JP2000217944A - ホルムアルデヒド除去用組成物 - Google Patents

ホルムアルデヒド除去用組成物

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JP2000217944A
JP2000217944A JP11018571A JP1857199A JP2000217944A JP 2000217944 A JP2000217944 A JP 2000217944A JP 11018571 A JP11018571 A JP 11018571A JP 1857199 A JP1857199 A JP 1857199A JP 2000217944 A JP2000217944 A JP 2000217944A
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semicarbazide
group
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carbon atoms
resin
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JP11018571A
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English (en)
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Toyoaki Yamauchi
豊昭 山内
Akira Nakabayashi
亮 中林
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種樹脂中で分離することなく、長期的に効
果のあるホルムアルデヒド除去用組成物を提供する。 【解決手段】 平均セミカルバジド残基数が2.5個以
上であるセミカルバジド誘導体を含有するホルムアルデ
ヒド除去用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維仕上剤、加工
剤、合板、ラベル、皮革等の粘接着剤、塗料等のバイン
ダー、あるいは樹脂板、発泡体として広く利用される。
これらの樹脂は、未反応のホルムアルデヒドを内包して
いるか、経時的にホルムアルデヒドが遊離生成する場合
がある。このホルムアルデヒドを吸収・除去するための
ホルムアルデヒド除去用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール
樹脂等の含ホルマリン樹脂、またN−メチロールアクリ
ルアミド共重合樹脂、ラジカル重合の還元剤としてロン
ガリット等が利用された樹脂は、繊維仕上剤、加工剤、
合板、ラベル、皮革等の粘接着剤、塗料等のバインダー
として利用される。これらの樹脂は、未反応のホルムア
ルデヒドの内包、経時的にホルムアルデヒドが遊離生成
する。この除去剤として、特開昭62−4047号公
報、特開平3−228778号公報、特開平10−36
681号公報、特開平10−183023号公報におい
ては、ヒドラジン化合物が提案されているが樹脂中で分
離しやすく、充分な効果が期待できなかった。また特開
平10−183023号公報では、カルボニル基含有の
重合体ラテックスへ架橋剤として多官能セミカルバジド
を配合して架橋塗膜を形成し、ホルムアルデヒドの室内
への揮散を遮断するために利用することが提案されてい
る。しかし、この発明ではカルボニル基含有重合体ラテ
ックスが必須であり、セミカルバジド基は架橋剤として
使用されているに過ぎない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のホル
ムアルデヒド吸収剤の欠点である長期的効果を改良し、
各種樹脂中で分離することなく、長期的に効果のあるホ
ルムアルデヒド除去用組成物を提供することを課題とす
る。すなわちホルムアルデヒドとの反応性が高く、樹脂
との相溶性が良いホルムアルデヒド除去用組成物を提供
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定
のセミカルバジド誘導体を使用することで、カルボニル
基含有ラテックスなどを用いなくとも、従来では予想し
えなかったホルムアルデヒドの除去性能が発現すること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、平均セミカルバジド残
基数が2.5個以上であるセミカルバジド誘導体を含有
するホルムアルデヒド除去用組成物であり、好ましく
は、平均セミカルバジド残基数が2.5個以上であるセ
ミカルバジド誘導体を、カルボニル基を含まない合成樹
脂または発泡体に内包させるか、あるいはカルボニル基
を含んでも、該合成樹脂または発泡体のカルボニル基1
モルに対し、該セミカルバジド誘導体中のセミカルバジ
ド基が3モルを超える量を内包させるホルムアルデヒド
除去用組成物である。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の組成物は、特定のセミカルバジド誘導体組成物を
含むことが必要である。セミカルバジド誘導体成分中の
セミカルバジド基が、樹脂中または空中に揮散するホル
ムアルデヒドとセミカルバゾン結合を行い、ホルムアル
デヒドを除去しているのではないかと考えられる。
【0007】ここに、組成物の平均セミカルバジド残基
数は2.5個以上であることが必要である。この範囲を
満たすことにより、ホルムアルデヒドを除去する効果が
良好となる。好ましくは2.5以上20以下、より好ま
しくは3以上20以下である。本発明において、1分子
あたりのセミカルバジド残基数とは、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)で測定されるスチレ
