JP2000220080A - 建染め染料による染色方法および染色装置 - Google Patents

建染め染料による染色方法および染色装置

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JP2000220080A
JP2000220080A JP11017045A JP1704599A JP2000220080A JP 2000220080 A JP2000220080 A JP 2000220080A JP 11017045 A JP11017045 A JP 11017045A JP 1704599 A JP1704599 A JP 1704599A JP 2000220080 A JP2000220080 A JP 2000220080A
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cloth
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dyeing
reducing agent
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Hideo Iwami
秀雄 岩見
Takeshi Imai
健 今井
Masahiro Kurahashi
昌大 倉橋
Masaru Ogawa
賢 小川
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Naigai Special Dyeing Co Ltd
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Naigai Special Dyeing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の連続還元固着法と同等以上の品質を維
持しつつ、実施装置の構成を簡素化し設置スペースも小
さくし、エネルギー効率を高め、布帛の均染性も向上さ
せることができる染色方法を提供する。 【手段】 未還元染料の分散液を、還元剤を含む水溶液
と一緒に浴槽12内に収容し、浴槽内の混合溶液32中
に布帛1を浸漬させた後、搾りロール14で布帛から余
分の液を搾り出すパディング工程と、蒸気室18内で加
熱水蒸気により布帛を加熱して染料を固着させる染着工
程とにより布帛を染色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インダンスレン
染料等の建染め染料を用いて布帛を染色する染色方法、
および、その染色方法を実施するために使用される染色
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インダンスレン染料を用いて布帛を染色
する方法としては、連続還元固着法が現在最も広く使用
されている。この染色方法は、未還元染料の分散液を布
帛にパディングし、すなわち、未還元染料分散液中に布
帛を浸漬させた後、搾りロールにより布帛から余分な液
を搾り出し、中間乾燥および冷却工程を経た後、ハイド
ロサルファイトと苛性ソーダと食塩または芒硝(硫酸ナ
トリウム10水塩)とを含む水溶液(以下、「ケミカル
液」という)を布帛にパディングし、続いて、空気を含
まない飽和水蒸気中で布帛を加熱処理することにより、
染料を布帛に還元固着させるものである。この連続還元
固着法を実施するために使用される染色装置の概略構成
の1例を図2に模式的に示す。
【0003】この染色装置は、未還元染料を布帛に保持
させる未還元染料付与部50と、染料を布帛に還元固着
させる染料固着部52との2つの装置部分から構成され
ている。未還元染料付与部50は、未還元染料の分散液
56が収容された液槽58および一対の搾りロール6
0、60を備えた未還元染料パッダ54、長尺帯状の布
帛1の搬送路の両側にそれぞれ搬送路に沿って複数の赤
外線ヒータ64が配設された予備乾燥機62、空間的に
閉鎖された乾燥室68を有し、その乾燥室68内へ図示
しない熱風発生装置から加熱された空気が供給され、乾
燥室68内を布帛1が左右に蛇行しながら搬送される熱
風乾燥機66、ならびに、詳細は図示しないが内部に冷
却水が流される一対の冷却シリンダ72、72を有し、
それらの冷却シリンダ72、72に布帛1が掛け回され
て搬送される冷却部70から構成されている。そして、
布帛1をその長手方向へ連続して搬送するための多数の
搬送ロール74が設けられており、布帛1は、それらの
搬送ロール74により、未還元染料パッダ54から予備
乾燥機62を経て熱風乾燥機66へ導入され、熱風乾燥
