JP3721822B2 - 奏法対応入力システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、奏法対応入力システムに関する。この発明は、より詳細には、原曲音符データに対しアイコンを用いてアーティキュレーション(articulation)を入力する対話形奏法対応入力システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
楽器を実際に演奏する際には、例えば、「ベンドアップ」によりピッチ(音高)を原音の下から上に高めて行く演奏をしたり、「装飾音」で原音に飾りを付けたり、「ビブラート」で音をふるわせたり、「レガート」で滑らかに音を繋げる等々、種々の奏法が採用されている。従来技術においては、このような奏法を実現するために、例えばMIDI形式のホワイトデータに対して、このような奏法を表わすアーティキュレーションデータを、各奏法毎に、所定時間分だけ細かい時間単位で、順次、書き込んでいくという作業を行っており、膨大な労力を要していたにも拘わらず、リアリティーのあるアーティキュレーションを高品位にかつ効率よく合成することができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、アーティキュレーションに対応する奏法アイコンを用い、原曲データに対してアコースティック楽器の同等な高品質演奏表現を与えて、リアリティーのあるアーティキュレーションを、高品位にしかも効率よく合成することができる奏法対応入力システムを提供することを主たる目的とし、特に、所望のアーティキュレーションを付与するための奏法アイコンを変形することにより任意の度合いのアーティキュレーションを効率的に付与することができる奏法対応入力システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の主たる特徴に従うと、原曲データ及び奏法アイコンを画面に表示する表示手段と、画面上の原曲データに対して奏法アイコンを貼り付ける貼付け手段と、貼り付けられた奏法アイコンに対応するアーティキュレーションを表わす表現データを原曲データに付加するデータ付加手段と、貼り付けられた奏法アイコンを変形する変形手段と、変形された奏法アイコンの形状に応じて、原曲データに付加される表現データによるアーティキュレーションの度合いを制御する制御手段とを備え、画面には、原曲データが表示される原曲表示エリアに並行して複数のレイヤーが設けられており、表示手段は、貼付け手段により貼り付けられた奏法アイコンを、当該奏法アイコンの種類に対応するレイヤーに表示する奏法対応入力システム〔請求項1〕が提供される。
【0005】
この発明による奏法対応入力システムにおいて、変形手段は奏法アイコンを横方向に伸縮させ、制御手段は、奏法アイコンの横方向の変形に応じて、原曲データに付加される表現データによるアーティキュレーションを時間方向に調節する〔請求項2〕ように構成することができ、変形手段は奏法アイコンを縦方向に伸縮させ、前記制御手段は、奏法アイコンの縦方向の変形に応じて、原曲データに付加される表現データによるアーティキュレーションの掛かり具合を調節する〔請求項3〕ように構成することができ、或いは、変形手段は奏法アイコンを横及び縦方向に伸縮させ、制御手段は、奏法アイコンの横及び縦方向の変形に応じて、原曲データに付加される表現データによるアーティキュレーションの時間方向の調整及び掛かり具合の調整を行う〔請求項4〕ように構成することができる。また、表現データは、演奏楽器の楽音波形を分析して得た時系列的な楽音パラメータを含む〔請求項5〕ように構成することができる。
【0006】
〔発明の作用〕
この発明による奏法対応入力システムでは、奏法を表わす種々のアーティキュレーションを原曲データに付与するに当って、単に各アーティキュレーションを示す楽譜記号を用意しておくだけでなく、アーティキュレーションのそれぞれを「奏法アイコン」と呼ばれる変形可能なアイコンという形で予め登録しておき、原曲データ及び奏法アイコンをディスプレイの画面に表示し、表示された原曲データの楽譜上に奏法アイコンを貼り付けていくという極く簡単な操作を行うだけで、所望のアーティキュレーションを高品位にしかも効率よく合成することができる。また、画面上の原曲データに対して奏法アイコンを貼り付けた後、貼り付けられた奏法アイコンを変形することにより、原曲データに付与されるアーティキュレーションの度合いを繊細且つ任意に制御することができるので、高品位のアーティキュレーションが効率良く得ることができる。つまり、通常、同一種のアーティキュレーションについて、異なるサイズの複数の奏法アイコンが候補アイコンとして提示され、この内1つの奏法アイコン選択するが、その際、所望の度合いのアーティキュレーションが得られない場合には、この発明による奏法アイコン変形を用いることにより、候補アイコンの各サイズ間の補間を簡単に行うことができるのである。
【0007】
さらに、この発明の主たる特徴によれば(請求項1)、画面には、原曲データが表示される原曲表示エリアに並行して複数のレイヤー(L1〜L3)が設けられ、これらのレイヤーにはそれぞれ特定された種類の奏法アイコンが割り当てられており、貼り付けられた奏法アイコンをその種類に対応するレイヤーに表示するようにしている。これにより、ユーザが奏法アイコンを選択して貼り付ける操作を行うと、当該奏法アイコンがその種類に対応するレイヤーに貼り付け表示されるので、ユーザは、各レイヤーへの奏法アイコンの貼付け表示から、原曲データに対する各アーティキュレーションの付与状態を容易に認識することができ、高品位のアーティキュレーションを更に効率良く得ることができる。
【0008】
この発明の奏法対応入力システムにおいて、アイコンの伸縮による変形は、具体的には、マウスにより奏法アイコンを横方向、縦方向或いは縦横両方向に簡単に変形することができる(請求項2〜4)。そして、奏法アイコンを横方向に変形したときはアーティキュレーションは時間方向に調節され、縦方向に変形するとアーティキュレーションの掛かり具合が調節され、縦横両方向に変形した場合には、アーティキュレーションの時間方向の調整及び掛かり具合の調整が同時に行われるというように、アイコン変形に応じてアーティキュレーション特性を効果的に制御することができる。また、アーティキュレーションを表わす表現データには、演奏楽器の楽音波形を分析して得た時系列的な楽音パラメータを用いることができる(請求項5)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0010】
〔ハードウエア構成〕
図1を参照すると、ここには、この発明の一実施例による奏法対応入力システムのハードウエア構成のブロック図が示されている。この例では、システムは、中央処理装置(CPU:central processing unit )1、タイマ2、読出専用メモリ(ROM:read only memory)3、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)4、第1の検出回路5、第2の検出回路6、表示回路7、音源回路8、効果回路9、外部記憶装置10、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)インターフェイス(I/F)11及び通信インターフェイス12等を備え、これらの装置はバス13を介して互いに接続される。
【0011】
