JP2000218686A - シートの賦形方法、シート賦形補助用プラグおよび金型 - Google Patents

シートの賦形方法、シート賦形補助用プラグおよび金型

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JP2000218686A
JP2000218686A JP11021161A JP2116199A JP2000218686A JP 2000218686 A JP2000218686 A JP 2000218686A JP 11021161 A JP11021161 A JP 11021161A JP 2116199 A JP2116199 A JP 2116199A JP 2000218686 A JP2000218686 A JP 2000218686A
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sheet
rod
mold
plug
shape
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JP11021161A
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English (en)
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Kazuyuki Onishi
和幸 大西
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 たとえばシートを真空成形して所定の形状を
付与する際に、シートの賦形のために用いられるアシス
トプラグおよび/または金型を、熟練によらず、きわめ
て容易且つ短時間で製造することができるシートの賦形
方法、シート賦形補助用プラグおよび金型を提供するこ
と。 【解決手段】 複数の棒状体12と、これら複数の棒状
体12を略平行に且つ各々長手方向に沿って移動自在に
保持する保持体14とを有するシート賦形補助用プラグ
10である。このプラグ10における各棒状体12の下
端位置が、真空成形用金型6のキャビティ4形状に対応
するように、各棒状体12を保持体14に対して、棒状
体12の長手方向に沿って相対移動させ、アシストプラ
グを形成する。次に、金型6のキャビティ形状に合わせ
て、シート2を真空成形する際に、プラグ10を用い
て、シートの真空成形を補助する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートの賦形方
法、シート賦形補助用プラグおよび金型に係り、さらに
詳しくは、たとえばシートを真空成形して所定の形状を
付与する際に、シートの賦形のために用いられるアシス
トプラグおよび/または金型を、熟練によらず、きわめ
て容易且つ短時間で製造することができるシートの賦形
方法、シート賦形補助用プラグおよび金型に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂製シートに所定の形状を賦
形し、たとえばカップやトレイなどの容器、または旅行
鞄などの運搬容器、またはその他の用具を製造するため
に、真空成形が用いられている。真空成形では、熱可塑
性シートに熱を加えて柔軟にした後、金型のキャビティ
上に設置し、キャビティの内周面に形成してある真空引
き用孔から真空引きを行い、シートをキャビティの内周
面に沿って沿わせ、シートの賦形を行っている。
【0003】このような真空成形に際し、金型のキャビ
ティに沿ってシートを真空引きにより引き込み、シート
の賦形を補助するために、シートの反キャビティ側表面
から、アシストプラグにより、シートを金型方向に押し
込むことが良く行われている(アシストプラグ法)。こ
のようなアシストプラグ法に用いるアシストプラグの下
端表面の形状は、真空成形用金型のキャビティの内周面
に対応した形状であることが要求される。
【0004】従来では、このようなアシストプラグは、
木材を切削加工することにより製造されている。切削加
工に際しては、長年の経験に基づく形状設計と図面に忠
実に加工されることが要求され、しかも、真空成形の現