機66内を通過して冷却部70へ送られ、未還元染料付
与部50から搬出される。
【0004】また、染料固着部52は、ケミカル液78
が収容されたバット槽80および一対の搾りロール8
2、82を備えたケミカルパッダ76と、空間的に閉鎖
された蒸気室86を有し、その蒸気室86内へ図示しな
い飽和水蒸気発生装置から飽和水蒸気が供給され、空気
を含まない飽和水蒸気が充満した蒸気室86内を布帛1
が上下に蛇行しながら搬送されるスチーマ84とを備え
て構成されている。蒸気室86の後端部には、ウォータ
シール装置88が配設されており、蒸気室86の後端部
から水蒸気が漏れ出ないようにされている。そして、蒸
気室86の出口側に、一対の搾りロール92、92を備
えた搾水部90が配設されている。また、蒸気室86の
前端部からは排気(自然排気あるいは強制排気)が行わ
れるようになっている。布帛1は、多数の搬送ロール7
4により長手方向へ連続して搬送され、未還元染料付与
部50から搬送されてくる布帛1が、ケミカルパッダ7
6へ導かれた後、ケミカルパッダ76からスチーマ84
へ導入され、スチーマ84内を通過して搾水部90へ送
られ、染料固着部52から搬出されるようになってい
る。
【0005】上記したような構成を有する染色装置を使
用した布帛の染色は、以下のようにして行われる。
【0006】染色しようとする長尺帯状の布帛1は、未
還元染料付与部50の未還元染料パッダ54へ導入さ
れ、液槽58内に収容された未還元染料分散液56中に
浸漬させられた後、一対の搾りロール60、60によっ
て余分な液が布帛1から搾り出され、布帛1の全面に均
一に未還元染料分散液56が含ませられる。次に、布帛
1は、予備乾燥機62内を通過する間に赤外線ヒータ6
4からの輻射熱により加熱されて予備乾燥させられ、続
いて、布帛1は、熱風乾燥機66へ導入され、乾燥室6
8内を蛇行しながら搬送される間に熱風により乾燥させ
られる。そして、熱風乾燥機66内を通過する間に温度
が上昇した布帛1は、熱風乾燥機66から搬出された
後、冷却部70へ送られ、冷却シリンダ72の円筒面に
接触しながら搬送されることにより冷却される。布帛1
を冷却するのは、染料固着部52のバット槽80内へ布
帛1を導入したときに、バット槽80内のケミカル液7
8へ熱量を持ち込んでケミカル液78の温度を上昇させ
ることがないようにするためである。
【0007】未還元染料を保持し冷却された布帛1は、
未還元染料付与部50から染料固着部52へ搬送され
る。染料固着部52へ搬入されてきた布帛1は、ケミカ
ルパッダ76へ導かれ、バット槽80内に収容されたケ
ミカル液78中に浸漬させられた後、一対の搾りロール
82、82によって余分な液が布帛1から搾り出され、
布帛1の全面に均一に液が含ませられる。この過程にお
いて、水に不溶の染料が還元され水溶性のロイコ化合物
となって布帛1の繊維上に保持される。続いて、布帛1
は、スチーマ84の導入され、蒸気室86内を蛇行しな
がら搬送される間に飽和水蒸気により加熱されて、布帛
1に染料がロイコ化合物の形で固着される。そして、布
帛1は、蒸気室86の後端部からウォータシール装置8
8を通過して蒸気室86外へ搬出され、搾水部90へ搬
送されて、布帛1がウォータシール装置88を通過する
際に吸収した水が一対の搾りロール92、92により布
帛1から搾り出された後、染料固着部52から搬出され
る。そして、空気により還元染料が酸化されて、布帛1
が染色される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
染色装置を使用し、インダンスレン染料を用いて布帛を
染色する連続還元固着法では、第1段階として未還元染
料を布帛1に保持させる必要があり、未還元染料付与部
50において、未還元染料パッダ54の液槽58内に収
容された未還元染料分散液56中に布帛1を浸漬させた
後、一対の搾りロール60、60によって余分な液を布
帛1から搾り出し、予備乾燥機62により布帛1を予備
乾燥させ、熱風乾燥機66により布帛1を乾燥させ、冷
却部70の冷却シリンダ72により布帛1を冷却する、
といった操作が行われる。このため、装置全体の構成が
複雑となり、また、設置スペースも大きくなる、といっ
た問題を有している。
【0009】また、未還元染料を布帛1に保持させるた
めに、未還元染料分散液56を布帛1に含浸させた後、
布帛1を予備乾燥および熱風乾燥させるようにしている
が、その乾燥操作によって温度が上昇した布帛1を、染
料固着部52のバット槽80内のケミカル液78中に浸
漬させる前に、冷却部70の冷却シリンダ72によって
一旦冷却し、布帛1をバット槽80内のケミカル液78