ン換算のセミカルバジド組成物数平均分子量をM、セミ
カルバジド組成物1グラム中に含まれるセミカルバジド
基のモル数をSとしたとき、M×Sで表される数で定義
される。
【0008】このセミカルバジド誘導体組成物は、たと
えば、ポリイソシアネート化合物とヒドラジン化合物と
を反応させることによって得られ、具体的には1分子中
に−NCO基を平均2個以上、好ましくは平均2.5以
上20以下、より好ましくは3以上20以下有するポリ
イソシアネート化合物とヒドラジン化合物とを反応させ
ることによって得ることができる。
【0009】さらに、セミカルバジド誘導体組成物が、
下記式(1)で表されるセミカルバジド誘導体であるこ
とは好ましい。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R1 は、直鎖状又は分岐状の炭素
数2〜20のアルキレンジイソシアネート、置換されて
いないか或いは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1
〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキレン基で
置換されている炭素数5〜20のシクロアルキレンジイ
ソシアネート、置換されていないか或いは炭素数1〜1
8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基で置換
されている炭素数6〜20のアリーレンジイソシアネー
ト、及び置換されていないか或いは炭素数1〜18のア
ルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されて
いる炭素数8〜20のアラルキレンジイソシアネートか
らなる群から選ばれる少なくとも一種のジイソシアネー
トの3量体〜20量体オリゴマーに由来する、末端イソ
シアネート基を有さないポリイソシアネート残基、もし
くはR1 は炭素数1〜8のイソシアナトアルキル基で置
換されている炭素数2〜20のアルキレンジイソシアネ
ートに由来する、末端イソシアネート基を有さないトリ
イソシアネート残基を表し;R2 は、直鎖状又は分岐状
の炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数5〜20のシ
クロアルキルレン基、もしくは置換されていないか或い
は炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜8のアル
コキシ基で置換されている炭素数6〜10のアリーレン
基を表し;各R3 は、それぞれ独立して、水素原子又は
炭素数1〜20のアルキル基を表し;nは0又は1であ
り;l及びmは各々0または正の整数であり、ただし2
≦(l+m)≦20であり、好ましくは3≦(l+m)
≦20である。) 上記式(1)で表されるセミカルバジド誘導体の製造方
法の一例について説明する。
【0012】式(1)中、l+m=2であるセミカルバ
ジド誘導体は、1分子中に−NCO基を2個有するジイ
ソシアネート化合物とヒドラジン化合物とを反応させる
ことによって得られる。また、よりホルムアルデヒド除
去に優れた組成物を得るためには、前記式(1)で表さ
れるセミカルバジド誘導体が、1分子中に−NCO基を
3個以上持つポリイソシアネート化合物とヒドラジン化
合物とを反応させることによって得られるものであるこ
とが望ましい。
【0013】1分子中に−NCO基を3〜20個有する
ポリイソシアネート化合物、およびそれから誘導される
セミカルバジド誘導体は、例えばWO96/01252
号パンフレットに記載の方法で得ることができる。ここ
で、ポリイソシアネート1分子中の−NCO基数が20
を超えない範囲がセミカルバジド基の数が比較的適当
で、セミカルバジド誘導体組成物(A)の粘度が高くな
りすぎにくく、取り扱える範囲である。
【0014】1分子中に−NCO基を3〜20個有する
ポリイソシアネート化合物は、ジイソシアネート化合物
をオリゴマー化して得られる。例えば、ジイソシアネー
ト類をビュレット結合、尿素結合、イソシアヌレート結
合、ウレタン結合、アロファネート結合、ウレトジオン
結合等によりオリゴマー化したポリイソシアネート化合
物、更には1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナト
メチルオクタン及びこれらの併用が挙げられる。
【0015】具体的には、樹脂との相溶性の点から、基
本骨格としてイソシアヌレート構造またはビュレット構
造を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。本発
明においては、セミカルバジド誘導体又はその原料であ
るポリイソシアネート化合物が、ヒドラジン化合物の鎖
延長により高分子化することを防ぐ目的から、ヒドラジ
ン化合物を下式(2)で表されるモノアルデヒドまたは
モノケトン等と反応させ、ヒドラゾン基として封鎖して
用いることもできる。
【0016】R4 5 C=O (2) (式中、R4 、R5 は各々独立して水素原子、直鎖状も
しくは分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5
〜20のシクロアルキル基、もしくは置換されていない
か或いは炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜8
のアルコキシル基で置換されている炭素数6〜10のア
リール基を表し、R4 、R5 は場合によっては共同して
環状構造を形成してもよい。) この場合、生成するセミカルバジド誘導体はセミカルバ
ジド基がセミカルバゾン基として封鎖されたものとな
り、上記式(1)のセミカルバジド誘導体の末端封鎖体
である。
【0017】セミカルバジド誘導体から封鎖剤として用
いたモノアルデヒド又はモノケトンの脱離は、ホルムア
