JP2000217704A - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JP2000217704A
JP2000217704A JP11026073A JP2607399A JP2000217704A JP 2000217704 A JP2000217704 A JP 2000217704A JP 11026073 A JP11026073 A JP 11026073A JP 2607399 A JP2607399 A JP 2607399A JP 2000217704 A JP2000217704 A JP 2000217704A
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steam
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内蓋を具備した炊飯器において、内蓋の未装
着時に蓋体を閉まらないようにする。 【解決手段】 蓋体41は、そのヒンジ部に設けたヒンジ
ばねにより、可動フック63による係止を解除したとき、
自動的に開くようになっている。可動フック63に係止す
るトーションばね65は、蓋体41を閉じた状態では内蓋46
に当たって可動フック66を押圧し、可動フック66に固定
フック64と係合する付勢力が付与される。これにより、
内蓋46の未装着時には、可動フック63にはトーションば
ね65の付勢力が作用せず、可動フック66と固定フック64
とが係合しない。これにより、蓋体41閉じた状態で保持
することが不可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用保温釜など
の炊飯器に係わり、特に蓋体の構成に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】炊飯器は、炊飯器本体
に対して、米および水を入れる鍋を着脱できるようにな
っているが、鍋の出し入れのための炊飯器本体の上面開
口部は蓋体により覆うようにしてある。この蓋体は、一
側をヒンジ部により炊飯器本体に回動自在に支持してあ
り、他側を蓋体に設けた蓋開ボタンを炊飯器本体に設け
た係止部に係脱自在に係止するようにしてある。そし
て、蓋体を簡単に開けられるように、ヒンジ部にばねを
設けて蓋体に開く方向へと付勢し、蓋開ボタンによる係
止を解除したとき蓋体が自動的に開くようになってい
る。
【0003】ところで、炊飯器には蓋体を閉めたとき、
鍋の開口部を覆うように着脱式の内蓋を蓋体の下面に備
えた炊飯器も知られている。このような着脱式内蓋を備
えた炊飯器は、内蓋と放熱板との間に蒸気通路を除いて
蒸気が侵入しないように構成され、放熱板の表面を内蓋
によって覆うことよって、炊飯時に蒸気などによる放熱
板の汚れを防止できる構造となっている。このため、使
用後は内蓋の汚れを拭くだけで簡単に清掃でき、また、
必要に応じて内蓋を外して水洗いすることもできるた
め、清掃性も向上する。しかし、内蓋を着脱自在に構成
した炊飯器では、内蓋を取り付けないで炊飯を行ってし
まうおそれがある。これを行うと、炊飯時に蒸気口から
吹きこぼれが生じ、蓋体の上面が汚れ、酷い場合、炊飯
器の周囲に飛散して炊飯器の周囲までも汚れてしまう。
また、放熱板に直接蒸気が触れるため、放熱板が汚れて
清掃性も低下してしまう。しかも、放熱板と蓋体の接合
部分から蓋体内に蒸気が侵入して蓋体内に設けた電子部
品に悪影響を与える虞れもある。さらに、保温時などで
内蓋をつけ忘れた場合、鍋内の温度バランスが崩れるた
め、鍋周囲や蒸気口に露だれが生じて鍋周囲や蒸気口下
部のご飯のふやけ、他方でその他の部分が乾燥するな
ど、ご飯の食味までもが低下してしまう。このため、従
来から内蓋のつけ忘れを防止するために種々の解決方法
が取られている。例えば、スイッチやセンサなどによっ
て内蓋を電気的に検知し、内蓋をつけない状態で使用者
が炊飯あるいは保温操作を選択した場合、炊飯や保温動
作を行わず、エラーメッセージを表示するなどの電気的
な手段によって解決する方法が考えられる。しかし、こ
のように、電気的な手段によって内蓋の有無を検知し、
その検知信号に基いて炊飯器本体を制御することによっ
て内蓋のつけ忘れを防止する方法では、炊飯器本体を制
御する回路構成が複雑化するため、コストアップを招
く。また、機械的手段によって内蓋のつけ忘れを防止す
る方法として、例えば内蓋に炊飯器本体と係合する突起
部を設け、内蓋が装着されない状態では蓋体を閉じた状
態で保持できないように構成する方法、あるいは、蓋体
に内蓋と連動する可動フックを設け、この可動フックを
内蓋を装着したときに炊飯器本体に設けたフックと係合
する位置まで移動させることによって、内蓋が装着され
ない状態では蓋体の可動フックと炊飯器本体のフックと
が係合不能となるようした方法などが考えられる。しか
し、内蓋に炊飯器本体と係合する突起部を形成する場
合、蓋体の内蓋を装着した際、内蓋の位置によって炊飯
器本体と係合する突起部の位置にバラツキが生じ、炊飯
器本体との係合性が悪くなる。さらに、このような突起
部は成形加工が容易なプラスチックなどの合成樹脂によ
って形成されている場合が多く、こうした合成樹脂製の
突起部では、炊飯時に発生する熱や蒸気などの熱的影響
によって膨張、収縮といった変形が生じやすい。このよ
うに熱による変形などによって突起部と内蓋との係合が
緩くなると、炊飯器本体から外れやすくなるため、蓋体
のヒンジ部に設けたばねによって、蓋体が浮き上がって
炊飯器本体との隙間が拡大するといった外観上の問題や
衝撃などによって簡単に蓋体が開いてしまうといった問
題が生じる。
【0004】また、一般に炊飯器では、蓋体の外面側に
炊飯時に発生する蒸気を放出するための蒸気口を備えて
いる。従来より、蒸気口は、蓋外郭部材に形成する開口
孔に蒸気口パッキンを介在して気密に取り付けられてい
る。また、前述した着脱式の内蓋を備えた炊飯器では、
炊飯時に発生した蒸気は内蓋と放熱板に形成する孔を通
って蓋外郭部材に組付けた蒸気口へと流入し、この蒸気
口から放出するようになっている。このため、従来、こ
の種の着脱式の内蓋を備えた炊飯器において、内蓋と放
熱板の隙間から蒸気が漏れないように放熱板に形成する
孔に内蓋パッキンを嵌め入れ、この内蓋パッキンから垂
設する薄肉状のシール部を内蓋の孔の周囲に突き当て内
蓋と放熱板の隙間を密封するともに、内蓋パッキンと蓋
外郭部材の開口孔に装着する蒸気口パッキンとを密着さ
せて放熱板と蓋外郭部材との隙間を密封するようにして
いた。このため、蓋外郭部材の開口孔に嵌め入れる蒸気
口パッキンの他にも放熱板と内蓋との隙間を塞ぐ内蓋パ
ッキンが必要となり、組付部品点数が増え、パッキンの
組付け作業も面倒である。また、内蓋パッキンは放熱板
に形成する孔に嵌め入れられ、蓋の組付け作業時に蓋外