中に浸漬させてから一対の搾りロール82、82に通し
た後、布帛1をスチーマ84へ導入して飽和水蒸気によ
り再び加熱するようにしている。このように、布帛1を
加熱した後、一旦冷却し、再び加熱するようにしている
ため、エネルギー的にみて効率が悪い。さらに、布帛1
を一度乾燥させた後、再度布帛1を液(ケミカル液7
8)中に浸漬させるようにするため、染料のマイグレー
ション(移染)を起こす心配があり、長尺帯状の布帛1
の幅方向における均染性が問題となることもある。
【0010】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、インダンスレン染料等の建染め染料
を用いて布帛を染色する場合において、従来最も広く利
用されている連続還元固着法と同等もしくはそれ以上の
品質を維持しつつ、実施のための装置の構成を簡素化
し、設置スペースも小さくすることができ、エネルギー
効率を高め、布帛の均染性も向上させることができる建
染め染料による染色方法を提供すること、ならびに、そ
の染色方法を好適に実施することができる染色装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
未還元染料の分散液を、還元剤を含む水溶液と一緒に浴
槽内に収容し、その浴槽内の混合溶液中に布帛を浸漬さ
せた後、布帛から余分の液を搾り出すパディング工程
と、加熱水蒸気の雰囲気中に前記布帛を導入して布帛に
染料を固着させる染着工程とにより、布帛を染色するこ
とを特徴とする。ここでいう「加熱水蒸気」には、飽和
水蒸気および過熱水蒸気を含む。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1記載の染
色方法において、前記パディング工程を不活性ガスの雰
囲気中で行うことを特徴とする。
【0013】請求項3に係る発明は、未還元染料の分散
液と還元剤を含む水溶液との混合溶液を収容する浴槽
と、この浴槽内へ未還元染料の分散液を供給する染料液
供給手段と、前記浴槽内へ還元剤を含む水溶液を供給す
る還元剤供給手段と、前記浴槽内に収容された混合溶液
中に浸漬させられた後の布帛から余分の液を搾り出す搾
りロールと、内部に加熱水蒸気が充満した蒸気室と、こ
の蒸気室内へ加熱水蒸気を供給する加熱水蒸気供給手段
と、長尺帯状の布帛を、前記浴槽内へ導入した後、前記
搾りロールを通過させて前記蒸気室内へ導入し、蒸気室
内を通過させるように、布帛をその長手方向へ連続して
搬送する布帛搬送手段とを備えて、染色装置を構成した
ことを特徴とする。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項3記載の染
色装置において、前記浴槽および前記搾りロールを含み
前記蒸気室へ至るまでの布帛搬送路を閉鎖空間とし、そ
の閉鎖空間内へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給手
段を備えたことを特徴とする。
【0015】請求項1に係る発明の染色方法によると、
未還元染料の分散液と還元剤を含む水溶液との混合溶液
中に布帛が浸漬させられた後、布帛から余分の液が搾り
出されることにより、水に不溶の建染め染料が還元され
水溶性のロイコ化合物となって布帛の繊維上に保持さ
れ、次いで、加熱水蒸気の雰囲気中で布帛が加熱される
ことにより、布帛に染料が固着させられる。このよう
に、パディング工程と染着工程の2つの工程だけで布帛
が染色される。
【0016】請求項2に係る発明の染色方法では、パデ
ィング工程が不活性ガスの雰囲気中で行われるので、還
元剤の酸化分解が抑えられ、混合溶液中での還元剤の濃
度が安定して、還元剤の作用が十分にかつ継続的に維持
される。
【0017】請求項3に係る発明の染色装置を使用する
と、浴槽内へ、染料液供給手段により未還元染料の分散
液が供給されるとともに、還元剤供給手段により還元剤
を含む水溶液が供給される。そして、長尺帯状の布帛
が、布帛搬送手段により長手方向へ連続して搬送されな
がら、まず、浴槽内に収容された未還元染料の分散液と
還元剤を含む水溶液との混合溶液中に浸漬させられた
後、搾りロールにより布帛から余分の液が搾り出され
る。これにより、水に不溶の建染め染料が還元され水溶
性のロイコ化合物となって布帛の繊維上に保持される。
次いで、布帛は、加熱水蒸気供給手段により加熱水蒸気
が供給されて内部に加熱水蒸気が充満した蒸気室内へ導
入され、加熱水蒸気により加熱される。これにより、布
帛に染料が固着させられる。
【0018】請求項4に係る発明の染色装置では、浴槽
および搾りロールを含み蒸気室へ至るまでの布帛搬送路
が閉鎖空間とされ、その閉鎖空間内へ不活性ガス供給手