場において、微調節のために再加工することが要求され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アシストプラグの形状
が、キャビティ形状に対応していない場合には、真空成
形の生産性が低下する。したがって、アシストプラグの
製造に際しては、熟練を必要とし、誰でも簡単に製造す
ることができるものではなかった。
【0006】また、従来の真空成形に用いる金型は、得
ようとするシートの賦形形状に合わせて、キャビティを
加工する必要があり、賦形形状が変われば、金型も別途
製作し直す必要があり、金型の共用化は困難であった。
また、この真空成形に用いる金型は、たとえばアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金等を切削もしくは鋳造して
成形され、一般に高価であるという課題も有している。
また、真空成形用金型には、真空引き用の孔を多数形成
する必要があり、その加工作業も煩雑であった。
【0007】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、たとえばシートを真空成形して所定の形状を付与す
る際に、シートの賦形のために用いられるアシストプラ
グおよび/または金型を、熟練によらず、きわめて容易
且つ短時間で製造することができるシートの賦形方法、
シート賦形補助用プラグおよび金型を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るシート賦形補助用プラグは、複数の棒
状体と、これら複数の棒状体を略平行に且つ各々長手方
向に沿って移動自在に保持する保持体とを有する。
【0009】本発明に係るシート賦形用金型は、複数の
棒状体と、これら複数の棒状体を略平行に且つ各々長手
方向に沿って移動自在に保持する保持体とを有する。
【0010】本発明の第1の観点に係るシートの賦形方
法は、複数の棒状体と、これら複数の棒状体を略平行に
且つ各々長手方向に沿って移動自在に保持する保持体と
を有するシート賦形補助用プラグにおける各棒状体の下
端位置が、真空成形用金型のキャビティ形状に対応する
ように、各棒状体を前記保持体に対して、棒状体の長手
方向に沿って相対移動させ、アシストプラグを形成する
第1工程と、金型のキャビティ形状に合わせて、シート
を真空成形する際に、前記第1工程で得られたアシスト
プラグを用いて、シートの真空成形を補助する第2工程
とを有する。
【0011】本発明の第2の観点に係るシートの賦形方
法は、複数の棒状体と、これら複数の棒状体を略平行に
且つ各々長手方向に沿って移動自在に保持する保持体と
を有するシート賦形用金型における各棒状体の上端位置
が、目的とするキャビティ形状に対応するように、各棒
状体を前記保持体に対して、棒状体の長手方向に沿って
相対移動させ、金型のキャビティを形成する第1工程
と、前記第1工程で得られたキャビティを持つシート賦
形用金型を用いて、シートの真空成形を行う第2工程と
を有する。
【0012】前記保持体としては、複数の棒状体を、各
々長手方向移動自在に所定間隔または接触させて束ねて
保持することができるものであれば特に限定されず、た
とえば各棒状体を貫通させて保持する貫通孔が形成して
ある板状体が例示される。または、複数の棒状体を外側
から着脱自在に押圧することにより、複数の棒状体を束
ねて保持する枠体などが例示される。
【0013】棒状体の横断面形状は、特に限定されず、
円形、多角形、楕円形などが例示されるが、円形である
ことが好ましい。棒状体の横断面形状が円形であること
により、保持体を用いて棒状体を束ねた場合に、間に隙
間が生じ、その隙間を金型の真空引き用孔として用いる
ことができる。また、断面円形の棒状体は、製造が容易
である。なお、棒状体は、中実棒でも良いが、中空棒で
あっても良い。棒状体の横断面の外径(円形以外の場合
には、最大外径)は、特に限定されないが、好ましくは
0.2〜10mm、さらに好ましくは0.5〜4mmで
ある。外径が小さすぎると、棒状体の強度が低すぎる傾
向にあり、大きすぎると、複雑な形状に対応することが
困難になる傾向にある。棒状体の外径は、長手方向に沿
