JP2005265701A - 異常箇所検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の超音波センサによるデータを同一タイミングで受信して信号処理に相関方式を適用することが可能な異常箇所検出装置を提供する。
【解決手段】導管1の管軸方向に沿って離隔して配置され、導管1に異常箇所2が存在することにより発生する漏洩音を受信するための複数の超音波センサ3a,3bと、複数の超音波センサ3a,3bに対応して設けられ、各超音波センサ3a,3bによる漏洩音データを同一サンプリングタイミングで同時にサンプリングする複数のA/D変換器4a,4bと、複数のA/D変換器4a,4bにより同時サンプリングされたデータを相互相関関数を利用して信号処理して導管1に存在する異常箇所2を検出する信号処理部10とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】導管1の管軸方向に沿って離隔して配置され、導管1に異常箇所2が存在することにより発生する漏洩音を受信するための複数の超音波センサ3a,3bと、複数の超音波センサ3a,3bに対応して設けられ、各超音波センサ3a,3bによる漏洩音データを同一サンプリングタイミングで同時にサンプリングする複数のA/D変換器4a,4bと、複数のA/D変換器4a,4bにより同時サンプリングされたデータを相互相関関数を利用して信号処理して導管1に存在する異常箇所2を検出する信号処理部10とを備えた。
【選択図】図1
Description
この発明は、例えば導管をはじめとした被検査管中の異常箇所を検出する異常箇所検出装置に関するもので、遠隔の複数箇所に配置した複数の超音波センサからの受信信号を信号処理してセンサ間を広域に検査する異常箇所検出装置、もしくは遠隔の複数箇所に配置した複数の超音波センサの一つから超音波信号を発信し、他の超音波センサからの受信信号を信号処理してセンサ間を広域に検査する異常箇所検出装置に関するものであり、さらに無線機能により受信データの通信を行うものに関する。
従来のこの種の異常箇所検出装置として、導管に離隔して2箇所に配置した超音波センサで受信した信号を無線により通信し、2つの受信データを信号処理して被検査管の異常箇所の位置を特定する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
この異常箇所検出装置においては、第1と第2の超音波センサ間の導管に異常箇所が存在すると漏洩音が生じ、この漏洩音は導管を伝搬して第1と第2の超音波センサにより受信され、2つの超音波センサからの漏洩音データを受信データとしてそれぞれ無線機を介して信号処理装置の相関器に送信され、相関器において2つの受信データの相互相関関数を計算することにより、漏洩音が異常箇所から第1の超音波センサに伝搬するまでの伝搬遅延時間と、漏洩音が異常箇所から第2の超音波センサに伝搬するまでの伝搬遅延時間との伝搬遅延時間時間差を求めることにより異常箇所を特定できる。
すなわち、前記伝搬遅延時間差τと、2つの超音波センサ間の導管に沿った距離Lと、既知である漏洩音の導管に沿った伝搬速度とから、次式(1)により第1の超音波センサから異常箇所までの導管に沿った距離xを求めることができる。
x=(L−τ×v)/2 (1)
x=(L−τ×v)/2 (1)
小林、第35回全国水道研究発表会、昭和59年5月、231頁〜233頁
しかしながら、上述した従来の異常箇所検出装置においては、2つの受信データの相互相関関数を利用して異常箇所を検出するものであるから、2つの受信データが同時に受信される必要がある。つまり、同時にサンプリングが開始されていることが必要である。なぜならば、2つの受信データの時間原点がずれていると、2つの受信データ間の遅延時間差が不明となり、相互相関関数から求めた伝搬遅延時間差の値が、漏洩音の伝搬遅延時間差と一致しなくなるからである。
また、従来の異常箇所検出装置においては、無線によるデータ通信における信頼性が特に重要であり、信頼性の高い通信方式の適用が必要である。しかし、上述した従来の異常箇所検出装置では、無線機に受信データを格納するメモリ機能を有しておらず、リアルタイムな通信方式が必須であった。したがって、長時間データを採取した際に通信における通信速度がボトルネックとならないようにするには、通信方式においてAMやFMといった、通信速度は早いが一般的に信頼性の低いと言われているアナログ方式を用いざるを得なかった。
また、前記受信データを前記メモリに格納する機能をたとえ有したとしても、2つのデータを同時に受信してメモリに格納する機能がないために、所望の信号処理が行えないという問題があった。このように、従来の異常箇所検出装置は、複数の長時間データを同時に受信し、信頼性の高い方式で無線通信することが難しかった。したがって、実用に値するものではなかった。