段により不活性ガスが供給されることにより、浴槽内の
還元剤の酸化分解が抑えられ、混合溶液中での還元剤の
濃度が安定して、還元剤の作用が十分にかつ継続的に維
持される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図1を参照しながら説明する。
【0020】図1は、この発明に係る染色方法を実施す
るために使用される染色装置の概略構成の1例を模式的
に示す図である。この染色装置は、浴槽12および一対
の搾りロール14、14を備えたパッダ10、ならび
に、空間的に閉鎖され内部に加熱水蒸気が充満した蒸気
室18を有するスチーマ16を備えて構成されている。
【0021】パッダ10には、浴槽12内にそれぞれの
吐出口が臨むように染料液供給用配管20および還元剤
供給用配管22が配設されており、染料液供給用配管2
0は、未還元のインダンスレン染料の分散液24が貯留
された第1タンク26に接続されており、還元剤供給用
配管22は、ケミカル液28、すなわちハイドロサルフ
ァイトと苛性ソーダと食塩または芒硝とを含む水溶液が
貯留された第2タンク30に接続されている。そして、
第1タンク26から染料液供給用配管20を通して浴槽
12内へ未還元染料分散液24が供給されるとともに、
第2タンク30から還元剤供給用配管22を通して浴槽
12内へケミカル液28が供給され、浴槽12内に未還
元染料分散液とケミカル液との混合溶液32が収容され
る。なお、第1タンク26内と第2タンク30内とに未
還元染料と還元剤(ハイドロサルファイト)とを別々に
貯留することは必須であるが、それ以外の苛性ソーダや
食塩または芒硝については、一部を第1タンク26内に
貯留するようにしても差し支えない。
【0022】また、スチーマ16には、循環ファンとヒ
ータとを内蔵した加熱器34(詳細は図示せず)が設け
られており、この加熱器34と蒸気室18とを加熱水蒸
気を強制的に循環させることにより、蒸気室18の内部
は、一定温度の加熱水蒸気で充満している。そして、長
尺帯状の布帛1をその長手方向へ連続して搬送するため
の多数の搬送ロール36が配設されており、布帛1は、
それらの搬送ロール36により、パッダ10の浴槽12
内へ導入された後、搾りロール14を通過させられてス
チーマ16へ搬送され、蒸気室18内へ導入されて、蒸
気室18内を上下に蛇行しながら搬送され、蒸気室18
内から搬出される。
【0023】パッダ10の浴槽12および搾りロール1
4の周囲、ならびに、パッダ10からスチーマ16の蒸
気室18へ至るまでの布帛搬送部38は、仕切り壁40
で囲まれて空間的に閉鎖されている。そして、仕切り壁
40で囲まれた閉鎖空間には、ガス供給用配管42が連
通しており、そのガス供給用配管42を通して閉鎖空間
内へ不活性ガス、例えば窒素ガスが供給され、パッダ1
0の浴槽12および搾りロール14の周囲ならびに布帛
搬送部38は、空気を含まない窒素ガス雰囲気とされ
る。
【0024】以上のように、この染色装置は、従来の連
続還元固着法を実施するために使用される図2に示した
染色装置と比べると、未還元染料付与部50を構成する
未還元染料パッダ54、予備乾燥機62、熱風乾燥機6
6および冷却部70を省略することができる。したがっ
て、その分だけ装置の構成が簡素化し、設置スペースも
小さくて済む。
【0025】次に、上記したような構成を有する染色装
置を使用して行われる布帛の染色操作について説明す
る。
【0026】染色しようとする長尺帯状の布帛1は、パ
ッダ10へ導入され、浴槽12内に収容された未還元染
料分散液とケミカル液との混合溶液32中に浸漬させら
れた後、一対の搾りロール14、14によって余分な液
が布帛1から搾り出される。これにより、布帛1の全面
に均一に液が含ませられ、水に不溶のインダンスレン染
料が還元され水溶性のロイコ化合物となって布帛1の繊
維上に保持される。そして、布帛1は、スチーマ16へ
搬送される。この過程において、仕切り壁40で囲まれ
た閉鎖空間が空気を含まない窒素ガス雰囲気とされてい
るので、浴槽12内の還元剤(ハイドロサルファイト)
の酸化分解が抑えられ、浴槽12内の混合溶液32中で
の還元剤の濃度が安定するとともに、布帛1に含浸した
還元剤の酸化分解も抑えられる。このため、還元剤の作
用が十分にかつ継続的に維持され、還元および染着不完
全による色濃度や堅牢度の低下が防止されることとな
る。また、還元剤の濃度低下により長尺帯状の布帛1の
染め始めと染め終わりとで色違いを生じる、といったこ
とも防止される。
【0027】次に、還元された形の染料を保持した布帛
1は、蒸気室18内へ導入され、蒸気室18内を蛇行し