ルデヒド除去用組成物として使用する前に加水分解して
留去するのが好ましい。従って、留去させやすい上記封
鎖剤としては30〜200℃の沸点を有するモノケト
ン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等が好ましい。
【0018】本発明の組成物の使用方法としては、ホル
ムアルデヒドを経時的に遊離生成する合成樹脂または発
泡体等に本発明の組成物を混合等により内包させる、あ
るいはホルムアルデヒドを遊離生成しない樹脂へ混合等
により本発明の組成物を内包させホルムアルデヒドを遊
離生成する合成樹脂または該発泡体等へコーティングす
る、またはホルムアルデヒドが揮散している室内に、本
発明の組成物を塗布した材料あるいは本発明の組成物を
固化した錠剤のごとき固形物を静置する方法等が挙げら
れる。
【0019】ホルムアルデヒドの除去能力を高く長期に
渡り維持するためには、カルボニル基を含まない合成樹
脂または該発泡体中の単位重量当たりに、該セミカルバ
ジド誘導体中のセミカルバジド基量が0.10meq/
g以上あることが望ましく、さらに好ましくはセミカル
バジド基量が0.20meq/g以上であり、さらに好
ましくはセミカルバジド基量が0.30meq/g以上
である。
【0020】また、これらの樹脂中にカルボニル基が存
在すると、本組成物は樹脂中で固定化され、ホルムアル
デヒドの除去能力が低下してしまうため、合成樹脂また
は該発泡体が、カルボニル基を含む該合成樹脂または発
泡体のカルボニル基1モルに対し、該セミカルバジド誘
導体中のセミカルバジド基が3モルを超える量を混合等
により内包させるか、好ましくはカルボニル基を含む該
合成樹脂または発泡体のカルボニル基1モルに対し、該
セミカルバジド誘導体中のセミカルバジド基3.5モル
以上を混合等により内包させるか、さらに好ましくはカ
ルボニル基を含む該合成樹脂または発泡体のカルボニル
基1モルに対し、該セミカルバジド誘導体中のセミカル
バジド基4.0モル以上を混合等により内包させる。
【0021】なお、セミカルバジド誘導体を内包させる
樹脂とセミカルバジド誘導体との相溶性あるいは該樹脂
の媒体との相溶性が良好なことが、長期的にホルムアル
デヒド除去効果を維持することを可能にすると思われ
る。本発明の組成物について樹脂中への分散、有機溶剤
中への溶解または分散、または水性媒体または水性樹脂
へ溶解して使用することが好ましく、とくに樹脂中への
分散性、溶剤中へ溶解または分散性、水性樹脂への溶解
性、以上これらを制御する目的で、樹脂中への分散、有
機溶剤中への溶解または分散を必要する場合には、水に
対し不溶または難溶性のセミカルバジド誘導体を、水性
媒体または水性樹脂へ溶解あるいは分散して使用する場
合には、水溶性セミカルバジド誘導体、下記式(3)で
表される親水性基含有化合物から選ばれる少なくとも1
つを含有するセミカルバジド誘導体あるいはセミカルバ
ジド誘導体との併用、下記記載のセミカルバジド誘導体
とケトン酸及び/又はその塩あるいはセミカルバジド誘
導体との併用、またはセミカルバジド誘導体と界面活性
剤との併用がすることがさらに好ましい。水性樹脂と混
合しやすいように、水性媒体中へ分散した状態もしくは
水性媒体中へ溶解した状態で存在するよう、これらセミ
カルバジド誘導体について、下記に詳述する。
【0022】本発明において、式(1)で表されるセミ
カルバジド誘導体からなるセミカルバジド誘導体の水性
媒体中への分散安定性や溶解性を補助する目的で、下記
式(3)で表される親水性基含有化合物から選ばれる少
なくとも1つとを混合して使用することができる。
【0023】
【化2】
【0024】(式中、R11は、直鎖状又は分岐状の炭素
数2〜20のアルキレンジイソシアネート、置換されて
いないか或いは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1
〜8のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアルキレン基で
置換されている炭素数5〜20のシクロアルキレンジイ
ソシアネート、置換されていないか或いは炭素数1〜1
8のアルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基で置換
されている炭素数6〜20のアリーレンジイソシアネー
ト、及び置換されていないか或いは炭素数1〜18のア
ルキル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されて
いる炭素数8〜20のアラルキレンジイソシアネートか
らなる群から選ばれる少なくとも一種のジイソシアネー
トの3量体〜20量体オリゴマーに由来する、末端イソ
シアネート基を有さないポリイソシアネート残基、もし
くはR11は炭素数1〜8のイソシアナトアルキル基で置
換されている炭素数2〜20のアルキレンジイソシアネ
ートに由来する、末端イソシアネート基を有すさないト
リイソシアネート残基を表し;R12は、直鎖状又は分岐
状の炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数5〜20の
シクロアルキルレン基、もしくは置換されていないか或
いは炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜8のア
ルコキシ基で置換されている炭素数6〜10のアリーレ
ン基を表し;各R13は、それぞれ独立して、水素原子又
は炭素数1〜20のアルキル基を表し;nは0又は1で
あり;そしてp及びqは、各々0または正の整数であ
り、rは正の整数であり、3≦(p+q+r)≦20で
ある) 上記式(3)で表される親水性基含有化合物のセミカル
バジド基がセミカルバゾン基として封鎖された化合物
が、式(3)における末端基H2 NR13N−の少なくと