この発明は上述した点に鑑みてなされたもので、複数の超音波センサによるデータを同一タイミングで受信して信号処理に相関方式を適用することが可能な異常箇所検出装置を提供することを目的とする。
この発明に係る異常箇所検出装置は、被検査管の管軸方向に沿って離隔して配置され、前記被検査管に異常箇所が存在することにより発生する漏洩音を受信するための複数の超音波センサと、複数の超音波センサに対応して設けられ、各超音波センサによる漏洩音データを同一サンプリングタイミングで同時にサンプリングする複数のA/D変換器と、前記複数のA/D変換器により同時サンプリングされたデータを相互相関関数を利用して信号処理して前記被検査管に存在する異常箇所を検出する信号処理部とを備えたものである。
また、他の発明に係る異常箇所検出装置は、被検査管の管軸方向に沿って離隔して配置され、前記被検査管に存在する異常箇所を検出するための複数の超音波センサと、前記複数の超音波センサのうち超音波を発生する送信用の発信子となる超音波センサを設定された信号波形及びトリガ信号の受信に基づいて励振する信号発生器と、前記複数の超音波センサのうち送信用の発信子となる超音波センサから発生し前記被検査管を伝搬した超音波を受信する超音波センサによる受信データを前記信号発生器からの励振信号の発生と同期してサンプリングする複数のA/D変換器と、前記複数のA/D変換器によりサンプリングされた受信データの振幅を予め設定した閾値と比較して前記被検査管に存在する異常箇所を検出する信号処理部とを備えたものである。
この発明によれば、複数の超音波センサによるデータを同一タイミングで受信して信号処理に相関方式を適用することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。図1に示す異常箇所検出装置は、水、油あるいはその他の液体またはガス等気体を通す被検査管としての導管1の異常箇所2を検出ものであって、導管1の管軸方向に沿って離隔して配置され、異常箇所が存在することにより発生する漏洩音を受信するための超音波センサ3a,3bと、超音波センサ3a,3bに対応して設けられ、各超音波センサによる漏洩音データを同一サンプリングタイミングで同時にサンプリングするA/D変換器4a,4bと、A/D変換器4a,4bにより同時サンプリングされたデータを相互相関関数を利用して信号処理して導管1に存在する異常箇所2を検出する信号処理部10とを備えている。
図1は、この発明の実施の形態1に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。図1に示す異常箇所検出装置は、水、油あるいはその他の液体またはガス等気体を通す被検査管としての導管1の異常箇所2を検出ものであって、導管1の管軸方向に沿って離隔して配置され、異常箇所が存在することにより発生する漏洩音を受信するための超音波センサ3a,3bと、超音波センサ3a,3bに対応して設けられ、各超音波センサによる漏洩音データを同一サンプリングタイミングで同時にサンプリングするA/D変換器4a,4bと、A/D変換器4a,4bにより同時サンプリングされたデータを相互相関関数を利用して信号処理して導管1に存在する異常箇所2を検出する信号処理部10とを備えている。
さらに、A/D変換器4a,4bによりサンプリングされたデータをそれぞれ格納するためのメモリ5a,5bが備えられ、信号処理部10は、通信子機6a,6bと通信親機7a,7bでなる無線通信手段を介してメモリ5a,5bに格納されたデータを受信するようになされており、無線通信方式としてスペクトラム拡散方式を用いている。また、信号処理部10は、トリガ送信機8からサンプリング開始信号を発生させて、これを受信するトリガ受信機9a,9bでなる無線通信手段を介してA/D変換器4a,4bをトリガして同一サンプリングタイミングで同時にサンプリングが行われるようにしている。なお、信号処理部10の信号処理結果は表示部11で表示される。
なお、図1において、導管1は、そのすべての部分もしくはその一部分が、地中より上に存在していても構わないし、地中に埋もれていても構わない。また、図1では、異常箇所2が1箇所である場合について述べているが、複数箇所でも構わない。また、導管1の中の水、油あるいはその他の液体またはガス等の気体は、流れていても、流れていなくても構わない。また、流れている場合には、流れの方向はどちら向きでも構わない。
さらに、超音波は、人間の耳に聞こえない程度に高い周波数の音波や弾性波を指す言葉として使われるが、この発明では、周波数は特に規定しないものとする。すなわち、この発明における「超音波」という文言には、人間の耳で聞こえる周波数の上限の限界よりも高い周波数の音波や弾性波に限らず、この上限よりも低い周波数の音波や弾性波も含めた波という意味を含んでおり、無論、人間の耳で聞こえる周波数の下限の限界よりも低い周波数の音波や弾性波という意味も含む。
