JP2000221098A - 異常箇所検出装置 - Google Patents

異常箇所検出装置

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JP2000221098A
JP2000221098A JP11023791A JP2379199A JP2000221098A JP 2000221098 A JP2000221098 A JP 2000221098A JP 11023791 A JP11023791 A JP 11023791A JP 2379199 A JP2379199 A JP 2379199A JP 2000221098 A JP2000221098 A JP 2000221098A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雑音中に含まれる被検査管からの漏洩音をそ
の周波数帯域が未知な場合であっても効率良く抽出し被
検査管に存在する異常箇所の位置を特定する。 【解決手段】 導管上の2箇所で検出した漏洩音を、導
管中に流れが存在しない領域に配置された超音波センサ
で受信した受信信号の周波数スペクトルにより決めた周
波数特性を持つフィルタによりフィルタリングする。フ
ィルタリングされた信号の相互相関関数を求め、上記相
互相関関数を包絡線検波する。さらに、上記包絡線を予
め決められた繰り返し回数だけ求め、上記包絡線を平均
化し、平均化された上記包絡線がピークをとる時間をも
とに、異常箇所の位置を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水、油、あるい
はその他の液体またはガス等の気体である流体を通す被
検査管としての例えば導管の異常箇所を検出する異常箇
所検出装置に関するもので、特に導管の複数箇所におい
て異常箇所からの漏洩音を受信し、受信信号の相互相関
関数を計算することから異常箇所の位置を検出する方式
を採用した異常箇所検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の異常箇所検出装置として
は、特開平5−87669号公報に開示されているよう
に、2つのセンサで受信した受信信号に前処理および後
処理を施す異常箇所検出装置が知られている。図9は上
述した異常箇所検出装置を示す構成図である。図9にお
いて、1は導管、2は異常箇所、3aおよび3bは超音
波センサ、4は音圧測定器、5は相関器である。
【0003】上述した異常箇所検出装置においては、導
管1に異常箇所2が存在すると、それにより漏洩が生
じ、それに伴い漏洩音が発生する。上記漏洩音は、雑音
とともに、上記導管1を伝搬して2つの超音波センサ3
aおよび3bで受信される。受信信号は、雑音を除去す
るため、予め決められた帯域を持つバンドパスフィルタ
によりフィルタリングされる。その後、音圧測定器4を
経て相関器5にて相互相関関数が計算され、相互相関関
数がピークをとる時間と、上記超音波信号が導管1を伝
搬する伝搬速度とから異常箇所2の位置を特定する。
【0004】その他の従来のこの種の異常箇所検出装置
としては、特開平8−226865号公報に開示されて
いるような、2つのセンサで受信した受信信号に前処理
および後処理を施す異常箇所検出装置が知られている。
図10は上述した異常箇所検出装置を示す構成図であ
る。図10において、図9と同一部分は同一符号を付し
てその説明は省略する。新たな符号として、3cは超音
波センサである。
【0005】上述した異常箇所検出装置においては、導
管1に異常箇所2が存在すると、それにより漏洩が生
じ、それに伴い漏洩音が発生する。上記漏洩音は、雑音
とともに、上記導管1を伝搬して2つの超音波センサ3
a、3b、3cで受信される。受信信号における雑音を
除去するため、受信信号は、予め決められた帯域を持つ
バンドパスフィルタ、および単一周波数を除去するため
のフィルタによりフィルタリングされる。その後、超音
波センサ3aと3bで得られた信号を用いて、相関処理
部にて相互相関関数が計算され、さらに後処理部におい
て包絡線検波される。
【0006】この相互相関関数の包絡線がピークをとる
時間と、2つの超音波センサ3aと超音波センサ3bと
の間の距離とから異常箇所の伝搬速度を求める。さら
に、超音波センサ3aと3cで得られた信号を用いて、
相関処理部にて相互相関関数が計算され、さらに後処理
部において包絡線検波される。この相互相関関数の包絡
線がピークをとる時間と、上述の過程で求めた伝搬速度
とから、異常箇所の伝搬速度を求める。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、導管の
2箇所で超音波信号を受信し、2つの受信信号に前処理
し、次に、前処理した信号を相関処理し、さらに後処理
を施すことから、異常箇所2の位置を特定する技術が知
られている。
【0008】しかしながら、漏洩音の周波数スペクトル
は、異常箇所の大きさや形状、および導管中を流れる媒
質にかかる圧力により変化するので、予め漏洩音の周波
数帯域を正確に予測することはできない。したがって、
相関処理の前処理として、予めその帯域が定められたバ
ンドパスフィルタでフィルタリングしても、予め定めた
周波数帯域が漏水音の持つ周波数帯域であるとは限らな
い。また、予め定めた周波数帯域が漏水音の持つ周波数
帯域であったとしても、雑音も上記周波数帯域を持つ場
合もある。
【0009】以上のことから、上記バンドパスフィルタ
のみでは、雑音を除去するには不十分である。したがっ
て、上記バンドパスフィルタにより抽出した信号に対し
て相関処理を行うことから異常箇所の位置の特定を行っ
てもその特定精度には問題がある。
【0010】また、後処理として、相互相関関数の包絡
線を計算し、包絡線がピークをとる時間から異常箇所の
位置の特定を行っているが、例えば水道管からの漏水音
等の導管からの漏洩音は一般的に周期性のないランダム