ながら搬送される間に加熱水蒸気により、例えば30秒
〜40秒程度スチーミングされる。これにより、布帛1
に染料が固着される。そして、布帛1は、蒸気室18内
から外部へ搬出される。その後、空気により還元染料が
酸化されて、布帛1が染色される。
【0028】以上のように、この染色操作では、従来の
連続還元固着法におけるように、未還元染料分散液を布
帛に含浸させた後、布帛を中間乾燥させ、温度が上昇し
た布帛を一旦冷却した後、再び加熱する、といったよう
な操作は行われないので、エネルギー効率が向上する。
また、布帛を中間乾燥させないので、染料のマイグレー
ションを起こす心配が無く、長尺帯状の布帛の幅方向に
おける均染性も向上することになる。
【0029】
【実施例】次に、この発明に係る染色方法を利用した具
体例について説明する。
【0030】図1に示した構成の染色装置を使用し、第
1タンク26内に未還元のインダンスレン染料(「ミケ
スレン・グリーン FFB スーパーファイン(Mi
k.Green FFBs/f)」:三井東圧化学製)
の分散液24とアルギン酸ソーダ(糊剤)とを貯留する
とともに、第2タンク30内にハイドロサルファイトと
苛性ソーダと芒硝とを含む水溶液であるケミカル液28
を貯留する。そして、第1タンク26から染料液供給用
配管20を通して浴槽12内へ未還元染料分散液24を
供給するとともに、第2タンク30から還元剤供給用配
管22を通して浴槽12内へケミカル液28を供給す
る。このとき、浴槽12内に収容された混合溶液32中
における染料、ハイドロサルファイト、苛性ソーダ、芒
硝およびアルギン酸ソーダの各成分濃度がそれぞれ、
1.5w/v%、2.5w/v%、2.5w/v%、
1.5w/v%および0.05w/v%となるように、
第1タンク26内の未還元染料分散液24および第2タ
ンク30内のケミカル液28をそれぞれ調製しておくよ
うにし、また、第1タンク26から浴槽12内への未還
元染料分散液24の供給量および第2タンク30から浴
槽12内へのケミカル液28の供給量をそれぞれ調節す
る。
【0031】仕切り壁40で囲まれた閉鎖空間は、窒素
ガスを連続して供給することにより空気を含まない窒素
ガス雰囲気としておく。また、スチーマ16の蒸気室1
8内には、加熱器34により110℃の温度に加熱され
た加熱水蒸気を常に充満させた状態にしておく。そし
て、長尺帯状の木綿布を搬送ロール36により連続して
搬送することにより、木綿布をパッダ10の浴槽12内
へ導入した後、搾りロール14を通過させ、蒸気室18
内へ導入して蒸気室18内を上下に蛇行しながら搬送さ
せ、蒸気室18内から搬出する。この際の木綿布の搬送
速度は、蒸気室18内に1分〜1分半の時間だけ滞留す
る程度とし、薄手の木綿布で30m/分、厚手の木綿布
で15〜20m/分程度にする。
【0032】以上のような条件で木綿布の染色を行った
結果、従来の連続還元固着法と同等以上の均染性を有す
る染色布が得られ、エンディング(染め始めと染め終わ
りとでの色違い)も生じなかった。また、染色布の耐光
試験、摩擦試験(乾燥および湿潤)、汗試験(酸性およ
びアルカリ性)および洗濯試験を行った結果も、従来の
連続還元固着法と同等もしくはそれ以上の成績を示し
た。
【0033】
【発明の効果】請求項1に係る発明の染色方法による
と、インダンスレン染料等の建染め染料を用いて布帛を
染色する場合に、従来広く利用されている連続還元固着
法と同等もしくはそれ以上の品質を維持しつつ、実施の
ための装置の構成を簡素化し、設置スペースも小さくす
ることができ、エネルギー効率を高め、布帛の均染性も
向上させることができる。
【0034】請求項2に係る発明の染色方法では、還元
剤の酸化分解が抑えられ、混合溶液中での還元剤の濃度
が安定して、還元剤の作用が十分にかつ継続的に維持さ
れるので、還元および染着不完全による色濃度や堅牢度
の低下を防止することができ、また、還元剤の濃度低下
により布帛の染め始めと染め終わりとで色違いを生じ
る、といったことも防止することができる。
【0035】請求項3に係る発明の染色装置を使用する
と、請求項1に係る発明の染色方法を好適に実施するこ
とができるので、インダンスレン染料等の建染め染料を
用いて布帛を染色する場合に、従来広く利用されている
連続還元固着法と同等もしくはそれ以上の品質を維持し
つつ、装置構成が簡素化され、設置スペースも小さくて
済み、エネルギー効率を高め、布帛の均染性も向上させ
ることができる。
【0036】請求項4に係る発明の染色装置では、浴槽
内の還元剤の酸化分解が抑えられ、混合溶液中での還元
剤の濃度が安定して、還元剤の作用が十分にかつ継続的
に維持されるので、還元および染着不完全による色濃度
