JP2000220210A - 免震建物構造 - Google Patents
免震建物構造Info
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Abstract
がら、免震装置の免震性能をより発揮し易く、安価に建
設できるようにする。 【解決手段】 上部躯体B2と下部躯体B1との間に、
免震装置1を介在させてある免震建物構造において、上
部躯体B2は、柱部4と梁部5とを、プレストレス導入
用長尺体4aの緊張によって連結してある。
Description
体との間に、免震装置を介在させてある免震建物構造に
関する。
ら免震へと変化してきている。その裏には、耐震構造で
対応する場合には、建物剛性及び強度を高めるために、
柱や梁の断面を大きくしたり、より強度の高い部材を使
用したりする事となり、当然のことながら、工期も長く
なるのに対し、前記免震構造で対応する場合には、上部
躯体と下部躯体との間に免震装置(例えば、登録実用新
案第3021447号公報、特許第2636950号公
報参照)を位置させることによって、地震エネルギーを
前記免震装置で吸収緩和できるから、前記耐震構造に比
べて、躯体(上部躯体)の部材を必要以上に大きくしな
くてもよくなり、結果的には、短期間に施工することも
可能となるという利点が上げられる。従来、短い工期で
施工できるこの種の建物構造としては、例えば、鉄骨構
造や、鋼管コンクリート構造等が上げられる。
ば、工期を短くすることが可能であるが、免震装置を組
み込んである場合、上部躯体が軟構造であるが為に、地
震に伴って上部躯体も揺れ、免震装置による地震力吸収
性能が充分に発揮され難くなるという問題点がある。こ
の問題点を解消するには、例えば、免震装置そのものの
ゴム材質を更に軟らかくしたり、ゴム厚みを増加させた
りして、より横揺れ性能を向上させる対策(以後、第一
対策という)や、上部躯体に壁部分やブレースを増やし
たり、躯体の部材断面を大きくして剛性を増す対策(以
後、第二対策という)が考えられる。しかしながら、前
記第一対策によれば、免震装置そのものが高価なものと
なる問題点があると共に、免震装置の変形能が向上する
のに伴って建物支持が不安定なものとなり易いから、結
果的には、免震装置の断面を増加させなければならなく
なり、やはり高価になるという問題点がある。一方、前
記第二対策によれば、建物内の使用区画の自由性が低下
し、使い勝手が悪くなり易い問題点がある。
消し、短い工期で工事を実施できる利点を保持しなが
ら、免震装置の免震性能をより発揮し易く、安価に建設
することができる免震建物構造を提供するところにあ
る。
の特徴構成は、図1に例示するごとく、上部躯体B2と
下部躯体B1との間に、免震装置1を介在させてある免
震建物構造において、前記上部躯体B2は、柱部4と梁
部5とを、プレストレス導入用長尺体4aの緊張によっ
て連結してあるところにある。
例示するごとく、前記梁部5が、プレキャストコンクリ
ートであるところにある。
するごとく、前記梁部5が、プレストレストコンクリー
トであるところにある。
するために符号を記したが、該記入により本発明は添付
図面の構成に限定されるものではない。
成によれば、前記上部躯体は、柱部と梁部とを、プレス
トレス導入用長尺体の緊張によって連結してあるから、
上部躯体としての剛性を高いものとすることが可能とな
り、地震に伴う上部躯体の変形を抑制して前記免震装置
の免震作用をより効率よく発揮させることが可能とな
る。従って、必要以上に免震装置をグレードアップする
必要が無くなり、コストアップを防止することも可能と
なる。更には、柱部と梁部とにわたる前記長尺体の緊張
操作によって両者を連結できるから、連結作業を効率よ
く実施することが可能となる。結果として、建築の迅速
性・経済性をより向上させることが可能となる。
項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加
えて、前記梁部が、プレキャストコンクリートであるか
ら、梁を形成するのに現場での型枠工事・配筋工事・コ
ンクリート打設工事等を実施しなくても、そのまま梁部
を柱部に取り付けることが可能となり、上部躯体の形成
作業を効率よく実施することが可能となる。また、工場
生産によって品質安定性の高い梁部とすることが可能と
なる。
項1又は2の発明による作用効果を叶えることができる