郭部材と放熱板とに位置ずれが生じた場合、内蓋パッキ
ンと蒸気口パッキンとの密着性が悪くなり、内蓋パッキ
ンと蒸気口パッキンとの隙間から蒸気が漏れる虞れもあ
った。
【0005】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、内蓋の未装着時での炊飯器の使用を規制
することを基本的な目的とし、着脱自在な内蓋を備えた
炊飯器において、炊飯器本体と蓋体との係合性が悪化す
ることなく、蓋体を確実に閉じた状態で保持できるとと
もに内蓋の未装着時で蓋体を閉まらないようにすること
第1の目的とする。また、簡単な構造で内蓋と蓋下面部
材との隙間を確実にシールすることを第2の目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
第1の目的を達成するために、容器を収容する炊飯器本
体と、この炊飯器本体にヒンジ部により回動開閉自在に
軸支して前記炊飯器本体の上部開口部を開閉する蓋体
と、この蓋体を開成方向に付勢する蓋付勢手段と、前記
蓋体の下面側に着脱可能に取り付けられる内蓋と、前記
蓋体の開きを係止する係止部と、前記蓋体に位置して前
記係止部と係脱可能な蓋開手段と、前記蓋開手段を係止
方向に付勢する付勢手段とを具備した炊飯器において、
前記付勢手段は前記内蓋の装着によりこの内蓋と当接し
て前記蓋開手段に前記係止部側へと付勢する付勢力を発
生させるものである。
【0007】蓋開手段を復帰する付勢手段を内蓋に当接
させることにより、内蓋が装着されていなければ、内蓋
によって付勢手段を押し上げないから、蓋開手段には付
勢手段の付勢力が作用せず、蓋開手段と係止部とが係合
しないため、蓋体を閉じた状態で保持することが不可能
となる。したがって、蓋体を押し下げても、蓋体から手
を離せば、蓋付勢手段の付勢により蓋体が開いて炊飯器
を使用することができない。
【0008】請求項2の発明は、前記第2の目的を達成
するために、蓋体を蓋外郭部材と蓋体の下面を構成する
蓋下面部材とで構成し、前記蓋外郭部材に形成する蒸気
口収容部に蒸気口を取り付け、前記蓋下面部材の下面側
に内蓋を取り付た炊飯器において、前記蒸気口収容部に
弾性部材からなる蒸気口パッキンを設け、この蒸気口パ
ッキンによって前記蒸気口収容部の下面と前記蓋下面部
材の上面との隙間、前記蓋下面部材と前記内蓋との隙間
を塞いで蒸気通路から蓋体の内部と、蓋下面部材と内蓋
との間に蒸気が侵入しないように構成したものである。
【0009】蒸気口パッキンによって蓋外郭部材と蓋下
面部材の隙間と、蓋下面部材と内蓋の隙間を塞ぐことが
でき、一つの蒸気口パッキンによって、蓋体内部及び蓋
下面部材と内蓋との間への蒸気の侵入を防止することが
できる。
【0010】請求項3の発明は、請求項2の発明の炊飯
器において、前記蒸気口パッキンの内面に前記蒸気口を
係止する弾性変形可能な突部を一体形成したものであ
る。
【0011】蒸気口パッキンに蒸気口を上方から垂直方
向に挿入すると、蒸気口パッキンに一体形成した突部が
弾性変形して蒸気口ケースに密着して蓋体に蒸気口が装
着される。このため、蒸気口の着脱が容易であり、蒸気
口を取り外して簡単に水洗いすることができ、蒸気口の
清掃性が向上する。また、突部によって蓋体と蒸気口と
の隙間から蒸気の漏れを防止することができる。
【0012】請求項4の発明は、請求項3の発明の炊飯
器において、前記蒸気口パッキンに前記蓋下面部材に密
着させる第1のシール部と前記内蓋に密着させる第2の
シール部を形成し、前記第2のシール部の外径を前記蓋
下面部材に形成した孔の内径より径小に形成し、この第
2のシール部を前記蓋下面部材から下方に突出させたも
のである。
【0013】蓋体に蒸気口パッキンを組付けた状態で蓋
体の下面に蓋下面部材を取り付ける際、蓋体と蓋下面部
材とが多少ずれたとしても、蓋下面部材に形成する孔の
内側に第2のシール部が臨み、その孔から第2のシール
部が突出する。これにより蓋体の下面に内蓋を組付けた
際、第2のシール部が内蓋に密着し、蓋下面部材と内蓋
との隙間からの蒸気の漏れを防止することができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項4の発明の炊飯
器において、前記第1のシール部を前記第2のシール部
の外側に形成するとともに、第1のシール部の外径を前
記蓋下面部材に形成する孔の内径より径大に形成したも
のである。
【0015】予め蒸気口パッキンを蓋外郭部材の蒸気口
収容部に組付けた状態で蓋外郭部材の下面側に蓋下面部
材と内蓋を順次組み付ける際、蓋下面部材に形成する孔
から第2のシール部が突出して蓋下面部材と内蓋との隙
間を密閉するとともに、第2のシール部の外側に形成す
る第1のシール部は、内蓋の孔の周縁に密着するので内
蓋の孔を多重に密封でき、確実に蒸気の漏れを防止する
ことができる。また、第2のシール部の外径は内蓋の孔
の内径より小さく第1のシール部の外径を内蓋の孔の内
径より大きく形成することで蓋外郭部材に蓋下面部材と
内蓋を組み付ける際、第1及び第2のシール部が挟まれ
ることもない。
【0016】請求項6の発明は、本体と蓋体とを備え、
蓋体の下面側に内蓋を取り付けるとともに、蓋体に設け
た係合部材を本体の固定部に係合して蓋体で本体を覆う
とともに、前記内蓋の装着により前記係合部材を前記固
定部側に付勢させる付勢手段を設けたものである。
【0017】係合部材は内蓋と別体で蓋体に設けてあ
り、固定部が本体側に設けてあるため、係合部材にかか
る炊飯時における蒸気による熱ストレスが少ない。ま
た、蓋体の下面に組付ける内蓋の取付位置がずれたとし
ても本体側に設けた固定部の位置が変わらないため、内
蓋の取付位置に左右されることなく、係合部材と固定部
とが確実に係合する。
【0018】請求項7の発明は、請求項6記載の炊飯器
において、前記内蓋の装着により、前記付勢手段の一部
を押し上げて、前記係合部材に付勢力を発生させるよう
に構成したものである。
【0019】内蓋の装着が不充分の場合でも蓋体を閉め
ることによって内蓋によって付勢部材の一部を押し上げ
られ、確実に係合部材に付勢力を付与でき、内蓋の装着
状態に拘わらず、係合部材と固定部が確実に係合する。
【0020】請求項8の発明は、請求項7記載の炊飯器
において、前記本体に前記蓋体を回動開閉自在に軸支す
るヒンジ部を設け、このヒンジ部側に位置する前記蓋体
の内部に前記内蓋を固定する弾性突部を設けたものであ
る。
【0021】蓋体のヒンジ側に内蓋を押える弾性突部を
設けることで内蓋を装着する際、まず、内蓋の先端側を
蓋体の先端側に装着した後、内蓋の基部側に位置するヒ
ンジ側にて内蓋と弾性突部とを係合することになり、逆
に内蓋を取り外す場合、内蓋の基部側を引張って弾性突
部との係合を外すことから、蓋体を着脱する際、内蓋の
