びその記録媒体 |
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DE60024157T DE60024157T2 (de) | 1999-01-28 | 2000-01-21 | Vorrichtung und Verfahren zur Eingabe eines Vortragstils |
US09/489,431 US6798427B1 (en) | 1999-01-28 | 2000-01-21 | Apparatus for and method of inputting a style of rendition |
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1999
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