システム全体を制御するCPU1は、割込み処理に利用されるテンポクロックを発生するタイマ2を具備しており、所定のプログラムに従って種々の制御を行い、特に、後述する楽曲データ生成の機能を中枢的に遂行する。ROM3には、このシステムを制御するための所定の制御プログラムが記憶されており、これらの制御プログラムには、基本的な演奏情報処理と共に、この発明によるアーティキュレーション入力に関する各種処理プログラム及びデータを含ませることができる。RAM4は、これらの処理に際して必要なデータやパラメータを記憶し、また、各種レジスタやフラグ、処理中の各種データ等を一時記憶するためのワーク領域として用いられる。
【0012】
また、第1及び第2の検出回路5,6には、鍵盤14やスイッチ操作盤15が接続され、表示回路7にはディスプレイ16が接続され、効果回路9には、音源回路8からの演奏データに基づく楽音を放音することができるように、サウンドシステム17が接続されている。スイッチ操作盤15は、実演奏操作用の各種スイッチの外に、キーボードやマウス等、この発明による奏法対応入力システムの操作及び処理に必要な各種入力スイッチ類を備え、各種の指示、選択、データ入力等々の入力操作を行うことができる。
【0013】
外部記憶装置10には、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive )、フロッピーディスクドライブ(FDD:Floppy Disk Drive )、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory )ドライブ、光磁気(MO:Magneto-Optical )ディスクドライブ、DVD(Digital Video Disk)形ディジタル多目的ディスクドライブ等々、種々ある記憶装置のうちから、必要に応じて一つ又は複数の記憶装置が使用される。外部記憶装置8の記憶媒体には、この発明に用いられる種々の原曲音符データや、アーティキュレーションが付与された楽曲データを、例えば、MIDIフォーマットに従って記憶することができる。
【0014】
これらの装置1〜17によるシステムは、電子楽器の形態を採ることができるが、これに限らず、パソコン+アプリケーションソフトウェアの形態でもよい。アプリケーンョンソフトウェアは、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の外部記憶装置の記憶媒体に記憶させ、パソコンに供給するようにしてもよいし、後述するように、ネットワークを介して供給するようにしてもよい。また、カラオケ装置に用いる楽曲データの作成等の機器にも適用できる。さらには、自動演奏ピアノに適用してもよい。
【0015】
電子楽器の形態を取った場合、その形態は図1のような鍵盤楽器に限らず、弦楽器タイプ、管楽器タイプ、打楽器タイプ等の形態でもよい。また、音源装置、自動演奏装置等を1つの電子楽器本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別体の装置であり、MIDIや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するものであってもよい。
【0016】
この発明のシステムでは、さらに、バス13にMIDIインターフェイス(MIDI I/F)11及び通信インターフェイス12が接続され、他のMIDI機器18とMIDI形式の演奏データ等を授受することができ、また、通信ネットワーク19を介してサーバコンピュータ20と通信することができる。なお、MIDIインターフェースについては、専用のMIDIインターフェースに限らず、RS−232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインターフェースを用いてMIDIインターフェースを構成してもよい。この場合、MIDIメッセージ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。
【0017】
〔アーティキュレーション設定及び演奏データ生成の概略〕
さて、図2及び図3には、この発明の一実施例の奏法対応入力システムにより実行されるアーティキュレーション設定並びに演奏データ生成の概略的手法を機能的に表わすブロック図が示されており、図2が主としてデータ入力部を構成し、図3が主として音源部を構成する。この発明の実施例による手法をこの機能的ブロック図に従って説明すると、データ入力装置21は、外部記憶装置10、MIDIインターフェイス11、鍵盤14、スイッチ操作子15等から成り、主として鍵盤やMIDI機器等から原曲音符データ(ホワイトデータ)が入力される。この原曲音符データはディスプレイ16の画面上に楽譜(チャート)として表示されるが、これに対して、主としてスイッチ操作子15のキーボード乃至マウスを操作することによって、所定のアーティキュレーションを指示し、指示されたアーティキュレーションに対応する奏法アイコンを操作して楽譜にアイコンを貼り付けることができる。
【0018】
データ入力装置21からの各種入力データは、入力/命令変換部22により解読され、ノート(音符、音高)やベロシティ(演奏強度)を含む原曲音符データ(ホワイトデータ)MD、選択された楽器の種類(サックス、ギター等)やアーティキュレーションの状態(アタック、ボディ等のステート)と種類(ベンドアップ、グレースアップ等)を含むアーティキュレーション指示データAR、奏法アイコン画像に加えられるアイコン画像操作データIM等に分けられ、チャートビューワ23を介してディスプレイ24(図1では16)の画面上に、原曲楽譜(ホワイトデータ)画像やアーティキュレーション設定用画像を表示するのに用いられる。
【0019】
アーティキュレーション指示データARは、また、アイコン選択部25に入力され、これにより、RAM4(又はROM3)内のアーティキュレーション選択データ格納部26に予め記憶されているアイコン番号・楽譜記号から、データARにより指示された内容に対応する奏法アイコン乃至標準楽譜記号が選択される。この奏法アイコンの選択は、図2に示されているように、アーティキュレーション指示データARの内容に応じて、まず、全奏法アイコンの中から楽器の種類に対応する楽器対応奏法アイコン群が選択され、次に、この楽器奏法アイコン群の中からアーティキュレーション状態(ステート)に対応するステート対応奏法アイコン群が選択され、さらに、この状態奏法アイコン群の中からアーティキュレーション種類に対応する奏法アイコンが選択され、チャートビューワ23を介しディスプレイ24上には、このような選択状態及び現在選択可能な奏法アイコンが表示される。
【0020】
〔画面表示例1=3レイヤー貼付け〕
図4は、この発明の一実施例による奏法対応入力システムにおける表示画面の一例を示す。この画面表示例1においては、画面の下部が奏法アイコンウインドウになっており、画面の上部に原曲音符データMDに対応する楽譜(ホワイトデータ)が表示される。この楽譜の両側には、奏法アイコンを表示するための領域として、上側に第1及び第2レイヤーL1,L2が設けられ、下側に第3レイヤーL3が設けられ、後述するにように「3レイヤー貼付け」表示モードと呼ばれる。各レイヤーに貼付け可能な奏法アイコンの割当ての例を挙げると次のとおりである:
第1レイヤー(L1)=クレッシェンド、デクレッシェンド、
第2レイヤー(L2)=ベンドアップ、装飾音アップ/ダウン、クロマティックアップ/ダウン、グリスアップ/ダウン、スタッカート、デタッシュ、ビブラート、ベンドダウンアップ“タウア”、ショートカット、ミュート、ベンドダウン、
第3レイヤー(L3)=テヌート、スラー、ハンマリングオン、プリングオフ、スライドアップ。
【0021】