先端の不安定な部分に力を加えないので内蓋の装着操作
が安定する。また、蓋体と炊飯器本体とを軸支するため
のヒンジのスペースを利用して弾性突部を配置すること
ができるため、炊飯器本体を小型化が可能となる。
【0022】
【発明の実施形態】以下、本発明の炊飯器の一実施例に
ついて、図1〜図9を参照しながら説明する。同図にお
いて、1は炊飯器本体に相当する本体であり、この本体
1は、外枠2とその下面開口を覆う底板3とにより外郭
が形成される。外枠2は、その上端より内側に向けて下
方に落ち込む折返し部4が別に形成されており、この折
返し部4の下端開口を塞ぐように、椀状の内枠5が本体
1の内部に設けられている。6は米や水などの被調理物
を収容する容器たる鍋であり、前記折返し部4と内枠5
とにより有底筒状に形成される鍋収容部7内に挿脱自在
に収容される。この鍋6は、その上部開口部の周囲にフ
ランジ状に形成された把手部8が鍋収容部4の上縁部上
に載ることにより、鍋収容部7内に支持されるものであ
る。外枠2と底板3は、本体1の前方外面および両外側
面がやや丸みのある三次元形状を有している。
【0023】本実施例において本体1の底部若しくは底
部部材とは、底板3のことをいう。この底板3の材質
は、ポリプロピレンやABS樹脂などの外観光沢性およ
び耐衝撃性に優れた熱可塑性合成樹脂を使用している。
なお、本実施例では外枠2と底板3が別体に形成される
が、これらは一体に形成されてもよい。
【0024】鍋6は、アルミニウムを主体にして、その
外側の側面下部から底面にかけて、電磁誘導加熱用の磁
性金属からなる発熱体9が接合される。また、前記鍋収
容部7の外側には、鍋6の底面と側面下部に対向して、
発熱体9を電磁誘導加熱により発熱させるための加熱手
段たる加熱コイル10が設けられる。この内枠5の外側に
設けた加熱コイル10は、コイルカバー11により外側から
覆われている。12は、鍋6の底面に弾性的に当接する鍋
温度検出手段たる鍋温度検出センサである。この鍋温度
検出センサ12は、鍋6の温度を検出するもので、これに
より前記加熱コイル10などによる加熱が制御される。
【0025】有底筒状の鍋6は、上部から底部に至るに
したがって、直径が小さくなる形状に形成されており、
鍋収容部7の内側面も、鍋6の側面に相似した形状に形
成される。鍋収容部7は、本体1の外郭を形成する外枠
2の内部に形成されており、外枠2と鍋収容部7との間
に形成される本体側面部たる隙間13は、鍋6の側面形状
に対応して、上部から下部に至るにしたがって水平方向
の隙間が拡大する形状を有している。本体1内部の隙間
13は、鍋収容部7の外周を囲むように、筒状の内部空間
を形成している。
【0026】15は、本体1前方の内底部(底板3の底部
内側)に配置され、加熱コイル10に高周波電流を供給す
るためのインバータ回路を備えた加熱基板である。この
加熱基板15は鍋収容部7の底部に配置されており、底板
3の内底面16に臨んで、インバータ回路を構成するスイ
ッチング素子17などの電装部品が装着されている。特に
発熱部品としてのスイッチング素子17は、加熱基板15の
本体1前方側よりその背面が露出しており、ここにアル
ミニウム製のヒートシンク18が密着して取付けられる。
放熱器としてのヒートシンク18は縦長板状に形成され、
本体1の前方の隙間13すなわち内側面部に縦置き状に配
置されており、本体1の内部に備えたスイッチング素子
17などの発熱部品を冷却し、温度上昇を抑制する目的で
設けられている。そして、炊飯すなわち調理加熱中は、
スイッチング素子17から放出される熱を蓄熱し、炊飯が
終了してスイッチング素子17の発熱が低減した期間に、
それまで蓄えていた熱を自然放熱する作用を有する。こ
のため、ヒートシンク18は常時放熱性を確保する必要が
なく、ヒートシンク18の外周囲にある本体1の外枠2や
底板3には、吸気用若しくは排気用の開口を意図的に形
成しない構成になっている。また、加熱コイル10を配置
した鍋収容部7の側面下部は、前記隙間13がそれよりも
上部に比べて広く形成されており、本体1の前方内側面
に沿って設けられたヒートシンク18は、その下部におい
て、加熱コイル10から離れた状態に配置される。
【0027】前記加熱基板15を構成するインバータ回路
は、加熱コイル10に所定の高周波電流を供給するもの
で、これにより加熱コイル10に発生する交番磁界中に設
けた発熱体9が自己発熱し、鍋6を加熱する構成となっ
ている。この場合、万一インバータ回路のスイッチング
素子17が100℃以上の高温になった場合でも、炊飯時の
加熱量を低減または一時的に停止して、スイッチング素
子17の温度上昇を抑止する機能が付加されている。本体
1の内部には、スイッチング素子17やヒートシンク18を
冷却するための冷却ファンを設けない構造を有してい
る。
【0028】21は、コードリール22から印加される電源
電圧を、所定の動作電圧に変換して炊飯器の各部に供給
する電源基板である。この電源基板21は、電源電圧を所
定の動作電圧に変換調整するトランス24などの電源電圧
調整手段や、後述する蓋ヒータの通断電制御手段(例え
ば、リレーや半導体スイッチ)などを備えており、本体
1の背面(後方)の内側面部すなわち鍋収容部7と外枠
2との隙間13に、トランス25に支持されて縦置き状に配
置される。
【0029】また、本体1の内底部であって、加熱基板
15の下方に位置する部分には、マイカ,ガラス,鉄など
の材料で形成される難燃部材32が設けら、また、前記底
板3の外底面33には、複数の脚部34が下方に向けて突出
形成される。
【0030】41は、本体1の上側に開閉自在に設けられ
た蓋体である。この蓋体41は、その外殻をなす蓋外郭部
材42と、この蓋外郭部材42の下側に固定された内側カバ
ー43と、この内側カバー43の下側に固定され、蓋体41の
蓋下面部材を構成する放熱板44とを主たる構成要素とし
ている。また、蓋体41の下面には、前記放熱板44との間
に所定の隙間を形成して、前記鍋6の上部開口部を直接
覆う内蓋46が着脱自在に装着されている。この内蓋46の
外周部には、環状の蓋パッキン47が環状のパッキンホル
ダ48とともにビス49によって固定されている。蓋パッキ
ン47は弾性部材からなり、内蓋46を装着した蓋体41を閉
じたときに、本体1に収容された鍋6の把手部8上に密
着するものである。なお、前記蓋体41の外側にはハンド
ル50が蓋体41の上を跨いで回動可能に設けられている。
【0031】放熱板44の裏面つまり上面には、この放熱
板44を加熱する蓋ヒータ51が設けられており、前記内蓋
カバー43には、放熱板44の裏面に弾性的に当接する蓋温
度センサ52が設けられている。この蓋温度センサ52は、
放熱板44の温度を検出するもので、これにより前記蓋ヒ
ータ51などによる加熱が制御されるようになっている。