も1つが式R5 4 C=NR13N−で表される封鎖末端
基を有している(式中、R4 、R5 は各々独立して水素
原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、もしくは置換
されていないか或いは炭素数1〜18のアルキル基又は
炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されている炭素数6
〜10のアリール基をあらわし、R4 とR5 は場合によ
っては共同して環状構造を形成していてもよい。)親水
性基含有化合物の末端封鎖体として用いることもでき
る。
【0025】即ち、上記式(1)で表されるセミカルバ
ジド誘導体から選ばれる少なくとも1つと、上記式
(3)で表される親水性基含有化合物から選ばれる少な
くとも1つとを含有するセミカルバジド誘導体を、ホル
ムアルデヒド除去用組成物として有利に用いることがで
きる。そして、式(1)で表されるセミカルバジド誘導
体から選ばれる少なくとも1つと、式(3)で表される
親水性基含有化合物から選ばれる少なくとも1つとを含
有する組成物において、それらの重量比が99/1〜1
0/90の範囲内であることが望ましい。これにより水
性樹脂に対して溶解性に優れるホルムアルデヒド除去用
組成物が得られる。
【0026】本発明の式(1)で表されるセミカルバジ
ド誘導体から選ばれる少なくとも1つと、式(3)で表
される親水性基含有化合物から選ばれる少なくとも1つ
とを含有する組成物は、例えば、前記のWO96/01
252号パンフレットに記載の方法で得ることができ
る。本発明において、ホルムアルデヒド除去用組成物と
して、セミカルバジド誘導体と、ケトン酸及び/または
その塩との混合物を使用することも可能である。これは
水性樹脂と混合を可能とするため、ホルムアルデヒド除
去に優れた組成物を得ることができるからである。この
場合、セミカルバジド誘導体が前記式(1)で表される
セミカルバジド誘導体であれば好ましく、またセミカル
バジド誘導体が難水溶性のセミカルバジド誘導体であれ
ば、さらに好ましい。ここで難水溶性とは、25℃にお
ける水100gに対する溶解度が5g以下であることと
する。
【0027】この本発明のセミカルバジド誘導体は、樹
脂と混合しやすいように、水性媒体中への分散及び水性
媒体中への溶解からなる群から選ばれる少なくとも一つ
の状態であることが好ましい。本発明に係わるセミカル
バジド誘導体を水に分散あるいは溶解させる際には、場
合によっては上記した式(3)で表される親水性基含有
化合物以外の、他の界面活性剤を加えてもよい。このよ
うな界面活性剤の例としては、高級脂肪酸、酸性脂肪ア
ルコール、アルキルスルホン酸塩、アルキルこはく酸
塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルアリール硫酸塩、スルホこはく酸アルキ
ルエステルの塩、アルケニルこはく酸塩等のアニオン性
界面活性剤や、エチレンオキサイドと長鎖脂肪アルコー
ルまたはフェノール類、リン酸類との公知の反応生成物
に代表されるノニオン性界面活性剤として、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプ
ロピレンブロックコポリマー、エチレンオキサイドとリ
ン酸類との公知の反応生成物等のノニオン性界面活性
剤、4級アンモニウム塩等を含有するカチオン性界面活
性剤、(部分鹸化)ポリビニルアルコール等の高分子分
散安定剤等やそれらの併用が挙げられる。
【0028】特に、式(3)で表される親水性基含有化
合物またはアルケニルこはく酸塩が、式(1)のセミカ
ルバジド誘導体との親和性が高いので好ましい。本発明
において、ケトン酸及び/またはその塩としては、式
(4)又は式(5)で表されるモノケトンモノカルボン
酸類、式(6)又は式(5)で表されるモノケトンジカ
ルボン酸類、またはそれらの併用等が挙げられる。
【0029】
【化3】
【0030】{R1'は、水素原子、又は置換されていな
いか或いはヒドロキシル基又は炭素数1〜8のアルコキ
シ基で置換されている直鎖状または分岐状の炭素数1〜
30のアルキル基を表す。R2'は、置換されていないか
或いはヒドロキシル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基
で置換されている直鎖状または分岐状の炭素数1〜30
のアルキレン基を表す。pは、0又は1を表す。Xは、
各々独立して、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム
または式(5)で表される置換アンモニウムを表す。
【0031】 HNR3'4'5' (5) (R3'、R4'、R5'は、それぞれ独立して、水素原子、
又は置換されていないか或いはヒドロキシル基で置換さ
れている直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキ
ル基を表す。また、R3'とR4'あるいは、R3'とR4'
5'は、共同して環状構造を形成しても良い。)}
【0032】
【化4】
【0033】{R1'、R2'は、各々独立して、置換され
ていないか或いはヒドロキシル基又は炭素数1〜8のア
ルコキシ基で置換されている直鎖状または分岐状の炭素
数1〜30のアルキレン基を表す。q、rは、各々0又
は1を表す。Y、Zは、各々独立して、水素原子、アル
カリ金属、アンモニウム又は上記式(5)で表される置
換アンモニウムを表す。} 本発明において使用できるモノケトンカルボン酸類の具
体例としては、例えばピルビン酸、レブリン酸、アセト
酢酸、ケトカプリン酸、ケトウンデカン酸、ケトステア
リン酸、ケトヘンエイコセン酸、ケトグリコン酸等が挙
げられる。モノケトンジカルボン酸の具体例としては、
例えばケトマロン酸、アセトンジカルボン酸、2−ケト