この画面表示例1では、楽譜データの第1小節においては、先頭の音符に対し「ベンドアップ」のうちの1つが第2レイヤーL2に貼り付けられ、第1小節全体に滑らかに演奏させる「スラー」アイコンが第3レイヤーL3に貼り付けられている。また、第2小節目においては、先頭の音符に対し「装飾音符(2音アップ)」アイコンが第2レイヤーL2に貼り付けられ、第2小節全体について、次第に音を大きくする「クレッシェンド」アイコンが第1レイヤーL1に貼り付けられている。
【0022】
また、奏法アイコンウインドウについては、一番外側のウインドウは、「サックス(Sax)」、「ギター(Guitr=Guiterの略)」、「ベース(Bass)」、「バイオリン(Violn=Violinの略)」等の楽器種類を表わし、対応する表記がなされたタブをクリックすることによって、何れかの楽器種類を選択することができ、図4は、現在「サックス」(Saxで表記)」が選択されていることを表示している。2番目のウインドウは、「アタック(Atack=Attackの略)」、「ボディ(Body)」、「 リリース(Reles=Releaseの略)」、「オール(All)」、「ジョイント(Joint)」等のアーティキュレーション状態即ちステートを表わし、タブをクリックすることで何れかのステートが選択可能であり、現在「アタック」(Atackで表記)」のステートを選択中であることが表示されている。
【0023】
そして、最も内側のウインドウが、「ベンドアップ(BndUp=Bend Up の略)」、「装飾音アップ(GrcUp=Grace Tone Up の略)」、「装飾音ダウン(GrcDn=Grace Tone Down の略)」、「グリッサンドアップ(GlsUp=Glissando Upの略)」、「グリッサンドダウン(GlsDn=Glissando Downの略)」等の奏法種類を表わすウインドウであり、タブをクリックすることによって、何れかの奏法種類を選択することができる。
【0024】
各奏法ウインドウ内には、所定の深さ(値ともいう。)及び長さ(スピード、時間ともいう。)をもつアーティキュレーションを表わす奏法候補アイコンが複数種表示されており、アイコン画像の上下方向及び左右方向の大きさは、アーティキュレーションの深さ及び長さに対応している。そこで、ユーザは、これらの奏法候補アイコンの中から適当なアイコンを選択することにより所望の深さと長さのアーティキュレーションを楽譜に付与することができる。
【0025】
図4においては、現在「ベンドアップ(BndUpで表記)」が選択されており、奏法種類ウインドウ内には、レイヤー番号“L2”に続いて、左から、「深く遅い」、「浅く遅い」、「深く速い」、「浅く速い」ベンドアップを夫々表わす4つのベンドアップ候補アイコンBI1〜BI4が第2レイヤー“L2”に奏法アイコンとして貼付け可能である旨表示されている。
【0026】
例えば、原曲音符データに対してアーティキュレーションARを指示すべく、図4のように、楽器“Sax”を選択した状態において、楽譜データの第1小節の先頭音符(G4)に対して「深く遅いベンドアップ」を付与したい場合には、まず、ステート“Atack”をクリックした上、奏法“BndUp”をクリックする。これによって、奏法アイコンウインドウには、4つのベンドアップ候補アイコンBI1〜BI4が表示される。そこで、最も左側の「深く遅い」ベンドアップ候補アイコンBI1をマウスでクリックしたまま、楽譜データの第1小節の先頭音符(G4)の位置にまでドラッグ&ドロップすると、図4に示すように、第2レイヤーL2の第1小節先頭音符(G4)に対応する位置に「深く遅い」ベンドアップアイコンBIdが貼り付けられる。
【0027】
さらに、楽譜データの第2小節の先頭音符(B♭4)に対して「装飾音符(2音アップ)」を付与したい場合には、まず、奏法“GrcUp”をクリックすると奏法アイコンウインドウに複数種の装飾アップアイコン(図示せず)が表示される。そこで、これらの装飾アップアイコンの中から「2音」アップの装飾アップアイコンを選択してこれをクリックし、楽譜データの第2小節の先頭音符(B♭4)の位置までドラッグ&ドロップすると、図4に示すように、第2レイヤーL2の第2小節先頭音符(B♭4)に対応する位置に所望の「2音アップ」装飾アップアイコンGIdが貼り付けられる。
【0028】
また、「レガート」を付与する場合には、ステート“Joint”をクリックした上奏法タグ“Legat”(“Joint”ステート内の奏法のため図4には示されていない)をクリックすると、奏法アイコンウインドウ“Slur”(図示せず)が現われ、このウインドウ“Slur”内には何種類かのスラー候補アイコンを表示されるので、所望のスラーアイコンをクリックしたまま、楽譜上の付与したい区間にドラッグ&ドロップすることによって、図4に示すように、第3レイヤーL3の対応する区間位置に所望のスラーアイコンSIdを貼り付けることができる。
【0029】
さらに、「クレッシェンド」を付与する場合には、ステート“All”をクリックした上奏法タグ“Crscn”(“All”ステート内の奏法のため図4には示されていない)をクリックすると、奏法アイコンウインドウ“Crscn”(図示せず)には、音を増大させるダイナミックレンジと長さに応じた何種類かのクレッシェンド候補アイコンが表示されるので、この中から所望のクレッシェンドアイコンをクリックし、楽譜上の付与したい区間にドラッグ&ドロップすることによって、図4に示すように、第1レイヤーL1の対応する区間位置に所望のクレッシェンドアイコンCIdを貼り付けることができる。
【0030】
〔奏法アイコンの伸縮編集〕
このようにして貼り付けられる各アイコンBId,GId,SId,CIdが表わすアーティキュレーションは既定の深さと長さ(スピード)を備えているが、この深さ及び長さは、ユーザにより各アイコンBId,GId,SId,CIdの画像を上下乃至左右方向に伸縮操作することによって、任意の値に編集することができる。
【0031】
例えば、画面上に既に貼り付けた奏法アイコンの左右の外枠又は端部をマウスでクリックオンしながら左右に移動させると、アイコン画像の横幅が伸縮させられ、これにより、アイコンが表わすアーティキュレーションの長さ(スピード)を変化させることができる。また、奏法アイコンの上下の外枠又は端部をマウスでクリックオンしながら上下に移動させると、アイコン画像の縦幅を伸縮させ、アーティキュレーションの深さを変化させることができる。さらに、奏法アイコンの角部(四隅)をマウスでクリックオンしながら上下左右に斜め移動させると、アイコン画像の縦横幅を伸縮させ、アーティキュレーションの深さと長さを同時に変化させることができる。
【0032】
図4の例に基づいて説明すると、レイヤーL2に最初に貼り付けられたベンドアップアイコンBIdは、奏法アイコンウインドウ内の最も左側に表示されている「深く遅い」ベンドアップアイコンBI1に対応するものとしたが、図5に示すように、アイコンBIdの上端又は下端をマウスでアイコン内側方向にドラッグしてアイコン画像を上下方向に縮めることによって、初期ベンド深さをもっと浅くして奏法アイコンウインドウ内の左から2番目の「浅く遅い」ベンドアップアイコンBI2に近づくようにすることができる。
【0033】
また、貼り付けた「深く遅い」ベンドアップアイコンBIdの左端又は右端をマウスでアイコンの内側方向にドラッグしてアイコン画像を左右方向に縮めることによって、アーティキュレーションの長さ(スピード)をもっと速くして奏法アイコンウインドウ内の左から2番目の「深く速い」ベンドアップアイコンBI3に近づくようにすることができる。さらに、アイコンBIdの外枠の角部をアイコンの内側方向にドラッグしてアイコン画像を左右、上下両方向に縮めることによって、ベンドアップのスピードを速めると同時に初期ベンド深さを浅くして奏法アイコンウインドウ内の最も右側の「浅く速い」ベンドアップアイコンBI4に近づくようにすることができる。