って均一であることが好ましいが、必ずしも均一ではな
くても良い。
【0014】棒状体の両端部の形状は、特に限定され
ず、平面、凸曲面、凹曲面、多角凸面、多角凹面などが
例示される。ただし、賦形されるべきシートに接触する
側の棒状体の端部は、角を面取り加工または曲率加工す
ることにより、滑らかな形状にしてあることが好まし
い。また、賦形されるべきシートに接触する側の棒状体
の端部は、シートからの離型性を良好にするために、離
型処理がなされていることが好ましい。シートの成形後
に、シートの表面から棒状体の端部を良好に剥離させる
ためである。離型処理としては、特に限定されないが、
ネル地貼り付け、ネル地塗装、フッ素樹脂加工などが例
示される。これらの離型処理は、シート成形時の保温性
にも優れているので、加熱されたシートを成形するには
特に都合が良い。
【0015】また、賦形されるべきシートに接触する側
と反対側の棒状体の端部には、各棒状体を長手方向に沿
って保持体に対して移動させるためのチャック器具が着
脱自在に係合するための係合部を具備させても良い。そ
の係合部は、棒状体の端部に一体に成形しても良く、ま
た、別部品であっても良い。
【0016】棒状体および保持体の材質は、特に限定さ
れず、木材、アルミニウムなどの金属、ポリアセタール
樹脂およびフッ素樹脂などの合成樹脂、セラミックなど
のあらゆる素材で構成することができる。ただし、軽量
化、取り扱い性および製造コストなどの観点からは、木
材あるいはアルミニウムなどが好ましい。
【0017】本発明に係るシート賦形補助用プラグおよ
び/またはシート賦形用金型を用いて賦形されるシート
としては、特に限定されず、たとえばポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリ
エステル、ポリスチレン、変性ポリフェニレンエーテ
ル、ABS樹脂などが例示される。
【0018】
【作用】本発明に係るシート賦形補助用プラグでは、各
棒状体の下端位置が、シート成形用金型のキャビティ形
状に対応するように、各棒状体を前記保持体に対して、
棒状体の長手方向に沿って相対移動させることのみで、
きわめて容易にアシストプラグを製造することができ
る。
【0019】本発明に係るシート賦形用金型では、各棒
状体の上端位置が、目的とするキャビティ形状に対応す
るように、各棒状体を前記保持体に対して、棒状体の長
手方向に沿って相対移動させることのみで、きわめて容
易に、目的とする形状のキャビティを持つ金型を製造す
ることができる。異なる形状のキャビティを持つ金型を
製造する場合にも、金型自体を取り替えることなく、各
棒状体の上端位置をキャビティ形状に合わせて変化させ
るのみで容易に対応することができる。すなわち、金型
の共用化が可能である。
【0020】また、本発明に係るシート賦形用金型で
は、各棒状体の間の隙間を、真空引き用孔として利用す
ることが可能であり、金型に真空引き用の孔を加工によ
り形成する必要がなく、金型の製造コストの大幅な低減
を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1は本発明の1実施形態に係
るシート賦形補助用プラグの使用状態を示す分解斜視
図、図2は図1に示すシート賦形補助用プラグの下端押
圧面の形状設定方法を示す斜視図、図3(A)および
(B)は図1および図2に示す保持体の例を示す平面
図、図4は図2に示す各棒状体の上端部の詳細を示す要
部断面図、図5(A)は金型のキャビティ形状を測定す
るための一例を示す平面図、同図(B)は同図(A)の
VB−VB線に沿う断面図、図6(A)および(B)は本発
明の他の実施形態に係るシート賦形補助用プラグの側面
側断面図、図6(C)は図6(B)のVIC−VIC線に沿う
断面図、図7は本発明の1実施形態に係る真空成形用金
型の要部断面図、図8は真空引き用孔を説明するための
断面図である。
【0022】第1実施形態 図1に示すように、本実施形態に係るシート賦形補助用
プラグ10は、シート2を、金型6のキャビティ4内周
面に沿って真空成形し、所定の形状2Aを付与するため
のアシストプラグとして用いられる。このシート賦形補
助用プラグ10は、複数の棒状体12と、これら複数の