グルタル酸、アセトンジ酢酸、アセトンジプロピオン酸
等が挙げられる。 本発明において、ケトン酸の塩は、
上記ケトン酸を塩基で中和することにより得ることがで
きる。中和に用いる塩基としては、例えばKOH、Na
OH、LiOH等のアルカリ金属の水酸化物、式(5)
で表されるアミン類等や、これらの併用が挙げられる。
【0034】上記アミン類の具体例としては、例えばア
ンモニア、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチ
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノール
アミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、メチルジエタ
ノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、トリエチルアミン、ピロリジン、ピペリジ
ン、モルホリン等が挙げられる。
【0035】本発明では、セミカルバジド誘導体とケト
ン酸を混合することにより、例えばケトン酸としてモノ
ケトンモノカルボン酸類を用いた場合、下記の平衡反応
が生じ、得られるセミカルバジド誘導体の親水性がコン
トロールできるものと推定される。
【0036】
【化5】
【0037】上記平衡式から判るように、本発明のセミ
カルバジド誘導体の親水性のコントロールには、セミカ
ルバジド誘導体とケトン酸を混合比と共に、H2 O濃度
が大きく影響する。すなわち、H2 O濃度が小さいと上
記平衡式は生成系にずれ、セミカルバジド誘導体へのケ
トン酸あるいはその塩の導入量が増加し、結果としてセ
ミカルバジド誘導体の親水性は増大する。逆に、H2
濃度が大きいとセミカルバジド誘導体の親水性は減少す
ることになる。本発明において、H2 O濃度は、親水性
のコントロールを目的に任意に設定することができる。
【0038】本発明において、セミカルバジド誘導体と
ケトン酸及び/又はその塩との混合は任意の割合で行う
ことができるが、セミカルバジド誘導体中のセミカルバ
ジド残基に対するケトン酸中のケト基の比が、(ケト
基)/(セミカルバジド基)モル比で0.001〜10
の範囲であることが好ましい。またセミカルバジド誘導
体とケトン酸との混合は、任意の温度範囲において、無
溶媒または溶媒中で行うことができる。上記溶媒の具体
例としては、水、t−ブタノール、イソプロパノール、
2−ブトキシエタノール等のアルコール類、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、N−メチ
ル−2−ピロリドン等のラクタム系溶媒、ジメチルスル
ホオキシド等のスルホオキシド系溶媒、酢酸エチル、セ
ロソルブアセテート等のエステル系溶媒、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素系溶媒、n−ヘキサン等の脂
肪族炭化水素系溶媒等やその併用が挙げられる。
【0039】セミカルバジド誘導体の調整では界面活性
剤を使用することができる。使用できる界面活性剤とし
ては、例えばヘキサメタリン酸のナトリウム塩、カリウ
ム塩、またはアンモニウム塩、トリポリリン酸のナトリ
ウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、ポリアク
リル酸等のカルボン酸基を持つポリマーのナトリウム
塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩。その他、例え
ば、高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エ
ステル、高級アルキルスルホン酸、スルホン酸アルキル
アリル、スルホン化ひまし油、スルホこはく酸エステ
ル、アルケニルコハク酸等の塩に代表されるアニオン性
界面活性剤、あるいはエチレンオキサイドと長鎖脂肪ア
ルコールまたはフェノール類、リン酸類との公知の反応
生成物に代表されるノニオン性界面活性剤、4級アンモ
ニウム塩等を含有するカチオン性界面活性剤、(部分鹸
化)ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の高分
子分散安定剤等、その他ポリエーテル系増粘剤等の増粘
剤、可塑剤、成膜助剤やそれらの併用が挙げられる。
【0040】また樹脂としては、合成樹脂として特に限
定されるものではなく、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
またはポリプロピレン等のポリオレフィン類、アクリル
樹脂、ポリビニールアルコール、アセトアセチル化ポリ
ビニールアルコール、ABS樹脂、塩化ビニリデン樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポ
リカーボネート、変性ポリフェニレンエーテルポリスル
ホン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル、フラン樹脂、ポリイミド、ポ
リウレタン、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹
脂等の熱硬化性樹脂等をあげることができる。また本発
明においては合成樹脂ラテックスを挙げることができ
る。例えばスチレンブタジエンラテックス、NBRラテ
ックス、塩化ビニリデン系ラテックス、ウレタンラテッ
クス、酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル、酢酸ビニル
−VeoVa、酢酸ビニル−エチレン等の酢酸ビニル系
ラテックス、スチレン−アクリル、オールアクリル、シ
リコーン変性アクリル、アクリルシリコン、フッソ−ア
クリル等のアクリル系ラテックスが挙げられる。
【0041】本発明のホルムアルデヒド除去用組成物ま