【0034】
なお、図5では、アイコンの縦や横方向の伸縮に応じてアイコン画像中の図形の形状も変化するようにしているが、図形の形状はそのままで、アイコン画像の外枠の大きさのみを伸縮させるようにしてもよい。また、アイコンの伸縮可能範囲には所定の上下限があってもよい。例えば、「深く遅い」アイコンは「深く速い」アイコンの速さ(横方向範囲)以上には縮めることができないようにしてもよい。
【0035】
〔画面表示例2〕
図6は、この発明による一実施例の奏法対応入力システムにおける表示画面の他の例を示す。この画面表示例2においては、奏法アイコンを表示するための領域が原曲音符データ表示域の一方側に1レイヤーだけ設けられ、一部のアーティキュレーション(奏法)についてはアイコンではなく従来形の表記が採用され、「1レイヤー+従来表記」表示モードと呼ばれる。
【0036】
この表示モードでは、図4の画面表示例1のような「3レイヤー貼付け」時に比べると、第1及び第3レイヤーL1,L3がなくなり、代わりに、第1及び第3レイヤーL1,L3に表示されていた「クレッシェンド」アイコンCId及び「スラー」アイコンSIdが、アーティキュレーション選択データ格納部26の標準楽譜記号を参照することにより、原曲楽譜中に従来表記CSd,SSdで表示される。しかしながら、その他の点は、「3レイヤー」表示モードと格別相違するところはない。なお、第1又は第3レイヤーに貼付け可能として先に例示した奏法は、全て従来表記に代えることができ、また、第2レイヤー(L2)に貼付け可能な「装飾音アップ/ダウン」、「クロマティックアップ/ダウン」、「グリスアップ/ダウン」、「スタッカート」、「デタッシュ」等も、従来表記を採用することができる。
【0037】
〔入力データの試聴及び記録〕
このように、奏法アイコンを原曲音符データMDに貼り付けることによってアーティキュレーションデータ指示データARが与えられ、また、貼り付けられた奏法アイコン画像を上下乃至左右方向に伸縮することによってアイコン画像操作データIMが与えられると、図2に示すように、アイコン選択部25により、画面上で貼付けがなされた奏法アイコンに対応してアイコン番号IP1が選択されると共に、アイコン編集値計算部27によって、アイコンの伸縮編集によるアイコン伸縮値(編集値)IV1が計算される。また、ノート/ベロシティ検出部28からは、入力された原曲音符データMDのノート(音符)及びベロシティを表わす原曲パラメータMP1が得られる。
【0038】
これらのデータIP1,IV1,MP1は、データ記録部29を介し、原曲音符データの進行に合わせてシーケンスメモリ30に演奏用シーケンスデータとして記録され、メモリ30に記録された演奏用シーケンスデータ(IP2,IV2,MP2)は、必要に応じてデータ再生部31より再生することができる。従って、アイコン番号IP1を選択しアイコン画像を伸縮値IV1で編集して試聴ボタン(図示せず)を操作することにより、アーティキュレーション設定編集中の楽曲の内容を図3に示される音源部から発生させてこれを試聴することができる。また、アーティキュレーション設定が完了した場合には、シーケンスメモリ30に記憶されたアイコン番号IP2、アイコン伸縮値IV21に基づいてアーティキュレーションが付加された楽曲を図3の音源部を介して発生させることができる。
【0039】
〔奏法パラメータの階層構造〕
図7には、この発明の一実施例による奏法対応入力システムで用いられる奏法パラメータの階層構造の一例が、図4及び図6と同様に、タグ付きフォルダの形式で示されている。奏法パラメータは、「サックス(Sax)」、「ギター(Guitr)」、「ベース(Bass)」、「バイオリン(Violn)」等の楽器種類に大きく分類され、次いで、各楽器種類の中は、「アタック(Atack)」、「ボディ(Body)」、「 リリース(Reles)」、「オール(All)」、「ジョイント(Joint)」等のステートに分類されている。さらに、各ステートの中は、楽器種類及びステートに応じて、複数の奏法種類に分類されており、例えば、「サックス」の「アタック」ステートでは、図7に示されるように、「ベンドアップ(BndUp)」、「装飾音アップ(GrcUp)」、「装飾音ダウン(GrcDn)」、「グリッサンドアップ(GlsUp)」、「グリッサンドダウン(GlsDn)」等の奏法種類が分類されている。
【0040】
各奏法種類の中は、アイコン番号が夫々付けられた複数の奏法アイコンに分類されており、例えば、図4及び図6のベンドアップアイコンBI1〜BI4は、図7の奏法アイコンタブ“BndUp #000”〜“BndUp #003”に対応する。各奏法アイコンの中は、複数のノートナンバ(ノートナンバグループ)に分類され、1つの奏法の中でノートナンバによるバンク分けがなされている。さらに、各ノートナンバ(ノートナンバグループ)の中は、複数のベロシティ(ベロシティグループ)に分類され、ベロシティによるバンク分けがなされている。そして、各ベロシティの中に、テンプレート(TM)、低周波発振器(LFO)、エンベロープ発生器(EG)、オフセット(OST)等のパラメータ種類毎に、実奏法パラメータへのポインタが記憶されており、バンク毎にどの奏法パラメータを使用するかをポインタで示すようにしている。
【0041】
なお、奏法パラメータの階層構造は、図7の示される構造に限らない。例えば、奏法アイコンの中を「奏法アイコン>ベロシティによるバンク分け>ノートナンバによるバンク分け」としてもよいし、ベロシティやノートナンバによるバンク分けを楽器種類よりも上位の階層としてもよい。或いは、パンク分けを(ノートナンバ,ベロシティ)の2次元空間上で行い、2次元空間の各エリアを各バンクに対応させるようにしてもよい。
【0042】
〔実奏法パラメータ〕
図8には、この発明の一実施例による奏法対応入力システムで用いられる実奏法パラメータの記憶形式の一例が示されており、音高(Pitch)、音色(Timbre)、振幅(Amp.)等の奏法パラメータが、単純な番号順に記憶されている。これらの奏法パラメータにおいて、パラメータ種類「テンプレート」(“TM”)は、その値が時間的に変化する時系列的なパラメータである。一方、パラメータ種類「低周波発振器」(“LFO”)、「エンベロープ発生器」(“EG”)、「オフセット」(“OST”)は、その値が時間的に変化しない固定的なパラメータである。
【0043】
図9は、各奏法パラメータの「テンプレート」データを取得するためのフローである。ステップST1で各アコースティック楽器を各奏法で演奏したときの各楽音波形を入力し、ステップST2にて、各楽音波形毎に時変動する音量エンベロープ、ピッチ、フォルマント等を検出し、これらの検出データを所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより、そのまま、音色用フィルタのカットオフ周波数やQ、ピッチ、振幅のテンプレートを生成したり、加工ステップST3を経て、人の手により若干の加工が施された同様のテンプレートを生成する。このようにして、実際のアコースティック楽器を良好に近似し得るテンプレートを生成することができる。
【0044】
図10及び図11には、この発明の一実施例における奏法アイコンと奏法パラメータとの関係が示されており、各図において、奏法アイコンの下2段の各パラメータにおける水平破線は、それぞれ、基準レベル(即ち、振幅=0、音高=ノートナンバに対応する基準ピッチ)を示している。
【0045】