や堅牢度の低下を防止することができ、また、還元剤の
濃度低下により布帛の染め始めと染め終わりとで色違い
を生じる、といったことも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る染色方法を実施するために使用
される染色装置の概略構成の1例を模式的に示す図であ
る。
【図2】従来の連続還元固着法を実施するために使用さ
れる染色装置の概略構成の1例を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
1 長尺帯状の布帛 10 パッダ 12 浴槽 14 搾りロール 16 スチーマ 18 蒸気室 20 染料液供給用配管 22 還元剤供給用配管 24 未還元染料の分散液 26、30 タンク 28 ケミカル液(ハイドロサルファイトと苛性ソーダ
と食塩または芒硝とを含む水溶液) 32 未還元染料分散液とケミカル液との混合溶液 34 加熱器 36 搬送ロール 38 パッダから蒸気室へ至る布帛搬送部 40 仕切り壁 42 ガス供給用配管
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06P 3/60 D06P 3/60 B 5/20 5/20 C (72)発明者 小川 賢 京都市上京区今小路通御前東入西今小路町 807 ヴィラ奥村305号室 Fターム(参考) 3B154 AA02 AB19 BA08 BA18 BB12 BB32 BB38 BB47 BB76 BC01 BC15 BC22 BD01 BE01 BE02 BE05 DA13 DA30 4H057 AA02 AA03 BA09 BA23 CA08 CC01 DA01 DA28 DA34 FA03 FA12 FA13 FA15 FA17 FA31 GA07 GA17 GA24 HA01 JA11 JB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未還元染料の分散液を、還元剤を含む水
    溶液と一緒に浴槽内に収容し、その浴槽内の混合溶液中
    に布帛を浸漬させた後、布帛から余分の液を搾り出すパ
    ディング工程と、 加熱水蒸気の雰囲気中に前記布帛を導入して布帛に染料
    を固着させる染着工程とからなることを特徴とする建染
    め染料による染色方法。
  2. 【請求項2】 前記パディング工程を不活性ガスの雰囲
    気中で行う請求項1記載の建染め染料による染色方法。
  3. 【請求項3】 未還元染料の分散液と還元剤を含む水溶
    液との混合溶液を収容する浴槽と、 この浴槽内へ未還元染料の分散液を供給する染料液供給
    手段と、 前記浴槽内へ還元剤を含む水溶液を供給する還元剤供給
    手段と、 前記浴槽内に収容された混合溶液中に浸漬させられた後
    の布帛から余分の液を搾り出す搾りロールと、 内部に加熱水蒸気が充満した蒸気室と、 この蒸気室内へ加熱水蒸気を供給する加熱水蒸気供給手
    段と、 長尺帯状の布帛を、前記浴槽内へ導入した後、前記搾り
    ロールを通過させて前記蒸気室内へ導入し、蒸気室内を
    通過させるように、布帛をその長手方向へ連続して搬送
    する布帛搬送手段とを備えたことを特徴とする染色装
    置。
  4. 【請求項4】 前記浴槽および前記搾りロールを含み前
    記蒸気室へ至るまでの布帛搬送路を閉鎖空間とし、その
    閉鎖空間内へ不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段
    を備えた請求項3記載の染色装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233353A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Asakura Senpu Kk 真空蒸着による生地の染色方法及び染色装置
JP2007046190A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Okayama Prefecture 染色方法
CN102634949A (zh) * 2012-05-14 2012-08-15 威海拓展纤维有限公司 纤维丝的蒸汽定型装置
KR101186571B1 (ko) 2012-03-05 2012-10-09 주식회사 우성염직 바트 날염 셀룰로오스 편직물의 환원발색장치와 이를 이용한 환원발색방법

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