たは樹脂との混合物において、例えば粘性調整剤、pH
調整剤、消泡剤、顔料、分散剤、染料、防腐剤、界面活
性剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、
有機溶剤等を配合することは任意である。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に、参考例、実施例及び比較
例により本発明を詳細に説明する。なお例中の部および
%は重量表示である。実施例中に用いられる各種測定の
測定方法は、下記の通りである。 分子量分布:ゲルパーミィテーションクロマトグラ
フィーを用いて、ポリスチレン標品検量線より求めた。
【0043】 (使用機器)・液クロ装置:東ソー(株)製 HLC−8020 ・カラム:東ソー(株)製 TSKgel G−5000 HXL TSKgel G−4000 HXL TSKgel G−2000 HXL ・データ処理装置:東ソー(株)製 SC8010 ・キャリヤ:テトラヒドロフラン セミカルバジド基含有量の測定方法 サンプル約0.2g(Wグラム)をジメチルアセトアミ
ド10ccに溶解する。これに、シクロヘキシルイソシ
アネート2.5gを50ccのジメチルアセトアミドに
溶解した液を5cc加え、室温で1時間放置する。その
後、ジノルマルブチルアミン3.2gをトルエン100
ccに溶解した液10cc加え、さらに30分放置す
る。その後、イソプロパノール70ccを加え、指示薬
としてブロモクレゾールグリーンを少量加え、0.1規
定の塩酸(ファクターをF)で滴定する(滴定量A)。
同様の操作をサンプルを加えないで行う(滴定値B)。
以下の式によりセミカルバジド基含有量(単位はmeq
/g)が求められる。
【0044】(B−A)×0.1×F/W ホルムアルデヒド吸収試験 各実施例、比較例において得れた配合物をガラス板上に
流延し、乾燥して100μの膜を得た。それぞれ10c
m×10cmの試験体を取り出し、ビーカーに試験体を
つり下げ、アセトアルデヒドが100ppmの濃度で発
生するように、所定量の水溶液を加えた。サラン製ラッ
プ(旭化成工業社製)にて密封した後、室温にて120
分間放置した。ガス検知管により、120分後および取
り出して室温に1カ月放置後、同様の試験を実施し、ア
セトアルデヒドの残留濃度を測定した。
【0045】
【参考例1】ポリイソシアネート化合物Aの合成例。 イソホロンジイソシアネート222部、ヘキサメチレン
ジイソシアネート168部、ビュレット化剤としての水
2.4部を、エチレングリコールメチルエーテルアセテ
ートとリン酸トリメチルの1:1(重量比)の混合溶媒
130部に溶解し、反応温度160℃にて1.5時間反
応させた。得られた反応液を薄膜蒸留缶を用いて、1回
目は1.0mmHg/160℃の条件下、2回目は0.
1mmHg/200℃の条件下にて2段階の処理により
余剰のイソホロンジイソシアネートおよびヘキサメチレ
ンジイソシアネート、および溶媒を留去回収した。
【0046】得られたポリイソシアネート化合物Aは、
イソホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシ
アネートのコビュウレット型ポリイソシアネートであ
り、残存イソホロンジイソシアネートが0.7重量%、
残存ヘキサメチレンジイソシアネート0.1重量%、−
NCO含有量は19.6重量%、粘度は20000(±
3000)mPa.s/40℃、数平均分子量は約80
0(±100)であり、平均−NCO官能基数は約3.
7であった。
【0047】
【参考例2】セミカルバジド誘導体Aの合成例。 還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にテ
トラハイドロフラン22部、ポリイソシアネートA(ポ
リイソシアネート化合物Aを酢酸エチルで79.6%の
溶液としたもの。NCO基含量15.6重量%)23
部、「ユニオックス(商標)M1000」〔日本油脂
(株)製、水酸基価56.9のポリオキシエチレンメチ
ルエーテル〕10部、触媒としてジブチル錫ジラウレー
ト0.001部を入れ60℃にて4時間反応した。次に
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に入
れたテトラハイドロフラン147部にヒドラジン1水和
物7.3部を撹拌しながら30分かけて室温で添加した
後更に1時間撹拌した。この反応液に先に得られた反応
物を40℃にて撹拌しながら1時間かけて添加しその後
更に40℃にて4時間撹拌した。その後182部の水を
30分かけて40℃で添加しさらに30分撹拌を続け
た。得られた反応液中のテトラハイドロフラン、酢酸エ
チル、ヒドラジン、水等を加熱減圧下に留去することに
より固形分30%のセミカルバジド誘導体Aの水分散体
を得た。また溶媒をすべて除去し、セミカルバジド基含
有量を測定したところ、2.6meq/gであった。
【0048】
【参考例3】セミカルバジド誘導体Bの合成例。 還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にい
れたイソプロピルアルコール230部にヒドラジン1水
和物20部を室温で添加した。これに上記ポリイソシア
ネートA42部をテトラハイドロフラン168部に溶解
した溶液を40℃にて約1時間かけて添加し、さらに4
0℃にて3時間攪拌を続けた。得られた反応液中のテト
ラハイドロフラン、ヒドラジン、水等を加熱減圧下に留
去することにより、セミカルバジド誘導体を白色固体と
して得た。セミカルバジド基含有量を測定したところ、
4.1meq/gであった。
【0049】セミカルバジド誘導体27部にピルビン酸
2部及び水58部を添加し、30℃にて30分攪拌した
後、10%アンモニア水溶液3.6部を添加し、さらに
30℃にて1時間攪拌を行うことにより、均一透明なセ