図10は、ベンドアップアイコンと振幅(Amp)パラメータ及び音高(pitch)パラメータとの関係を表わす。破線内に示される基準伸縮値のベンドアップアイコンに対して、上段左右のようにアイコン画像を横方向に縮小或いは伸長すると、これに応じて振幅及び音高パラメータの時間変化は何れも図示のように進遅し、ベンドアップスピードを増加或いは減少させる。また、下段左側のようにアイコン画像を縦方向に伸長すると、これに応じて、図示のように、振幅パラメータは、変化量が増大するだけでなく、破線内に示される基準アイコンに比べて大きく形状が変化し、また、音高パラメータは、より低いスタート点から大きく増大するので、ベンドアップ深さは増大させられる。さらに、下段右側のようにアイコン画像を縦横方向に伸長すると、これに応じてパラメータは、図示のように、変化量も変化の仕方も増大するが時間変化は緩慢になり、ベンドアップ深さを増大させベンドアップスピードを減少させる。
【0046】
なお、図10のような非繰り返し特性を有する時系列パラメータを横方向に縮小或いは伸長する場合、次のような方法を採用することができる:
(1)前述のサンプリング周波数を変化させる。即ち、離散的に記憶されている時系列パラメータのパラメータ間の時間間隔隔を変化させる。
(2)前述のサンプリング周波数はそのままとし、横方向に縮小或いは伸長した場合の各サンプリングポイント毎の新たなサンプル値を演算によって求める。
ここで、前者の場合は、波形メモリ方式の音源におけるピッチ同期による波形サンプル値生成技術を応用し、後者の場合は、波形メモリ方式の音源におけるピッチ非同期による波形サンプル値生成技術を応用する(波形メモリのサンプル値の代わりに、時系列パラメータのサンプル値を適用する)ことにより、容易に実現可能である。
【0047】
図11は、ビブラートアイコンと振幅(Amp)パラメータ及び音高(pitch)パラメータとの関係を表わしており、破線内に示される規準伸縮値のビブラートアイコンに対して、上段のようにアイコン画像を横方向に伸長或いは縮小すると、これに応じてパラメータの上下動の回数が図示のように増加或いは減少し、音をふるわせるサイクル数を増加或いは減少させる。一方、下段のようにアイコン画像を縦方向に伸長或いは縮小すると、これに応じて、図示のように、両パラメータは共に増大或いは減少し、音をふるわせる度合いを増大或いは減少させる。
【0048】
なお、図11のような繰り返し特性を有する時系列パラメータを横方向に縮小或いは伸長する場合、次のような方法を採用することができる:
(1)伸長の場合は、時系列パラメータのうちの特定の一部区間或いは全区間の先頭と末尾をそれぞれループスタートポイント、ループエンドポイントとして設定し、時系列パラメータの読出しがループエンドポイントに達したらループスタートポイントに戻って読み出しを繰り返す。
(2)縮小の場合は,時系列パラメータの途中で読み出しを打ち切る。
ここで、前者の場合は、波形メモリ方式の音源におけるルーピング技術を応用することで容易に実現可能である。
【0049】
〔演奏データの生成〕
図3に戻って音源部の構成を説明すると、試聴或いは演奏指令により、アイコン選択部25、編集値計算部27及びノート/ベロシティ検出部28からのデータIP1,IV1,MP1或いはデータ再生部31からのデータIP2,IV2,MP2が図3の音源部に与えられると、原曲パラメータMP1/MP2及び楽器の種類(図示せず)によって、与えられたノート及びベロシティに合ったバンクの所定の波形データMWが、波形メモリ32から波形バンク選択部33を介して選択される。
【0050】
一方、音高(Pitch)、音色(Timbre)及び振幅(Amp.)の奏法パラメータを夫々記憶した奏法パラメータメモリ34〜36には、それぞれ、アイコンパラメータ選択部37〜39が接続される。各アイコンパラメータ選択部37〜39は、アイコン番号IP1/IP2に基づいて、選択されている奏法アイコンに対応する音高・音色・振幅パラメータを全バンク分抽出する。これに後置された各バンクパラメータ選択部40〜42は、原曲パラメータMP1/MP2(ノートナンバ及びベロシティ値)に基づいて、選択部40〜42で抽出された全バンク分のパラメータから、必要なバンクのパラメータのみを抽出する。そして、各パラメータ修正部43〜45は、アイコン伸縮データIV1/IV2に基づいて、選択部40〜41で抽出されたパラメータを修正し、修正した音高・音色・振幅パラメータPP,PT,PAを、音高・音色・振幅合成(シンセシス)部46〜48に夫々供給する。
【0051】
波形メモリ32から選択された波形データMWは、そのピッチが音高合成(シンセシス)部46にて音高パラメータPPにより制御され、続いて、その音色が音色合成(シンセシス)部47にて音色パラメータPPにより制御され,さらに、その音量が振幅合成(シンセシス)部48にて振幅パラメータPAにより制御され、サウンドシステム49から所望のアーティキュレーションが付与された演奏音が生成される。
【0052】
図12は、楽器種類毎に備えられる奏法アイコンを一覧的に例示する図である。図12に示されるように、この発明では、奏法アイコンは、演奏する楽器の種類及びステートに対応して用意される。この際、共通乃至類似のアーティキュレーションについては、1つの奏法アイコンが複数種類の楽器間で共有される。例えば、「クレッシェンド」、「デクレッシェンド」、「ビブラート」等のアイコンは4つの楽器間で共有され、「スタッカート」、「テヌート」、「スラー」等のアイコンはサックス及びバイオリンで共有される。従って、アイコン操作は共通的になり容易になる。しかしながら、同一の奏法アイコンを貼り付けても、楽器が異なれば、演奏時に選択される奏法パラメータは異なるので、楽器特有のアーティキュレーションが得られる。
【0053】
また、楽器やステートに必要とされる多様なアーティキュレーションについては、奏法アイコンが多種類用意される一方、演奏する楽器が持ち得ない不要なアーティキュレーションについては、奏法候補アイコンを表示しないようにしている。例えば、「サックス」においては、「アタック」ステートで「ベンドアップ」、「装飾音アップ」、「装飾音ダウン」等が表示されるが、ギターやベースにおける「ハンマリングオン」、「プリングオフ」等は表示されない。従って、演奏される楽器に適したアーティキュレーションを効率的に付与することができる。
【0054】
また、全楽器のアタック、ボディ及びリリースステートについては、それぞれ、「ノーマル」奏法アイコンがデフォルトで備えられており、ユーザがこれらのステートで何ら奏法アイコンを貼付け操作しない場合には、「ノーマル」奏法アイコンが自動的に画面(図4の3レイヤー表示モードでは第2レイヤーL2)上に貼付けられ、伸縮編集可能である。また、演奏に際しては、これらの「ノーマル」奏法に対応して予め定められたデフォルトパラメータが自動的に適用される。なお、これらの「ノーマル」奏法アイコンは、実際には、ディスプレイ上に貼付け表示せずに済ますこともできる。
【0055】
図13及び図14は、この発明の一実施例による奏法対応入力システムにより奏法アイコンを貼り付けたときの演奏データ(演奏用シーケンスデータ)の記憶形式の一例を示す。この例では、楽器種類はサックスであり、時刻tn1=ta1〔なお、「tn1=ta1」なる表記は、ノートとアーティキュレーションで時刻データを共有していることを意味する。〕で、原曲音符データMDの第1ノートがオンされる。これに続く3行は、第1ノートに付加されたアタックステートの奏法アイコン(具体的には、「浅く速いベンドアップ(図4の“BI4”が対応)」)の貼付け開始位置に対応する時刻tn1=ta1において、この奏法アイコンNO(番号)及び第1ノートの音高(ノートナンバ)と演奏強度(ベロシティ)に応じて選択される奏法パラメータを各合成部46〜48(図3)にセットして、対応するアーティキュレーションを開始すべきことを指示する。ここで実行されるアーティキュレーションは、第1ノートに貼り付けた奏法アイコンの伸縮編集により深さ(縦方向)と長さ(横方向)が伸縮されるが、この例では、各伸縮値=“1.0”(規準値)が記憶されており、伸縮編集されておらず、貼り付けた奏法アイコンに対して予め用意された初期値(既定値)がそのまま採用されることを示している。