信号であり、したがって、一つの限られた測定時間にお
いて、相互相関関数の包絡線がピークをとる時間から異
常箇所2の位置の特定を行っても検査の安定性に乏しい
という問題がある。
【0011】このように、従来の異常箇所検出装置にお
ける相関処理の前処理および後処理の方法は、漏洩音の
周波数帯域が未知の場合には適用不可能であり、また、
異常箇所からの漏洩音の特徴を十分に考慮したものでは
なかった。したがって、特に漏洩音の周波数帯域が未知
の場合においては、異常箇所の有無の検出精度、および
位置の特定精度には問題があった。
【0012】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、導管の2箇所で異常箇所からの漏洩による漏洩音を
受信し、従来とは異なり、漏洩音の周波数帯域が未知の
場合にも適用可能で、且つ、異常箇所からの漏洩音の特
徴と、導管の異常箇所の検査の際にしばしば問題となる
ような雑音の特徴とを、十分に考慮した前処理を施し、
その後に相関処理を行い、さらに後処理を行うことによ
り、導管における異常箇所の存在の有無と異常箇所の位
置の特定の確度や精度を向上すると共に安定した検出を
可能とする異常箇所検出装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る異常箇所
検出装置は、被検査管に設けたバルブの閉鎖によって被
検査管に存在する異常箇所に向かう方向の管内流体の流
れが存在する領域と存在しない領域とに配置されて被検
査管内に異常箇所が存在することにより発生する漏洩音
を受信するための3つの超音波センサを備えると共に、
これら超音波センサによる漏洩音の受信信号をそれぞれ
受信部を介して入力し信号処理する信号処理部に、漏洩
音の周波数スペクトルを求める演算部、及びその演算結
果をもとに周波数特性が決められたフィルタを含む前処
理部と、上記前処理部により前処理された信号から相互
相関関数を演算する相関処理部とを備えたことを特徴と
するものである。
【0014】また、上記前処理部は、上記3つの超音波
センサの内、被検査管内の流体の流れが存在する領域に
配置された超音波センサで受信した受信信号をフィルタ
によりフィルタリングすることを特徴とするものであ
る。
【0015】また、上記前処理部は、上記3つの超音波
センサの内、上記バルブを閉鎖することにより被検査管
内の流体の流れが存在しない領域に配置された超音波セ
ンサで受信した受信信号の周波数スペクトルから上記フ
ィルタの周波数特性を決定することを特徴とするもので
ある。
【0016】また、上記フィルタは、上記バルブを閉鎖
することにより被検査管内の流体の流れが存在しない領
域に配置された超音波センサで受信した受信信号の周波
数スペクトルと同じ周波数特性を持つことを特徴とする
ものである。
【0017】また、上記フィルタは、上記バルブを閉鎖
することにより被検査管内の流体の流れが存在しない領
域に配置された超音波センサで受信した受信信号の周波
数スペクトルの絶対値が予め決められたある閾値を超え
る周波数を中心周波数とし、上記中心周波数と予め決め
られた周波数帯域幅とから上限周波数と下限周波数が決
められたバンドパスフィルタであることを特徴とするも
のである。
【0018】また、上記信号処理部は、上記相関処理部
により演算された相互相関関数の包絡線を求め、さらに
予め決められた繰り返し回数だけ求められた上記相互相
関関数の包絡線を平均化する後処理部をさらに備えたこ
とを特徴とするものである。
【0019】また、上記後処理部は、上記平均化された
相互相関関数の包絡線のピーク値と予め決められたある
閾値との大小関係から異常箇所の有無を判定することを
特徴とするものである。
【0020】また、上記後処理部は、異常箇所が存在す
る場合としない場合の予備実験から得られる統計データ
に基づいて上記平均化された相互相関関数の包絡線のピ
ーク値に関する閾値を決定することを特徴とするもので
ある。
【0021】また、上記後処理部は、3つの超音波セン
サの内、ある2つの超音波センサで受信した受信信号に
ついての上記平均化された相互相関関数の包絡線がピー
クになる時間と、3つの超音波センサの内、上記2つの
超音波センサの片方のセンサと、上記2つの超音波セン
サ以外の超音波センサとで受信した受信信号についての
上記平均化された相互相関関数の包絡線がピークになる
時間と、上記3つの超音波センサの各離間距離とから異
常箇所の位置を特定することを特徴とするものである。
【0022】また、他の発明係る異常箇所検出装置は、
被検査管に設けたバルブの閉鎖によって被検査管に存在
する異常箇所に向かう方向の管内流体の流れが存在する
領域と存在しない領域とに配置されて被検査管内に異常
箇所が存在することにより発生する漏洩音を受信するた
めの2つの超音波センサを備えると共に、これら超音波
センサによる漏洩音の受信信号をそれぞれ受信部を介し
て入力し信号処理する信号処理部に、漏洩音の周波数ス
ペクトルを求める演算部、及びその演算結果をもとに周
波数特性が決められたフィルタとを含む前処理部と、上
記前処理部により前処理された信号から相互相関関数を
演算する相関処理部とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0023】また、上記前処理部は、上記2つの超音波
センサの内、被検査管内の流体の流れが存在する領域に
配置された超音波センサで受信した受信信号をフィルタ
によりフィルタリングすることを特徴とするものであ
る。
【0024】また、上記前処理部は、上記2つの超音波
センサの内、上記バルブを閉鎖することにより被検査管
内の流体の流れが存在しない領域に配置された超音波セ
ンサで受信した受信信号の周波数スペクトルから上記フ
ィルタの周波数特性を決定することを特徴とするもので
ある。
【0025】また、上記フィルタは、上記バルブを閉鎖
することにより被検査管内の流体の流れが存在しない領
域に配置された超音波センサで受信した受信信号の周波