【0032】蓋体41は、その後部のヒンジ部55において
本体1に回動自在に支持されている。より詳しく説明す
ると、内側カバー43の後部が前記外枠2の後上部に左右
方向のヒンジ軸56により回動自在に支持されている。ま
た、このヒンジ軸56には、蓋付勢手段としてのねじりコ
イルばねからなるヒンジばね57が巻装されており、この
ヒンジばね57は、一端部が外枠2に係合されているとと
もに、他端部が内側カバー43に係合されている。これに
より、蓋体41には開方向の力が常時作用するようになっ
ている。
【0033】一方、蓋体41の前部には、ヒンジばね57の
力に抗して、本体1に対し蓋体41を閉じた状態に保持す
る係止装置58が設けられている。この係止装置58は、蓋
外郭部材42に形成された開口部59から上面が上方に突出
した蓋開手段たる蓋開ボタン60と、後側上部に前記蓋開
ボタン60を有するとともに、前側下部に爪部61を有し、
蓋体41内で軸支部62に回動自在に軸支される係合部材た
る可動フック63とにより構成される。また、可動フック
63の爪部61に係合して本体1に対し蓋体41を係止部たる
固定部64Aを有する固定フック64が、蓋外郭部材2の前
側上部に形成されている。また、前記係止装置58には前
記可動フック63の爪部61を前記固定フック64の固定部64
Aに係合するための付勢手段たるトーションばね65を有
している。ことションばね65は、図5に示すように、全
体としてコ字型に折曲形成され、その両側を前記可動フ
ック63の軸支部62に巻き回して枢着するとともに、固定
端となるトーションばね65の一端側には前記可動フック
63に引っ掛けように内側に折曲したL型の係止折曲部66
を形成し、一方、自由端となるトーションばね65の他端
側は前記蓋開ボタン60の下面側に潜り込むように、くの
字状に屈曲した屈曲部67が形成されている。この屈曲部
67は、蓋体41を閉じたとき、内蓋46に当接し、内蓋46に
よって屈曲部67を押し上げることによって、トーション
ばね65の係止折曲部66が可動フック63を弾発的に押圧す
る。これにより、可動フック63に固定フック64へと向か
う付勢力が付与され、可動フック63の爪部61と固定フッ
ク64の固定部64Aとが係合する。そして蓋外郭部材42の
上面より露出した蓋開ボタン60の上面を押動操作する
と、トーションばね65の力に抗して、可動フック63が軸
支部62を支点として回動する。これにより、本体1に対
する蓋体41の係合が外れ、ヒンジばね57の力によって蓋
体41がヒンジ軸56を中心として自動的に開く構造となっ
ている。また、内蓋46が装着されていなければ、内蓋46
によってトーションばね65を押し上げないから、可動フ
ック63にはトーションばね65の付勢力が作用せず、可動
フック63と固定フック64とは係合しないようになってい
る。
【0034】また、前記内蓋46の周縁に固定したパッキ
ンホルダ48は、ヒンジ部55側に位置して部分的に突出し
た鈎状の係止突起70を有し、この係止突起70を前記蓋体
41の内部に軸支した弾性突部たるクランプ71に係合させ
ることによって前記内蓋46を押えている。この内蓋46を
押えるクランプ71は下部側に前記係止突起70と係止する
係止爪72を形成するとともに、クランプ71の上部にはス
トッパ片73が突設されている。また、クランプ71は前記
ヒンジ部55の近傍に設けた取付板74に軸75によって回動
自在に軸支され、この取付板74とクランプ71との間に介
在するコイルばね76によって、クランプ71は、常に係止
爪72が前記内蓋46の係止突起70に係止するように係止突
起70側に回転するように付勢されている。このように、
クランプ71はコイルばね76によって係止突起70側に回転
するように付勢されているが、クランプ71に突設するス
トッパ片73が取付板74に形成する係止孔77と係止してク
ランプ71の回動範囲が規制される。これにより、内蓋46
を装着する際、内蓋46の係止突起70とクランプ71の係止
爪72とが確実に突き当たる。こうして内蓋46の装着時
に、内蓋46の係止突起70とクランプ71の係止爪72とを突
き当てることによってクランプ71は内蓋46の係止突起70
に押されてコイルばね76の付勢力に抗して回動し、クラ
ンプ71の係止爪72が内蓋46の係止突起70を乗り越えると
クランプ71がコイルばね76によって復帰し、蓋体41の下
面側に内蓋46が保持される。
【0035】前記蓋外郭部材42の上面の最頂部には、蒸
気口収容部として鍋6側に陥没した凹部80が設けられて
おり、この凹部80に、蓋体41の上方から垂直方向に装着
または外すことができる蒸気口81が備えてある。この蒸
気口81は、図7に示すように上部側の蒸気口キャップ83
と下部側の蒸気口ケース84とからなり、これら蒸気口キ
ャップ83および蒸気口ケース84は、いずれも耐スチーム
性に優れたプラスチック樹脂材料からなっている。
【0036】そして、蒸気口キャップ83と蒸気口ケース
84とは、回転操作にて嵌合して決合する構成になってい
る。すなわち、蒸気口ケース84の外周上部にほぼ水平方
向に外側へ突出した外凸部85が形成され、蒸気口キャッ
プ83の内周下部には外凸部85の下側に係止する内凸部86
が形成され、この外凸部85と内凸部86とを係合すること
によって、互い係止されるようになっている。そして、
蒸気口キャップ83と蒸気口ケース84との嵌合時に蒸気口
キャップ83を一方向に回転させると、前記外凸部85の下
面に沿って内凸部86が締め付けられる構成になってい
る。
【0037】前記蓋外郭部材42の凹部80の底部には、鍋
6内の空間と連通する開口孔87が形成されており、この
開口孔87に嵌め入れた弾性部材からなる蒸気口パッキン
88に蒸気口ケース84の外底面中央部から下方へ延出する
筒状の突出部89を挿入している。この突出部89の外周面
下部には前記蒸気口パッキン88と係合する湾曲状の凸部
90が外側に向かって突出形成し、前記蒸気口ケース84の
内部には、その底部の突出部89から同軸的に立ち上がる
蒸気筒部91が形成してある。この蒸気筒部91の内部は、
突出部89の内部を介して鍋6の内部に連通するものであ
る。一方、前記蒸気口キャップ83の中央部には、下方へ
垂下する筒壁部92が形成されており、この筒壁部92の上
部には、この筒壁部92の上面開口部を閉じる調圧弁93が
取り付けられている。この調圧弁93は、前記筒壁部92の
内周面の挿入する筒周壁94を有し、この筒周壁94の下端
部に形成された複数の係止爪95が筒壁部92の下端部に係
合していることにより、筒壁部92に対して抜け止めされ
ている。また、前記蒸気筒部91の根元部には、蒸気口ケ
ース84の底部から突出部89内に通じるおねば戻し孔96が
開口形成されている。また、前記蓋体41の下面部材を構
成する放熱板44と蓋体41の下面に着脱自在に取り付けた