【0056】
時刻tn2において、第1ノートのオフが指示される。時刻ta2及びこれに続くデータは、次の奏法アイコン(リリースステートにおいて用意されている複数の「ベンドダウン」候補アイコンの内の1つ)の貼付け開始位置に対応する時刻ta2において、この奏法アイコンNOに対応するアーティキュレーションを開始すべきことを指示している。このアーティキュレーションについては、図示の例では、スピードと深さが伸長編集され、奏法アイコンの横方向伸縮値=“1.5”、横方向伸縮値=“2.0”となっているので、貼り付けた奏法アイコンの初期値を各伸縮値分だけ修正した奏法パラメータが、各合成部46〜48にセットされ、相応するアーティキュレーションが付与される。
【0057】
時刻tn3=ta3でノートオンされる第2ノートについては、始めのアタックステートではユーザによるアイコン選択操作がなされていないので、自動的に「ノーマル」アタックのアーティキュレーションが施される。つまり、これに続く3行は、サックスの「ノーマル」アタックのデフォルトされた時刻tn3に、デフォルトアイコンNOに対応する奏法パラメータを所定の伸縮値(=“1.0”)でセットすべきことを指示する。
【0058】
その後、次の奏法アイコン(ボディステートにおける複数の「ビブラート」候補アイコンのうちの「ビブラート長=1拍で浅いビブラート」アイコン)の貼付け開始位置に対応する時点ta4から、この奏法アイコンNOに対応するアーティキュレーションを開始する旨が記憶される。このアーティキュレーションでは、一旦貼り付られた「ビブラート長=1拍で浅いビブラート」アイコンを横方向に「1.5」倍に伸長し縦方向に「0.7」倍だけ短縮する編集がなされているので、演奏に当っては、この奏法アイコンNOに対応する奏法パラメータは、ビブラート回数が1.5倍に増えビブラート深さが0.7倍の浅いものにパラメータ修正部46〜48にて修正される。
【0059】
時刻tn4においては、第2ノートのオフが指示される。そして、次のリリースステートの奏法アイコンの貼付け開始位置に対応する時刻ta5から、この奏法アイコンNOに対応するリリースアーティキュレーションが、伸縮編集による修正なく、初期値(各伸縮値=“1.0”)で実行すべきことが記憶される。以下、同様のデータ配列が順次記憶されて、楽器毎の演奏データ(演奏用シーケンスデータ)が構成される。
【0060】
なお、アーティキュレーション開始時点ta1〜ta5については、微妙な奏法アイコン貼付け開始位置をディスプレイ上で定めることが難しいので、実際には、奏法アイコンのステートに応じた基準のタイミングに自動決定される。例えば、アタックステートのアイコンであればノートオンと同時とし、ボディステートのアイコンなら、時系列的な奏法パラメータがノートオンからノートオフの中間に位置するように、ノートオンからノートオフの中間とし、リリースステートならば、消音タイミング(ノートオフ指示により楽音のリリースが開始され、その後、実質的に楽音の音量が「0」となったタイミング)と同時に時系列的なパラメータが供給し終えるようなタイミング(より具体的には、消音タイミングよりも、横方向に伸縮された時系列パラメータの長さ分だけ前のタイミング)とし、また、オールやジョイントのステートの奏法アイコンの場合には、選択された複数のノートにかかるようなタイミングとして、奏法パラメータを音源の各処理ブロック43・46〜45・48に供給する。
【0061】
また、このようにして決定したタイミングをユーザが微妙に調節できるようにしてもよい。なお、上記の例ではアタックステートの奏法アイコンについてはノートデータとタイミングが同じであったために両データで時刻データを共用していたが、各データに別個の時刻データを付与してもよい。さらに、上述したように奏法アイコン番号とその伸縮値をノートデータ中に埋め込む方式に限らず、奏法アイコン番号とその伸縮値を実際の奏法パラメータに展開した実パラメータをノートデータ中に埋め込む方式としてもよい。このようにすると、再生した演奏データを、奏法パラメータを記憶していない音源システムに供給した場合であっても、アーテイキュレーシヨンの付与された演奏が可能となる。また、両方式の間でデータの変換ができるようにしてもよい。
【0062】
〔奏法アイコンの貼付け処理フロー〕
図15及び図16は、この発明の一実施例による奏法対応入力システムにおける奏法アイコンの貼付け処理フローの一例を示し、この処理フローでは、主として、図4や図6の表示画面例1,2に示されるように、奏法アイコンを楽譜のノート(音符)にドラッグして貼り付ける処理が行われる。つまり、この処理フローは、図4の表示画面例1の「3レイヤー貼付け」に示されるように、複数のレイヤーを用いて五線譜とは別エリアに奏法アイコンを多段で表示させたり、或いは、図6の表示画面例2の「1レイヤー+従来表記」に示されるように、一部のアーティキュレーション(奏法)については五線譜面中に従来タイプの表記記号で表示させたりするものである。
【0063】
まず、ステップS1においては、ディスプレイの表示画面(図4及び図6参照)上において、編集対象となる原曲音符データMDの楽器パートに応じて楽器種類タブを選択状態とする。例えば、楽器パートが「サックス」であれば、図4及び図6の各表示例のように、自動的に楽器種類タブを“Sax”として「サックス選択状態」とする。なお、楽器種類タブの自動選択に代えて、マウスにて楽器種類タブをクリックすることで選択状態としてもよい。次に、ステップS2に進むと、所定のステート(アーティキュレーション状態)タブをクリックすることによりステートを選択する。図4及び図6の各表示例においては、“Atack”タブにより「アタック」ステートが選択されている。
【0064】
さらにステップS3に進んで、ステップS2で選択されたステートについて、ステップS1で選択された楽器種類に属するアーティキュレーション(奏法)種類タブのみが表示される。図4及び図6の各表示例では、「サックス」の「アタック」ステートの奏法種類タブとして.「ベンドアップ」、「装飾音アップ」、「装飾音ダウン」、「グリッサンドアップ」、「グリッサンドダウン」のみが表示されており、ギターやベースにおける「ハンマリングオン」、「プリングオフ」などは表示されていない。
【0065】
そこで、ステップS4において、画面に表示されている奏法種類タブの中から所望の奏法種類を選択する。図4及び図6の各表示例では、“BndUp”タブのクリックにより「ベンドアップ」の奏法種類が選択されている。ステップS5では、ステップS4で選択された奏法種類に属する奏法アイコンが奏法アイコンウインドウ内に表示され、図4及び図6の各表示例では「ベンドアップ」の奏法種類における4つのベンドアップアイコンBI1〜BI4が表示されている。
【0066】
そこで、ステップS6にて、これらのアイコン中から何れかの奏法アイコンをクリックして所望のアーティキュレーション(奏法)を選択し、ステップS7にて、アーティキュレーションを付与すべき原曲音符データMDの所定の音符に対応する画面上の所望位置に、クリックした奏法アイコンをドラッグ&ドロップする。例えば、図4及び図6の例では、左端に表示されている「深く遅いベンドアップ」アイコンBI1が選択され、原曲音符データの第1小節における先頭の音符(G4)に対応した位置にドラッグ&ドロップする。この場合、ドラッグ&ドロップする位置は、先に説明したように、表示されている楽譜の音符上であっても、また、奏法アイコンが属する何れかのレイヤー上の対応位置であってもよい。