棒状体12が各々貫通する貫通孔16が形成してある保
持体としての保持板14とを有する。保持板14は、た
とえばプラスチックで構成してある。
【0023】各棒状体12は、たとえば円形横断面の木
材などで構成してあり、その外径は、たとえば0.5〜
4mmである。保持板に形成してある表裏面を貫通する
貫通孔16の内径は、各棒状体12が、その長手方向に
沿って移動自在に挿通し、且つ所定の位置で保持するこ
とができる程度の内径であり、その内径は、各棒状体1
2の外径に比較して、0.05〜0.10mm程度大き
いことが好ましい。本実施形態では、貫通孔16の形状
は、各棒状体12の横断面形状に対応して円形である
が、各棒状体12の横断面形状が円形以外の場合には、
その断面形状に合わせた形状にしてある。
【0024】各棒状体12の長手方向長さは、少なくと
も保持板14の厚みよりも長く、且つ、金型6のキャビ
ティ4の最大深さよりも長くなるように決定され、全て
同じ長さであることが好ましいが、必ずしも同じ長さで
なくても良い。
【0025】図3(A)および(B)に示すように、本
実施形態では、略矩形板状の保持板14に形成してある
貫通孔16の配列は、特に限定されず、図3(A)に示
すように、格子状であっても良く、図3(B)に示すよ
うに、千鳥状であっても良く、またはその他の規則的な
配列、あるいはランダムな配列であっても良いが、好ま
しくは規則的な配列である。また、各貫通孔16の間隔
Pは、特に限定されないが、本実施形態では、好ましく
は0.1〜10mm、さらに好ましくは0.2〜5mm
である。これらの貫通孔16の間隔Pが狭すぎると、保
持板14の強度を保つことが困難になり、広すぎると、
図1に示すプラグ10における複数の棒状体12の下端
部18の集合により形成される下端押圧面20を複雑な
形状に対応させることが困難になる。貫通孔16の数
は、図1に示す金型6のキャビティ4の大きさよりも大
きく貫通孔16が配列されるように決定され、棒状体1
2の数以上に形成してあることが好ましい。
【0026】図1に示すプラグ10における各棒状体1
2の下端部18は、シート2を金型6のキャビティ4の
内周面に沿わせて真空成形する際に、加熱処理済みのシ
ート2の表面を押圧する押圧面20となる。押圧面20
は、加熱されたシート2の表面に接触し、成形後には、
シートから剥離するために、保温性と剥離性とが要求さ
れる。このため、各棒状体12の下端部18には、保温
性を持つ離型処理がなされていることが好ましい。本実
施形態では、木材で構成される各棒状体12の下端部
に、離型処理として、ネル地などが貼り付けてある。
【0027】棒状体12の下端部18の集合体により形
成される押圧面20の形状は、キャビティ4の内周面に
対応した形状であることが好ましい。本実施形態では、
以下の手法を用いて、プラグ10における下端押圧面2
0の形状を金型6のキャビティ4内周面形状に対応させ
ている。
【0028】すなわち、図5(A)および(B)に示す
ように、三次元形状測定装置の端子40を、金型6のキ
ャビティ4の内周面に沿わせて、三次元方向X,Y,Z
に移動させ、キャビティ4の内周面形状を測定し、キャ
ビティ4の実測形状データを作成する。この実測形状デ
ータに基づき、図2に示す三次元方向に移動可能な可動
ヘッド30を三軸方向に移動させる。そして、可動ヘッ
ド30のチャック部32により棒状体12の上端部を着
脱自在に把持し、保持板14に対して、各棒状体12の
下端部18の位置を、キャビティ4の内周面に対応した
位置まで、各棒状体12を長手方向(Z軸方向)に移動
させる。
【0029】図4に示すように、各棒状体12の上端部
22には、縦断面が略T字形状の係合凸部24が形成し
てあることが好ましく、チャック部32の下端には、係
合凸部24が挿入される係合凹部34が形成してあるこ
とが好ましい。また、チャック部32の下端には、係合
凹部34の内部に進退移動自在に飛び出す把持具36が
装着してあり、係合凸部24が係合凹部34に入り込む
ことを許容する状態と、係合凸部24が係合凹部34か
ら抜け出ることを防止する状態とを作り出すようになっ
ている。その結果、棒状体12の上端部22は、チャッ