内蓋46には前記凹部80の開口孔87に対向する位置に炊飯
時に発生する蒸気の通路となる孔97,98が形成されてい
る。なお、放熱板44には孔97から一体にカール状の折曲
部99が上向き、すなわち、蒸気口81側に向かって一体形
成され、一方、内蓋46に形成される孔98は複数個の小穴
によって構成している。
【0038】前記蒸気口パッキン88は、前記蓋外郭部材
42と放熱板44及び放熱板44と内蓋46との間に介在してそ
の間の隙間を塞ぐもので有り、シリコーンゴムなどの弾
性部材によって成形されている。この蒸気口パッキン88
の中央には前記蒸気口ケース84の突出部89を貫通させる
挿通孔101が形成され、この挿通孔101の内周面から前記
突出部89の外周面に係止する突部102を一体形成してい
る。また、蒸気口パッキン88の上面側には前記凹部80の
開口孔87に嵌め入れる断面L型の溝部103を形成し、そ
の溝部103の下部に形成するフランジ部104の外端縁に環
状の周壁部105を一体形成している。この周壁部105の外
側ほぼ中間部には薄肉状の第1のシール部106が一体形
成され、さらに、フランジ部104の内端縁に位置する前
記挿通孔101の内周面から前記第1のシール部106と同様
な薄肉状の第2のシール部107が一体的に垂設されてい
る。これら各シール部106,107は、断面くの字をなして
環状に形成され、上下方向に伸縮自在に構成されいる。
そして、第1のシール部106は前記第2のシール部107の
外側に位置して周壁部105から下方に突出するように一
体形成されている。また、図8に示すように第1のシー
ル部106の外径R2は前記放熱板44に形成する孔97の内
径R1より径大に形成され、一方、第2のシール部107
の外径Rは孔97の内径R1より径小に形成されるととも
に、第2のシール部107は放熱板44と内蓋46の隙間S(図
7に示す)より長く形成されている。これにより、第2
のシール部107が放熱板44の孔97の内側に臨んで放熱板4
4から下方に突出して孔97の周縁に密着する。
【0039】そして、蓋外郭部材42の凹部80内に蒸気口
81を上方から垂直方向に挿入すると、蒸気口ケース84の
突出部89が開口孔87に装着した蒸気口パッキン88の挿通
孔101内に挿入され、この挿通孔101に一体形成した突部
102を弾性変形させて蒸気口ケース84の突出部89に密着
させることにより、蓋体41に蒸気口81が装着される構成
になっている。また、開口孔87に装着した蒸気口パッキ
ン88により、蓋外郭部材42と放熱板44及び放熱板44と内
蓋46との隙間を塞ぎ、炊飯時に発生する蒸気が蓋体41の
内部に漏れないようになっている。
【0040】蓋外郭部材42の前方寄りには、炊飯器の表
示や操作に関わる表示基板107とともに炊飯や保温の動
作や停止指示などを行なう操作手段たる操作部108や、
表示手段たる表示部109を備えた操作パネル110が取付け
られている。表示基板107には、炊飯や保温動作および
表示などの各種制御管理用のマイクロコンピュータ111
の他に、後述する各種の操作スイッチ116〜124に対応し
て操作信号を発生する操作部108を構成するスイッチ112
と、表示部109をなす行程ランプ用LED113および表示
部用LCD114などが搭載される。なお、各スイッチ112
は、それぞれ操作子たる操作スイッチ116〜124を介して
操作パネル110の外側から押圧操作できるようになって
いる。
【0041】操作パネル110には、図9に示すように、
炊飯開始手段としての炊飯スイッチ116と、予約手段と
しての予約スイッチ117と、保温手段としての保温スイ
ッチ118と、切手段としての切スイッチ119と、コース選
択手段としてのコーススイッチ120と、保温選択手段と
しての保温スイッチ121と、時刻調整手段としての時計
スイッチ122,時スイッチ123および分スイッチ124が各
々設けられる。これらのスイッチ116〜124は、操作パネ
ル110の内側の表示基板107にある各スイッチ112にそれ
ぞれ対応している。これとともに、操作パネル110に
は、3つの前記行程ランプ用LED113と表示部用LCD
114が設けられる。
【0042】前記炊飯スイッチ116は、炊飯を開始する
ものである。前記予約スイッチ117は、予約炊飯を行な
うために、炊き上がりの時刻を呼出すものである。前記
保温スイッチ118は、切状態から保温を開始するもので
ある。前記切スイッチ119は、炊飯,保温および予約炊
飯動作を停止するものである。前記コーススイッチ120
は、白米ふつう炊飯,白米かため炊飯,白米やわらかめ
炊飯,早炊き炊飯,玄米炊飯,おかゆ炊飯などの炊飯コ
ースを選択するものであり、選択された炊飯コースは、
前記表示部用LCD114により設定内容が表示される。
前記保温スイッチ121は、普通保温と高温保温とを選択
するものである。前記時計スイッチ122は、表示部用L
CD114により表示される時計の時刻を調整するときに
使用するものである。前記時スイッチ123は、時計の時
刻または予約炊飯における予約時刻のうち時を調整する
ためのものであり、前記分スイッチ124は、分を調整す
るためのものである。
【0043】つぎに、前記の構成について、その作用を
説明する。内蓋46が汚れた場合、この内蓋46を蓋体41か
ら外して洗浄できる。内蓋46を外すには、蓋体41を開
け、内蓋46に形成する図示しない取手部を摘んで引っ張
り出すようにすれば、パッキンホルダ48に形成する係止
突起70と蓋体41に軸支するクランプ71との係合が外れ、
蓋体41を取り外すことができる。また、洗浄後、内蓋46
を蓋体41に取り付けるには、まず蓋体41の係止突起70と
蓋体41に軸支するクランプ71とを軽く合わせ、ついで、
蓋体41を押し込むことにより、内蓋46の係止突起70とク
ランプ71の係止爪72とが突き当たり、係止突起70とクラ
ンプ71とが係合する。この係止突起70とクランプ71の係
合状態はコイルばね76の付勢により保持され、内蓋46が
蓋体41に組み付けられる。また、蓋体41を内蓋46に装着
すると、内蓋46の周縁がトーションばね65の自由端側に
位置する屈曲部67と当接し、内蓋46によって屈曲部67を
押し上げる。これにより、トーションばね65の固定端側
の係止折曲部66が可動フック63を弾発的に押圧し、蓋体
41を閉じるとき、前述したように内蓋46を装着しておけ
ば、可動フック63にトーションばね65の付勢力が作用
し、可動フック63の爪部61が本体1に形成する固定フッ
ク64の固定部64Aと係合して蓋体41を閉じた状態で保持
することができる。そして、蓋体41を開く場合、蓋外郭
部材42の上面より露出した蓋開ボタン60の上面を押動操
作すると、可動フック63がトーションばね65の力に抗し
て軸支部62を支点として固定部64Aの係合が解除され方