【0067】
ステップS8においては、選択された奏法アイコンに対応するレイヤー上におけるアイコンドロップ対応位置に当該奏法アイコンが表示され、図4の表示例1のような「3レイヤー」表示モードでは、「ベンドアップ」奏法が第2レイヤーL2に属するので、第2レイヤーL2上の対応位置に「深く遅いベンドアップ」アイコンBIdが表示される。さらに、図4を用いて既に説明したように、装飾音符GIdについても第2レイヤーL2上に表示され、また、クレッシェンドCIdは第1レイヤーL1に、スラーは第3レイヤーL3に夫々表示される。
【0068】
なお、ステップS8での処理としては、ディスプレイ画面上の表示形態が図6の表示例2のような「1レイヤー+従来表記」表示モードの場合には、括弧書きで示すように、奏法アイコンによるアーティキュレーション(奏法)を標準楽譜記号のような従来タイプの表記記号により表現し得るものについては、五線譜上に表示し、それ以外の記号のみレイヤーL上に表示する。
【0069】
ステップS9においては、原曲音符データMDから、奏法アイコン(又は従来表記記号)の表示位置に対応するノート(音符)が選択される。例えば、図4及び図6に示されるベンドアップBId、装飾音アップGIdのような「アタック」や「ボディ」、「リリース」のステートについては、1音符が選択され、クレッシェンドCIdやスラーSIdのような「オール」や「ジョイント」のステートについては、奏法アイコン(又は従来表記記号)の横幅(例えば2拍長)に応じた数の音符が選択される。
【0070】
そして、ステップS10に進み、原曲音符データMD中の選択されたノートの時間位置(時刻)に応じてアイコン番号IP1及び伸縮値IV1(縦、横ともに初期値の「1.0」)が求められ、シーケンスメモリ30に、前述の基準のタイミングに対応した時刻データと共に記録される。ただし、この時間位置(時刻)に、今回選択された奏法アイコンとは共存することができないアイコンのアイコン番号が記録されている場合には、このアイコン番号を削除する。例えば、仮に「装飾アップ」を示すアイコンと「装飾ダウン」を示すアイコンのような同時には共存することができない同類の奏法を表わすアイコンの場合には、記録されているアイコンを削除し新たなアイコンが優先的に記録される。また、削除されたアイコン番号のアイコンは、表示上からも削除される。
【0071】
ステップS11においては、選択された1又は複数のノートのデータが、図3に示される音源部に供給される。つまり、ノートオンが供給された後、ノートオフまでの時間間隔をおいてノートオフが供給される。なお、選択された音符数が複数の場合には.その発生タイミングと発生順序に従って、複数のノートオン、ノートオフが供給される。
【0072】
次のステップS12に進むと、ステートに応じたタイミング(即ち、前述の基準のタイミング)で、選択された奏法アイコンに対応し、ノートナンバとベロシティにより決定されるバンクの奏法パラメータを読み出し、音源部の各処理ブロック43・46〜45・48(図3)に供給する。例えば、選択された奏法アイコンがアタックステートならノートオンと同時、ボディステートならノートオンからノートオフの中間(時系列パラメータがノートオンからノートオフの中間に位置するように)、リリースステートなら消音タイミングと同時に時系列パラメータが供給しおわるタイミングで、オールやジョイントステートなら選択された複数のノートにかかるように、奏法パラメータを音源の各ブロックへ供給する。ステップS11、S12の処理により、奏法アイコンを貼り付けた結果の楽音を試聴することができる。
【0073】
次のステップS13は、アイコン修正(編集)サブルーチンである。試聴の結果、アーティキュレーションについて多少の修正をしたいのであれば奏法アイコンの修正をすることができ、図17を用いて後で詳述されるアイコン修正サフルーチンが実行される。試聴の結果、大幅にアイコン修正をしたいのであれば、更に次のステップS14において、別の奏法アイコンを選択する。或いは、他の音符について奏法アイコンを貼り付けたいのであれば、このステップS14で、他の音符について、別の奏法アイコン又は同じ奏法アイコンを選択する。そして、ステップS6に戻り、ステップS6〜S14の処理を繰り返す。
【0074】
また、試聴の結果、異なる種類のアーティキュレーションを適用して、更に大幅に修正をしたいのであれば、ステップS15に進んで、別の奏法種類タブを選択する。或いは、他の音符について別の奏法種類の奏法アイコンを貼り付けたいのであればこのステップS15にて別の奏法種類タブを選択する。そして、ステップS4に戻り、ステップS4〜S15の処理を繰り返す。
【0075】
さらに、試聴の結果、同じ音符或いは他の音符の別のステートの奏法アイコンを貼り付けたいのであれば、ステップS16に進んで、別のステートタブを選択する。例えば、「アタック」の後、ボディを選択する。そして、ステップS2に戻り、ステップS2〜S16の処理を繰り返す。各ステートについて必要なアーティキュレーションの設定が全て完了すると、ステップS17に進む。ステップS17で処理を終了しない場合には、ステップS13に戻ってステップS13〜S17の処理を繰り返し、処理を終了するのであれば一連の処理を抜ける。
【0076】
〔アイコン修正(編集)処理ルーチン〕
図17には、この発明の一実施例による奏法対応入力システムにおけるアイコン修正(編集)処理ルーチンの一例が示されている。この処理ルーチンでは、ディスプレイの各レイヤー上に貼り付けられた奏法アイコンの画像を左右乃至上下方向に伸縮することによりアーティキュレーションの深さ及び長さ(スピード)を修正する処理が行われる。
【0077】
まず、ステップS21において、レイヤー上の奏法アイコン(「レイヤー+従来表記」表示モードにおける標準楽譜記号を含む)に対して伸縮操作があるか否かが判断され、伸縮操作がない場合には直ちに処理を終了する。一方、アイコンの伸縮操作があれば、その種類を判別する。例えば、奏法アイコンの上端/下端をクリックした後上下方向にドラッグした場合は上下方向にアイコンが伸縮され、アイコンの右端/左端をクリックした後左右方向にドラッグした場合は左右方向にアイコンが伸縮される。また、奏法アイコンの何れかの角をクリツクした後斜め方向にドラツグした場合には、上下方向、左右方向共にアイコンが伸縮される。
【0078】
奏法アイコンが上下方向に伸縮操作された場合には、ステップS22に進んで、縦方向のアイコン伸縮値を求める。一方、奏法アイコンが左右方向に伸縮操作された場合には、ステップS23に進んで、横方向のアイコン伸縮値を求める。また、奏法アイコンが左右及び上下両方向に伸縮操作された場合には、ステップS24に進んで、横方向のアイコン伸縮値及び縦方向のアイコン伸縮値を求める。
【0079】
ステップS22〜S24のアイコン伸縮値を求める処理を終えると、ステップS25に進み、演奏データ中のアイコン伸縮値を修正し、ステップS26,S27へと進んでいく。ステップS26では、伸縮操作されたアイコンに対応した1つ乃至複数のノートを選択し、ステップS11と同様に、選択された1又は複数のノートのデータが、図3に示される音源部に供給され、ステップS27では、ステップS12と同様に、ステートに応じたタイミングで、選択された奏法アイコンに対応し、ノートナンバとベロシティにより決定されるバンクの奏法パラメータを読み出し、アイコン伸縮値とともに、音源部の各処理ブロック43・46〜45・48(図3)に供給する。