また、図1においては、超音波センサ3a,3bが導管1に当てて置かれている場合を示しているが、超音波センサ3a,3bは、導管1の2箇所において漏洩音を受信することが目的であり、この目的が達成できるならば、導管1に直接接触していなくても構わない。また、この目的が達成できるならば、導管1の内部に配置されても構わない。
また、図1において、トリガ送信機8は、トリガ受信機9a,9bに対し、サンプリングの開始タイミングを知らせる無線信号を送信する。トリガ受信機9a,9bは、トリガ送信機8からの信号に同期して2つのA/D変換器4a,4bに対し、同時にトリガ信号を送信する機能を有している。
また、通信子機6a,6bとは、メモリ5a,5bに蓄積されたデータを、通信親機7a,7bに無線通信する機能を有している。通信親機7a,7bとは、受信したデータを、信号処理部10内の図示しないメモリに格納する機能を有している。
また、信号処理部10は、通信親機7a,7bからの受信データをもとに信号処理を行い、異常箇所2の検出を行う機能を有している。また、信号処理部10は、トリガ送信機8にトリガ信号の送信タイミングを知らせる機能を有している。また、信号処理部10は、通信親機7a,7bを介して通信子機6a,6bに対し、A/D変換器4a,4bのサンプリング条件に関する情報を送信する機能を有している。この情報には、サンプリングレート、サンプリング数といった情報が含まれている。通信子機6a,6bは、前記情報に準じてA/D変換器4a,4bのサンプリング条件を設定する機能を有している。
次に、図1に示した実施の形態1に係る異常箇所検出装置の動作について説明する。まず、A/D変換器4a,4bにおけるサンプリング条件を決め、信号処理部10から、通信子機6a,6bに対し、サンプリング条件に関する情報を送信する。通信子機6a,6bは、サンプリング条件に関する情報をもとにA/D変換器4a,4bのサンプリング条件を設定する。
次に、信号処理部10から、トリガ送信機8に対し、データ採取開始を知らせるタイミング信号を送信する。トリガ送信機8は、この信号をもとにトリガ受信機9a,9bにトリガ信号の送信タイミングを知らせる無線信号を送信する。トリガ受信機9a,9bは、トリガ送信機8からの無線信号を受信すると同時に、A/D変換器4a,4bにトリガ信号を送信する。これにより、2つのA/D変換器4a,4bとは、同時にサンプリングを開始することが可能となる。
A/D変換器4a,4bは、前記トリガ信号を受信すると同時にサンプリングを開始し、超音波センサ3a,3bで受信した異常箇所2からの漏洩音データをサンプリングする。サンプリングした受信データは、メモリ5a,5bに各々格納される。
通信子機6a,6bは、メモリ5a,5bに格納された受信データを通信親機7a,7bに送信する。通信親機7a,7bは、その受信データを、信号処理部10内の図示しないメモリに格納する。
信号処理部10は、前記受信データを信号処理し、異常箇所の検出を行う。信号処理の方法としては、従来公知の相互相関関数を利用する方法を用いれば良い。そして、信号処理部10で得られた検査結果は、表示部11で表示される。
従って、実施の形態1によれば、遠隔に配置した2つの超音波センサ3a,3bで受信した漏洩音データを、同一タイミングでサンプリングすることができ、信号処理において、相関方式を適用することが可能となる。
また、このとき、トリガ送信機8とトリガ受信機9a,9bとの間の通信は、単にタイミング信号を送信するだけなので、早い通信速度が不要であり、信頼性の高いスペクトラム拡散方式を適用することが可能となる。
また、相互相関方式においては、2つの受信データが同時にサンプリング開始されていることが必要であるが、採取した受信データをリアルタイムで信号処理する必要はない。この発明の実施の形態1に示したように、メモリ5a,5bに受信データを格納した後に、オフラインで信号処理部10に送ればよく、通信における転送速度がボトルネックとなることがない。これにより、通信子機6(6a,6bを総称する)と通信親機7(7a,7bを総称する)との間の通信方式にリアルタイム性が不要となり、例えば無線LANをはじめとしたスペクトラム拡散方式のように、AM方式やFM方式のようなアナログ無線と比較して、一般的に信頼性が高いと言われている方式を適用することが可能となる効果が生じる。さらに、メモリ5(5a,5bを総称する)の容量を大きくとることで、長時間データを採取することも可能で、より統計的で信頼性の高い信号処理結果を得ることが可能となる。