向に回動する。これにより、本体1に対する蓋体41の係
合が外れ、ヒンジばね57の力によって蓋体41がヒンジ軸
56を中心として自動的に開く構造となっている。したが
って、内蓋46が装着されていなければ、内蓋46によって
トーションばね65を押し上げないから、可動フック63に
はトーションばね65の付勢力が作用せず、可動フック63
と固定フック64とは係合しない。このため、蓋体41を閉
じた状態で保持することが不可能となり、蓋体41から手
を離せば、ヒンジばね57の付勢により蓋体41が開いてし
まう。
【0044】また、内蓋46を装着した蓋体41が閉じた状
態では、内蓋46の周縁に取り付けた蓋パッキン47が鍋6
の開口部周縁に密着し、鍋6の開口部が塞がれる。そし
て、凹部80の開口孔87に装着した蒸気口パッキン88は、
この蒸気口パッキン88に一体形成する突部102が蒸気口8
1の突出部89に密着する。すなわち、蓋外郭部材42の凹
部80内に蒸気口81を上方から垂直方向に挿入すると、蒸
気口パッキン88に一体形成した突部102が弾性変形して
蒸気口ケース84の突出部89に密着して蓋体41に蒸気口81
が装着される構成になっている。このため、蒸気口81の
着脱が容易であり、蒸気口81を取り外して簡単に水洗い
することができ、蒸気口81の清掃性が向上する。また、
蒸気口81の装着時においては、蒸気口パッキン88に一体
形成する突部102が蒸気口81の突出部89に密着して蓋外
郭部材42と放熱板44及び放熱板44と内蓋46との隙間が塞
がれる。さらに、開口孔87に装着した蒸気口パッキン88
のフランジ部104は凹部80の開口孔87の後面周縁部と孔9
7から一体形成するカール状の折曲部99とで挟着され、
凹部80の底部と放熱板44の折曲部99に蒸気口パッキン88
のフランジ部104が密着するため、蓋外郭部材42と蓋外
郭部材42の下面に取り付けた放熱板44との隙間を確実に
密封できる。また、凹部80の開口孔87に蒸気口パッキン
88を装着した状態では、フランジ部104の外周に一体形
成する周壁部105が凹部80の開口孔87と放熱板44の孔97
の周縁部を取り囲んで凹部80と放熱板44との隙間を確実
に密封することができる。さらに、フランジ部104の外
周に一体形成する第1のシール部106が放熱板44の上面
に密着して放熱板44の孔97の周縁部に密着し、孔97の内
側に第2のシール部107が臨み、この第2のシール部107
が内蓋46の上面に密着するため、蒸気口パッキン88によ
って蓋外郭部材42と放熱板44との隙間及び放熱板44と内
蓋46との隙間がそれぞれ密閉されることになる。こうし
て炊飯時、鍋6内で発生した蒸気の漏れを確実に防ぐこ
とができる。なお、内蓋46に突き当てる第2のシール部
107の外形Rは、放熱板44の孔97の内径R1より小さい
ことから、放熱板44の下面側に内蓋46を装着した際、内
蓋46の取付位置が多少ずれたとしても放熱板44の孔97の
内側に第2のシール部107が位置する。一方、第1のシ
ール部106の外径R2は前記孔97の内径R1より径大に
形成しているから、放熱板44と内蓋46の組付時に放熱板
44に挟まれることはない。さらに、第2のシール部107
は放熱板44と内蓋46の隙間Sより長く形成しているた
め、放熱板44と内蓋46の隙間Sが多少大きくなっても第
2のシール部107を確実に内蓋46に密着することができ
るため、炊飯時、鍋6内で発生した蒸気の漏れを防止す
ることができる。これにより、炊飯時に発生した蒸気は
蒸気口ケース84の蒸気筒部91内を上昇して、この蒸気筒
部91の蒸気口ケース84内に吹き出す。ここで、蒸気と水
分とが互いに分離され、蒸気は、蒸気口キャップ83の蒸
気放出孔87を通って蒸気口81の外へ放出される。一方、
蒸気と分離された水分は、筒壁部92の下端部と蒸気筒部
91の上端部との間の隙間を通って蒸気口ケース84の下部
へ落下する。このように蒸気口ケース84の内部で蒸気と
水分とが分離されることにより、水分が蒸気口81の上面
の蒸気放出孔87から吹きこぼれる現象が抑制される。
【0045】以上のように、前記実施例の構成によれ
ば、可動フック63を復帰するトーションばね65を内蓋46
に当接させることにより、内蓋46が装着されていなけれ
ば、内蓋46によってトーションばね65を押し上げないか
ら、可動フック63にはトーションばね65の付勢力が作用
せず、可動フック63と固定フック64とは係合しないた
め、蓋体41を閉じた状態で保持することが不可能とな
る。すなわち、蓋体41を押し下げて閉じたつもりでも、
可動フック63が固定フック64に係合していないため、蓋
体41から手を離せば、ヒンジばね57の付勢により蓋体41
が開いてしまう。これにより、使用者は、内蓋46を付け
忘れていることを明確に知ることができるし、また、内
蓋46を取り付けていない限りは、炊飯器を使用すること
ができない。逆に蓋体41を閉成できれば、内蓋46が取り
付けられていることを確認できることになる。これによ
り、内蓋46の未装着時には炊飯器を使用することができ
ないため、蓋体41内に炊飯時の蒸気が侵入して蓋体41内
に設けた電子部品に悪影響を与えることもないので、蓋
体41に過度な防水処置を施す必要がない。また、内蓋46
のつけ忘れによる炊飯時の吹きこぼれや、保温時の露だ
れやご飯の乾燥も防止することができるため、ご飯の食
味を低下を招くおそれもない。また、単に可動フック63
にはトーションばね65を内蓋46に当接させるだけで内蓋
46のつけ忘れを防止することができるから、スイッチや
センサーなどのによって内蓋46を電気的に検出するとい
った方法に比べはるかにコストを抑えることができる。
さらに、可動フック63を内蓋46と別体で蓋体41に設け、
この可動フック63と係合する固定フック64を本体1側に
形成しているため、可動フック63にかかる炊飯時におけ
る蒸気による熱ストレスは本体1側に可動フック63に比
べて少なくなる。また、内蓋46を装着した際の内蓋46の
位置ずれあるいは内蓋46を中途半端に蓋体41に取り付け
たとしても蓋体41に設けた可動フック63と本体1側に設
けた固定フック64との係合には影響されることがない。
このため、可動フック63と固定フック64との係合性が向
上し、可動フック63と固定フック64とを確実に係合させ
ることができる。したがって、蓋体41を閉めた際、蓋体
41と本体1の隙間が大きくなったり、あるいは、炊飯時
や保温時において外部からの衝撃などによって蓋体41が
不用意に開く虞れもない。また、蓋開ボタン60を押せ
ば、可動フック63と固定フック64との係合が解除され、
蓋体41を確実に開くことができる。また、内蓋46を装着
した際、その内蓋46でトーションばね65を押し上げるこ
とによって、可動フック63に固定フック64へと向かう付
勢力を付与するように構成しているので、内蓋46の装着