数スペクトルと同じ周波数特性を持つことを特徴とする
ものである。
【0026】また、上記フィルタは、上記バルブを閉鎖
することにより被検査管内の流体の流れが存在しない領
域に配置された超音波センサで受信した受信信号の周波
数スペクトルの絶対値が予め決められたある閾値を超え
る周波数を中心周波数とし、上記中心周波数と予め決め
られた周波数帯域幅とから上限周波数と下限周波数が決
められたバンドパスフィルタであることを特徴とするも
のである。
【0027】また、上記信号処理部は、上記相関処理部
により演算された相互相関関数の包絡線を求め、さらに
予め決められた繰り返し回数だけ求められた上記相互相
関関数の包絡線を平均化する後処理部をさらに備えたこ
とを特徴とするものである。
【0028】また、上記後処理部は、上記平均化された
相互相関関数の包絡線のピーク値と予め決められたある
閾値との大小関係から異常箇所の有無を判定することを
特徴とするものである。
【0029】また、上記後処理部は、異常箇所が存在す
る場合としない場合の予備実験から得られる統計データ
に基づいて上記平均化された相互相関関数の包絡線のピ
ーク値に関する閾値を決定することを特徴とするもので
ある。
【0030】さらに、上記後処理部は、2つの超音波セ
ンサの内、ある2つの超音波センサで受信した受信信号
についての上記平均化された相互相関関数の包絡線がピ
ークになる時間と、漏洩音が上記被検査管を伝搬すると
きの伝搬速度と、上記2つの超音波センサの各離間距離
とから異常箇所の位置を特定することを特徴とするもの
である。
【0031】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係る異常箇所検出装置について図1から図8を
参照しながら説明する。図1はこの発明の実施の形態1
に係る異常箇所検出装置を示す構成図である。図1にお
いて、1は水、油、あるいはその他の液体またはガス等
気体である流体を通す被検査管としての導管、2は上記
導管1の異常箇所、3a、3bおよび3cは異常箇所2
が存在することにより発生する漏洩音を受信するための
超音波センサ、6は地中、7は受信装置、8はバルブで
ある。
【0032】図1においては、上記導管1が上記地中6
に埋もれている場合について示しているが、上記導管1
は、そのすべての部分もしくはその一部分が上記地中6
より上に存在していても構わない。また、図1におい
て、上記異常箇所2が1箇所である場合について述べて
いるが、上記異常箇所2は1箇所でなくても、複数箇所
でも構わない。
【0033】また、図1において、L1は超音波センサ
2aと超音波センサ2bの間の導管1に沿った距離、L
2は超音波センサ2bと超音波センサ2cの間の導管1
に沿った距離であり、xは超音波センサ2aから異常箇
所2までの導管1に沿った距離である。
【0034】なお、超音波は、人間の耳に聞こえない程
度に高い周波数の音波や弾性波を指す言葉として使われ
るが、この発明では、周波数は特に規定しないものとす
る。すなわち、この発明における「超音波」という文言
には、人間の耳で聞こえる周波数の上限の限界よりも高
い周波数の音波や弾性波に限らず、この上限よりも低い
周波数の音波や弾性波も含めた波という意味を含んでお
り、無論、人間の耳で聞こえる周波数の下限の限界より
も低い周波数の音波や弾性波という意味も含む。
【0035】また、図1においては、超音波センサ3
a、3bおよび3cが導管1に当てて置かれている場合
を示しているが、上記超音波センサ3a、3bおよび3
cは、上記導管1の3箇所において漏洩音を受信するこ
とが目的であり、この目的が達成できるならば、上記超
音波センサ3a、3bおよび3cは上記導管1に直接接
触していなくても構わない。また、この目的が達成でき
るならば、上記超音波センサ3a、3bおよび3cは、
上記導管1の内部に配置されても構わない。
【0036】ここで、異常箇所2と、超音波センサ3
a、3b、および3cとの位置関係について説明する。
3つの超音波センサの内の2つの超音波センサ、例え
ば、図1における超音波センサ3bと3cとの間は、地
表上に露出していてその間に異常箇所がないことが目視
により判断できる領域等の、異常箇所2がないことが既
知である領域である。異常箇所2は、3つの超音波セン
サの内の、上記2つの超音波センサ以外の超音波セン
サ、例えば図1における超音波センサ3aと、上記2つ
の超音波センサの内、上記2つの超音波センサ以外の超
音波センサに近い方の超音波センサ、例えば、図1にお
ける超音波センサ3bとの間に位置している。
【0037】なお、図1において、バルブ8は閉鎖され
ている。したがって、導管1の中の水、油、あるいはそ
の他の液体またはガス等の気体である流体は、異常箇所
2とバルブの間においては、その流れは存在しない。ま
た、その他の部分においては、上記流れは異常箇所に向
かう方向で存在している。つまり、図1においては、超
音波センサ3aは、流れが存在しない導管1上の領域
に、超音波センサ3bおよび3cは、流れが存在する導
管1上の領域に、それぞれ配置されている。また、上記
バルブ8は超音波センサ3aの左側に存在しているが、
上記バルブ8は超音波センサ3cの右側に存在していて
も良い。この場合には、超音波センサ3aは、流れが存
在する導管1上の領域に、超音波センサ3bおよび3c
は、流れが存在しない導管1上の領域に、それぞれ配置
されていることとなる。
【0038】図1において、受信装置7は、受信部71
と、信号処理部72と、報知手段としての表示部73
と、制御部74とを含む。超音波センサ3a、3bおよ
び3cは、受信部71に接続されている。受信部71は
信号処理部72に接続されている。信号処理部72は表
示部73に接続されている。
【0039】制御部74は、受信部71、信号処理部7
2、および表示部73に接続されており、検査を行うた
めの情報やコマンドが入力され、また、受信部71、信
号処理部72、および表示部73に対し、これらの動作