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。図2に示す実施の形態2において、図1に示す実施の形態1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。図2に示す実施の形態2においては、図1のトリガ受信機9a,9bの代わりに衛星からの時刻、位置情報とともに、基準クロック信号を無線受信し、衛星からの基準クロック信号をトリガ信号としてA/D変換器4a、4bに送信するGPS受信機12a,12bを備えており、また、トリガ送信機8を必要としない点が図1に示す実施の形態1と異なる。ここで、この基準クロック信号は、例えば1秒間隔の一定時間の間隔でON/OFFするような矩形信号である。
図2は、この発明の実施の形態2に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。図2に示す実施の形態2において、図1に示す実施の形態1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。図2に示す実施の形態2においては、図1のトリガ受信機9a,9bの代わりに衛星からの時刻、位置情報とともに、基準クロック信号を無線受信し、衛星からの基準クロック信号をトリガ信号としてA/D変換器4a、4bに送信するGPS受信機12a,12bを備えており、また、トリガ送信機8を必要としない点が図1に示す実施の形態1と異なる。ここで、この基準クロック信号は、例えば1秒間隔の一定時間の間隔でON/OFFするような矩形信号である。
また、図2における信号処理部10は、通信親機7a,7bを介して通信子機6a,6bに対し、サンプリング条件とともにA/D変換器4a,4bをトリガ待ち状態とする時刻に関する情報を送信する機能を有している。また、A/D変換器4a,4bは、前記時刻になるとともに、GPS受信機12a,12bからのトリガ待ち状態となり、前記時刻直後のトリガ信号を受信すると同時に設定されたサンプリング条件にしたがってサンプリングを行う機能を有している。
次に、図2に示した実施の形態2に係る異常箇所検出装置の動作について説明する。まず、A/D変換器4a,4bにおけるサンプリング条件およびトリガ待ち状態に入る時刻を決め、信号処理部10から、通信子機6a,6bに対し、サンプリング条件および前記時刻に関する情報を送信する。通信子機6a,6bは、前記情報をもとにA/D変換器4a,4bのサンプリング条件および前記時刻を設定する。
GPS受信機12a,12bは、衛星からの基準クロック信号をもとに、一定時間間隔でA/D変換器4a,4bにトリガ信号を送信し続ける。A/D変換器4a,4bは、設定されたトリガ待ちに入る時刻となるまで待機し、この時間帯における前記トリガ信号を無視し続ける。
次に、A/D変換器4a,4bは、前記設定された時刻になるとともにトリガ待ち状態に入り、直後のトリガ信号を受信すると同時にサンプリングを開始する。これにより、2つのA/D変換器4a,4bは、同時にサンプリングを開始することが可能となる。
A/D変換器4a,4bによりサンプリングした受信データは、メモリ5a,5bに各々格納される。通信子機6a,6bは、メモリ5a,5bに格納された受信データを、通信親機7a,7bに送信する。そして、通信親機7a,7bとは、前記受信データを、信号処理部10内の図示しないメモリに格納する。
信号処理部10は、前記受信データを信号処理し、異常箇所の検出を行い、表示部11は、信号処理部10で得られた検査結果を表示する。
従って、実施の形態2によれば、衛星からの基準クロック信号をもとに、A/D変換器4a,4bにトリガ信号を送信しているので、図1に示す実施の形態1のトリガ送信機8とトリガ受信機9a,9bとが不要となり、単純な装置構成を実現できるとともに、装置全体を廉価にすることが可能となる。
なお、実施の形態1および2において、A/D変換器4a,4bにおけるサンプリングの入力端子数は1個となっているが、これを2個以上とすることにより、より検査の精度を上げることが可能である。
また、実施の形態1および2においては、相互相関関数を利用して異常個異常箇所の検出を行う場合について説明したが、遠隔に配置した2つ以上の超音波センサ3(3a,3Bを総称する)で同時に受信した信号を処理する異常箇所検出装置であれば、どのようなものに対しても適用できる。
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。図3に示す実施の形態2において、図1に示す実施の形態1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。図3に示す実施の形態3においては、図1に示すA/D変換器4aとメモリ5aの代わりに、信号発生器13を備えている。また、実施の形態1および2に示した異常箇所検出装置は、2つのパッシブな超音波センサ3a,3bを用いて異常箇所2の検出を行うものであったが、この実施の形態3では、超音波センサ3aが超音波を発生する送信用の発信子としての機能を有し、超音波センサ3bは超音波センサ3aから発生し導管1を伝搬した超音波を受信する機能を有する点が、実施の形態1および2と異なる。