ミカルバジド誘導体とケトン酸の塩とからなる誘導体B
の水溶液を得た。
【0050】
【参考例4】セミカルバジド誘導体Cの合成例。 ヘキサメチレンジイソシアネート168部、ビュレット
化剤としての水1.5部を、エチレングリコールメチル
エーテルアセテートとリン酸トリメチルの1:1(重量
比)の混合溶媒130部に溶解し、反応温度160℃に
て1時間反応させた。得られた反応液を薄膜蒸留缶を用
いて、1回目は1.0mmHg/160℃の条件下、2
回目は0.1mmHg/200℃の条件下にて2段階の
処理により余剰のヘキサメチレンジイソシアネート、お
よび溶媒を留去回収し、残留物を得た。得られた残留物
は、99.9重量%のポリイソシアネートC(ヘキサメ
チレンジイソシアネートのビュウレット型ポリイソシア
ネート)および0.1重量%の残存ヘキサメチレンジイ
ソシアネートを含んでいた。得られた残留物の粘度は1
900(±200)mPa.s/25℃、数平均分子量
は約600(±100)であり、平均−NCO官能基数
は約3.3、−NCO基含有量は23.3重量%であっ
た。
【0051】還流冷却器、温度計および撹拌装置を有す
る反応器にイソプロピルアルコール1000部にヒドラ
ジン1水和物80部を撹拌しながら約30分かけて室温
で添加した後、、ポリイソシアネートC(NCO基含量
23.3重量%)144部をテトラヒドロフラン576
部に溶解した溶液を10℃にて約1時間かけて添加し、
さらに40℃にて3時間撹拌を続け、1000部の水を
添加した。続いて得られた反応液中のイソプロピルアル
コール、ヒドラジン、テトラヒドロフラン、水等を加熱
減圧下に留去することにより168部のビウレット構造
を有するセミカルバジド誘導体Cを得た。セミカルバジ
ド基含有量を測定したところ、4.6meq/gであっ
た。
【0052】
【参考例5】カルボニル基を含まない合成樹脂の調整。 還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反
応器に、イオン交換水514重量部、界面活性剤(商品
名:アデカリアソープSE−1025N、旭電化工業
(株)製)の25%水溶液7.2重量部を投入し、反応
容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウ
ムの2%水溶液13.5重量部を投入し5分間攪拌し
た。次にメタクリル酸メチル62.6重量部、アクリル
酸ブチル108.4重量部、メタクリル酸9重量部、イ
オン交換水120.2重量部、アデカリアソープSE−
1025N25%水溶液を5.76重量部、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル(商品名:エマルゲン
950、花王(株)製)の25%水溶液10.8重量
部、過硫酸アンモニウム2%水溶液9重量部の混合液を
反応容器中へ滴下槽より1時間かけて流入させた。流入
中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入終了後、
反応容器中の温度を80℃にして0.75時間保った。
次にメタクリル酸メチル280.1重量部、アクリル酸
ブチル430.9重量部、メタクリル酸9.0重量部、
イオン交換水308.5重量部、アデカリアソープSE
−1025N25%水溶液を23.0重量部、過硫酸ア
ンモニウム2%水溶液36.0重量部の混合液を反応容
器中へ滴下槽より2.5時間かけて流入させた。流入終
了後、反応容器中の温度を80℃にして1.5時間保っ
た。続いてその後室温まで冷却し、25%アンモニア水
溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュ
の金網で濾過し、固形分44.6%、平均粒径1040
Åのカルボニル基を含まない合成樹脂として水性ラテッ
クス(1)を得た。
【0053】
【参考例6】カルボニル基を含む合成樹脂の調整。 還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反
応器に、イオン交換水514重量部、界面活性剤(商品
名:アデカリアソープSE−1025N、旭電化工業
(株)製)の25%水溶液7.2重量部を投入し、反応
容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウ
ムの2%水溶液13.5重量部を投入し5分間攪拌し
た。次にメタクリル酸メチル57.2重量部、アクリル
酸ブチル108.4重量部、ダイアセトンアクリルアミ
ド5.4重量部、メタクリル酸9重量部、イオン交換水
120.2重量部、アデカリアソープSE−1025N
25%水溶液を5.76重量部、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル(商品名:エマルゲン950、花
王(株)製)の25%水溶液10.8重量部、過硫酸ア
ンモニウム2%水溶液9重量部の混合液を反応容器中へ
滴下槽より1時間かけて流入させた。流入中は反応容器
中の温度を80℃に保った。流入終了後、反応容器中の
温度を80℃にして0.75時間保った。次にメタクリ
ル酸メチル258.5重量部、アクリル酸ブチル43
0.9重量部、ダイアセトンアクリルアミド21.6重
量部、メタクリル酸9.0重量部、イオン交換水30
8.5重量部、アデカリアソープSE−1025N25
%水溶液を23.0重量部、過硫酸アンモニウム2%水
溶液36.0重量部の混合液を反応容器中へ滴下槽より
2.5時間かけて流入させた。流入終了後、反応容器中
の温度を80℃にして1.5時間保った。続いてその後
室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液を添加してp
Hを8に調整してから100メッシュの金網で濾過し、
固形分44.6%、平均粒径1020Åのカルボニル基
を含む合成樹脂として水性ラテックス(2)を得た。