を制御するための制御信号や、検査の進行状況の情報に
関する信号を、逐次送受信してこれらの機能を司る。
【0040】また、受信部71は、図示はしないが、受
信信号を増幅するためのアンプと、A/D変換部とを含
む。信号処理部72は、受信信号をフィルタリングする
ための前処理部72aと、2つの信号の相互相関関数を
計算するための相関処理部72bと、相互相関関数に包
絡線検波等の処理を行うための後処理部72cとを含
む。前処理部72aは相関処理部72bに接続されてお
り、相関処理部72bは後処理部72cに接続されてい
る。また、上記信号処理部72は、図示はしていない
が、内部にメモリを有する。このメモリに演算処理され
た種々の結果が適宜記憶される。
【0041】また、信号処理部72における前処理部7
2aは、図示はしないが、超音波センサ3a、3b、お
よび3cで受信した受信信号について、周波数スペクト
ルを求める演算装置と、その演算結果をもとに周波数特
性が決められたフィルタとを含んでいる。
【0042】なお、後述するが、漏洩音が導管1を伝搬
するときの伝搬速度が既知であれば、超音波センサ3
a、3b、3cの2つの内、どれか一つを取り除いて
も、異常箇所の有無、異常箇所の位置の特定を行うこと
ができる。このような場合であれば、超音波センサ2
a、2b、および2cの内、どれか一つを取り除けば、
検査を容易にし、異常箇所検出装置を廉価にできるとい
う効果がある。
【0043】次に、図1に示した異常箇所検出装置の動
作について図2〜図8を用いて説明する。図2は、この
発明の実施の形態1に係る異常箇所検出装置の動作を説
明するフローチャートである。図1において、導管1に
異常箇所2が存在すると、上記異常箇所2から漏洩が生
じ、それに伴って漏洩音が発生する。発生した漏洩音
は、導管1を伝搬して超音波センサ3a、3bおよび3
cで受信される。
【0044】まず、制御部74に、超音波センサ2aと
超音波センサ3bの離間距離、超音波センサ3bと超音
波センサ3cの離間距離、1回の受信における受信時
間、後述する異常箇所2の位置の特定精度を安定させる
ための受信の繰り返し回数M、および漏洩の有無を判断
するための予め決められた閾値が入力される(ステップ
S1)。
【0045】また、上記1回の受信時間における受信時
間、および上記繰り返し回数Mは、許容される検査の安
定性、および検査にかかる許容時間により設定され、上
記1回の受信における受信時間、上記繰り返し回数を多
くすることにより、検査の安定性を増加させることがで
きる。また、許容される検査時間が短ければ、上記1回
の受信における受信時間を小さくし、上記繰り返し回数
Mを少なくすればよい。
【0046】また、制御部74においては、検査を行っ
た日付け、検査を行った時間、超音波センサ3a、3
b、および3cの種類やシリアルナンバー、検査を行っ
た導管の地図上の位置等の情報の内、すべての情報、あ
るいは、上記の情報の内のいずれか1つあるいは2つ以
上を入力できるようにし、さらに入力した情報を表示部
73に表示できるようにし、上記入力した情報を、記
録、保管しておけば、検査の安定性が増すばかりでな
く、異常箇所の発生傾向に関するデータベースの構築に
役立つ。さらに、ある一定期間後の定期検査の際の参照
データとして役立つ作用効果を奏する。また、ある一定
期間を過ぎて、再度の検査を行う際に、検査データの再
現性の確認や、経時変化の調査に役立てることもでき
る。
【0047】次に、検査者により、検査開始のタイミン
グが入力される。上記タイミングの入力は、スイッチの
オン・オフにより行われても良いし、例えば検査者の音
声や検査者が手を叩いた音をマイクで拾うことにより行
われても良い。また、制御部74にタイマーを備えるこ
とにより、上記タイミングが入力されてからある時間が
経過した時点で検査が開始されるようにしてもよい。
【0048】次に、制御部74から超音波センサ3a、
3bおよび3cでの受信を開始するための信号を受信部
71に送信し、超音波センサ3a、3bおよび3cで受
信した受信信号を、受信部71に取り込む(ステップS
2)。受信部71において、受信信号は、増幅された後
にA/D変換され、信号処理部72に含まれる前処理部
72aに送られ、前処理部72aにおいて、3つの受信
信号の内、流れが存在する領域に配置されている超音波
センサ、例えば図1における超音波センサ3bおよび3
cで受信された受信信号は、フィルタによりフィルタリ
ングされる(ステップS3)。
【0049】ここで、上記フィルタの周波数特性の決め
方(ステップS4)について図3から図6を用いて説明
する。図3は、漏水音を実際に受信して周波数スペクト
ルを求めた例であり、図3(a)は、導管1中に流れが
存在しない部分に配置された超音波センサ3aの受信信
号の周波数スペクトルの絶対値、図3(b)は、導管1
中に流れが存在する部分に配置された超音波センサ3b
の受信信号の周波数スペクトルの絶対値、図3(c)は
導管1中に流れが存在する部分に配置された超音波セン
サ3cの受信信号の周波数スペクトルの絶対値である。
【0050】導管1中に流れが存在する部分において
は、導管1中の流れに伴い、様々な周波数成分を持つ雑
音が発生する。上記雑音は、導管1中の特定箇所から時
間に関して連続的に発生するような雑音も存在し得る
し、導管1中の様々な箇所から時間に関して断続的に発
生するような雑音も存在し得る。このような雑音によ
り、図3(b)と図3(c)に示す導管1中に流れが存
在する部分に配置されている超音波サンサ3bおよび3
cでの受信信号の周波数スペクトルの絶対値において
は、多数の雑音成分によるピークが見られる。
【0051】一方、図3(a)に示すように、導管1中
に流れが存在しない部分に配置されている超音波サンサ
3aでの受信信号の周波数スペクトルの絶対値において
は、導管1中に流れが存在しないので、上記流れに伴っ
た雑音が生じることはなく、図3(b)および図3