図3は、この発明の実施の形態3に係る異常箇所検出装置の構成を示すブロック図である。図3に示す実施の形態2において、図1に示す実施の形態1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。図3に示す実施の形態3においては、図1に示すA/D変換器4aとメモリ5aの代わりに、信号発生器13を備えている。また、実施の形態1および2に示した異常箇所検出装置は、2つのパッシブな超音波センサ3a,3bを用いて異常箇所2の検出を行うものであったが、この実施の形態3では、超音波センサ3aが超音波を発生する送信用の発信子としての機能を有し、超音波センサ3bは超音波センサ3aから発生し導管1を伝搬した超音波を受信する機能を有する点が、実施の形態1および2と異なる。
また、信号処理部10は、通信親機7a,7bを介して通信子機6aに対し信号発生器13の発生信号波形に関する情報を送信する機能を有し、通信子機6aは前記情報をもとに信号発生器13において発生させる信号波形を設定する機能を有している。信号発生器13は、設定された信号波形をトリガ受信機9aからのトリガ信号を受信すると同時に超音波センサ3aに送信し、超音波センサ3aを励振する機能を有している。
また、A/D変換器4は、超音波センサ3bによる受信データを信号発生器13からの励振信号の発生と同期してサンプリングするようになされており、信号処理部10は、A/D変換器4によりサンプリングされメモリ5に格納された受信データの振幅を予め設定した閾値と比較して導管1に存在する異常箇所2を検出するようになされている。
次に、図3に示した実施の形態3に係る異常箇所検出装置の動作について説明する。まず、A/D変換器4におけるサンプリング条件を決め、信号処理部10から、通信子機6aに対し発生信号波形に関する情報を、通信子機6bに対しサンプリング条件に関する情報を送信する。通信子機6a,6bは、前記情報をもとに信号発生器13およびA/D変換器4のサンプリング条件を設定する。
信号処理部10から、トリガ送信機8に対し、信号発生およびデータ採取開始を知らせるタイミング信号を送信する。トリガ送信機8は、この信号をもとにトリガ受信機9a,9bにトリガ信号の送信タイミングを知らせる無線信号を送信する。トリガ受信機9a,9bは、トリガ送信機8からの無線信号を受信すると同時に、信号発生器13およびA/D変換器4にトリガ信号を送信する。これにより、A/D変換器4は、信号発生器13からの信号発生と同期してサンプリングを開始することが可能となる。
次に、信号発生器13は、前記トリガ信号を受信すると同時に信号を発生し、超音波センサ3aを励振する。超音波センサ3aから発生した超音波は、導管1を伝搬した後、超音波センサ3bにより受信されて電気信号に変換され、A/D変換器4に送られる。A/D変換器4は、前記トリガ信号を受信すると同時にサンプリングを開始し、超音波センサ3bで受信したデータをサンプリングし、サンプリングした受信データは、メモリ5に受信データとして各々格納される。
通信子機6bは、メモリ5に格納された受信データを、通信親機7bに送信し、通信親機7bは、前記受信データを、信号処理部10内の図示しないメモリに格納する。
信号処理部10は、前記受信データを信号処理し、異常箇所の検出を行う。ここで、異常箇所の検出方法としては、例えば、受信データの振幅が予め設定したある閾値を超えるか否かで、異常箇所が存在するかの判断をする方法を用いれば良い。超音波センサ3aと3bとの間に、異常箇所2が存在すれば、超音波センサ3aと3bとの間を超音波が伝搬する過程において一部が異常箇所2において反射されるので、超音波センサ3bにより受信される信号のレベルが低下する。したがって、上述した振幅閾値との比較により異常箇所2が存在するか否かを判断することができる。表示部11は、信号処理部10で得られた検査結果を表示する。
従って、実施の形態3によれば、遠隔に配置した信号発生器13とA/D変換器4との動作タイミングを司ることが可能であり、アクティブな検査方式を実現することが可能である。パッシブな検査方式では、導管1の内部に存在する水圧が低く漏水により発生する漏水音のレベルが低い場合において、検査が困難な場合があるが、この発明の如くアクティブな検査方式を適用すれば、前記水圧に関係なく検査が可能である。また、異常箇所が漏水等の漏洩をともなうものでなく、腐食等の漏洩が存在せず漏洩音が生じない場合においても、この発明の如くアクティブな検査方式であれば、異常箇所を検出することが可能である。
なお、実施の形態3においては、実施の形態1と同じくトリガ送信機8およびトリガ受信機9a,9bとを用いる構成としたが、実施の形態2と同様に、これらの代わりにGPS受信機12a,12bとを有する構成とし、衛星からの基準クロック信号をもとにトリガ信号をA/D変換器4に送る構成としても良い。これにより、実施の形態2と同様の効果が生じる。