【0080】
〔リアルタイム演奏への対応〕
これまでの説明では、マウスを用いて奏法アイコンを選択し選択された奏法アイコンを伸縮する編集を行うものであった。しかしながら、操作が容易なアイコン切換えスイッチを設けておき、上述の奏法アイコンの選択及び編集に相当する情報を、アイコン切り換えスイッチを用いてアルタイムに入力することによって、原曲音符データと共にリアルタイムで入力することにより、リアルタイム演奏に対応したアーティキュレーシヨン演奏を合成することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、奏法を表わす種々のアーティキュレーションを原曲データに付与するに当って、単に各アーティキュレーションを示す楽譜記号を用意しておくだけでなく、アーティキュレーションのそれぞれを「奏法アイコン」と呼ばれる変形可能なアイコンという形で予め登録しておき、原曲データ及び奏法アイコンをディスプレイの画面に表示し、表示された原曲データの楽譜上に奏法アイコンを貼り付けていくという極く簡単な操作を行うだけで、所望のアーティキュレーションを高品位かつ効率よく合成することができる。しかも、画面上の原曲データに対して貼り付けられた奏法アイコンの変形に応じて原曲データに付与される表現データの度合いを制御するので、候補アイコンの各サイズ間の補間を簡単に行い、アーティキュレーションの度合いを繊細且つ任意に制御することができ、高品位のアーティキュレーションを効率良く得ることができる。さらに、原曲データが表示される原曲表示エリアに並行して設けられた複数のレイヤーにはそれぞれ特定された種類の奏法アイコンが割り当てられており、貼り付けられた奏法アイコンをその種類に対応するレイヤーに表示し、ユーザが奏法アイコンを選択して貼り付ける操作を行うと、当該奏法アイコンがその種類に対応するレイヤーに貼り付け表示されるように構成しているので、ユーザは、各レイヤーへの奏法アイコンの貼付け表示から、原曲データに対する各アーティキュレーションの付与状態を容易に認識することができ、高品位のアーティキュレーションを更に効率良く得ることができる。
【0082】
この発明によるアイコン変形は、具体的には、マウスにより奏法アイコンを横方向、縦方向或いは縦横両方向に変形することにより簡単に得ることができ、これに対応して、奏法アイコンを横方向に変形したときはアーティキュレーションは時間方向に調節され、縦方向に変形するとアーティキュレーションの掛かり具合が調節され、縦横両方向に変形した場合には、表現データの時間方向の調整及び掛かり具合の調整が同時に行われる。従って、原曲データに付与されるアーティキュレーション特性を効果的に制御することができる。また、アーティキュレーションを表わす表現データには、演奏楽器の楽音波形を分析して得た時系列的な楽音パラメータを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例による奏法対応入力システムのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例による奏法対応入力システムの機能的ブロック図の一部である。
【図3】図3は、この発明の一実施例による奏法対応入力システムの機能的ブロック図の他部である。
【図4】図4は、この発明の一実施例における表示画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、この発明の一実施例における奏法アイコンの伸縮編集を説明するための図である。
【図6】図6は、この発明の一実施例における表示画面の他の例を示す図である。
【図7】図7は、この発明の一実施例における奏法パラメータの階層構造の一例を示す図である。
【図8】図8は、この発明の一実施例における実奏法パラメータを説明するための図である。
【図9】図9は、この発明の一実施例における奏法パラメータのテンプレート生成フローを表わす図である。
【図10】図10は、この発明の一実施例における奏法アイコンと奏法パラメータとの関係の一例を示す図である。
【図11】図11は、この発明の一実施例における奏法アイコンと奏法パラメータとの関係の他の例を示す図である。
【図12】図12は、この発明の一実施例における楽器毎に用意される奏法アイコンの一例を示す図である。
【図13】図13は、この発明の一実施例における奏法アイコン貼付け時の演奏データの記憶形式の一例を示す図の一部である。
【図14】図14は、この発明の一実施例における奏法アイコン貼付け時の演奏データの記憶形式の一例を示す図の他部である。
【図15】図15は、この発明の一実施例による奏法アイコン貼付け処理フローを示す図の一部である。
【図16】図16は、この発明の一実施例による奏法アイコン貼付け処理フローを示す図の他部である。
【図17】図17は、この発明の一実施例におけるアイコン修正(伸縮編集)処理ルーチンを示す図である。
【符号の説明】
MD 原曲音符データ、
AR アーティキュレーション指示データ、
IM アイコン画像操作データ、
25 アイコン選択部、
26 アーティキュレーション選択データ格納部、
32 波形メモリ、
34 音高合成用奏法パラメータメモリ、
35 音色合成用奏法パラメータメモリ、
36 振幅合成用奏法パラメータメモリ、
L1〜L3 奏法アイコン貼付け用第1〜第3レイヤー、
BI1〜BI4 奏法(ベンドアップ)候補アイコン、
CId,BId,GId,SId 貼り付けられた奏法アイコン、
CSd,SSd 従来タイプの標準楽譜記号。
Claims (5)
- 原曲データ及び奏法アイコンを画面に表示する表示手段と、
画面上の原曲データに対して奏法アイコンを貼り付ける貼付け手段と、
貼り付けられた奏法アイコンに対応するアーティキュレーションを表わす表現データを原曲データに付加するデータ付加手段と、
貼り付けられた奏法アイコンを変形する変形手段と、
変形された奏法アイコンの形状に応じて、原曲データに付加される表現データによるアーティキュレーションの度合いを制御する制御手段と
を備え、
上記画面には、原曲データが表示される原曲表示エリアに並行して複数のレイヤーが設けられており、
上記表示手段は、上記貼付け手段により貼り付けられた奏法アイコンを、当該奏法アイコンの種類に対応するレイヤーに表示する
ことを特徴とする奏法対応入力システム。 - 前記変形手段は奏法アイコンを横方向に伸縮させ、
前記制御手段は、奏法アイコンの横方向の変形に応じて、原曲データに付加される表現データによるアーティキュレーションを時間方向に調節する
ことを特徴とする請求項1に記載の奏法対応入力システム。 - 前記変形手段は奏法アイコンを縦方向に伸縮させ、
前記制御手段は、奏法アイコンの縦方向の変形に応じて、原曲データに付加される表現データによるアーティキュレーションの掛かり具合を調節する
ことを特徴とする請求項1に記載の奏法対応入力システム。 - 前記変形手段は奏法アイコンを横及び縦方向に伸縮させ、
前記制御手段は、奏法アイコンの横及び縦方向の変形に応じて、原曲データに付加される表現データによるアーティキュレーションの時間方向の調整及び掛かり具合の調整を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の奏法対応入力システム。 - 前記表現データは、演奏楽器の楽音波形を分析して得た時系列的な楽音パラメータを含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の奏法対応入力システム。
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