(c)に見られるような多数のピークが見られない。つ
まり、導管1中に流れが存在しない部分に配置されてい
る超音波サンサ3aでの受信信号の周波数スペクトルの
絶対値が漏洩音の周波数スペクトルの絶対値であると考
えることができる。
【0052】したがって、導管1中に流れが存在しない
部分に配置されている超音波センサ3aでの受信信号の
周波数スペクトルの絶対値を上記フィルタの周波数特性
とする。このように周波数特性を決めたフィルタを用い
てフィルタリングを行うことにより、漏洩音を効率良く
抽出できる。
【0053】図4は、超音波センサ3aで受信した受信
信号の周波数スペクトルの絶対値をフィルタの周波数特
性とし、超音波センサ3bおよび3cで受信した受信信
号の周波数スペクトルを上記フィルタでフィルタリング
して、フィルタリングされた周波数スペクトルの絶対値
を求めた結果である。図4(a)は、超音波センサ3b
で受信した受信信号をフィルタリングしたもの、図4
(b)は、超音波センサ3cで受信した受信信号をフィ
ルタリングしたものである。
【0054】また、上記フィルタの周波数特性は、導管
1中に流れが存在しない部分に配置されている超音波セ
ンサ3aでの受信信号の周波数スペクトルの絶対値にお
いて、その絶対値が予め決められたある閾値を超える周
波数を中心周波数とし、上記中心周波数と、予め決めれ
れた周波数帯域幅とから決められた周波数帯域を通過さ
せるように決めても良い。
【0055】このとき、上記周波数スペクトルの絶対値
に関する閾値および上記周波数帯域幅は、予備実験によ
り決められている。この予備実験は、異常箇所2が存在
する場合と、実質上、存在しない場合について、この実
施の形態1に係わる異常箇所検出装置と同じか、また
は、同様の異常箇所検出装置を用いて行われる。このよ
うな予備実験から得られた統計データから上記周波数ス
ペクトルの絶対値に関する閾値および上記周波数帯域幅
が予め決められている。
【0056】図5は、導管1中に流れが存在しない部分
に配置されている超音波センサ3aでの受信信号の周波
数スペクトルの絶対値において、その絶対値が予め決め
られたある閾値を超える周波数を中心周波数とし、上記
中心周波数と、予め決めれれた周波数帯域幅とから決め
られた周波数帯域を通過させるようにフィルタの周波数
特性を決めた結果を説明する図である。
【0057】図5(a)は、超音波センサ3aで受信し
た受信信号の周波数スペクトルの絶対値において、その
絶対値が予め決められたある閾値を超える周波数から中
心周波数を決め、上記中心周波数と予め決められた周波
数帯域幅とからフィルタにおいて通過させる周波数帯域
を決めた結果である。図5(a)から、周波数f1〜周
波数f2の周波数帯域と、周波数f3〜周波数f4の周
波数帯域と、周波数f5〜周波数f6の周波数帯域と、
周波数f7〜周波数f8の周波数帯域がフィルタにおい
て通過させる周波数帯域として決定された。図5(b)
は、図5(a)で決められた周波数帯域から決められた
フィルタの周波数特性である。
【0058】図6は、図5(b)で決められた周波数特
性をフィルタの周波数特性とし、超音波センサ3bおよ
び3cで受信した受信信号の周波数スペクトルを上記フ
ィルタでフィルタリングし、フィルタリングされた周波
数スペクトルの絶対値を求めた結果である。図6(a)
は、超音波センサ3bで受信した受信信号をフィルタリ
ングしたもの、図6(b)は、超音波センサ3cで受信
した受信信号をフィルタリングしたものである(ステッ
プS5)。
【0059】次に、3つの超音波センサの内の2つ、超
音波センサ2aと超音波センサ2bの組み合わせが選択
され(ステップS6)、超音波センサ3aで受信された
受信信号、およびフィルタリングされた超音波センサ3
bで受信された受信信号は、相関処理部72bに送ら
れ、相互相関関数が計算される(ステップS7)。相関
処理部72bで計算された相互相関関数φ(τ)の計算結
果は、後処理部72cに出力される。
【0060】次に、後処理部72cの動作について、図
7を用いて説明する。図7(a)は、後処理部72cで
計算された相互相関関数φ(τ)の例であり、図7(b)
は、図7(a)の相互相関関数φ(τ)を包絡線検波した
例である。後処理部72cにおいて、上記相互相関関数
φ(τ)は包絡線検波される。上記相互相関関数φ(τ)
は、図7に(a)示すように多数のピークを持つ関数で
あるが、包絡線検波されることにより、図7(b)に示
すように、少数のピークを持つ関数に変換される(ステ
ップS8)。
【0061】後処理部72cにおいて、上記包絡線はそ
の都度メモリに保存される。それと同時に、包絡線をメ
モリに保存した回数をカウントする。この回数は、制御
部74から受信部71に対してデータを取り込むための
制御信号を送信した回数と同じである。もし、包絡線を
メモリに保存した回数が予め決められた繰り返し回数M
より小さい値であれば、後処理部72cから制御部74
に、再度データの取り込みを行うことを要求する信号を
送信する。それに従い、制御部74からは、受信部71
にデータを取り込むための制御信号を送信する。
【0062】以上述べた繰り返しを、上記包絡線をメモ
リに保存した回数が、予め決められた繰り返し回数Mと
等しくなるまで行うことにより、包絡線を平均化する
(ステップS9,S10)。上記包絡線をメモリに保存
した回数が予め決められた繰り返し回数Mと等しくなっ
たら、この繰り返しを終了する。
【0063】次に、メモリに保存された上記包絡線は平
均化された後、平均化された包絡線のピーク値Aabと、
上記平均化された包絡線がピークになるときの超音波セ
ンサ3aでの受信時間に対する遅延時間τabが求められ
る。図8は上記包絡線を平均化した結果を示す図であ
り、実線は平均化された包絡線、点線は平均化される前
の包絡線である。以上の前処理部72a、相関処理部7
2b、後処理部72cの動作は、超音波センサ3aおよ
び超音波センサ3bの組み合わせに対して行われる。
【0064】次に、以上の前処理部72a、相関処理部