ク部32に対して着脱自在に把持され、各棒状体12を
保持板14に対して、Z軸方向に沿った上下動自在に移
動可能になっている。
【0030】なお、チャック部32が具備された可動ヘ
ッド30は、三軸制御可能NC装置により移動させても
良い。また、可動ヘッド30は、前記実測形状データと
共に、またはその代わりに、コンピュータの記憶媒体に
記憶してあるキャビティ4の設計データを用いて、移動
させても良い。このようなデータを用いて各棒状体12
を保持板14に対して移動させることで、それらの下端
部18の位置により形成される下端押圧面20の形状
を、キャビティ4の内周面形状に対応させたものとする
ことができる。
【0031】したがって、本実施形態に係るプラグ10
では、作業者の熟練によらず、きわめて容易且つ短時間
および低コストでアシストプラグを製造することができ
る。図1に示すように、このプラグ10と金型6とを用
いて、シート2の真空成形を行えば、シート2には、金
型6のキャビティ4の内周面形状に合致した所定の形状
2Aが容易に賦形される。なお、金型6は、真空成形に
用いられる一般的な金型であり、その詳細な説明は省略
する。
【0032】第2実施形態 図6(A)〜(C)は、本発明の他の実施形態に係るシ
ート賦形補助用プラグ10aを示す。この実施形態に係
るプラグ10aは、複数の棒状体12aを束ねて保持す
る保持体としての保持具14aを有する。保持具14a
は、保持枠50および押圧板52を有する。保持枠50
は、本実施形態では、略矩形状のプラスチック製枠であ
り、枠50の長手方向の二辺位置の内側に、一対の押圧
板52が、それぞれ枠50の長手方向移動自在に配置し
てある。各々の押圧板52は、たとえばプラスチックに
より形成され、枠50に螺合してあるボルト56などに
より、それぞれ枠50の長手方向に移動し、押圧板52
と枠50の長手辺とで囲まれた棒状体12aを束ねるよ
うに押圧する。このように、押圧板52は、複数の棒材
12aを、枠50に対して取り外し可能に保持するよう
になっている。
【0033】図6(A)に示すように、押圧板52が棒
材12aに対して接触していない状態(または緩く接触
している状態)では、全ての棒材12aは、棒材12a
の長手方向に沿って自由に移動可能である。その状態
で、図6(B)に示すように、全ての棒材12aの下端
部18aを、真空成形用金型6のキャビティ4を含む上
面に接触させれば、下端部18aの集合は、キャビティ
4の内周面形状に対応した押圧面20aを形成する。そ
の状態で、図6(C)に示すように、一対の押圧板52
を、枠50の内側で近づける方向に移動させ、棒状体1
2aの集合体を横方向から締め付ければ、これら棒状体
12aは枠50に対して固定される。同時に、これら棒
状体12aの下端部18aの集合体は、キャビティ4の
内周面形状に対応した形状を保持した状態で固定され、
下端押圧面20aが形成されたアシストプラグを得るこ
とができる。
【0034】なお、棒状体12aの構成は、前記第1実
施形態における棒状体12の構成と同様であり、その説
明は省略する。
【0035】本実施形態に係るプラグ10aにおいて
も、作業者の熟練によらず、きわめて容易にアシストプ
ラグを製造することができる。また、このプラグ10a
と図1に示す金型6とを用いて、シート2の真空成形を
行えば、シート2には、金型6のキャビティ4の内周面
形状に合致した所定の形状2Aが容易に賦形される。
【0036】本実施形態では、押圧板52による締め付
け状態では、各棒状体12aは相互に接触し、最大限に
近づくことができるので、前記第1実施形態に比較し、
より複雑なキャビティ4の内周面形状に対応した押圧面
20aの形成が可能となる。
【0037】第3実施形態 図7は、本発明の1実施形態に係る真空成形用金型を示
す。図7に示すように、本実施形態に係る真空成形用金
型6aは、複数の棒状体12bと、これら複数の棒状体
12bを略平行に且つ各々長手方向に沿って移動自在に
保持する保持体14bとを有する。保持体14bの外周
は、金型ブロック60および62により着脱自在に固定
してある。下側の金型ブロック60には、真空引き用空
間64と、この空間に連通する真空引き用接続口66と