また、超音波センサ3b及びA/D変換器4を複数備えることにより、異常箇所2の位置特定を容易にすることができる。
1 導管、2 異常箇所、3a,3b 超音波センサ、4,4a,4b A/D変換器、5,5a,5b メモリ、6a,6b 通信子機、7a,7b 通信親機、8 トリガ送信機、9a,9b トリガ受信機、10 信号処理部、11 表示部、12a,12b GPS受信機、13 信号発生器。
Claims (10)
- 被検査管の管軸方向に沿って離隔して配置され、前記被検査管に異常箇所が存在することにより発生する漏洩音を受信するための複数の超音波センサと、
複数の超音波センサに対応して設けられ、各超音波センサによる漏洩音データを同一サンプリングタイミングで同時にサンプリングする複数のA/D変換器と、
前記複数のA/D変換器により同時サンプリングされたデータを相互相関関数を利用して信号処理して前記被検査管に存在する異常箇所を検出する信号処理部と
を備えた異常箇所検出装置。 - 請求項1に記載の異常箇所検出装置において、
前記複数のA/D変換器によりサンプリングされたデータをそれぞれ格納するための複数のメモリをさらに備え、
前記信号処理部は、無線通信手段を介して前記複数のメモリに格納されたデータを受信する
ことを特徴とする異常箇所検出装置。 - 請求項2に記載の異常箇所検出装置において、
前記無線通信手段は、スペクトラム拡散方式を用いて無線通信する
ことを特徴とする異常箇所検出装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の異常箇所検出装置において、
前記複数のA/D変換器は、無線通信手段を介して前記信号処理部側から送信されるサンプリング開始信号の受信に基づいてトリガされ同一サンプリングタイミングで同時にサンプリングする
ことを特徴とする異常箇所検出装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の異常箇所検出装置において、
前記複数のA/D変換器は、GPS受信機を介して衛星から送信される基準クロックの受信に基づいてトリガされ同一サンプリングタイミングで同時にサンプリングする
ことを特徴とする異常箇所検出装置。 - 被検査管の管軸方向に沿って離隔して配置され、前記被検査管に存在する異常箇所を検出するための複数の超音波センサと、
前記複数の超音波センサのうち超音波を発生する送信用の発信子となる超音波センサを設定された信号波形及びトリガ信号の受信に基づいて励振する信号発生器と、
前記複数の超音波センサのうち送信用の発信子となる超音波センサから発生し前記被検査管を伝搬した超音波を受信する超音波センサによる受信データを前記信号発生器からの励振信号の発生と同期してサンプリングする複数のA/D変換器と、
前記複数のA/D変換器によりサンプリングされた受信データの振幅を予め設定した閾値と比較して前記被検査管に存在する異常箇所を検出する信号処理部と
を備えた異常箇所検出装置。 - 請求項1に記載の異常箇所検出装置において、
前記複数のA/D変換器によりサンプリングされたデータをそれぞれ格納するための複数のメモリをさらに備え、
前記信号処理部は、無線通信手段を介して前記複数のメモリに格納されたデータを受信する
ことを特徴とする異常箇所検出装置。 - 請求項2に記載の異常箇所検出装置において、
前記無線通信手段は、スペクトラム拡散方式を用いて無線通信する
ことを特徴とする異常箇所検出装置。 - 請求項6ないし8のいずれか1項に記載の異常箇所検出装置において、
前記信号発生器と前記複数のA/D変換器は、無線通信手段を介して前記信号処理部側から送信されるトリガ信号の受信に基づいてトリガされ同一タイミングで動作する
ことを特徴とする異常箇所検出装置。 - 請求項6ないし8のいずれか1項に記載の異常箇所検出装置において、
前記信号発生器と前記複数のA/D変換器は、GPS受信機を介して衛星から送信される基準クロックの受信に基づいてトリガされ同一タイミングで動作する
ことを特徴とする異常箇所検出装置。
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JP2004080693A JP2005265701A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 異常箇所検出装置 |
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-
2004
- 2004-03-19 JP JP2004080693A patent/JP2005265701A/ja active Pending
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