72b、後処理部73cの動作を、超音波センサ3aお
よび超音波センサ3cの組み合わせに関して行う。これ
により、上記平均化された相互相関関数φ(τ)のピーク
値Aacと、上記平均化された包絡線がピークになるとき
の超音波センサ3aでの受信時間に対する遅延時間τac
が、超音波センサ3aおよび超音波センサ3cの組み合
わせに関しても得られる。
【0065】次に、超音波センサ3aおよび超音波セン
サ3bの間の平均化された相互相関関数の包絡線のピー
ク値Aabと、超音波センサ3aおよび超音波センサ3c
の間の平均化された相互相関関数の包絡線のピーク値A
acの内、いずれか一方、もしくは両方の値が予め決めら
れた異常箇所2の有無を判定するための閾値に比べて大
か小かを判定する。これにより、異常箇所2の有無が判
定される(ステップS11)。
【0066】異常箇所2の有無を判定するための上記閾
値は、超音波センサ2aおよび超音波センサ2bの間の
平均化された相互相関関数の包絡線のピーク値Aabに関
する閾値であっても、また、超音波センサ2aおよび超
音波センサ2cの間の平均化された相互相関関数の包絡
線のピーク値Aacに関する閾値であってもよい。また、
上記閾値は、超音波センサ2aおよび超音波センサ2b
の間の平均化された相互相関関数の包絡線のピーク値A
abと、超音波センサ2aおよび超音波センサ2cの間の
平均化された相互相関関数の包絡線のピーク値Aacとの
積や和に関する閾値であっても構わない。
【0067】また、異常箇所2の有無を判定するための
上記閾値は、平均化された相互相関関数の包絡線のピー
ク値に関する閾値でなくても、受信信号のレベルに関す
る閾値であっても良いし、その周波数スペクトルの絶対
値に関する閾値、フィルタリングされたクロススペクト
ルC(f)の絶対値に関する閾値であってもよい。その
場合は、前処理部72の段階で異常箇所2の有無が判定
される。また、異常箇所2の有無に関する判定は、これ
ら全ての閾値の内、いずれか一つによって判定してもよ
いし、2つあるいは、3つ以上の情報を組み合わせて判
定してもよい。
【0068】上記閾値は、予備実験により決められてい
る。この予備実験は、異常箇所2が存在する場合と、実
質上、存在しない場合について、この実施の形態1に係
わる異常箇所検出装置と同じか、または、同様の異常箇
所検出装置を用いて行われる。このような予備実験から
得られた統計データから、異常箇所2の有無を判定する
ための上記閾値データが予め決められている。
【0069】また、上記閾値は、異常箇所2の有無の判
定だけでなく、異常箇所2の形状やサイズをクラス分け
するためのものであってもよい。この場合、上記予備実
験は、異常箇所2の形状やサイズに関してクラス分けさ
れる各場合について、この実施の形態1に係わる異常箇
所検出装置と同じか、または、同様の異常箇所検出装置
を用いて行われる。
【0070】なお、上記の大小関係に関する情報の内、
より多くの情報を組み合わせて異常箇所の有無の判定を
行えば、より確度の高い判定を行うことができる効果が
得られる。特に、各判定結果について異なる重み付けを
行って重み付け多数決の論理を使って判定すれば、上記
の3つの判定結果がバラバラの判定結果になったとき、
より確度の高い判定結果を得ることができる。重み付け
多数決の判定に使う重みの係数については、上述したも
のと同様の予備実験からきめれば、判定の確度はさらに
高くできる。
【0071】異常箇所2があると判定された場合、超音
波センサ3aと3bとの間の離間距離と、超音波センサ
3bと超音波センサ3cの間の離間距離と、超音波セン
サ3aと3bとの間の平均化された相互相関関数の包絡
線がピークになるときの、超音波センサ3aでの受信時
間に対する遅延時間τabと、超音波センサ3aと3cと
の間の平均化された相互相関関数の包絡線がピークにな
るときの超音波センサ3aでの受信時間に対する遅延時
間τacとから超音波センサ3aから異常箇所2までのの
導管1に沿った距離xが式(1)により特定される。つ
まり、漏洩箇所の位置が特定される(ステップS1
2)。
【0072】
【数1】
【0073】なお、漏洩音が導管1を伝搬するときの伝
搬速度が既知であれば、超音波センサ3a、3b、およ
び3cの内、2つの超音波センサの間が地表上に露出し
ていてその間に異常箇所がないことが目視により判断で
きる領域等の、異常箇所2がないことが既知である領域
である2つの超音波センサの内の一つ、例えば、図1に
おける超音波センサ3cを取り除いても、異常箇所2の
有無、異常箇所2の位置の特定を行うことができる。例
えば、超音波センサ3cを取り除いた場合、超音波セン
サ3aから異常箇所2までの距離xは、漏洩音が導管1
を伝搬するときの伝搬速度をvとし、式(2)で与えら
れる。これにより、検査を容易にし、検査システムを廉
価にできるという効果がある。
【0074】
【数2】
【0075】このように求められた異常箇所2の有無、
および特定された異常箇所2の位置は、表示部73に出
力される(ステップS13)。表示部73では、異常箇
所2の有無、および特定された異常箇所2の位置を表示
する。これらの情報は、単に表示するだけでなく、検査
結果の記録として、記録、保管しておけば、異常箇所の
発生傾向に関するデータベースの構築に役立つだけでな
く、ある一定期間後の定期検査の際の参照データとして
役立つ作用効果を奏する。
【0076】また、表示部73には、上述したように、
異常箇所2の有無に関する情報が入力された。この情報
は2値の情報である。したがって、これを光のオン・オ
フや、表示のほかに警報音のオン・オフなど、検査者の
五感に反応する形式で検査者に報知できるように表示部
以外に他の報知手段を設けて伝えるようにしても良い。
また、検査にかかる許容時間が多い場合には、異常箇所
2の有無や、異常箇所2の位置の特定に関する判断を、
検査者が平均化された包絡線を目で見て判断しても良
い。このような場合には、言うまでもないが、表示部2