が形成してある。真空引き用接続口66には、配管など
を通して減圧供給源としての真空ポンプなどが接続して
あり、空間64を大気圧以下の減圧状態にすることが可
能になっている。なお、金型ブロック60および62の
材質は、特に限定されず、金属、プラスチックまたはセ
ラミックなどのあらゆる材料で構成することができる。
ただし、真空引き用空間64の密封性が要求されるの
で、密封性に優れた材質であることが好ましい。
【0038】各棒状体12bの構成は、前記第1実施形
態における各棒状体12または12aの構成と同様であ
るが、棒状体12bの上端部の集合がキャビティ4aの
内周面となることから、各棒状体12bの上端部に、保
温性を持つ離型処理がなされている。本実施形態の保持
体14bは、前記実施形態における保持板14または保
持具14aと同様な構成である。ただし、図1に示す保
持板14を図7に示す保持体14bとして用いる場合に
は、各棒状体12bの間に形成される隙間68(図8参
照)は、棒状体12bの長手方向に沿って保持体14b
により遮断されるため、これらの隙間68を真空引き用
空間64(図7参照)と連通させるためには、図1に示
す保持板14には、真空引き用の孔を別途設ける必要が
ある。これに対し、図6に示す保持具14aを図7に示
す保持体14bとして用いる場合には、各棒状体12b
の間に形成される隙間68は、棒状体12bの長手方向
に沿って連続している。このため、図6に示す保持具1
4aを図7に示す保持体14bとして用いる場合には、
各棒状体12bの間に形成される隙間68は、図7に示
す真空引き用空間64およびキャビティ4aを連通する
真空引き用孔として、そのまま用いることができる。
【0039】このような構成の金型6aにおけるキャビ
ティ4aの内周面の形状は、保持体14bに対して、各
棒状体12bを長手方向に相対移動させることで形成す
ることができる。各棒状体12bの移動は、金型ブロッ
ク60および62に対して保持体14bの外周を固定し
た後でも良く、または固定する前の状態であっても良
い。
【0040】金型ブロック60および62に対して保持
体14bの外周を固定する前の状態で、保持体14bに
対して各棒状体12bを長手方向に相対移動させるため
の手法としては、前記第1実施形態および第2実施形態
で説明した手法と同様な手法を採用することができる。
ただし、図2および図4に示す手法を採用する場合に
は、図7に示す棒状体12bの下端をチャック部32に
より把持することにより、保持体14bに対して各棒状
体12bを長手方向に相対移動させる。各棒状体12b
の相対移動量は、得ようとするキャビティ4aの内周面
形状に対応するデータに基づき行われ、そのデータは、
CADまたはCAMなどを構成するコンピュータの記憶
媒体に記憶してある。
【0041】また、金型ブロック60および62に対し
て保持体14bの外周を固定した状態で、保持体14b
に対して各棒状体12bを長手方向に相対移動させるに
は、たとえば次のようにして行う。棒状体12bの上端
部に、三次元方向に移動可能な接触端子を押し当て、そ
の接触端子を、得ようとするキャビティ4aの内周面形
状に対応するデータに基づき移動させ、データに基づく
各移動量で、各棒状体12bを保持体14bに対して下
方に押し込めばよい。そのデータは、CADまたはCA
Mなどを構成するコンピュータの記憶媒体に記憶してあ
る。
【0042】この本実施形態に係る金型6aと、従来の
アシストプラグまたは前記実施形態に係るプラグ10ま
たは10aとを用いて、シート2aの真空成形を行え
ば、シート2aには、金型6aのキャビティ4aの内周
面形状に合致した所定の形状が容易に賦形される。
【0043】本実施形態に係る金型6aでは、各棒状体
12bの上端位置が、目的とするキャビティ形状に対応
するように、各棒状体12bを保持体14bに対して、
棒状体の長手方向に沿って相対移動させることのみで、
きわめて容易に、目的とする形状のキャビティ4aを持
つ金型を製造することができる。異なる形状のキャビテ
ィを持つ金型を製造する場合にも、金型自体を取り替え
ることなく、各棒状体12bの上端位置をキャビティ形
状に合わせて変化させるのみで容易に対応することがで