のに加えて、前記梁部が、プレストレストコンクリート
であるから、長スパンの梁部を形成したり、梁部の部材
断面積を小さくすることが可能となり、より広い室内空
間を確保することができるようになるから、使用性・機
能性の高い建物とすることが可能となる。また、力学的
にも、上部躯体の剛性を更に高めて、前記免震装置によ
る免震作用をより効率よく発揮することが可能となる。
に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の
符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示してい
る。
て形成した建物Bを示すものである。前記建物Bは、地
盤改良を施した基礎地盤G部分上に複数の独立基礎(下
部躯体に相当)B1を設け、それらの独立基礎B1上
に、免震装置1を介して複数階層の建物構造部(上部躯
体に相当)B2を形成してある。
鉄筋コンクリート製で、その上面には、前記免震装置1
を取り付けるための金属製下部プレート2を一体的に設
けてある。この下部プレート2には、複数のボルト挿通
穴2aと、各ボルト挿通穴2aに合わせて下面側に袋ナ
ット2bを各別に固着してある。従って、下部プレート
2上に免震装置1を載置した状態で、免震装置1・ボル
ト挿通穴2aを通して固定ボルト3を前記袋ナット2b
に螺合させることによって、独立基礎B1に免震装置1
を取付固定することができるものである。
その上部に一体的に設けてあり建築構造部B2の柱部4
・梁部5を取付自在な連結ブロック1Bとから構成して
ある。但し、免震装置本体1Aと連結ブロック1Bとの
一体化は、設置前から実施してあっても、設置時に実施
するものであってもよい。
とゴム製薄板1bとを交互に積層させて一体化し、夫々
の薄板1a・1bどうしが横方向に層間変位自在に形成
してあることによって、前記独立基礎B1と建物構造部
B2との横方向相対移動に抵抗しながら追従し、免震効
果を発揮できるように構成してあるものである。尚、前
記各薄板1a・1bの中央部には、夫々を貫通する状態
に鉛製の棒状体1cを設けてあり、前記各薄板1a・1
bの層間変位に対するダンパー効果をより発揮できるよ
うに構成してある。また、免震装置本体1Aの上下端面
部には、本体部分より大径の金属プレート1dを一体的
に設けてあり、この金属プレート1dにも前記下部プレ
ート2の各ボルト挿通穴2aと同様に、それぞれ対応す
る位置にボルト挿通穴を形成してある。
ト製で、その下面には、前記免震装置本体1Aと連結す
るための金属製上部プレート6を一体的に設けてある。
この上部プレート6も、前記下部プレート2と同じ構成
に形成してあり、前記下部プレート2の天地逆転状態に
配置されている。そして、免震装置本体1Aとこの上部
プレート6とをボルト接合して一体化を図ってある。ま
た、連結ブロック1Bには、前述のように、建築構造部
B2の柱部4を取り付けるための柱取付部7と、梁部5
を取り付けるための梁取付部8とを設けてある。
内に埋め込まれた複数のPC鋼棒7aを備えて構成して
ある。前記各PC鋼棒7aは、先端部が連結ブロック1
B上方に突出する状態にそれぞれ埋設してあり、上方に
配置した柱部4内に挿入されるPC鋼棒4aとカプラー
9によって連結できるように形成してある。また、PC
鋼棒7aの基端部は、PC鋼棒緊張による反力を確保す
るための鍔形状に形成してある。尚、連結ブロック1B
内の前記PC鋼棒7a基端部の周りには、コンクリート
を補強する螺旋状鉄筋7bを複数埋設してある。従っ
て、連結ブロック1BのPC鋼棒7aに柱部4のPC鋼
棒4aを連結すると共に、連結ブロック1B上に前記柱
部4の下端部が位置する状態に設置し、前記PC鋼棒7
aを緊張させることによって、前記免震装置1と柱部4
とを強固に連結することが可能となる。
ク1Bの側部に形成された梁端部載置用段部8aと、連
結ブロック1B内に埋め込まれた複数のPC鋼線挿通用
シース8bを備えて構成してある。
ンクリート製のプレキャスト部材で構成してあり、更
に、当該連結ブロック1Bや、柱部4との連結に使用す
るPC鋼線を挿通自在なシース5aを、前記梁取付部8
のシース8bの開口に対応する位置に合わせて埋設して
ある。また、柱部4もプレキャスト部材で構成してあ
り、上下方向には前述のとおりPC鋼棒4aを挿通して