において異常箇所2の有無や特定した漏水箇所の表示を
行う機能を取り除いても構わない。これにより、装置が
低廉化できる作用効果が得られることは言うまでもな
い。
【0077】また、表示部73において、平均化された
包絡線、平均化された包絡線のピーク値、平均化された
包絡線がピークになる時間、超音波センサ3a、3b、
および3cで得られた受信信号波形、上記受信信号の周
波数スペクトルなどの内、すべての情報、あるいは上記
の情報の内のいずれか1つあるいは2つ以上を表示し、
これらの情報を、さらに記録、保管しておけば、検査の
安定性が増すばかりでなく、異常箇所の発生傾向に関す
るデータベースの構築に役立つ。さらに、ある一定期間
後の定期検査の際の参照データとして役立つ作用効果を
奏する。また、ある一定期間を過ぎて再度の検査を行う
際に、検査データの再現性の確認や、経時変化の調査に
役立てることもできる。
【0078】この発明の実施の形態1においては、従来
とは異なり、相関処理の前処理に、流れが存在しない領
域に配置された超音波センサの受信信号の周波数スペク
トルでその周波数特性を決めたフィルタを用いているの
で、従来とは異なり、漏洩音の周波数帯域が未知の場合
であっても、上記フィルタにより漏洩音を効率良く抽出
することができる。特に、導管内に流れが生じることに
より雑音が生じる場合であっても、上記フィルタにより
漏洩音を効率良く抽出することができる。さらに、相互
相関関数の包絡線を複数回の繰り返し測定から平均化す
るという平均化処理をさらに行うことによって、漏洩音
や雑音がランダムで周期性のない信号であるという問題
を克服することができる。
【0079】以上のように、この発明によれば、漏洩音
や雑音の特徴を考慮した信号処理を行うことから、被検
査管に存在する異常箇所の有無の判定や、異常箇所の位
置の特定を精度良く安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による漏洩箇所検出
装置の構成を示す模式図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法を説明するための説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法を説明するための説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法を説明するための説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法を説明するための説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法を説明するための説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法を説明するための説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法を説明するための説明図である。
【図9】 従来例に係わる漏洩箇所検出装置を説明する
ための構成図である。
【図10】 従来例に係わる漏洩箇所検出装置を説明す
るための構成図である。
【符号の説明】 1 導管、2 漏洩箇所、3a 超音波センサ、3b
超音波センサ、3c 超音波センサ、4 音圧測定器、
5 相関器、6 地中、7 受信装置、71 受信部、
72信号処理部、72a 前処理部、72b 相関処理
部、72c 後処理部、73 表示部、74 制御部、
8 バルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和高 修三 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2G067 AA11 BB11 DD13

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査管に設けたバルブの閉鎖によって
    被検査管に存在する異常箇所に向かう方向の管内流体の
    流れが存在する領域と存在しない領域とに配置されて被
    検査管内に異常箇所が存在することにより発生する漏洩
    音を受信するための3つの超音波センサを備えると共
    に、 これら超音波センサによる漏洩音の受信信号をそれぞれ
    受信部を介して入力し信号処理する信号処理部に、 漏洩音の周波数スペクトルを求める演算部、及びその演
    算結果をもとに周波数特性が決められたフィルタを含む
    前処理部と、 上記前処理部により前処理された信号から相互相関関数
    を演算する相関処理部とを備えたことを特徴とする異常
    箇所検出装置。
  2. 【請求項2】 上記前処理部は、上記3つの超音波セン
    サの内、被検査管内の流体の流れが存在する領域に配置
    された超音波センサで受信した受信信号をフィルタによ
    りフィルタリングすることを特徴とする請求項1に記載
    の異常箇所検出装置。
  3. 【請求項3】 上記前処理部は、上記3つの超音波セン
    サの内、上記バルブを閉鎖することにより被検査管内の
    流体の流れが存在しない領域に配置された超音波センサ
    で受信した受信信号の周波数スペクトルから上記フィル
    タの周波数特性を決定することを特徴とする請求項2に
    記載の異常箇所検出装置。
  4. 【請求項4】 上記フィルタは、上記バルブを閉鎖する
    ことにより被検査管内の流体の流れが存在しない領域に
    配置された超音波センサで受信した受信信号の周波数ス
    ペクトルと同じ周波数特性を持つことを特徴とする請求
    項3に記載の異常箇所検出装置。
  5. 【請求項5】 上記フィルタは、上記バルブを閉鎖する
    ことにより被検査管内の流体の流れが存在しない領域に
    配置された超音波センサで受信した受信信号の周波数ス
    ペクトルの絶対値が予め決められたある閾値を超える周