きる。すなわち、金型の共用化が可能である。
【0044】また、本発明に係る金型6aでは、各棒状
体12bの間の隙間68を、真空引き用孔として利用す
ることが可能であり、金型に真空引き用の孔を加工によ
り形成する必要がなく、金型の製造コストの大幅な低減
を図ることができる。
【0045】その他の実施形態 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内で種々に改変することができ
る。
【0046】たとえば前述した実施形態における保持板
14、保持具14aおよび保持体14bは、棒状体1
2、12aおよび12bの長手方向に沿って異なる位置
で、二カ所以上に装着しても良い。
【0047】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、たとえばシートを真空成形して所定の形状を付与す
る際に、シートの賦形のために用いられるアシストプラ
グおよび/または金型を、熟練によらず、きわめて容易
且つ短時間で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の1実施形態に係るシート賦形
補助用プラグの使用状態を示す分解斜視図である。
【図2】 図2は図1に示すシート賦形補助用プラグの
下端押圧面の形状設定方法を示す斜視図である。
【図3】 図3(A)および(B)は図1および図2に
示す保持体の例を示す平面図である。
【図4】 図4は図2に示す各棒状体の上端部の詳細を
示す要部断面図である。
【図5】 図5(A)は金型のキャビティ形状を測定す
るための一例を示す平面図、同図(B)は同図(A)の
VB−VB線に沿う断面図である。
【図6】 図6(A)および(B)は本発明の他の実施
形態に係るシート賦形補助用プラグの側面側断面図、図
6(C)は図6(B)のVIC−VIC線に沿う断面図であ
る。
【図7】 図7は本発明の1実施形態に係る真空成形用
金型の要部断面図である。
【図8】 図8は真空引き用孔を説明するための断面図
である。
【符号の説明】
2,2a… シート 4,4a… キャビティ 6,6a… 金型 10,10a… シート賦形補助用プラグ 12,12a,12b… 棒状体 14… 保持板 14a… 保持具 14b… 保持体 16… 貫通孔 20… 押圧面 64… 真空引き用空間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の棒状体と、 これら複数の棒状体を略平行に且つ各々長手方向に沿っ
    て移動自在に保持する保持体とを有するシート賦形補助
    用プラグ。
  2. 【請求項2】 複数の棒状体と、 これら複数の棒状体を略平行に且つ各々長手方向に沿っ
    て移動自在に保持する保持体とを有するシート賦形用金
    型。
  3. 【請求項3】 複数の棒状体と、これら複数の棒状体を
    略平行に且つ各々長手方向に沿って移動自在に保持する
    保持体とを有するシート賦形補助用プラグにおける各棒
    状体の下端位置が、真空成形用金型のキャビティ形状に
    対応するように、各棒状体を前記保持体に対して、棒状
    体の長手方向に沿って相対移動させ、アシストプラグを
    形成する第1工程と、 金型のキャビティ形状に合わせて、シートを真空成形す
    る際に、前記第1工程で得られたアシストプラグを用い
    て、シートの真空成形を補助する第2工程とを有するシ
    ートの賦形方法。
  4. 【請求項4】 複数の棒状体と、これら複数の棒状体を
    略平行に且つ各々長手方向に沿って移動自在に保持する
    保持体とを有するシート賦形用金型における各棒状体の
    上端位置が、目的とするキャビティ形状に対応するよう
    に、各棒状体を前記保持体に対して、棒状体の長手方向
    に沿って相対移動させ、金型のキャビティを形成する第
    1工程と、 前記第1工程で得られたキャビティを持つシート賦形用
    金型を用いて、シートの真空成形を行う第2工程とを有
    するシートの賦形方法。
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