緊張させる構造にしてあると共に、梁取付所定位置の側
面部には、前記連結ブロック1Bと同様に梁端部載置用
段部4bを各別に設けてある(図1参照)。また、各段
部4b上に載置した梁部5のシース5aの開口に対応す
る位置に合わせて、梁部5との連結に使用するPC鋼線
を挿通自在なシース4cを埋設してある。
載置した状態で、相互のシース5a・8bにPC鋼線を
挿通させて緊張させた状態に固定することによって免震
装置1と梁部5とを強固に連結することが可能となる。
また、柱部4と梁部5との連結に関しても、同様に、柱
部4の段部4b上に梁部5の端部を載置した状態で、相
互のシース4c・5aにPC鋼線(プレストレス導入用
長尺体に相当)を挿通させて緊張させた状態に固定する
ことによって柱部4と梁部5とを強固に連結することが
可能となる。尚、柱部4の下端部には、柱本体とは別体
に形成した柱脚ブロック4dを設けてあり、この柱脚ブ
ロック4dの高さを修正することによって、柱部建方の
精度を確保できるように構成してある。また、この柱脚
ブロック4dにも梁部5をPC鋼線によって緊張連結す
るためのシース4cを形成してあり、柱部4と梁部5と
の連結要領に準じて固定される。
れば、免震装置1を設けた建物でありながら、免震装置
1上に建物構造部B2を順次効率よく組み上げるだけで
短い工期で免震建物を形成することが可能となると共
に、建物構造部B2の剛性を高く確保し、前記免震装置
1の免震性能をより効率よく発揮させることができるよ
うになる。
明する。
説明したプレストレストコンクリート構造の梁部とプレ
キャストの柱部で構成してあるものに限るものではな
く、現場打ちの柱部や、鋼管コンクリートの柱部や、単
なるプレキャストの梁部等を組み合わせた構造であって
もよく、要するに、柱部4と梁部5とを、プレストレス
導入用長尺体4aの緊張によって連結してあるものであ
ればよい。 〈2〉 前記プレストレス導入用長尺体は、先の実施形
態で説明したPC鋼線に限るものではなく、例えば、P
C鋼棒であってもよく、それらを総称してプレストレス
導入用長尺体という。 〈3〉 下部躯体は、先の実施形態で説明した独立基礎
に限るものではなく、例えば、中層階に免震装置を設置
する建物においては、免震装置より下方の各階層部が下
部躯体にあたる。要するに、免震装置より下方に連続す
る躯体を下部躯体という。因みに、上部躯体についても
同様に、免震装置設置階層における免震装置より上方の
躯体を上部躯体という。 〈4〉 前記免震装置本体は、先の実施形態で説明した
金属製薄板1aとゴム製薄板1bとを積層させ、中心軸
部分に鉛製棒状体1cのダンパーを内蔵させた形式のも
のに限るものではなく、前記棒状体1cの無い形式の免
震装置本体であってもよい。また、オイルダンパーや金
属製ダンパーと支承を組み合わせる形式の免震装置本体
等であってもよくそれらを総称して免震装置本体とい
う。また、免震装置本体と連結ブロックとで免震装置を
構成する以外に、免震装置本体の単体によって免震装置
を構成するものであってもよい。
Claims (3)
- 【請求項1】 上部躯体と下部躯体との間に、免震装置
を介在させてある免震建物構造であって、 前記上部躯体は、柱部と梁部とを、プレストレス導入用
長尺体の緊張によって連結してある免震建物構造。 - 【請求項2】 前記梁部が、プレキャストコンクリート
である請求項1に記載の免震建物構造。 - 【請求項3】 前記梁部が、プレストレストコンクリー
トである請求項1又は2に記載の免震建物構造。
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ID=12146531
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JP7556748B2 (ja) | 2020-10-30 | 2024-09-26 | 株式会社竹中工務店 | プレキャストコンクリート製の免震上部基礎 |
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1999
- 1999-02-02 JP JP02473999A patent/JP3916336B2/ja not_active Expired - Lifetime
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