    波数を中心周波数とし、上記中心周波数と予め決められ
    た周波数帯域幅とから上限周波数と下限周波数が決めら
    れたバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項
    3に記載の異常箇所検出装置。
  6. 【請求項6】 上記信号処理部は、上記相関処理部によ
    り演算された相互相関関数の包絡線を求め、さらに予め
    決められた繰り返し回数だけ求められた上記相互相関関
    数の包絡線を平均化する後処理部をさらに備えたことを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の異常箇
    所検出装置。
  7. 【請求項7】 上記後処理部は、上記平均化された相互
    相関関数の包絡線のピーク値と予め決められたある閾値
    との大小関係から異常箇所の有無を判定することを特徴
    とする請求項6に記載の異常箇所検出装置。
  8. 【請求項8】 上記後処理部は、異常箇所が存在する場
    合としない場合の予備実験から得られる統計データに基
    づいて上記平均化された相互相関関数の包絡線のピーク
    値に関する閾値を決定することを特徴とする請求項7に
    記載の異常箇所検出装置。
  9. 【請求項9】 上記後処理部は、3つの超音波センサの
    内、ある2つの超音波センサで受信した受信信号につい
    ての上記平均化された相互相関関数の包絡線がピークに
    なる時間と、3つの超音波センサの内、上記2つの超音
    波センサの片方のセンサと、上記2つの超音波センサ以
    外の超音波センサとで受信した受信信号についての上記
    平均化された相互相関関数の包絡線がピークになる時間
    と、上記3つの超音波センサの各離間距離とから異常箇
    所の位置を特定することを特徴とする請求項6ないし8
    のいずれかに記載の異常箇所検出装置。
  10. 【請求項10】 被検査管に設けたバルブの閉鎖によっ
    て被検査管に存在する異常箇所に向かう方向の管内流体
    の流れが存在する領域と存在しない領域とに配置されて
    被検査管内に異常箇所が存在することにより発生する漏
    洩音を受信するための2つの超音波センサを備えると共
    に、 これら超音波センサによる漏洩音の受信信号をそれぞれ
    受信部を介して入力し信号処理する信号処理部に、 漏洩音の周波数スペクトルを求める演算部、及びその演
    算結果をもとに周波数特性が決められたフィルタとを含
    む前処理部と、 上記前処理部により前処理された信号から相互相関関数
    を演算する相関処理部とを備えたことを特徴とする異常
    箇所検出装置。
  11. 【請求項11】 上記前処理部は、上記2つの超音波セ
    ンサの内、被検査管内の流体の流れが存在する領域に配
    置された超音波センサで受信した受信信号をフィルタに
    よりフィルタリングすることを特徴とする請求項10に
    記載の異常箇所検出装置。
  12. 【請求項12】 上記前処理部は、上記2つの超音波セ
    ンサの内、上記バルブを閉鎖することにより被検査管内
    の流体の流れが存在しない領域に配置された超音波セン
    サで受信した受信信号の周波数スペクトルから上記フィ
    ルタの周波数特性を決定することを特徴とする請求項1
    1に記載の異常箇所検出装置。
  13. 【請求項13】 上記フィルタは、上記バルブを閉鎖す
    ることにより被検査管内の流体の流れが存在しない領域
    に配置された超音波センサで受信した受信信号の周波数
    スペクトルと同じ周波数特性を持つことを特徴とする請
    求項12に記載の異常箇所検出装置。
  14. 【請求項14】 上記フィルタは、上記バルブを閉鎖す
    ることにより被検査管内の流体の流れが存在しない領域
    に配置された超音波センサで受信した受信信号の周波数
    スペクトルの絶対値が予め決められたある閾値を超える
    周波数を中心周波数とし、上記中心周波数と予め決めら
    れた周波数帯域幅とから上限周波数と下限周波数が決め
    られたバンドパスフィルタであることを特徴とする請求
    項12に記載の異常箇所検出装置。
  15. 【請求項15】 上記信号処理部は、上記相関処理部に
    より演算された相互相関関数の包絡線を求め、さらに予
    め決められた繰り返し回数だけ求められた上記相互相関
    関数の包絡線を平均化する後処理部をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載の
    異常箇所検出装置。
  16. 【請求項16】 上記後処理部は、上記平均化された相
    互相関関数の包絡線のピーク値と予め決められたある閾
    値との大小関係から異常箇所の有無を判定することを特
    徴とする請求項15に記載の異常箇所検出装置。
  17. 【請求項17】 上記後処理部は、異常箇所が存在する
    場合としない場合の予備実験から得られる統計データに
    基づいて上記平均化された相互相関関数の包絡線のピー
    ク値に関する閾値を決定することを特徴とする請求項1
    6に記載の異常箇所検出装置。
  18. 【請求項18】 上記後処理部は、2つの超音波センサ
    の内、ある2つの超音波センサで受信した受信信号につ
    いての上記平均化された相互相関関数の包絡線がピーク
    になる時間と、漏洩音が上記被検査管を伝搬するときの
    伝搬速度と、上記2つの超音波センサの各離間距離とか
    ら異常箇所の位置を特定することを特徴とする請求項1
    5ないし17のいずれかに記載の異常箇所検出装置。
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