が多少不完全であっても、内蓋46がトーションばね65と
確実に当接することから、可動フック63と固定フック64
の係合性が悪化することがない。また、単に内蓋46を装
着した際、その内蓋46の周縁にトーションばね65を突き
当てているだけなので、スペース的にも無駄がなく、本
体1の小型化の面でも有効である。また、蓋体41のヒン
ジ55側には内蓋46を押えるクランプ71が軸支されている
ため、内蓋46を装着する際、まず、内蓋46の先端側を蓋
体41の先端側に装着した後、内蓋46の基部側に位置する
ヒンジ55側にてクランプ71と係合することになる。逆に
内蓋46を取り外す場合、作業的に安定する内蓋46の基部
側を引張ってヒンジ55側に位置するクランプ71との係合
を外すことから、蓋体41とクランプ71との係合及び係合
解除を行う際、内蓋46の先端の不安定な部分に力を加
えないので内蓋46の装着も安定的に行える。しかも、ヒ
ンジ部55側は、蓋体41と本体1とを軸支するためのスペ
ースがあるため、このスペースを利用して内蓋46を押え
るクランプ71を配置することができる、本体1を大型化
することなく、内蓋46を確実に押えることが可能とな
る。
【0046】また、前記実施例では、蒸気口パッキン88
に蓋外郭部材42と蓋下面部材を構成する放熱板44との隙
間を塞ぐ第1のシール部106と放熱板44と内蓋46との隙
間を塞ぐ第2のシール部107とを一体形成することによ
って、蒸気口パッキン88によって同時に2個所の蒸気漏
れを防止することができるため、一つの蒸気口パッキン
88で蒸気の漏れを防止できるから、組付部品点数を削減
することができる。このため、蓋体41への蒸気口パッキ
ン88の組付作業も簡単かつ容易に行うことができる。ま
た、蒸気口パッキン88の挿通孔101に蒸気口81の突出部8
9に押し当てる突部102を形成し、この突部102によって
蒸気口81を取り付ける凹部80と蒸気口81との気密を保持
することができるため、蒸気口パッキン88を蒸気口81の
装着部として兼用できるため、極めて合理的である。こ
のように、蒸気口パッキン88は凹部80と蒸気口81との気
密を保持するのみならず、蒸気口81の装着部として兼用
するとともに、第1,第2のシール部106,107によって
蓋外郭部材42と放熱板44及び放熱板44と内蓋46のそれぞ
れ隙間を塞いで密閉することができるため、一つの蒸気
口パッキン88に4つの機能を持たせることができる。そ
して、このように蓋体41の内部への蒸気の漏れを防止す
ることによって、放熱板44の汚れを防止することができ
る。さらに、内蓋46に密着させる第2のシール部107の
外形Rを放熱板44の孔97の径R1より小さく設定するこ
とによって放熱板44の下面側に内蓋46を装着した際、内
蓋46の取付位置が多少ずれたとしても第2のシール部10
7が放熱板44の孔97の内側に位置して確実に内蓋46側に
突出させることができる。しかも、第2のシール部107
の外側に位置する第1のシール部106の径R2を放熱板44
の孔97の径R1より大きく設定することによって、放熱
板44の孔97の内外を第1、第2のシール部106、107で取
り囲ん孔97から蓋体41の内部に侵入しようと蒸気を確実
に防止することができる。しかも、予め凹部80の底部に
形成する開口孔87に蒸気口パッキン88に装着しておくだ
けで、蓋外郭部材42に放熱板44を固定する際、放熱板44
と内蓋46との隙間をシールする第2のシール部107が放
熱板44の孔97に臨んで放熱板44の下方に突出するととも
に、第2のシール部107の外側に形成する第2のシール
部107が確実に放熱板44の孔97の周囲に密着し、第1、第
2のシール部106,107が放熱板44及び内蓋46に挟まれて
しまうこともなく、これら放熱板44及び内蓋46の組付け
作業も簡略化することができる。
【0047】以上、本発明の一実施例を詳述したが、本
発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明
の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例え
ば、実施例では、鍋6を電磁誘導により加熱するように
したが、鍋の加熱手段は電熱ヒータなどであってもよ
い。また、クランプ71は蓋体41を軸支するヒンジ部55側
に軸支され、このクランプ71と係合する係止突起70もヒ
ンジ部55側に突設されているが、必ずしもヒンジ部55側
に限るものはない。また、内蓋46を保持するクランプ71
の構造や可動フック63及び固定フック64の係合構造など
も適宜設定すればよいものである。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、容器を収容す
る炊飯器本体と、この炊飯器本体にヒンジ部により回動
開閉自在に軸支して前記炊飯器本体の上部開口部を開閉
する蓋体と、この蓋体を開成方向に付勢する蓋付勢手段
と、前記蓋体の下面側に着脱可能に取り付けられる内蓋
と、前記蓋体の開きを係止する係止部と、前記蓋体に位
置して前記係止部と係脱可能な蓋開手段と、前記蓋開手
段を係止方向に付勢する付勢手段とを具備した炊飯器に
おいて、前記付勢手段は前記内蓋の装着によりこの内蓋
と当接して前記蓋開手段に前記係止部側へと付勢する付
勢力を発生させるものであるから、内蓋が装着されてい
なければ、蓋体が閉まらないため、炊飯器が使用不能と
なる。
【0049】請求項2の発明は、蓋体を蓋外郭部材と蓋
体の下面を構成する蓋下面部材とで構成し、前記蓋外郭
部材に形成する蒸気口収容部に蒸気口を取り付け、前記
蓋下面部材の下面側に内蓋を取り付た炊飯器において、
前記蒸気口収容部に弾性部材からなる蒸気口パッキンを
設け、この蒸気口パッキンによって前記蒸気口収容部の
下面と前記蓋下面部材の上面との隙間、前記蓋下面部材
と前記内蓋との隙間を塞いで蒸気通路から蓋体の内部
と、蓋下面部材と内蓋との間に蒸気が侵入しないように
構成したものであるから、一つの蒸気口パッキンで複数
個所を同時に密閉でき、組付部品点数を削減して蒸気口
パッキンの組付作業を簡略化することができる。
【0050】請求項3の発明は、請求項2の発明の炊飯
器において、前記蒸気口パッキンの内面に前記蒸気口を
係止する弾性変形可能な突部を一体形成したものである
から、蒸気口パッキンを蒸気口の装着部として兼用でき
る。
【0051】請求項4の発明は、請求項3の発明の炊飯
器において、前記蒸気口パッキンに前記蓋下面部材に密
着させる第1のシール部と前記内蓋に密着させる第2の
シール部を形成し、前記第2のシール部の外径を前記蓋
下面部材に形成した孔の内径より径小に形成し、この第
2のシール部を前記蓋下面部材から下方に突出させたも
のであるから、蓋体に内蓋を組付けた際、第2のシール