【0054】
【参考例7】溶剤型アクリル系樹脂の合成を行った。か
くはん機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけ
た反応容器に、酢酸ブチルエステル400部を投入し、
反応容器内を83℃とする。次に、メタクリル酸メチル
160部、アクリル酸ブチル240部の混合液と、酢酸
ブチルエステル100部、2,2’−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)10部(和光純薬工業
(株)製、商品名;V−65)の混合液とを反応容器中
へ別々の滴下槽より4時間かけて流入させる。流入中は
反応容器中の温度を83℃に保つ。流入が終了してから
さらに2時間保つ。冷却後、樹脂固形分50%の溶剤型
アクリル系樹脂を得た。樹脂の数平均分子量は5500
であった。
【0055】
【実施例1】参考例5で得た水性ラテックス(1)10
0部と参考例2で得たセミカルバジド誘導体Aの固形分
濃度30%の水分散体13部とを充分攪拌混合(乾燥し
た膜中のセミカルバジド基量0.21meq/g)し、
ホルムアルデヒド吸収試験に供した。その結果を表1に
示す。
【0056】
【実施例2】参考例5で得た水性ラテックス(1)10
0部と参考例3で得たセミカルバジド誘導体Bの固形分
濃度30%の水分散体15部とを充分攪拌混合(乾燥し
た膜中のセミカルバジド基量0.30meq/g)し、
ホルムアルデヒド吸収試験に供した。その結果を表1に
示す。
【0057】
【実施例3】参考例5で得た水性ラテックス(1)10
0部と参考例4で得たセミカルバジド誘導体Cの固形分
濃度30%の水分散体11部とを充分攪拌混合(乾燥し
た膜中のセミカルバジド基量0.32meq/g)し、
ホルムアルデヒド吸収試験に供した。その結果を表1に
示す。
【0058】
【実施例4】参考例6で得た水性ラテックス(2)10
0部と参考例4で得たセミカルバジド誘導体Cの固形分
濃度30%の水分散体25部とを充分攪拌混合(セミカ
ルバジド基とカルボニル基のモル比が4.4)し、ホル
ムアルデヒド吸収試験に供した。その結果を表1に示
す。
【0059】
【実施例5】参考例7の溶剤型アクリル系樹脂100部
と参考例4で得たセミカルバジド誘導体Cの固形分濃度
30%の酢酸ブチルエステル溶液15部とを充分攪拌混
合(乾燥した膜中のセミカルバジド基量0.38meq
/g)し、ホルムアルデヒド吸収試験に供した。その結
果を表1に示す。
【0060】
【比較例1】参考例5で得た水性ラテックス(1)10
0部とアジピン酸ジヒドラジド3.3部とを充分攪拌混
合し、ホルムアルデヒド吸収試験に供した。その結果を
表1に示す。
【0061】
【比較例2】参考例5で得た水性ラテックス(1)に何
ら配合せず、ホルムアルデヒド吸収試験に供した。その
結果を表1に示す。
【0062】
【比較例3】参考例7の溶剤型アクリル系樹脂100部
とアジピン酸ジヒドラジド3.3部とを充分攪拌混合
し、ホルムアルデヒド吸収試験に供した。その結果を表
1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明のホルムアルデヒド除去用組成物
は、従来のホルムアルデヒド吸収剤の欠点である長期的
効果を改良し、各種樹脂中で分離することなく、長期的
に効果のあるホルムアルデヒド除去用組成物を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E191 BA11 BC05 4D020 AA08 BA16 BB05 4H006 AA03 AB48 AC59 BB25 BE27 4J038 CG171 DA041 DA141 DA161 DG042 DG262 DG292 GA02 GA08 KA09 MA08 MA10 NA02 PC08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均セミカルバジド残基数が2.5個以
    上であるセミカルバジド誘導体を含有するホルムアルデ
    ヒド除去用組成物。
  2. 【請求項2】 平均セミカルバジド残基数が2.5個以
    上であるセミカルバジド誘導体を、カルボニル基を含ま
    ない合成樹脂または発泡体に内包させるか、あるいはカ
    ルボニル基を含んでも、該合成樹脂または発泡体のカル
    ボニル基1モルに対し、該セミカルバジド誘導体中のセ
    ミカルバジド基が3モルを超える量を内包させることを
    特徴とする請求項1記載のホルムアルデヒド除去用組成
    物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002059382A1 (en) * 2001-01-26 2002-08-01 Clariant International Ltd Production of tanned leather and products suitable therefore
CN100398609C (zh) * 2006-04-18 2008-07-02 陕西科技大学 一种利用皮革下脚料制备除醛剂的方法
US9212402B2 (en) 2008-09-12 2015-12-15 Rohm And Haas Company Aldehyde scrubbing in crust leather and tanned leather
CN110511676A (zh) * 2019-08-15 2019-11-29 东莞市欧润澳彩新材料科技有限公司 一种去除甲醛的乳胶漆及其制备方法
CN113512357A (zh) * 2021-08-03 2021-10-19 浙江华德新材料有限公司 一种无机纳米持续除醛材料及其制备方法

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