部が内蓋に密着し、蓋下面部材と内蓋との隙間からの蒸
気の漏れを防止することができる。
【0052】請求項5の発明は、請求項4の発明の炊飯
器において、前記第1のシール部を前記第2のシール部
の外側に形成するとともに、第1のシール部の外径を前
記蓋下面部材に形成する孔の内径より径大に形成したも
のであるから、内蓋の孔の内外を多重に密封できるか
ら、確実に蒸気の漏れを防止することができる。また、
蓋外郭部材に蓋下面部材と内蓋を組み付ける際、第1及
び第2のシール部が挟まれることがないため、組付作業
性も向上する。
【0053】請求項6の発明は、本体と蓋体とを備え、
蓋体の下面側に内蓋を取り付けるとともに、蓋体に設け
た係合部材を本体の固定部に係合して蓋体で本体を覆う
とともに、前記内蓋の装着により前記係合部材を前記固
定部側に付勢させる付勢手段を設けたものであるから、
内蓋の取付位置に左右されることなく、係合部材と固定
部とが確実に係合する。
【0054】請求項7の発明は、請求項6記載の炊飯器
において、前記内蓋の装着により、前記付勢手段の一部
を押し上げて、前記係合部材に付勢力を発生させるよう
に構成したものであるから、内蓋の装着状態に拘わら
ず、可動フックと固定フックとを確実に係合させること
ができる。
【0055】請求項8の発明は、請求項7記載の炊飯器
において、前記本体に前記蓋体を回動開閉自在に軸支す
るヒンジ部を設け、このヒンジ部側に位置する前記蓋体
の内部に前記内蓋を固定する弾性突部を設けたものであ
るから、蓋体を着脱する際、内蓋の先端の不安定な部分
に力を加えないので内蓋の装着操作が行えるので、内蓋
の着脱操作も安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す炊飯器の全体断面図で
ある。
【図2】同上可動フック付近の拡大断面図である。
【図3】同上可動フック付近の拡大断面図であり、蓋体
が開く途中の状態を示している。
【図4】同上可動フック付近の拡大断面図であり、内蓋
を装着していない状態を示している。
【図5】同上可動フックの斜視図である。
【図6】同上ヒンジ部付近の拡大断面図である。
【図7】同上蒸気口付近の拡大断面図である。
【図8】同上蒸気パッキンの拡大断面図である。
【図9】同上炊飯器全体の平面図である。
【符号の説明】
1 炊飯器本体 6 鍋(容器) 41 蓋体 42 蓋外郭部材 44 放熱板(蓋下面部材) 46 内蓋 55 ヒンジ部 57 ヒンジばね(蓋付勢手段) 60 蓋開ボタン(蓋開手段) 61 爪部 63 可動フック(係合部材) 64 固定フック 64A 固定部(係止部) 65 トーションばね(付勢手段) 71 クランプ(弾性突部) 80 蒸気口収容部 81 蒸気口 88 蒸気口パッキン 97,98 孔(蒸気通路) 102 突部 106 第1のシール部 107 第2のシール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 一也 新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝 ホームテクノ株式会社内 (72)発明者 竹石 浩之 新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝 ホームテクノ株式会社内 Fターム(参考) 4B055 AA02 BA05 BA38 BA54 BA56 CA24 CA25 CA67 CA68 CA70 CA73 CA82 CB03 CB08 CC26 CC27 CC33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器を収容する炊飯器本体と、この炊飯
    器本体にヒンジ部により回動開閉自在に軸支して前記炊
    飯器本体の上部開口部を開閉する蓋体と、この蓋体を開
    成方向に付勢する蓋付勢手段と、前記蓋体の下面側に着
    脱可能に取り付けられる内蓋と、前記蓋体の開きを係止
    する係止部と、前記蓋体に位置して前記係止部と係脱可
    能な蓋開手段と、前記蓋開手段を係止方向に付勢する付
    勢手段とを具備した炊飯器において、前記付勢手段は前
    記内蓋の装着によりこの内蓋と当接して前記蓋開手段に
    前記係止部側へと付勢する付勢力を発生させることを特
    徴とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 蓋体を蓋外郭部材と蓋体の下面を構成す
    る蓋下面部材とで構成し、前記蓋外郭部材に形成する蒸
    気口収容部に蒸気口を取り付け、前記蓋下面部材の下面
    側に内蓋を取り付た炊飯器において、前記蒸気口収容部
    に弾性部材からなる蒸気口パッキンを設け、この蒸気口
    パッキンによって前記蒸気口収容部の下面と前記蓋下面
    部材の上面との隙間、前記蓋下面部材と前記内蓋との隙
    間を塞いで蒸気通路から蓋体の内部と、蓋下面部材と内
    蓋との間に蒸気が侵入しないように構成したことを特徴
    とする炊飯器。
  3. 【請求項3】 前記蒸気口パッキンの内面に前記蒸気口
    を係止する弾性変形可能な突部を一体形成したことを特
    徴とする請求項2記載の炊飯器。
  4. 【請求項4】 前記蒸気口パッキンに前記蓋下面部材に
    密着させる第1のシール部と前記内蓋に密着させる第2
    のシール部を形成し、前記第2のシール部の外径を前記
    蓋下面部材に形成した孔の内径より径小に形成し、この
    第2のシール部を前記蓋下面部材から下方に突出させた
    ことを特徴する請求項3記載の炊飯器。
  5. 【請求項5】 前記第1のシール部を前記第2のシール
    部の外側に形成するとともに、第1のシール部の外径を
    前記蓋下面部材に形成する孔の内径より径大に形成した
    ことを特徴とする請求項4記載の炊飯器。
  6. 【請求項6】 本体と蓋体とを備え、蓋体の下面側に内
    蓋を取り付けるとともに、蓋体に設けた係合部材を本体
    の固定部に係合して蓋体で本体を覆うとともに、前記内
    蓋の装着により前記係合部材を前記固定部側に付勢させ
    る付勢手段を設けたことを特徴とする炊飯器。
  7. 【請求項7】 前記内蓋の装着により、前記付勢手段の
    一部を押し上げて、前記係合部材に付勢力を発生させる
    ように構成したことを特徴とする請求項6記載の炊飯
    器。
  8. 【請求項8】 前記本体に前記蓋体を回動開閉自在に軸
    支するヒンジ部を設け、このヒンジ部側に位置する前記
    蓋体の内部に前記内蓋を固定する弾性突部を設けたこと
    を特徴とする請求項7記載の炊飯器。
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